JP2004112561A - 画像処理装置 - Google Patents

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Isao Miyamoto
宮本 功
Hiroyuki Kawamoto
川本 啓之
Tomoyuki Yoshida
吉田 知行
Tomoji Okawa
大川 智司
Atsushi Togami
戸上 敦
Masanori Oyama
大山 真紀
Taira Nishida
西多 平
Yasunobu Shirata
白田 康伸
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Abstract

【課題】配信スキャナ機能を持つ複写機等において、配信するスキャン画像に含まれる文字・白地・絵柄等の各画像種に適合した補正・変換処理を施すことにより、利用側で文字が読みにくい、白地に色がつくなどの画質の劣化を起こさず、高品質を保つ。
【解決手段】像域分離部103で取得したスキャン画像の像域分離データ(文字・白地・絵柄)により、配信するスキャン画像に対し各像域に適合する処理条件を設定、即ちフィルタ処理104では、文字部にはエッジ強調とRGB値の等化、網点絵柄には強平滑化、網点以外の絵柄には弱平滑化、白地部にはRGB値の等化、の各フィルタ処理を適用し、γ補正処理部では、文字部の黒を強調する処理条件を設定する。γ補正106後sRGB変換107し、汎用フォーマット変換部108の圧縮機によりJPEG等にて送信する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿から読み取ったモノクロ或いはカラー画像データを入力する手段(例えば、スキャナ)を有し、その入力原稿画像データをPC等の利用端末に配信する機能を持つ画像処理装置(システム)に関し、特定すると、原稿画像が文字・白地・絵柄のような異なる画像種を1画像に像域を分けて持つ画像である場合に、各々の像域に適合する処理条件を設定することにより、画像品質の劣化を起こさずに、必要なデータを配信し得る画像データの処理を可能にする手段を備えた前記画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機等の原稿の読み取り画像データを入力する手段(例えば、スキャナ)を有する画像処理装置においては、ネットワーク化が進み、画像処理装置が持つ機能をネットワーク接続した他の端末から利用することが可能になってきている。例えば、ネットワーク接続した複合機(コピー機能、FAX機能を複合させたデジタル複写機等)では、スキャナで読み取った原稿画像データをPC等の他の利用端末へ配信する機能が提案され、徐々に活用され始めてきている。
また、従来、上記した複合機における配信スキャナ機能の利用例に限らず、ネットワークに接続されたスキャナより画像を直接、ネットワーク上のPC端末に配信するシステムでは、一般的に、図16に示すようなパスにより、スキャナ側の処理を行なっている。即ち、図16に示すように、原稿901をスキャナで読み取り入力されたR,G,B(R:RED,G:GREEN,B:BLUE)画像データに対し、スキャナ固有の特性による影響を除くためにスキャナγ902による補正を行い、その後PC等の利用端末側の多様性に対応することができるようにsRGB変換903により標準色空間への変換を行い、sRGB画像データを配信汎用フォーマット904により汎用的なフォーマットに変換してPC等に配信する。なお、配信という定義にはならないが、TWAIN(Technology Without Any Interested Name)規格に対応しているソフトとドライバを使用することで、ネットワーク上に接続されているスキャナからPCへ画像を取り込む手段もあり、最近の複合機はこの機能を付属している場合があるが、この場合にも、送信するスキャン画像の処理は、同様のパス(図16)によっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、原稿をスキャナで読み取り入力されたRGB画像データに対し、一般的に用いられている汎用的なフォーマットへの変換処理(図16)を画像の内容に関係なく、画像の全面にわたり一括して適用している。つまり、画像内に含まれる画像種を考慮せずに一定の処理条件を全面に適用して補正・変換等の処理を行っている。従って、入力画像が文字・白地・絵柄のように画像種を異にする画像部分を持つ画像であったときに、文字が読みにくい、白地に色がつくなどの不具合が発生している。
本発明は、上述の従来技術における問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、原稿から読み取ったモノクロ或いはカラー画像データを入力する手段(例えば、スキャナ)を有し、その入力原稿画像データをPC等の利用端末に配信する機能を持つ画像処理装置(システム)において、画像内に複数の画像種が含まれる画像を配信する際に、配信する画像に対し、画像内に含まれる各画像種(文字・白地・絵柄)に適合した補正・変換処理を施すことにより、利用側で文字が読みにくい、白地に色がつくなどの画像品質の劣化を起こさず、必要なデータを配信し得、配信機能の利用の最適化を可能にする前記画像処理装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原稿の読み取り画像データの入力手段と、該入力原稿画像データの像域を画像種により分離する像域分離手段と、画像データを設定が可変な処理条件に従い処理する画像処理手段と、該画像処理手段により処理した画像データを通信媒体を介して送信する送信手段を有する画像処理装置であって、前記画像処理手段は、前記像域分離手段により分離した像域の入力原稿画像データに対して、それぞれの画像種に適合する処理条件を設定して、画質を調整する処理を行い、処理後の画像データを汎用フォーマットに変換することを特徴とする画像処理装置である。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記画像処理手段は、前記像域分離手段により像域を分離したそれぞれの画像種に適合するフィルタを用いることにより画質を調整することを特徴とするものである。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理装置において、入力原稿画像データをRGBよりなる色成分値で表現されたデータとし、前記像域分離手段は、黒文字の像域を分離するとともに、前記画像処理手段は、該像域分離手段により分離された黒文字の像域におけるRGB値を等しくする調整を行うことを特徴とするものである。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、前記像域分離手段は、文字の像域を分離するとともに、前記画像処理手段は、該像域分離手段により分離された文字の像域に所定のガンマ補正を行うことを特徴とするものである。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、入力原稿画像データをRGBよりなる色成分値で表現されたデータとし、前記像域分離手段は、白地の像域を分離するとともに、前記画像処理手段は、該像域分離手段により分離された白地の像域におけるRGB値を等しくする調整を行うことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の画像処理装置を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。以下には、本発明の画像処理装置に係わる実施形態として、スキャナ読み取り原稿画像を配信する機能を備えた装置へ実施した例を示す。
図1は、本実施形態に係わる画像処理装置のシステム構成を概略的に示すブロック図である。
図1に示す実施形態の画像処理システムは、配信スキャナ機能を実現するために必要な要素のみを示しているので、例えば、複合機能としてコピー機能を備えた装置として実施する場合には、スキャナ部の処理を共通にしても、さらに、紙媒体へのプリント出力するために必要な処理を付加する必要がある。
本実施形態システムにおいて配信スキャナ機能を実現する要素として、図1に示すように、原稿101の読み取り画像データの入力手段としてのスキャナ(図示せず)からの入力原稿画像データに対するスキャナγを補正するスキャナγ補正部102、入力画像データに対しフィルタによりデータ値を調整するフィルタ処理部104、フィルタ処理後の画像データに解像度の変換を施す解像度変換処理部105、解像度を変換した後の画像データにγ補正処理を施すγ補正処理部106、γ補正後のRGB画像データを標準色空間のsRGB画像データに変換するsRGB変換処理部107、変換後のsRGB画像データをJPEG、BMP等の配信フォーマットに変換する配信汎用フォーマット変換部108、及び入力原稿画像データの像域を画像種により分離し、領域分離データをフィルタ処理部104及びγ補正処理部106への制御データとして入力する像域分離部103を有する。
【0010】
次に、上記した要素により構成される画像処理システムの機能を動作とともに、さらに詳細に説明する。
先ず、原稿101を読み取る場合、CCD(光電変換素子)を用いた読み取りユニット(スキャナ)により、セットされた原稿を読取り、R,G,B(R:RED,G:GREEN,B:BLUE)に色分解されたデータとして画像を取り込む。
本例の配信スキャナ機能の動作では、データを紙に出力する必要が無いのでスキャナγ処理102を行ない、像域分離103からの情報を基にフィルタ処理104、解像度変換処理105、γ処理106を経てそのまま汎用的な画像フォーマットに変換、若しくはPCのモニタで最適な色みを再現するため、RGBデータをsRGBデータに変換処理107した後、汎用的な画像フォーマットに変換して配信108が行なわれる。これらの動作は原稿1枚毎に行なわれる。なお、複合機とした場合、コピー機能使用時のスキャン画像データの流れは、スキャナγ処理102、フィルター処理104を経て、図示されない色補正処理、変倍処理を行う。
また、本実施形態の配信スキャナ機能においては、原稿画像が文字・白地・絵柄のような異なる画像種を1画像に像域を分けて持つ画像を配信の対象にする際に、配信先の利用端末側で文字が読みにくい、白地に色がつく等、一部の画像種に画像品質の劣化を起こすことがないようにし、このために、配信するスキャン画像に対し、画像内に含まれる各画像種(文字・白地・絵柄)に適合した補正・変換処理を施す、という方法を適用する。
【0011】
次に、この方法の実施に必要な手段である、スキャン画像における各画像種の像域を分離する像域分離部103について、具体的に説明する。
図2は、図1に示した像域分離部103の構成を詳細に示したものである。
図2において、白背景分離回路303は、原稿のスキャン画像データの中から白地の像域を検出する回路であり、エッジ分離回路304は、原稿のスキャン画像データの中から文字エッジを検出する回路であり、網点分離回路305は、原稿のスキャン画像データの中から網点の像域を検出する回路であり、色分離回路306は、原稿のスキャン画像データの中から有彩/無彩部分を検出する回路であり、総合判定回路307は、上記各分離回路303〜306の検出結果を受けて像域分離結果を出力する回路である。
エッジ分離回路304、網点分離回路305、白背景分離回路303、としては、この種の画像処理における既存の方法を適用することが可能で、例えば、特開平10−108012に記載された方法を採用可能である。以下にその概要を説明する。
文字領域は、高レベル濃度の画素と低レベル濃度の画素(以下、黒画素、白画素と呼ぶ)が多く、かつ、エッジ部分では、これらの黒画素及び白画素が連続している。エッジ分離回路304は、このような黒画素及び白画素それぞれの連続性に基づいて文字エッジを検出する。図3はこの検出原理に基づくエッジ分離回路304を示す。
図3に示すように、エッジ分離回路304は、3値化処理部401、黒連続画素検出部402、白連続画素検出部403、近傍検出部404の各処理部よりなる。3値化処理部401は、2種の閾値TH1,TH2を用い入力画像信号400に対し3値化(白画素<TH1、TH1≦中間調画素<TH2、TH2≦黒画素)を行なう。閾値TH1,TH2は、例えば、入力画像信号が0から255までの256階調(0=白)で表される場合にTH1=20、TH2=80に選ぶことができる。
3値化後の画像信号に対し、黒連続画素検出部402は黒画素が連続する箇所を、白連続画素検出部403は白画素が連続する箇所を、それぞれパターンマッチングにより検出する。このパターンマッチングには、本実施形態では、図4に示す3×3画素のパターンが用いられる。黒連続画素検出部402は図4の(a)に示した4種のパターンのいずれかにマッチングした注目画素(この例では3×3画素の中央画素)を黒連続画素とし、同様に、白連続画素検出部403は図4の(b)に示した4種のパターンのいずれかににマッチングした注目画素(3×3画素の中央画素)を白連続画素とする。
近傍検出部404では、黒連続画素検出部402及び白連続画素検出部403の検出結果に基づいて、黒連続画素と白連続画素が近傍にあるか否かを調べることにより、エッジ領域と非エッジ領域を判定する。具体的には、5×5画素単位のサイズのブロック毎に、その内部に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在する時に、そのブロックをエッジ領域と判定し、そうでない時に、そのブロックを非エッジ領域と判定する。そして、エッジ領域と判定したブロック内の画素に対応して“1”を出力し、非エッジ領域と判定したブロック内の画素に対応して“0”を出力する。
【0012】
網点の像域では、高い濃度値を持つ画素と低い濃度値を持つ画素が交互に周期的に現れる。網点分離回路305は、この高い濃度値又は低い濃度値を持つ極値画素を検出することによって網点領域を識別する。図5に網点分離回路305の一例を示す。
図5を参照して、網点分離回路305を説明すると、極値画素検出部601は、演算により極値画素を検出する。本実施形態では、図6に示すように、3×3画素の中心画素を注目画素として、次の条件A,Bを同時に満たす時に、注目画素を極値画素として検出する。
条件A:中心画素の濃度レベル(L)が周囲のどの画素と比較しても濃度レベ ルが高いか、又は低い。
条件B:中心画素の濃度レベル(L)と、中心画素を挟んで対角線上にあるペ ア画素の濃度レベル(a,b)が、2ペア全てについて、
|2×L−a−b|>TH3
の関係にある。但し、TH3は固定の閾値である。
網点領域検出部602は、4×4画素を1単位とするブロックにおいて、極値画素検出部601で検出された極値画素が1つ以上存在するならば、同ブロックを網点候補領域と判定し、極値画素が1つも存在しなければ、同ブロックを非網点候補領域と判定する。
さらに、ブロック単位で上記のように網点候補領域の判定を行なった結果を受けて、最終的な網点/非網点の判定を網点領域補正部603で行う。
本実施形態では、図7に示すように、注目ブロック(4×4画素)を中心とした3×3のブロックにおいて、4ブロック以上が網点候補領域であれば注目ブロックを網点領域と判定し、そうでなければ、注目ブロックを非網点領域と判定する。網点領域と判定されたブロック内の画素に対応して“1”を出力し、非網点領域と判定されたブロック内の画素に対応して“0”を出力する。
また、白背景分離回路303は入力画像の背景が白であるか、否かを判定する回路で、図8に示す回路を適用することができる。図8に示すように、入力画像データを閾値THWを用いて2値化処理部201で白画素と黒画素に2値化し、この2値化後の画像データに対し、パターンマッチング部202で4×4画素単位の画素ブロック毎に、4×1画素又は1×4画素単位の白画素塊を白候補ブロックとして検出する。この白候補ブロックに対し、白補正部203で最終的に白背景/非白背景の判定をする。ここでの判定の手順は、注目ブロック(4×4画素)を中心とした周辺領域(9×9のブロック)に白候補ブロックが均一に存在するか、否かにより、注目した白候補ブロックが白背景領域であるか、否かを判定し、白背景領域であると判定されたブロック内の画素に対応して“1”を出力し、白背景領域と判定されたブロック内の画素に対応して“0”を出力する。
【0013】
また、色分離回路306としては、入力画像データの有彩、無彩を判定するものであり、この種の画像処理における既存の方法を適用することが可能で、例えば、特開2000−125140(段落[0126]〜[0145]、図16〜図18に関する記載、参照)に記載された方法を採用可能である。以下にその概要を示す。
図9はこの色分離回路306を示すもので、同図を参照すると、入力されたRGB画像データを色相分割する色相分割部501と、色相分割出力C,M,Yそれぞれを5ライン蓄積する5×5ラインメモリ502C,M,Yと、ラインメモリ502C,M,Yの蓄積データに基づいて無彩(黒画素)か、有彩(色画素)かを判定する色画素判定部503とからなる。色画素判定部503は、C,M,Yのプレーンを独立にカウントしたカウント値と、5×5ラインメモリ502のC,M,Yの全てが1或いは全てが0以外の画素(色画素)の部分に対して所定のパターンマッチングを行い得た結果とに基づいて、色画素の判定を行い、有彩(色画素)であると判定された画素に対応して“1”を出力し、無彩(黒画素)と判定された画素に対応して“0”を出力する。
総合判定回路307は、上記した4つの画像特徴(画像種)による分離回路から得られた分離結果(1、0)を受けて、総合的な判定を行う。この判定は図10に示すような規則に従って行なう。
つまり、エッジ分離(1)かつ網点分離(0)かつ白背景分離(1)かつ色分離(0)であれば、黒文字領域信号を発生し、エッジ分離(1)かつ網点分離(0)かつ白背景分離(1)かつ色分離(1)であれば、色文字領域信号を発生し、エッジ分離(0)かつ網点分離(0)かつ白背景分離(1)であれば、白地領域信号を発生し、上記した黒文字領域、色文字領域、白地領域以外については絵柄領域信号を発生する。なお、絵柄領域信号については、網点分離回路305の分離データを添付することにより、網点の絵柄信号として出力することができる。
このようにして、総合判定回路307により判定された黒文字領域、色文字領域、白地領域、絵柄領域の各信号は、像域分離部103の像域分離データ出力として、フィルタ処理部104及びガンマ補正部106に送られ、後述する画像データの調整の制御信号として用いる。
【0014】
次に、フィルタ処理部104において行う画像データの調整に関する本発明の実施形態について説明する。ここでは、フィルタ処理部104に各種フィルタを用意し、その中からそれぞれの画像種に適合するフィルタを用いることにより画質を調整するフィルタ処理を行うが、そのために上記した像域分離部103から出力される画像種により像域の分離をした像域分離データを利用する。
即ち、像域分離部103により、ある像域を文字部(図10の黒文字、色文字の像域)と判定した場合、その部分には、例えば、図11−(a)に示すような係数値を持つフィルタによりエッジ強調フィルタ処理を施し、また、ある像域を網点を持つ絵柄部と判定した場合には、発生するモアレを除去するために、例えば、図11−(b)に示すような係数値を持つフィルタにより強平滑化フィルタ処理を施し、それ以外に対しては、例えば図11−(c)に示すような係数値を持つフィルタにより弱平滑化フィルタ処理を施す。
フィルタ処理部104で像域分離データを利用した画質の調整を行った後、さらに、画像は解像度変換処理部105によって、所望の解像度に解像度が落とされる。例えば、600dpiから300dpiへ解像度を1/2に落とす時には、所定の画素ブロック単位で平均化・間引き処理を行う。例えば、図12のA1〜A4に示すような画素ブロック単位で平均を求め、間引きをすることにより解像度変換を行う。
また、画像のスキャナ読み取り時の解像度を600dpiであると、解像度が落とされた画像データはγ補正処理部106でγ補正された後、γ補正後のRGBの情報を直接、配信汎用フォーマット変換部108の多値汎用フォーマット圧縮機によって最終処理を行うか、γ補正後のRGBの情報をsRGBに変換した後、多値汎用フォーマット圧縮機によって最終処理を行う。このようにして、配信画像データに対する処理を像域分離部103での結果に基づき最適化することで配信される画像の品質を向上することが可能になる。
【0015】
フィルタ処理部104において行う画像データの調整に関する本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態においても、スキャナにより画像データを取り込んだ際、像域分離部103により得た分離結果に基づいて、各像域に適合した処理を行なう。
即ち、像域分離部103により、黒文字の像域と判定された(図10、参照)部分には、図13のブロック図に示すように、スキャナγ補正処理102を施した後のスキャン画像データのRGB値を、R=G=Bとそれぞれ等しく揃える処理をフィルタ処理部104において行う。このRGB値を揃える処理を施すことにより、黒文字領域と判定された部分の色のばらつきを低減することができ、文字画像の品位を向上することが可能になる。
このようにして、RGB値を揃える処理を行なった後、さらに文字像域に対する上記したエッジ強調処理以降の処理を適用し、配信する。この配信処理を行なった場合、受け取った配信画像データを利用するPC端末では、再度、画像データを画像処理システムに取り込み、紙に出力するような場合、予め黒文字領域のRGB値がそれぞれ同じ値に揃っているので、画像データに対する色変換により黒文字を検出する際に、比較的簡易にその検出を行うことが出来るようになる。
従来の配信処理では、紙出力することを意識して特に黒文字領域を検出して文字用に画像データを処理するといったことが行われることはなかったので、配信スキャナ機能を持った複合機により複合機側でコピー出力した文字領域の画像に比較して、配信画像データによる配信先の紙出力の画質が劣り、見辛いものとなっていた。しかしながら、本実施形態の上記した方法に示すように、黒文字の像域に対して、黒文字用の処理を行なって画像の配信処理を行なうようにしたので、従来、何も処理を行なっていないものに比べ、配信先で出力される文字品質が格段に良好になるという効果が得られる。
【0016】
次に、文字の像域、特に黒文字の像域を対象に画像品質の向上を図る、γ補正処理部106において行う画像データの調整に関する本発明の実施形態について説明する。この実施形態においても、スキャナにより画像データを取り込んだ際、像域分離部103により得た分離結果に基づいて、各像域に適合した処理を行なう。
即ち、像域分離部103により、黒文字(色文字)の像域と判定された(図10、参照)部分には、文字部に適合するγ補正特性を用いる。本実施形態では、γ補正処理部106のRGB画像データに対して、像域分離部103から入力される像域分離データである文字・絵柄分離信号によってガンマ補正における処理条件の設定を切り替える。例えば、文字分離信号を有する文字部分の像域においては、図14において文字部と指示された、ほぼS字状の特性を持ったガンマカーブを用いて補正を行ない、黒を強調することにより、高解像性を得るようにする。また、絵柄の像域と判定された(図10、参照)部分には、図14において絵柄部と指示された、ほぼリニアな特性を持ったガンマカーブを用いることにより、高階調性を保つ。このように、文字部と写真部の各像域に適合した処理条件に切り替えることにより、画像全体の高画質を維持することを可能にする。
このようにして、γ補正処理を行なった後、さらにsRGB変換処理以降の処理を適用し、配信する。この配信処理を行なった場合、受け取った配信画像データを利用するPC端末では、文字画像の品位を向上することが可能になる。
【0017】
フィルタ処理部104において行う画像データの調整に関する本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態においても、スキャナにより画像データを取り込んだ際、像域分離部103により得た分離結果に基づいて、各像域に適合した処理を行なう。
即ち、像域分離部103により、白地の像域と判定された(図10、参照)部分には、図15のブロック図に示すように、スキャナγ補正処理102を施した後のスキャン画像データのRGB値を、R=G=Bとそれぞれ等しく揃える処理をフィルタ処理部104において行い、その後、例えば、γ補正処理を行う際には処理条件の設定によりγ処理を飛ばすようにする。このRGB値を揃え留処理を施し、γ処理を飛ばすことにより、白地領域と判定された部分の色付きや色むらを低減することができ、下地の画像品位を向上することが可能になる。
このようにして、RGB値を揃える処理を行なった後、白地像域に対し上記したさsRGB変換処理以降の処理を適用し、配信する。この配信処理を行なった場合、受け取った配信画像データを利用するPC端末では、再度、画像データを画像処理システムに取り込み、紙に出力するような場合、予め白地領域のRGB値がそれぞれ同じ値に揃っているので、画像データに対する色変換により白地領域を検出する際に、比較的簡易にその検出を行うことが出来るようになる。
従来の配信処理では、紙出力することを意識して特に白地領域を検出して白地用に画像データを処理するといったことが行われることはなかったので、配信スキャナ機能を持った複合機により複合機側でコピー出力した白地領域の画像に比較して、配信画像データによる配信先の紙出力の画質が劣り、見辛いものとなっていた。しかしながら、本実施形態の上記した方法に示すように、白地の像域に対して、白地用の処理を行なって画像の配信処理を行なうようにしたので、従来、何も処理を行なっていないものに比べ、配信先で出力される文字品質が格段に良好になるという効果が得られる。
【0018】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明に対応する効果
スキャン画像の配信の際に、配信画像を画像種により像域分離し、分離した像域の画像データに対してそれぞれの画像種に適合する処理条件を設定して、画質の調整を行い、調整後のデータを汎用画像フォーマットに変換し、配信するようにしたので、配信先で利用する際に画質の劣化を起こさず、高品質を保つことが可能になる。
(2) 請求項2の発明に対応する効果
フィルタを用いて画質を調整するようにしたことにより、多様な画像種へ容易に適合することが可能になる。
(3) 請求項3の発明に対応する効果
分離された黒文字の像域におけるRGB値を等しくする調整を行うようにしたことにより、黒文字の像域と判定された部分の色のばらつきを低減することができ、配信画像において文字部分の画像品質を向上することが可能になる。また、配信した画像を再度、紙出力する際、予め文字部はRGB値が揃っているので出力用に画像処理を行なう場合、簡易に文字部の認識を行なうことができるので、品質の高い画像の出力を行なうことが可能になる。
(4) 請求項4の発明に対応する効果
分離された文字の像域に文字として見易いように調整する(黒を強調する)ガンマ補正を行うようにしたことにより、文字部の品質を向上(高解像性を得る)することが可能になる。
(5) 請求項5の発明に対応する効果
分離された白地の像域におけるRGB値を等しくする調整を行うようにしたことにより、白地(地肌)の像域に色がつくといった変化が起きることを低減することができ、配信画像において白地部分の画像品質を向上することが可能になる。また、配信した画像を再度、紙出力する際、予め白地部分はRGB値が揃っているので出力用に画像処理を行なう場合、簡易に白地部分の検出を行なうことができるので、品質の高い画像の出力を行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる画像処理装置のシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の像域分離部の内部構成を示す。
【図3】図2のエッジ分離回路の内部構成を示す。
【図4】図3のエッジ分離のパターンマッチング処理に用いるパターンを例示する。
【図5】図2の網点分離回路の内部構成を示す。
【図6】図5の網点分離処理における極値画素の検出方法を説明するための図である。
【図7】図5の網点分離処理における網点領域補正方法を説明するための図である。
【図8】図2の白背景分離回路の内部構成を示す。
【図9】図2の色分離回路の内部構成を示す。
【図10】像域分離部における画像種(文字・白地・絵柄)の像域判定規則を示す。
【図11】図1のフィルタ処理部に用いるエッジ強調、強平滑化、弱平滑化の各フィルタの係数を例示する。
【図12】図1の解像度変換部の処理方法を説明するための図である。
【図13】黒文字の像域に対する画像処理に係わるシステム構成部分を示すブロック図である。
【図14】図1のガンマ補正処理部に用いる補正値を示す。
【図15】白地の像域に対する画像処理に係わるシステム構成部分を示すブロック図である。
【図16】従来の配信スキャナ機能を持つ画像処理装置のシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
101…原稿、        102…スキャナγ補正部、
103…像域分離部、     104…フィルタ処理部、
106…γ補正処理部、    107…sRGB変換処理部、
108…配信汎用フォーマット変換部。

Claims (5)

  1. 原稿の読み取り画像データの入力手段と、該入力原稿画像データの像域を画像種により分離する像域分離手段と、画像データを設定が可変な処理条件に従い処理する画像処理手段と、該画像処理手段により処理した画像データを通信媒体を介して送信する送信手段を有する画像処理装置であって、前記画像処理手段は、前記像域分離手段により分離した像域の入力原稿画像データに対して、それぞれの画像種に適合する処理条件を設定して、画質を調整する処理を行い、処理後の画像データを汎用フォーマットに変換することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載された画像処理装置において、前記画像処理手段は、前記像域分離手段により像域を分離したそれぞれの画像種に適合するフィルタを用いることにより画質を調整することを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像処理装置において、入力原稿画像データをRGBよりなる色成分値で表現されたデータとし、前記像域分離手段は、黒文字の像域を分離するとともに、前記画像処理手段は、該像域分離手段により分離された黒文字の像域におけるRGB値を等しくする調整を行うことを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、前記像域分離手段は、文字の像域を分離するとともに、前記画像処理手段は、該像域分離手段により分離された文字の像域に所定のガンマ補正を行うことを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、入力原稿画像データをRGBよりなる色成分値で表現されたデータとし、前記像域分離手段は、白地の像域を分離するとともに、前記画像処理手段は、該像域分離手段により分離された白地の像域におけるRGB値を等しくする調整を行うことを特徴とする画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100454963C (zh) * 2005-08-31 2009-01-21 夏普株式会社 图像处理装置和方法、图像形成装置、图像读取装置
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WO2016197323A1 (zh) * 2015-06-09 2016-12-15 华为技术有限公司 视频编解码方法和视频编解码器

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