JP2004113916A - 濾材スクリーン - Google Patents
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Abstract
【課題】スクリーンに表面張力での膜張りを生じないシート状の濾材を使用するとともに、分離した固形分層をも濾材に利用し、濾材の目詰り除去は掻き出しと高圧エアーとで行なわせることによって、従来の固液分離用スクリーンでは不可能であった処理対象物の固液分離を確実に持続的に行わせる濾材スクリーンを提供する。
【解決手段】濾材スクリーンのシート状濾材1は、吸水性を有するものであって、表面張力で膜張りしない程度の孔4を羅列した下部の支持部材2と、上部の押え部材2とに挟まれる構造であり、該シート状濾材1の上方には、堆積した固形分を掻いて移動し、固形分をその排出部14へ排出させる掻取り部材5を設けられ、下方には、シート状濾材1へ高圧エアーを吹き付けながら移動して、シート濾材1に侵入した固形分を排除する目詰除去手段6を設けられていること。
【選択図】 図1
【解決手段】濾材スクリーンのシート状濾材1は、吸水性を有するものであって、表面張力で膜張りしない程度の孔4を羅列した下部の支持部材2と、上部の押え部材2とに挟まれる構造であり、該シート状濾材1の上方には、堆積した固形分を掻いて移動し、固形分をその排出部14へ排出させる掻取り部材5を設けられ、下方には、シート状濾材1へ高圧エアーを吹き付けながら移動して、シート濾材1に侵入した固形分を排除する目詰除去手段6を設けられていること。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固液分離が困難な処理対象、例えば、極微粒子による帯色放流水や牛乳関連施設から出る乳化汚水等の固液分離に適した濾材スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の固液分離用スクリーンは、傾斜状に張設した50〜140メッシュのスクリーン面に処理原料を流下させながら、前記スクリーンの裏側に設けた気密室の反復的な増圧と減圧を行なわせて曝気と併行する固液分離を能力低下なく持続させるようにしている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平8−71582号公報(第2〜第3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の固液分離用スクリーンは、50〜140メッシュのスクリーンを使用するため、例えば、畜産関連施設から出る極微粒子による帯色放流水や、牛乳関連施設から出る乳化汚水等の固液分離に使用すると、微細な固形分がスクリーンを通過して液体から分離されない問題点がある。
【0005】本発明は前記問題点を解消し、スクリーンに表面張力での膜張りを生じないシート状の濾材を使用するとともに、分離した固形分層をも濾材に利用し、濾材の目詰り除去は掻き出しと高圧エアーとで行なわせることによって、従来の固液分離用スクリーンでは不可能であった処理対象物の固液分離を確実に持続的に行わせる濾材スクリーンを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解消するため、下記の構成を採用することを特徴とする。
(1)シート状濾材により固液が混合する処理対象を液体と固体に分離させる濾材スクリーンにおいて、
シート状の濾材は、吸水性を有するものであって、表面張力で膜張りしない程度の孔を羅列した下部の支持部材と、上部の押え部材とに挟まれる構造であり、
該シート状濾材の上方には、堆積した固形分を掻いて移動し、固形分をその排出部へ排出させる掻取り部材を設けられ、
下方には、シート状濾材へ高圧エアーを吹き付けながら移動して、シート濾材に侵入した固形分を排除する目詰除去手段を設けられていること。
【0007】
(2)請求項1において、シート状濾材の上側に設ける押え部材を交換して、この押え部材の厚さによって決まる固形分の層厚を加減するようにしたこと。
【0008】
(3)請求項1及び2において、固形分の掻取り部材を弾力性を有するものとし、押え部材の終端に凸部を設けて、この凸部により掻取り部材を弾性変形させ、その反動で付着物の振り払いが行なわれるようにしたこと。
【0009】
(4)請求項1〜3において、シート状濾材へ処理対象が供給される部分で、処理対象中へ高圧エアーを吹き込んで、その液中に固形物を捕捉して浮上する気泡を発生させるようにしたこと。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る濾材スクリーンの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2において符号Aは、濾材スクリーンを示す。この濾材スクリーンAは、シート状濾材1と、このシート状濾材1を上下から挟む下部の支持部材2及び上部の押え部材3と、これら支持部材2及び3に羅列した孔4と、シート状濾材1の上方を固形物を押して移動する固形物の掻取り部材5と、シート状濾材1の下方へ濾材1へ高圧エアーを吹き付けながら移動する濾材1の目詰り防止手段6とを備えている。
【0011】
シート状濾材1は、材料として廃品を堆肥等とすることが可能で、吸水性に優れる綿布、特に晒木綿布等が好ましく。この綿布を図1に示すようにロール巻きにして軸7に支持させ、一部分を下部フレーム8内へ引き出して濾材とするものであり、前記綿布に限定されるものではなく、同じ特性及び機能を有するものであれば、他の材料や構造のものも適用できることは勿論である。
【0012】
支持部材2は、前記のように下部フレーム8内へ引き出して濾材に利用するシート状濾材1の下側を受けるように下部フレーム8に取付けたものであり、全面に水の表面張力での膜張りを生じない程度の大きさの孔4を羅列する。このため、支持部材2には金属製の網、または穿孔板等が適し、孔4の開口は、図3示のものでは対角距離が7mm×14mmの菱形孔である。しかし、5mm角以上であれば目的が達成されて、この支持部材2は、同じ特性及び機能を有するものであれば、他の材料や構造のものを適用することができる。
【0013】
押え部材3は、前記下部フレーム8へ着脱可能とした上部フレーム9に取付けて、この上部フレーム9を下部フレーム8へ取付けると、押え部材3がシート状濾材1の上へ重なって、支持部材2との間にシート状濾材1を挟むようになり、上部フレーム9を取り外すと、シート状濾材1が露出してその使用済みの部位と未使用部位とを変換することがができるようになるものである。なお、この押え部材3は前記支持部材2と同様の条件で構成すればよい。
【0014】
前記シート状濾材1と、これを挟む支持部材2と押え部材3とは、処理対象液を供給される始端側が低く、固形分を排出する終端側が高くなるように上り傾斜で配置されて、しかも、その傾斜角度は処理対象液によって固液分離の難易度が相違するので、難易度に合わせて傾斜角度を変更設定することができるようにする。
【0015】
シート状濾材1に対して処理対象液を供給するタンク10は、上部フレーム9の一側に支持させて、給送管11により送られる処理対象液を受け、整流板12によってシート状濾材1の全幅へ平均に流布させるようにする。そして、給送される処理対象液の余剰分は戻し管13によって戻させる。
【0016】
シート状濾材1上に堆積した固形分を掻取らせる掻取り部材5は、固形分の排出部14へ向かう移動で掻き出しを行なわせる。このため、移動手段としてコンベヤチエン15を用いる。このコンベヤチエン15は、上部フレーム9の内部両側に軸16及び17によって支持される鎖車18及び19に掛けて、シート状濾材1と平行するようにその上側へ張設する。そして、複数の掻取り部材5を、その下縁が押え部材3の上縁に近接するように取付部材20を用いて等間隔で取付け、一方の鎖車19を駆動装置21により駆動すると、コンベヤチエン15が、その下側はガイド22上を固形分の排出部14へ向かって進み、上側はガイド22’上を反対の方向へ戻るように運転されて、掻取り部材5により押え部材3上へ出た固形分が排出部14へ排出されるようにする。
【0017】
固形分の排出部14には、シュート23より固形分を送り込まれる運搬車24を配置するか、固形分を受けて次工程へ搬送するコンベヤ(図面省略)を配置する。また、シート状濾材1の下方には落下する液分を集める集液バット25を、液出口26側が下がる傾斜で配置する。
【0018】
前記固形分の掻取り部材5は、固形分が付着して離れにくい場合、固形分を自動的に払い除けるようにすることが好ましい。このため、掻取り部材5はゴム様の弾性材で形成して、押え部材3の終端には掻取り部材5の先端に当る凸部27を設け、この凸部27で掻取り部材5の弾性変形と、その反動による固形分の振り払いとが行われるようにする。
【0019】
シート状濾材1に高圧エアーを吹き付けて、その目詰りを除去させる除去手段6も、シート状濾材1の全体に除去作用を及ばせるために移動させる。移動の手段にはコンベヤチェン28を用いる。このコンベヤチエン28は、下部フレーム8の内部両側に軸29及び30によって支持される鎖車31及び32に掛けて、シート状濾材1と平行するようにその下方に張設する。そして、シート状濾材1のほぼ全巾に跨る送風管33の上側にシート状濾材1に対向するダクト34を設けた目詰除去手段6を取付部材35により取付けて、一方の鎖車32を駆動装置36により駆動し、コンベヤチエン28がガイド37上をシート状濾材1の始端下部から終端下部まで進み、終端下部から始端下部に戻る動作を繰り返して、除去手段6による目詰除去が往復で行なわれるようにする。
【0020】
前記実施形態に示す濾材スクリーンAは、固形物の掻取り部材5と、シート状濾材1の目詰除去手段6とを作動させて、シート状濾材1上へ凝集反応により牛乳がフロック化した処理対象を供給すると、処理対象中の水分は、シート状濾材1がその上側に配置した押え部材3の孔4が表面張力による膜張りを防止するため目開の閉塞を生じさせない。従って、水分は吸水性を有するシート状濾材1に吸収されて重力により落下したり、シート状濾材1の目開を抜け落ちたりして集液バット25に集められる。
【0021】
前記のように排水を行なうシート状濾材1には、水分に混入したフロック泥等の固形分が侵入して徐々に目詰りを生ずる。しかし、シート状濾材1の下方には、高圧エアーによる目詰除去手段6が配置されて、シート状濾材1に対し高圧エアーを吹き付けながら往復移動する。このため、シート状濾材1は侵入して来る固形分を高圧エアーにより吹き払わせて目詰を起こさせないようにするため、固液分離の処理は長時間安定して行われる。
【0022】
また、シート状濾材1上に処理対象が溜まる部分では、処理対象の重量に重力が加ってシート濾材1から水分が抜けにくくなる。しかし、この部分では図5の右端側に示す通り、目詰除去手段6から吹き出す高圧エアーが濾材1に目詰した固形分を吹き払うとともに、気泡を発生して固形分を捕捉して上昇し、固形分の除去を行なう。
【0023】
前記のように処理対象は、水分は下に抜けてフロック泥等の固形分は、シート状濾材1の上に重ねた押さえ部材3に羅列した孔4の中に溜って、やがて、その堆積層が押え部材3の上へ出ると、押え部材3の上縁に沿って移動する掻取り部材5がこの固形分を掻き取って排出部14へ排出し、シート状濾材1の上に一定した固形分の堆積層が保持されて、この堆積層は濾材の機能を果たすようになるものであり、濾材としての機能は層厚によって変化する。
【0024】
また、前記固形分の掻取り部材5は、固形分の粘着性が高いと、これが付着して離脱困難となる。この場合は、掻取り部材5をゴム様の弾性材により形成して、シート状濾材1の終端部に掻取り部材5の先端が当たる凸部27を設け、固形分が付着した掻取り部材5がこの凸部27に当たると、掻取り部材5は図6に実線で示すように弾性変形により反って凸部27を乗り越え、その反動で鎖線で示すように振り出して付着した固形分の振り払いを行なうものである。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の効果 シート状濾材が吸水性を有して、表面張力で膜張りしない孔を有する支持部材と押さえ部材で挟まれるため、通水性が良好であって、目詰まりしにくいだけでなく、高圧エアーをシート状濾材に通過させて侵入した固形分を強制排除させるので、酪農関連施設の乳化廃水や畜産施設の糞尿処理廃水等の従来施設では不可能であつた処理対象の固液分離を確実に、しかも経済的に効率よく行なうことが出来る。
【0026】
シート状濾材の上に堆積するフロック泥等の固形分は、押え部材より上へ出ると掻取らせて、濾材の上に押え部材の厚さ分の堆積層を残すから、この堆積層が固形分を捕捉除去する濾材の機能を果たすことになって、シート状濾材単体に比べて濾過性能が向上し極微小の固形分迄除去できるようになる。
【0027】
請求項2の効果 押え部材の厚さを変えると、シート状濾材の上に残る固形分の堆積層の厚さが変わるため、堆積層によって得られる補助的な濾過機能が変化し、除去できる固形分の細粗度や処理能力の調整ができるようになる。
【0028】
請求項3の効果 弾性材の掻き取り部材は、凸部に当たると弾性変形して、凸部を越えた瞬間に反動で強く振れ、粘着する固形分を振り払ういので、粘着性の強い固形分の処理も支障なく行われる。
【0029】
請求項4の効果 処理対象に高圧エアーを吹き込むと、これがシート状濾材を目詰させる固形分を吹き飛ばすとともに、気泡を発生して固形分を捕捉し浮上するために固形分の分離効果が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る濾材スクリーンの縦断正面図である。
【図2】同上の縦断側面図である。
【図3】押え部材における孔の形状例を示す一部分の拡大平面図である。
【図4】シート状濾材とこの濾材を挟む支持部材と押え部材との一部分を示す拡大断面図である。
【図5】シート状濾材等の機能を示す説明図である。
【図6】弾性材で形成した固形分の掻き取り部材が固形分の振り払いを行な状態の説明図である。
【符号の説明】
A 濾材スクリーン
1 シート状濾材
2 支持部材
3 押え部材
4 孔
5 掻取り部材
6 目詰除去手段
14 固形分の排出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、固液分離が困難な処理対象、例えば、極微粒子による帯色放流水や牛乳関連施設から出る乳化汚水等の固液分離に適した濾材スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の固液分離用スクリーンは、傾斜状に張設した50〜140メッシュのスクリーン面に処理原料を流下させながら、前記スクリーンの裏側に設けた気密室の反復的な増圧と減圧を行なわせて曝気と併行する固液分離を能力低下なく持続させるようにしている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平8−71582号公報(第2〜第3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の固液分離用スクリーンは、50〜140メッシュのスクリーンを使用するため、例えば、畜産関連施設から出る極微粒子による帯色放流水や、牛乳関連施設から出る乳化汚水等の固液分離に使用すると、微細な固形分がスクリーンを通過して液体から分離されない問題点がある。
【0005】本発明は前記問題点を解消し、スクリーンに表面張力での膜張りを生じないシート状の濾材を使用するとともに、分離した固形分層をも濾材に利用し、濾材の目詰り除去は掻き出しと高圧エアーとで行なわせることによって、従来の固液分離用スクリーンでは不可能であった処理対象物の固液分離を確実に持続的に行わせる濾材スクリーンを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解消するため、下記の構成を採用することを特徴とする。
(1)シート状濾材により固液が混合する処理対象を液体と固体に分離させる濾材スクリーンにおいて、
シート状の濾材は、吸水性を有するものであって、表面張力で膜張りしない程度の孔を羅列した下部の支持部材と、上部の押え部材とに挟まれる構造であり、
該シート状濾材の上方には、堆積した固形分を掻いて移動し、固形分をその排出部へ排出させる掻取り部材を設けられ、
下方には、シート状濾材へ高圧エアーを吹き付けながら移動して、シート濾材に侵入した固形分を排除する目詰除去手段を設けられていること。
【0007】
(2)請求項1において、シート状濾材の上側に設ける押え部材を交換して、この押え部材の厚さによって決まる固形分の層厚を加減するようにしたこと。
【0008】
(3)請求項1及び2において、固形分の掻取り部材を弾力性を有するものとし、押え部材の終端に凸部を設けて、この凸部により掻取り部材を弾性変形させ、その反動で付着物の振り払いが行なわれるようにしたこと。
【0009】
(4)請求項1〜3において、シート状濾材へ処理対象が供給される部分で、処理対象中へ高圧エアーを吹き込んで、その液中に固形物を捕捉して浮上する気泡を発生させるようにしたこと。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る濾材スクリーンの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2において符号Aは、濾材スクリーンを示す。この濾材スクリーンAは、シート状濾材1と、このシート状濾材1を上下から挟む下部の支持部材2及び上部の押え部材3と、これら支持部材2及び3に羅列した孔4と、シート状濾材1の上方を固形物を押して移動する固形物の掻取り部材5と、シート状濾材1の下方へ濾材1へ高圧エアーを吹き付けながら移動する濾材1の目詰り防止手段6とを備えている。
【0011】
シート状濾材1は、材料として廃品を堆肥等とすることが可能で、吸水性に優れる綿布、特に晒木綿布等が好ましく。この綿布を図1に示すようにロール巻きにして軸7に支持させ、一部分を下部フレーム8内へ引き出して濾材とするものであり、前記綿布に限定されるものではなく、同じ特性及び機能を有するものであれば、他の材料や構造のものも適用できることは勿論である。
【0012】
支持部材2は、前記のように下部フレーム8内へ引き出して濾材に利用するシート状濾材1の下側を受けるように下部フレーム8に取付けたものであり、全面に水の表面張力での膜張りを生じない程度の大きさの孔4を羅列する。このため、支持部材2には金属製の網、または穿孔板等が適し、孔4の開口は、図3示のものでは対角距離が7mm×14mmの菱形孔である。しかし、5mm角以上であれば目的が達成されて、この支持部材2は、同じ特性及び機能を有するものであれば、他の材料や構造のものを適用することができる。
【0013】
押え部材3は、前記下部フレーム8へ着脱可能とした上部フレーム9に取付けて、この上部フレーム9を下部フレーム8へ取付けると、押え部材3がシート状濾材1の上へ重なって、支持部材2との間にシート状濾材1を挟むようになり、上部フレーム9を取り外すと、シート状濾材1が露出してその使用済みの部位と未使用部位とを変換することがができるようになるものである。なお、この押え部材3は前記支持部材2と同様の条件で構成すればよい。
【0014】
前記シート状濾材1と、これを挟む支持部材2と押え部材3とは、処理対象液を供給される始端側が低く、固形分を排出する終端側が高くなるように上り傾斜で配置されて、しかも、その傾斜角度は処理対象液によって固液分離の難易度が相違するので、難易度に合わせて傾斜角度を変更設定することができるようにする。
【0015】
シート状濾材1に対して処理対象液を供給するタンク10は、上部フレーム9の一側に支持させて、給送管11により送られる処理対象液を受け、整流板12によってシート状濾材1の全幅へ平均に流布させるようにする。そして、給送される処理対象液の余剰分は戻し管13によって戻させる。
【0016】
シート状濾材1上に堆積した固形分を掻取らせる掻取り部材5は、固形分の排出部14へ向かう移動で掻き出しを行なわせる。このため、移動手段としてコンベヤチエン15を用いる。このコンベヤチエン15は、上部フレーム9の内部両側に軸16及び17によって支持される鎖車18及び19に掛けて、シート状濾材1と平行するようにその上側へ張設する。そして、複数の掻取り部材5を、その下縁が押え部材3の上縁に近接するように取付部材20を用いて等間隔で取付け、一方の鎖車19を駆動装置21により駆動すると、コンベヤチエン15が、その下側はガイド22上を固形分の排出部14へ向かって進み、上側はガイド22’上を反対の方向へ戻るように運転されて、掻取り部材5により押え部材3上へ出た固形分が排出部14へ排出されるようにする。
【0017】
固形分の排出部14には、シュート23より固形分を送り込まれる運搬車24を配置するか、固形分を受けて次工程へ搬送するコンベヤ(図面省略)を配置する。また、シート状濾材1の下方には落下する液分を集める集液バット25を、液出口26側が下がる傾斜で配置する。
【0018】
前記固形分の掻取り部材5は、固形分が付着して離れにくい場合、固形分を自動的に払い除けるようにすることが好ましい。このため、掻取り部材5はゴム様の弾性材で形成して、押え部材3の終端には掻取り部材5の先端に当る凸部27を設け、この凸部27で掻取り部材5の弾性変形と、その反動による固形分の振り払いとが行われるようにする。
【0019】
シート状濾材1に高圧エアーを吹き付けて、その目詰りを除去させる除去手段6も、シート状濾材1の全体に除去作用を及ばせるために移動させる。移動の手段にはコンベヤチェン28を用いる。このコンベヤチエン28は、下部フレーム8の内部両側に軸29及び30によって支持される鎖車31及び32に掛けて、シート状濾材1と平行するようにその下方に張設する。そして、シート状濾材1のほぼ全巾に跨る送風管33の上側にシート状濾材1に対向するダクト34を設けた目詰除去手段6を取付部材35により取付けて、一方の鎖車32を駆動装置36により駆動し、コンベヤチエン28がガイド37上をシート状濾材1の始端下部から終端下部まで進み、終端下部から始端下部に戻る動作を繰り返して、除去手段6による目詰除去が往復で行なわれるようにする。
【0020】
前記実施形態に示す濾材スクリーンAは、固形物の掻取り部材5と、シート状濾材1の目詰除去手段6とを作動させて、シート状濾材1上へ凝集反応により牛乳がフロック化した処理対象を供給すると、処理対象中の水分は、シート状濾材1がその上側に配置した押え部材3の孔4が表面張力による膜張りを防止するため目開の閉塞を生じさせない。従って、水分は吸水性を有するシート状濾材1に吸収されて重力により落下したり、シート状濾材1の目開を抜け落ちたりして集液バット25に集められる。
【0021】
前記のように排水を行なうシート状濾材1には、水分に混入したフロック泥等の固形分が侵入して徐々に目詰りを生ずる。しかし、シート状濾材1の下方には、高圧エアーによる目詰除去手段6が配置されて、シート状濾材1に対し高圧エアーを吹き付けながら往復移動する。このため、シート状濾材1は侵入して来る固形分を高圧エアーにより吹き払わせて目詰を起こさせないようにするため、固液分離の処理は長時間安定して行われる。
【0022】
また、シート状濾材1上に処理対象が溜まる部分では、処理対象の重量に重力が加ってシート濾材1から水分が抜けにくくなる。しかし、この部分では図5の右端側に示す通り、目詰除去手段6から吹き出す高圧エアーが濾材1に目詰した固形分を吹き払うとともに、気泡を発生して固形分を捕捉して上昇し、固形分の除去を行なう。
【0023】
前記のように処理対象は、水分は下に抜けてフロック泥等の固形分は、シート状濾材1の上に重ねた押さえ部材3に羅列した孔4の中に溜って、やがて、その堆積層が押え部材3の上へ出ると、押え部材3の上縁に沿って移動する掻取り部材5がこの固形分を掻き取って排出部14へ排出し、シート状濾材1の上に一定した固形分の堆積層が保持されて、この堆積層は濾材の機能を果たすようになるものであり、濾材としての機能は層厚によって変化する。
【0024】
また、前記固形分の掻取り部材5は、固形分の粘着性が高いと、これが付着して離脱困難となる。この場合は、掻取り部材5をゴム様の弾性材により形成して、シート状濾材1の終端部に掻取り部材5の先端が当たる凸部27を設け、固形分が付着した掻取り部材5がこの凸部27に当たると、掻取り部材5は図6に実線で示すように弾性変形により反って凸部27を乗り越え、その反動で鎖線で示すように振り出して付着した固形分の振り払いを行なうものである。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の効果 シート状濾材が吸水性を有して、表面張力で膜張りしない孔を有する支持部材と押さえ部材で挟まれるため、通水性が良好であって、目詰まりしにくいだけでなく、高圧エアーをシート状濾材に通過させて侵入した固形分を強制排除させるので、酪農関連施設の乳化廃水や畜産施設の糞尿処理廃水等の従来施設では不可能であつた処理対象の固液分離を確実に、しかも経済的に効率よく行なうことが出来る。
【0026】
シート状濾材の上に堆積するフロック泥等の固形分は、押え部材より上へ出ると掻取らせて、濾材の上に押え部材の厚さ分の堆積層を残すから、この堆積層が固形分を捕捉除去する濾材の機能を果たすことになって、シート状濾材単体に比べて濾過性能が向上し極微小の固形分迄除去できるようになる。
【0027】
請求項2の効果 押え部材の厚さを変えると、シート状濾材の上に残る固形分の堆積層の厚さが変わるため、堆積層によって得られる補助的な濾過機能が変化し、除去できる固形分の細粗度や処理能力の調整ができるようになる。
【0028】
請求項3の効果 弾性材の掻き取り部材は、凸部に当たると弾性変形して、凸部を越えた瞬間に反動で強く振れ、粘着する固形分を振り払ういので、粘着性の強い固形分の処理も支障なく行われる。
【0029】
請求項4の効果 処理対象に高圧エアーを吹き込むと、これがシート状濾材を目詰させる固形分を吹き飛ばすとともに、気泡を発生して固形分を捕捉し浮上するために固形分の分離効果が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る濾材スクリーンの縦断正面図である。
【図2】同上の縦断側面図である。
【図3】押え部材における孔の形状例を示す一部分の拡大平面図である。
【図4】シート状濾材とこの濾材を挟む支持部材と押え部材との一部分を示す拡大断面図である。
【図5】シート状濾材等の機能を示す説明図である。
【図6】弾性材で形成した固形分の掻き取り部材が固形分の振り払いを行な状態の説明図である。
【符号の説明】
A 濾材スクリーン
1 シート状濾材
2 支持部材
3 押え部材
4 孔
5 掻取り部材
6 目詰除去手段
14 固形分の排出部
Claims (4)
- シート状濾材により固液が混合する処理対象を液体と固体に分離させる濾材スクリーンにおいて、
シート状の濾材は、吸水性を有するものであって、表面張力で膜張りしない程度の孔を羅列した下部の支持部材と、上部の押え部材とに挟まれる構造であり、
該シート状濾材の上方には、堆積した固形分を掻いて移動し、固形分をその排出部へ排出させる掻取り部材を設けられ、
下方には、シート状濾材へ高圧エアーを吹き付けながら移動して、シート濾材に侵入した固形分を排除する目詰除去手段を設けられている
ことを特徴とする濾材スクリーン。 - シート状濾材の上側に設ける押え部材を交換して、この押え部材の厚さによって決まる固形分の層厚を加減するようにした
ことを特徴とする請求項1記載の濾材スクリーン。 - 固形分の掻取り部材を弾力性を有するものとし、押え部材の終端に凸部を設けて、この凸部により掻取り部材を弾性変形させ、その反動で付着物の振り払いが行なわれるようにした
ことを特徴とする請求項1及び2記載の濾材スクリーン。 - シート状濾材へ処理対象が供給される部分で、処理対象中へ高圧エアーを吹き込んで、その液中に固形物を捕捉して浮上する気泡を発生させるようにした
ことを特徴とする請求項1〜3記載の濾材スクリーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002279981A JP2004113916A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 濾材スクリーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002279981A JP2004113916A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 濾材スクリーン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004113916A true JP2004113916A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32274834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002279981A Pending JP2004113916A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 濾材スクリーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004113916A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113308910A (zh) * | 2021-07-01 | 2021-08-27 | 安徽省太和县众友筛网滤布制造有限公司 | 一种用于固液分离的滤布、装置及制造方法 |
CN117899539A (zh) * | 2024-03-20 | 2024-04-19 | 山西兴源盛科技有限公司 | 一种防冻液过滤装置 |
-
2002
- 2002-09-25 JP JP2002279981A patent/JP2004113916A/ja active Pending
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CN113308910A (zh) * | 2021-07-01 | 2021-08-27 | 安徽省太和县众友筛网滤布制造有限公司 | 一种用于固液分离的滤布、装置及制造方法 |
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