JP2004113986A - 動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置及び抽出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】動物又は植物を含む材料に含まれる生理活性物質など有効成分を抽出する上でなるべく少量の溶剤の使用量で高い抽出率を実現する抽出装置とこれを用いた抽出方法を提供する。
【解決手段】バレル1内に設けられた一対のスクリュー軸2とスクリュー軸に取り付けられた順送りスクリューエレメント3を用いて溶媒抽出の対象物である動物又は植物を含む材料を搬送し、スクリュー軸2による搬送方向を基準にして下流側から順に、動植物材料供給口4、抽剤排出口5、スクリュー軸2に設けたニーディングディスク部6、抽剤注入口7、逆送りスクリューエレメント8、ならびに廃材料排出口9を有する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】バレル1内に設けられた一対のスクリュー軸2とスクリュー軸に取り付けられた順送りスクリューエレメント3を用いて溶媒抽出の対象物である動物又は植物を含む材料を搬送し、スクリュー軸2による搬送方向を基準にして下流側から順に、動植物材料供給口4、抽剤排出口5、スクリュー軸2に設けたニーディングディスク部6、抽剤注入口7、逆送りスクリューエレメント8、ならびに廃材料排出口9を有する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置及び抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体からの一部成分の抽出装置としては、混和性のない別の液体を向流で揺動しながら接触抽出する往復回転式抽出塔などが、固体からの低分子成分の抽出装置としては、ソクスレー抽出装置などが存在する。
【0003】
また、天然動植物からの有効成分の抽出方法として、例えば、気液向流接触装置を利用して香気成分を回収する方法や、固体植物材料である多糖類含有植物材料の固定床を通して抽出流体を通過させて、植物材料から多糖類を加水分解すると同時に抽出し、そして残部の固体植物材料から多糖類含有溶液を分離する可溶性多糖類の抽出方法などが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
一方、二軸スクリュー押出機を用いた材料からの揮発成分の除去(脱揮)として、含水プラスチック原料に適用する二軸脱水押出機などが提案されている。また、二軸スクリュー押出機や多軸スクリュー押出機を用い、溶融原料に他の液体やスラリーなどの反応材料をさらに注入混合してバレル内で化学反応を進行させながら押出を行う反応押出技術も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−48702号公報
【特許文献2】
特開2001−322154号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、焙煎コーヒー、緑茶、鰹節などの動植物原料から回収香を採取するには水蒸気蒸留(常圧または減圧)を行うのが一般的であった。しかしながら水蒸気蒸留は長時間を要するため香気成分の熱による劣化が激しく、これら動植物原料が本来有している新鮮な香気を変化させることなく効率的に回収することは困難であった。
【0007】
また、このような課題を解決するために、予め動植物組織を液状又はスラリー状としたものを液液向流接触装置や気液向流接触装置に投入し、下方から抽剤として低比重の溶剤や蒸気を送り込み、有効成分を抽剤とともに上方から回収する方法も知られている。
【0008】
しかし、上記のように液体同士または液体と気体接触操作により抽出操作を実施しようとすると、液体同士の接触操作では、両者が混和することを防止するために、被抽出物との混和性が小さい溶剤を抽剤として用いたり、液体間の界面を保持できるように液体間の相対速度が低速である操作を行う必要があり、結果、抽出量や抽出速度といった抽出性能において不満が残る。気液接触の場合には、両者の界面の破壊に配慮する必要がないので抽出速度は高くなるが、抽出成分を気体として回収する必要があるので、結果、沸点が低い成分あるいは蒸気圧が高い成分だけが優先的に抽出されることとなり、必ずしも動植物組織からの有効成分を効率よく抽出を行うことができない。
【0009】
一方、従来の二軸スクリュー押出機の分野では、原料に残存する少量の揮発成分の除去という観点で実施され、真空ポンプで揮発させて除去する(ベントする)ことが行われてきたが、有効成分の中には蒸気圧が非常に低いために揮発抽出できないものが多く存在し、脱揮技術だけでは対処できない。すなわち、動植物組織から有効成分の抽出を実施するために二軸スクリュー押出技術を利用するという例は知られていない。
【0010】
本発明は、上記の従来の動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置及び抽出方法の課題を考慮し、多軸スクリュー押出機の技術を応用した動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置と抽出方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、動物又は植物を含む材料を所定の方向へ搬送する搬送機構と、前記動物又は植物を含む材料を前記搬送機構へ供給する動植物材料供給部と、前記動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入機構と、前記動物又は植物を含む材料を搬送する搬送方向を基準にして前記動植物材料供給部より下流側に設けられ、前記抽剤を前記搬送方向に対して逆流させる逆流機構と、前記動植物材料供給部と逆流機構の間に設けられ、前記動物又は植物を含む材料中の有効成分が抽出された前記抽剤を排出する抽剤排出機構と、前記搬送方向を基準にして前記逆流機構よりも下流側に設けられ、有効成分が抽出された後の前記動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出口とを備えた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置である。
【0012】
また、第2の本発明は、前記抽剤注入機構は、前記抽剤排出機構と前記逆流機構の間に設けられている第1の本発明の抽出装置である。
【0013】
また、第3の本発明は、前記抽剤注入機構は、前記動植物材料供給部と兼ねられている第1の本発明の抽出装置である。
【0014】
また、第4の本発明は、前記抽剤注入機構と前記抽剤排出機構の間に設けられ、前記動物又は植物を含む材料と前記抽剤とをよりよく混和させる混和機構を更に備えた第2の本発明の抽出装置である。
【0015】
また、第5の本発明は、前記逆流機構は、当該機構部の圧力を高めることにより、前記逆流機構部より上流側の圧力が低くなり抽剤が逆流し前記動物又は植物を含む材料と接触させる昇圧機構である第1の本発明の抽出装置である。
【0016】
また、第6の本発明は、前記搬送機構は、バレル内に設けたスクリュー軸である第1の本発明の抽出装置である。
【0017】
また、第7の本発明は、前記昇圧機構は、前記スクリュー軸に設けた昇圧機構であって、シールリングまたは逆送りスクリューエレメントまたは逆送りニーディングディスクにより構成される第6の本発明の抽出装置である。
【0018】
また、第8の本発明は、前記混和機構は、前記スクリュー軸に設けた混和機構であって、ニーディングディスク部またはミキシングディスク部により構成される第6の本発明の抽出装置である。
【0019】
また、第9の本発明は、前記搬送機構による動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして、前記動植物材料供給部と前記廃材料排出口の間に、前記抽剤排出機構と、前記混和機構と、前記抽剤注入機構と、前記逆流機構との組が複数回配列される第4の本発明の抽出装置である。
【0020】
また、第10の本発明は、下流側の組にある前記抽剤排出機構からの排出抽剤を含む液体を、より上流側の組にある前記抽剤注入機構に抽剤として送液する抽剤再送液機構を有する第9の本発明の抽出装置である。
【0021】
また、第11の本発明は、前記動植物材料供給部自体に、又は前記動植物材料供給部と前記抽剤排出機構の間に設置され、結着剤を投入する結着剤投入部を更に備えた第1の本発明の抽出装置である。
【0022】
また、第12の本発明は、第1の本は発明の抽出装置を用いて、動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する方法であって、動物又は植物を含む材料を所定の方向へ搬送する搬送工程と、前記動物又は植物を含む材料を前記搬送機構へ供給する動植物材料供給工程と、前記動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入工程と、前記抽剤を逆流させ前記動物又は植物を含む材料と前記抽剤を接触させる工程と、前記動物又は植物を含む材料中の有効成分が抽出された前記抽剤を排出する抽剤排出工程と、有効成分が抽出された後の前記動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出工程とを備えた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して発明の実施の形態について説明を行う。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による抽出装置の概略全体構成図である。
【0025】
本実施の形態1の抽出装置は、バレル1を有している。バレル1内には、動物又は植物を含む材料を搬送する一対のスクリュー軸2が並列して収納されている。また、それぞれの軸には、順送りスクリューエレメント3が固定されている。これら順送りスクリューエレメント3は、同方向に回転可能かつ互いに軸方向において外径部がかみ合うように併設されている。この順送りスクリューエレメント3のスクリュー方向に従って動物又は植物を含む材料が搬送される。順送りスクリューエレメント3に動物又は植物を含む材料を供給する動植物材料供給口4がバレル1の上部に開けられている。スクリュー軸2による動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして、動植物材料供給口4の下流側に、抽剤を排出するための抽剤排出口5がバレル1上部に開けられている。なお、抽剤排出口5には抽剤をバレル1外へ誘導するための配管が設置されている。
【0026】
また、抽剤排出口5の下流側に、動物又は植物を含む材料と抽剤とをよりよく混和するためのニーディングディスク部6がスクリュー軸2に設けられている。ニーディングディスク部6の下流側に、前記動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入口7がバレル1上部に開けられている。また、抽剤注入口7には、ギアポンプを用いて抽剤が注入できるための配管が接続されている。さらに、抽剤注入口7の下流側に、抽剤を搬送方向に対して逆流させる逆送りスクリューエレメント8がスクリュー軸2に設けられている。逆送りスクリューエレメント8の下流側でスクリュー軸2の先端に、有効成分が抽出された後の前記動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出口9がバレル1に開けられている。
【0027】
また、図2は、ニーディングディスク部6の軸断面図である。図に示すように、ニーディングディスク部6は軸に設けられた断面がフットボール形状である板であり、ニーディングディスクを多段に組み合わせて構成されている。また、両軸に設けられたディスクの長軸方向が直交するように組み合わされ、両ディスクは常時外周が接触する。両ディスクの外周が常時接触することによって、セルフクリーニング機能を有する。
【0028】
ここで、順送りスクリューエレメント3の回転方向である右回りに対して、動物又は植物を含む材料と抽剤の流れを乱すことにより混和を行う。なお動物又は植物を含む材料の搬送方向は、紙面垂直方向であって手前向きである。
【0029】
また、有効成分が抽出される動物又は植物を含む材料としては、例えば米、麦、そば、トウモロコシ及びそれらの焙焼物等の穀類;さつまいも、里芋、じゃがいも等のいも類;上白糖、黒砂糖、和三盆糖、水飴、蜂蜜、メープルシロップ等の甘味料;醤油、食酢、ソース、みりん等の調味料類;ペパーミント、クローブ、シナモン、山椒、わさび、唐辛子、バジル、バニラビーンズ、ブラックペパー等のハーブ類またはスパイス類;緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶類;焙煎コーヒー、ココア、アルコール飲料等の嗜好飲料類;ミルク、バター、チーズ、ヨーグルト、発酵乳等の乳類;鰹節、鯖節、煮干し、するめ、干し鮑、帆立煮干し、海老、蟹類などの魚介類及びそれらの乾燥物または加工品;卵類またはそれらの調理加工品;いちご、オレンジ、梅、レモン、グレープフルーツ、すいか、梨、パイナップル、バナナ、ぶどう、パパイヤ、マンゴー、メロン、桃、りんご、柚子等の果実類またはそれらの加工品;椎茸、松茸、しめじ、まいたけ、マッシュルーム等のきのこ類;アスパラガス、キャベツ、かぼちゃ、きゅうり、紫蘇、春菊、しょうが、ニンニク、玉葱、セロリー、大根、たけのこ、唐辛子、ピーマン、トマト、ニラ、人参、ネギ、白菜、パセリ、ブロッコリー、ホースラディッシュ、三つ葉、茗荷、モヤシ、わさび等の野菜類;牛肉、鶏肉、豚肉等の獣、鳥肉類およびそれらの加工品;カレー、ハンバーグ等の調理加工食品;オリーブ油、ゴマ油、落花生油、牛脂、豚脂等の油脂類;あおさ、あおのり、昆布、わかめ等の藻類;アーモンド、ピーナッツ、ココナッツ、栗、ゴマなどの種実類;小豆、大豆等の豆類;あんこ、米菓等菓子類等々の飲食品およびそれらの様々な形態の加工品を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また上記のものから1次処理された残渣を対象としてもよく、これらの動物又は植物を含む原材料は数ミリ程度に破砕した状態を用いることができる。
【0030】
また、抽剤としては、酸性または中性あるいは塩基性に調製された水、各種アルコールを含む有機溶剤を特に制限なく用いることができる。抽出したい成分に応じて適宜選択すればよい。但し、抽出した成分を濃縮する必要がある場合には、用いる抽剤の沸点は高くないことが好ましい。
【0031】
また、バレル1は、通常複数のバレルを直列に連結されてなり、予めバレルに加工してある開口部を封止したり、開口をそのまま利用して動植物材料供給口4の開口としたり、注液用の蓋を取り付けて抽剤注入口7としたりすることができる。
【0032】
以上のような構成の抽出装置を用いた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出方法を以下に説明する。
【0033】
動植物材料供給口4から供給された動物又は植物を含む材料は順送りスクリューエレメント3上に落下し、動植物材料供給口4から廃材料排出口9へ順送りスクリューエレメント3の回転によって搬送される。
【0034】
次に、抽剤は抽剤注入口7から注入され、逆送りスクリューエレメント8によってスクリュー軸2による搬送方向に対して逆流して抽剤排出口5に到達する。抽剤の注入に当たっては、ギアポンプなどを用いて送液し抽剤注入口7に接続することで達成できる。
【0035】
ここで、逆送りスクリューエレメント8は、順送りスクリューエレメント3とは逆方向のスクリュー形状のエレメントである。動物又は植物を含む材料の搬送能力はスクリューピッチやスクリュー深さで制御されるが、順送りスクリューエレメント3より小さく設定した搬送能力を有する逆送りスクリューエレメント8を設置することで、動物又は植物を含む材料の搬送を阻害することができ、昇圧機構として機能させることができる。流体は元来圧力の高いところから低いところへ流れるが流動性が低い固体の動物又は植物を含む材料の場合には順送りスクリューエレメント3によってより高圧側へ送ることができるが、抽剤は流動性が高いために動物又は植物を含む材料の隙間から低圧側へ漏れることになる。また、各逆送りスクリューエレメント8は、外径部がかみ合うように構成されセルフクリーニング機能を有する。
【0036】
前述したように、動植物材料供給口4より供給された動物又は植物を含む材料は、順送りスクリューエレメント3により所定の搬送方向へ搬送される。抽剤注入口7より注入された抽剤は逆送りスクリューエレメント8によって、前記搬送方向に対して逆流するので、動物又は植物を含む材料と抽剤は接触する。
【0037】
続いて、スクリュー軸2に設けたニーディングディスク部6によって、動物又は植物を含む材料の搬送の流れを乱すことにより、抽剤との接触機会が増加し、有効成分の抽出が促進する。
【0038】
次に、動物又は植物を含む材料と抽剤が混和されることにより、動物又は植物を含む材料から有効成分が抽出された抽剤は、前記搬送方向に対して逆流しながら、抽剤排出口5から抽剤をバレル1外へ誘導するための配管を通じて排出される。
【0039】
なお、有効成分を抽出するため必要に応じてバレル1から加熱が行われてもよい。
【0040】
最後に、有効成分を抽出された動物又は植物を含む材料の廃材料を棒状やフィルム上の断面形状で廃材料排出口8から、排出する。
【0041】
なお、本実施の形態1では、本発明の搬送機構は、一対のスクリュー軸2と順送りスクリューエレメント3から構成されているが、スクリュー軸2は一本でもよく、又2対以上でもよく、要するに動物又は植物を含む材料を搬送する搬送機構であればよい。ただし、本実施の形態1のように試料の付着残存による劣化などを防ぐために互いに軸方向において外径部がかみ合うように構成され、セルフクリーニング機能を付与することがより好ましい。
【0042】
また、本実施の形態1では、本発明の動植物材料供給部は、バレル1の上部に開けられている動植物材料供給口4に相当するが、バレル1の側面に設けられていてもよく、搬送機構に動物又は植物を含む材料を供給出来さえすればよい。
【0043】
また、本実施の形態1では、本発明の抽剤排出機構は、バレル1上部に開けられた抽剤排出口5と抽剤をバレル1外へ誘導するための配管から構成されているが、抽剤排出口5は側面や下方にあって、スリットなどで動物又は植物を含む材料がバレル1外へ漏れることを防止していてもよく、要するに動物又は植物を含む材料から抽出された有効成分を含む抽剤を排出できさえすればよい。
【0044】
また、本実施の形態1では、本発明の混和機構を有し、ニーディングディスク部6に相当するが、混和機構を有しなくてもよい。しかし、ニーディングディスク部6を備えずに順送りスクリューエレメント3だけで構成するとスクリュー溝に収まって搬送される動物又は植物を含む材料と、順送りスクリューエレメント3とバレル1の間を漏れ送られる抽剤の接触機会が少なくなるため、混和機構を設ける方が好ましい。また、混和機構は後述するミキシングディスク部であってもよく、要するに被抽出対象物である動物又は植物を含む材料と抽剤の接触を有効に行うために混和が出来さえすればよい。
【0045】
図3に、ミキシングディスク部の側面図を示す。図に示したようにミキシングディスク部は、順送りスクリューエレメント3の外周の一部が切りかかれた構造をしており、この切り欠き部13を通じてピッチ間の搬送物の逆流や混合が促進されるのである。
【0046】
なお、本実施の形態1では、本発明の抽剤注入機構は、抽剤注入口7と抽剤を送液するギアポンプと配管に相当するが、抽剤注入口7はバレル1側面に開けられていてもよく、要するに抽剤を注入できる機構であればよい。また、抽剤注入口7はニーディングディスク部6と逆送りスクリューエレメント8の間に設置されているが、動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして逆送りスクリューエレメント8の上流側であればよく、また、動植物材料供給口4と兼ねていてもよい。
【0047】
なお、本実施の形態1では、本発明の逆流機構である昇圧機構は逆送りスクリューエレメント8に相当するが、バレル1内に設けたスクリーンメッシュなどを用いてもよく、またスクリュー軸2に設けた昇圧機構として、後述するシールリング14または逆送りニーディングディスクを用いてもよく、要するに抽剤が前記搬送方向に対して逆流しさえすればよい。
【0048】
ここで、バレル1内にスクリーンメッシュなどの昇圧機構を設けるよりも、スクリュー軸2に昇圧機構を設けたほうが好ましい。これは、昇圧機構をスクリュー軸2に設けることにより、バレル1内やスクリュー軸2の洗浄がスクリーンメッシュをバレル1内に設けた場合やスクリーンチャンジャなどを押出流路に設けた場合に比べて容易になるとともに、スクリーンメッシュなどへの閉塞物の付着による昇圧程度の変化などが起こりにくく安定に稼動させることができる。
【0049】
また、図4にシールリング14の軸断面の図を、図5にシールリング14の側面図を示す。
【0050】
図に示すように、シールリング14は、バレル1内の軸断面を閉鎖するような円板状でありスクリュー軸1に円板の平面が垂直になるよう設置されている。また、一方のスクリュー軸に設けられたシールリング14は、他方のスクリュー軸のシールリング14と平面同士が接触するように配置される。この接触部分によって、セルフクリーニング機能を有する。なお、各々のシールリング14には平面から側面に向かって搬送方向の上流側の平面や下流側の平面に、あるいは両平面にテーパ16を設けてあってもよい。
【0051】
また、図5に示すように、各シールリング14の外径とバレル1の内径の間には、隙間15が形成されている。このシールリング14の外径とバレル1の内径の隙間15と、各シールリング14間の隙間やテーパ16部分によって形成されるリング間隙間15が動物又は植物を含む材料の流路となり、これらが上流側の順送りスクリューエレメント3部分での流路より小さく設定することで流れが阻害され、昇圧機構として機能させることができる。
【0052】
また、図2にニーディングディスク部の軸断面図を示したが、昇圧機構として作用する逆送りニーディングディスクは、下流側11のニーディングディスクと上流側10のニーディングディスクとのねじれ角12が90度以上となっている。この場合、動物又は植物を含む材料を搬送する向きが逆になり全体として搬送能力が低下し、昇圧機構として作用する。なお動物又は植物を含む材料の搬送方向は、紙面垂直方向であって手前向きである。
【0053】
また、注入された抽剤が抽剤排出口5を超えて動植物材料供給口4側まで搬送方向とは逆方向に流れることを防止するために、動植物材料供給口4と抽剤排出口5の間にマテリアルシールを設けてもよい。ここで、マテリアルシートとは、スクリュー軸2にシールリングやニーディングディスクと逆送りスクリューエレメントの組合せを設けることにより、動物又は植物を含む材料が搬送され難くなり、動物又は植物を含む材料によって固体充填密度が高い部分が形成されたものである。
【0054】
また、更に詳しく本実施の形態1における例を以下に示す。
【0055】
図1に示す順送りスクリューエレメント3はスクリュー径25mmのスクリューを用い、動物又は植物を含む材料として3mm角程度に破砕したみかんの皮を時間当たり3kg供給した。また、抽剤として石油ベンジン抽剤を時間当たり9kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
【0056】
排出された抽剤の分析を行ったところ、L−リモネンを約0.5wt%含有していることがわかった。
【0057】
なお、さらに昇圧機構を図4に示すシールディスクで構成した場合、図2に示したようなねじれ角12が120度の逆送りニーディングディスクで構成した場合についても実施したところ同様の結果が得られた。
【0058】
(実施の形態2)
本実施の形態は、基本的な構成および作用は実施の形態1と同じであるが、同一量の抽剤を使用する場合に、その一部を一旦注入して抽出排出し、残りの抽剤を注入して抽出排出する機構を有する。したがって、この相違点を中心に説明をする。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一番号を付与している。
【0059】
図6は、本発明の実施の形態2による抽出装置の概略全体構成図である。
【0060】
本実施の形態2の抽出装置は、バレル1を有している。バレル1内には、動物又は植物を含む材料を搬送する一対のスクリュー軸2が収納されており、これらスクリュー軸2には順送りスクリューエレメント3が同方向に回転可能かつ互いに軸方向において外径部がかみ合うように併設されている。この順送りスクリューエレメント3のスクリュー方向に従って動物又は植物を含む材料が搬送される。順送りスクリューエレメント3に動物又は植物を含む材料を供給する、動植物材料供給口4がバレル1の上部に開けられている。スクリュー軸2による動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして、動植物材料供給口4の下流側に抽剤排出口5がバレル1上部に開けられている。
【0061】
また、抽剤排出口5の下流側にニーディングディスク部6がスクリュー軸2に設けられている。ニーディングディスク部6の下流側に動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入口7がバレル1上部に開けられている。さらに、抽剤注入口7の下流側に前記抽剤を前記搬送方向に対して逆流させるシールリング14がスクリュー軸2に設けられている。
【0062】
ここで、搬送方向に対して上流側から下流側に順に設置された抽剤排出口5とニーディングディスク部6と抽剤注入口7とシールリング14の組を前記シールリング14の下流側に更に一組設置する。下流側のシールリング14の下流側にはスクリュー軸2の先端に有効成分が抽出された後の動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出口9がバレル1に開けられている。
【0063】
以上のような構成の抽出装置を用いた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出方法を以下に説明する。
【0064】
動物又は植物を含む材料が動植物材料供給口4から順送りスクリューエレメント3に供給され、所定の方向へ搬送される。続いて、上流側の組の抽剤注入口7より一部の抽剤が注入される。注入された抽剤が上流側の組のシールリング14によって搬送方向に対して逆流する。
【0065】
なお、シールリング14は実施の形態1の図4にて示したように、各シールリング14の外径とバレル1内径の隙間15を順送りスクリューエレメント3部分での流路より、小さく設定することにより昇圧機構として機能するものである。
【0066】
次に、動物又は植物を含む材料と抽剤が接触し、上流側の組のニーディングディスク部6によってより混練され、動物又は植物を含む材料から抽剤に有効成分が抽出される。有効成分を含む抽剤は、上流側の組の抽剤排出口5より排出される。
【0067】
続いて、上流側の組によって抽剤が抽出された動物又は植物を含む材料は、下流側の組に搬送される。下流側の組の抽剤注入口7から残りの抽剤を注入する。動物又は植物を含む材料は上流側の組と同様の作用を下流側の組でうけ、下流側の組の抽剤排出口5より有効成分を含む抽剤が排出される。すなわち実施の形態1と同一量の抽剤を使用する際に、抽剤を上流側の組の抽剤注入口7と下流側の組の抽剤注入口7とに分けて注入する。
【0068】
ここで、抽出操作は、動物又は植物を含む材料に含まれる有効成分の抽剤への拡散現象を利用するものであるので、抽剤の注入量が大きいほど抽出能力は高くなると考えられるが、実際にはニーディングディスク部6による混練をバレル内で行っていても動物又は植物を含む材料と抽剤の接触効率が、低下するので注入量を多くしたことに見合うほどの抽出を実現することが出来ない。しかし、複数回の抽剤の注入排出機構で構成することにより動物又は植物を含む材料と抽剤との接触効率が増し、抽剤使用量に対する抽出効率を向上することが出来、経済的な運転を実現することができる。
【0069】
最後に、有効成分を抽出された動物又は植物を含む材料を廃材料排出口9より排出する。
【0070】
本発明の抽剤排出機構は、バレル1上部に開けられた抽剤排出口5と抽剤をバレル1外へ誘導するための配管から構成され、抽剤注入機構は、抽剤注入口7と抽剤を送液するギアポンプと配管から構成されている。
【0071】
なお、本発明の抽剤排出機構と混和機構と抽剤注入機構と逆流機構との組は、抽剤排出口5と抽剤排出口5に接続された配管とニーディングディスク部6と抽剤注入口7と抽剤注入口7に接続された配管及びギアポンプとシールリング14との組に相当する。また、本実施の形態2では、2つの組で構成されていたが3つ以上有していてもよく、各組で使用される抽剤が同一でなくてもよい。
【0072】
また、更に詳しく本実施の形態2における例を以下に示す。
【0073】
本実施の形態2において、図6に示す順送りスクリューエレメント3はスクリュー径25mmのスクリューを用いた。また動物又は植物を含む材料として3mm角程度に破砕したみかんの皮を時間当たり3kg供給し、抽剤として石油ベンジン抽剤を時間当たり9kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。石油ベンジン抽剤は搬送方向を基準にして上流側と下流側の2つの抽剤注入口7に対して4.5kg/時間ずつに分けて供給した。
【0074】
排出された抽剤の分析を行ったところ、L−リモネンを約0.8wt%含有していることがわかった。
【0075】
なお、さらに昇圧機構には逆送りスクリューエレメント8を用いて実施すると同様の結果が得られた。
【0076】
なお、有効成分が抽出される動物又は植物を含む材料としては、実施の形態1で例示した、米、麦等を挙げることができる。
【0077】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3による抽出装置の概略全体構成図である。
【0078】
本実施の形態は、基本的な構成および作用は実施の形態2と同じであるが、図に示すように、搬送方向を基準として下流側の組の抽剤排出口5からの排出抽剤を含む液体を貯める貯液層18と、貯液層18から上流側の組の抽剤注入口7へ抽剤として送液するポンプ17とを有する。なお、実施の形態2と同一の構成要素には同一番号を付与している。
【0079】
以上のような構成の抽出装置を用いた作用効果を以下に示す。
【0080】
下流側の組で排出される抽剤中の有効成分濃度は、上流側の組で排出される抽剤中の有効成分濃度より大幅に小さいので、下流側の組で排出される抽剤を貯液層18に貯め、ポンプ17にて上流側の組での注入抽剤として送液し利用しても、ほぼ同等の抽出効率を得ることが出来、抽剤使用量に対する抽出効率が向上し経済的な運転を実現できる。
【0081】
なお、実施の形態2で前述したように、抽剤排出口5とニーディングディスク部6と抽剤注入口7とシールリング14との組を複数回備えていてもよい。
【0082】
また、本発明の抽剤再送液機構は、本実施の形態3では、ポンプ17と貯液層18から構成されるが、ポンプ17と貯液層18とを複数備えていてもよく、要するに下流側の組の抽剤排出口5から排出された抽剤をより上流側の組の抽剤注入口7へ抽剤として送液すればよい。
【0083】
また、更に詳しく本実施の形態3における例を以下に示す。
【0084】
本実施の形態3において、図7に示す順送りスクリューエレメント3はスクリュー径25mmのスクリューを用いた。動物又は植物を含む材料として3mm角程度に破砕したみかんの皮を時間当たり3kg供給し、抽剤として石油ベンジン抽剤を時間当たり4.5kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。石油ベンジン抽剤は下流側の組の抽剤注入口7に対して4.5kg/時間ずつ注入し、下流側の抽剤排出口5からの排出液を貯める貯液層18と、抽剤を送液するポンプ17を用いて、上流側の組の抽剤注入口7に送液した。
【0085】
上流側の組の抽剤排出口5から排出された抽剤の分析を行ったところ、L−リモネンを約0.7wt%含有していることがわかった。
【0086】
なお、有効成分が抽出される動物又は植物を含む材料としては、実施の形態1で例示した、米、麦等を挙げることができる。
【0087】
(実施の形態4)
本実施の形態4は、基本的な構成および作用は実施の形態1と同じであるが、図1の動植物材料供給口4より、動物又は植物を含む材料以外に結着剤を投入する。
【0088】
本実施の形態4の作用効果を以下に示す。
【0089】
有効成分を含む動物又は植物を含む材料が粒状でまとまりがない場合には、抽剤排出口5から、これら動物又は植物を含む材料が混入して排出されることが起こりうる。このような場合には、動物又は植物を含む材料以外に結着剤を投入することによって、結着剤により動物又は植物を含む材料が固められ、抽剤排出口5からの動物又は植物を含む材料の流出を防止することが出来る。
【0090】
また、このような結着剤としては、抽出操作温度よりも低いガラス転移温度を有する高分子組成物であって抽剤に溶解しないものを好適に使用することが出来る。例えば、抽剤が水である場合には、ポリ酢酸ビニルやポリブタジエンなどを用いることが出来る。逆に抽剤が石油ベンジンやケトン溶剤である場合には、ポリビニルアルコールやでんぷんを用いることが出来る。
【0091】
なお、これら結着剤の投入量は、動物又は植物を含む材料100重量部に対して、0重量部以上50重量部以下、より好ましくは1重量部以上20重量部以下である。これら結着剤の投入比率が高くなると、被抽出物である動物又は植物を含む材料の表面が結着剤により被覆され、抽出効率が低下する恐れがあるためである。
【0092】
また、本実施の形態4では、本発明における結着剤投入部は、動植物材料供給口4と兼ねられているが、動植物材料供給口4と抽剤排出口5の間に設けてもよい。
【0093】
また、更に詳しく本実施の形態4における例を以下に示す。
【0094】
本実施の形態4において、図1に示す順送りスクリューエレメント3はスクリュー径25mmのスクリューを用いた。また、動物又は植物を含む材料としてごま、結着樹脂として糊化でんぷん(含水率50重量%)を用い、各々時間当たり3kgと0.5kgを供給した。抽剤としては石油ベンジンを時間当たり9kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
【0095】
抽剤排出口5から排出された抽剤の分析を行ったところ、ごま油成分を1.3wt%含有していることがわかった。また、排出された抽剤には固体のごまやごまの粉末は存在しなかった。
【0096】
また、実施の形態4の比較例を以下に述べる。
【0097】
実施の形態4と同様な構成の抽出装置に、動物又は植物を含む材料としてごまを、抽剤として石油ベンジンを各々時間当たり3kgと9kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
【0098】
抽剤排出口5から排出された抽剤の分析を行ったところ、ごま油成分を1.3wt%含有していることがわかったが、排出された抽剤にごまの粉末が存在したため、ろ過などの操作が必要であった。
【0099】
なお、有効成分が抽出される動物又は植物を含む材料としては、実施の形態1で例示した、米、麦等を挙げることができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明によれば、多軸スクリュー押出機の技術を応用した動物又は植物を含む材料に含有される有効成分を溶剤により抽出する抽出装置、特に抽出操作を行う上でなるべく少量の溶剤の使用量で高い抽出率を実現する多軸スクリューを有数する抽出措置とこれを用いた抽出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する抽出装置の概略全体構成図。
【図2】ニーディングディスク部6の軸断面図。
【図3】ミキシングディスク部の側面図。
【図4】シールリング14の軸断面図。
【図5】シールリング14の側面図。
【図6】本発明の実施の形態2における動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する抽出装置の概略全体構成図。
【図7】本発明の実施の形態3における動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する抽出装置の概略全体構成図。
【符号の説明】
1バレル
2スクリュー軸
3順送りスクリューエレメント
4動植物材料供給口
5抽剤排出口
6ニーディングディスク部
7抽剤注入口
8逆送りスクリューエレメント
9廃材料排出口
10下流側
11上流側
12ねじれ角
13切り欠き部
14シールリング
15隙間
16テーパ
17ポンプ
18貯液層
【発明の属する技術分野】
本発明は動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置及び抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体からの一部成分の抽出装置としては、混和性のない別の液体を向流で揺動しながら接触抽出する往復回転式抽出塔などが、固体からの低分子成分の抽出装置としては、ソクスレー抽出装置などが存在する。
【0003】
また、天然動植物からの有効成分の抽出方法として、例えば、気液向流接触装置を利用して香気成分を回収する方法や、固体植物材料である多糖類含有植物材料の固定床を通して抽出流体を通過させて、植物材料から多糖類を加水分解すると同時に抽出し、そして残部の固体植物材料から多糖類含有溶液を分離する可溶性多糖類の抽出方法などが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
一方、二軸スクリュー押出機を用いた材料からの揮発成分の除去(脱揮)として、含水プラスチック原料に適用する二軸脱水押出機などが提案されている。また、二軸スクリュー押出機や多軸スクリュー押出機を用い、溶融原料に他の液体やスラリーなどの反応材料をさらに注入混合してバレル内で化学反応を進行させながら押出を行う反応押出技術も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−48702号公報
【特許文献2】
特開2001−322154号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、焙煎コーヒー、緑茶、鰹節などの動植物原料から回収香を採取するには水蒸気蒸留(常圧または減圧)を行うのが一般的であった。しかしながら水蒸気蒸留は長時間を要するため香気成分の熱による劣化が激しく、これら動植物原料が本来有している新鮮な香気を変化させることなく効率的に回収することは困難であった。
【0007】
また、このような課題を解決するために、予め動植物組織を液状又はスラリー状としたものを液液向流接触装置や気液向流接触装置に投入し、下方から抽剤として低比重の溶剤や蒸気を送り込み、有効成分を抽剤とともに上方から回収する方法も知られている。
【0008】
しかし、上記のように液体同士または液体と気体接触操作により抽出操作を実施しようとすると、液体同士の接触操作では、両者が混和することを防止するために、被抽出物との混和性が小さい溶剤を抽剤として用いたり、液体間の界面を保持できるように液体間の相対速度が低速である操作を行う必要があり、結果、抽出量や抽出速度といった抽出性能において不満が残る。気液接触の場合には、両者の界面の破壊に配慮する必要がないので抽出速度は高くなるが、抽出成分を気体として回収する必要があるので、結果、沸点が低い成分あるいは蒸気圧が高い成分だけが優先的に抽出されることとなり、必ずしも動植物組織からの有効成分を効率よく抽出を行うことができない。
【0009】
一方、従来の二軸スクリュー押出機の分野では、原料に残存する少量の揮発成分の除去という観点で実施され、真空ポンプで揮発させて除去する(ベントする)ことが行われてきたが、有効成分の中には蒸気圧が非常に低いために揮発抽出できないものが多く存在し、脱揮技術だけでは対処できない。すなわち、動植物組織から有効成分の抽出を実施するために二軸スクリュー押出技術を利用するという例は知られていない。
【0010】
本発明は、上記の従来の動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置及び抽出方法の課題を考慮し、多軸スクリュー押出機の技術を応用した動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置と抽出方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、動物又は植物を含む材料を所定の方向へ搬送する搬送機構と、前記動物又は植物を含む材料を前記搬送機構へ供給する動植物材料供給部と、前記動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入機構と、前記動物又は植物を含む材料を搬送する搬送方向を基準にして前記動植物材料供給部より下流側に設けられ、前記抽剤を前記搬送方向に対して逆流させる逆流機構と、前記動植物材料供給部と逆流機構の間に設けられ、前記動物又は植物を含む材料中の有効成分が抽出された前記抽剤を排出する抽剤排出機構と、前記搬送方向を基準にして前記逆流機構よりも下流側に設けられ、有効成分が抽出された後の前記動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出口とを備えた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置である。
【0012】
また、第2の本発明は、前記抽剤注入機構は、前記抽剤排出機構と前記逆流機構の間に設けられている第1の本発明の抽出装置である。
【0013】
また、第3の本発明は、前記抽剤注入機構は、前記動植物材料供給部と兼ねられている第1の本発明の抽出装置である。
【0014】
また、第4の本発明は、前記抽剤注入機構と前記抽剤排出機構の間に設けられ、前記動物又は植物を含む材料と前記抽剤とをよりよく混和させる混和機構を更に備えた第2の本発明の抽出装置である。
【0015】
また、第5の本発明は、前記逆流機構は、当該機構部の圧力を高めることにより、前記逆流機構部より上流側の圧力が低くなり抽剤が逆流し前記動物又は植物を含む材料と接触させる昇圧機構である第1の本発明の抽出装置である。
【0016】
また、第6の本発明は、前記搬送機構は、バレル内に設けたスクリュー軸である第1の本発明の抽出装置である。
【0017】
また、第7の本発明は、前記昇圧機構は、前記スクリュー軸に設けた昇圧機構であって、シールリングまたは逆送りスクリューエレメントまたは逆送りニーディングディスクにより構成される第6の本発明の抽出装置である。
【0018】
また、第8の本発明は、前記混和機構は、前記スクリュー軸に設けた混和機構であって、ニーディングディスク部またはミキシングディスク部により構成される第6の本発明の抽出装置である。
【0019】
また、第9の本発明は、前記搬送機構による動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして、前記動植物材料供給部と前記廃材料排出口の間に、前記抽剤排出機構と、前記混和機構と、前記抽剤注入機構と、前記逆流機構との組が複数回配列される第4の本発明の抽出装置である。
【0020】
また、第10の本発明は、下流側の組にある前記抽剤排出機構からの排出抽剤を含む液体を、より上流側の組にある前記抽剤注入機構に抽剤として送液する抽剤再送液機構を有する第9の本発明の抽出装置である。
【0021】
また、第11の本発明は、前記動植物材料供給部自体に、又は前記動植物材料供給部と前記抽剤排出機構の間に設置され、結着剤を投入する結着剤投入部を更に備えた第1の本発明の抽出装置である。
【0022】
また、第12の本発明は、第1の本は発明の抽出装置を用いて、動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する方法であって、動物又は植物を含む材料を所定の方向へ搬送する搬送工程と、前記動物又は植物を含む材料を前記搬送機構へ供給する動植物材料供給工程と、前記動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入工程と、前記抽剤を逆流させ前記動物又は植物を含む材料と前記抽剤を接触させる工程と、前記動物又は植物を含む材料中の有効成分が抽出された前記抽剤を排出する抽剤排出工程と、有効成分が抽出された後の前記動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出工程とを備えた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して発明の実施の形態について説明を行う。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による抽出装置の概略全体構成図である。
【0025】
本実施の形態1の抽出装置は、バレル1を有している。バレル1内には、動物又は植物を含む材料を搬送する一対のスクリュー軸2が並列して収納されている。また、それぞれの軸には、順送りスクリューエレメント3が固定されている。これら順送りスクリューエレメント3は、同方向に回転可能かつ互いに軸方向において外径部がかみ合うように併設されている。この順送りスクリューエレメント3のスクリュー方向に従って動物又は植物を含む材料が搬送される。順送りスクリューエレメント3に動物又は植物を含む材料を供給する動植物材料供給口4がバレル1の上部に開けられている。スクリュー軸2による動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして、動植物材料供給口4の下流側に、抽剤を排出するための抽剤排出口5がバレル1上部に開けられている。なお、抽剤排出口5には抽剤をバレル1外へ誘導するための配管が設置されている。
【0026】
また、抽剤排出口5の下流側に、動物又は植物を含む材料と抽剤とをよりよく混和するためのニーディングディスク部6がスクリュー軸2に設けられている。ニーディングディスク部6の下流側に、前記動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入口7がバレル1上部に開けられている。また、抽剤注入口7には、ギアポンプを用いて抽剤が注入できるための配管が接続されている。さらに、抽剤注入口7の下流側に、抽剤を搬送方向に対して逆流させる逆送りスクリューエレメント8がスクリュー軸2に設けられている。逆送りスクリューエレメント8の下流側でスクリュー軸2の先端に、有効成分が抽出された後の前記動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出口9がバレル1に開けられている。
【0027】
また、図2は、ニーディングディスク部6の軸断面図である。図に示すように、ニーディングディスク部6は軸に設けられた断面がフットボール形状である板であり、ニーディングディスクを多段に組み合わせて構成されている。また、両軸に設けられたディスクの長軸方向が直交するように組み合わされ、両ディスクは常時外周が接触する。両ディスクの外周が常時接触することによって、セルフクリーニング機能を有する。
【0028】
ここで、順送りスクリューエレメント3の回転方向である右回りに対して、動物又は植物を含む材料と抽剤の流れを乱すことにより混和を行う。なお動物又は植物を含む材料の搬送方向は、紙面垂直方向であって手前向きである。
【0029】
また、有効成分が抽出される動物又は植物を含む材料としては、例えば米、麦、そば、トウモロコシ及びそれらの焙焼物等の穀類;さつまいも、里芋、じゃがいも等のいも類;上白糖、黒砂糖、和三盆糖、水飴、蜂蜜、メープルシロップ等の甘味料;醤油、食酢、ソース、みりん等の調味料類;ペパーミント、クローブ、シナモン、山椒、わさび、唐辛子、バジル、バニラビーンズ、ブラックペパー等のハーブ類またはスパイス類;緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶類;焙煎コーヒー、ココア、アルコール飲料等の嗜好飲料類;ミルク、バター、チーズ、ヨーグルト、発酵乳等の乳類;鰹節、鯖節、煮干し、するめ、干し鮑、帆立煮干し、海老、蟹類などの魚介類及びそれらの乾燥物または加工品;卵類またはそれらの調理加工品;いちご、オレンジ、梅、レモン、グレープフルーツ、すいか、梨、パイナップル、バナナ、ぶどう、パパイヤ、マンゴー、メロン、桃、りんご、柚子等の果実類またはそれらの加工品;椎茸、松茸、しめじ、まいたけ、マッシュルーム等のきのこ類;アスパラガス、キャベツ、かぼちゃ、きゅうり、紫蘇、春菊、しょうが、ニンニク、玉葱、セロリー、大根、たけのこ、唐辛子、ピーマン、トマト、ニラ、人参、ネギ、白菜、パセリ、ブロッコリー、ホースラディッシュ、三つ葉、茗荷、モヤシ、わさび等の野菜類;牛肉、鶏肉、豚肉等の獣、鳥肉類およびそれらの加工品;カレー、ハンバーグ等の調理加工食品;オリーブ油、ゴマ油、落花生油、牛脂、豚脂等の油脂類;あおさ、あおのり、昆布、わかめ等の藻類;アーモンド、ピーナッツ、ココナッツ、栗、ゴマなどの種実類;小豆、大豆等の豆類;あんこ、米菓等菓子類等々の飲食品およびそれらの様々な形態の加工品を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また上記のものから1次処理された残渣を対象としてもよく、これらの動物又は植物を含む原材料は数ミリ程度に破砕した状態を用いることができる。
【0030】
また、抽剤としては、酸性または中性あるいは塩基性に調製された水、各種アルコールを含む有機溶剤を特に制限なく用いることができる。抽出したい成分に応じて適宜選択すればよい。但し、抽出した成分を濃縮する必要がある場合には、用いる抽剤の沸点は高くないことが好ましい。
【0031】
また、バレル1は、通常複数のバレルを直列に連結されてなり、予めバレルに加工してある開口部を封止したり、開口をそのまま利用して動植物材料供給口4の開口としたり、注液用の蓋を取り付けて抽剤注入口7としたりすることができる。
【0032】
以上のような構成の抽出装置を用いた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出方法を以下に説明する。
【0033】
動植物材料供給口4から供給された動物又は植物を含む材料は順送りスクリューエレメント3上に落下し、動植物材料供給口4から廃材料排出口9へ順送りスクリューエレメント3の回転によって搬送される。
【0034】
次に、抽剤は抽剤注入口7から注入され、逆送りスクリューエレメント8によってスクリュー軸2による搬送方向に対して逆流して抽剤排出口5に到達する。抽剤の注入に当たっては、ギアポンプなどを用いて送液し抽剤注入口7に接続することで達成できる。
【0035】
ここで、逆送りスクリューエレメント8は、順送りスクリューエレメント3とは逆方向のスクリュー形状のエレメントである。動物又は植物を含む材料の搬送能力はスクリューピッチやスクリュー深さで制御されるが、順送りスクリューエレメント3より小さく設定した搬送能力を有する逆送りスクリューエレメント8を設置することで、動物又は植物を含む材料の搬送を阻害することができ、昇圧機構として機能させることができる。流体は元来圧力の高いところから低いところへ流れるが流動性が低い固体の動物又は植物を含む材料の場合には順送りスクリューエレメント3によってより高圧側へ送ることができるが、抽剤は流動性が高いために動物又は植物を含む材料の隙間から低圧側へ漏れることになる。また、各逆送りスクリューエレメント8は、外径部がかみ合うように構成されセルフクリーニング機能を有する。
【0036】
前述したように、動植物材料供給口4より供給された動物又は植物を含む材料は、順送りスクリューエレメント3により所定の搬送方向へ搬送される。抽剤注入口7より注入された抽剤は逆送りスクリューエレメント8によって、前記搬送方向に対して逆流するので、動物又は植物を含む材料と抽剤は接触する。
【0037】
続いて、スクリュー軸2に設けたニーディングディスク部6によって、動物又は植物を含む材料の搬送の流れを乱すことにより、抽剤との接触機会が増加し、有効成分の抽出が促進する。
【0038】
次に、動物又は植物を含む材料と抽剤が混和されることにより、動物又は植物を含む材料から有効成分が抽出された抽剤は、前記搬送方向に対して逆流しながら、抽剤排出口5から抽剤をバレル1外へ誘導するための配管を通じて排出される。
【0039】
なお、有効成分を抽出するため必要に応じてバレル1から加熱が行われてもよい。
【0040】
最後に、有効成分を抽出された動物又は植物を含む材料の廃材料を棒状やフィルム上の断面形状で廃材料排出口8から、排出する。
【0041】
なお、本実施の形態1では、本発明の搬送機構は、一対のスクリュー軸2と順送りスクリューエレメント3から構成されているが、スクリュー軸2は一本でもよく、又2対以上でもよく、要するに動物又は植物を含む材料を搬送する搬送機構であればよい。ただし、本実施の形態1のように試料の付着残存による劣化などを防ぐために互いに軸方向において外径部がかみ合うように構成され、セルフクリーニング機能を付与することがより好ましい。
【0042】
また、本実施の形態1では、本発明の動植物材料供給部は、バレル1の上部に開けられている動植物材料供給口4に相当するが、バレル1の側面に設けられていてもよく、搬送機構に動物又は植物を含む材料を供給出来さえすればよい。
【0043】
また、本実施の形態1では、本発明の抽剤排出機構は、バレル1上部に開けられた抽剤排出口5と抽剤をバレル1外へ誘導するための配管から構成されているが、抽剤排出口5は側面や下方にあって、スリットなどで動物又は植物を含む材料がバレル1外へ漏れることを防止していてもよく、要するに動物又は植物を含む材料から抽出された有効成分を含む抽剤を排出できさえすればよい。
【0044】
また、本実施の形態1では、本発明の混和機構を有し、ニーディングディスク部6に相当するが、混和機構を有しなくてもよい。しかし、ニーディングディスク部6を備えずに順送りスクリューエレメント3だけで構成するとスクリュー溝に収まって搬送される動物又は植物を含む材料と、順送りスクリューエレメント3とバレル1の間を漏れ送られる抽剤の接触機会が少なくなるため、混和機構を設ける方が好ましい。また、混和機構は後述するミキシングディスク部であってもよく、要するに被抽出対象物である動物又は植物を含む材料と抽剤の接触を有効に行うために混和が出来さえすればよい。
【0045】
図3に、ミキシングディスク部の側面図を示す。図に示したようにミキシングディスク部は、順送りスクリューエレメント3の外周の一部が切りかかれた構造をしており、この切り欠き部13を通じてピッチ間の搬送物の逆流や混合が促進されるのである。
【0046】
なお、本実施の形態1では、本発明の抽剤注入機構は、抽剤注入口7と抽剤を送液するギアポンプと配管に相当するが、抽剤注入口7はバレル1側面に開けられていてもよく、要するに抽剤を注入できる機構であればよい。また、抽剤注入口7はニーディングディスク部6と逆送りスクリューエレメント8の間に設置されているが、動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして逆送りスクリューエレメント8の上流側であればよく、また、動植物材料供給口4と兼ねていてもよい。
【0047】
なお、本実施の形態1では、本発明の逆流機構である昇圧機構は逆送りスクリューエレメント8に相当するが、バレル1内に設けたスクリーンメッシュなどを用いてもよく、またスクリュー軸2に設けた昇圧機構として、後述するシールリング14または逆送りニーディングディスクを用いてもよく、要するに抽剤が前記搬送方向に対して逆流しさえすればよい。
【0048】
ここで、バレル1内にスクリーンメッシュなどの昇圧機構を設けるよりも、スクリュー軸2に昇圧機構を設けたほうが好ましい。これは、昇圧機構をスクリュー軸2に設けることにより、バレル1内やスクリュー軸2の洗浄がスクリーンメッシュをバレル1内に設けた場合やスクリーンチャンジャなどを押出流路に設けた場合に比べて容易になるとともに、スクリーンメッシュなどへの閉塞物の付着による昇圧程度の変化などが起こりにくく安定に稼動させることができる。
【0049】
また、図4にシールリング14の軸断面の図を、図5にシールリング14の側面図を示す。
【0050】
図に示すように、シールリング14は、バレル1内の軸断面を閉鎖するような円板状でありスクリュー軸1に円板の平面が垂直になるよう設置されている。また、一方のスクリュー軸に設けられたシールリング14は、他方のスクリュー軸のシールリング14と平面同士が接触するように配置される。この接触部分によって、セルフクリーニング機能を有する。なお、各々のシールリング14には平面から側面に向かって搬送方向の上流側の平面や下流側の平面に、あるいは両平面にテーパ16を設けてあってもよい。
【0051】
また、図5に示すように、各シールリング14の外径とバレル1の内径の間には、隙間15が形成されている。このシールリング14の外径とバレル1の内径の隙間15と、各シールリング14間の隙間やテーパ16部分によって形成されるリング間隙間15が動物又は植物を含む材料の流路となり、これらが上流側の順送りスクリューエレメント3部分での流路より小さく設定することで流れが阻害され、昇圧機構として機能させることができる。
【0052】
また、図2にニーディングディスク部の軸断面図を示したが、昇圧機構として作用する逆送りニーディングディスクは、下流側11のニーディングディスクと上流側10のニーディングディスクとのねじれ角12が90度以上となっている。この場合、動物又は植物を含む材料を搬送する向きが逆になり全体として搬送能力が低下し、昇圧機構として作用する。なお動物又は植物を含む材料の搬送方向は、紙面垂直方向であって手前向きである。
【0053】
また、注入された抽剤が抽剤排出口5を超えて動植物材料供給口4側まで搬送方向とは逆方向に流れることを防止するために、動植物材料供給口4と抽剤排出口5の間にマテリアルシールを設けてもよい。ここで、マテリアルシートとは、スクリュー軸2にシールリングやニーディングディスクと逆送りスクリューエレメントの組合せを設けることにより、動物又は植物を含む材料が搬送され難くなり、動物又は植物を含む材料によって固体充填密度が高い部分が形成されたものである。
【0054】
また、更に詳しく本実施の形態1における例を以下に示す。
【0055】
図1に示す順送りスクリューエレメント3はスクリュー径25mmのスクリューを用い、動物又は植物を含む材料として3mm角程度に破砕したみかんの皮を時間当たり3kg供給した。また、抽剤として石油ベンジン抽剤を時間当たり9kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
【0056】
排出された抽剤の分析を行ったところ、L−リモネンを約0.5wt%含有していることがわかった。
【0057】
なお、さらに昇圧機構を図4に示すシールディスクで構成した場合、図2に示したようなねじれ角12が120度の逆送りニーディングディスクで構成した場合についても実施したところ同様の結果が得られた。
【0058】
(実施の形態2)
本実施の形態は、基本的な構成および作用は実施の形態1と同じであるが、同一量の抽剤を使用する場合に、その一部を一旦注入して抽出排出し、残りの抽剤を注入して抽出排出する機構を有する。したがって、この相違点を中心に説明をする。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一番号を付与している。
【0059】
図6は、本発明の実施の形態2による抽出装置の概略全体構成図である。
【0060】
本実施の形態2の抽出装置は、バレル1を有している。バレル1内には、動物又は植物を含む材料を搬送する一対のスクリュー軸2が収納されており、これらスクリュー軸2には順送りスクリューエレメント3が同方向に回転可能かつ互いに軸方向において外径部がかみ合うように併設されている。この順送りスクリューエレメント3のスクリュー方向に従って動物又は植物を含む材料が搬送される。順送りスクリューエレメント3に動物又は植物を含む材料を供給する、動植物材料供給口4がバレル1の上部に開けられている。スクリュー軸2による動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして、動植物材料供給口4の下流側に抽剤排出口5がバレル1上部に開けられている。
【0061】
また、抽剤排出口5の下流側にニーディングディスク部6がスクリュー軸2に設けられている。ニーディングディスク部6の下流側に動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入口7がバレル1上部に開けられている。さらに、抽剤注入口7の下流側に前記抽剤を前記搬送方向に対して逆流させるシールリング14がスクリュー軸2に設けられている。
【0062】
ここで、搬送方向に対して上流側から下流側に順に設置された抽剤排出口5とニーディングディスク部6と抽剤注入口7とシールリング14の組を前記シールリング14の下流側に更に一組設置する。下流側のシールリング14の下流側にはスクリュー軸2の先端に有効成分が抽出された後の動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出口9がバレル1に開けられている。
【0063】
以上のような構成の抽出装置を用いた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出方法を以下に説明する。
【0064】
動物又は植物を含む材料が動植物材料供給口4から順送りスクリューエレメント3に供給され、所定の方向へ搬送される。続いて、上流側の組の抽剤注入口7より一部の抽剤が注入される。注入された抽剤が上流側の組のシールリング14によって搬送方向に対して逆流する。
【0065】
なお、シールリング14は実施の形態1の図4にて示したように、各シールリング14の外径とバレル1内径の隙間15を順送りスクリューエレメント3部分での流路より、小さく設定することにより昇圧機構として機能するものである。
【0066】
次に、動物又は植物を含む材料と抽剤が接触し、上流側の組のニーディングディスク部6によってより混練され、動物又は植物を含む材料から抽剤に有効成分が抽出される。有効成分を含む抽剤は、上流側の組の抽剤排出口5より排出される。
【0067】
続いて、上流側の組によって抽剤が抽出された動物又は植物を含む材料は、下流側の組に搬送される。下流側の組の抽剤注入口7から残りの抽剤を注入する。動物又は植物を含む材料は上流側の組と同様の作用を下流側の組でうけ、下流側の組の抽剤排出口5より有効成分を含む抽剤が排出される。すなわち実施の形態1と同一量の抽剤を使用する際に、抽剤を上流側の組の抽剤注入口7と下流側の組の抽剤注入口7とに分けて注入する。
【0068】
ここで、抽出操作は、動物又は植物を含む材料に含まれる有効成分の抽剤への拡散現象を利用するものであるので、抽剤の注入量が大きいほど抽出能力は高くなると考えられるが、実際にはニーディングディスク部6による混練をバレル内で行っていても動物又は植物を含む材料と抽剤の接触効率が、低下するので注入量を多くしたことに見合うほどの抽出を実現することが出来ない。しかし、複数回の抽剤の注入排出機構で構成することにより動物又は植物を含む材料と抽剤との接触効率が増し、抽剤使用量に対する抽出効率を向上することが出来、経済的な運転を実現することができる。
【0069】
最後に、有効成分を抽出された動物又は植物を含む材料を廃材料排出口9より排出する。
【0070】
本発明の抽剤排出機構は、バレル1上部に開けられた抽剤排出口5と抽剤をバレル1外へ誘導するための配管から構成され、抽剤注入機構は、抽剤注入口7と抽剤を送液するギアポンプと配管から構成されている。
【0071】
なお、本発明の抽剤排出機構と混和機構と抽剤注入機構と逆流機構との組は、抽剤排出口5と抽剤排出口5に接続された配管とニーディングディスク部6と抽剤注入口7と抽剤注入口7に接続された配管及びギアポンプとシールリング14との組に相当する。また、本実施の形態2では、2つの組で構成されていたが3つ以上有していてもよく、各組で使用される抽剤が同一でなくてもよい。
【0072】
また、更に詳しく本実施の形態2における例を以下に示す。
【0073】
本実施の形態2において、図6に示す順送りスクリューエレメント3はスクリュー径25mmのスクリューを用いた。また動物又は植物を含む材料として3mm角程度に破砕したみかんの皮を時間当たり3kg供給し、抽剤として石油ベンジン抽剤を時間当たり9kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。石油ベンジン抽剤は搬送方向を基準にして上流側と下流側の2つの抽剤注入口7に対して4.5kg/時間ずつに分けて供給した。
【0074】
排出された抽剤の分析を行ったところ、L−リモネンを約0.8wt%含有していることがわかった。
【0075】
なお、さらに昇圧機構には逆送りスクリューエレメント8を用いて実施すると同様の結果が得られた。
【0076】
なお、有効成分が抽出される動物又は植物を含む材料としては、実施の形態1で例示した、米、麦等を挙げることができる。
【0077】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3による抽出装置の概略全体構成図である。
【0078】
本実施の形態は、基本的な構成および作用は実施の形態2と同じであるが、図に示すように、搬送方向を基準として下流側の組の抽剤排出口5からの排出抽剤を含む液体を貯める貯液層18と、貯液層18から上流側の組の抽剤注入口7へ抽剤として送液するポンプ17とを有する。なお、実施の形態2と同一の構成要素には同一番号を付与している。
【0079】
以上のような構成の抽出装置を用いた作用効果を以下に示す。
【0080】
下流側の組で排出される抽剤中の有効成分濃度は、上流側の組で排出される抽剤中の有効成分濃度より大幅に小さいので、下流側の組で排出される抽剤を貯液層18に貯め、ポンプ17にて上流側の組での注入抽剤として送液し利用しても、ほぼ同等の抽出効率を得ることが出来、抽剤使用量に対する抽出効率が向上し経済的な運転を実現できる。
【0081】
なお、実施の形態2で前述したように、抽剤排出口5とニーディングディスク部6と抽剤注入口7とシールリング14との組を複数回備えていてもよい。
【0082】
また、本発明の抽剤再送液機構は、本実施の形態3では、ポンプ17と貯液層18から構成されるが、ポンプ17と貯液層18とを複数備えていてもよく、要するに下流側の組の抽剤排出口5から排出された抽剤をより上流側の組の抽剤注入口7へ抽剤として送液すればよい。
【0083】
また、更に詳しく本実施の形態3における例を以下に示す。
【0084】
本実施の形態3において、図7に示す順送りスクリューエレメント3はスクリュー径25mmのスクリューを用いた。動物又は植物を含む材料として3mm角程度に破砕したみかんの皮を時間当たり3kg供給し、抽剤として石油ベンジン抽剤を時間当たり4.5kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。石油ベンジン抽剤は下流側の組の抽剤注入口7に対して4.5kg/時間ずつ注入し、下流側の抽剤排出口5からの排出液を貯める貯液層18と、抽剤を送液するポンプ17を用いて、上流側の組の抽剤注入口7に送液した。
【0085】
上流側の組の抽剤排出口5から排出された抽剤の分析を行ったところ、L−リモネンを約0.7wt%含有していることがわかった。
【0086】
なお、有効成分が抽出される動物又は植物を含む材料としては、実施の形態1で例示した、米、麦等を挙げることができる。
【0087】
(実施の形態4)
本実施の形態4は、基本的な構成および作用は実施の形態1と同じであるが、図1の動植物材料供給口4より、動物又は植物を含む材料以外に結着剤を投入する。
【0088】
本実施の形態4の作用効果を以下に示す。
【0089】
有効成分を含む動物又は植物を含む材料が粒状でまとまりがない場合には、抽剤排出口5から、これら動物又は植物を含む材料が混入して排出されることが起こりうる。このような場合には、動物又は植物を含む材料以外に結着剤を投入することによって、結着剤により動物又は植物を含む材料が固められ、抽剤排出口5からの動物又は植物を含む材料の流出を防止することが出来る。
【0090】
また、このような結着剤としては、抽出操作温度よりも低いガラス転移温度を有する高分子組成物であって抽剤に溶解しないものを好適に使用することが出来る。例えば、抽剤が水である場合には、ポリ酢酸ビニルやポリブタジエンなどを用いることが出来る。逆に抽剤が石油ベンジンやケトン溶剤である場合には、ポリビニルアルコールやでんぷんを用いることが出来る。
【0091】
なお、これら結着剤の投入量は、動物又は植物を含む材料100重量部に対して、0重量部以上50重量部以下、より好ましくは1重量部以上20重量部以下である。これら結着剤の投入比率が高くなると、被抽出物である動物又は植物を含む材料の表面が結着剤により被覆され、抽出効率が低下する恐れがあるためである。
【0092】
また、本実施の形態4では、本発明における結着剤投入部は、動植物材料供給口4と兼ねられているが、動植物材料供給口4と抽剤排出口5の間に設けてもよい。
【0093】
また、更に詳しく本実施の形態4における例を以下に示す。
【0094】
本実施の形態4において、図1に示す順送りスクリューエレメント3はスクリュー径25mmのスクリューを用いた。また、動物又は植物を含む材料としてごま、結着樹脂として糊化でんぷん(含水率50重量%)を用い、各々時間当たり3kgと0.5kgを供給した。抽剤としては石油ベンジンを時間当たり9kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
【0095】
抽剤排出口5から排出された抽剤の分析を行ったところ、ごま油成分を1.3wt%含有していることがわかった。また、排出された抽剤には固体のごまやごまの粉末は存在しなかった。
【0096】
また、実施の形態4の比較例を以下に述べる。
【0097】
実施の形態4と同様な構成の抽出装置に、動物又は植物を含む材料としてごまを、抽剤として石油ベンジンを各々時間当たり3kgと9kgを供給し、スクリュー回転数300回転/分で抽出操作を行った。
【0098】
抽剤排出口5から排出された抽剤の分析を行ったところ、ごま油成分を1.3wt%含有していることがわかったが、排出された抽剤にごまの粉末が存在したため、ろ過などの操作が必要であった。
【0099】
なお、有効成分が抽出される動物又は植物を含む材料としては、実施の形態1で例示した、米、麦等を挙げることができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明によれば、多軸スクリュー押出機の技術を応用した動物又は植物を含む材料に含有される有効成分を溶剤により抽出する抽出装置、特に抽出操作を行う上でなるべく少量の溶剤の使用量で高い抽出率を実現する多軸スクリューを有数する抽出措置とこれを用いた抽出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する抽出装置の概略全体構成図。
【図2】ニーディングディスク部6の軸断面図。
【図3】ミキシングディスク部の側面図。
【図4】シールリング14の軸断面図。
【図5】シールリング14の側面図。
【図6】本発明の実施の形態2における動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する抽出装置の概略全体構成図。
【図7】本発明の実施の形態3における動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する抽出装置の概略全体構成図。
【符号の説明】
1バレル
2スクリュー軸
3順送りスクリューエレメント
4動植物材料供給口
5抽剤排出口
6ニーディングディスク部
7抽剤注入口
8逆送りスクリューエレメント
9廃材料排出口
10下流側
11上流側
12ねじれ角
13切り欠き部
14シールリング
15隙間
16テーパ
17ポンプ
18貯液層
Claims (12)
- 動物又は植物を含む材料を所定の方向へ搬送する搬送機構と、前記動物又は植物を含む材料を前記搬送機構へ供給する動植物材料供給部と、前記動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入機構と、前記動物又は植物を含む材料を搬送する搬送方向を基準にして前記動植物材料供給部より下流側に設けられ、前記抽剤を前記搬送方向に対して逆流させる逆流機構と、前記動植物材料供給部と逆流機構の間に設けられ、前記動物又は植物を含む材料中の有効成分が抽出された前記抽剤を排出する抽剤排出機構と、前記搬送方向を基準にして前記逆流機構よりも下流側に設けられ、有効成分が抽出された後の前記動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出口とを備えた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出装置。
- 前記抽剤注入機構は、前記抽剤排出機構と前記逆流機構の間に設けられている請求項1記載の抽出装置。
- 前記抽剤注入機構は、前記動植物材料供給部と兼ねられている請求項1記載の抽出装置。
- 前記抽剤注入機構と前記抽剤排出機構の間に設けられ、前記動物又は植物を含む材料と前記抽剤とをよりよく混和させる混和機構を更に備えた請求項2記載の抽出装置。
- 前記逆流機構は、当該機構部の圧力を高めることにより、前記逆流機構部より上流側の圧力が低くなり抽剤が逆流し前記動物又は植物を含む材料と接触させる昇圧機構である請求項1記載の抽出装置。
- 前記搬送機構は、バレル内に設けたスクリュー軸である請求項1記載の抽出装置。
- 前記昇圧機構は、前記スクリュー軸に設けた昇圧機構であって、シールリングまたは逆送りスクリューエレメントまたは逆送りニーディングディスクにより構成される請求項6記載の抽出装置。
- 前記混和機構は、前記スクリュー軸に設けた混和機構であって、ニーディングディスク部またはミキシングディスク部により構成される請求項6記載の抽出装置。
- 前記搬送機構による動物又は植物を含む材料の搬送方向を基準にして、前記動植物材料供給部と前記廃材料排出口の間に、前記抽剤排出機構と、前記混和機構と、前記抽剤注入機構と、前記逆流機構との組が複数回配列される請求項4記載の抽出装置。
- 下流側の組にある前記抽剤排出機構からの排出抽剤を含む液体を、より上流側の組にある前記抽剤注入機構に抽剤として送液する抽剤再送液機構を有する請求項9記載の抽出装置。
- 前記動植物材料供給部自体に、又は前記動植物材料供給部と前記抽剤排出機構の間に設置され、結着剤を投入する結着剤投入部を更に備えた請求項1記載の抽出装置。
- 請求項1に記載の抽出装置を用いて、動物又は植物を含む材料の有効成分を抽出する方法であって、動物又は植物を含む材料を所定の方向へ搬送する搬送工程と、前記動物又は植物を含む材料を前記搬送機構へ供給する動植物材料供給工程と、前記動物又は植物を含む材料から有効成分を抽出させる抽剤を注入する抽剤注入工程と、前記抽剤を逆流させ前記動物又は植物を含む材料と前記抽剤を接触させる工程と、前記動物又は植物を含む材料中の有効成分が抽出された前記抽剤を排出する抽剤排出工程と、有効成分が抽出された後の前記動物又は植物を含む材料を排出する廃材料排出工程とを備えた動物又は植物を含む材料の有効成分の抽出方法。
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