JP2004115839A - 微小ニッケル膜形成方法、該ニッケル膜を有するデバイス、該デバイスを有するメモリおよびセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微小な面積を有し、かつ微小な深さを有するウェルの中にアルカリ水溶液を用いてニッケル核を発生させ、該ニッケル核から、ニッケル浴もしくはニッケルに対して触媒活性を有する金属浴を用いて、ニッケル膜もしくはニッケルを主成分とするニッケル膜を成長させる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
アルカリ水溶液からの無電解ニッケル析出による微小ニッケル膜形成方法、特に有機シラン単分子膜のパターニングを利用した微小ニッケル膜形成方法、および前記微小ニッケル膜を複数パターン配列してなるナノスケールの微小金属構造体を有する新規なデバイス、該デバイスを有するメモリおよびセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウエハ表面上への金属パターン形成は、半導体デバイス、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)などの作製において重要なプロセスとなっている。現在、このプロセスはスパッタ、蒸着、CVDなどの乾式法が主流である。しかし、昨今のデバイスの高集積化、ウエハスケールの高径化などにより、高アスペクト比パターンへの金属の埋め込み、大面積・均一処理などの要請があり、シリコンウエハ表面上へのナノメータサイズの構造の構築が、単電子トランジスタ、パターン形成記憶媒体などの微細デバイスの開発上、期待されている。
【0003】
以上のような要請に応えるため、乾式法にとどまらず、電解析出法や無電解析出法のような電気化学的手法を用いたシリコンウエハ表面上への金属析出方法の検討がなされている(例えば、非特許文献1参照)。既に、電気化学的手法を用いたシリコンウエハ表面上への無電解ニッケル析出法により、シリコンサブミクロンパターンへのニッケルの均質な埋め込みが下記の通り報告されている(例えば、非特許文献2〜4参照)。
【0004】
しかし、超高密度ROMデバイスなどデバイスの高集積・高性能化の動向からすると、ナノメートルオーダーのパターン作製、金属ドットの配列構造の作製など埋め込み技術の開発は重要かつ急務であり、さらなる微細な金属ドットなどの微細金属パターンの作製技術の開発が求められていた。
【0005】
【非特許文献1】
杉村博之、外3名、“単分子膜リソグラフィーと選択無電解めっきによる金微細構造の作製”、表面技術、第51巻、101−102頁、2000年
【非特許文献2】
Nao Takano et al.,”Mechanism of the Chemical Deposition of Nickel on Silicon in Aqueous Solution”, J.Electrochem.Soc.,146,(4),p1407−1411,1999.
【非特許文献3】
Nao Takano et al.,”Nickel deposition behavior on n−type silicon wafer for fabrication of minute nickel dots”,Electrochimica Acta,45,245,p3263−3268,2000
【非特許文献4】
丹羽大介、外2名(Daisuke Niwa et al.),”Fabrication of Ni Nanostructure on Silicon Wafer by Electroless Deposition”,2001年6月22日、第60回半導体集積回路技術シンポジウム
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、超高密度ROMデバイスなどの実現には、ナノメータサイズの金属ドットの配列構造の作製が必要され、特に電気化学的手法を用いたシリコンウエハ表面上への無電解ニッケル析出法においては、ナノメートルオーダーのパターンヘのニッケルの均質な埋め込みなどが課題とされていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ナノメートルオーダーのパターンへのニッケル析出について、反応過程の詳細な解析を行うと同時に、pH、温度、錯状態を変化させた際の析出挙動から最適なナノサイズドット析出の操作範囲を知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は、アルカリ水溶液からの無電解ニッケル析出による微小ウェルの中のニッケル膜形成方法、特に有機シラン単分子膜のパターニングを利用した微小ニッケル膜形成方法、および前記微小ニッケル膜を複数パターン配列してなる微小金属構造体を有する新規なデバイスと、このデバイスを有するメモリおよびセンサを提供する。
なお、本発明において、ニッケル膜とは、後述するように、ニッケルのみからなる金属膜だけでなく、コバルト・ニッケル系合金膜などのニッケルを主成分とする金属膜をも含む総称である。
【0009】
即ち、本発明は、以下の通りである。
【0010】
(1) 微小な面積を有し、かつ微小な深さを有するウェルにニッケル膜を無電解析出により積層する微小ニッケル膜形成方法であって、
(a)前記ウェルの中にアルカリ水溶液を用いてニッケル核を発生させるニッケル核発生工程、
(b)前記ウェルの中の前記ニッケル核から、ニッケル浴もしくはニッケルに対して触媒活性を有する金属浴を用いて、ニッケル膜もしくはニッケルを主成分とするニッケル膜を成長させるニッケル膜成長工程、
を有することを特徴とする微小ニッケル膜形成方法。
かかる構成において、ニッケルに対して触媒活性を有する金属浴とは、カドニウム・ニッケル系合金浴などのニッケルを主成分とする合金浴を意味する。
(2) 前記ウェルを、リソグラフィー技術によって無機酸化物膜にナノスケールのパターン溝を形成することにより、得ることを特徴とする上記(1)に記載の微小ニッケル膜形成方法。
(3) 前記ウェルを、
(a)前記基板上に無機物酸化膜層を形成する無機酸化膜形成工程、
(b)前記酸化膜層の表面に単分子膜を形成する単分子膜形成工程、
(c)前記単分子膜を電子ビーム・リソグラフィーにより所定のパターンに従って一部を除去するパターニング工程、
(d)前記単分子膜の除去部に露出した前記無機酸化膜層を除去するエッチング工程、
により形成することを特徴とする上記(2)に記載の微小ニッケル膜形成方法。(4) 前記単分子膜が該無機酸化膜層上に自己集積化によって形成されていることを特徴とする上記(3)に記載の微小ニッケル膜形成方法。
(5) 前記単分子膜が、自己集積化により形成された非官能性の有機シラン単分子膜であることを特徴とする上記(4)に記載の微小ニッケル膜形成方法。
(6) 前記非官能性の有機シランが直鎖状アルキルシランおよび/または直鎖状フッ素化アルキルシランであることを特徴とする上記(5)に記載の微小ニッケル膜形成方法。
(7) 上記(1)から(6)のいずれかに記載の微小ニッケル膜形成方法により製造された微小ニッケル膜を記録部および/または電極部として有するデバイス。
この微小ニッケル膜には、ニッケルのみからなるニッケル膜に加えて、ニッケル・コバルト系合金膜などのコバルト系合金膜も含まれる。
(8) 上記(7)に記載のデバイスを有してなるメモリ。
このメモリには、ROMやRAMが考えられる。
(9) 上記(7)に記載のデバイスを有してなるセンサ。
(10) 前記センサが、オンチップpHセンサ、イオンセンサ、酵素センサ、DNAセンサ、またはイムノセンサのいずれかである上記(9)に記載のセンサ。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0012】
(I)無電解析出により積層する微小ニッケル膜形成方法
本発明は、(a)微小ウェルの中にアルカリ水溶液を用いてニッケル核を発生させるニッケル核発生工程、および(b)前記ウェルの中の前記ニッケル核を、ニッケル浴もしくはニッケルに対して触媒活性を有する金属浴を用いて、ニッケル膜もしくはニッケルを主成分とするニッケル膜に成長させるニッケル膜成長工程、の2段階の工程を有することを特徴とし、pH、温度、錯状態の最適な操作範囲を設定することが可能な、ナノメートルオーダーの前記ウェルにニッケル膜を無電解析出により積層する微小ニッケル膜形成方法である。
【0013】
本発明の無電解析出は、一般的に知られている無電解析出との析出機構が異なり、基板であるシリコンなどの無機物のアノード反応にともなって、ニッケルが特異的に析出する機構で進行していると考えられる。浸漬の初期に前処理の段階で形成された化学酸化膜が溶解し、それに伴いシリコンのアノード反応に対して活性な例えば、Si−H、Si−OHを含むO−SiH(OH)(「サブオキサイド」という。)リッチな表面が形成される。したがって、反応段階で形成されるサブオキサイドが析出活性点となり、サブオキサイドの酸化に伴いニッケル析出反応が進行するものと考えられる。
【0014】
なお、本発明の無電解析出の前には、基板洗浄および前記前処理を行う。前記前処理は、塩酸過水による基板の表面処理であり、この段階で、前記化学酸化膜が基板上に形成される。
【0015】
前記サブオキサイド析出からニッケル核発生は、pH、温度、錯状態の変化により大きな影響を受けるため、ニッケル析出はニッケル核発生条件に依存する。さらにウェルの径、ウェル間隔が異なれば、その浸漬条件は異なる。したがって、ナノメートルオーダーの微小ウェルのニッケル析出は、ウェルの径、ウェル間隔を固定し、pH、温度、錯状態の操作範囲を精密に制御することにより可能となる。
【0016】
前記ニッケル核発生工程においては、硫酸ニッケルおよび硫酸アンモニウムを含むアルカリ水溶液に浸漬させてニッケル核を発生させることができる。
【0017】
前記ニッケル核発生工程においては、硫酸ニッケル濃度は約0.1Mが好ましく、硫酸アンモニウム濃度は約0.3M〜約0.5Mが好ましい。
【0018】
0.1M硫酸ニッケルおよび0.3M硫酸アンモニウムを含むアルカリ水溶液を使用した場合には、温度は約60℃〜約80℃が好ましく、pHについては、80℃ではpH約8.5〜約8.8が好ましく、70℃ではpH約8.8〜約9.0が好ましく、60℃ではpH約9.0〜約9.2が好ましい。なお、硫酸アンモニウム濃度を0.5Mとした場合には、pH約8.3〜約8.5が好ましい。
【0019】
前記ニッケル核発生工程においては、通常、0.1M硫酸ニッケルおよび0.3M硫酸アンモニウムを含むpH8.8のアルカリ水溶液に80℃で1分浸漬させる条件を用いることができる。
【0020】
ニッケル膜成長工程においては、ニッケル核を、市販のニッケル浴(pH4〜10)、もしくはコバルト・ニッケル系合金浴などの「ニッケルに対して触媒活性を有する金属浴」に浸漬して、ニッケルのみからなるニッケル膜もしくはコバルト・ニッケル系合金膜などのニッケルを主成分とするニッケル膜を成長させることができる。
【0021】
(II)微小な面積を有し、かつ微小な深さを有するウェル
本発明において、微小ニッケル膜を形成させ、ニッケル埋め込みの対象となるウェルは、微小な面積を有し、かつ微小な深さを有するウェルである。ここで微小とは、ナノメートルオーダーの長さを有することをいう。本発明においては、特に100nm以下の微小なウェルにニッケルを埋め込むことが可能であり、さらに数十nmの微小なウェルにニッケルを埋め込むことが可能である。
【0022】
本発明の微小ニッケル膜を形成させるウェルとしては、図1に示すように、基板1上の所定の微小面積領域を無機物酸化膜2が囲むことによって形成される微小な面積を有し、かつ微小な深さを有するウェル(「基板/無機酸化物膜ウェル」という。)3などを代表的なものとして挙げることができる。
【0023】
前記基板/無機酸化物膜ウェル3は、基板上に形成された単分子膜をレジストとした電子ビーム照射および無機酸化物膜への転写により作製することができる。特に有機シラン単分子膜を用いることにより、電子ビーム照射の解像度を極限まで(〜5nm)高めることが可能であり、ナノメートルオーダーの微小なウェルの作製が可能となる。
【0024】
前記基板/無機酸化物膜ウェルの底面を構成する基板としては、シリコンなどの無機物からなる基板を挙げることができ、基板上の所定の微小面積領域を囲む前記無機物酸化膜としては、シリコンなどの無機物を表面処理して成膜し形成したシリコン酸化膜などの無機物酸化膜を挙げることができ、前記ウェルとしては、シリコン基板およびシリコン酸化膜により形成されるウェルが好ましい。
【0025】
前記基板/無機酸化物膜ウェル3は、図2に示すように、
(a)前記基板1上に無機物酸化膜層2を形成する無機酸化膜形成工程、
(b)前記酸化膜層2の表面に前記単分子膜4を形成する単分子膜形成工程、
(c)前記単分子膜4を、電子ビーム・リソグラフィーにより所定のパターンに従って、その一部4aを除去するパターニング工程、
(d)前記単分子膜4の除去部4aに露出した前記無機酸化膜層2を除去するエッチング工程、
により形成することができる。
なお、図1および図2では、ウェル3および単分子膜4の除去部4aは、図面を簡略化するために、それぞれ一つを図示したが、必要に応じて複数設けることは明らかである。複数設ける場合は、所定の配列パターンに従って形成する。
【0026】
(a)シリコン基板上に無機酸化膜層を形成する無機酸化膜形成工程
シリコン酸化膜の場合、シリコン基板を親水処理して成膜し、無機酸化膜層を形成することができる。親水処理は、950℃におけるドライ酸化で行うことが好ましい。シリコン基板には、各種のシリコンを用いることができるが、n−Si(100)を用いることが好ましい。n−Si(100)の抵抗率は8−12Ωが好ましい。無機酸化膜は、無機酸化物(シリコン酸化物またはガラス、アルミナなど)からなり、シリコン酸化物が好ましい。この工程により数nmから50nm以下の厚さを有するシリコン酸化物層を成膜することができるが、本発明の半導体センシングデバイスの製造に適した10nm以下のシリコン酸化物層を成膜することができる。
【0027】
(b)前記酸化膜層の表面に前記単分子膜を形成する単分子膜形成工程
前記酸化膜の表面への前記単分子膜の成膜は、H.Sugimuraらの方法(Langmuir,16,885,2000)に従い気相反応により、または液相反応により行うことができる。シリコン酸化物膜上への気相反応による成膜においては、有機アルコキシシランを原料として用い、加熱し蒸着させ、有機シラン単分子膜を成膜することができる。加熱条件については、原料の有機アルコキシシランの沸点、融点等を勘案して適宜選択すればよい。一例として、加熱温度は、約110℃が好ましく、成膜時間は好ましくは3時間以上である。
【0028】
前記有機アルコキシシランとしては、密着性等の点でトリアルコキシシランが好ましく、またアルコキシ基としては炭素数1〜4のアルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。前記有機アルコキシシランには、前記単分子膜を構成するものとして記載した前記有機シランに対応する有機アルコキシシランが含まれる。
【0029】
前記有機アルコキシシランの具体例としては、CH3(CH2)17Si(OCH3)3[97%,チッソ社製]、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3[97%,チッソ社製]などが挙げられる。
【0030】
(c)前記単分子膜を電子ビーム・リソグラフィーにより所定のパターンに従って一部を除去するパターニング工程
前記単分子膜を電子ビーム・リソグラフィーを用いて所定のパターンで除去することができる。電子ビーム・リソグラフィーの露光条件は、交流電圧:約25V、ドーズ:300〜500μC/cm2 が好ましい。
【0031】
(d)前記単分子膜の除去部に露出した前記無機酸化膜層を除去するエッチング工程
前記単分子膜の除去部に露出した前記無機酸化膜層は、フッ化水素を用いたエッチングにより除去することができる。
【0032】
前記単分子膜としては、有機分子同士の相互作用によって密に集合し、自己組織化によって形成された有機分子単分子膜であれば特に限定されないが、有機シランからなる有機分子単分子膜が好ましい。
【0033】
自己組織化によって形成された単分子膜とは、有機シランのような有機分子が該有機分子同士の相互作用によって密に集合して形成された、該有機分子の配向がそろった単分子膜のことをいう。無機酸化膜のような特定の材料からなる基板を、該基板材料と親和性のある末端官能基のある有機分子の溶液あるいは蒸気にさらすと、前記有機分子は基板表面上に化学反応し吸着し、固体/液体または固体/気体界面で前記有機分子の単分子膜が形成される。
【0034】
前記有機シランとしては、官能性の有機シランおよび非官能性の有機シランのいずれでもよく、非官能性の有機シランが好ましい。官能性の有機シランとは、反応性の置換基を有する有機シランのことをいい、非官能性の有機シランとは、反応性の置換基を有しない有機シランのことをいう。
【0035】
前記非官能性の有機シランの好ましい例としては、直鎖状アルキルシランおよび/または直鎖状フッ素化アルキルシランを挙げることができ、特に炭素数8〜20の直鎖状アルキルシランおよび/または直鎖状フッ素化アルキルシランがさらに好ましい。
【0036】
前記直鎖状アルキルシランの好ましい例としては、オクタデシルトリメトキシシランを、前記直鎖状フッ素化アルキルシランの好ましい例としては、5,5,5,4,4,−ペンタフルオロデシルトリエトキシシランを挙げることができる。
【0037】
前記微小ニッケル膜を記録部および/または電極部として使用することにより、ナノスケールの微小金属構造体を有する新規なデバイスを製造することができる。さらに、このデバイスを有するオンチップpHセンサ、イオンセンサ、酵素センサ、DNAセンサ、またはイムノセンサなどのセンサを製造することができる。さらにこのデバイスは磁気メモリ装置(ROM、RAM)にも適用することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例の工程は、前記図2(a)〜(d)を参照して説明する。
【0039】
(1)シリコン基板/シリコン酸化物膜ウェルの作製
[実施例1] 自己組織化有機シラン単分子膜の成膜
基板1として、シリコンウェハーを用い、その表面に、950℃でドライ酸化により、無機物酸化膜2として、20nmの厚さのシリコン酸化膜を形成した。前記基板を硫酸過水(硫酸:過酸化水素=4:1)で、120℃で10分間、続いてアンモニア過水(アンモニア:過酸化水素:水=1:1:5)で、80℃で10分間の条件で洗浄し、次いでドライ窒素で乾燥後、単分子膜4として、有機シラン単分子膜をシリコン酸化膜2上に成膜した。
【0040】
有機シラン分子として、アルキルシラン:CH3(CH2)17Si(OCH3)3(以下ODMSという。)、フッ素化アルキルシラン:CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3(以下FASという。)を用いて成膜した。成膜方法はODMS、FASのいずれについても、0.2mlの試薬を含む20cm3のテフロン(登録商標)容器に基板を封入し、露点−80℃のドライルーム中で110℃、3〜5時間以上、気相化学反応を行った。
【0041】
成膜された有機シラン単分子膜2は、図3のX線光電子分光スペクトルおよび下記の化学結合状態分析に示すように、分子が単分子レベルで成膜されていることを確認した。また、その被覆率はほぼ100%となっていることも確認した。その膜厚はODMS:2.6nm、FAS:1.7nmといった極薄膜であった。
【0042】
《化学結合状態分析》
(X線光電子分光スペクトル(XPS))
FAS
測定結果=1:7.10:1.03:1.03
F/C比=1.7
測定結果:F/C=1.69
【0043】
[実施例2] 自己組織化有機シラン単分子膜のパターニング
前記FAS単分子膜を電子ビーム・リソグラフィーを用いて、パターニングを行った。電子ビーム・リソグラフィーの露光条件は、交流電圧:約25V、電流:約50pA、ドーズ:約400μC/m2とし、200nm間隔で50nmの除去部4aを有するドットパターンを作製した。
【0044】
[実施例3] シリコン酸化膜のエッチング
FAS単分子膜の除去部に露出したシリコン酸化膜層を、90秒の1wt%フッ化水素酸を用いたエッチングにより除去して、ウェル3を形成した。
【0045】
(2)無電解析出により積層する微小ニッケル膜形成方法
シリコン基板をKernらの方法(W.Kernら、RCA Rev.31、p187、1970)に従い洗浄し、1.5×106〜2.0×106Ωcmの抵抗を有する蒸留水で洗浄後、塩酸過水による前処理を施した。シリコン基板を0.1M硫酸ニッケルおよび0.3M硫酸アンモニウムを含むpH8.8のアルカリ水溶液に80℃で1分浸漬させ、次に市販のニッケル浴に浸漬し、微小ニッケル膜を形成した。
なお、上記実施例では、ニッケルのみからなる金属浴からニッケル膜を形成する例を示したが、その他に、コバルト・ニッケル系合金浴などの「ニッケルに対して触媒活性を有する金属浴」からニッケルを主成分とするニッケル膜を形成することも可能である。したがって、本発明でいう「ニッケル膜」とは、ニッケルのみからなるニッケル膜を始め、コバルト・ニッケル系合金膜などのニッケルを主成分とするニッケル膜をも含む総称である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる微小ニッケル膜形成方法は、微小な面積を有し、かつ微小な深さを有するウェルにニッケル膜を無電解析出により積層する微小ニッケル膜形成方法であって、
(a)前記ウェルの中にアルカリ水溶液を用いてニッケル核を発生させるニッケル核発生工程、
(b)前記ウェルの中の前記ニッケル核から、ニッケル浴もしくはニッケルに対して触媒活性を有する金属浴を用いて、ニッケル膜もしくはニッケルを主成分とするニッケル膜を成長させるニッケル膜成長工程、
を有することを特徴とする。
好ましくは、前記ウェルを、リソグラフィー技術によって無機酸化物膜にナノスケールのパターン溝を形成することにより、得る。
従って、本発明によれば、アルカリ水溶液からの無電解ニッケル析出による微小ウェルの中のニッケル膜形成方法、特に有機シラン単分子膜のパターニングを利用した微小ニッケル膜形成方法、および微小メタルストラクチャーを有する新規なデバイスを、簡易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板/無機物酸化膜で形成される微小ウェルの断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、基板/無機物酸化膜で形成される微小ウェルの形成プロセスを示す工程図である。
【図3】実施例1において成膜された有機シラン単分子膜の解析を示すX線光電子分光スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 無機物基板(シリコンウェハー)
2 無機物酸化膜(シリコン酸化膜)
3 ウェル
4 単分子膜(有機シラン単分子膜)
4a 除去部
Claims (10)
- 微小な面積を有し、かつ微小な深さを有するウェルにニッケル膜を無電解析出により積層する微小ニッケル膜形成方法であって、
(a)前記ウェルの中にアルカリ水溶液を用いてニッケル核を発生させるニッケル核発生工程、
(b)前記ウェルの中の前記ニッケル核から、ニッケル浴もしくはニッケルに対して触媒活性を有する金属浴を用いて、ニッケル膜もしくはニッケルを主成分とするニッケル膜を成長させるニッケル膜成長工程、
を有することを特徴とする微小ニッケル膜形成方法。 - 前記ウェルを、リソグラフィー技術によって無機酸化物膜にナノスケールのパターン溝を形成することにより、得ることを特徴とする請求項1に記載の微小ニッケル膜形成方法。
- 前記ウェルを、
(a)前記基板上に無機物酸化膜層を形成する無機酸化膜形成工程、
(b)前記酸化膜層の表面に単分子膜を形成する単分子膜形成工程、
(c)前記単分子膜を電子ビーム・リソグラフィーにより所定のパターンに従って一部を除去するパターニング工程、
(d)前記単分子膜の除去部に露出した前記無機酸化膜層を除去するエッチング工程、
により形成することを特徴とする請求項2に記載の微小ニッケル膜形成方法。 - 前記単分子膜が該無機酸化膜層上に自己集積化によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の微小ニッケル膜形成方法。
- 前記単分子膜が、自己集積化により形成された非官能性の有機シラン単分子膜であることを特徴とする請求項4に記載の微小ニッケル膜形成方法。
- 前記非官能性の有機シランが直鎖状アルキルシランおよび/または直鎖状フッ素化アルキルシランであることを特徴とする請求項5に記載の微小ニッケル膜形成方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の微小ニッケル膜形成方法により製造された微小ニッケル膜を記録部および/または電極部として有するデバイス。
- 請求項7に記載のデバイスを有してなるメモリ。
- 請求項7に記載のデバイスを有してなるセンサ。
- 前記センサが、オンチップpHセンサ、イオンセンサ、酵素センサ、DNAセンサ、またはイムノセンサのいずれかである請求項9に記載のセンサ。
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