JP2004114076A - 急冷鋳造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶解炉から出湯された溶湯52と接触し冷却凝固させて金属薄帯57を生成する冷却ロール2と、冷却ロール2の溶湯52との接触部位4aを加熱させるヒータ7とを備えていることを特徴とする急冷鋳造装置1を提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属又は合金の薄帯の製造に用いられる急冷鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば磁石材料,水素吸蔵合金などの粉末製造用素材となる金属薄帯を製造するための急冷鋳造装置が知られている。
この一例を図5に基づき、金属薄帯の製造工程に沿って説明する。急冷鋳造装置50において、51は溶解炉であって、誘導加熱により金属を溶解、混合して溶湯を生成するものである。この溶解炉51で溶解された所定の組成の金属は、所定の湯温の溶湯52となって出湯され、樋53に導かれてタンディッシュ54に注湯される。そして、タンディッシュ54内で一時的に貯湯された溶湯52が、溶湯流出口55で回転する冷却ロール56に接触し、急冷凝固されて金属薄帯57が生成される(メルトドラッグ法)。金属薄帯57は冷却ロール56と連れ回った後に、冷却ロール56から剥離して回収箱58に回収される。これらの一連の工程は、高清浄な溶解雰囲気とされた真空槽59内で行われる。
【0003】
このような急冷鋳造装置の中には、例えば冷却ロール56で連れ回される際に、金属薄帯57の反りによる冷却ロール56からの浮きを抑えたもの(例えば、特許文献1,2参照)や、真空層59内で完全に冷却するために別途冷却用ラインを設けたもの(例えば、特許文献3参照)があり、金属薄帯57を均等に速く冷却してその品質を高めるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−096342号公報
【特許文献2】
特開2001−096343号公報
【特許文献3】
特開2001−162356号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の急冷鋳造装置では、例えば装置自体の始動時等、金属薄帯の製造初期において、金属薄帯の形状が安定しない場合がある。このように形状が安定しない状態で製造された金属薄帯は、面方向及び厚さ方向共に不揃いであるため、その冷却速度が不均一となって組成が不均質になったり、高温のまま真空槽外に取り出されて酸化したりしてしまう。このため、金属薄帯のロット単位での品質が低下するという問題がある。
また、冷却ロールに接触し付着した溶湯は、その面方向、厚さ方向で冷却速度が一定ではない。例えば厚さ方向では、溶湯のロール面側は直接冷却ロールに接触するため急冷凝固する(冷却速度が速い)が、同時に冷却ロールへの接触が悪化するため、ロール面側を通じて冷却される自由凝固面側(ロール面側の反対側)の抜熱が遅くなる傾向にある。このため、厚さ方向で冷却速度の違う金属薄帯が生成され、上記同様に金属薄帯の品質が低下するという問題がある。さらに、自由凝固面側の抜熱が遅れることにより、ロール面側が再加熱されるおそれもある。
そして、上述した急冷鋳造装置の中には、金属薄帯を冷却ロールに押し付ける押圧ロール等を備え、冷却ロールと合わせて金属薄帯を押圧すると共に両面から均等に冷却するものがあるが、金属薄帯を効果的に冷却するためには押圧ロールにも冷却経路を設ける等の必要があり、装置自体が複雑になると共にコストが増加してしまうという問題がある。
【0006】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構造で製造初期の金属薄帯の冷却速度のばらつきを抑え、さらに、冷却ロールの溶湯との接触部位を加熱することにより、冷却ロールと溶湯との接触を良好にし溶湯の自由凝固面側も所定の冷却速度とすることで、均質な金属薄帯を製造できる急冷鋳造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、溶解炉から出湯された溶湯と接触し冷却凝固させて金属薄帯を生成する冷却手段と、該冷却手段の溶湯との接触部位を加熱させる加熱手段とを備えていることを特徴とする急冷鋳造装置を提供する。
【0008】
この急冷鋳造装置によれば、加熱手段により冷却手段の溶湯との接触部位を所定の温度まで加熱させることができる。冷却手段は、その溶湯との接触部位が所定の温度となったとき(製造安定時)に溶湯が良好に付着し、良質な金属薄帯を製造できるようになっているため、金属薄帯の製造初期において、冷却手段の溶湯との接触部位の温度が製造安定時と比べて低い場合には、溶湯がはじかれるように冷却され、接触熱伝導性が損なわれて冷却性能が悪化する。これを、加熱手段を用いて冷却手段の溶湯との接触部位を接触熱伝導が良くなる温度まで加熱させることで、冷却手段の溶湯との接触部位に溶湯が良好に付着し、溶湯の自由凝固面側の冷却速度が遅くならない。これにより、溶湯の冷却が均等に促進されて良質な金属薄帯を製造することが可能となる。
また、金属薄帯の製造が進んでも、加熱手段により冷却手段を製造安定時の状態に維持することができるため、溶湯が良好に付着し、溶湯の冷却が均等に促進されて良質な金属薄帯を製造することができる。
【0009】
請求項2に記載した発明は、前記加熱手段が、前記冷却手段の冷媒を加熱することを特徴とする請求項1に記載の急冷鋳造装置を提供する。
この急冷鋳造装置によれば、加熱手段により冷却手段の冷媒を加熱し、冷却手段の溶湯との接触部位を所定の温度まで加熱させることができる。これにより、金属薄帯の製造において、溶湯を冷却手段に良好に付着させることができ、溶湯の冷却が均等に促進されて良質な金属薄帯を製造することが可能となる。
【0010】
請求項3に記載した発明は、前記加熱手段が、前記冷却手段の溶湯との接触部位の近傍を加熱することを特徴とする請求項1に記載の急冷鋳造装置を提供する。
この急冷鋳造装置によれば、加熱手段により冷却手段の溶湯との接触部位の近傍を加熱することで、溶湯との接触部位を所定の温度まで効率よく加熱させることができる。これにより、金属薄帯の製造において、溶湯を冷却手段に良好に付着させることができ、溶湯の冷却が均等に促進されて良質な金属薄帯を製造することが可能となる。
【0011】
請求項4に記載した発明は、前記加熱手段により、冷却手段の溶湯との接触部位が、水分を離脱可能な温度に加熱されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の急冷鋳造装置を提供する。
この急冷鋳造装置によれば、金属薄帯の製造において、加熱手段により冷却手段の溶湯との接触部位が加熱され、冷却手段に付着している水分を離脱させて溶湯の汚染を抑えることが可能となる。
【0012】
請求項5に記載した発明は、前記冷却手段により、冷却手段の溶湯との接触部位が、溶湯を良好に付着させる温度に加熱されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の急冷鋳造装置を提供する。
この急冷鋳造装置によれば、金属薄帯の製造において、加熱手段により冷却手段の溶湯との接触部位が加熱され、溶湯を冷却手段に良好に付着させて良質な金属薄帯を製造することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第一の実施の形態を、図3を援用して図1に基づいて説明する。なお、図3と同一部位に同一符号を付して説明を省略する。
図1に示す急冷鋳造装置1の冷却ロール(冷却手段)2は、アーム3により回転自在に支持され、左回り(矢印H方向)に駆動するものである。冷却ロール2の右側方には、樋53を介して前記溶解炉51から溶湯52が注湯されるタンディッシュ54が隣接配置され、冷却ロール2の外周面4がタンディッシュ54内の溶湯52に接触し掻き揚げることで、溶湯52を急冷凝固させ金属薄帯57が生成されるようになっている。ここで、樋53及びタンディッシュ54は、溶湯52の汚染及び湯温低下を極力抑えるために、溶湯52との接触部分が例えばアルミナ等のセラミック製の耐火物で内張りされている。
【0014】
そして、金属薄帯製造時の一連の工程は、真空排気後にアルゴンガス等の不活性ガスを導入する等、高清浄な溶解雰囲気とされた真空槽59内で行われることとなり、金属薄帯の純度及び品質を高めるようになっている。
生成された金属薄帯57は真空槽59に設けられた前記回収箱58に回収され、図示省略の他の工程で粉末化されて例えば磁石材料、水素吸蔵合金などの素材とされる。
【0015】
冷却ロール2は、その内部に図示しない冷却経路が設けられ、その冷却経路を冷媒が循環することで、冷却ロール2の外周面4を所定の温度に設定可能となっている。ここで、所定の温度とは冷却ロール2の外周面4に接触する溶湯52を冷却可能な温度であり、溶湯52の温度を約1500℃の場合には1000℃以下とされている。
【0016】
また、冷却ロール2にはその冷却経路と接続される配管5が設けられ、冷媒は冷却経路及び配管5内を矢印R方向で循環し、例えば配管5途中に設けられた放熱部6で冷却されるようになっている。さらに、配管5途中には例えば誘導加熱コイルにより構成されるヒータ(加熱手段)7が設けられている。このヒータ7は、配管5を循環する冷媒を300℃以上まで加熱するものであり、冷却ロール2は、ヒータ7によって加熱された冷媒を循環させることで、外周面4を溶湯52との接触部位(タンディッシュ54と隣接する部位)4aを含めて約300℃に加熱可能となっている。
【0017】
冷却ロール2の外周面4は、その温度が100℃以上(望ましくは300℃以上)となったときに溶湯52が良好に付着し、良質な金属薄帯57を安定して製造できるようになっている。溶湯52を冷却可能な温度は1000℃以下であるため、冷却ロール2の外周面4が約300℃に加熱されても溶湯52を十分冷却することが可能である。なお、この実施の形態における冷媒には、通常の冷却水ではなく油や低融点金属等が用いられている。また、8はヒータ7の配電線であり、真空槽59の外部の高周波電源9に向かって配策されている。
【0018】
次に、作用について説明する。
まず、真空槽59内が高清浄な溶解雰囲気、つまり真空排気した雰囲気、又は真空排気後に高純度アルゴンガスや高純度水素ガス等の任意の不活性ガスを導入した雰囲気になった後に、溶解炉51内に塊状や粉状等の原料金属が投入され、誘導加熱による溶解が開始される。溶解した原料金属は炉内で十分に撹拌され、真空精錬もしくは任意のガス雰囲気を利用した精錬が行われて高純度な溶湯52が生成される。
【0019】
一方、冷却ロール2においては、予めヒータ7により加熱された冷媒が冷却経路を循環し、冷却ロール2の外周面4及び接触部位4aが、金属薄帯が安定して製造される約300℃に加熱される。このとき、冷却ロール2の外表面4に付着している水分を離脱させることができる。
【0020】
そして、溶解炉51の溶湯52が樋53を介してタンディッシュ54に注湯されると同時に冷却ロール2が周速約1m/sの一定速度で駆動し、金属薄帯の製造が開始される。
タンディッシュ54に注湯された溶湯52は、溶湯流出口55より冷却ロール2の外周面4(接触部位4a)に接触し付着しながら掻き上げられていく。
このとき、冷却ロール2の外周面4に接触した溶湯52は外周面4にはじかれるように凝固せず、外周面4との接触熱伝達が極端に低下することはない。このため、溶湯52の熱は冷却ロール2へ均等に速やかに伝達され、つまり溶湯52の冷却が均等に促進されて、良質な金属薄帯57が生成される。
【0021】
また、冷却ロール2の外周面4が加熱されることで、外周面4に付着している水分が離脱すると共に脱ガス効果もあり、溶湯52の汚染が抑えられて金属薄帯57の純度が高まる。
生成された金属薄帯57は、冷却ロール2に連れ回された後に遠心力により剥離し、放物線を描いて前記回収箱58に回収されていく。
【0022】
冷却ロール2を循環し溶湯の熱を吸収した冷媒は、配管5の放熱部6で一旦冷却された後にヒータ7により所定の温度に加熱され、再度冷却ロール2を循環する。したがって、金属薄帯の製造が進んでも、冷却ロール2の外周面4の温度は常に金属薄帯が安定して製造される約300℃に保たれることとなり、安定した品質の金属薄帯57が連続して製造される。
【0023】
上述した第一の実施の形態によれば、冷却ロール2の冷媒を加熱するヒータ7により、金属薄帯の製造初期に冷却ロール2の外表面4を加熱させることができるため、冷却ロール2の外周面4に溶湯52を良好に付着させることができ、良質な金属薄帯57を製造することができる。したがって、製造初期の金属薄帯を破棄する等の必要がなく、ロット単位の品質を無駄なく高めることができる。
また、ヒータ7により冷却ロール2の外周面4を所定の温度に保つことで、溶湯の自由凝固面側の冷却速度を落とさずに冷却することができるため、良質な金属薄帯57を製造することができる。
【0024】
次に、この発明の第二の実施の形態を、図3を援用して図2に基づいて説明する。なお、図3と同一部位に同一符号を付して説明を省略する。
図2に示す急冷鋳造装置11の冷却ロール(冷却手段)12はアーム13により回転自在に支持され、左回り(矢印H方向)に駆動するものである。冷却ロール12の右側方には、樋53を介して前記溶解炉51から溶湯52が注湯されるタンディッシュ54が隣接配置され、冷却ロール12の外周面14がタンディッシュ54内の溶湯52に接触し掻き揚げることで、溶湯52を急冷凝固させ金属薄帯57が生成されるようになっている。
そして、金属薄帯製造時の一連の工程は、高清浄な溶解雰囲気とされた真空槽59内で行われることとなり、生成された金属薄帯57は真空槽59内の前記回収箱58に回収される。
【0025】
冷却ロール12は、前記冷却ロール2と同様、その内部に図示しない冷却経路が設けられ、その冷却経路を冷媒(例えば冷却水)が循環することで、冷却ロール12の外周面14を所定の温度に冷却可能となっている。
また、冷却ロール12の溶湯52との接触部位14aの上流側近傍、つまりタンディッシュ54の下側近傍には、例えば誘導加熱コイルにより構成されるヒータ(加熱手段)17が、冷却ロール12の外周面14と近接配置されている。このヒータ17は冷却ロール12の外周面14を300℃以上まで加熱するものであり、これにより冷却ロール12の外周面14の溶湯52との接触部位14a(タンディッシュ54と隣接する部位)を約300℃に加熱可能となっている。
【0026】
冷却ロール12の外周面14は、その温度が100℃以上(望ましくは300℃以上)となったときに溶湯52が良好に付着し、良質な金属薄帯57を安定して製造できるようになっている。なお、18はヒータ17の配電線であり、真空槽59の外部の高周波電源19に向かって配策されている。
【0027】
次に、作用について説明する。
まず、真空槽59内が高清浄な溶解雰囲気になった後に、溶解炉51内に原料金属が投入され溶解が開始される。そして、溶解した原料金属が十分に撹拌されて高純度な溶湯52が生成される。
そして、溶解炉51の溶湯52が樋53を介してタンディッシュ54に注湯されると同時に冷却ロール12が一定速度で駆動し、金属薄帯の製造が開始される。
【0028】
一方、冷却ロール12の駆動と同時にヒータ17による加熱が開始され、駆動する冷却ロール12の溶湯52との接触部位14aが約300℃に加熱される。このとき、ヒータ17が接触部位14aの上流側近傍に配置されていると共に冷却ロール12の外周面14と近接配置されているため、接触部位14aを集中的に効率よく加熱させることができる。また、外周面14に付着している水分を離脱させることもできる。
【0029】
タンディッシュ54に注湯された溶湯52は、溶湯流出口55より冷却ロール12の外周面14(接触部位14a)に接触し付着しながら掻き上げられていく。このとき、冷却ロール12の外周面14に接触した溶湯52は外周面14にはじかれるように凝固せず、外周面14との接触熱伝達が極端に低下することがないため、良質な金属薄帯57が生成される。また、冷却ロール12の外周面14に付着している水分が離脱すると共に脱ガス効果もあり、金属薄帯57の純度が高まる。
生成された金属薄帯57は、冷却ロール12に連れ回された後に遠心力により剥離し、放物線を描いて前記回収箱58に回収されていく。
【0030】
冷却ロール12の外周面14は冷媒により冷却されているが、外周面14の溶湯との接触部位14aは、その上流側近傍がヒータ17によって加熱されるため、金属薄帯の製造が進んでも常に金属薄帯が安定して製造される約300℃に保たれることとなり、安定した品質の金属薄帯57が連続して製造される。
【0031】
上述した第二の実施の形態によれば、冷却ロール12の溶湯52との接触部位14a近傍を加熱するヒータ17により、金属薄帯の製造初期に冷却ロール12の溶湯52との接触部位14aを集中的に効率よく加熱させることができるため、冷却ロール12の外周面14に溶湯52を良好に付着させることができ、良質な金属薄帯57を製造することができる。また、金属薄帯の製造が進んでも、ヒータ17による加熱により安定した品質の金属薄帯を連続して製造することができる。したがって、製造初期の金属薄帯を破棄する等の必要がなく、全体的な品質を無駄なく高めることができる。
また、ヒータ17により冷却ロール12の外周面14を所定の温度に保つことで、溶湯の自由凝固面側の冷却速度を落とさずに冷却することができるため、良質な金属薄帯57を製造することができる。
【0032】
なお、この発明は上記各実施の形態に限られるものではなく、例えば、溶湯52を掻き上げることができればロール以外の冷却手段を採用してもよい。
また、冷却ロール2,12の溶湯52の接触部位を約300℃に加熱するようにしたが、これを約100℃としても、溶湯52を冷却ロール2に良好に付着させることが可能であり、冷却ロール2,12の水分を離脱させることができる。しかも、ヒータ7,17に使用する電力を抑えることができる。
【0033】
そして、第二の実施の形では、冷却ロール12の駆動と同時にヒータ17による加熱を開始しているが、第一の実施の形態のように、冷却ロール12の外周面14全体を予め加熱しておくようにしてもよい。また、冷媒として油や低融点金属等を用いるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
この発明の急冷鋳造装置によれば、以下の効果が得られる。
(1) 加熱手段により冷却手段の溶湯が接触する部位を所定の温度まで加熱させるのみで、金属薄帯の製造において、冷却手段の溶湯との接触部位に溶湯を良好に付着させることができ、溶湯の冷却が均等に促進されて良質な金属薄帯を製造することが可能となる。
(2) 加熱手段により冷却手段の冷媒を加熱し、冷却手段の溶湯との接触部位を所定の温度まで加熱させることができる。これにより、金属薄帯の製造において、溶湯を冷却手段に良好に付着させることができ、溶湯の冷却が均等に促進されて良質な金属薄帯を製造することが可能となる。
(3) 加熱手段により冷却手段の溶湯との接触部位の近傍を加熱することで、溶湯との接触部位を所定の温度まで効率よく加熱させることができる。これにより、金属薄帯の製造において、溶湯を冷却手段に良好に付着させることができ、溶湯の冷却が均等に促進されて良質な金属薄帯を製造することが可能となる。
(4)金属薄帯の製造において、加熱手段により冷却手段の溶湯との接触部位が加熱され、冷却手段に付着している水分を離脱させて溶湯の汚染を抑えることが可能となるため、金属薄帯の純度を高めることができる。また、溶湯を冷却手段に良好に付着させることも可能であるため、金属薄帯を良質化できる。
(5)金属薄帯の製造において、加熱手段により冷却手段の溶湯との接触部位が加熱され、溶湯を冷却手段に良好に付着させて良質な金属薄帯を製造することが可能となるため、金属薄帯を良質化できる。また、冷却手段に付着している水分を離脱させて溶湯の汚染を抑えることも可能であるため、金属薄帯の純度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一の実施の形態の冷却ロールの正面説明図である。
【図2】この発明の第二の実施の形態の冷却ロールの正面設明図である。
【図3】従来の急冷鋳造装置の正面説明図である。
【符号の説明】
1,11 急冷鋳造装置
2,12 冷却ロール(冷却手段)
4,14 外周面
4a,14a 接触部位
5 配管
7,17 ヒータ(加熱手段)
51 溶解炉
52 溶湯
54 タンディッシュ
57 金属薄帯
59 真空槽
Claims (5)
- 溶解炉から出湯された溶湯と接触し冷却凝固させて金属薄帯を生成する冷却手段と、該冷却手段の溶湯との接触部位を加熱させる加熱手段とを備えていることを特徴とする急冷鋳造装置。
- 前記加熱手段が、前記冷却手段の冷媒を加熱することを特徴とする請求項1に記載の急冷鋳造装置。
- 前記加熱手段が、前記冷却手段の溶湯との接触部位の近傍を加熱することを特徴とする請求項1に記載の急冷鋳造装置。
- 前記加熱手段により、冷却手段の溶湯との接触部位が、水分を離脱可能な温度に加熱されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の急冷鋳造装置。
- 前記冷却手段により、冷却手段の溶湯との接触部位が、溶湯を良好に付着させる温度に加熱されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の急冷鋳造装置。
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