JP6551162B2 - 双ロール鋳造装置及び鋳造方法 - Google Patents
双ロール鋳造装置及び鋳造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6551162B2 JP6551162B2 JP2015214456A JP2015214456A JP6551162B2 JP 6551162 B2 JP6551162 B2 JP 6551162B2 JP 2015214456 A JP2015214456 A JP 2015214456A JP 2015214456 A JP2015214456 A JP 2015214456A JP 6551162 B2 JP6551162 B2 JP 6551162B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- casting
- molten metal
- pair
- laser light
- laser
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
- Laser Beam Processing (AREA)
Description
湯面変動は鋳造ロールの面上での凝固開始点の変動につながり、凝固シェル厚みの変動を引き起こす。鋳造ロール中央部であれば、そのままロール回転に応じて鋳造されるので、変動幅が小さければ問題にはならない。しかしながら、サイド堰と溶融金属とが接触する部位では、ロール面で溶融金属が凝固する際、サイド堰は回転しないので、サイド堰に沿って地金(溶融金属が凝固した塊)が生成する。湯面より下方では溶融金属の顕熱により、地金の生成はわずかであるが、湯面、特に湯だまり部の湯面のうちでも鋳造ロールとサイド堰との当接箇所である湯面コーナー部では、サイド堰及び鋳造ロールによる抜熱に加えて、上方空間への放射冷却もあり、冷却環境が厳しい。そのため、この場所で湯面変動が発生すると、地金は急速に生成・成長する。
湯面が上昇して生成した湯面コーナー部の地金は、湯面が下がったときに取り残され、再度湯面が上昇した際に一部が溶融し、湯だまり部へ取り込まれる場合がある。地金の密度は通常溶融金属よりも大きくなるので、湯だまり部へ取り込まれた地金は、湯だまり部の中を沈んでいく。湯だまり部の中を沈んでいった地金は、キス点と呼ばれる一対の鋳造ロールの最近接位置で両ロール面から漸近してきた凝固シェル間に挟まれることになる。鋳片の厚みは通常数mmであるのに対し、地金のサイズは鋳片の厚みと同等もしくはそれより大きなものとなることが多い。そのため、鋳造ロール間隙の出口側から出てきた鋳片において、地金を挟んだ部位は他の部位よりも著しく厚くなる。なお、鋳造ロールにおいて、凝固殻を両面から張り合わせる力は通常小さいので、地金を圧潰することはできない。したがって、地金がキス点を通過する際、ロール間ギャップが拡大する。地金の存在によってロール間ギャップが拡大すると、鋳片の地金がない部位には上方から溶融金属が流入する。その結果、当該部位は高温となり、ホットバンドと呼ばれる線状欠陥が形成される。このホットバンドは、鋳造中に鋳造ロールのキス点下方から観察した場合、赤熱した状態となっていることが観察される。鋳片にホットバンドが生成すると、鋳片としては寸法が不十分となり製品とならない。さらに、地金が非常に大きい場合には、その位置でストリップが破断し、鋳造中止となることもある。
また、特許文献2の場合、地金が溶融する温度まで温度を上昇させる導電性耐火物製のヒーターとしては、カーボンヒーター等となるが、カーボンヒーターは、溶鋼などの溶融金属と反応して溶損するという問題があることを見出した。また、その他の問題として、特許文献2の場合、湯だまり部の溶融金属を直接加熱することによって、ヒーターによって加熱された部分の凝固が遅れる。凝固の遅れは、鋳造ロールのキス点において、鋳片端部のバリや内部組織異常につながる未凝固部の発生の原因となる。その結果、鋼材特性の幅方向がばらつくという問題があることを見出した。さらに、湯だまり部の湯面の流れは乱流であり、速度変動を伴うので、湯だまり部にフィン等を設けることで湯面変動を助長する場合もあり、操業条件に応じて位置調整を行う必要があるという問題があることを見出した。
さらに、特許文献3においては、サイド堰は、鋳造ロールとサイド堰との隙間における湯漏れ、湯差しを抑制するために溶融金属からの抜熱量を適切な範囲とする必要があるので、鋳造ロールとサイド堰との隙間における湯漏れ、湯差しの抑制と、湯面変動による凝固の抑制とを両立させることは困難であることを見出した。
(1)双ロール鋳造装置であって、回転軸が相互に平行になるように水平に配置された一対の鋳造ロールと、前記一対の鋳造ロールの両端部に当接して配置されるサイド堰と、前記一対の鋳造ロールと前記サイド堰とに囲まれた領域に溶融金属を供給して前記領域に湯だまりを形成するノズルと、前記ノズルから前記溶融金属を供給して前記湯だまり部が形成される際に、前記湯だまり部の湯面の4箇所のコーナー部における湯面変動の範囲にある照射位置にレーザー光を照射するレーザー照射装置と、を備え、前記レーザー照射装置は、前記レーザー光を発生させる発振器と、前記発振器で発生した前記レーザー光を前記4箇所の前記照射位置へ導く光学系と、前記レーザー光の光路を切り替える切替装置とを備え、前記光学系は、4本の光ファイバーであることを特徴とする双ロール鋳造装置。
(2)回転軸が相互に平行になるように水平に配置された一対の鋳造ロールと、前記一対の鋳造ロールの両端部に当接した状態で配置されるサイド堰とに囲まれた領域である湯だまり部に、ノズルから溶融金属を供給し、前記一対の鋳造ロールを回転させながら前記溶融金属を冷却して鋳片を製造する鋳造方法であって、前記ノズルから前記溶融金属を供給して前記湯だまり部を形成する際に、レーザー照射装置を用いて、前記湯だまり部の湯面の4箇所のコーナー部における湯面変動の範囲にある照射位置にレーザー光を照射し、前記レーザー照射装置は、前記レーザー光を発生させる発振器と、前記発振器で発生した前記レーザー光を前記4箇所の前記照射位置へ導く光学系と、前記レーザー光の光路を切り替える切替装置とを備え、前記光学系は、4本の光ファイバーであることを特徴とする鋳造方法。
このように、鋳造ロール1とサイド堰2とを設けることで、鋳造ロール1とサイド堰2とで囲まれた空間である、鋳造ロール1,1間の上側の窪みには、ノズル3から供給された溶融金属の湯だまり部が形成される。
4本の光ファイバー23にて、4箇所のレーザー照射位置Pへレーザー光を照射する場合、発振器22を4台設けてもよく、発振器22を1台としてもよい。発振器を4台とした場合には、4箇所のレーザー照射位置Pの全ての位置において、連続的にレーザー光を照射できるので、地金の発生の抑制効果が大きい。一方、発振器22を1台とする場合、コストを低減できる。なお、発振器22を1台とする場合には、レーザー光の光路を切り替える切替装置24をさらに備え、発振器22で生じたレーザー光を切替装置24によって入射させる光ファイバー23を切り替えることにより、各レーザー照射位置にレーザー光を照射することが望ましい。切替装置24によって、レーザー照射位置Pを切り替える場合、所定の時間ごとに順に照射位置が切り替わるようにしてもよく、地金の発生を確認してから、発生した位置にレーザー光が照射されるように切り替えるようにしてもよい。所定の時間ごとに切り替わるようにする場合、地金が大きく成長しすぎないように、例えば5秒以内に切り替わるようにすることが好ましい。
そのため、本実施形態に係る双ロール鋳造装置10では、地金が発生しやすい湯面コーナー部の近傍へレーザー光を照射することで、地金の発生を抑制する、地金が発生したとしても再度溶融させる、または、地金の成長を短時間にとどめて小さいままでの耐火物からの剥離を促すことにより、大型の地金の生成を抑制する。上述の通り、湯面より下方では溶融金属の顕熱により、地金の生成はわずかであるので、レーザー照射位置Pは湯面より上側であり、より具体的には湯面コーナー部における湯面変動11の範囲である。
レーザーの照射条件は、好ましくは、スポット径10〜15mmφ、出力1〜3kWである。この場合、目的の位置をピンポイントで狙った上で、サイド堰2や鋳造ロール1を損傷させることがない。
ノズル3からの溶融金属供給時に、レーザー光の照射によって地金が発生しやすい湯面コーナー部へレーザー光を照射することで、地金の発生を抑制する、地金が発生したとしても再度溶融させる、または、地金の成長を短時間にとどめて小さいままでの耐火物からの剥離を促すことにより、大型の地金の生成を抑制することができる。
したがって、本実施形態に係る鋳造方法によれば、大型の地金の生成を抑制できるので、ホットバンドの生成を抑制することができる。また、その結果、従来の鋳造方法では実現し得なかった、欠陥の無い鋳片を安定して製造することが可能となる。
また、比較として、レーザー光を照射せずに、その他の条件は同じにして鋳造を行った。結果を表1に示す。
2 サイド堰
3 ノズル
4 湯面
P レーザー照射位置
S 鋳片
10 双ロール鋳造装置
11 湯面変動
21 レーザー照射装置
22 発振器
23 光ファイバー
24 切替装置
Claims (2)
- 双ロール鋳造装置であって、
回転軸が相互に平行になるように水平に配置された一対の鋳造ロールと、
前記一対の鋳造ロールの両端部に当接して配置されるサイド堰と、
前記一対の鋳造ロールと前記サイド堰とに囲まれた領域に溶融金属を供給して前記領域に湯だまりを形成するノズルと、
前記ノズルから前記溶融金属を供給して前記湯だまり部が形成される際に、前記湯だまり部の湯面の4箇所のコーナー部における湯面変動の範囲にある照射位置にレーザー光を照射するレーザー照射装置と、
を備え、
前記レーザー照射装置は、前記レーザー光を発生させる発振器と、前記発振器で発生した前記レーザー光を前記4箇所の前記照射位置へ導く光学系と、前記レーザー光の光路を切り替える切替装置とを備え、
前記光学系は、4本の光ファイバーである
ことを特徴とする双ロール鋳造装置。 - 回転軸が相互に平行になるように水平に配置された一対の鋳造ロールと、前記一対の鋳造ロールの両端部に当接した状態で配置されるサイド堰とに囲まれた領域である湯だまり部に、ノズルから溶融金属を供給し、前記一対の鋳造ロールを回転させながら前記溶融金属を冷却して鋳片を製造する鋳造方法であって、
前記ノズルから前記溶融金属を供給して前記湯だまり部を形成する際に、レーザー照射装置を用いて、前記湯だまり部の湯面の4箇所のコーナー部における湯面変動の範囲にある照射位置にレーザー光を照射し、
前記レーザー照射装置は、前記レーザー光を発生させる発振器と、前記発振器で発生した前記レーザー光を前記4箇所の前記照射位置へ導く光学系と、前記レーザー光の光路を切り替える切替装置とを備え、前記光学系は、4本の光ファイバーである
ことを特徴とする鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015214456A JP6551162B2 (ja) | 2015-10-30 | 2015-10-30 | 双ロール鋳造装置及び鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015214456A JP6551162B2 (ja) | 2015-10-30 | 2015-10-30 | 双ロール鋳造装置及び鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017080794A JP2017080794A (ja) | 2017-05-18 |
JP6551162B2 true JP6551162B2 (ja) | 2019-07-31 |
Family
ID=58713855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015214456A Active JP6551162B2 (ja) | 2015-10-30 | 2015-10-30 | 双ロール鋳造装置及び鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6551162B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7389341B2 (ja) * | 2020-01-15 | 2023-11-30 | 日本製鉄株式会社 | 薄肉鋳片の製造方法 |
JP7545052B2 (ja) | 2021-02-09 | 2024-09-04 | 日本製鉄株式会社 | 薄肉鋳片の製造方法、及び、双ロール式連続鋳造装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60166452U (ja) * | 1984-04-09 | 1985-11-05 | 三菱重工業株式会社 | 連続鋳造装置 |
JPH1052752A (ja) * | 1996-08-09 | 1998-02-24 | Nippon Steel Corp | 地金除去装置及びこれを用いた連続鋳造方法 |
JP2000271706A (ja) * | 1999-03-24 | 2000-10-03 | Nippon Steel Corp | 双ロール式連続鋳造方法とその装置 |
-
2015
- 2015-10-30 JP JP2015214456A patent/JP6551162B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017080794A (ja) | 2017-05-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2413591C2 (ru) | Способ однонаправленного затвердевания отливок и связанное с ним устройство | |
CN112893874A (zh) | 一种定向晶或单晶高温合金的3d打印装置、方法及产品 | |
JP7425944B2 (ja) | 連続鋳造用鋳型の製造方法 | |
JP6551162B2 (ja) | 双ロール鋳造装置及び鋳造方法 | |
JP2011189356A (ja) | 双ロール鋳造方法および双ロール鋳造機 | |
JP5896811B2 (ja) | チタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造用の鋳型およびこれを備えた連続鋳造装置 | |
RU2613253C2 (ru) | Способ непрерывного литья для слитка, изготавливаемого из титана или титанового сплава | |
JP5730738B2 (ja) | チタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造方法および連続鋳造装置 | |
JP5774438B2 (ja) | チタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造方法および連続鋳造装置 | |
JP5770156B2 (ja) | チタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法 | |
KR102681055B1 (ko) | 직접 냉각 주조 재료의 초음파 강화 방법 | |
JP2861836B2 (ja) | フェライト系ステンレス鋼のレーザ溶接方法 | |
JP4274872B2 (ja) | 高融点金属材料の電子ビーム溶解方法 | |
JP7422302B2 (ja) | 連続鋳造用鋳型の製造方法 | |
KR101301384B1 (ko) | 연속주조용 몰드 | |
JP2008043952A (ja) | 双ロール鋳造機 | |
JP4726385B2 (ja) | 急冷鋳造装置 | |
JP2013151015A (ja) | 鋳造用鋳型、Cu−Ga合金スラブ、スパッタリングターゲット、およびCu−Ga合金スラブの製造方法 | |
WO2007052433A1 (ja) | 金属の溶解装置および製造方法 | |
WO2012111448A1 (ja) | 鋳造用鋳型、Cu-Ga合金スラブ、スパッタリングターゲット、およびCu-Ga合金スラブの製造方法 | |
RU2397851C1 (ru) | Способ электрошлаковой наплавки плоских поверхностей | |
JPS6356339A (ja) | 滴下式鋳造装置 | |
JPH07227647A (ja) | 長尺アルミニウム鋳塊の製造方法 | |
Gedda et al. | DEVELOPMENT OF THE LASER CLAD-CASTING | |
WO2014208340A1 (ja) | チタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180606 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190304 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190326 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190524 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190604 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190617 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6551162 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |