JP2004116379A - ガスタービンの点検方法およびそれに用いる治具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上部ノズルサポート2を取り外す手順と、下部ノズルサポート3にダミーノズルサポートJを取り付ける手順と、ダミーノズルサポートJを半回転させる手順とを含んでいるガスタービンGの点検方法であり、半回転されられて上部ノズルサポート2の位置に移動させられた下部ノズルサポート3を上部ノズルサポート2同様に取り外してその点検・補修をなすものである。ここで、ダミーノズルサポートJの外形は、上部ノズルサポート2の外側形状と同一とされる。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスタービンの点検方法およびそれに用いる治具に関する。さらに詳しくは、ノズルサポートの点検が簡易になし得るガスタービンの点検方法およびそれに用いる治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ガスタービンでは所定時間運転後に開放点検がなされ、その点検において不具合が認められた部品の交換や修理などがなされている。
【0003】
例えば、高温部開放点検においては、上部メインハウジングおよび上部ノズルサポートを取り外してそれらの点検を行うとともに、タービブレードおよび下部ノズルサポートの点検がなされている。そして、この点検で下部ノズルサポートに装着されているノズルに損傷などの不具合が認められると、上側ケーシングを全て開放するとともに、タービンブレードなどが装着されている主軸を抜き出した後、下部ノズルサポートを抜き出して損傷したノズルなどの交換や補修がなされる。
【0004】
このため、従来のガスタービンの点検方法では、下部ノズルサポートに不具合が発見されると、点検期間の長期化および点検コストの大幅な上昇を招来するといった問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、下部ノズルサポートに不具合が発見されても、点検期間の長期化および点検コストの大幅な上昇を招来することなく、その補修などがなし得るガスタービンの点検方法およびそれに用いる治具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はかかる従来技術の課題に対し鋭意研究した結果、下部ノズルサポートは下部メインハウジングに回転可能に保持されているので、適当な方法により下部ノズルサポートを回転させて上側に移動させることにより、前記課題が氷解されることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明のガスタービンの点検方法は、上部ノズルサポートを取り外す手順と、下部ノズルサポートにダミーノズルサポートを取り付ける手順と、ダミーノズルサポートを半回転させる手順とを含んでいることを特徴とする。
【0008】
本発明のガスタービンの点検方法においては、タービンロータを半回転させながらダミーノズルサポートを半回転させてもよい。
【0009】
また、本発明の治具は、ガスタービンの点検方法に用いられる治具であって、外形が上部ノズルサポートの外側部材の外形と同一とされてなることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明のガスタービンの点検方法は、前記のごとく構成されているので、下部ノズルサポートに異常が発見されても、ガスタービンの点検期間を長期化させることもなく、またその費用増大も抑制できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【0012】
図1に、本発明の一実施形態のガスタービンの点検方法に用いられる治具を概略図で示す。治具Jは内側にノズル装着部が設けられていない他は、上部ノズルサポートの外側部材と同一構成とされている。すなわち、治具Jの外形は上部ノズルサポートの外側部材の外形と同一とされている。以下、本明細書では、かかる構成とされている治具をダミーノズルサポートと称す。
【0013】
次に、図2〜図8を参照しながら、前記ダミーノズルサポートJを用いた発電用ガスタービンGの高温部の点検方法について説明する。
【0014】
(1)ケーシングを取り外して燃焼器を取り外した後に、上部メインハウジング1を取り外す(図2参照)。
【0015】
(2)燃焼器用トランジションダクトを取り外した後に、上部ノズルサポート2を取り外す(図3参照)。
【0016】
(3)ダミーノズルサポートJ下面を下部ノズルサポートの上面に当接させた状態で下部ノズルサポートに載置し、ダミーノズルサポートJを下部ノズルサポートに例えばボルト・ナット留めにて取り付ける(図4参照)。
【0017】
(4)ダミーノズルサポートJ側面フランジに設けられているボルト挿通孔(図示省略)を利用して、ダミーノズルサポート回転用部材、例えばIボルトIを装着する(図5参照)。なお、ダミーノズルサポート回転用部材をあらかじめダミーノズルサポートJ側面に取り付けておくことにより、この手順を省略してもよい。
【0018】
(5)タービンロータRを半回転させながら、前記ダミーノズルサポート回転用部材を利用してダミーノズルサポートJを半回転させ、下部ノズルサポートを上部ノズルサポート位置まで移動させる。例えば、IボルトIにチェーンブロックCのフックを引っ掛けてダミーノズルサポートJを半回転させる(図6参照)。
【0019】
(6)下部ノズルサポート3を取り外してその点検・補修をなす(図7参照)。
【0020】
(7)半回転により上部に移動させられたタービンロータR下部の点検・補修をなす(図8参照)。例えば、腐食などが発生しているタービンブレードの交換を行う。
【0021】
タービンロータRの点検・補修、上部および下部ノズルサポート2,3の点検・補修などが終了すると、前記手順を逆に辿って復旧作業を行う。
【0022】
このように、本実施形態によれば、下部ノズルサポート3に異常が発見されてもガスタービンG全体を分解する必要がなくなるので、ガスタービンGの点検期間を長期化させることもなく、またその費用増大も抑制できる。
【0023】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではなく、各種ガスタービンに適用できる。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のガスタービンの点検方法によれば、下部ノズルサポートに異常が発見されても、ガスタービンの点検期間を長期化させることもなく、またその費用増大も抑制できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービン点検方法に用いられる治具の概略図である。
【図2】本発明のガスタービン点検方法の点検手順を示す説明図であって、同(a)はケーシングを取り外した状態を示し、同(b)は上部メインハウジングを取り外した状態を示す。
【図3】本発明のガスタービン点検方法の点検手順を示す説明図であって、同(a)は上部ノズルサポートを上方へ移動している状態を示し、同(b)は上部ノズルサポートを取り外した状態を示す。
【図4】本発明のガスタービン点検方法の点検手順を示す説明図であって、ダミーノズルサポートを取り付けた状態を示す。
【図5】本発明のガスタービン点検方法の点検手順を示す説明図であって、ダミーノズルサポート側面にIボルトを取り付けた状態を示す。
【図6】本発明のガスタービン点検方法の点検手順を示す説明図であって、ダミーノズルサポートをチェーンブロックにより半回転させている状態を示す。
【図7】本発明のガスタービン点検方法の点検手順を示す説明図であって、同(a)は下部ノズルサポートを上方へ移動している状態を示し、同(b)は下部ノズルサポートを取り外した状態を示す。
【図8】本発明のガスタービン点検方法の点検手順を示す説明図であって、タービンロータを点検している状態を示す。
【符号の説明】
G 発電用ガスタービン
J 治具、ダミーノズルサポート
R タービンロータ
1 上部メインハウジング
2 上部ノズルサポート
3 下部ノズルサポート
Claims (3)
- 上部ノズルサポートを取り外す手順と、
下部ノズルサポートにダミーノズルサポートを取り付ける手順と、
ダミーノズルサポートを半回転させる手順
とを含んでいることを特徴とするガスタービンの点検方法。 - タービンロータを半回転させながらダミーノズルサポートを半回転させることを特徴とする請求項1記載のガスタービンの点検方法。
- ガスタービンの点検方法に用いられる治具であって、
外形が上部ノズルサポートの外側部材の外形と同一とされてなることを特徴とする治具。
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