JP2004114158A - リン銅ろう材及びブレージングシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のリン銅ろう材は、mass%でP:2.0〜3.2%、好ましくは2.2〜2.9%を含有し、残部実質的にCuからなるリン銅ろう合金によって形成されたものである。本発明のブレージングシート1は、金属板2と、少なくともその一方の表面に圧接一体化されたろう材層3とを有し、前記ろう材層3が前記リン銅ろう合金によって形成されたものである。前記金属板2はCuまたはCuを主成分とするCu合金によって形成することができる。
【選択図】 図4
Description
このリン銅ろう材によれば、リン銅ろう合金のP含有量を2.0〜3.2%に調整するだけで、ろう接接合性を損なうことなく、極めて優れた冷間加工性を備える。
このブレージングシートによれば、P:2.0〜3.2%、好ましくは2.2〜2.9%の極めて冷間加工性に優れたリン銅合金からなるろう材層が金属板に圧接一体化されているので、前記金属板に他の金属部材をろう接する際、ろう材を別途に準備し、金属板と金属部材との間に配置するなどの煩瑣な作業が不要であり、ろう接作業性に優れる。
本発明の利用形態にかかる熱交換器の流路構造は、対向して配置された一対の第1壁部材および第2壁部材と、前記第1壁部材と第2壁部材との間に形成された流路を多数の細流領域に仕切る仕切部材とを備え、前記仕切部材は前記第1壁部材の内面と第2壁部材の内面とに前記リン銅ろう合金によってろう接されたものである。
この流路構造によると、リン銅ろう合金はP:2.0〜3.2%、好ましくは2.2〜2.9%の極めて冷間加工性に優れたものであるので、仕切部材のろう接に際し、第1壁部材および第2壁部材の内面に予め適宜の形態に形成した前記リン銅ろう合金を付設することができる。このため、前記仕切部材のろう接作業性が向上し、ひいては熱交換器の生産性を向上させることができる。この流路構造において、前記第1、第2壁部材および仕切部材をCuあるいはCuを主成分とするCu合金で形成することにより、これらの部材をリン銅ろう合金によって簡単かつ容易にろう接することができ、また優れた接合性を得ることができる。さらに、主成分のCuが比較的安価であるため、熱交換器の流路構造として経済性に優れる。
リン銅ろう合金中のPの含有量(mass%)は、従来、Cuの引張強度レベルの接合強度を実現するには少なくとも4%程度以上は必要と考えられており、このため加工性に問題があった。しかしながら、本発明者の研究により、従来より低濃度のP領域においても接合性(接合強度)を劣化させることなく、加工性を飛躍的に向上させる領域があることが知見され、本発明を完成するに至った。以下、リン銅ろう材を形成するリン銅ろう合金のP含有量とろう接接合性および加工性について詳細に説明する。
ろう接接合性は、断面が10mm×3mmの純Cu製の角棒材を準備し、一方の棒材と他方の棒材とをろう材片(10mm×3mm)を介して突き合わせ、水素ガス雰囲気中で820℃×10分間保持してろう接し、得られた接合棒材を長さ方向に破断するまで引っ張り、破断時の引張強さ(接合強さ)を測定した。
本発明者はかかる加工性の良否を組織面から検討した。図3はP−Cu2元系状態図を示しており、1.75%<P<13.98%(共晶組成)の領域では組織中に生成した初晶のP−Cu固溶体(Cuリッチ部)と、Cu3PとCuとが層状に形成された共晶組織(Pリッチ部)とが共存した組織になる。実際のろう材の熱延板組織を顕微鏡観察したところ、Pが3.2%以下では大部分のPリッチ部がCuリッチ部内に孤立して存在しているように観察され、一方Pが3.2%超ではCuリッチ部内のPリッチ部が相互に連なり、この傾向はPが多くなるほど顕著であった。そして、板割れが生じた冷延板の組織を観察すると、P>3.2%のものでは、圧延により引き延ばされた前記Pリッチ部に沿ってクラックが多数発生していることが観察された。これより、P=3.2%は脆くてクラックの発生し易いPリッチ部がCuリッチ部の中にほぼ孤立し得る限界のP含有量であると知見された。
また、本発明にかかるリン銅ろう合金は、冷間加工性、冷間圧接性に優れるため、前記ブレージングシート1,1Aのろう材層3としても好適であることは先に述べた通りであり、本発明にかかるブレージングシートによれば、ろう接作業性が容易になることのほか、金属板2とろう材層3とを一体的に種々の形態に容易に加工することができるので、種々形態を有するろう材層3付きの各種接合部材を容易に製作することができる。
図6は利用形態にかかる熱交換器の流路構造を示す斜視図である。一組のシート部材11,11が所定の間隔を隔てて対向して配置され、その間に断面が波形に屈曲形成された蛇腹状の仕切り部材12が装着されている。前記シート部材11は上記ブレージングシート1を適宜の形状に加工したものであり、また前記仕切り部材12は、例えば薄銅板を蛇腹状に波形加工したものである。なお、この実施形態では、シート部材11の素材となるブレージングシート1は、金属板2の片面にろう材層3を設けたタイプ(図4)が使用される。
2 金属板
3 ろう材層
11 シート部材
12 仕切り部材
Claims (6)
- mass%でP:2.0〜3.2%を含有し、残部実質的にCuからなるリン銅ろう合金によって形成されたリン銅ろう材。
- リン銅ろう合金中のP含有量がP:2.2〜2.9%である請求項1に記載したリン銅ろう材。
- 厚さ0.01〜0.15mmの薄板状に形成された請求項1又は2に記載したリン銅ろう材。
- 請求項1又は2に記載したリン銅ろう合金の鋳造片を冷間圧延により薄板状に形成するリン銅ろう材の製造方法。
- 金属板と、少なくともその一方の表面に圧接一体化されたろう材層とを有し、前記ろう材層が請求項1又は2に記載したリン銅ろう合金によって形成されたブレージングシート。
- 金属板がCuまたはCuを主成分とするCu合金によって形成された請求項5に記載したブレージングシート。
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