JP2004115091A - 生鮮食品搬送用コンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】生鮮食品搬送用コンテナにおいて、容器本体の断熱性を高めることにより生鮮食品を長時間保冷できるようにする。
【解決手段】インジェクション成形された比較的大型の合成樹脂製の容器本体2の外壁面に容器本体2を補強するための補強リブ21が複数立設され、補強リブ21によって仕切られた容器本体2の外壁面の表面空間23に発泡合成樹脂製の断熱板4が装着される。この構成により、コンテナとしての容器本体2の断熱性が高まる。
【選択図】 図2
【解決手段】インジェクション成形された比較的大型の合成樹脂製の容器本体2の外壁面に容器本体2を補強するための補強リブ21が複数立設され、補強リブ21によって仕切られた容器本体2の外壁面の表面空間23に発泡合成樹脂製の断熱板4が装着される。この構成により、コンテナとしての容器本体2の断熱性が高まる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活魚等の生鮮食品の搬送に好適な、比較的大型の生鮮食品搬送用コンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、生鮮食品の搬送に用いられる容器として、断熱性に優れる発泡合成樹脂から成る発泡容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、発泡合成樹脂は強度が低いため、発泡容器によって搬送可能な生鮮食品は比較的軽量な食品に限られる。
【0003】
一方、大型の容器で活魚を大量の氷水等と共に収容・搬送する場合には、容器本体の壁面に大きな荷重がかかるので、容器本体に高い強度が必要とされる。そのため、このような場合にあっては、インジェクション成形された合成樹脂から成るコンテナが適用されている。この種のコンテナには、容器本体の外壁面及び外底面に補強リブが立設成形されているものもあり、この補強リブによって容器本体の強度が高められ、活魚を大量の氷水等と共に収容することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−225965号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した合成樹脂から成るコンテナは、上記発泡容器と比較すると断熱性に乏しく長時間に亘る活魚の収容・搬送には適さない。特に、容器本体の外壁面に補強リブが形成されたコンテナにあっては、容器本体の外表面積が増加するため、容器本体と外気との間で熱交換が活発となり断熱性が低下する傾向にある。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、比較的大型の容器本体の断熱性を高めることにより活魚等の生鮮食品を長時間保冷・運搬することができる生鮮食品搬送用コンテナを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、生鮮食品を収容するためのインジェクション成形による合成樹脂製の容器本体と、この容器本体の開口に装着自在な蓋体とから成り、少なくとも該容器本体の外壁面には該容器本体を補強するための補強リブが複数立設されている生鮮食品搬送用コンテナにおいて、補強リブによって仕切られた外壁面の表面空間に対応する形状に発泡合成樹脂により成形された断熱板を該表面空間に装着したものである。
【0008】
この構成においては、容器本体の外壁面の表面に装着された断熱板によって、容器本体の外壁面と外気との間の熱交換が防止され、容器本体の断熱性を高めることができる。また、容器本体の外壁面から立設された補強リブ間に断熱板が装着されることにより、容器本体の外表面積が減少し、これによっても断熱性を高めることができる。断熱板は、例えば、発泡スチロール等の発泡合成樹脂により成形することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の生鮮食品搬送用コンテナにおいて、補強リブを含めて断熱板の外表面に弾性塗料を塗布したものである。この構成においては、断熱塗料によって断熱板の外表面が保護される。また、補強リブの先端部及び断熱板の外表面が弾性塗料に被われるだけでなく、補強リブと断熱板との間の微小な隙間にも弾性塗料が充填されるので、補強リブ及び断熱板が外気から密封され、容器本体の断熱性が向上する。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の生鮮食品搬送用コンテナにおいて、外壁面のうち側面に装着される断熱板の厚み寸法は、補強リブの立設高さ寸法より大きいものである。この構成においては、側面に装着される断熱板を厚く形成することができ容器本体の断熱性が向上する。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生鮮食品搬送用コンテナにおいて、外壁面のうち底面に装着される断熱板の厚み寸法は、補強リブの立設高さ寸法より小さいものである。この構成においては、補強リブの先端部が断熱板の外表面より突出するため、断熱板が補強リブによって保護される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は活魚等の生鮮食品の搬送に用いられるコンテナを示している。コンテナ1は活魚等を氷水と共に収容する比較的大型の合成樹脂製の容器本体2と、容器本体2の上部開口に装着自在な発泡合成樹脂製の蓋体3とによって構成される。容器本体2の外壁面(外側面及び外底面)には、容器本体2を補強するための補強リブ21が格子状に複数立設されており、補強リブ21によって仕切られた外壁面の表面空間には発泡合成樹脂から成る断熱板4が装着され、容器本体2の保冷性が高められる。本実施例の容器本体2は、幅寸法が約1〜2m、奥行き寸法が約1m、高さ寸法が約1m程度の比較的大型のコンテナである。
【0013】
コンテナ1の外表面には、例えば、ウレタン系塗料等の弾性塗料5が塗布されている。さらに、容器本体2の外底面の4隅には、外底面を地面から所定の高さで支持するための支持脚22が成形されている。この支持脚22によって隔てられた地面と外底面との隙間Gにフォークを挿し込み、該フォークで外底面を支持することにより、容器本体2を持上げることができる。なお、図1においては、外表面に塗布された弾性塗料5の一部を除去した状態を示している。
【0014】
また、容器本体2は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂によって成り、その外側面にはインジェクション成形によって補強リブ21が一体成形されている。また、図示はしないが、容器本体2の外底面にも同等の補強リブが形成されている。このように、容器本体2は、補強リブ21によって外壁面が補強されることにより、高荷重に耐え得るものとされ、活魚を大量の氷水等と共に収容することができるようになる。
【0015】
図2(a)(b)及び図3(a)(b)は、補強リブ21によって仕切られた外側面の表面空間23に断熱板4を装着する要領を示す。断熱板4は、外側面の表面空間23に合致する略矩形の形状に切出され、図中矢印に示されるように表面空間23に嵌め込まれる。断熱板4の切出しは、例えば、予め所定の厚み寸法で成形された発泡スチロール製の大判の板状部材を熱線(ニクロム線)カッタを用いて切断することによって成される。上記板状部材の所定の厚み寸法は補強リブ21の立設高さ寸法より若干大きく設定されている。このような板状部材を表面空間23より僅かに大きいサイズにて切出せば、発泡スチロールの弾性を利用して表面空間23にほとんど隙間なく断熱板4を嵌め込むことができる。また、搬送中等における断熱板4の容器本体2からの脱落を防止するため、断熱板4は、必要に応じて、接着剤によって容器本体2に接着される。
【0016】
こうして、外側面の全領域に断熱板4が装着される。ここに、板状部材から切出された断熱板4の厚み寸法が補強リブ21の立設高さ寸法より若干大きいものとされていることにより、断熱板4を容器本体2の外側面に装着すると、補強リブ21の先端21aは断熱板4の外表面より若干陥没した状態となる。
【0017】
さらに、断熱板4が装着された容器本体2の外側面には、図3(c)に示されるように、弾性塗料5が塗布される。弾性塗料5は所定の膜厚が得られるように数度に恒って重ね塗りされ、これにより、コンテナ1の外観が良好になると共に、断熱板4の外表面が弾性塗料5によって保護される。また、補強リブ21の先端部21a及び断熱板4の外表面が弾性塗料5に被われるだけでなく、補強リブ21と断熱板4との間の微小な隙間にも弾性塗料5が充填され、その結果、補強リブ21及び断熱板4が外気から密封され、コンテナ1の断熱性が向上する。なお、弾性塗料5はウレタン系塗料に限られることなく、例えばアクリル系塗料であってもよい。また、この弾性塗料5は必要に応じて塗布すればよい。
【0018】
図4は容器本体2の底面の断面を示している。底面に装着される断熱板4の厚み寸法は、補強リブ21の立設高さ寸法より小さく設定され、補強リブ21の先端部21aは断熱板4の外表面より突出する。この底面に装着される断熱板4は、補強リブ21の立設高さ寸法より若干小さい厚み寸法で成形された板状部材を切出すことによって成形される。なお、断熱板4が装着された容器本体2の外底面にも外側面と同様に弾性塗料5が塗布される。
【0019】
容器本体2の上部開口には、必要に応じて蓋体3が装着される。蓋体3は、コンテナ1内外における空気の流通を防止し、熱交換を抑制するために装着される。
【0020】
上記のように構成されたコンテナ1によれば、容器本体2の外壁面に断熱板4が装着されているので、容器本体2の断熱性が高められ、生鮮食品を長時間保冷することができる。また、容器本体として、外壁面に補強リブを有し合成樹脂製の既存の容器本体を適用することができるので、容易に断熱性の高いコンテナを提供することができる。また、断熱板4は発泡スチロール等の軽量な発泡合成樹脂により成形されているので、コンテナ1の重量増を招くこともない。さらにまた、補強リブ21を含めて断熱板4の外表面に弾性塗料5を塗布しているので、補強リブ21及び断熱板4が外気から密封され、容器本体2の断熱性が向上し、生鮮食品を長時間保冷することができる。
【0021】
また、外側面に装着される断熱板4の厚み寸法が補強リブ21の立設高さ寸法より大きいので、断熱板4を厚く形成することができ容器本体2の断熱性が向上する。さらに、外底面に装着される断熱板4の厚み寸法は、補強リブ21の立設高さ寸法より小さいので、補強リブ21の先端部21aが断熱板4の外表面より突出する。従って、例えば、コンテナ1の底面をフォークによって支持してコンテナ1を持上げる際、底面に装着された断熱板4が補強リブ21によって保護され、断熱板4の損傷を防ぐことができる。
【0022】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく種々の変形が可能であり、例えば、外側面に装着される断熱板4は、所定の厚みの板状部材を切出して成形した構成に限られることなく、図5に示されるような形状に金型成形された断熱板6を適用してもよい。この断熱板6は、複数の表面空間23を被うことができる大きさで、その厚み寸法は、補強リブ21の立設高さ寸法よりも大きく、容器本体2への装着面61側に補強リブ21の立設高さに相当する溝62が補強リブ21の配置に対応させて格子状に形成されている。また、断熱板6の端側面には、補強リブ21と係合する凹状段部63が形成されている。このような断熱板6を用いれば、断熱板6の容器本体2の外側面への装着が容易になるばかりでなく、補強リブ21の先端部21aと外気との熱交換を防止することができ、容器本体2の断熱性を高めることができる。
【0023】
また、容器本体2の側面には、必要に応じて生鮮食品の取り出し用に開口された取出口と、この取出口に開閉自在に装着される扉とを設けてもよい。この場合にあっては、扉の外側面と外気との熱交換を防止するために、扉の外側面に断熱板4と同等の素材・厚み寸法からなる断熱板を貼り付けることが望ましい。
【0024】
さらに、蓋体3は発泡合成樹脂成形品に限られることなく、インジェクション成形された合成樹脂成形品を適用しても構わない。この場合にあっては、蓋体の本体部分に容器本体2の補強リブ21と同等の補強リブを立設し、該補強リブに仕切られた表面空間に断熱板4を装着すれば、断熱性に優れ、かつ、高荷重にも耐え得る蓋体を得ることができる。このようにすれば、コンテナ1の上部にさらに別のコンテナ1を段積みすることができ、コンテナ1の使い勝手が向上する。
【0025】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、インジェクション成形された合成樹脂製の容器本体の外壁面に断熱板が装着されているので、比較的大型のコンテナとしての容器本体の断熱性が高められ、生鮮食品を長時間保冷して運搬することができる。
【0026】
請求項2の発明によれば、補強リブを含めて断熱板の外表面に弾性塗料を塗布しているので、補強リブ及び断熱板が外気から密封され、容器本体の断熱性が向上する。
【0027】
請求項3の発明によれば、外壁面のうち側面に装着される断熱板の厚み寸法が補強リブの立設高さ寸法より大きいので、断熱板を厚く形成することができ、コンテナの断熱性が向上する。
【0028】
請求項4の発明によれば、外壁面のうち底面に装着される断熱板の厚み寸法は、補強リブの立設高さ寸法より小さいので、補強リブの先端部が断熱板の外表面より突出する。従って、例えば、コンテナの底面をフォークによって支持してコンテナを持上げる際、底面に装着された断熱板が補強リブによって保護され、断熱板の損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による生鮮食品搬送用コンテナの外観を示した斜視図。
【図2】(a)は同コンテナの容器本体に断熱板が装着される様子を示した斜視図、(b)は同断熱板が装着された同容器本体の斜視図。
【図3】(a)は同容器本体の側面部に断熱板が装着される様子を示した断面図、(b)は同断熱板が装着された同側面部の断面図、(c)は弾性塗料が塗布された同側面部の断面図。
【図4】同容器本体の底面の構造を示した断面図。
【図5】同側面に装着される断熱板の他の例を示した斜視図。
【符号の説明】
1 コンテナ
2 容器本体
3 蓋体
4 断熱板
5 弾性塗料
21 補強リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、活魚等の生鮮食品の搬送に好適な、比較的大型の生鮮食品搬送用コンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、生鮮食品の搬送に用いられる容器として、断熱性に優れる発泡合成樹脂から成る発泡容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、発泡合成樹脂は強度が低いため、発泡容器によって搬送可能な生鮮食品は比較的軽量な食品に限られる。
【0003】
一方、大型の容器で活魚を大量の氷水等と共に収容・搬送する場合には、容器本体の壁面に大きな荷重がかかるので、容器本体に高い強度が必要とされる。そのため、このような場合にあっては、インジェクション成形された合成樹脂から成るコンテナが適用されている。この種のコンテナには、容器本体の外壁面及び外底面に補強リブが立設成形されているものもあり、この補強リブによって容器本体の強度が高められ、活魚を大量の氷水等と共に収容することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−225965号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した合成樹脂から成るコンテナは、上記発泡容器と比較すると断熱性に乏しく長時間に亘る活魚の収容・搬送には適さない。特に、容器本体の外壁面に補強リブが形成されたコンテナにあっては、容器本体の外表面積が増加するため、容器本体と外気との間で熱交換が活発となり断熱性が低下する傾向にある。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、比較的大型の容器本体の断熱性を高めることにより活魚等の生鮮食品を長時間保冷・運搬することができる生鮮食品搬送用コンテナを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、生鮮食品を収容するためのインジェクション成形による合成樹脂製の容器本体と、この容器本体の開口に装着自在な蓋体とから成り、少なくとも該容器本体の外壁面には該容器本体を補強するための補強リブが複数立設されている生鮮食品搬送用コンテナにおいて、補強リブによって仕切られた外壁面の表面空間に対応する形状に発泡合成樹脂により成形された断熱板を該表面空間に装着したものである。
【0008】
この構成においては、容器本体の外壁面の表面に装着された断熱板によって、容器本体の外壁面と外気との間の熱交換が防止され、容器本体の断熱性を高めることができる。また、容器本体の外壁面から立設された補強リブ間に断熱板が装着されることにより、容器本体の外表面積が減少し、これによっても断熱性を高めることができる。断熱板は、例えば、発泡スチロール等の発泡合成樹脂により成形することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の生鮮食品搬送用コンテナにおいて、補強リブを含めて断熱板の外表面に弾性塗料を塗布したものである。この構成においては、断熱塗料によって断熱板の外表面が保護される。また、補強リブの先端部及び断熱板の外表面が弾性塗料に被われるだけでなく、補強リブと断熱板との間の微小な隙間にも弾性塗料が充填されるので、補強リブ及び断熱板が外気から密封され、容器本体の断熱性が向上する。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の生鮮食品搬送用コンテナにおいて、外壁面のうち側面に装着される断熱板の厚み寸法は、補強リブの立設高さ寸法より大きいものである。この構成においては、側面に装着される断熱板を厚く形成することができ容器本体の断熱性が向上する。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生鮮食品搬送用コンテナにおいて、外壁面のうち底面に装着される断熱板の厚み寸法は、補強リブの立設高さ寸法より小さいものである。この構成においては、補強リブの先端部が断熱板の外表面より突出するため、断熱板が補強リブによって保護される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は活魚等の生鮮食品の搬送に用いられるコンテナを示している。コンテナ1は活魚等を氷水と共に収容する比較的大型の合成樹脂製の容器本体2と、容器本体2の上部開口に装着自在な発泡合成樹脂製の蓋体3とによって構成される。容器本体2の外壁面(外側面及び外底面)には、容器本体2を補強するための補強リブ21が格子状に複数立設されており、補強リブ21によって仕切られた外壁面の表面空間には発泡合成樹脂から成る断熱板4が装着され、容器本体2の保冷性が高められる。本実施例の容器本体2は、幅寸法が約1〜2m、奥行き寸法が約1m、高さ寸法が約1m程度の比較的大型のコンテナである。
【0013】
コンテナ1の外表面には、例えば、ウレタン系塗料等の弾性塗料5が塗布されている。さらに、容器本体2の外底面の4隅には、外底面を地面から所定の高さで支持するための支持脚22が成形されている。この支持脚22によって隔てられた地面と外底面との隙間Gにフォークを挿し込み、該フォークで外底面を支持することにより、容器本体2を持上げることができる。なお、図1においては、外表面に塗布された弾性塗料5の一部を除去した状態を示している。
【0014】
また、容器本体2は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂によって成り、その外側面にはインジェクション成形によって補強リブ21が一体成形されている。また、図示はしないが、容器本体2の外底面にも同等の補強リブが形成されている。このように、容器本体2は、補強リブ21によって外壁面が補強されることにより、高荷重に耐え得るものとされ、活魚を大量の氷水等と共に収容することができるようになる。
【0015】
図2(a)(b)及び図3(a)(b)は、補強リブ21によって仕切られた外側面の表面空間23に断熱板4を装着する要領を示す。断熱板4は、外側面の表面空間23に合致する略矩形の形状に切出され、図中矢印に示されるように表面空間23に嵌め込まれる。断熱板4の切出しは、例えば、予め所定の厚み寸法で成形された発泡スチロール製の大判の板状部材を熱線(ニクロム線)カッタを用いて切断することによって成される。上記板状部材の所定の厚み寸法は補強リブ21の立設高さ寸法より若干大きく設定されている。このような板状部材を表面空間23より僅かに大きいサイズにて切出せば、発泡スチロールの弾性を利用して表面空間23にほとんど隙間なく断熱板4を嵌め込むことができる。また、搬送中等における断熱板4の容器本体2からの脱落を防止するため、断熱板4は、必要に応じて、接着剤によって容器本体2に接着される。
【0016】
こうして、外側面の全領域に断熱板4が装着される。ここに、板状部材から切出された断熱板4の厚み寸法が補強リブ21の立設高さ寸法より若干大きいものとされていることにより、断熱板4を容器本体2の外側面に装着すると、補強リブ21の先端21aは断熱板4の外表面より若干陥没した状態となる。
【0017】
さらに、断熱板4が装着された容器本体2の外側面には、図3(c)に示されるように、弾性塗料5が塗布される。弾性塗料5は所定の膜厚が得られるように数度に恒って重ね塗りされ、これにより、コンテナ1の外観が良好になると共に、断熱板4の外表面が弾性塗料5によって保護される。また、補強リブ21の先端部21a及び断熱板4の外表面が弾性塗料5に被われるだけでなく、補強リブ21と断熱板4との間の微小な隙間にも弾性塗料5が充填され、その結果、補強リブ21及び断熱板4が外気から密封され、コンテナ1の断熱性が向上する。なお、弾性塗料5はウレタン系塗料に限られることなく、例えばアクリル系塗料であってもよい。また、この弾性塗料5は必要に応じて塗布すればよい。
【0018】
図4は容器本体2の底面の断面を示している。底面に装着される断熱板4の厚み寸法は、補強リブ21の立設高さ寸法より小さく設定され、補強リブ21の先端部21aは断熱板4の外表面より突出する。この底面に装着される断熱板4は、補強リブ21の立設高さ寸法より若干小さい厚み寸法で成形された板状部材を切出すことによって成形される。なお、断熱板4が装着された容器本体2の外底面にも外側面と同様に弾性塗料5が塗布される。
【0019】
容器本体2の上部開口には、必要に応じて蓋体3が装着される。蓋体3は、コンテナ1内外における空気の流通を防止し、熱交換を抑制するために装着される。
【0020】
上記のように構成されたコンテナ1によれば、容器本体2の外壁面に断熱板4が装着されているので、容器本体2の断熱性が高められ、生鮮食品を長時間保冷することができる。また、容器本体として、外壁面に補強リブを有し合成樹脂製の既存の容器本体を適用することができるので、容易に断熱性の高いコンテナを提供することができる。また、断熱板4は発泡スチロール等の軽量な発泡合成樹脂により成形されているので、コンテナ1の重量増を招くこともない。さらにまた、補強リブ21を含めて断熱板4の外表面に弾性塗料5を塗布しているので、補強リブ21及び断熱板4が外気から密封され、容器本体2の断熱性が向上し、生鮮食品を長時間保冷することができる。
【0021】
また、外側面に装着される断熱板4の厚み寸法が補強リブ21の立設高さ寸法より大きいので、断熱板4を厚く形成することができ容器本体2の断熱性が向上する。さらに、外底面に装着される断熱板4の厚み寸法は、補強リブ21の立設高さ寸法より小さいので、補強リブ21の先端部21aが断熱板4の外表面より突出する。従って、例えば、コンテナ1の底面をフォークによって支持してコンテナ1を持上げる際、底面に装着された断熱板4が補強リブ21によって保護され、断熱板4の損傷を防ぐことができる。
【0022】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく種々の変形が可能であり、例えば、外側面に装着される断熱板4は、所定の厚みの板状部材を切出して成形した構成に限られることなく、図5に示されるような形状に金型成形された断熱板6を適用してもよい。この断熱板6は、複数の表面空間23を被うことができる大きさで、その厚み寸法は、補強リブ21の立設高さ寸法よりも大きく、容器本体2への装着面61側に補強リブ21の立設高さに相当する溝62が補強リブ21の配置に対応させて格子状に形成されている。また、断熱板6の端側面には、補強リブ21と係合する凹状段部63が形成されている。このような断熱板6を用いれば、断熱板6の容器本体2の外側面への装着が容易になるばかりでなく、補強リブ21の先端部21aと外気との熱交換を防止することができ、容器本体2の断熱性を高めることができる。
【0023】
また、容器本体2の側面には、必要に応じて生鮮食品の取り出し用に開口された取出口と、この取出口に開閉自在に装着される扉とを設けてもよい。この場合にあっては、扉の外側面と外気との熱交換を防止するために、扉の外側面に断熱板4と同等の素材・厚み寸法からなる断熱板を貼り付けることが望ましい。
【0024】
さらに、蓋体3は発泡合成樹脂成形品に限られることなく、インジェクション成形された合成樹脂成形品を適用しても構わない。この場合にあっては、蓋体の本体部分に容器本体2の補強リブ21と同等の補強リブを立設し、該補強リブに仕切られた表面空間に断熱板4を装着すれば、断熱性に優れ、かつ、高荷重にも耐え得る蓋体を得ることができる。このようにすれば、コンテナ1の上部にさらに別のコンテナ1を段積みすることができ、コンテナ1の使い勝手が向上する。
【0025】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、インジェクション成形された合成樹脂製の容器本体の外壁面に断熱板が装着されているので、比較的大型のコンテナとしての容器本体の断熱性が高められ、生鮮食品を長時間保冷して運搬することができる。
【0026】
請求項2の発明によれば、補強リブを含めて断熱板の外表面に弾性塗料を塗布しているので、補強リブ及び断熱板が外気から密封され、容器本体の断熱性が向上する。
【0027】
請求項3の発明によれば、外壁面のうち側面に装着される断熱板の厚み寸法が補強リブの立設高さ寸法より大きいので、断熱板を厚く形成することができ、コンテナの断熱性が向上する。
【0028】
請求項4の発明によれば、外壁面のうち底面に装着される断熱板の厚み寸法は、補強リブの立設高さ寸法より小さいので、補強リブの先端部が断熱板の外表面より突出する。従って、例えば、コンテナの底面をフォークによって支持してコンテナを持上げる際、底面に装着された断熱板が補強リブによって保護され、断熱板の損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による生鮮食品搬送用コンテナの外観を示した斜視図。
【図2】(a)は同コンテナの容器本体に断熱板が装着される様子を示した斜視図、(b)は同断熱板が装着された同容器本体の斜視図。
【図3】(a)は同容器本体の側面部に断熱板が装着される様子を示した断面図、(b)は同断熱板が装着された同側面部の断面図、(c)は弾性塗料が塗布された同側面部の断面図。
【図4】同容器本体の底面の構造を示した断面図。
【図5】同側面に装着される断熱板の他の例を示した斜視図。
【符号の説明】
1 コンテナ
2 容器本体
3 蓋体
4 断熱板
5 弾性塗料
21 補強リブ
Claims (4)
- 生鮮食品を収容するためのインジェクション成形による合成樹脂製の容器本体と、この容器本体の開口に装着自在な蓋体とから成り、少なくとも該容器本体の外壁面には該容器本体を補強するための補強リブが複数立設されている生鮮食品搬送用コンテナにおいて、
前記補強リブによって仕切られた前記外壁面の表面空間に対応する形状に発泡合成樹脂により成形された断熱板を該表面空間に装着したことを特徴とする生鮮食品搬送用コンテナ。 - 前記補強リブを含めて前記断熱板の外表面に弾性塗料を塗布したことを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品搬送用コンテナ。
- 前記外壁面のうち側面に装着される断熱板の厚み寸法は、前記補強リブの立設高さ寸法より大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生鮮食品搬送用コンテナ。
- 前記外壁面のうち底面に装着される断熱板の厚み寸法は、前記補強リブの立設高さ寸法より小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生鮮食品搬送用コンテナ。
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-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283359A patent/JP2004115091A/ja not_active Withdrawn
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