JP2004116458A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】背圧室を設けて、旋回スクロールに作用するスラスト荷重を支持する型式のスクロール型圧縮機において、圧力損失の少ない吸入通路を形成する。
【解決手段】旋回スクロール6の端板部6aの背面に環状の硬質プレート22を取り付けると共に、それに対向するハウジングブロック13の表面に内外二条のシールリング11を装着して背圧室19を形成し、加圧された流体を圧力導入孔6dを介して導入する。硬質プレート22の下には放射状に吸入溝23が形成される。端板部6aの周囲に形成される空間24が吸入溝23に接続し、更に、空間24が固定スクロール8の表面に半径方向に形成された吸入溝25を介して吸入室14に接続する。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール型圧縮機に係り、特に、スクロール型圧縮機の吸入通路の構成と、スラスト荷重を支持する背圧室のシール手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロール型圧縮機において、旋回スクロールの端板部の背面、或いはそれに対向するハウジングブロックの表面に窪み空間として環状の背圧室を形成し、この背圧室へ吐出側から圧縮された流体を導入して背圧を発生させることにより旋回スクロールを軸線方向に付勢して、圧縮反力によって発生するスラスト荷重により、旋回スクロールの背面とハウジング側の平坦面との間に作用する大きな接触荷重を軽減する手段が知られている。
【0003】
このような従来技術を実施する場合は、スラスト荷重が非常に大きくなると、シール材の摺動による機械損失が大きくなって、それが圧縮機の効率低下をもたらすことが問題になるので、その後に改良された従来技術においては、旋回スクロールの背圧室にシール材を設けると共に、作動室内において未だ十分に高圧まで圧縮されていない比較的に低圧の冷媒を取り出して、逆止弁を介してそれを背圧室へ供給することにより、背圧室から高圧の冷媒が多量に漏れ出るのを未然に防止すると共に、シール材の摩耗や機械損失が増大するのを抑制している。
【0004】
背圧室にシール材を設ける場合には、シール材が背圧室へ供給される流体圧を受けてハウジングブロックの表面或いは旋回スクロールの端板部の背面に押し付けられた状態で摺動するので、その際に生じる摺動摩擦による機械損失を避けることができないのと、長期間にわたって運転されると、シール材のみならず相手方の摺動面にも摩耗が発生するという問題がある。
【0005】
また、圧縮すべき流体をスクロール型圧縮機の吸入室へ直接に供給することができる構成であれば問題はないが、例えば、モータと一体化された冷媒圧縮機において、冷凍サイクルから冷媒圧縮機へ戻って来る低温、低圧の戻り冷媒を利用してモータを冷却する場合には、戻り冷媒をモータの内部へ導いて、それを通過させた後に圧縮機の吸入室へ導くことになるので、吸入室へ直接に戻り冷媒を導く場合に比べて吸入通路が複雑になって圧力損失も増大する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における前述のような問題に対処して、スクロール型圧縮機のスラスト荷重を支持する背圧室のためのシール手段に改良を加えて動力損失を低減させると共に、スクロール型圧縮機に特有の構造を利用することによって吸入通路を合理的に構成して圧力損失をも低減させることにより、それらの問題を解消することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、従来技術における前述のような問題に対応することができる解決手段として、特許請求の範囲の請求項1に記載されたスクロール型圧縮機を提供する。
【0008】
本発明のスクロール型圧縮機においては、旋回スクロールに作用するスラスト荷重を支持するために旋回スクロールの背後に背圧室を設けて吸入圧よりも高圧の流体を導入するが、この場合の背圧室は、旋回スクロールの端板部の背面と、その端板部の背面に対向してそれを支持するためにハウジングに固定されたハウジングブロックの表面とのいずれか一方に装着、支持された環状のシールリングによって囲まれた空間として形成される。このシールリングは、それを装着している面に対向している相手方の面に取り付けられた硬質プレートに摺動接触しているので、シールリングが硬質プレートの表面を円滑に摺動して摩擦による動力損失や摺動面の摩耗を低減することができるだけでなく、圧縮機の起動直後の未だ背圧室に十分な圧力が加えられていない時期に、シールリングと硬質プレートとを介在させた状態で、ハウジングブロックの表面に対して旋回スクロールの端板部の背面が摺動するので、比較的に摩擦が少ない状態でハウジングブロックが旋回スクロールのスラスト荷重を支持することができる。
【0009】
また、この硬質プレートの下には半径方向に吸入溝が形成されているので、旋回スクロールの端板部によって吸入通路が遮断されることがなく、圧力損失が少ない状態で圧縮すべき流体を吸入室へ導入することができる。
【0010】
背圧室を形成するシールリングは、シャフトの中心軸線を取り巻くように内外二条一対として、少なくとも一対以上設けられてもよいし、シャフトの中心軸線の周りに概ね均等に配置されるように3個以上設けられてもよい。
【0011】
この場合に、シールリングがハウジングブロックの表面に装着されると共に、硬質プレートが旋回スクロールの端板部の背面に取り付けられているという組み合わせにしてもよいし、シールリングが旋回スクロールの端板部の背面に装着されていると共に、硬質プレートがハウジングブロックの表面に取り付けられているという組み合わせとしてもよい。
【0012】
硬質プレートの下に形成された半径方向の吸入溝に接続して一連の吸入通路を構成するものとして、旋回スクロールの端板部の周辺部に形成される空間と、固定スクロールの端板部の表面及びハウジングブロックの表面の少なくとも一方に半径方向の吸入溝が形成されて最終的に吸入室に連通している。それによって、旋回スクロールの端板部を迂回する十分に断面積の大きい吸入通路が形成されるので、圧縮すべき流体が殆ど圧力損失を受けることなく吸入室へ到達することができる。従って、吸入室へ直接に吸入ポートを設ける必要がなくなり、吸入される流体を圧縮機に付属するモータの内部を通過させて、それを冷却するというようなことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5の各図を用いて本発明のスクロール型圧縮機に関する第1実施例を説明する。図1に示す1はシャフトであって、その下端には軸心に対して所定量だけ偏心したクランク部1aが形成されている。本発明において必須の要件とするものではないが、第1実施例におけるクランク部1aはシャフト1に対する偏心量が無段階に変化することができるようになっている。2はモータであって、電力の供給を受けた時にシャフト1を回転駆動する。第1実施例の場合はモータ2が圧縮機のハウジング部分と一体化されたハウジング3の内部に構成されている。4はハウジング3の上部に取り付けられたフロントラジアル軸受であって、同じく下部に取り付けられたリアラジアル軸受5と共に、シャフト1を回転可能に支持している。なお、本発明はモータ一体型のスクロール型圧縮機に限って適用される訳ではなく、シャフト1を回転駆動する動力源が、例えば車両に搭載されている内燃機関のように、圧縮機本体とは別体のものであってもよい。
【0014】
以下の説明においては、図1の一部拡大図である図2と、部分的な平面図である図3ないし図5をも参照する。6は旋回スクロールであって、概ね円板状の端板部6aと、それから軸方向に突出するように形成された渦巻き形の羽根部6bと、端板部6aの背面(スラスト荷重を受ける面)に形成された円筒状のボス部6c等からなっている。旋回スクロール6の全体は、ボス部6cに圧入して取り付けられている旋回スクロール軸受16を介して、シャフト1のクランク部1aによって回転可能に支持されていて、シャフト1の中心軸線の回りに公転運動をする。7は旋回スクロール6の公転運動のみを許す複数個の自転防止ピンであって、旋回スクロール6の自転運動を阻止する。
【0015】
8は固定スクロールであって、前述の旋回スクロール6と同様な端板部8aと渦巻き形の羽根部8bを備えていて、旋回スクロール6と噛み合った状態でモータハウジング3の内部に固定されている。固定スクロール8が旋回スクロール6の端板部6aと対向している面には、前述の自転防止ピン7を受け入れる円形の自転防止穴8dが自転防止ピン7と同じ数だけ形成されている。
【0016】
固定スクロール8の渦巻き形の羽根部8bと旋回スクロール6の渦巻き形の羽根部6bが噛み合うことによって、それらの羽根部6b及び8bの間に軸線方向に見た時に三日月形に見える作動室9が複数個形成される。なお、図5においては、旋回スクロール6が十分に偏心していない中立の状態を示しているので、三日月形の作動室9は形成されていない。
【0017】
このスクロール型圧縮機によって圧縮される流体が、例えば、空調装置の冷媒である場合には、図示しない冷凍サイクルから戻って来た低温低圧の気体冷媒は吸入ポート20からハウジング3内へ吸入され、この場合はモータ2内の空隙を通過することによってモータ2を内部から冷却した後に、本発明の特徴とする後述のような経路を経て固定スクロール8内の吸入室14へ導入される。
【0018】
吸入室14内の気体冷媒は、外周において作動室9が吸入室14に向かって開いた時に作動室9の内部へ吸入され、旋回スクロール6が公転をする間に作動室9が閉じ、更に、旋回スクロール6及び固定スクロール8の中心部に向かって作動室9が半径方向に移動しながら縮小する間に圧縮される。作動室9が中心部において開いた時に、吐出圧に達した冷媒が固定スクロール8の端板部8aに設けられた吐出孔8cを通過して、端板部8aと、ハウジング3に取り付けられたリアプレート18との間に形成されている吐出室15内へ吐出される。
【0019】
21は吐出室15に開口するようにハウジング3に設けられた吐出ポートであって、図示しない配管によって冷凍サイクルに連通しており、吐出室15内へ吐出された高圧の冷媒を冷凍サイクルの凝縮器へ導く。なお、17はリード弁からなる吐出弁であって、吐出室15内の冷媒が吐出孔8cを介して逆流しないように端板部8a上に装着されている。この吐出弁17はバルブストッパ26によって保護される。また、10は旋回スクロール6に関連する偏心質量に対抗するように設けられたバランサである。
【0020】
次に第1実施例の特徴とする構造について説明する。図2及び図3に示すように、旋回スクロール6の端板部6aの背面と対向しているハウジングブロック13の表面には、シャフト1の中心軸線を取り巻くように、内外二条の環状溝が形成されていると共に、それらの環状溝にそれぞれ環状のシールリング11が装着されている。シールリング11の材料は多少の弾性を有する硬質のゴム、金属、合成樹脂、カーボン、セラミックのような無機材料等であるが、それらの材料からなる繊維を圧縮してバインダーによって固形化したものとか発泡成形したものでもよい。
【0021】
シールリング11が低摩擦で摺動接触するように、スラスト荷重の受け面である旋回スクロール6の端板部6aの背面には環状の硬質プレート22が嵌め込まれている。硬質プレート22の材料は鋼合金のような硬質の金属、或いはセラミック等である。従って、内外のシールリング11と、スラスト荷重受け面である硬質プレート22及びハウジングブロック13の表面によって、背圧室19となる環状の閉じた空間が形成される。
【0022】
そして、背圧室19と、中心部に近い所定の位置に形成される作動室9との間を連通させるように、細い圧力導入孔6dが端板部6aを貫通して設けられているので、作動室9の中で所定の大きさの高圧まで加圧された冷媒が背圧室19内へ導入され、ハウジングブロック13を足掛かりにして旋回スクロール6の端板部6aを固定スクロール8に向かって押圧する。なお、第1実施例においては環状の背圧室19が1個だけ形成されているが、これらを同心円状に複数個形成してもよい。
【0023】
吸入ポート20からハウジング3内へ吸入され、モータ2を冷却した後の冷媒即ち、圧縮すべき流体を吸入室14へ導入するために、旋回スクロール6の端板部6aの背面に設けられた硬質プレート22の下に、図2及び図4に示したような放射状の吸入溝23が複数本形成されている。
【0024】
また、図2及び図5に示したように、固定スクロール8の表面にも吸入溝23と同様な放射状の吸入溝25が複数本形成されていて、それらが、ハウジングブロック13内の旋回スクロール6の端板部6aの周辺部に、端板部6aの公転を許すために形成される隙間としての空間24を介して接続することによって、モータ2の内部と吸入室14とを連通させている。なお、第1実施例においては、吸入溝25上の一部に自転防止穴8dが形成されているけれども、これは必須の要件ではないから、両者は一致していなくてもよい。
【0025】
第1実施例のスクロール型圧縮機はこのように構成されているから、吸入ポート20からハウジング3内へ吸入された戻り冷媒は、モータ2を冷却した後に、旋回スクロール6の端板部6aに形成されて硬質プレート22によって蓋をされた吸入溝23、端板部6aの周辺に形成される空間24、及び固定スクロール8の上面に設けられた吸入溝25を順次通過して吸入室14へ流入し、前述のようにして旋回スクロール6と固定スクロール8の間に形成される作動室9によって圧縮されて吐出室15へ吐出され、吐出ポート21から外部へ送り出される。
【0026】
従って、吸入ポート20から吸入室14へ供給される冷媒の流れを阻害するものがないのと、スラスト荷重の受け面となる摺動面が、その部分を流れる冷媒のような流体によって冷却されるので、冷媒は流れの抵抗による大きな圧力損失を伴うことなく吸入室14へ到達して作動室9内へ取り込まれると共に、シールリング11と硬質プレート22との間の摩擦が低減する。それによってスクロール型圧縮機の作動効率が吸入溝23及び25を設けない場合に比べて向上する。
【0027】
作動室9内において冷媒のような流体を圧縮することによって、旋回スクロール6には圧縮反力が作用するので、旋回スクロール6の端板部6aの背面と、それを支持しているハウジングブロック13の表面との間にスラスト荷重が発生する。圧縮機が起動された直後においては、スラスト荷重は硬質プレート22の表面と、シールリング11を有するハウジングブロック13の表面との間で受けられて相殺される。この場合は多少の摩擦を伴うが、平滑な硬質プレート22の表面をシールリング11が摺動するので、摩擦による動力損失や摺動面の摩耗等はごく僅かになる。また、シールリング11と硬質プレート22の摺動面は、冷媒に混入している冷凍機油のような潤滑油によって潤滑される。
【0028】
起動後に冷媒が作動室9内で圧縮されることによって中心部寄りの作動室9の冷媒の圧力が少なくとも吸入圧以上に上昇すると、その圧力を圧力導入孔6dを介して受け入れている背圧室19の圧力が上昇するので、背圧室19がスラスト荷重を支持するようになり、背圧室19内の冷媒のような流体を介在させた低摩擦の状態でスラスト荷重が支持されて相殺される。従って、動力損失が少なくなって効率が上昇すると共に、摺動部分の摩耗を低減することができる。
【0029】
第1実施例のスクロール型圧縮機においては二条のシールリング11がハウジングブロック13の表面に装着されると共に、旋回スクロール6の端板部6aの背面に硬質プレート22を取り付けて、その下に放射状の吸入溝23を形成しているが、これらの位置関係を反対にして、端板部6aの背面にシールリング11を装着すると共に、ハウジングブロック13の表面に硬質プレート22を取り付けて、その下に放射状の吸入溝23を形成してもよい。それによって背圧室19も同様に形成される。この変形例も第1実施例と同様な作用効果を奏する。
【0030】
また、第1実施例においては放射状の吸入溝25を固定スクロール8の表面に形成しているが、この放射状の吸入溝25を、固定スクロール8の表面に対向している旋回スクロール6の端板部6aの表面に形成することも可能であって、それによって第1実施例と実質的に同様な作用効果を奏する。このように、吸入溝23及び25は、相互に対向している表面のいずれか一方に形成することができるだけでなく、それらの双方に形成することもできる。
【0031】
図6に本発明のスクロール型圧縮機に関する第2実施例の要部のみをを示す。第2実施例の特徴を示す図6は、第1実施例についての図3に対応するものであって、これらの図面を対比すれば明らかなように、第2実施例においては比較的に小径のシールリング12を3個以上使用して、それらがシャフト1の中心軸線の延長線の周りに均等に配置されるように、ハウジングブロック13の表面に装着して、それらの内部に背圧室19を形成している。
【0032】
全てのシールリング12は、旋回スクロール6の端板部6aの背面に取り付けられた硬質プレート22に摺動接触している。また、それぞれの背圧室19へ作動室9から加圧された冷媒が図示しない圧力導入孔によって供給される。第2実施例はこのように構成されているから、第2実施例のスクロール型圧縮機が第1実施例のそれと同様な作用効果を奏することや、硬質プレート22の下に吸入溝23が形成されること、更に、シールリング12と硬質プレート22との位置関係を反対にすることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のスクロール型圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2におけるIII−III断面を示す平面図である。
【図4】図2におけるIV−IV断面を示す平面図である。
【図5】図2におけるV−V断面を示す平面図である。
【図6】図3に対応して第2実施例のスクロール型圧縮機の要部を示す平面図である。
【符号の説明】
1…シャフト
1a…クランク部
2…モータ
3…ハウジング
6…旋回スクロール
6a…端板部
6b…渦巻き形の羽根部
6d…圧力導入孔
8…固定スクロール
8a…端板部
8b…渦巻き形の羽根部
8d…自転防止穴
9…作動室
11,12…シールリング
13…ハウジングブロック
14…吸入室
20…吸入ポート20
22…硬質プレート
23,25…半径方向の吸入溝
24…空間

Claims (7)

  1. ハウジングと、前記ハウジングによって軸支されていると共に一部に偏心したクランク部を有するシャフトと、渦巻き形の羽根部及び端板部を有し前記シャフトのクランク部によって駆動されることにより公転運動をする旋回スクロールと、該旋回スクロールと噛み合う渦巻き形の羽根部及び端板部を有すると共に前記ハウジングに固定された固定スクロールとを備えていて、前記旋回スクロールが前記シャフトのクランク部によって駆動されて公転運動をする時に、前記旋回スクロールの羽根部と前記固定スクロールの羽根部との間に形成される複数個の作動室が外周部から中心部に向かって移動する間に、該作動室の容積が連続的に縮小することにより該作動室内において流体を圧縮するスクロール型圧縮機であって、更に、
    前記作動室内の流体の圧縮圧力が上昇するのに伴って前記旋回スクロールに作用する前記シャフトの軸線方向のスラスト荷重を支持するために、前記旋回スクロールの背後において前記ハウジングに取り付けられたハウジングブロックと、
    スラスト荷重を支持する背圧室を構成するために、前記旋回スクロールの端板部の背面と、それに対向してそれを支持している前記ハウジングブロックの表面とのいずれか一方に装着されたシールリングと、
    前記背圧室内へ吸入圧よりも高圧の流体を導入するための通路と、
    前記シールリングが摺動接触するように相手方の面に取り付けられた硬質プレートと、
    前記硬質プレートの下に半径方向に形成された吸入溝とを備えていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 請求項1において、前記背圧室が、前記シャフトの中心軸線を取り巻くように配置された内外二条のシールリングの間に形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 請求項1において、前記背圧室が、前記シャフトの中心軸線の周りに配置された少なくとも3個のシールリングの内部にそれぞれ形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記シールリングが前記ハウジングブロックの表面に装着されていると共に、前記硬質プレートが前記旋回スクロールの端板部の背面に取り付けられていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  5. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記シールリングが前記旋回スクロールの端板部の背面に装着されていると共に、前記硬質プレートが前記ハウジングブロックの表面に取り付けられていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記旋回スクロールの端板部の周辺部に形成されて吸入通路の一部となる空間が、前記硬質プレートの下に形成された前記吸入溝に接続していると共に、前記空間と吸入室とを連通させるために、前記固定スクロールの表面に半径方向の吸入溝が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  7. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記旋回スクロールの端板部の周辺部に形成されて吸入通路の一部となる空間が、前記硬質プレートの下に形成された前記吸入溝に接続していると共に、前記空間と吸入室とを連通させるために、前記固定スクロールの表面と対向している前記旋回スクロールの端板部の表面に半径方向の吸入溝が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
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