JP2004115655A - 光重合開始剤マイクロカプセル含有紫外線硬化型インクおよびこれを用いたシート - Google Patents

光重合開始剤マイクロカプセル含有紫外線硬化型インクおよびこれを用いたシート Download PDF

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Abstract

【課題】保存中に粘度上昇や硬化が発生せず、シート基材面に紫外線硬化型インク層を積層し、そして紫外線照射すると、紫外線硬化型インク層を硬化できる紫外線硬化型インクおよびそれを用いたシートの提供。
【解決手段】光重合開始剤マイクロカプセルを含有する紫外線硬化型インクは保存中に粘度上昇や硬化が発生しないが、このインクをシート基材面の所定部に塗工してインク層を積層したシートのインク層中のマイクロカプセルを加圧するなどして破壊したり、マイクロカプセルを破壊せず加圧・加熱・加湿などにより光重合開始剤の透過性を向上さた後、紫外線照射すればインク層を硬化させることができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光重合開始剤マイクロカプセル含有紫外線硬化型インクおよびこれを用いたシートに関するものであり、さらに詳しくは、保存中に粘度上昇の問題がない塗工性に優れた紫外線硬化型インクであって、このインクをシート基材面に塗工して、紫外線照射して硬化でき、タグ、ラベル、入場券、領収書、有価証券、磁気カード、ICカード、リライトカードなどとして用いることができるシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紫外線硬化型インクとしては、予め光重合開始剤を配合した1液性の紫外線硬化型インクを使用することが主流となっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特願2001−24204号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この紫外線硬化型インクは光重合開始剤が予め配合されているため、保存中に太陽光や蛍光燈の光に当たったりすると粘度が上昇したり硬化したりして取り扱い難くなり、低粘度で使用するインクとしては使用できない問題がある上、シート基材とこのシート基材面に紫外線硬化型感圧インクを用いて形成されたインク層との間の接着性に劣り、両者の界面で剥離してしまうという問題があった。
【0005】
本発明の第1の目的は、このような従来の問題を解決し、保存中に光重合成分の反応が進行して粘度上昇や硬化するなどの問題が発生せず、低粘度で使用するインクとしては使用でき、塗工性に優れ、シート基材からインク層が剥離しない紫外線硬化型感圧インクを提供することであり、
本発明の第2の目的は、シート基材面にこの紫外線硬化型インク層が形成されたシートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、光重合開始剤を例えば芯物質として含むマイクロカプセルを含有する紫外線硬化型インクを用いることにより、目的を達成し得ることを見い出して本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の請求項1は、光重合開始剤マイクロカプセルを含有することを特徴とする紫外線硬化型インクである。
【0008】
本発明の紫外線硬化型インクは、光重合開始剤を例えば芯物質として含むマイクロカプセルを含有するので、保存中に太陽光や蛍光燈の光に当たったりしても粘度上昇や硬化するなどの問題が発生しない。保存性がよいので本発明の紫外線硬化型インクは低粘度で使用するインクとして単独で取り扱うことができる。そして、シート基材面に本発明の紫外線硬化型インクを塗工し、本発明の紫外線硬化型インク層を積層し、そして加圧してこのインク層中のマイクロカプセルを破壊したり、加熱してこのインク層中のマイクロカプセルを膨張させて破壊したり、あるいは加湿してこのインク層中のマイクロカプセルを破壊したり、あるいは塗工前に破壊したり、あるいはマイクロカプセルを破壊せず加圧・加熱・加湿などにより光重合開始剤の透過性を向上させて、光重合開始剤を光重合成分を含む連続相中に放出・拡散させた後、紫外線照射すれば、マイクロカプセルから移行した光重合開始剤が、励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし、紫外線硬化型インク層を硬化させることができ、紫外線硬化型インク層とシート基材との界面での反応が著しくなり密着性が改善されて強固に接着する。
【0009】
本発明の請求項2は、請求項1記載の紫外線硬化型インクにおいて、前記光重合開始剤マイクロカプセルが加熱により破壊されて光重合開始剤を放出するものであることを特徴とする。
【0010】
公知の加熱ロール、加熱炉、温風吹き付け、赤外線照射などの加熱手段により、光重合開始剤マイクロカプセルを加熱して破壊して光重合開始剤を放出・拡散させ、紫外線照射すれば、紫外線硬化型インク層を容易に硬化させることができる。
【0011】
本発明の請求項3は、請求項1記載の紫外線硬化型インクにおいて、前記光重合開始剤マイクロカプセルが加圧により破壊されて光重合開始剤を放出するものであることを特徴とする。
【0012】
公知の加圧ロール、プレスなどの加圧手段により、光重合開始剤マイクロカプセルを加圧して破壊して光重合開始剤を放出・拡散させ、紫外線照射すれば、紫外線硬化型インク層を容易に硬化させることができる。
【0013】
本発明の請求項4は、シート基材面の所定部に、請求項1から請求項3のいずれかに記載の紫外線硬化型インク層が積層されてなることを特徴とするシートである。
【0014】
本発明のシートは、構成が簡単で安価であり、この紫外線硬化型インク層中のマイクロカプセルを前記のようにして破壊した後、あるいはマイクロカプセルを破壊せず加圧・加熱・加湿などにより光重合開始剤の透過性を向上させて、光重合開始剤を光重合成分を含む連続相中に放出・拡散させた後、紫外線照射すれば、マイクロカプセルから移行した光重合開始剤が、励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし硬化させることができるとともに、紫外線硬化型インク層とシート基材との界面での反応が著しくなり密着性が改善されて強固に接着できる。
本発明のシートは、帳票類、メーリングフォーム、タグ、ラベル、入場券、領収書、有価証券、磁気カード、ICカード、リライトカードなどに適用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を詳細に説明する。
図1は、本発明のシートの一実施例を示す断面説明図である。
本発明のシート1は、シート基材2面の所定部に、光重合開始剤を芯物質として含むマイクロカプセル3を含有する本発明の紫外線硬化型インクを塗工して紫外線硬化型インク層4が積層されている。本発明の紫外線硬化型インクは、光重合開始剤が芯物質としてマイクロカプセル3中に含まれていて光重合成分と接触しないので、保存中に粘度が上昇したり硬化しない。そして本発明のシート1を加圧するなどしてこのインク層4中のマイクロカプセル3を破壊し、光重合開始剤を光重合成分を含む連続相中に放出・拡散させた後、シート1の例えば、上方から紫外線硬化型インク層4に紫外線を照射すれば、光重合開始剤が励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし、紫外線硬化型インク層4を硬化できる。そして、紫外線硬化型インク層4とシート基材2間の密着性が改善されて強固に接着する。
【0016】
紫外線硬化型インク層4の形成方法は刷毛塗りなど手動で塗工する方法でも自動的に塗工する方法でもあるいはこれらの組み合わせでもよく特に限定されないが、オフセット印刷機をもって印刷する方法は好ましく、例えばグラビアコーター、フレキソコーター、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段によりシート基材2面の少なくとも一方の面の所定部に本発明の紫外線硬化型インクを塗工し、必要に応じて乾燥し、紫外線照射により硬化させて紫外線硬化型インク層4を形成する。塗工量は特に限定されないが、例えば0.5〜30g/m、好ましくは3〜20g/m 、さらに好ましくは5〜15g/m とする。
【0017】
本発明で用いる紫外線硬化型インクのビヒクルは、特に限定されるものではなく、従来公知の紫外線硬化型ビヒクルを使用することができ、市販品を使用することもできる。紫外線硬化型ビヒクルの具体例として、例えば公知のアクリル系光重合性モノマおよび/またはアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選ばれたものを挙げることができる。
このような光重合性モノマとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
【0018】
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマを用いることができる。
これらの光重合性モノマは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】
アクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
【0020】
本発明で用いる光重合開始剤は、従来公知のもので良く、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常光硬化性成分100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
【0021】
本発明で用いる光重合開始剤マイクロカプセルの壁材は、例えば、ゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレアなどである。また、カプセル生成手段においては、従来から慣用されている方法、例えば、インサイチュ法、界面重合法、コアセルベーション法、あるいは、オリフィス法も用いることができる。例えば、光重合開始剤を芯物質とし、酸触媒および乳化・分散剤的機能を有するスチレン無水マレイン酸共重合体の部分加水分解物と、ポリマーを形成する反応成分としてメラミンまたは尿素とホルマリン、あるいは、これらの初期重縮合物を用い、インサイチュ法によってメラミンまたは尿素−ホルマリン樹脂をカプセル壁材として形成し、マイクロカプセルを水系に分散生成させたマイクロカプセルの水系分散液を用いることができる。
上記の例においては、光重合開始剤を芯物質としたマイクロカプセルの例を示したが、これに限定されず、例えば壁材中に光重合開始剤を含有させることもできる。
【0022】
本発明の紫外線硬化型インクには、さらに、所望に応じて慣用されている添加成分、例えば、反応性希釈剤、粘着付与剤、粘度調整剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、滑剤、増感剤、グリセリンなどのロール転写性向上剤などを含有させることもできる。
【0023】
本発明で用いるシート基材の素材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙(例えば、上質紙、中質紙、合成紙、各種再生紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙など)、シート状物あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合物、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂などのプラスチック、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0024】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳しく述べるが、この発明の主旨と範囲に反することなしに、広範に異なる実施態様を構成することができることは明白なので、この発明は前記の特許請求の範囲において限定した以外は、これらの特定の実施態様に制約されるものではない。
【0025】
(光重合開始剤マイクロカプセルA(加圧破壊型)の調製)
スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:Scripset−520、モンサント社製)を水酸化ナトリウムとともに溶解し、これを5質量%、pH4.5に調製した水溶液200質量部中に、光重合開始剤メチルベンゾイルフォルメート(商品名:VICURE55、アクゾノーベル社製)200質量部を乳化および分散させて平均粒子径6〜7μmの乳化物を得る。この乳化物に、メラミン−ホルムアルデヒド初期重縮合物(商品名:Sumirez Resin513、住友化学社製)60質量部を加え、系の温度を75℃にて2時間撹拌し、本発明で用いる光重合開始剤マイクロカプセルAの分散液を得た。
【0026】
(光重合開始剤マイクロカプセルB(加熱破壊型)の調製)
光重合開始剤メチルベンゾイルフォルメート(商品名:VICURE55、アクゾノーベル社製)200質量部に、壁材としてイソシアネート(商品名:タケネートD−520、三井武田ケミカル社製)を60質量部(固形分)加え撹拌する。この液を部分鹸化ポリビニルアルコール(鹸化度88%)(商品名:PVA−217、クラレ社製)の6質量水溶液200質量部中に、乳化および分散させて平均粒子径7μmの乳化物を得る。この乳化物に、蒸留水150質量部を加えて均一化した後、撹拌しながら50℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせて目的の、本発明で用いる光重合開始剤マイクロカプセルBの分散液を得た。
【0027】
(実施例1)
温風送風機を付けたタンク容量2リットルのプラネタリーミキサ(形式:PLM−2、井上製作所製)にマイクロカプセルAの分散液を100質量部(固形分換算)と、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)200質量部を加えて混合する。充分に混合した液を45℃に加温し、撹拌しながら温風(出口温度50℃)を送り、蒸発した水蒸気を外部へ拡散させた。この状態を3時間保ちながら水分を除去し、水分量を1質量%以下に下げた。これに1官能モノマ(イソボニルアクリレート)25質量部とPO変性グリセリントリアクリレート(商品名:ビームセット720、荒川化学社製)45質量部を混合撹拌する。これに印刷適性付与剤(商品名:Nコンテックス、T&K TOKA社製)を5質量部添加し、本発明の紫外線硬化型インクを得た。
【0028】
得られた本発明の紫外線硬化型インクをシャーレ(直径90mm、高さ15mm)に8mm厚になるように入れ、このシャーレを水平真空版焼機(型式:P−802−G、大日本スクリーン製造社製)のガラス板上に置いた後、シャーレから紫外線ランプまでの距離を1mに調整し、120秒間紫外線を照射し、照射後の試料を観察したが、系の増粘や硬化は発生していなかった。
【0029】
本発明の紫外線硬化型インクを樹脂凸版を使用して上質紙(シート基材)(連量70kg)上に、1.5g/m になるようにオフセット印刷を行い、この印刷に際しては、インクを練りローラーで加圧してマイクロカプセルを破壊させ光重合開始剤を光重合成分へ拡散させた。得られた紫外線硬化型インク層に紫外線ランプ(高圧水銀ランプ、オゾンレス、240w/cm、1灯)を用いて紫外線を照射して硬化処理して、本発明のシートを得た。本発明のシートの前記インク層は光沢感もあり充分に硬化が進んでおり、本発明の紫外線硬化型インクはOPニスインクとして十分な性能を持っていることが判った。
【0030】
(実施例2)
スプレードライヤ(噴霧乾燥機)により、光重合開始剤マイクロカプセルAの分散液を乾燥させ、マイクロカプセルの粉体Aを得た。得られたマイクロカプセル粉体A100質量部と、3官能モノマ(トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート)230質量部と2官能モノマ(1,9−ノナンジオールジアクリレート)50質量部、それに1官能モノマ(イソボニルアクリレート)120質量部を混合撹拌して、本発明の紫外線硬化型インクを得た。
得られた本発明の紫外線硬化型インクを実施例1と同様にして紫外線照射したが、系の増粘や硬化は発生していなかった。
また、実施例1と同様にして上質紙上に印刷し、紫外線硬化を行った。得られた本発明のシートの前記インク層は光沢感もあり充分に硬化が進んでおり、本発明の紫外線硬化型インクはOPニスインクとして十分な性能を持っていることが判った。
【0031】
(実施例3)
実施例1で使用したマイクロカプセルAの分散液の代わりにマイクロカプセルBの分散液を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の紫外線硬化型インクを得た。
得られた本発明の紫外線硬化型インクを用いて実施例1と同様にして紫外線照射したが、系の増粘や硬化は発生していなかった。
【0032】
本発明の紫外線硬化型インクを樹脂凸版を使用して上質紙(シート基材)(連量70kg)上に、1.5g/m になるようにオフセット印刷を行い、この印刷に際しては、インク層をプレヒート(250℃)してマイクロカプセルを破壊させ光重合開始剤を光重合成分へ拡散させた。得られた紫外線硬化型インク層に紫外線ランプ(高圧水銀ランプ、オゾンレス、240w/cm、1灯)を用いて紫外線を照射して硬化処理して、本発明のシートを得た。本発明のシートの前記インク層は光沢感もあり充分に硬化が進んでおり、本発明の紫外線硬化型インクはOPニスインクとして十分な性能を持っていることが判った。
【0033】
(実施例4)
実施例2で使用したマイクロカプセルAの分散液の代わりにマイクロカプセルBの分散液を使用した以外は実施例2と同様にして本発明の紫外線硬化型インクを得た。
得られた本発明の紫外線硬化型インクを用いて実施例1と同様にして紫外線照射したが、系の増粘や硬化は発生していなかった。
また、実施例3と同様にして本発明の紫外線硬化型インクを樹脂凸版を使用して上質紙上に印刷、プレヒートし、紫外線を照射して硬化処理して、本発明のシートを得た。本発明のシートの前記インク層は光沢感もあり充分に硬化が進んでおり、本発明の紫外線硬化型インクはOPニスインクとして十分な性能を持っていることが判った。
【0034】
(実施例5)
3官能モノマ(トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート)200質量部と2官能モノマ(1,9−ノナンジオールジアクリレート)100質量部の混合液にチタンブラック(商品名:95F、すみれ技研社製)を150質量部を加えて三本ロールで混練する。
これとは別に、温風送風機を付けたタンク容量2リットルのプラネタリーミキサ(形式:PLM−2、井上製作所製)にマイクロカプセルAの分散液を50質量部(固形分換算)と、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)100質量部を加えて混合する。充分に混合した液を45℃に加温し、撹拌しながら温風(出口温度50℃)を送り、蒸発した水蒸気を外部へ拡散させた。この状態を2時間保ちながら水分を除去し、水分量を1質量%以下に下げた。これに先のチタンブラック分散液を450質量部加え均一に混合する。さらにPO変性グリセリントリアクリレート(商品名:ビームセット720、荒川化学社製)30質量部と印刷適性付与剤(商品名:Nコンテックス、T&K TOKA社製)を10質量部添加し、黒色の本発明の紫外線硬化型インクを得た。
得られた本発明の紫外線硬化型インクを実施例1と同様にして紫外線照射したが、系の増粘や硬化は発生していなかった。
【0035】
また本発明の紫外線硬化型インクを樹脂凸版を使用して感圧疑似接着用紙(商品名:三つ折りPOSTEX用紙 77W、トッパン・フォームズ社製)上に画線印刷を行った。この印刷に際しては、インクを練りローラーで加圧してマイクロカプセルを破壊させ光重合開始剤を光重合成分へ拡散させた。得られた紫外線硬化型インク層に紫外線ランプ(高圧水銀ランプ、オゾンレス、240w/cm、1灯)を用いて紫外線を照射して硬化処理して、本発明のシートを得た。本発明のシートをヒートロールNIPプリンタ(Infoprint4000−ID1/2、日本IBM社製)でプリント処理を行ったが、プリント後のインク流れやピリンタ側への付着は全く起こっておらず、黒色インクとして十分な性能を持っていることが判った。
【0036】
(実施例6)
実施例5で使用したマイクロカプセルAの分散液の代わりにマイクロカプセルBの分散液を使用した以外は実施例5と同様にして黒色の本発明の紫外線硬化型インクを得た。
得られた本発明の紫外線硬化型インクを用いて実施例1と同様にして紫外線照射したが、系の増粘や硬化は発生していなかった。
【0037】
また本発明の紫外線硬化型インクを樹脂凸版を使用して感圧疑似接着用紙(商品名:WピールPOSTEX用紙 109W、トッパン・フォームズ社製)上に画線印刷を行い、赤外線フラッシュランプを用いて赤外線を照射して紙面温度を230℃に加熱してマイクロカプセルを破壊させ光重合開始剤を光重合成分へ拡散させた。得られた紫外線硬化型インク層に紫外線ランプ(高圧水銀ランプ、オゾンレス、240w/cm、1灯)を用いて紫外線を照射して硬化処理して、本発明のシートを得た。本発明のシートをヒートロールNIPプリンタ(Infoprint4000−ID1/2、日本IBM社製)でプリント処理を行ったが、プリント後のインク流れやピリンタ側への付着は全く起こっておらず、黒色インクとして十分な性能を持っていることが判った。
【0038】
【発明の効果】
本発明の請求項1の紫外線硬化型インクは、光重合開始剤マイクロカプセルを含有するので、保存中に太陽光や蛍光燈の光に当たったりしても粘度上昇や硬化するなどの問題が発生せず、保存性がよいので低粘度で使用するインクとして単独で取り扱うことができ、塗工性に優れ、そして、シート基材面に本発明の紫外線硬化型インクを塗工し、本発明の紫外線硬化型インク層を積層し、そして加圧してこのインク層中のマイクロカプセルを破壊したり、加熱してこのインク層中のマイクロカプセルを膨張させて破壊したり、あるいは加湿してこのインク層中のマイクロカプセルを破壊したり、あるいは塗工前に破壊したり、あるいはマイクロカプセルを破壊せず加圧・加熱・加湿などにより光重合開始剤の透過性を向上させて、光重合開始剤を光重合成分を含む連続相中に放出・拡散させた後、紫外線照射すれば、マイクロカプセルから移行した光重合開始剤が、励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし、紫外線硬化型インク層を硬化させることができ、紫外線硬化型インク層とシート基材との界面での反応が著しくなり密着性が改善されて強固に接着するという顕著な効果を奏する。
【0039】
本発明の請求項2の紫外線硬化型インクは、請求項1記載の紫外線硬化型インクにおいて、前記光重合開始剤マイクロカプセルが加熱により破壊されて光重合開始剤を放出するものであるので、公知の加熱ロール、加熱炉、温風吹き付け、赤外線照射などの加熱手段により、光重合開始剤マイクロカプセルを加熱して破壊して光重合開始剤を放出・拡散させ、紫外線照射すれば、紫外線硬化型インク層を容易に硬化させることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0040】
本発明の請求項3の紫外線硬化型インクは、請求項1記載の紫外線硬化型インクにおいて、前記光重合開始剤マイクロカプセルが加圧により破壊されて光重合開始剤を放出するものであるので、公知の加圧ロール、プレスなどの加圧手段により、光重合開始剤マイクロカプセルを加圧して破壊して光重合開始剤を放出・拡散させ、紫外線照射すれば、紫外線硬化型インク層を容易に硬化させることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0041】
本発明の請求項4のシートは、シート基材面の所定部に、請求項1から請求項3のいずれかに記載の紫外線硬化型インク層が積層されてなるので、構成が簡単で安価であり、この紫外線硬化型インク層中のマイクロカプセルを前記のようにして破壊した後、あるいはマイクロカプセルを破壊せず加圧・加熱・加湿などにより光重合開始剤の透過性を向上させて、光重合開始剤を光重合成分を含む連続相中に放出・拡散させた後、紫外線照射すれば、マイクロカプセルから移行した光重合開始剤が、励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし硬化させることができるとともに、紫外線硬化型インク層とシート基材との界面での反応が著しくなり密着性が改善されて強固に接着でき、タグ、ラベル、入場券、領収書、有価証券、磁気カード、ICカード、リライトカードなどに適用できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートの一実施例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 本発明のシート
2 シート基材
3 マイクロカプセル
4 光重合開始剤マイクロカプセル含有紫外線硬化型インク層

Claims (4)

  1. 光重合開始剤マイクロカプセルを含有することを特徴とする紫外線硬化型インク。
  2. 前記光重合開始剤マイクロカプセルが加熱により破壊されて光重合開始剤を放出するものであることを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化型インク。
  3. 前記光重合開始剤マイクロカプセルが加圧により破壊されて光重合開始剤を放出するものであることを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化型インク。
  4. シート基材面の所定部に、請求項1から請求項3のいずれかに記載の紫外線硬化型インク層が積層されてなることを特徴とするシート。
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