JP2015183690A - ターボ機械およびターボ機械を分解する方法 - Google Patents

Abstract

【課題】分解に関する公知の設計の欠点を回避し、同時にターボ機械の運転中のケーシング構造の安定性を高めるターボ機械設計を提供する。【解決手段】内側ケーシング１２の上側部分１２ａおよび下側部分１２ｂのフランジ結合が、複数のボルト１８を備え、ボルト１８は、内側ケーシング１２の前記フランジ結合のそれぞれのフランジ２５に設けられた貫通孔２６をそれぞれ貫通し、ねじ山付き部分１８ｂ，１８ｄを備える両端部において貫通孔２６から突出しており、ボルト１８の両端部におけるねじ山付き部分１８ｂ，１８ｄに螺合されたナット１９，２２により締め付けられている。【選択図】図３

Description

本発明は、タービン、特にガスタービンまたは圧縮機の形態のターボ機械の技術に関する。本発明は、請求項１の前提部に記載のターボ機械に関する。本発明は、さらに、このようなターボ機械を分解する方法に関する。

ガスタービン、蒸気タービンまたは圧縮機において、部品のメンテナンスが定期的にまたは必要に応じてなされる。このようなターボ機械は、通常、機械軸線もしくは機械のロータの回転軸線に関して同軸的に配置された外側ケーシングおよび内側ケーシングを有する。内側ケーシングは、ターボ機械を通過する作動流体の流れに影響する複数のベーンを取り付けるために用いられる。

外側ケーシングおよび内側ケーシングは、通常、分割平面において上側部分と下側部分とに分割された、二部構造のものである。内側ケーシングの下側部分を取り外すために、様々な方法が提案されてきた。それらの方法のうちの１つが、国際公開第２００６／１０３１５２号明細書の図４に開示されており、本願の図１に再現されている。

図１（ａ）に示したように、ガスタービン１０は、上側部分１２ａおよび下側部分１２ｂを備える分割された内側ケーシング１２によって包囲された中央ロータ１３を同軸的な配列で有している。上側部分１２ａおよび下側部分１２ｂは、分割平面１５においてフランジ結合により結合されており、両方とも複数のベーン１４を支持している。内側ケーシング１２は、上側部分１１ａおよび下側部分１１ｂを備える外側ケーシング１１によって包囲されており、上側部分１１ａおよび下側部分１１ｂは、分割平面１５においてフランジ結合によって結合されている。

公知の分解プロセスは、以下のステップを含む（図１（ｂ）〜図１（ｅ））。外側ケーシング１１の上側部分１１ａが取り外された後、内側ケーシング１２の上側部分１２ａが引き出される。次いで、外側ケーシング１２の下側部分１２ｂに残された内側ケーシング１１の下側部分１１ｂに、内側ケーシング１２の上側部分１２ａの代わりのダミーとしてガイドリング１７が取り付けられる（図１（ｂ））。

次いで、下側部分１２ｂおよびガイドリング１７は、機械軸線を中心に１８０°回転させられる（図１（ｃ）→図１（ｄ））。回転は、特別な支持手段１６によって補助される。この状態において、内側ケーシング１２の下側部分１２ｂはこの時点で、上側部分１２ａの元の位置と同様の位置、すなわち、外側ケーシング１１の下側部分１１ｂの上方かつ外側にあるので、内側ケーシング１２の下側部分１２ｂを容易に引き出すことができる（図１（ｅ））。

同様の方法が、欧州特許出願公開第１０５２３７７号明細書に開示されている。

しかしながら、上述の方法には問題がある。ロータが取り付けられたまま内側ケーシングの下側部分を回し出すためには、内側ケーシングの下側部分の分割平面にガイドリングを取り付ける必要がある。内側ケーシング、すなわちガイドリングは、外側ハウジングの下半分に取り付けられた半径方向支持手段によって３６０°にわたる一回転の間、半径方向で支持される。１８０°だけ回転した後、この時点で上側位置にある内側ケーシングの下側部分から、ガイドリングを取り外す必要がある。したがって、ガイドリングと内側ケーシングの下側部分との間の結合ボルトを緩める必要がある。工具の取扱およびアクセス性により、外側ケーシングの下側半分を緩めるのは不可能である。

欧州特許出願公開第２２１３８４６号明細書は、内側ケーシングの下側部分の円滑かつ安全な取り外しを達成するために、ガイドリングと内側ケーシングの下側部分との間に取り付けられた特別な結合プレートおよび結合ボルトを使用することを提案している。この解決手段の主な欠点は、特別な工具を必要とし、分解手順の複雑さが増大することである。

国際公開第２００６／１０３１５２号明細書 欧州特許出願公開第１０５２３７７号明細書 欧州特許出願公開第２２１３８４６号明細書

本発明の課題は、分解に関する公知の設計の欠点を回避し、同時にターボ機械の運転中のケーシング構造の安定性を高めるターボ機械設計を提供することである。

本発明の別の課題は、このようなターボ機械を分解する方法を開示することである。

これらのおよびその他の課題は、請求項１に係るターボ機械および請求項５に係る方法によって達成される。

本発明によるターボ機械、特にガスタービンは、外側ケーシングと、外側ケーシングにより包囲された内側ケーシングとを有し、外側ケーシングおよび内側ケーシングは、機械軸線に関して同軸的に配置されており、外側ケーシングおよび内側ケーシングはそれぞれ分割平面において上側部分と下側部分とに分割されており、上側部分および下側部分は、分割平面においてフランジ結合により互いに結合されている。

本発明は、内側ケーシングの上側部分および下側部分のフランジ結合が、複数のボルトを備え、これらのボルトは、内側ケーシングのフランジ結合のそれぞれのフランジに設けられた貫通孔をそれぞれ貫通し、ねじ山付き部分を備える両端部において貫通孔から突出し、ボルトの両端部におけるねじ山付き部分に螺合されたナットにより締め付けられることを特徴とする。

本発明のターボ機械の１つの実施の形態によれば、各ナットとそれぞれのフランジとの間にワッシャが設けられている。

本発明のターボ機械の別の実施の形態によれば、ボルトは、減径部を有するシャンクボルトとして設計されている。

本発明のターボ機械の別の実施の形態によれば、ボルトの端部には、ねじ頭が設けられている。

本発明によるターボ機械を分解する本発明による方法は、
ａ）外側ハウジングの内側部分を取り外すステップと、
ｂ）それぞれのナットを緩めることによって上側部分の端部における内側ケーシングのフランジ結合のボルトを緩めるステップと、
ｃ）内側ケーシングの上側部分を取り外すステップと、
ｄ）内側ケーシングの上側部分と交換するために内側ケーシングの下側部分にガイドリングを取り付けるステップと、
ｅ）上側部分の端部において内側ケーシングのフランジ結合のボルトを締め付けるステップと、
ｆ）内側ケーシングの下側部分とガイドリングとのアセンブリを機械軸線を中心に１８０°だけ回転させるステップと、
ｇ）それぞれのナットを緩めることによって下側部分の端部における内側ケーシングのフランジ結合のボルトを緩めるステップと、
ｈ）内側ケーシングの下側部分を取り外すステップと、を含む。

ここで様々な実施の形態によって、添付の図面を参照しながら発明をより詳細に説明する。

分割された内側ケーシングおよび外側ケーシングを備えるガスタービンを分解する公知のプロセスにおける一連のステップを示す図である。 本発明の１つの実施の形態による内側ケーシングのフランジ結合のためのボルトを示す斜視図である。 本発明の１つの実施の形態による、図１に示した分解プロセスのために使用される、内側ケーシングの下側部分と、取り付けられたガイドリングとの間のフランジ結合を示す図である。 機械軸線を中心とする内側ケーシング部分の１８０°の回転後における、図３の構成を示す図である。

発明の様々な実施の形態の詳細な説明
図３は、内側ケーシング１２の下側部分１２ｂと、取り付けられたガイドリング１７との間の、本発明の１つの実施の形態によるフランジ結合を断面図で示しており、フランジ結合は、図１による分解プロセスのために使用される。ガイドリング１７は、貫通孔２４を備えるフランジ２３を有する。フランジ２３は、内側ケーシング１２の既に取り外された上側部分１２ａのフランジと同じである。内側ケーシング１２の下側部分１２ｂは、貫通孔２６を備えるフランジ２５を有する。フランジ２５の厚さは、減じることができかつ減じられている。なぜならば、ボルトを固定するためのねじ穴を設ける必要がないからである。

内側ケーシング１２の下側部分１２ｂとガイドリング１７との間のフランジ結合は、複数のボルト１８を有しており、これらのボルト１８はそれぞれ、フランジ２３における貫通孔２４と、フランジ２５における貫通孔２６とを貫通している。図２に示したように、減径部を有するシャンクボルトとして設計されたボルト１８は、ねじ山付き部分１８ｂおよび１８ｄを備える両端部において、前記貫通孔２４および２６から突出しており、前記ボルト１８の両端部において前記ねじ山付き部分１８ｂおよび１８ｄに螺合させられたナット１９および２２によって締め付けられている。

特に、各ナット１９および２２と、それぞれのフランジ２３および２５との間に、ワッシャ２０および２１が設けられている。

図２によれば、ボルト１８は、中央部における減径したシャンク１８ａと、両端部におけるねじ山付き部分１８ｂおよび１８ｄとを備える、減径部を有するシャンクボルトとして設計されている。ねじ頭１８ｃおよび１８ｅは、緩め動作の際にボルトを回転方向で固定するために設けられていてよい。

図４に示したように、内側ケーシング１２の下側部分１２ｂと、ガイドリング１７との配置が１８０°回転させられると、上側のナット２２を容易に緩めることができ、特別な工具を使用することなく下側部分１２ｂを取り外すことができる。

このように、本発明は、タービンの分解プロセスを改良するために、両端部にねじ山およびナットを備える、減径部を有するシャンクボルトを使用する。

減径部を有するシャンクボルトの使用は、ケーシングの対応するフランジ設計のために有利であり、これは、より薄いフランジを許容し、これにより、エンジン運転中の内側ケーシングの楕円化の低減を保証する。フランジ半部のうちの一方の内側にねじ山を備える既存のフランジ設計は、他方で、所要の締付け長さを保証するために、厚いフランジ設計を必要とする。

欧州特許出願公開第２２１３８４６号明細書に開示された解決手段と比較して、特別な工具が必要とされない。

１０ ガスタービン
１１ 外側ケーシング
１１ａ 上側部分（外側ケーシング）
１１ｂ 下側部分（外側ケーシング）
１２ 内側ケーシング
１２ａ 上側部分（内側ケーシング）
１２ｂ 下側部分（内側ケーシング）
１３ ロータ
１４ ベーン
１５ 分割平面
１６ 半径方向支持手段
１７ ガイドリング
１８ ボルト
１８ａ 減径部を有するシャンク
１８ｂ，１８ｄ ねじ山付き部分
１８ｃ，１８ｅ ねじ頭
１９，２２ ナット
２０，２１ ワッシャ
２３，２５ フランジ
２４，２６ 貫通孔

Claims (5)

1. ターボ機械、特にガスタービン（１０）であって、外側ケーシング（１１）と、該外側ケーシング（１１）により包囲された内側ケーシング（１２）とを有し、前記外側ケーシング（１１）および前記内側ケーシング（１２）は、機械軸線に関して同軸的に配置されており、前記外側ケーシング（１１）および前記内側ケーシング（１２）はそれぞれ分割平面（１５）において上側部分（１１ａ，１２ａ）と下側部分（１１ｂ，１２ｂ）とに分割されており、前記上側部分（１１ａ，１２ａ）および前記下側部分（１１ｂ，１２ｂ）は、前記分割平面（１５）においてフランジ結合により互いに結合されている、ターボ機械、特にガスタービン（１０）において、前記内側ケーシング（１２）の前記上側部分（１２ａ）および前記下側部分（１２ｂ）のフランジ結合が、複数のボルト（１８）を備え、該ボルト（１８）は、前記内側ケーシング（１２）の前記フランジ結合のそれぞれのフランジ（２５）に設けられた貫通孔（２６）をそれぞれ貫通し、ねじ山付き部分（１８ｂ，１８ｄ）を備える両端部において前記貫通孔（２６）から突出しており、前記ボルト（１８）の両端部における前記ねじ山付き部分（１８ｂ，１８ｄ）に螺合されたナット（１９，２２）により締め付けられていることを特徴とする、ターボ機械、特にガスタービン（１０）。
2. 各ナット（１９，２２）と、それぞれのフランジ（２５）との間にワッシャ（２０，２１）が設けられている、請求項１記載のターボ機械。
3. 前記ボルト（１８）は、減径部を有するシャンクボルトとして設計されている、請求項２記載のターボ機械。
4. 前記ボルト（１８）の端部にねじ頭（１８ｃ，１８ｅ）が設けられている、請求項３記載のターボ機械。
5. 請求項１から４までのいずれか１項記載のターボ機械（１０）を分解する方法において、
   ｉ）外側ハウジング（１１）の上側部分（１１ａ）を取り外すステップと、
   ｊ）それぞれのナット（１９）を緩めることによって前記上側部分の端部における内側ケーシング（１２）のフランジ結合のボルト（１８）を緩めるステップと、
   ｋ）前記内側ケーシング（１２）の上側部分（１２ａ）を取り外すステップと、
   ｌ）前記内側ケーシング（１２）の前記上側部分（１２ａ）と交換するために前記内側ケーシング（１２）の下側部分（１２ｂ）にガイドリング（１７）を取り付けるステップと、
   ｍ）上側部分の端部において前記内側ケーシング（１２）のフランジ結合のボルト（１８）を締め付けるステップと、
   ｎ）前記内側ケーシング（１２）の前記下側部分（１２ｂ）と前記ガイドリング（１７）とのアセンブリを機械軸線を中心に１８０°だけ回転させるステップと、
   ｏ）それぞれのナット（２２）を緩めることによって下側部分の端部における前記内側ケーシング（１２）のフランジ結合のボルト（１８）を緩めるステップと、
   ｐ）前記内側ケーシング（１２）の前記下側部分（１２ｂ）を取り外すステップと、を含むことを特徴とする、ターボ機械（１０）を分解する方法。