JP2004114551A - 発光装置 - Google Patents
発光装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004114551A JP2004114551A JP2002282267A JP2002282267A JP2004114551A JP 2004114551 A JP2004114551 A JP 2004114551A JP 2002282267 A JP2002282267 A JP 2002282267A JP 2002282267 A JP2002282267 A JP 2002282267A JP 2004114551 A JP2004114551 A JP 2004114551A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- irradiated
- emitting device
- light source
- light emitting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Electronic Switches (AREA)
- Led Device Packages (AREA)
Abstract
【課題】発光素子からの発光光を被照射物に照射する発光装置において、光の利用効率をより高める。
【解決手段】搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列されたLED60から、搬送方向に傾いた方向に光Lを被照射物10に対して連続的に照射し、複数列のLED60の各列の間にある反射板61によって、被照射物10からの反射光Lrを含むLED60から発せられた光Lを被照射物10に向けて反射し、再び照射する。光Lの照射方向を被照射物10に対して斜めにし、被照射物10からの反射光LrがLED60に戻って吸収されてしまう割合を減らすとともに、その反射光Lrを反射鏡61で反射させ、被照射物10に再照射する。
【選択図】 図2
【解決手段】搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列されたLED60から、搬送方向に傾いた方向に光Lを被照射物10に対して連続的に照射し、複数列のLED60の各列の間にある反射板61によって、被照射物10からの反射光Lrを含むLED60から発せられた光Lを被照射物10に向けて反射し、再び照射する。光Lの照射方向を被照射物10に対して斜めにし、被照射物10からの反射光LrがLED60に戻って吸収されてしまう割合を減らすとともに、その反射光Lrを反射鏡61で反射させ、被照射物10に再照射する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の照射を目的とした発光装置に関し、特に詳しくは、例えばカラー感熱プリンタにおいて定着光を感熱記録紙に照射する発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファクシミリ、イメージスキャナなどの光学式読取装置や、カラー感熱プリンタの定着器など、様々な装置において、光の照射を目的とした発光装置が使用されている。これらの発光装置としては、光源に、小型で安定度が比較的優れている発光ダイオード(以下、LEDという)を使用したものが種々提案されている。
【0003】
カラー感熱プリンタの定着器は、カラー感熱記録紙に熱記録された記録画像を定着させるため、そのカラー感熱記録紙の各感熱発色層に紫外線を照射するものであるが、イエロー,マゼンタの感熱発色層の定着用に適した発光波長を持つLEDでは、発光効率(光出力/電流)が未だ低く、また、エネルギー変換効率(光出力/投入電力)が低いため、照度の不足が問題となっていた。
【0004】
十分な照度を得るために、LEDの実装密度を高くする手法が考えられるが、実装密度が高いと、LEDの発熱に対して放熱が間に合わず、素子温度が上昇してさらに発光効率が低下するという問題が生じる。そこで、如何にして発光素子からの発光光の利用効率を高めるかが重要な課題であった。
【0005】
上記課題を解決する手法として、発光素子からの発光光を照射したい方向に直接照射するのではなく、凹面反射鏡で一旦反射させた光を被照射物に照射するようにし、これまで利用できていなかった光、つまり光の射出方向が物理的または光学的な開口から外れていたために、被照射物に照射されていなかった光をも利用することで、光の利用効率を高めたライン照明ユニット(特許文献1参照)が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−299701号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、被照射物に照射された光は、通常、被照射物に吸収されるものと吸収されずに反射されてしまうものとがある。また、LEDなどの多くの発光素子は自らの発光光が反射されて発光面に戻ると、その光を吸収する性質がある。
【0008】
このため、上記の提案されている手法においては、LEDからの発光光が、被照射物に対して略垂直な向きで照射されるため、被照射物からの反射光のうち多くのものがLED側に向かって反射され、LED発光面で吸収されてしまい、光の利用効率を十分に高めることができなかった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被照射物からの反射光を利用することにより、光の利用効率をより高めることが可能な発光装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による発光装置は、被照射物の照射面に対して光を直接的および/または間接的に斜めに照射する位置に配されるように構成された光源と、照射面からの反射光を照射面に向けて反射するように構成された反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、被照射物としては、例えば、読取用の原稿、カラー感熱記録紙などが考えられるが、これらに限られるものではない。
【0012】
また、「直接的および/または間接的に斜めに照射する」の「直接的」とは、光源から発せられた光を反射板等に反射させることなく、被照射物に直接照射することを意味し、また、「間接的」とは、光源から発せられた光を反射板等に反射させた後、被照射物に照射することを意味する。従って、「直接的および/または間接的に斜めに照射する」とは、結果的に光を被照射物に対して斜めに照射することを意味するものである。
【0013】
また、光源としては、例えば、蛍光ランプやXeフラッシュランプ等のランプ、LED、半導体レーザなどの発光素子が考えられるが、これらに限られるものではない。
【0014】
また、上記光は、可視光か否かを問わず、広く電磁波として解釈するものとする。
【0015】
なお、上記発光装置において、上記光は、画像定着用の光であってもよい。
【0016】
ここで、「画像定着」とは、画像情報が記録された記録媒体に所定の光を照射することによって、記録された画像を定着させることを意味し、例えば、カラー感熱プリンタにより画像が熱記録されたカラー感熱記録紙に、所定の光(紫外光)を照射して、感熱発色層の発色進行を抑え、画像を定着させることを言う。
【0017】
本発明による第1の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列され、搬送方向に傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射する光源と、複数列の光源の各列の間にあって、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する複数の反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明による第2の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、搬送路の搬送方向に対して斜めの方向に間隔をおいて複数列配列され、上記斜めの方向に沿って傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射する光源と、複数列の光源の各列の間にあって、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する複数の反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
ここで、上記第1の発光装置において、「搬送方向に傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射する」とは、搬送路面と垂直かつ搬送方向を含む面上での方向のうち、被照射物に対して斜めの(垂直でない)方向に光を照射することを意味するものであり、搬送方向の前方側から後方側に向かって照射する場合と、逆に、搬送方向の後方側から前方側に向かって照射する場合とが考えられるが、ここでは、どちらも含むものとする。
【0020】
また、上記第2の発光装置において、「上記斜めの方向(搬送路の搬送方向に対して斜めの方向)に沿って傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射する」とは、搬送路面と垂直かつ搬送方向に対して斜めの方向を含む面上での方向のうち、被照射物に対して斜めの(垂直でない)方向に光を照射することを意味するものであり、第1の発光装置と同様に、搬送方向の前方側から後方側に向かって照射する場合と、逆に、搬送方向の後方側から前方側に向かって照射する場合とが考えられるが、ここでは、どちらも含むものとする。
【0021】
上記第1および第2の発光装置においては、光源が、発光波長の異なる2種類以上の発光素子を含むものであってもよい。これらの発光素子の配置パターンとしては、例えば、異なる2種類の発光素子を光源の列毎に交互に配置するパターンや、異なる2種類の発光素子を千鳥状に配置するパターンなどが考えられるが、もちろんこれらに限られるものではない。
【0022】
本発明による第3の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する第1の光源と、被照射物からの反射光を含む第1の光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する第1の反射板とからなる第1の発光ユニットと、搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する第2の光源と、被照射物からの反射光を含む第2の光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する第2の反射板とからなる第2の発光ユニットとを、搬送方向に沿って互い違いになるよう配設されたことを特徴とするものである。
【0023】
ここで、「搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する」および「搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する」とは、搬送方向に対して直角な方向を、搬送方向を軸に傾けた方向のうち、搬送方向の前方または後方いずれかを基準に、右側から左側に向かって照射する場合と、逆に、左側から右側に向かって照射する場合とを意味するものである。
【0024】
本発明による第4の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に列設され、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射する1列の光源群と、被照射物からの反射光を含む光源群から発せられた光を被照射物に向けて案内する反射板であって、上記反射光が、搬送方向前方から後方に向かうように構成された反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明の第5の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、発光面が搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿うように設けられ、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射する光源と、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて案内する反射板であって、上記反射光が、搬送方向前方から後方に向かうように構成された反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0026】
上記第4および第5の発光装置において、「搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射する」とは、搬送路面と垂直かつ搬送方向を含む面上での方向のうち、被照射物に対して斜めの(垂直でない)方向に画像定着用の光を照射することを意味するものであり、搬送方向の前方側から後方側に向かって照射することを言う。
【0027】
また、「反射光が、搬送方向前方から後方に向かうように構成された」とは、被照射物からの反射光が、反射板で搬送方向後方の被照射物に向かって反射されるように構成されたことを意味する。従って、照射された光は、被照射物での反射と反射板での反射を繰り返し、搬送方向前方から後方に向けて誘導される。
【0028】
【発明の効果】
本発明の発光装置によれば、被照射物の照射面に対して光源から発せられる光を直接的および/または間接的に斜めに照射し、反射板にて照射面からの反射光を照射面に向けて反射し再び照射するようにしているので、従来と比較して、被照射物で吸収されずに反射された光のうち直接光源に戻って吸収されてしまう割合が減り、被照射物からの反射光をより効率よく利用することができ、光源からの発光光の利用効率をより高めることが可能となる。
【0029】
本発明の第1の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列された光源から、搬送方向に傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射し、複数列の光源の各列の間にある反射板によって、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて反射するので、光源からの発光光の利用効率をより高め、また、照射領域を通過する被照射物に対して平均的な光を同時に照射することが可能となる。
【0030】
また、本発明の第2の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、搬送路の搬送方向に対して斜めの方向に間隔をおいて複数列配列された光源から、上記斜めの方向に沿って傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射し、複数列の光源の各列の間にある反射板によって、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて反射するので、第1の発光装置と同様の効果が得られ、更に、被照射物に対してより露光むらを抑えた光を同時に照射することが可能となる。
【0031】
本発明の第1および第2の発光装置において、光源を、発光波長の異なる2種類以上の発光素子を含むものとすれば、1つの発光装置で、光源を入れ替えることなく、用途に応じて、被照射物に対して異なる波長の光を照射することができ、コスト低減、省スペース化、照射による処理の高速化が可能となる。
【0032】
本発明の第3の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する第1の光源と、被照射物からの反射光を含む第1の光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する第1の反射板とからなる第1の発光ユニットと、搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する第2の光源と、被照射物からの反射光を含む第2の光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する第2の反射板とからなる第2の発光ユニットとが、搬送方向に沿って互い違いになるよう配設されているので、搬送方向と直角な方向の露光むらを抑えながら、比較的少ない光源と比較的小型の反射板で発光装置を構成することができるため、発光装置のさらなる小型化が可能となり、特に、比較的幅の小さな被照射物への光の照射を目的とした発光装置に適する。
【0033】
本発明の第4の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に列設された1列の光源群が、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射し、反射板が、被照射物からの反射光を含む光源群から発せられた光を被照射物に向けて案内し、また上記反射光を搬送方向前方から後方に向かうようにしているので、光源に近いために画像定着が早く進む搬送方向前方の領域において、定着が進むにつれて光が吸収されなくなることにより増大する被照射物からの反射光を、画像定着が比較的遅れている搬送方向後方の領域に案内して再び照射することができ、画像定着をより早く効率的に行うことができる。
【0034】
また、本発明の第5の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、発光面が搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿うように設けられた光源が、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射し、反射板が、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて案内し、また上記反射光が搬送方向前方から後方に向かうようにしているので、第4の発光装置と同様、光源に近いために画像定着が早く進む搬送方向前方の領域において、定着が進むにつれて光が吸収されなくなることにより増大する被照射物からの反射光を、画像定着が比較的遅れている搬送方向後方の領域に案内して再び照射することができ、画像定着をより早く効率的に行うことができる。
【0035】
また、上記第1から第5の発光装置においては、被照射物に対して光を斜めに照射することから、光源としての発光素子を、搬送路面つまりはその搬送路面に対向する発光装置の面に対して斜めまたは水平方向に設置されるため、発光素子をモジュール基板上に垂直に立てて実装する従来の発光装置に比べ、より薄型に設計でき、装置の小型化に寄与する。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、まず、本発明の発光装置の第1実施形態について説明する。
【0037】
図1は、本発明の発光装置を定着光源として適用したカラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。図1に示したカラー感熱プリンタは、カラー感熱記録紙10がロール状に巻かれた記録紙ロール11と、カラー感熱記録紙10を搬送するための給紙ローラ20および搬送ローラ対21と、カラー感熱記録紙10に熱記録を行うサーマルヘッド30と、熱記録する際にカラー感熱記録紙10を挟み込んでサーマルヘッド30に圧接させるプラテンローラ31と、熱記録されたカラー感熱記録紙10の感熱発色層を定着させるための定着光を照射する定着器40と、プリントが終了したカラー感熱記録紙10をカットしてシート状のカラープリントにするカッター50と、プリントが排出される排出口51とにより構成されている。
【0038】
定着器40は、さらに、イエロー定着用のY用LED41が実装されたイエロー用定着光源42と、マゼンタ定着用のM用LED43が実装されたマゼンタ用定着光源44とにより構成されている。
【0039】
カラー感熱記録紙10は、熱によって発色する感熱発色層が、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色毎にあり、サーマルヘッド30(感熱ヘッド)の加熱により、それぞれ異なった熱エネルギーを受けて発色し、それぞれ異なった波長の定着光(紫外線)の露光によって発色の進行を抑え、色が安定(定着)するように設計されている。
【0040】
図2は、イエロー用定着光源42およびマゼンタ用定着光源44に採用する、本発明による発光装置1の横断面模式図、図3は、発光装置1を発光面側から見た斜視図を示した図である。この発光装置1は、被照射物としてのカラー感熱記録紙10が搬送される搬送路に対向して配置されており、搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列され、搬送方向に傾いた方向に光Lをカラー感熱記録紙10に対して連続的に照射するLED60と、複数列のLED60の各列の間にあって、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrを含む光源から発せられた光Lをカラー感熱記録紙10に向けて反射する複数の反射鏡61とにより構成されている。
【0041】
LED60の発光光Lは、ある広がりを持った指向性のある光なので、カラー感熱記録紙10に直接照射されたり、一旦反射鏡61により反射されてからカラー感熱記録紙10に照射されたりする。照射された光Lは、カラー感熱記録紙10で吸収されるものと、吸収されずに反射されるものとがある。カラー感熱記録紙10からの反射光Lrは、反射鏡61で反射され再びカラー感熱記録紙10に照射される。この再び照射された光においても、カラー感熱記録紙10で吸収されるものと、反射されるものとがあり、反射された光は再び反射鏡61で反射されカラー感熱記録紙10に照射される。このように、カラー感熱記録紙10と反射鏡61との間で、光Lの吸収と反射が繰り返し行われる。
【0042】
ところで、LEDなどの発光素子の多くは、その発光面において発光と同時に光の吸収も行われる性質がある。従って、発光光が何らかの形で発光面に戻ってしまうと、せっかくの発光光が利用されずに吸収されてしまい、光の利用効率は悪化する。よって、被照射物に対して略垂直な方向に光を照射するような従来の発光装置においては、照射された光の多くが被照射物で略垂直に反射され、光源である発光素子の発光面に戻り、吸収されてしまっていた。
【0043】
そこで、発光装置1では、上記のようなLEDの性質を考慮し、LED60の発光光Lをカラー感熱記録紙10に対して斜め方向に照射することで、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrの多くがLED60の実装されている位置とは異なる向きに反射され、LED60の発光面に戻って吸収されてしまうことを抑え、さらに反射光Lrを反射鏡61で再びカラー感熱記録紙10に向けて反射させ照射されるようにしているので、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrを効率よく利用することができ、LED60の発光光Lの利用効率をより高めることが可能となる。
【0044】
次に、上記実施形態の作用について説明する。図1に示すように、カラー感熱プリンタにおいてプリント開始操作がなされると、給紙ローラ20および搬送ローラ対21が回転して記録紙ロール11からカラー感熱記録紙10が送り出され、プリント1枚分の長さだけ搬送されて停止される。カラー感熱記録紙10の搬送停止後、プラテンローラ31が上昇し、カラー感熱記録紙10をプラテンローラ31とサーマルヘッド30との間に挟み込む。カラー感熱記録紙10は、搬送ローラ対21によって印画方向に向けて低速で搬送され、その間に、サーマルヘッド30がイエロー画像に応じて発熱し、イエロー感熱発色層にイエロー画像を熱記録する。印画方向に搬送中のカラー感熱記録紙10は、給紙ローラ21の回転によって記録紙ロール11に巻き戻される。
【0045】
イエロー画像の熱記録が終了すると、搬送ローラ対21による印画方向への搬送が停止され、プラテンローラ31が下降してカラー感熱記録紙10の挟み込みが解除される。搬送ローラ対21は、再びカラー感熱記録紙10を給紙方向に向けて搬送する。カラー感熱記録10の記録エリアの印画開始側の端縁が、定着器40のイエロー用定着光源42の端縁に合致すると、カラー感熱記録紙10の給紙方向への搬送が停止される。
【0046】
カラー感熱記録紙10の搬送停止後、イエロー用定着光源42の各Y用LED41が点燈される。これと同時に、搬送ローラ対21が作動を再開し、カラー感熱記録紙10を印画方向に向けて搬送する。これにより、イエロー感熱発色層の全面にY定着用の光(発光ピークが470nmの近紫外線)が照射され、定着される。
【0047】
なお、定着時には、LEDでのエネルギーの消費をできるだけ抑えるため、定着器による光の照射が無駄に行われないように、LEDの点燈・消灯のタイミングを配列された列毎に制御し、カラー感熱記録紙10の記録エリア以外の領域ではLEDを消灯するようにしてもよい。例えば、定着開始直後では、カラー感熱記録紙10の記録エリアの印刷開始側の端縁の到着に合わせて、Y用LED41を印画方向へ列毎に順次点燈してゆき、定着完了間際では、記録エリアの印刷終了側の端縁の通過に合わせて、Y用LED41を印画方向へ列毎に順次消灯してゆくようにしてもよい。
【0048】
イエロー感熱発色層の定着中に、カラー感熱記録紙10の記録エリアの先端がサーマルヘッド30に達すると、カラー感熱記録紙10の搬送が一旦停止され、プラテンローラ31が上昇してサーマルヘッド30との間でカラー感熱記録紙10を挟み込む。搬送ローラ対21は、カラー感熱記録紙10を印画方向に向けて再度搬送させる。サーマルヘッド30がマゼンタ画像に応じて発熱し、マゼンタ感熱発色層にマゼンタ画像を熱記録する。
【0049】
以下同様にして、マゼンタ用定着光源44によって、マゼンタ感熱発色層の全面にM定着用の光(発光ピークが380nmの紫外線)が照射され、定着される。
【0050】
そして、最後にシアン画像の熱記録が行われ、シアン画像の熱記録が終了すると、搬送ローラ対21はカラー感熱記録紙10を給紙方向に搬送させ、排出口51からカラー感熱記録紙10の先端を送り出す。また、カッター50でカラー感熱記録紙10を切断し、シート状のカラープリントを作成する。
【0051】
さて、上記の発光装置1によれば、搬送されるカラー感熱記録紙10の略全体に平均的に光Lが照射されるようになっているが、厳密には照射領域中の各領域によって照度が若干異なり、カラー感熱記録紙10に対して露光むらが生じる可能性がある。図4は、LED60の配列と照度分布との関係を表した図である。各LED60に近い領域R1や各LED60から照射される光Lが重なる領域R2は比較的照度が高く、その他の領域は比較的低いと考えられる。このような状態で照射されたカラー感熱記録紙10は、縞状の露光むらが発生する可能性がある。
【0052】
この露光むらを抑えるために、LED60の配列方向を変えることは有効である。図5は、上記の発光装置1を、LED60の配列方向がカラー感熱記録紙10の搬送方向に対して斜めになるよう配置した発光装置1′、図6は、発光装置1′におけるLED60の配列と照射領域中の照度との関係を表した図である。LED60の配列方向がカラー感熱記録紙10の搬送方向に対して斜めになるよう配置することで、搬送されるカラー感熱記録紙10が照度の高い領域と低い領域を繰り返し通過するようになり、照射された光量が全体で平均化され、露光むらが抑えられる。
【0053】
なお、カラー感熱記録紙10の露光むらを抑える手法として、発光装置1′のように、LED10を搬送方向に対して斜めに配列するほか、LED10を千鳥状に配置して、露光むらを防ぐようにしてもよい。
【0054】
次に、本発明の発光装置の第2実施形態について説明する。
【0055】
図7は、第2実施形態による発光装置2の発光面側から見た斜視図を示した図である。図7に示す発光装置2は、カラー感熱記録紙10が搬送される搬送路に対向して配置されており、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光Lをカラー感熱記録紙10に対して連続的に照射するLED70aと、カラー感熱記録紙10からの反射光を含むLED70aから発せられた光L1をカラー感熱記録紙10に向けて反射する反射鏡71aとからなる第1の発光ユニット72aと、搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光L2を被照射物に対して連続的に照射するLED70bと、被照射物からの反射光を含むLED70bから発せられた光をカラー感熱記録紙10に向けて反射する反射鏡71bとからなる第2の発光ユニット72bとが、搬送方向に沿って互い違いになるよう配設されている。
【0056】
LED70aの発光光L1は、カラー感熱記録紙10に対して斜めに照射しているので、第1実施形態と同様、カラー感熱記録紙10からの反射光L1rをLED70a側に戻って発光面で吸収されてしまう割合を抑えている。また、LED70aの発光光L1がカラー感熱記録紙10へ照射されるプロセスも、第1実施形態と同様、LED70aの発光光L1がカラー感熱記録紙10へ照射されると、吸収されなかった光がカラー感熱記録紙10で反射され、その反射光L1rは反射鏡21で反射され再びカラー感熱記録紙10に照射されるといった工程を繰り返す。この発光装置2は、比較的少ないLEDと小さい反射鏡で構成することができるので、低コストかつ小型化することができ、比較的小さいサイズのカラー感熱記録紙(例えば、名刺など)に光を照射する場合に使用することができる。
【0057】
なお、この発光装置2において、各発光ユニット31での照射領域における照度は、LED70aから遠ざかるに従って徐々に低くなるが、各発光ユニット72a,72bは各LED70a,70bの位置が搬送方向を軸に互い違いになるよう配置することで、照射領域を通過するカラー感熱記録紙10での露光が平均化され、カラー感熱記録紙10の搬送方向と垂直な方向での露光むらを抑えるようにしている。
【0058】
このように、上述のような発光装置2によれば、搬送方向と直角な方向の露光むらを抑えながら、比較的少ないLED光源と比較的小型の反射鏡で発光装置を構成することができるため、発光装置のさらなる小型化が可能となり、特に、比較的幅の小さなカラー感熱記録紙(例えば、名刺用など)への光の照射を目的とした発光装置に適している。また、発光装置2を定着光源として用いる場合には、LEDが搬送路の両脇側に配置されることにより、通常LEDに取り付けられる放熱器(ヒートシンク)をその両脇に寄せることができ、定着光源をサーマルヘッドにより近づけて設置することが可能となる。これにより、搬送距離が短くなり、搬送時間が短縮化され、定着を含めたプリント処理全体の所要時間を半宿することができる。
【0059】
続いて、本発明の発光装置の第3実施形態について説明する。
【0060】
図8は、第3実施形態による発光装置3の発光面側から見た斜視図を示した図である。図8に示す発光装置3は、カラー感熱記録紙10が搬送される搬送路に対向して配されており、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に列設され、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光をカラー感熱記録紙10に対して連続的に照射する1列のLED80と、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrを含むLED80から発せられた光をカラー感熱記録紙10に向けて案内する反射板であって、上記反射光が搬送方向前方から後方に向かうように構成された反射板81とにより構成されている。
【0061】
ところで、カラー感熱記録紙10は、画像定着が進むにつれて光を吸収しなくなり、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrが増える性質を持つ。
【0062】
したがって、LED80からの発光光Lは、カラー感熱記録紙10の搬送方向に沿って傾いた方向かつ搬送方向前方側から後方側に向けて、カラー感熱記録紙10に照射されるが、光源に近い領域つまり搬送方向前方の領域ほど、はじめは照度が高いので画像定着も早く進み、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrも増大する。この増大した反射光Lrは、反射鏡81により反射され、画像定着が比較的遅れている搬送方向後方の領域に導かれて再びカラー感熱記録紙10に照射されることになる。これにより、搬送方向前方で余った反射光Lrを、光の照射をより必要としている搬送方向後方へ送ることができ、画像定着をより早く効率的に行うことができる。
【0063】
続いて、本発明の発光装置の第4実施形態について説明する。
【0064】
上記第1実施形態では、イエロー用定着光源42とマゼンタ用定着光源44とを別々に設けたが、Y用LED41とM用LED43とを同じ基板上に混在させて取り付け、選択的に各LEDを発光させることで、イエロー用定着光源とマゼンタ用定着光源とを形成してもよい。
【0065】
図9は、第4実施形態による発光装置4の発光面側から見た斜視図を示した図である。図9に示す発光装置4は、第1実施形態による発光装置1において、LEDに発光波長の異なる2種類のLED41,43を用い、その2種類のLEDを列毎に交互に配列したものである。LEDは、発熱によって発光強度が低下するが、Y用LED41とM用LEDとを混在して取り付けることで、同時に発光するLEDを分散することができ、法熱効果を向上させて発光強度の低下を防止することができる。
【0066】
なお、LEDの配列パターンは、上記のもの以外に、例えば、各列の中で2種類のLEDを交互に実装してゆき、かつ隣の列とはその並びが相互に逆になるような(いわば、チェッカーフラッグ状)パターンにしてもよい。また、LEDの種類は、2種類以上であってもよい。さらに、露光むらを抑えるため、LEDの配列方向を搬送方向に対して斜めになるようにしてもよい。
【0067】
上記第1および第4実施形態による発光装置においては、カラー感熱記録紙50からの反射光がLEDにより吸収されることをより防ぐ構造として、図10に示すように反射鏡の先端を伸ばして、LEDの発光光が隣のLED側に洩れないようにする手法も考えられる。
【0068】
なお、定着器40の定着用光源の取り付ける向きは、図1に示すように、定着光がカラー感熱記録紙10の定着時の搬送方向(印画方向)と逆向きに照射されるような向きであることが好ましい。このように取り付けると、定着用光源の反射鏡の先端部分が搬送方向前方に向かう光に対してシャッターの役目を果たし、定着光がその先端部分に阻まれるため、先行して定着されたカラー感熱記録紙への洩光を低減させることができ、照射光量のコントロールがし易くなるという効果がある。
【0069】
また、本発明の発光装置においては、被照射物に対して光を斜めに照射することから、光源としての発光素子を、搬送路面つまりはその搬送路面に対向する発光装置の面に対して斜めまたは水平方向に設置されるため、発光素子をモジュール基板上に垂直に立てて実装する従来の発光装置に比べ、より薄型に設計でき、装置の小型化に寄与する。
【0070】
なお、本発明の発光装置は、カラー感熱プリンタの定着光源としての使用に限定されるものではなく、半導体やプリント基板を製造する際に使用される露光装置等にも使用することができる。
【0071】
また、発光素子としては、LEDだけでなく、蛍光ランプやXeフラッシュランプ等のランプ、半導体レーザなどを用いることもできる。図11は、発光素子としてランプ90を用いた発光装置の例を示した図である。ランプ90からの発光光は指向性があまりないので、反射鏡91によって光の照射方向を決めると同時に、反射鏡91の先端部分で被照射物からの反射光が直接ランプ90に戻らないようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光装置の第1実施形態によるカラー感熱プリンタの概略構成図
【図2】第1実施形態の発光装置の横断模式図
【図3】第1実施形態による発光装置の発光面側から見た斜視図
【図4】LEDの配列と照度分布の関係を示した図
【図5】第1実施形態の発光装置をLEDの配列方向がカラー感熱記録紙の搬送方向に対して斜めになるよう配置した発光装置を示した図
【図6】LEDの配列と照度分布の関係を示した図(その2)
【図7】第2実施形態による発光装置の発光面側から見た斜視図
【図8】第3実施形態による発光装置の発光面側から見た斜視図
【図9】第4実施形態による発光装置の発光面側から見た斜視図
【図10】反射鏡の先端を伸ばした発光装置を示す図
【図11】発光素子にランプを用いた発光装置の例を示す図
【符号の説明】
1,2,3,4 発光装置
10 カラー感熱記録紙
11 記録紙ロール
20 給紙ローラ
21 搬送ローラ対
30 サーマルヘッド
31 プラテンローラ
40 定着器
41 Y用LED
42 イエロー定着光源
43 M用LED
44 マゼンタ定着光源
50 カッター
51 排出口
60 LED
61 反射鏡
70 LED
71 反射鏡
72a 第1発光ユニット
72b 第2発光ユニット
80 LED
81 反射鏡
90 ランプ
91 反射鏡
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の照射を目的とした発光装置に関し、特に詳しくは、例えばカラー感熱プリンタにおいて定着光を感熱記録紙に照射する発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファクシミリ、イメージスキャナなどの光学式読取装置や、カラー感熱プリンタの定着器など、様々な装置において、光の照射を目的とした発光装置が使用されている。これらの発光装置としては、光源に、小型で安定度が比較的優れている発光ダイオード(以下、LEDという)を使用したものが種々提案されている。
【0003】
カラー感熱プリンタの定着器は、カラー感熱記録紙に熱記録された記録画像を定着させるため、そのカラー感熱記録紙の各感熱発色層に紫外線を照射するものであるが、イエロー,マゼンタの感熱発色層の定着用に適した発光波長を持つLEDでは、発光効率(光出力/電流)が未だ低く、また、エネルギー変換効率(光出力/投入電力)が低いため、照度の不足が問題となっていた。
【0004】
十分な照度を得るために、LEDの実装密度を高くする手法が考えられるが、実装密度が高いと、LEDの発熱に対して放熱が間に合わず、素子温度が上昇してさらに発光効率が低下するという問題が生じる。そこで、如何にして発光素子からの発光光の利用効率を高めるかが重要な課題であった。
【0005】
上記課題を解決する手法として、発光素子からの発光光を照射したい方向に直接照射するのではなく、凹面反射鏡で一旦反射させた光を被照射物に照射するようにし、これまで利用できていなかった光、つまり光の射出方向が物理的または光学的な開口から外れていたために、被照射物に照射されていなかった光をも利用することで、光の利用効率を高めたライン照明ユニット(特許文献1参照)が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−299701号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、被照射物に照射された光は、通常、被照射物に吸収されるものと吸収されずに反射されてしまうものとがある。また、LEDなどの多くの発光素子は自らの発光光が反射されて発光面に戻ると、その光を吸収する性質がある。
【0008】
このため、上記の提案されている手法においては、LEDからの発光光が、被照射物に対して略垂直な向きで照射されるため、被照射物からの反射光のうち多くのものがLED側に向かって反射され、LED発光面で吸収されてしまい、光の利用効率を十分に高めることができなかった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被照射物からの反射光を利用することにより、光の利用効率をより高めることが可能な発光装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による発光装置は、被照射物の照射面に対して光を直接的および/または間接的に斜めに照射する位置に配されるように構成された光源と、照射面からの反射光を照射面に向けて反射するように構成された反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、被照射物としては、例えば、読取用の原稿、カラー感熱記録紙などが考えられるが、これらに限られるものではない。
【0012】
また、「直接的および/または間接的に斜めに照射する」の「直接的」とは、光源から発せられた光を反射板等に反射させることなく、被照射物に直接照射することを意味し、また、「間接的」とは、光源から発せられた光を反射板等に反射させた後、被照射物に照射することを意味する。従って、「直接的および/または間接的に斜めに照射する」とは、結果的に光を被照射物に対して斜めに照射することを意味するものである。
【0013】
また、光源としては、例えば、蛍光ランプやXeフラッシュランプ等のランプ、LED、半導体レーザなどの発光素子が考えられるが、これらに限られるものではない。
【0014】
また、上記光は、可視光か否かを問わず、広く電磁波として解釈するものとする。
【0015】
なお、上記発光装置において、上記光は、画像定着用の光であってもよい。
【0016】
ここで、「画像定着」とは、画像情報が記録された記録媒体に所定の光を照射することによって、記録された画像を定着させることを意味し、例えば、カラー感熱プリンタにより画像が熱記録されたカラー感熱記録紙に、所定の光(紫外光)を照射して、感熱発色層の発色進行を抑え、画像を定着させることを言う。
【0017】
本発明による第1の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列され、搬送方向に傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射する光源と、複数列の光源の各列の間にあって、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する複数の反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明による第2の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、搬送路の搬送方向に対して斜めの方向に間隔をおいて複数列配列され、上記斜めの方向に沿って傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射する光源と、複数列の光源の各列の間にあって、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する複数の反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
ここで、上記第1の発光装置において、「搬送方向に傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射する」とは、搬送路面と垂直かつ搬送方向を含む面上での方向のうち、被照射物に対して斜めの(垂直でない)方向に光を照射することを意味するものであり、搬送方向の前方側から後方側に向かって照射する場合と、逆に、搬送方向の後方側から前方側に向かって照射する場合とが考えられるが、ここでは、どちらも含むものとする。
【0020】
また、上記第2の発光装置において、「上記斜めの方向(搬送路の搬送方向に対して斜めの方向)に沿って傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射する」とは、搬送路面と垂直かつ搬送方向に対して斜めの方向を含む面上での方向のうち、被照射物に対して斜めの(垂直でない)方向に光を照射することを意味するものであり、第1の発光装置と同様に、搬送方向の前方側から後方側に向かって照射する場合と、逆に、搬送方向の後方側から前方側に向かって照射する場合とが考えられるが、ここでは、どちらも含むものとする。
【0021】
上記第1および第2の発光装置においては、光源が、発光波長の異なる2種類以上の発光素子を含むものであってもよい。これらの発光素子の配置パターンとしては、例えば、異なる2種類の発光素子を光源の列毎に交互に配置するパターンや、異なる2種類の発光素子を千鳥状に配置するパターンなどが考えられるが、もちろんこれらに限られるものではない。
【0022】
本発明による第3の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する第1の光源と、被照射物からの反射光を含む第1の光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する第1の反射板とからなる第1の発光ユニットと、搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する第2の光源と、被照射物からの反射光を含む第2の光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する第2の反射板とからなる第2の発光ユニットとを、搬送方向に沿って互い違いになるよう配設されたことを特徴とするものである。
【0023】
ここで、「搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する」および「搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する」とは、搬送方向に対して直角な方向を、搬送方向を軸に傾けた方向のうち、搬送方向の前方または後方いずれかを基準に、右側から左側に向かって照射する場合と、逆に、左側から右側に向かって照射する場合とを意味するものである。
【0024】
本発明による第4の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に列設され、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射する1列の光源群と、被照射物からの反射光を含む光源群から発せられた光を被照射物に向けて案内する反射板であって、上記反射光が、搬送方向前方から後方に向かうように構成された反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明の第5の発光装置は、被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、発光面が搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿うように設けられ、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射する光源と、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて案内する反射板であって、上記反射光が、搬送方向前方から後方に向かうように構成された反射板とを備えたことを特徴とするものである。
【0026】
上記第4および第5の発光装置において、「搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射する」とは、搬送路面と垂直かつ搬送方向を含む面上での方向のうち、被照射物に対して斜めの(垂直でない)方向に画像定着用の光を照射することを意味するものであり、搬送方向の前方側から後方側に向かって照射することを言う。
【0027】
また、「反射光が、搬送方向前方から後方に向かうように構成された」とは、被照射物からの反射光が、反射板で搬送方向後方の被照射物に向かって反射されるように構成されたことを意味する。従って、照射された光は、被照射物での反射と反射板での反射を繰り返し、搬送方向前方から後方に向けて誘導される。
【0028】
【発明の効果】
本発明の発光装置によれば、被照射物の照射面に対して光源から発せられる光を直接的および/または間接的に斜めに照射し、反射板にて照射面からの反射光を照射面に向けて反射し再び照射するようにしているので、従来と比較して、被照射物で吸収されずに反射された光のうち直接光源に戻って吸収されてしまう割合が減り、被照射物からの反射光をより効率よく利用することができ、光源からの発光光の利用効率をより高めることが可能となる。
【0029】
本発明の第1の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列された光源から、搬送方向に傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射し、複数列の光源の各列の間にある反射板によって、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて反射するので、光源からの発光光の利用効率をより高め、また、照射領域を通過する被照射物に対して平均的な光を同時に照射することが可能となる。
【0030】
また、本発明の第2の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、搬送路の搬送方向に対して斜めの方向に間隔をおいて複数列配列された光源から、上記斜めの方向に沿って傾いた方向に光を被照射物に対して連続的に照射し、複数列の光源の各列の間にある反射板によって、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて反射するので、第1の発光装置と同様の効果が得られ、更に、被照射物に対してより露光むらを抑えた光を同時に照射することが可能となる。
【0031】
本発明の第1および第2の発光装置において、光源を、発光波長の異なる2種類以上の発光素子を含むものとすれば、1つの発光装置で、光源を入れ替えることなく、用途に応じて、被照射物に対して異なる波長の光を照射することができ、コスト低減、省スペース化、照射による処理の高速化が可能となる。
【0032】
本発明の第3の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する第1の光源と、被照射物からの反射光を含む第1の光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する第1の反射板とからなる第1の発光ユニットと、搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光を被照射物に対して連続的に照射する第2の光源と、被照射物からの反射光を含む第2の光源から発せられた光を被照射物に向けて反射する第2の反射板とからなる第2の発光ユニットとが、搬送方向に沿って互い違いになるよう配設されているので、搬送方向と直角な方向の露光むらを抑えながら、比較的少ない光源と比較的小型の反射板で発光装置を構成することができるため、発光装置のさらなる小型化が可能となり、特に、比較的幅の小さな被照射物への光の照射を目的とした発光装置に適する。
【0033】
本発明の第4の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に列設された1列の光源群が、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射し、反射板が、被照射物からの反射光を含む光源群から発せられた光を被照射物に向けて案内し、また上記反射光を搬送方向前方から後方に向かうようにしているので、光源に近いために画像定着が早く進む搬送方向前方の領域において、定着が進むにつれて光が吸収されなくなることにより増大する被照射物からの反射光を、画像定着が比較的遅れている搬送方向後方の領域に案内して再び照射することができ、画像定着をより早く効率的に行うことができる。
【0034】
また、本発明の第5の発光装置によれば、被照射物が搬送される搬送路に対向して配され、発光面が搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿うように設けられた光源が、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を被照射物に対して連続的に照射し、反射板が、被照射物からの反射光を含む光源から発せられた光を被照射物に向けて案内し、また上記反射光が搬送方向前方から後方に向かうようにしているので、第4の発光装置と同様、光源に近いために画像定着が早く進む搬送方向前方の領域において、定着が進むにつれて光が吸収されなくなることにより増大する被照射物からの反射光を、画像定着が比較的遅れている搬送方向後方の領域に案内して再び照射することができ、画像定着をより早く効率的に行うことができる。
【0035】
また、上記第1から第5の発光装置においては、被照射物に対して光を斜めに照射することから、光源としての発光素子を、搬送路面つまりはその搬送路面に対向する発光装置の面に対して斜めまたは水平方向に設置されるため、発光素子をモジュール基板上に垂直に立てて実装する従来の発光装置に比べ、より薄型に設計でき、装置の小型化に寄与する。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、まず、本発明の発光装置の第1実施形態について説明する。
【0037】
図1は、本発明の発光装置を定着光源として適用したカラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。図1に示したカラー感熱プリンタは、カラー感熱記録紙10がロール状に巻かれた記録紙ロール11と、カラー感熱記録紙10を搬送するための給紙ローラ20および搬送ローラ対21と、カラー感熱記録紙10に熱記録を行うサーマルヘッド30と、熱記録する際にカラー感熱記録紙10を挟み込んでサーマルヘッド30に圧接させるプラテンローラ31と、熱記録されたカラー感熱記録紙10の感熱発色層を定着させるための定着光を照射する定着器40と、プリントが終了したカラー感熱記録紙10をカットしてシート状のカラープリントにするカッター50と、プリントが排出される排出口51とにより構成されている。
【0038】
定着器40は、さらに、イエロー定着用のY用LED41が実装されたイエロー用定着光源42と、マゼンタ定着用のM用LED43が実装されたマゼンタ用定着光源44とにより構成されている。
【0039】
カラー感熱記録紙10は、熱によって発色する感熱発色層が、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色毎にあり、サーマルヘッド30(感熱ヘッド)の加熱により、それぞれ異なった熱エネルギーを受けて発色し、それぞれ異なった波長の定着光(紫外線)の露光によって発色の進行を抑え、色が安定(定着)するように設計されている。
【0040】
図2は、イエロー用定着光源42およびマゼンタ用定着光源44に採用する、本発明による発光装置1の横断面模式図、図3は、発光装置1を発光面側から見た斜視図を示した図である。この発光装置1は、被照射物としてのカラー感熱記録紙10が搬送される搬送路に対向して配置されており、搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列され、搬送方向に傾いた方向に光Lをカラー感熱記録紙10に対して連続的に照射するLED60と、複数列のLED60の各列の間にあって、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrを含む光源から発せられた光Lをカラー感熱記録紙10に向けて反射する複数の反射鏡61とにより構成されている。
【0041】
LED60の発光光Lは、ある広がりを持った指向性のある光なので、カラー感熱記録紙10に直接照射されたり、一旦反射鏡61により反射されてからカラー感熱記録紙10に照射されたりする。照射された光Lは、カラー感熱記録紙10で吸収されるものと、吸収されずに反射されるものとがある。カラー感熱記録紙10からの反射光Lrは、反射鏡61で反射され再びカラー感熱記録紙10に照射される。この再び照射された光においても、カラー感熱記録紙10で吸収されるものと、反射されるものとがあり、反射された光は再び反射鏡61で反射されカラー感熱記録紙10に照射される。このように、カラー感熱記録紙10と反射鏡61との間で、光Lの吸収と反射が繰り返し行われる。
【0042】
ところで、LEDなどの発光素子の多くは、その発光面において発光と同時に光の吸収も行われる性質がある。従って、発光光が何らかの形で発光面に戻ってしまうと、せっかくの発光光が利用されずに吸収されてしまい、光の利用効率は悪化する。よって、被照射物に対して略垂直な方向に光を照射するような従来の発光装置においては、照射された光の多くが被照射物で略垂直に反射され、光源である発光素子の発光面に戻り、吸収されてしまっていた。
【0043】
そこで、発光装置1では、上記のようなLEDの性質を考慮し、LED60の発光光Lをカラー感熱記録紙10に対して斜め方向に照射することで、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrの多くがLED60の実装されている位置とは異なる向きに反射され、LED60の発光面に戻って吸収されてしまうことを抑え、さらに反射光Lrを反射鏡61で再びカラー感熱記録紙10に向けて反射させ照射されるようにしているので、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrを効率よく利用することができ、LED60の発光光Lの利用効率をより高めることが可能となる。
【0044】
次に、上記実施形態の作用について説明する。図1に示すように、カラー感熱プリンタにおいてプリント開始操作がなされると、給紙ローラ20および搬送ローラ対21が回転して記録紙ロール11からカラー感熱記録紙10が送り出され、プリント1枚分の長さだけ搬送されて停止される。カラー感熱記録紙10の搬送停止後、プラテンローラ31が上昇し、カラー感熱記録紙10をプラテンローラ31とサーマルヘッド30との間に挟み込む。カラー感熱記録紙10は、搬送ローラ対21によって印画方向に向けて低速で搬送され、その間に、サーマルヘッド30がイエロー画像に応じて発熱し、イエロー感熱発色層にイエロー画像を熱記録する。印画方向に搬送中のカラー感熱記録紙10は、給紙ローラ21の回転によって記録紙ロール11に巻き戻される。
【0045】
イエロー画像の熱記録が終了すると、搬送ローラ対21による印画方向への搬送が停止され、プラテンローラ31が下降してカラー感熱記録紙10の挟み込みが解除される。搬送ローラ対21は、再びカラー感熱記録紙10を給紙方向に向けて搬送する。カラー感熱記録10の記録エリアの印画開始側の端縁が、定着器40のイエロー用定着光源42の端縁に合致すると、カラー感熱記録紙10の給紙方向への搬送が停止される。
【0046】
カラー感熱記録紙10の搬送停止後、イエロー用定着光源42の各Y用LED41が点燈される。これと同時に、搬送ローラ対21が作動を再開し、カラー感熱記録紙10を印画方向に向けて搬送する。これにより、イエロー感熱発色層の全面にY定着用の光(発光ピークが470nmの近紫外線)が照射され、定着される。
【0047】
なお、定着時には、LEDでのエネルギーの消費をできるだけ抑えるため、定着器による光の照射が無駄に行われないように、LEDの点燈・消灯のタイミングを配列された列毎に制御し、カラー感熱記録紙10の記録エリア以外の領域ではLEDを消灯するようにしてもよい。例えば、定着開始直後では、カラー感熱記録紙10の記録エリアの印刷開始側の端縁の到着に合わせて、Y用LED41を印画方向へ列毎に順次点燈してゆき、定着完了間際では、記録エリアの印刷終了側の端縁の通過に合わせて、Y用LED41を印画方向へ列毎に順次消灯してゆくようにしてもよい。
【0048】
イエロー感熱発色層の定着中に、カラー感熱記録紙10の記録エリアの先端がサーマルヘッド30に達すると、カラー感熱記録紙10の搬送が一旦停止され、プラテンローラ31が上昇してサーマルヘッド30との間でカラー感熱記録紙10を挟み込む。搬送ローラ対21は、カラー感熱記録紙10を印画方向に向けて再度搬送させる。サーマルヘッド30がマゼンタ画像に応じて発熱し、マゼンタ感熱発色層にマゼンタ画像を熱記録する。
【0049】
以下同様にして、マゼンタ用定着光源44によって、マゼンタ感熱発色層の全面にM定着用の光(発光ピークが380nmの紫外線)が照射され、定着される。
【0050】
そして、最後にシアン画像の熱記録が行われ、シアン画像の熱記録が終了すると、搬送ローラ対21はカラー感熱記録紙10を給紙方向に搬送させ、排出口51からカラー感熱記録紙10の先端を送り出す。また、カッター50でカラー感熱記録紙10を切断し、シート状のカラープリントを作成する。
【0051】
さて、上記の発光装置1によれば、搬送されるカラー感熱記録紙10の略全体に平均的に光Lが照射されるようになっているが、厳密には照射領域中の各領域によって照度が若干異なり、カラー感熱記録紙10に対して露光むらが生じる可能性がある。図4は、LED60の配列と照度分布との関係を表した図である。各LED60に近い領域R1や各LED60から照射される光Lが重なる領域R2は比較的照度が高く、その他の領域は比較的低いと考えられる。このような状態で照射されたカラー感熱記録紙10は、縞状の露光むらが発生する可能性がある。
【0052】
この露光むらを抑えるために、LED60の配列方向を変えることは有効である。図5は、上記の発光装置1を、LED60の配列方向がカラー感熱記録紙10の搬送方向に対して斜めになるよう配置した発光装置1′、図6は、発光装置1′におけるLED60の配列と照射領域中の照度との関係を表した図である。LED60の配列方向がカラー感熱記録紙10の搬送方向に対して斜めになるよう配置することで、搬送されるカラー感熱記録紙10が照度の高い領域と低い領域を繰り返し通過するようになり、照射された光量が全体で平均化され、露光むらが抑えられる。
【0053】
なお、カラー感熱記録紙10の露光むらを抑える手法として、発光装置1′のように、LED10を搬送方向に対して斜めに配列するほか、LED10を千鳥状に配置して、露光むらを防ぐようにしてもよい。
【0054】
次に、本発明の発光装置の第2実施形態について説明する。
【0055】
図7は、第2実施形態による発光装置2の発光面側から見た斜視図を示した図である。図7に示す発光装置2は、カラー感熱記録紙10が搬送される搬送路に対向して配置されており、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光Lをカラー感熱記録紙10に対して連続的に照射するLED70aと、カラー感熱記録紙10からの反射光を含むLED70aから発せられた光L1をカラー感熱記録紙10に向けて反射する反射鏡71aとからなる第1の発光ユニット72aと、搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光L2を被照射物に対して連続的に照射するLED70bと、被照射物からの反射光を含むLED70bから発せられた光をカラー感熱記録紙10に向けて反射する反射鏡71bとからなる第2の発光ユニット72bとが、搬送方向に沿って互い違いになるよう配設されている。
【0056】
LED70aの発光光L1は、カラー感熱記録紙10に対して斜めに照射しているので、第1実施形態と同様、カラー感熱記録紙10からの反射光L1rをLED70a側に戻って発光面で吸収されてしまう割合を抑えている。また、LED70aの発光光L1がカラー感熱記録紙10へ照射されるプロセスも、第1実施形態と同様、LED70aの発光光L1がカラー感熱記録紙10へ照射されると、吸収されなかった光がカラー感熱記録紙10で反射され、その反射光L1rは反射鏡21で反射され再びカラー感熱記録紙10に照射されるといった工程を繰り返す。この発光装置2は、比較的少ないLEDと小さい反射鏡で構成することができるので、低コストかつ小型化することができ、比較的小さいサイズのカラー感熱記録紙(例えば、名刺など)に光を照射する場合に使用することができる。
【0057】
なお、この発光装置2において、各発光ユニット31での照射領域における照度は、LED70aから遠ざかるに従って徐々に低くなるが、各発光ユニット72a,72bは各LED70a,70bの位置が搬送方向を軸に互い違いになるよう配置することで、照射領域を通過するカラー感熱記録紙10での露光が平均化され、カラー感熱記録紙10の搬送方向と垂直な方向での露光むらを抑えるようにしている。
【0058】
このように、上述のような発光装置2によれば、搬送方向と直角な方向の露光むらを抑えながら、比較的少ないLED光源と比較的小型の反射鏡で発光装置を構成することができるため、発光装置のさらなる小型化が可能となり、特に、比較的幅の小さなカラー感熱記録紙(例えば、名刺用など)への光の照射を目的とした発光装置に適している。また、発光装置2を定着光源として用いる場合には、LEDが搬送路の両脇側に配置されることにより、通常LEDに取り付けられる放熱器(ヒートシンク)をその両脇に寄せることができ、定着光源をサーマルヘッドにより近づけて設置することが可能となる。これにより、搬送距離が短くなり、搬送時間が短縮化され、定着を含めたプリント処理全体の所要時間を半宿することができる。
【0059】
続いて、本発明の発光装置の第3実施形態について説明する。
【0060】
図8は、第3実施形態による発光装置3の発光面側から見た斜視図を示した図である。図8に示す発光装置3は、カラー感熱記録紙10が搬送される搬送路に対向して配されており、搬送路の搬送方向に対して直角な方向に列設され、搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光をカラー感熱記録紙10に対して連続的に照射する1列のLED80と、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrを含むLED80から発せられた光をカラー感熱記録紙10に向けて案内する反射板であって、上記反射光が搬送方向前方から後方に向かうように構成された反射板81とにより構成されている。
【0061】
ところで、カラー感熱記録紙10は、画像定着が進むにつれて光を吸収しなくなり、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrが増える性質を持つ。
【0062】
したがって、LED80からの発光光Lは、カラー感熱記録紙10の搬送方向に沿って傾いた方向かつ搬送方向前方側から後方側に向けて、カラー感熱記録紙10に照射されるが、光源に近い領域つまり搬送方向前方の領域ほど、はじめは照度が高いので画像定着も早く進み、カラー感熱記録紙10からの反射光Lrも増大する。この増大した反射光Lrは、反射鏡81により反射され、画像定着が比較的遅れている搬送方向後方の領域に導かれて再びカラー感熱記録紙10に照射されることになる。これにより、搬送方向前方で余った反射光Lrを、光の照射をより必要としている搬送方向後方へ送ることができ、画像定着をより早く効率的に行うことができる。
【0063】
続いて、本発明の発光装置の第4実施形態について説明する。
【0064】
上記第1実施形態では、イエロー用定着光源42とマゼンタ用定着光源44とを別々に設けたが、Y用LED41とM用LED43とを同じ基板上に混在させて取り付け、選択的に各LEDを発光させることで、イエロー用定着光源とマゼンタ用定着光源とを形成してもよい。
【0065】
図9は、第4実施形態による発光装置4の発光面側から見た斜視図を示した図である。図9に示す発光装置4は、第1実施形態による発光装置1において、LEDに発光波長の異なる2種類のLED41,43を用い、その2種類のLEDを列毎に交互に配列したものである。LEDは、発熱によって発光強度が低下するが、Y用LED41とM用LEDとを混在して取り付けることで、同時に発光するLEDを分散することができ、法熱効果を向上させて発光強度の低下を防止することができる。
【0066】
なお、LEDの配列パターンは、上記のもの以外に、例えば、各列の中で2種類のLEDを交互に実装してゆき、かつ隣の列とはその並びが相互に逆になるような(いわば、チェッカーフラッグ状)パターンにしてもよい。また、LEDの種類は、2種類以上であってもよい。さらに、露光むらを抑えるため、LEDの配列方向を搬送方向に対して斜めになるようにしてもよい。
【0067】
上記第1および第4実施形態による発光装置においては、カラー感熱記録紙50からの反射光がLEDにより吸収されることをより防ぐ構造として、図10に示すように反射鏡の先端を伸ばして、LEDの発光光が隣のLED側に洩れないようにする手法も考えられる。
【0068】
なお、定着器40の定着用光源の取り付ける向きは、図1に示すように、定着光がカラー感熱記録紙10の定着時の搬送方向(印画方向)と逆向きに照射されるような向きであることが好ましい。このように取り付けると、定着用光源の反射鏡の先端部分が搬送方向前方に向かう光に対してシャッターの役目を果たし、定着光がその先端部分に阻まれるため、先行して定着されたカラー感熱記録紙への洩光を低減させることができ、照射光量のコントロールがし易くなるという効果がある。
【0069】
また、本発明の発光装置においては、被照射物に対して光を斜めに照射することから、光源としての発光素子を、搬送路面つまりはその搬送路面に対向する発光装置の面に対して斜めまたは水平方向に設置されるため、発光素子をモジュール基板上に垂直に立てて実装する従来の発光装置に比べ、より薄型に設計でき、装置の小型化に寄与する。
【0070】
なお、本発明の発光装置は、カラー感熱プリンタの定着光源としての使用に限定されるものではなく、半導体やプリント基板を製造する際に使用される露光装置等にも使用することができる。
【0071】
また、発光素子としては、LEDだけでなく、蛍光ランプやXeフラッシュランプ等のランプ、半導体レーザなどを用いることもできる。図11は、発光素子としてランプ90を用いた発光装置の例を示した図である。ランプ90からの発光光は指向性があまりないので、反射鏡91によって光の照射方向を決めると同時に、反射鏡91の先端部分で被照射物からの反射光が直接ランプ90に戻らないようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光装置の第1実施形態によるカラー感熱プリンタの概略構成図
【図2】第1実施形態の発光装置の横断模式図
【図3】第1実施形態による発光装置の発光面側から見た斜視図
【図4】LEDの配列と照度分布の関係を示した図
【図5】第1実施形態の発光装置をLEDの配列方向がカラー感熱記録紙の搬送方向に対して斜めになるよう配置した発光装置を示した図
【図6】LEDの配列と照度分布の関係を示した図(その2)
【図7】第2実施形態による発光装置の発光面側から見た斜視図
【図8】第3実施形態による発光装置の発光面側から見た斜視図
【図9】第4実施形態による発光装置の発光面側から見た斜視図
【図10】反射鏡の先端を伸ばした発光装置を示す図
【図11】発光素子にランプを用いた発光装置の例を示す図
【符号の説明】
1,2,3,4 発光装置
10 カラー感熱記録紙
11 記録紙ロール
20 給紙ローラ
21 搬送ローラ対
30 サーマルヘッド
31 プラテンローラ
40 定着器
41 Y用LED
42 イエロー定着光源
43 M用LED
44 マゼンタ定着光源
50 カッター
51 排出口
60 LED
61 反射鏡
70 LED
71 反射鏡
72a 第1発光ユニット
72b 第2発光ユニット
80 LED
81 反射鏡
90 ランプ
91 反射鏡
Claims (8)
- 被照射物の照射面に対して光を直接的および/または間接的に斜めに照射する位置に配されるように構成された光源と、
前記照射面からの反射光を前記照射面に向けて反射するように構成された反射板とを備えたことを特徴とする発光装置。 - 前記光が、画像定着用の光であることを特徴とする請求項1記載の定着器用の発光装置。
- 被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、
前記搬送路の搬送方向に間隔をおいて複数列配列され、該搬送方向に傾いた方向に光を前記被照射物に対して連続的に照射する光源と、
該複数列の光源の各列の間にあって、前記被照射物からの反射光を含む前記光源から発せられた光を前記被照射物に向けて反射する複数の反射板とを備えたことを特徴とする発光装置。 - 被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、
前記搬送路の搬送方向に対して斜めの方向に間隔をおいて複数列配列され、該斜めの方向に沿って傾いた方向に光を前記被照射物に対して連続的に照射する光源と、
該複数列の光源の各列の間にあって、前記被照射物からの反射光を含む前記光源から発せられた光を前記被照射物に向けて反射する複数の反射板とを備えたことを特徴とする発光装置。 - 前記光源が、発光波長の異なる2種類以上の発光素子を含むことを特徴とする請求項3または4記載の発光装置。
- 被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、
前記搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた一方の方向に光を前記被照射物に対して連続的に照射する第1の光源と、前記被照射物からの反射光を含む前記第1の光源から発せられた光を前記被照射物に向けて反射する第1の反射板とからなる第1の発光ユニットと、
前記搬送方向に対して直角な方向に沿って傾いた他方の方向に光を前記被照射物に対して連続的に照射する第2の光源と、前記被照射物からの反射光を含む前記第2の光源から発せられた光を前記被照射物に向けて反射する第2の反射板とからなる第2の発光ユニットとを、
前記搬送方向に沿って互い違いになるよう配設されたことを特徴とする発光装置。 - 被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、
前記搬送路の搬送方向に対して直角な方向に列設され、前記搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を前記被照射物に対して連続的に照射する1列の光源群と、
前記被照射物からの反射光を含む前記光源群から発せられた光を前記被照射物に向けて案内する反射板であって、前記反射光が、前記搬送方向前方から後方に向かうように構成された反射板とを備えたことを特徴とする発光装置。 - 被照射物が搬送される搬送路に対向して配される発光装置であって、
発光面が前記搬送路の搬送方向に対して直角な方向に沿うように設けられ、前記搬送方向に沿って傾いた方向に画像定着用の光を前記被照射物に対して連続的に照射する光源と、
前記被照射物からの反射光を含む前記光源から発せられた光を前記被照射物に向けて案内する反射板であって、前記反射光が、前記搬送方向前方から後方に向かうように構成された反射板とを備えたことを特徴とする発光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002282267A JP2004114551A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 発光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002282267A JP2004114551A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 発光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004114551A true JP2004114551A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32276456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002282267A Withdrawn JP2004114551A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 発光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004114551A (ja) |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002282267A patent/JP2004114551A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20080094460A1 (en) | Light irradiation device and inkjet printer utilizing same | |
JP2008080224A (ja) | 光照射器およびインクジェットプリンタ | |
US20090046135A1 (en) | Printer | |
JP2005096144A (ja) | 光定着器 | |
JP2006049857A (ja) | 光源、および光源の作製方法、並びにカラー感熱プリンタ | |
JP2004114551A (ja) | 発光装置 | |
JP7196488B2 (ja) | 照射装置、及び画像形成装置 | |
JP2003145812A (ja) | 定着器 | |
JP5139758B2 (ja) | 発光ダイオードを用いた光源 | |
JP2005088539A (ja) | 感熱プリンタ | |
JP2005001141A (ja) | 感熱プリンタ | |
JP2004142214A (ja) | 光定着器 | |
JP3278210B2 (ja) | オーバーヘッドプロジェクタ用感熱記録材料 | |
JP2004291451A (ja) | 光定着器 | |
JP2766579B2 (ja) | サーマルプリンタ | |
JP2003231282A (ja) | サーマルプリンタ | |
JP3471172B2 (ja) | カラー感熱プリンタ | |
JP2004001303A (ja) | カラー感熱プリンタ | |
JP2005199477A (ja) | 発光装置 | |
JPH06155777A (ja) | サーマルプリンタ | |
JP2003200600A (ja) | サーマルプリンタ | |
JP2006187919A (ja) | 光源装置 | |
JP2002283596A (ja) | カラー感熱プリンタ | |
JP2001277558A (ja) | カラー感熱プリンタ用光定着装置 | |
JP2005343047A (ja) | 光源、およびカラー感熱プリンタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050208 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060823 |