JP2004113331A - 封緘用ファスナーおよびそれを備えた包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単かつすばやくファスナーを封緘することのできる封緘用ファスナーおよびそれを用いた包装体を提供する。
【解決手段】一対のファスナーエレメント列5の一方の固定端6側に、第一スライダー3を先頭として第一スライダー3および第二スライダー12を直列に配置するとともに、上記第一スライダー3を、ファスナー閉じ方向にのみ移動可能かまたはファスナーエレメント列5を閉じて他方の固定端17側に移動したときにファスナー開き方向の移動を阻止できるように構成し、第二スライダー12をファスナー開閉用として構成するとともに仮止めプレート15によって一方の固定端6側に仮止めしてなることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】一対のファスナーエレメント列5の一方の固定端6側に、第一スライダー3を先頭として第一スライダー3および第二スライダー12を直列に配置するとともに、上記第一スライダー3を、ファスナー閉じ方向にのみ移動可能かまたはファスナーエレメント列5を閉じて他方の固定端17側に移動したときにファスナー開き方向の移動を阻止できるように構成し、第二スライダー12をファスナー開閉用として構成するとともに仮止めプレート15によって一方の固定端6側に仮止めしてなることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファスナーを閉じた状態でロックすることのできる封緘用ファスナーおよびそれを用いた包装袋等の包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファスナー付き包装袋を封緘するための封緘具が知られている。この封緘具は、図10(a)に示されるように、ファスナーテープ50の上止め部分51に留め具52が設けられており、スライダー53の引手54を、同図(b)に示すように留め具52に嵌め入れるようになっている。
【0003】
留め具52には孔部55が設けられており、同図(c)に示すようにその孔部55に対して環状部材からなる挿通具56を通し、その凸部57を凹部58に係止させれば、引手54が留め具52から抜けずロックされるようになっている(例えば特許文献1参照)。なお、図中59,60はスライダー53の移動によって閉じられる務歯である。また、封緘する必要がなくなった場合には挿通具56を切断し、引手54を留め具52から外すことによって封緘を解除することができる。
【0004】
このような封緘具は、例えば商品を収納し口部をロックする必要のある包装袋に取り付けられる。
【0005】
詳しくは、商品を収納するのに収納袋が利用されているが、会計後の商品を入れた収納袋の口が開いていると、会計後に再び買い物を続ける客がその収納袋に未会計の商品を入れたとしても分からないという不都合がある。
【0006】
そこで、会計を済ませ、収納袋に商品を収納した後は、店員がその収納袋の口をファスナーで閉じてロックし、その場で簡単に開けることができないようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−072088号公報(第(3)頁、図1(c))
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の封緘具では、引手54を留め具52に嵌め入れ、留め具52の孔部55に挿通具56を通し、さらに、その挿通具56の凸部57を凹部58に差し込んで係止させるという繁雑な作業が必要であり、そのためレジが混雑する原因となっていた。
【0009】
特にバーゲンセールなどのように大勢の買物客で混雑する売場では、時間に追われて封緘具のロック作業を行わなければならず、店員に多大な負担を強いられていた。
【0010】
本発明は以上のような従来のファスナーの封緘具における課題を考慮してなされたものであり、簡単操作でファスナーを封緘することのできる封緘用ファスナーおよびそれを用いた包装体を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対のファスナーエレメント列の一方の固定端側に、第一スライダーを先頭として第一スライダーおよび第二スライダーを直列に配置するとともに、第一スライダーを、ファスナー閉じ方向にのみ移動可能かまたはファスナーエレメント列を閉じて他方の固定端側に移動したときにファスナー開き方向の移動を阻止できるように構成し、第二スライダーをファスナー開閉用として構成するとともに仮止め手段によって一方の固定端側に仮止めしてなる封緘用ファスナーである。
【0012】
本発明に従えば、第一スライダーを移動させて一旦、ファスナーを閉じると、その反対側へは第一スライダーの移動が阻止されるため、ファスナーが封緘される。また、封緘の必要がなくなると、仮止め手段による仮止めを解除すれば第二スライダーが移動自由になりファスナーを開閉することができるようになる。
【0013】
本発明において、上記第一スライダーに、ファスナーエレメント列と係合するとともにファスナー閉じ方向に移動する際には変位してその係合が解除される弾性爪部を備えれば、第一スライダーを閉じ方向にのみ移動させてファスナーを封緘することができる。
【0014】
本発明において、第一スライダーの引手をその第一スライダーから脱落させるための引手脱落部を第一スライダーに設ければ、移動が阻止された第一スライダーの引手が取り外されることにより誤操作を防止することができる。
【0015】
本発明において、引手を、弾性爪部の係合を強制的に解除し得るように構成すれば、引手を外さない限り第一スライダーでファスナーを開閉することができる。換言すれば、引手を取り外さない限り、商品の詰め直しが可能になる。
【0016】
本発明において、上記他方の固定端側に止め具を有し、第一スライダーを他方の固定端に移動させたときにその止め具に係止される逆止片を第一スライダーに設ければ、第一スライダーを用いてファスナーを閉じた際に、第一スライダーが止め具に係止されて移動が阻止され、ファスナーが封緘される。
【0017】
本発明において、上記他方の固定端側に止め具を有し、第一スライダーを他方の固定端に移動させたときに第一スライダーを繋止する繋止部をその止め具に設ければ、第一スライダーを他方の固定端に移動させることにより自動的にファスナーが封緘される。
【0018】
本発明において、上記繋止部が先端に鉤状部を有する弾性片からなり、第一スライダーを他方の固定端まで移動させたときに、弾性変形してその第一スライダーを鉤状部内に案内するように構成すれば、第一スライダーを他方の固定端に移動させれば、鉤状部内に自動的に第一スライダーが案内されて移動が阻止され、ファスナーが封緘される。
【0019】
本発明において、上記仮止め手段を、第一スライダーと第二スライダーの間のファスナーエレメント列に配置されて第二スライダーの移動路を閉塞するとともに、切断することによって閉塞を解除することができる薄板部材から構成すれば、封緘の必要がなくなった場合に薄板部材を切断することにより簡単に第二スライダーを用いてファスナーを開閉することができるようになる。また、薄板部材が切断されることにより、ファスナーの封緘が解除されたことを示すことができる。
【0020】
本発明において、上記構成を有する封緘用ファスナーを、収納体の開口部に取り付ければ、例えば会計を済ませ、収納袋に商品を収納した後に、店員がその収納袋の口に設けられた第一スライダーを閉じ方向に摺動させればファスナーが閉じた状態でロックされ、その場で簡単に開けることができないようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の封緘用ファスナー(以下、ロックファスナーと略称する)の外観を示したものである。
【0023】
同図において、ロックファスナー1は、引手2を備えたスライダー3と、ファスナーテープ4に取り付けられた一対のファスナーエレメント5と、その一対のファスナーエレメント5の端部に固定された止め具6を有し、引手2を矢印A方向に引っ張ることによりファスナーエレメント5がかみ合い、ファスナーが閉じていくようになっている。
【0024】
スライダー3は、ファスナーエレメント5の案内通路3aを左右に備えた本体3bと、その本体3b上に形成された凸条からなるカバー3cとを備えている。
【0025】
図2は、そのカバー3c内の構造を示したものである。
【0026】
カバー3c内には、ばね鋼で構成された板ばね7が略U字状に折り曲げられた状態で収納されており、その一方の脚部7aは、カバー底板3dに係止され、他方の脚部7bは、カバー底板3dに形成された開口3eから下方に突出している。
【0027】
この脚部(以下、弾性爪部と呼ぶ)7bは、ファスナーエレメント列の務歯5aの間の凹溝部分に係合するようになっており、スライダー3が矢印A方向に移動するときは、矢印B方向に変位して務歯5aを乗り越えるが、その逆方向には開口縁3fに当接した状態で凹溝部分と係合することによりスライダー3の逆方向(開き方向)移動を阻止するようになっている。
【0028】
また、カバー3cの上面には引手2を取り付けるためのリング状保持部8が固定されている。ただし、このリング状保持部8の閉じ方向側には隙間tが設けられており、リング状保持部8を上向きに引いてその隙間tを広げることにより(図中二点鎖線で示すリング8′参照)、引手2をそのリング状保持部8内に挿入することができるようになっている。
【0029】
上記構成を有するスライダー3は、図3に示すような収納袋(包装体)10の口部を開閉するファスナーとして取り付けられる。
【0030】
詳しくは、ファスナーエレメント5の一方の固定端側としての止め具6側には二つのスライダーが直列に配置されており、止め具6から遠い側に上記スライダー3が第一スライダー3として配置される。
【0031】
一方、止め具6に近い側には第二スライダー12が配置される。
【0032】
この第二スライダー12は従来公知の自由スライダーからなり、引手13の操作に係わらずロック作用が働かないものである。
【0033】
なお、図中、16は収納袋を下げるためのベルトであり、17は収納袋10の口部右端(他方固定端)に固定されている止め具である。
【0034】
また、第二スライダー12の移動側(図中C方向側)には、仮止め手段としてプラスチック薄板で構成された仮止めプレート15が取り付けられている。
【0035】
この仮止めプレート15は、図4に示すように、その幅方向両端部15a,15aがファスナーテープ4に接着または縫合により接合されており、ミシン目15b,15bに沿って中央部15cを切り取ることができるようになっている。
【0036】
この中央部15cの図において右側は凸片15dに形成されており、指でつかむタブとして機能している。
【0037】
次に、ロックファスナー付き収納袋の使用方法について図3を参照しながら説明する。
【0038】
第二スライダー12が図の左端に位置し、仮止めプレート15によってその第二スライダー12の移動が拘束され、仮止めプレート15に当接してその右側に第一スライダー3が配置され、ファスナーが開いていることを前提とする。また、収納袋は販売店に備えられており、店員が会計後の商品をその収納袋に収納するものとする。
【0039】
会計を済ませた商品を収納袋10内に収納し終わると、店員は第一スライダー3を矢印C方向に移動させ、ファスナーを閉じていく。
【0040】
第一スライダー3を止め具17まで移動させてファスナーを閉じると、引手2をほぼ水平にして矢印A方向(図2参照)に強く引っ張る。
【0041】
それにより、リング状保持部8が弾性変形して隙間tが広がり、広がった隙間から引手2を取り外すことができる。この状態で第一スライダー3の右方向移動は止め具17によって阻止され、左方向移動については、弾性爪部7bがエレメント列の間の凹溝部分と係合しているため、第一スライダー3は完全にロックされてファスナーを開閉する機能を失う。
【0042】
なお、引手2を取り外す目的は、引手2を残しておくと、第一スライダー3を用いてファスナーを開閉することができると錯覚し誤操作することがあるため、これを解消することにある。
【0043】
第一スライダー3によってファスナーが閉じられた収納袋10は、第二スライダー12についても仮止めプレート15によって開くことができないようになっているため、そのまま、売り場に戻って買い物を続けてもその収納袋10に誤って会計前の商品を入れるようなトラブルの発生することを解消することができる。
【0044】
また、収納袋10を自宅に持ち帰った購入者は、仮止めプレート15の凸片15dを指でつかみ、ミシン目15bに沿って矢印D方向に引き上げれば、中央部15cが切り離される。それにより、第二スライダー12を矢印C方向に移動させることができるようになり、ファスナーを開くことができる。もちろん、第二スライダー12は自由スライダーで構成されているため、従来のファスナーと同様に、収納袋を開閉することができる。
【0045】
図5は本発明のロックファスナーの第二実施形態を示した外観図である。
【0046】
なお、図1と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
同図に示すロックファスナー20のスライダー21は、本体21aと、その本体21a上に形成された凸条のカバー21bを備えており、そのカバー21b内に板ばね22が装着されている。
【0048】
この板ばね22は、図6(a)に示すように、ばね鋼で構成され略U字状に折り曲げられた状態で収納されており、カバー底板21cに形成されている開口21dから弾性爪部22aを下方に突出している。なお、同図では、構成を明瞭にするため手前側のカバー21bを切り欠いている。
【0049】
弾性爪部22aは、図2に示した弾性爪部7bと同様に、ファスナーエレメント列の務歯5aの間の凹溝部分に係合するようになっており、スライダー21が矢印A方向に移動するときは、変位して務歯5aを乗り越えるが、その逆方向にはエレメント列の間の凹溝部分と係合することにより矢印A方向と逆方向の移動を阻止するようになっている。
【0050】
この構成では引手23がカバー21bに装着されるが、引手23の下端に形成されている鉤状部23aが、板ばね22における弾性爪部22aの根元部22b下側に位置するように配置される。従って、引手23を上方に引き上げると、弾性爪部22aを上方に移動させることができ、それにより、弾性爪部22aのロックを解除することができる。
【0051】
また、図6(b)は板ばね22を保持している縦板21eの外面形状を示したものである。各縦板21eの外壁にはE方向に向けて幅が拡張するように形成されたテーパ面(引手脱落部)21fがそれぞれ設けられている(手前側のみ図示する)。
【0052】
一方、引手23における鉤状部23aの内側にはアール部23bが形成されており、引手23が矢印F方向(図6(a)参照)倒されてほぼ水平となった状態で各アール部23bが上記テーパ部21fと対応するようになっている。
【0053】
従って、スライダー21を閉じ側の止め具17(図3参照)まで移動させ、この状態で引手23を矢印E方向に押せば、テーパ部21fによって引手23の鉤状部23aが広がり、カバー21bから簡単に外れる。
【0054】
引手23が外れると、弾性爪部22aを上方に移動させる手段が失われるため、弾性爪部22aは常時、ファスナーエレメント列の務歯5aの間の凹溝部分に係合することになり、スライダー21はロックされる。
【0055】
図7は本発明のロックファスナーの第三の実施形態を示したものである。
【0056】
このロックファスナー30のスライダー31は基本的に自由スライダーからなり、本体31aと、その本体31a上に形成された柱部32を備えており、その柱部32に引手33が備えられている。
【0057】
また、本体31aの閉じ方向側先端部には通常のスライダー本体よりも若干長く形成された平行板31b,31bが形成されており、各平行板31bの内面には、閉じ方向に向けて先下がりに形成された一対の楔部31c,31cおよび一対の楔部31d,31dがそれぞれ対向して形成されている。
【0058】
スライダー31を閉じ側の止め具17の位置まで移動させると、楔部31c,31dは、止め具17の上縁部17aと係止し、楔部31d,31dは止め具17の下縁部17bと係止する。それにより、スライダー31がロックされるようになっている。上記楔部31c,31dは逆止片として機能する。
【0059】
図8は、本発明のロックファスナーの第四の実施形態を示したものである。
【0060】
上述したロックファスナーは、スライダーにロック機能を備えたが、本実施形態では止め具にロック機能を備えている。
【0061】
閉じ側に配置される止め具40は、その内側に繋止部としてのスライダーロック金具41を備えている。
【0062】
このスライダーロック金具41は、折り返し部41aで谷折りされた薄板部材からなり、一方の板部に、水平に配置される長方形からなるフラップ部41bと止め具40からスライダー側に向けて突出する鉤状のフック部(鉤状部)41cとを有しており、他方の板部にも同じくフラップ部41dと鉤状のフック部41cとを有している。
【0063】
各フラップ部41b,41dは、止め具40の上板40a内に嵌合するサイズに形成されており、各フラップ部41b,41dの後部には突起部41f,41gが形成されている。この突起部41f,41gは止め具40の上板縁部40bと係合して抜け止めとして機能するようになっている。
【0064】
また、フック部41c,41eはそれぞれ板ばねとして機能しており、開き方向(図中矢印方向)に弾性変形することができ、閉じ方向に付勢力が働くようになっている。
【0065】
図9は上記スライダーロック金具41の動作を説明したものであり、同図(a)はロック前、同図(b)はロック後の状態を示している。
【0066】
まず、図9(a)において、自由スライダー42を閉じ方向に移動させることにより、スライダーロック金具41に近づくと、スライダー42の摺動部42aがフック部41c,41eと対向する。
【0067】
さらにスライダー42をスライダーロック金具41に向けて移動させると、摺動部42aの先端が両フック部41c,41eと当接して押し広げ、摺動部42aが図9(b)に示す位置まで移動すると、フック部41c,41eが復元力によって元の位置に復帰し摺動部42aを拘束する。それにより、スライダー42がロックされる。
【0068】
なお、本発明の第二スライダーは、上記実施形態では自由スライダーで構成したが、これに限らず、引手から手を離すと自動的にロックがかかり、引手を引っ張ることによりロックが外れるいわゆるオートマチックスライダー、引手を倒した状態でロックがかかり、引手を起こした状態でロックが外れるセミオートマチックスライダーで構成することもできる。
【0069】
また、本発明の仮止め手段は、上記実施形態ではプラスチック製の薄板で構成したが、これに限らず、例えば結束バンドを使用することもできる。この場合、第二スライダー移動側のファスナーエレメントに結束バンドを巻き付けて結束することになる。
【0070】
また、本発明において収納体は、上記実施形態では収納袋で構成したが、書類等を収容する書類袋にも適用することができる。また、本発明の封緘用ファスナーは図10に示したような特別な挿通具56を必要としないため封緘したことが目立たず、ファッション性を必要とするファスナーとしても使用することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の本発明によれば、第一スライダーを移動させて一旦、ファスナーを閉じると、その反対側へは第一スライダーの移動が阻止されるため、ファスナーを簡便かつすばやく封緘することができる。また、封緘の必要がなくなると、第二スライダーの仮止めを解除することによりファスナーを開閉することができるようになる。
【0072】
請求項2の本発明によれば、第一スライダーに、ファスナーエレメント列と係合するとともにファスナー閉じ方向に移動する際には係合が解除される弾性爪部を備えたため、第一スライダーを閉じ方向にのみ移動させてファスナーを封緘することができる。
【0073】
請求項3の本発明によれば、引手を第一スライダーから脱落させるための引手脱落部を第一スライダーに設けたため、封緘して使用できない第一スライダーを操作するといった誤操作を防止することができる。
【0074】
請求項4の本発明によれば、引手を、弾性爪部の係合を強制的に解除し得るように構成したため、引手を外さない限り第一スライダーでファスナーを開閉することができる。
【0075】
請求項5の本発明によれば、第一スライダーを他方の固定端に移動させたときにその止め具に第一スライダーの逆止片が係止されるように構成したため、第一スライダーを移動させてファスナーを閉じるだけでファスナーが封緘される。
【0076】
請求項6の本発明によれば、第一スライダーを他方の固定端に移動させたときに止め具の繋止め具が第一スライダーを繋止するように構成したため、第一スライダーを移動させてファスナーを閉じるだけでファスナーが封緘される。
【0077】
請求項7の本発明によれば、繋止部を、鉤状部を有する弾性片で構成し第一スライダーを他方の固定端まで移動させたときに、弾性変形してその第一スライダーを鉤状部内に案内するように構成したため、第一スライダーを移動させてファスナーを閉じるだけで、鉤状部内に自動的に第一スライダーが案内されてファスナーが封緘される。
【0078】
請求項8の本発明によれば、第一スライダーと第二スライダーの間の第二スライダーの移動路を閉塞する仮止め手段を切断することができるようにして設けたため、封緘の必要がなくなった場合に仮止め手段を切断し第二スライダーを用いてファスナーを開閉することができるようになる。また、仮止め手段が切断されることにより、ファスナーの封緘が解除されたことを示すことができる。
【0079】
請求項9の本発明によれば、上記構成を有する封緘用ファスナーを、収納体の開口部に取り付ければ、例えば会計を済ませ、収納袋に商品を収納した後に、店員がその収納袋の口に設けられた第一スライダーを閉じ方向に摺動させればファスナーが閉じた状態でロックされ、その場で簡単に開けることができないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロックファスナーの斜視図である。
【図2】図1のスライダーの内部構造を示す要部断面図である。
【図3】ロックファスナーを備えた収納袋を示す斜視図である。
【図4】図3に示す仮止めプレートの拡大平面図である。
【図5】本発明のロックファスナーの第二実施形態を示す斜視図である。
【図6】(a)は図5のスライダーに収納される板ばねを示す斜視図、(b)はスライダーのカバーを切り欠いた斜視図である。
【図7】本発明のロックファスナーの第三実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明のロックファスナーの第四実施形態を示す斜視図である。
【図9】(a)および(b)は図8に示すロックファスナーの動作を示す説明図である。
【図10】(a)〜(c)は従来のファスナー封緘具の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ロックファスナー
2 引手
3 スライダー
3b 本体
3c カバー
4 ファスナーテープ
5 ファスナーエレメント
5a 務歯
6 止め具
7 板ばね
7b 弾性爪部
8 リング状保持部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファスナーを閉じた状態でロックすることのできる封緘用ファスナーおよびそれを用いた包装袋等の包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファスナー付き包装袋を封緘するための封緘具が知られている。この封緘具は、図10(a)に示されるように、ファスナーテープ50の上止め部分51に留め具52が設けられており、スライダー53の引手54を、同図(b)に示すように留め具52に嵌め入れるようになっている。
【0003】
留め具52には孔部55が設けられており、同図(c)に示すようにその孔部55に対して環状部材からなる挿通具56を通し、その凸部57を凹部58に係止させれば、引手54が留め具52から抜けずロックされるようになっている(例えば特許文献1参照)。なお、図中59,60はスライダー53の移動によって閉じられる務歯である。また、封緘する必要がなくなった場合には挿通具56を切断し、引手54を留め具52から外すことによって封緘を解除することができる。
【0004】
このような封緘具は、例えば商品を収納し口部をロックする必要のある包装袋に取り付けられる。
【0005】
詳しくは、商品を収納するのに収納袋が利用されているが、会計後の商品を入れた収納袋の口が開いていると、会計後に再び買い物を続ける客がその収納袋に未会計の商品を入れたとしても分からないという不都合がある。
【0006】
そこで、会計を済ませ、収納袋に商品を収納した後は、店員がその収納袋の口をファスナーで閉じてロックし、その場で簡単に開けることができないようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−072088号公報(第(3)頁、図1(c))
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の封緘具では、引手54を留め具52に嵌め入れ、留め具52の孔部55に挿通具56を通し、さらに、その挿通具56の凸部57を凹部58に差し込んで係止させるという繁雑な作業が必要であり、そのためレジが混雑する原因となっていた。
【0009】
特にバーゲンセールなどのように大勢の買物客で混雑する売場では、時間に追われて封緘具のロック作業を行わなければならず、店員に多大な負担を強いられていた。
【0010】
本発明は以上のような従来のファスナーの封緘具における課題を考慮してなされたものであり、簡単操作でファスナーを封緘することのできる封緘用ファスナーおよびそれを用いた包装体を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対のファスナーエレメント列の一方の固定端側に、第一スライダーを先頭として第一スライダーおよび第二スライダーを直列に配置するとともに、第一スライダーを、ファスナー閉じ方向にのみ移動可能かまたはファスナーエレメント列を閉じて他方の固定端側に移動したときにファスナー開き方向の移動を阻止できるように構成し、第二スライダーをファスナー開閉用として構成するとともに仮止め手段によって一方の固定端側に仮止めしてなる封緘用ファスナーである。
【0012】
本発明に従えば、第一スライダーを移動させて一旦、ファスナーを閉じると、その反対側へは第一スライダーの移動が阻止されるため、ファスナーが封緘される。また、封緘の必要がなくなると、仮止め手段による仮止めを解除すれば第二スライダーが移動自由になりファスナーを開閉することができるようになる。
【0013】
本発明において、上記第一スライダーに、ファスナーエレメント列と係合するとともにファスナー閉じ方向に移動する際には変位してその係合が解除される弾性爪部を備えれば、第一スライダーを閉じ方向にのみ移動させてファスナーを封緘することができる。
【0014】
本発明において、第一スライダーの引手をその第一スライダーから脱落させるための引手脱落部を第一スライダーに設ければ、移動が阻止された第一スライダーの引手が取り外されることにより誤操作を防止することができる。
【0015】
本発明において、引手を、弾性爪部の係合を強制的に解除し得るように構成すれば、引手を外さない限り第一スライダーでファスナーを開閉することができる。換言すれば、引手を取り外さない限り、商品の詰め直しが可能になる。
【0016】
本発明において、上記他方の固定端側に止め具を有し、第一スライダーを他方の固定端に移動させたときにその止め具に係止される逆止片を第一スライダーに設ければ、第一スライダーを用いてファスナーを閉じた際に、第一スライダーが止め具に係止されて移動が阻止され、ファスナーが封緘される。
【0017】
本発明において、上記他方の固定端側に止め具を有し、第一スライダーを他方の固定端に移動させたときに第一スライダーを繋止する繋止部をその止め具に設ければ、第一スライダーを他方の固定端に移動させることにより自動的にファスナーが封緘される。
【0018】
本発明において、上記繋止部が先端に鉤状部を有する弾性片からなり、第一スライダーを他方の固定端まで移動させたときに、弾性変形してその第一スライダーを鉤状部内に案内するように構成すれば、第一スライダーを他方の固定端に移動させれば、鉤状部内に自動的に第一スライダーが案内されて移動が阻止され、ファスナーが封緘される。
【0019】
本発明において、上記仮止め手段を、第一スライダーと第二スライダーの間のファスナーエレメント列に配置されて第二スライダーの移動路を閉塞するとともに、切断することによって閉塞を解除することができる薄板部材から構成すれば、封緘の必要がなくなった場合に薄板部材を切断することにより簡単に第二スライダーを用いてファスナーを開閉することができるようになる。また、薄板部材が切断されることにより、ファスナーの封緘が解除されたことを示すことができる。
【0020】
本発明において、上記構成を有する封緘用ファスナーを、収納体の開口部に取り付ければ、例えば会計を済ませ、収納袋に商品を収納した後に、店員がその収納袋の口に設けられた第一スライダーを閉じ方向に摺動させればファスナーが閉じた状態でロックされ、その場で簡単に開けることができないようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の封緘用ファスナー(以下、ロックファスナーと略称する)の外観を示したものである。
【0023】
同図において、ロックファスナー1は、引手2を備えたスライダー3と、ファスナーテープ4に取り付けられた一対のファスナーエレメント5と、その一対のファスナーエレメント5の端部に固定された止め具6を有し、引手2を矢印A方向に引っ張ることによりファスナーエレメント5がかみ合い、ファスナーが閉じていくようになっている。
【0024】
スライダー3は、ファスナーエレメント5の案内通路3aを左右に備えた本体3bと、その本体3b上に形成された凸条からなるカバー3cとを備えている。
【0025】
図2は、そのカバー3c内の構造を示したものである。
【0026】
カバー3c内には、ばね鋼で構成された板ばね7が略U字状に折り曲げられた状態で収納されており、その一方の脚部7aは、カバー底板3dに係止され、他方の脚部7bは、カバー底板3dに形成された開口3eから下方に突出している。
【0027】
この脚部(以下、弾性爪部と呼ぶ)7bは、ファスナーエレメント列の務歯5aの間の凹溝部分に係合するようになっており、スライダー3が矢印A方向に移動するときは、矢印B方向に変位して務歯5aを乗り越えるが、その逆方向には開口縁3fに当接した状態で凹溝部分と係合することによりスライダー3の逆方向(開き方向)移動を阻止するようになっている。
【0028】
また、カバー3cの上面には引手2を取り付けるためのリング状保持部8が固定されている。ただし、このリング状保持部8の閉じ方向側には隙間tが設けられており、リング状保持部8を上向きに引いてその隙間tを広げることにより(図中二点鎖線で示すリング8′参照)、引手2をそのリング状保持部8内に挿入することができるようになっている。
【0029】
上記構成を有するスライダー3は、図3に示すような収納袋(包装体)10の口部を開閉するファスナーとして取り付けられる。
【0030】
詳しくは、ファスナーエレメント5の一方の固定端側としての止め具6側には二つのスライダーが直列に配置されており、止め具6から遠い側に上記スライダー3が第一スライダー3として配置される。
【0031】
一方、止め具6に近い側には第二スライダー12が配置される。
【0032】
この第二スライダー12は従来公知の自由スライダーからなり、引手13の操作に係わらずロック作用が働かないものである。
【0033】
なお、図中、16は収納袋を下げるためのベルトであり、17は収納袋10の口部右端(他方固定端)に固定されている止め具である。
【0034】
また、第二スライダー12の移動側(図中C方向側)には、仮止め手段としてプラスチック薄板で構成された仮止めプレート15が取り付けられている。
【0035】
この仮止めプレート15は、図4に示すように、その幅方向両端部15a,15aがファスナーテープ4に接着または縫合により接合されており、ミシン目15b,15bに沿って中央部15cを切り取ることができるようになっている。
【0036】
この中央部15cの図において右側は凸片15dに形成されており、指でつかむタブとして機能している。
【0037】
次に、ロックファスナー付き収納袋の使用方法について図3を参照しながら説明する。
【0038】
第二スライダー12が図の左端に位置し、仮止めプレート15によってその第二スライダー12の移動が拘束され、仮止めプレート15に当接してその右側に第一スライダー3が配置され、ファスナーが開いていることを前提とする。また、収納袋は販売店に備えられており、店員が会計後の商品をその収納袋に収納するものとする。
【0039】
会計を済ませた商品を収納袋10内に収納し終わると、店員は第一スライダー3を矢印C方向に移動させ、ファスナーを閉じていく。
【0040】
第一スライダー3を止め具17まで移動させてファスナーを閉じると、引手2をほぼ水平にして矢印A方向(図2参照)に強く引っ張る。
【0041】
それにより、リング状保持部8が弾性変形して隙間tが広がり、広がった隙間から引手2を取り外すことができる。この状態で第一スライダー3の右方向移動は止め具17によって阻止され、左方向移動については、弾性爪部7bがエレメント列の間の凹溝部分と係合しているため、第一スライダー3は完全にロックされてファスナーを開閉する機能を失う。
【0042】
なお、引手2を取り外す目的は、引手2を残しておくと、第一スライダー3を用いてファスナーを開閉することができると錯覚し誤操作することがあるため、これを解消することにある。
【0043】
第一スライダー3によってファスナーが閉じられた収納袋10は、第二スライダー12についても仮止めプレート15によって開くことができないようになっているため、そのまま、売り場に戻って買い物を続けてもその収納袋10に誤って会計前の商品を入れるようなトラブルの発生することを解消することができる。
【0044】
また、収納袋10を自宅に持ち帰った購入者は、仮止めプレート15の凸片15dを指でつかみ、ミシン目15bに沿って矢印D方向に引き上げれば、中央部15cが切り離される。それにより、第二スライダー12を矢印C方向に移動させることができるようになり、ファスナーを開くことができる。もちろん、第二スライダー12は自由スライダーで構成されているため、従来のファスナーと同様に、収納袋を開閉することができる。
【0045】
図5は本発明のロックファスナーの第二実施形態を示した外観図である。
【0046】
なお、図1と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
同図に示すロックファスナー20のスライダー21は、本体21aと、その本体21a上に形成された凸条のカバー21bを備えており、そのカバー21b内に板ばね22が装着されている。
【0048】
この板ばね22は、図6(a)に示すように、ばね鋼で構成され略U字状に折り曲げられた状態で収納されており、カバー底板21cに形成されている開口21dから弾性爪部22aを下方に突出している。なお、同図では、構成を明瞭にするため手前側のカバー21bを切り欠いている。
【0049】
弾性爪部22aは、図2に示した弾性爪部7bと同様に、ファスナーエレメント列の務歯5aの間の凹溝部分に係合するようになっており、スライダー21が矢印A方向に移動するときは、変位して務歯5aを乗り越えるが、その逆方向にはエレメント列の間の凹溝部分と係合することにより矢印A方向と逆方向の移動を阻止するようになっている。
【0050】
この構成では引手23がカバー21bに装着されるが、引手23の下端に形成されている鉤状部23aが、板ばね22における弾性爪部22aの根元部22b下側に位置するように配置される。従って、引手23を上方に引き上げると、弾性爪部22aを上方に移動させることができ、それにより、弾性爪部22aのロックを解除することができる。
【0051】
また、図6(b)は板ばね22を保持している縦板21eの外面形状を示したものである。各縦板21eの外壁にはE方向に向けて幅が拡張するように形成されたテーパ面(引手脱落部)21fがそれぞれ設けられている(手前側のみ図示する)。
【0052】
一方、引手23における鉤状部23aの内側にはアール部23bが形成されており、引手23が矢印F方向(図6(a)参照)倒されてほぼ水平となった状態で各アール部23bが上記テーパ部21fと対応するようになっている。
【0053】
従って、スライダー21を閉じ側の止め具17(図3参照)まで移動させ、この状態で引手23を矢印E方向に押せば、テーパ部21fによって引手23の鉤状部23aが広がり、カバー21bから簡単に外れる。
【0054】
引手23が外れると、弾性爪部22aを上方に移動させる手段が失われるため、弾性爪部22aは常時、ファスナーエレメント列の務歯5aの間の凹溝部分に係合することになり、スライダー21はロックされる。
【0055】
図7は本発明のロックファスナーの第三の実施形態を示したものである。
【0056】
このロックファスナー30のスライダー31は基本的に自由スライダーからなり、本体31aと、その本体31a上に形成された柱部32を備えており、その柱部32に引手33が備えられている。
【0057】
また、本体31aの閉じ方向側先端部には通常のスライダー本体よりも若干長く形成された平行板31b,31bが形成されており、各平行板31bの内面には、閉じ方向に向けて先下がりに形成された一対の楔部31c,31cおよび一対の楔部31d,31dがそれぞれ対向して形成されている。
【0058】
スライダー31を閉じ側の止め具17の位置まで移動させると、楔部31c,31dは、止め具17の上縁部17aと係止し、楔部31d,31dは止め具17の下縁部17bと係止する。それにより、スライダー31がロックされるようになっている。上記楔部31c,31dは逆止片として機能する。
【0059】
図8は、本発明のロックファスナーの第四の実施形態を示したものである。
【0060】
上述したロックファスナーは、スライダーにロック機能を備えたが、本実施形態では止め具にロック機能を備えている。
【0061】
閉じ側に配置される止め具40は、その内側に繋止部としてのスライダーロック金具41を備えている。
【0062】
このスライダーロック金具41は、折り返し部41aで谷折りされた薄板部材からなり、一方の板部に、水平に配置される長方形からなるフラップ部41bと止め具40からスライダー側に向けて突出する鉤状のフック部(鉤状部)41cとを有しており、他方の板部にも同じくフラップ部41dと鉤状のフック部41cとを有している。
【0063】
各フラップ部41b,41dは、止め具40の上板40a内に嵌合するサイズに形成されており、各フラップ部41b,41dの後部には突起部41f,41gが形成されている。この突起部41f,41gは止め具40の上板縁部40bと係合して抜け止めとして機能するようになっている。
【0064】
また、フック部41c,41eはそれぞれ板ばねとして機能しており、開き方向(図中矢印方向)に弾性変形することができ、閉じ方向に付勢力が働くようになっている。
【0065】
図9は上記スライダーロック金具41の動作を説明したものであり、同図(a)はロック前、同図(b)はロック後の状態を示している。
【0066】
まず、図9(a)において、自由スライダー42を閉じ方向に移動させることにより、スライダーロック金具41に近づくと、スライダー42の摺動部42aがフック部41c,41eと対向する。
【0067】
さらにスライダー42をスライダーロック金具41に向けて移動させると、摺動部42aの先端が両フック部41c,41eと当接して押し広げ、摺動部42aが図9(b)に示す位置まで移動すると、フック部41c,41eが復元力によって元の位置に復帰し摺動部42aを拘束する。それにより、スライダー42がロックされる。
【0068】
なお、本発明の第二スライダーは、上記実施形態では自由スライダーで構成したが、これに限らず、引手から手を離すと自動的にロックがかかり、引手を引っ張ることによりロックが外れるいわゆるオートマチックスライダー、引手を倒した状態でロックがかかり、引手を起こした状態でロックが外れるセミオートマチックスライダーで構成することもできる。
【0069】
また、本発明の仮止め手段は、上記実施形態ではプラスチック製の薄板で構成したが、これに限らず、例えば結束バンドを使用することもできる。この場合、第二スライダー移動側のファスナーエレメントに結束バンドを巻き付けて結束することになる。
【0070】
また、本発明において収納体は、上記実施形態では収納袋で構成したが、書類等を収容する書類袋にも適用することができる。また、本発明の封緘用ファスナーは図10に示したような特別な挿通具56を必要としないため封緘したことが目立たず、ファッション性を必要とするファスナーとしても使用することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の本発明によれば、第一スライダーを移動させて一旦、ファスナーを閉じると、その反対側へは第一スライダーの移動が阻止されるため、ファスナーを簡便かつすばやく封緘することができる。また、封緘の必要がなくなると、第二スライダーの仮止めを解除することによりファスナーを開閉することができるようになる。
【0072】
請求項2の本発明によれば、第一スライダーに、ファスナーエレメント列と係合するとともにファスナー閉じ方向に移動する際には係合が解除される弾性爪部を備えたため、第一スライダーを閉じ方向にのみ移動させてファスナーを封緘することができる。
【0073】
請求項3の本発明によれば、引手を第一スライダーから脱落させるための引手脱落部を第一スライダーに設けたため、封緘して使用できない第一スライダーを操作するといった誤操作を防止することができる。
【0074】
請求項4の本発明によれば、引手を、弾性爪部の係合を強制的に解除し得るように構成したため、引手を外さない限り第一スライダーでファスナーを開閉することができる。
【0075】
請求項5の本発明によれば、第一スライダーを他方の固定端に移動させたときにその止め具に第一スライダーの逆止片が係止されるように構成したため、第一スライダーを移動させてファスナーを閉じるだけでファスナーが封緘される。
【0076】
請求項6の本発明によれば、第一スライダーを他方の固定端に移動させたときに止め具の繋止め具が第一スライダーを繋止するように構成したため、第一スライダーを移動させてファスナーを閉じるだけでファスナーが封緘される。
【0077】
請求項7の本発明によれば、繋止部を、鉤状部を有する弾性片で構成し第一スライダーを他方の固定端まで移動させたときに、弾性変形してその第一スライダーを鉤状部内に案内するように構成したため、第一スライダーを移動させてファスナーを閉じるだけで、鉤状部内に自動的に第一スライダーが案内されてファスナーが封緘される。
【0078】
請求項8の本発明によれば、第一スライダーと第二スライダーの間の第二スライダーの移動路を閉塞する仮止め手段を切断することができるようにして設けたため、封緘の必要がなくなった場合に仮止め手段を切断し第二スライダーを用いてファスナーを開閉することができるようになる。また、仮止め手段が切断されることにより、ファスナーの封緘が解除されたことを示すことができる。
【0079】
請求項9の本発明によれば、上記構成を有する封緘用ファスナーを、収納体の開口部に取り付ければ、例えば会計を済ませ、収納袋に商品を収納した後に、店員がその収納袋の口に設けられた第一スライダーを閉じ方向に摺動させればファスナーが閉じた状態でロックされ、その場で簡単に開けることができないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロックファスナーの斜視図である。
【図2】図1のスライダーの内部構造を示す要部断面図である。
【図3】ロックファスナーを備えた収納袋を示す斜視図である。
【図4】図3に示す仮止めプレートの拡大平面図である。
【図5】本発明のロックファスナーの第二実施形態を示す斜視図である。
【図6】(a)は図5のスライダーに収納される板ばねを示す斜視図、(b)はスライダーのカバーを切り欠いた斜視図である。
【図7】本発明のロックファスナーの第三実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明のロックファスナーの第四実施形態を示す斜視図である。
【図9】(a)および(b)は図8に示すロックファスナーの動作を示す説明図である。
【図10】(a)〜(c)は従来のファスナー封緘具の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ロックファスナー
2 引手
3 スライダー
3b 本体
3c カバー
4 ファスナーテープ
5 ファスナーエレメント
5a 務歯
6 止め具
7 板ばね
7b 弾性爪部
8 リング状保持部
Claims (9)
- 一対のファスナーエレメント列の一方の固定端側に、第一スライダーを先頭として第一スライダーおよび第二スライダーを直列に配置するとともに、上記第一スライダーを、ファスナー閉じ方向にのみ移動可能かまたは上記ファスナーエレメント列を閉じて他方の固定端側に移動したときにファスナー開き方向の移動を阻止できるように構成し、上記第二スライダーをファスナー開閉用として構成するとともに仮止め手段によって上記一方の固定端側に仮止めしてなることを特徴とする封緘用ファスナー。
- 上記第一スライダーに、上記ファスナーエレメント列と係合するとともに、ファスナー閉じ方向に移動する際には変位してその係合が解除される弾性爪部が備えられている請求項1記載の封緘用ファスナー。
- 上記第一スライダーの引手を、その第一スライダーから脱落させるための引手脱落部が上記第一スライダーに設けられている請求項2記載の封緘用ファスナー。
- 上記引手が、上記弾性爪部の係合を強制的に解除し得るように構成されている請求項2または3記載の封緘用ファスナー。
- 上記他方の固定端側に止め具を有し、上記第一スライダーを他方の固定端に移動させたときにその止め具に係止される逆止片が第一スライダーに設けられている請求項1記載の封緘用ファスナー。
- 上記他方の固定端側に止め具を有し、上記第一スライダーを他方の固定端に移動させたときに第一スライダーを繋止する繋止部が上記止め具に設けられている請求項1記載の封緘用ファスナー。
- 上記繋止部が先端に鉤状部を有する弾性片からなり、上記第一スライダーを上記他方の固定端まで移動させたときに、弾性変形してその第一スライダーを鉤状部内に案内するように構成されている請求項6記載の封緘用ファスナー。
- 上記仮止め手段が、上記第一スライダーと第二スライダーの間の上記ファスナーエレメント列に配置されて上記第二スライダーの移動路を閉塞するとともに、切断することによって閉塞を解除することができる薄板部材から構成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の封緘用ファスナー。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の封緘用ファスナーを、収納体の開口部に取り付けてなることを特徴とする包装体。
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Cited By (2)
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WO2018122914A1 (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | Ykk株式会社 | スライドファスナー |
-
2002
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