JP2004115110A - 耐圧性プラスチック容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器本体1が胴部2と、胴部2の一端に連設された底部3と、胴部2の他端に設けられた開口部とを有し、胴部2には内側ヘ環状に突出する凹状リブ4が設けられている。容器本体1は、曲げ弾性率が820〜2200MPaのポリオレフィン系樹脂からなる内層11と外層12との間に、内層側より順次、接着層14a、ガスバリア層13、接着層14b、乾燥剤が配合された樹脂層15が介在されたプラスチック積層体から構成されている。このため、被収容物を充填して閉鎖された容器本体1の内圧が増大あるいは負圧になると、これに対応して凹状リブ4が胴部2の軸方向へ伸縮して容積が変化する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品等の被収容物を充填して密封したのち、加熱殺菌処理(レトルト処理)を行う、耐圧性プラスチック容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラスチック容器の一例について説明する。図4に示すように、この従来のプラスチック容器は、充填された食品を長期保存できるとともに電子レンジにより収容された食品を均一に加熱できるように工夫されたものであって、容器本体101がガスバリア性プラスチック層を少くとも一層有するプラスチック製のものであり、蓋体105がガスバリア性を有する金属箔層の外面にこの金属箔層を保護するプラスチック層が積層され、内面に融着用プラスチック層が積層された積層体からなる。
【0003】
容器本体101は、胴部102と、胴部102の一端に連設された底部103と、胴部102の反底部側の開口部と、前記開口部外周縁部から外方へ突出する鍔状部104からなり、容器本体101の開口部を気密に閉止する蓋体105は、前記開口部内に落とし込まれた中央部105aと鍔状部104に嵌合するフランジ部105bとで構成され、かつ、中央部105aの外周縁に沿って弱化線106が形成されている(特許第2968572号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、被収容物を充填して閉鎖したのちに加熱殺菌処理(レトルト処理)を行うと、加熱に伴って閉鎖された容器内部の内圧が増大し、この増大した内圧により容器本体が不規則に変形して破損したり、蓋部材の弱化線が切断されて不用意に開口してしまうおそれがある。
【0005】
逆に、高温の状態の被収容物を充填して閉鎖したのちに冷却する場合には、冷却に伴って閉鎖された容器内部の内圧が負圧になり、この負圧により容器本体が潰れたり、蓋部材の弱化線が切断されて不用意に開口してしまうという未解決の課題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、内圧が変化しても容器本体が不規則に変形して破損したり、不用意に開口するおそれのない耐圧性プラスチック容器を提供することを目的とするものである。
【0007】
また、他の目的は、加熱殺菌処理中に水分が外層を透過してガスバリア層のバリア性が低下するおそれのない耐圧性プラスチック容器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の耐圧性プラスチック容器は、容器本体が、胴部と、前記胴部の一端に連設された底部と、前記胴部の他端に設けられた開口部とを有し、被収容物を充填したのち前記開口部が閉鎖される耐圧性プラスチック容器において、前記容器本体は、曲げ弾性率が820〜2200MPaのポリオレフィン系樹脂からなる内層と外層の間に少くともガスバリア層が介在されたプラスチック積層体からなり、かつ、前記胴部には内側ヘ向かって環状に突出する凹状リブが形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、凹状リブは、断面形状がV字状であるものとする。
【0010】
さらに、凹状リブは、胴部の複数の部位に設けられたものとする。
【0011】
加えて、内層と外層の間には、乾燥剤が配合された樹脂層が介在されたものとする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
【0013】
図1は一実施の形態による耐圧性プラスチック容器を示し、(a)は模式正面図、(b)は容器本体を構成するプラスチック積層体の層構成を示す模式部分断面図である。また、図2は図1に示した耐圧性プラスチック容器の容器本体の模式断面図である。
【0014】
本実施の形態による耐圧性プラスチック容器は、図1の(a)に示すように、容器本体1が、胴部2と、胴部2の一端に連設された底部3と、胴部2の他端に設けられた開口部2a(図2参照)とを有し、胴部2には内側ヘ環状に突出する一対の断面V字状の凹状リブ4が、互いに隣接して設けられている。
【0015】
容器本体1は、図1の(b)に示すように、曲げ弾性率が820〜2200MPaのポリオレフィン系樹脂からなる内層11と外層12との間に、内層11側より順次、接着層14a、ガスバリア層13、接着層14b、乾燥剤が配合された樹脂層15が介在されたプラスチック積層体から構成されている。
【0016】
蓋体6は、容器本体1のフランジ部5に溶着される周端部6aと、周端部6aの内周側から段状に反底部側へ膨出する膨出部6bからなり、膨出部6bの略中央部位には摘み片7が一体的に設けられている。
【0017】
なお、開口部2aを閉鎖する閉鎖部材としては、本実施の形態に示した蓋体6に限らず、内圧の変化等に耐える機械的強度を有する樹脂製フィルム等を用いることができる。
【0018】
図3は、容器本体1を構成するプラスチック積層体の他の例を示す模式部分断面図である。本例では、曲げ弾性率が820〜2200MPaのポリオレフィン系樹脂からなる内層21と外層22の間に、内層21側から順次、乾燥剤が配合された樹脂層24a、ガスバリア層23、乾燥剤が配合された樹脂層24bが介在されている。
【0019】
本例のプラスチック積層体から容器本体1を構成すると、内層21側から侵入する水分および外層22側から侵入する水分がそれぞれ乾燥剤が配合された樹脂層24a、24bにより吸着されてガスバリア層23への侵入が防止されるため、耐久性がより向上する。
【0020】
本発明において、内層および外層としては、曲げ弾性率が820〜2200MPaのポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体等が好適である。曲げ弾性率が820MPaより小さいと、容器本体の保形性が悪くなって変形するおそれがある。逆に、曲げ弾性率が2200MPaより大きいと、内圧の変化に対応する凹状リブの伸縮性が悪くなる。
【0021】
ガスバリア層としては、優れたガスバリア性を有する、例えば、ポリエステル、結晶性ポリアミドや非晶性ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が好適である。
【0022】
乾燥剤が配合された樹脂層に用いる樹脂としては、特に制限されるものではないが、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等が好適である。
【0023】
乾燥剤としては、熱可塑性樹脂への分散性が良好なものが好適であり、成形性を阻害しないものを用いるとよい。
【0024】
例えば、硫酸マグネシウム、シリカゲル、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、第二燐酸ナトリウム、塩化アンモニウム、スクロース、炭酸カリウム、カリウムミョウバン、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、第一硝酸アンモニウム、臭化カリウム、生石灰、ゼオライト、化学式MgSO4 ・nH2 O(ただし0≦n≦3)で示される硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ケイ素などを用いる。特に、硫酸マグネシウムは、熱可塑性樹脂への分散性が良好で、成形性・加工性がよい。
【0025】
本発明に係る耐圧性プラスチック容器は、内層11、21および外層12、22に曲げ弾性率が820〜2200MPaのポリオレフィン系樹脂を用い、胴部2に凹状リブが設けられているため、被収容物を充填して開口部2aを閉鎖したのち、加熱殺菌処理を行って内圧が増大すると、断面V字状の凹状リブ4が胴部2の軸方向へ伸びて容器本体1の容積が拡大する。
【0026】
逆に、高温の状態の被収容器を充填したのち密封し、その後の冷却によって容器内部に負圧が発生すると、断面V字状の凹状リブ4が胴部2の軸方向へ縮んで容器本体1の容積が縮小する。
【0027】
このように、内圧の変化に対応して容器本体1の容積が拡大または縮小するため、容器本体1が不規則に変形して破損したり、不用意に開口するおそれがなくなる。
【0028】
また、凹状リブ4は、胴部2の内側へ向かって環状に突出し、胴部2の外面に突出するものではないため、ラベル等を胴部2の外面に貼着するのに、邪魔にならない。
【0029】
なお、上述のように、凹状リブは、内圧の変化に応じて伸縮して容器本体の容積を変化させるものであり、断面形状は、本実施の形態に示したV字状に限らず、U字状、円弧状等であってもよい。また、特にガスバリア層が薄くなることによる容器のガスバリア性の低下を防止するため、凹状リブの頂部および胴部との境界線である端部は曲面状とすることが好適である。さらにまた、凹状リブは1個でもよいが、2個以上の凹状リブを胴部の軸方向に隣接してあるいは間隔をおいて設けてもよい。つまり凹状リブを胴部の複数の部位に設けてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0031】
被収容物を充填して密封したのちの加熱殺菌処理による内圧の増大、あるいは、高温状態の被収容物を充填して密封したのちの冷却による負圧の発生等の内圧の変化に対応して、胴部に設けられた凹状リブが伸縮して容器本体の容積が増大または縮小する。その結果、容器本体が不規則に変形して破損したり、開口部が不用意に開口するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態による耐圧性プラスチック容器を示し、(a)は模式正面図、(b)は容器本体を構成するプラスチック積層体の層構成を示す模式部分断面図である。
【図2】図1に示す耐圧性プラスチック容器の容器本体の模式断面図である。
【図3】容器本体を構成するプラスチック積層体の他の例を示す模式部分断面図である。
【図4】従来のプラスチック容器の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 胴部
2a 開口部
3 底部
4 凹状リブ
5 フランジ部
6 蓋体
7 摘み片
11、21 内層
12、22 外層
13、23 ガスバリア層
14a、14b 接着層
15、24a、24b 乾燥剤が配合された樹脂層
Claims (4)
- 容器本体が、胴部と、前記胴部の一端に連設された底部と、前記胴部の他端に設けられた開口部とを有し、被収容物を充填したのち前記開口部が閉鎖される耐圧性プラスチック容器において、
前記容器本体は、曲げ弾性率が820〜2200MPaのポリオレフィン系樹脂からなる内層と外層の間に少くともガスバリア層が介在されたプラスチック積層体からなり、かつ、前記胴部には内側ヘ向かって環状に突出する凹状リブが形成されていることを特徴とする耐圧性プラスチック容器。 - 凹状リブは、断面形状がV字状であることを特徴とする請求項1記載の耐圧性プラスチック容器。
- 凹状リブは、胴部の複数の部位に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の耐圧性プラスチック容器。
- 内層と外層の間には、乾燥剤が配合された樹脂層が介在されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の耐圧性プラスチック容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002284753A JP2004115110A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 耐圧性プラスチック容器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002284753A JP2004115110A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 耐圧性プラスチック容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004115110A true JP2004115110A (ja) | 2004-04-15 |
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JP (1) | JP2004115110A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013245021A (ja) * | 2012-05-28 | 2013-12-09 | Acecook Co Ltd | 食品用シート成形容器 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002284753A patent/JP2004115110A/ja active Pending
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JP2013245021A (ja) * | 2012-05-28 | 2013-12-09 | Acecook Co Ltd | 食品用シート成形容器 |
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