JP2004115993A - 断熱効果を示すストレッチ性布帛及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 合成繊維及び、弾性繊維を用いてなるストレッチ性を有する布帛であり、通気度が20cc/sec・cm2以上、近赤外線透過率が20%以下であり、さらに布帛の縦方向、横方向の少なくとも一方への伸長率が50%以上、伸長回復率が80%以上であるストレッチ性布帛及びその製造方法、並びに、合成繊維及び弾性繊維を用いてなるストレッチ性を有する布帛であり、通気度が20cc/sec・cm2以上、紫外線透過率が5%以下であり、さらに布帛の縦方向、横方向の少なくとも一方への伸長率が50%以上、伸長回復率が80%以上であるストレッチ性布帛及びその製造方法。
【選択図】 なし
Description
1.合成繊維及び弾性繊維を用いてなるストレッチ性を有する布帛であり、通気度が20cc/sec・cm2以上、近赤外線透過率が20%以下であり、さらに布帛の縦方向、横方向の少なくとも一方への伸長率が50%以上、伸長回復率が80%以上であることを特徴とするストレッチ性布帛。
2.近赤外線反射率が25%以上であることを特徴とする上記第1に記載のストレッチ性布帛。
3.合成繊維の繊維断面が扁平度3以上の扁平断面であることを特徴とする上記第1に記載のストレッチ性布帛。
4.布帛の表面及び/又は裏面に金属膜が付着されてなることを特徴とする上記第1に記載のストレッチ性布帛。
5.繊維断面が扁平度3以上の扁平断面合成繊維マルチフィラメントと弾性繊維からなる布帛にスパッタリング加工を施すことを特徴とする上記第1に記載のストレッチ性布帛の製造方法。
6.合成繊維及び弾性繊維を用いてなるストレッチ性を有する布帛であり、通気度が20cc/sec・cm2以上、紫外線透過率が5%以下であり、さらに布帛の縦方向、横方向の少なくとも一方への伸長率が50%以上、伸長回復率が80%以上であることを特徴とするストレッチ性布帛。
7.合成繊維の繊維断面が扁平度3以上の扁平断面であることを特徴とする上記第6に記載のストレッチ性布帛。
8.布帛の表面及び/又は裏面に金属膜が付着されてなることを特徴とする上記第6に記載のストレッチ性布帛。
9.2重量%以下の無機物を内部に含んでなることを特徴とする上記第6に記載のストレッチ性布帛。
10.合成繊維マルチフィラメントと弾性繊維からなる布帛にカレンダー加工を施し、該カレンダー加工の前及び/又は後にスパッタリング加工を施すことを特徴とする上記第6に記載のストレッチ性布帛の製造方法である。
最初に本発明のすべての布帛に共通する特性について説明する。
本発明に用いる合成繊維とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66、などのポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、ポリイミド繊維などにより作られたマルチフィラメントなどを意味する。
また、実使用における物性、加工性の良好さなどを考慮に入れると、特にポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントが望ましい。
また布帛とは、前記合成繊維及び弾性繊維を用いて作られた織物、編物等及び該布帛より作られたシャツ、パンツ、水着、インナー製品、布団側材、資材カバー等の縫製品を含むものである。
布帛の通気度は20cc/sec・cm2以上である事が望ましい。通気度がこの値を達しないと、空気対流による熱の拡散性が損なわれるため、熱がこもりやすくなり、布帛の断熱による効果が阻害されてしまう。より望ましくは30cc/sec・cm2以上であり、いっそう好ましくは40cc/sec・cm2以上である。但し、あまりにも通気度が高すぎると近赤外線透過率が高くなる他、布帛の強力が不十分となるため、200cc/sec・cm2以下であることが好ましい。
これらの布帛の紫外線透過率は5%以下であることが好ましい。紫外線透過率が5%より高くなると、外部からの紫外線による熱により、布帛で覆われた内側が暖まり、本来の目的を達成することが出来ない。より好ましくは4%以下であり、一層好ましくは3%以下である。
本発明の布帛の評価については、以下の方法で測定したものである。
通気度:JIS L1018 フラジール法
近赤外線透過率:分光光度計(島津 UV-3100PC)により、720nm〜2000nmの波長域の透過率を測定した。
近赤外線反射率:分光光度計(島津 UV-3100PC)により、720nm〜2000nmの波長域の反射率を測定した。
紫外線透過率:分光光度計(日立 U-3210)により、280nm〜400nmの波長域の透過率を測定した。
伸長率・伸長回復率:JIS L1096 B−1法(定荷重法)
伸長回復率は30秒後の値を測定した。尚、測定は縦方向、横方向の双方で実施し、実施例中の表1、表2には縦、横方向測定値のうち、大きいデータを記載した。
まず、実施例1〜4、比較例1〜4を挙げて、本発明の近赤外線に対する透過率を比較的低く制御し、反射率を比較的高く制御し、断熱効果を有する布帛について説明する。
常法に従って製造された44デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸及び、50デシテックス/36フィラメントの扁平度5の扁平断面のポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率0.4%)を用いて、36ゲージのトリコット編み機を使用し、ハーフ組織の2WAYトリコットを作成した。次いで、プリウェッター−プリセット(190℃×40秒)−染色(液流染色110℃×20分)−仕上げセット(170℃×40分)の条件で加工し、さらにスパッタリング加工により生地表面に金属チタンを約400Åの厚さで付着し、布帛を得た。この布帛の性量は、120コース/2.54cm、58コース/2.54cm、厚みは0.690mmであった。
常法に従って製造された44デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸及び、56デシテックス/36フィラメントの丸断面のポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率0.4%)を用いて、32ゲージのトリコット編み機を使用し、ハーフ組織の2WAYトリコットを作成した。次いで、プリウェッター−プリセット(190℃×40秒)−染色(液流染色120℃×20分)−仕上げセット(170℃×40分)の条件で加工し、その後表面にカレンダー加工を実施し、さらにスパッタリング加工により生地表面に金属チタンを約500Åの厚さで付着し布帛を得た。この布帛の性量は、106コース/2.54cm、57コース/2.54cm、厚みは0.600mmであった。
常法に従って製造された33デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸を約3倍に伸長して、83デシテックス/216フィラメントの丸断面ポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率0.4%)を捲きつけカバリング糸を作成した。経緯にこのカバリング糸を用いて2/1ツイルの織物を作成した。該織物を、通常の精練、セット、減量、染色、仕上げセットを行い、カレンダー加工後にさらにスパッタリング加工により生地表面に金属チタンを約500Åの厚さで付着し、布帛を得た。最終製品の密度は経密度175本/2.54cm、緯密度110本/2.54cm、厚みは0.890mmであった。
ポリエステルマルチフィラメントのフィラメント断面を扁平断面のものから丸断面のものに変更した以外は実施例1と同様にして、スパッタリング加工布帛を得た。
常法に従って製造された44デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸及び、50デシテックス/36フィラメントの扁平度5の扁平断面のポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率0.4%)を用いて、36ゲージのトリコット編み機を使用し、ハーフ組織の2WAYトリコットを作成した。次いで、プリウェッター−プリセット(190℃×40秒)−染色(液流染色110℃×20分)−仕上げセット(170℃×40分)の条件で加工し、布帛を得た。この布帛の性量は、108コース/2.54cm、57コース/2.54cm、厚みは0.590mmであった。
ポリウレタン弾性繊維を用いずにポリエステル繊維のみでトリコット(32ゲージ)を作成し、スパッタリング加工をしなかった以外は実施例1と同様に布帛を得た。この布帛の性量は、56コース/2.54cm、51ウェール/2.54cm、厚みは0.420mmであった。
実施例1のポリウレタン弾性糸とポリエステルフィラメントを組合せて(38インチ径・28ゲージ)(1インチ=2.54cm)を使用してベア天竺の生地を編成し、スパッタリング加工しない以外は実施例1と同様にして経密度100コース/2.54cm、緯密度54ウェール/2.54cm、厚みは0.510mmの布帛を得た。
ポリウレタン弾性繊維を用いずにポリエステル繊維のみでトリコット(32ゲージ)を作成した以外は、実施例1と同様にしてスパッタリング布帛を得た。
実施例1〜4、比較例1〜4の布帛評価結果を表1に示す。
常法に従って製造された44デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸及び、56デシテックス/18フィラメントの丸断面のポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率0.4%)を用いて、32ゲージのトリコット編み機を使用し、ハーフ組織の2WAYトリコットを作成した。次いで、プリウェッター−プリセット(190℃×40秒)−染色(液流染色110℃×20分)−仕上げセット(170℃×40分)の条件で加工し、さらにスパッタリング加工により生地表面に金属チタンを約400Åの厚さで付着し、布帛を得た。この布帛の性量は、106コース/2.54cm、58ウェール/2.54cm、厚みは0.710mmであった。
常法に従って製造された44デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸及び、56デシテックス/18フィラメントの丸断面のポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率0.4%)を用いて、32ゲージのトリコット編み機を使用し、ハーフ組織の2WAYトリコットを作成した。次いで、プリウェッター−プリセット(190℃×40秒)−染色(液流染色110℃×20分)−仕上げセット(170℃×40分)の条件で加工し、表面にカレンダー加工を施し、さらにスパッタリング加工により生地表面に金属チタンを約400Åの厚さで付着し、布帛を得た。この布帛の性量は、108コース/2.54cm、58ウェール/2.54cm、厚みは0.650mmであった。
常法に従って製造された44デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸及び、56デシテックス/18フィラメントの丸断面のポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率0.4%)を用いて、32ゲージのトリコット編み機を使用し、ハーフ組織の2WAYトリコットを作成した。次いで、プリウェッター−プリセット(190℃×40秒)−染色(液流染色110℃×20分)−仕上げセット(170℃×40分)の条件で加工し、さらにグラビアプリントにより生地表面に、アルミ箔を含んだ顔料をプリントし、アルミ箔を付着し、布帛を得た。この布帛の性量は、108コース/2.54cm、57ウェール/2.54cm、厚みは0.840mmであった。
常法に従って製造された33デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸を約3倍に伸長して、83デシテックス/72フィラメントのポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率1.9%)を捲きつけカバリング糸を作成した。経緯にこのカバリング糸を用いて2/1ツイルの織物を作成した。該織物を、通常の精練、セット、減量、染色、仕上げセットを行い、さらにスパッタリング加工により生地表面に金属チタンを約500Åの厚さで付着し、布帛を得た。最終製品の密度は経密度175本/2.54cm、緯密度110本/2.54cm、厚みは0.880mmであった。
丸断面のポリエステルマルチフィラメントに替えて扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを用い、トリコット編み機を32ゲージのものから36ゲージのものに変更した他は実施例5と同様にしてスパッタリング加工布帛を得た。
丸断面のポリエステルマルチフィラメントに替えて扁平断面ポリエステルマルチフィラメントを用いた他は実施例5と同様にしてスパッタリング加工布帛を得た。
ポリウレタン弾性繊維を用いずにポリエステル繊維のみでトリコット(32ゲージ)を作成した以外は実施例5と同様にした。この布帛の性量は、56コース/2.54cm、51ウェール/2.54cm、厚みは0.420mmであった。
実施例5のポリウレタン弾性糸とポリエステルフィラメントを組合せて(38インチ径・28ゲージ)(1インチ=2.54cm)を使用してベア天竺の生地を編成し、スパッタリング加工せず仕上げた他は実施例5と同様にして、経密度100コース/2.54cm、緯密度54ウェール/2.54cm、厚みは0.510mmの布帛を得た。
スパッタリング加工せず仕上げた他は実施例10と同様にして布帛を得た。
44デシテックスのポリエーテル系ポリウレタン糸及び、56デシテックス/18フィラメントの丸断面のポリエステルマルチフィラメント(酸化チタン添加率0.4%)に替えて、56デシテックス/18フィラメントの扁平断面ポリエステルマルチフィラメントだけを用いて編み立てた他は実施例5と同様にして、スパッタリング加工布帛を得た。
上記実施例5〜10及び比較例5〜8で得た布帛の評価結果を表2に示す。
Claims (10)
- 合成繊維及び弾性繊維を用いてなるストレッチ性を有する布帛であり、通気度が20cc/sec・cm2以上、近赤外線透過率が20%以下であり、さらに布帛の縦方向、横方向の少なくとも一方への伸長率が50%以上、伸長回復率が80%以上であることを特徴とするストレッチ性布帛。
- 近赤外線反射率が25%以上であることを特徴とする上記第1に記載のストレッチ性布帛。
- 合成繊維の繊維断面が扁平度3以上の扁平断面であることを特徴とする上記第1に記載のストレッチ性布帛。
- 布帛の表面及び/又は裏面に金属膜が付着されてなることを特徴とする上記第1に記載のストレッチ性布帛。
- 繊維断面が扁平度3以上の扁平断面合成繊維マルチフィラメントと弾性繊維からなる布帛にスパッタリング加工を施すことを特徴とする上記第1に記載のストレッチ性布帛の製造方法。
- 合成繊維及び弾性繊維を用いてなるストレッチ性を有する布帛であり、通気度が20cc/sec・cm2以上、紫外線透過率が5%以下であり、さらに布帛の縦方向、横方向の少なくとも一方への伸長率が50%以上、伸長回復率が80%以上であることを特徴とするストレッチ性布帛。
- 合成繊維の繊維断面が扁平度3以上の扁平断面であることを特徴とする上記第6に記載のストレッチ性布帛。
- 布帛の表面及び/又は裏面に金属膜が付着されてなることを特徴とする上記第6に記載のストレッチ性布帛。
- 2重量%以下の無機物を内部に含んでなることを特徴とする上記第6に記載のストレッチ性布帛。
- 合成繊維マルチフィラメントと弾性繊維からなる布帛にカレンダー加工を施し、該カレンダー加工の前及び/又は後にスパッタリング加工を施すことを特徴とする上記第6に記載のストレッチ性布帛の製造方法。
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