JP2004112494A - 画像処理装置、画像処理方法および記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置の記録条件による出力特性を考慮し、入力画像情報に応じた色補正を行う。
【解決手段】ヒストグラム生成部251では、描画データ解釈手段202から出力されるイメージ画像データのヒストグラムを生成し、特徴量算出部252ではヒストグラムの特徴を分析して所定の特徴量を計算する。色補正規則生成部254では、算出された特徴量とプリンタドライバ等で設定されたカラー画像形成装置の記録条件に応じて入力画像に適切な色調補正を行うための色補正規則を生成し、色調補正部255では、生成された色補正規則を参照して、入力画像の画素毎に適切な色調補正を行う。
【選択図】 図4
【解決手段】ヒストグラム生成部251では、描画データ解釈手段202から出力されるイメージ画像データのヒストグラムを生成し、特徴量算出部252ではヒストグラムの特徴を分析して所定の特徴量を計算する。色補正規則生成部254では、算出された特徴量とプリンタドライバ等で設定されたカラー画像形成装置の記録条件に応じて入力画像に適切な色調補正を行うための色補正規則を生成し、色調補正部255では、生成された色補正規則を参照して、入力画像の画素毎に適切な色調補正を行う。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にデジタルカメラやスキャナ等の画像入力装置により入力された画像データをカラープリンタ等の画像形成装置用の記録信号に変換する際、画像データ分布等に応じて適切に色補正する画像処理装置、画像処理方法及び記録媒体に関し、外部からの画像情報を入力することによって画像形成することが可能なカラーファクシミリ、カラーインクジェットプリンタ、カラー複写機や、コンピュータ上で稼動するカラープリンタ用ソフトウェアなどに好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの発達、通信ネットワークの整備、大容量の記録媒体の出現等に加えて、スキャナやデジタルカメラ等が普及するに伴い、デジタルデータで写真画像を扱う機会が増えている。また、カラーインクジェットプリンタ等の性能向上により、写真画像データを高画質化にプリントアウトしたいという要求が高まっている。
【0003】
しかし、一口に写真画像といっても、プロのカメラマンが撮影した高品位の画像や、あまり品質の高くない画像まで様々である。ここでいう品質の高くない画像とは、露出がオーバーやアンダーしているもの、画像全体に色かぶりを起こしているもの、逆光やフラッシュの光量不足により被写体が暗い画像等である。
【0004】
そこで、従来から入力撮影画像データを解析し、適切なヒストグラムになるように補正する技術が提案されており、インクジェットカラープリンタでは、このような画像適応自動補正を実施して画像形成装置用の記録信号に変換して、シアンC、マゼンタM、イエローYの3色、又はそれにブラックBKや淡いシアンPC、淡いマゼンタPMを加えたインクを用いて記録媒体に画像形成していた。
【0005】
基本的な技術としては、入力信号の各色成分R,G、Bを重み付け加算した輝度信号について、図1に示すようなヒストグラムを作成し、そのヒストグラムにおいて、予め設定した所定の累積度数1%、99%にそれぞれに対応する輝度信号の上限値(ハイライト点濃度)、下限値(シャドー点濃度)を求め、これら上限値と下限値とを各色成分R,G、Bに共通に使用した階調変換曲線を生成して補正する技術が従来から知られている。
【0006】
最近では高精度化を狙った、例えば、画像に付加されたホワイトバランス係数、回路ゲイン、ガンマ係数などの画像入力デバイスの撮影情報より撮影状態を把握し、撮影状態に応じて色空間変換を行う画像処理装置およびその方法(例えば、特許文献1参照)、画像全体の特徴と被写体等の部分的な領域の特徴に応じて画像補正規則を生成して、画像中の被写体領域の露出が適正になるように、さらには人の肌色に近い色の領域を好ましい色に補正する画像処理装置及びその方法並びにメモリ媒体(例えば、特許文献2参照)、入力画像中の特定された有効画素に対して作成したヒストグラムを用いて階調変換曲線を生成して高精度にホワイトバランス補正する画像処理装置、方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、特許文献3参照)等の技術がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平11―355587号公報
【特許文献2】
特開2001―144994号公報
【特許文献3】
特開2000―242777号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの入力された写真画像データを解析して適切に画像補正する技術は、基本的にはRGB空間や知覚均等色空間において最適なコントラストやホワイトバランスや色再現を得るための処理であって、画像形成装置における色再現範囲、粒状性、安定性等の記録特性を考慮したものではない。
【0009】
特にインクジェットプリンタにおいては、様々な記録条件によって出力速度や色再現範囲を含む画像品質が変わる。例えば、記録媒体、つまり記録用紙の種類を変えた場合、紙の白色点や単位面積当たりに打てるインク総量が異なるため、ダイナミックレンジや色再現範囲が大きく変わったり、ドット径が変わることにより、粒状性や鮮鋭度等の画像品質が異なってしまう。
【0010】
また、この現象は、1パス出力や2パス出力などの記録方式、ディザや誤差拡散などの擬似中間調処理方式、両面印刷などの印刷条件によっても同様に起こる。
【0011】
このように用途に応じて様々な記録条件で出力可能なインクジェットプリンタでは、設定された記録条件によって、ダイナミックレンジ、色再現範囲、白色点などの色再現特性だけでなく、測色的に同じ色を出力した場合でも、階調性や粒状性などの記録特性が異なるため、入力画像データに対して、RGB空間や知覚均等色空間において最適なコントラストやホワイトバランスや色再現が得られるように補正しても、画像形成装置の記録条件によっては最適な出力画像が得られない。
【0012】
本発明は、前述した従来の問題点を解決するためになされたもので、様々な記録条件下におけるカラー画像形成装置の能力を最大限に活用して、色再現することを目指している。
【0013】
即ち、請求項1の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0014】
請求項2の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高速に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0015】
請求項3の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による詳細な画質特性を考慮しながら、入力画像情報に応じた最適なコントラスト、ホワイトバランス、露出量、ノイズ除去に関する補正を高速に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0016】
請求項4の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を、共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0017】
請求項5の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による記録品質や記録速度を考慮して、入力画像情報に応じた色補正を効率的に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0018】
請求項6の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラストとホワイトバランスに関する補正を、共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0019】
請求項7の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラスト、ホワイトバランス、露出量に関する補正を、少ない情報量で共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0020】
請求項8の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0021】
請求項9の目的は、設定された画像形成装置の記録条件によって変わる粒状度等の記録品質を考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0022】
請求項10の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を比較的簡単な構成で高精度に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0023】
請求項11の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度かつ比較的高速に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0024】
請求項12の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報の主被写体領域に最適な色補正を、高精度かつ比較的高速に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0025】
請求項13の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラスト、露出量、記憶色の色度値に関する補正を高精度に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0026】
請求項14の目的は、ユーザーの期待する画像出力が得られる画像補正を可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0027】
請求項15の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色再現をすることにある。
【0028】
請求項16の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた高精度な色再現をすることにある。
【0029】
請求項17の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を可能にする画像処理プログラムを提供することにある。
【0030】
請求項18の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことを可能にする画像処理プログラムを提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる第1の発明は、画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を有するものである。
【0032】
本発明に関わる第2の発明は、入力画像は撮影画像であって、第1の発明における色補正規則の生成手段は、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、少なくともコントラスト、露出量、ノイズ除去処理に関わる調整パラメータのいずれかを変更するようにしている。
【0033】
本発明に関わる第3の発明は、第2の発明における調整パラメータは、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる白色点情報、色再現範囲、粒状度、階調数、シャープネス、グレーバランスのいずれかの情報に応じて生成するようにしている。
【0034】
本発明に関わる第4の発明は、入力画像は撮影画像であって、第1の発明における入力画像情報の解析手段は、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、入力画像の解析条件を変更するようにしている。
【0035】
本発明に関わる第5の発明は、第4の発明において変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のサンプリング条件を含むようにしている。
【0036】
本発明に関わる第6の発明は、第4の発明において変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のハイライトポイントとブラックポイントの算出条件を含むようにしている。
【0037】
本発明に関わる第7の発明は、第4の発明において変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像の解析に用いる有効画像領域の抽出条件を含むようにしている。
【0038】
本発明に関わる第8の発明は、画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する推定手段と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を有するものである。
【0039】
本発明に関わる第9の発明は、入力画像は撮影画像であって、第8の発明における画像品質情報には、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる粒状度、階調数のいずれかを含むようにしている。
【0040】
本発明に関わる第10の発明は、第8、9の発明における画像品質情報の推定は、入力色空間の代表点と画像品質に対応する評価値の関係を表わすテーブルによる変換にしている。
【0041】
本発明に関わる第11の発明は、第8〜10の発明における画像品質情報の推定手段は、入力画像における部分的な領域について画像品質情報の推定を行うようにしている。
【0042】
本発明に関わる第12の発明は、第11の発明の画像処理装置において、入力画像における部分的な領域を決定する決定手段を具備し、前記部分的な領域は主被写体領域であるようにしている。
【0043】
本発明に関わる第13の発明は、第8〜12の発明における色補正規則の生成手段は、画像品質情報に応じて、少なくともコントラスト、露出量、記憶色の色度値に対する調整パラメータのいずれかを変更するようにしている。
【0044】
本発明に関わる第14の発明は、第1〜13の発明の画像処理装置において、入力画像情報の解析結果に応じた推奨記録条件を取得する取得手段と、少なくとも前記入力画像情報の解析結果と前記推奨記録条件のいずれかを表示する表示手段と、実際の画像形成に用いる記録条件を設定する設定手段をを有するものである。
【0045】
本発明に関わる第15の発明は、入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された画像形成装置の記録条件と入力画像情報の解析結果に応じて生成した色補正規則により色補正するようにしている。
【0046】
本発明に関わる第16の発明は、入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定し、入力画像情報の解析結果と前記画像品質情報に応じて生成した色補正規則により色補正するようにしている。
【0047】
本発明に関わる第17の発明は、画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしている。
【0048】
本発明に関わる第18の発明は、画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する手順と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしている。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
【0050】
図2は、本発明の一実施形態にかかる画像処理装置のブロック図を示している。図2において、103は、画像処理装置200をコントロールするためのコンピュータである。コンピュータ103は、オペレータから出力命令を受け取ると画像を撮像するなどして取り込まれた画像データや画像データが貼り付けられた文書データなどを一連の描画データに変換して画像処理装置200に送信する。
画像処理装置200はコンピュータ103から送信された描画データを一旦バッファメモリ201に蓄積した後、画像出力装置が解釈可能な印刷データに変換して104へ送信する。
【0051】
印刷データへの変換処理の一例としては、まず描画データ解釈手段202がバッファ201から描画データを読み出し、描画データの属性を解釈しながら各種画像処理手段へデータを送信する。例えば、グラフィックスの描画の場合には、グラフィックス用画像処理手段203へ、イメージを描画する場合には、イメージ用画像処理手段204へと描画コマンドを送る。こうして各種画像処理手段で適切な色変換が施されたデータは、ラスタイメージ生成手段206において、1プレーンのラスターデータに集約された後、送信データ生成手段207において画像出力装置104との通信に必要な情報を付加して最終的な印刷データを生成する。
【0052】
図3は、本発明を適用した具体的なシステム例を説明するブロック図である。
図3において、103は前述したコンピュータであり、各種アプリケーションやプリンタドライバ等のソフトウエアが実装される。デジタルカメラ101、スキャナ102は処理される画像データを取り込むための入力装置である。ディスプレイ100は、画像データを表示するための出力装置で、カラープリンタ104は、画像データをプリンタアウトするための出力装置である。なお、カラー・プリンタの代わりに、カラーコピー機やカラーファクシミリ機でもよい。
【0053】
画像処理装置200は、カラー・プリンタ内部に実装する場合もあれば、コンピュータ側内に実装する場合もある。また、カラー・プリンタと独立に設けられたプリンタ制御装置内に実装して印刷データを生成してから印刷データをプリンタに送るようにしてもよい。
【0054】
更に、本実施形態は、ソフトウエアで実行することも可能であり、その場合には、コンピュータ内のプログラムとして存在するプリンタ・ドライバで実行することができる。
【0055】
(実施例1)
次に、第1の実施例に係わる画像処理装置200に含まれるイメージ用画像処理手段204の実施例について図4を用いて説明する。イメージ用画像処理手段204は、描画データ解釈手段202から送られるイメージ画像データのヒストグラムを生成するヒストグラム生成部251と、ヒストグラム情報の特徴を分析して所定の特徴量を計算する特徴量算出部252と、入力画像データを一時的に格納しておく画像記憶手段(格納バッファ)253と、特徴量算出部252からの特徴量とプリンタドライバ等で設定されたカラー画像形成装置の記録条件に応じて入力画像に適切な色調補正を行うための色補正規則を生成する色補正規則生成部254と、色補正規則生成部254で生成された色補正規則を参照して、入力画像の画素毎に適切な色調補正を行う色調補正部255と、インクジェットカラープリンタ等のカラー画像形成装置の制御信号である複数の出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)への色変換処理を実行する色変換処理部256を備える。
【0056】
なお、このイメージ用画像処理手段204に入力される画像データは、より具体的にはRGB(緑、青、赤)の階調データであり、また、画像フォーマットはビットマップ形式で構成されている。また、各色成分の階調数は8bit=256階調が一般的であるが、64或いは512など他の階調数の場合でもよい。
【0057】
また、イメージ用画像処理手段204には、図2で説明した画像出力装置104が出力可能な印刷データに変換するためのハーフトーン変換手段や解像度を変換する解像度変換手段などを含めてもよい。
【0058】
次に、実施例1におけるイメージ用画像処理手段204の全体的な動作について説明する。
【0059】
プリンタドライバ等でイメージ適応補正モードが選択されている場合、まず、描画データ解析手段202によって、イメージ描画データ中の画像データ部分は分離されてヒストグラム生成部251から色変換処理部256へと送られる。また、イメージ適応補正モードが選択されていない場合や、イメージ適応補正モードが適用されない記録条件が選択されている場合は、直接、色変換処理部256へと送られ、色変換される。
【0060】
色変換処理部256は、カラー・マネージメントに対応した色変換装置であり、入力デバイスの色特性情報および出力デバイスの色特性情報を使用して色変換処理が行われる。
【0061】
描画データ解析装置202からRGB色特性情報が送信された場合には、検出した色特性情報を入力色特性とし、画像出力装置がプリンタの場合には、プリンタの色特性情報を出力色特性として画像データの色変換を実行する。
【0062】
RGB(緑、青、赤)の階調データから、出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)データへの変換は、メモリマップ補間で、CMYKに色変換する。メモリマップ補間とは、図5に示すように、RGB空間を入力色空間とした場合、RGB空間を同種類の立体図形(ここでは立方体)に分割し、入力の座標(RGB)おける出力値Pを求めるには、前記入力の座標を含む立方体を選択し、該選択された立方体の8点の予め設定した頂点上の出力値と前記入力の前記立方体の中における位置(各頂点からの距離)に基づいて、線形補間を実施する。ここで、本実施例の場合、出力値Pは、C、M、Y、K値にそれぞれ相当し、補間演算に使用される入力空間上の座標(RGB)には、実際の入出力(L*a*b*−CMYK)の関係を測定して、このデータを使用して任意の墨生成処理と最小2乗法等により算出したRGB(L*a*b*)に対するC、M、Y、Kの値が予め設定してある。
【0063】
尚、色変換法はこの方法だけに限らず、画像表示装置の特性を、例えば、コンピュータが画像データのヘッダ情報に記録して送信するようにしても良いし、上記の画像出力制御装置をコンピュータ内部に実装する場合には、例えばICC(Inter Color Consortium)で標準化されているデバイス・プロファイルを読み出して用いてもよい。
【0064】
次に、ヒストグラム生成部251〜色調補正部255における一連の色調補正内容の具体例についていくつか説明する。
【0065】
デジタルカメラ等を用いて撮影する際に自動露出や自動ホワイトバランスが適切に動作しなかった場合に、デジタルカメラ等から画像データを送信して画像表示装置や画像出力装置に出力すると階調バランスの良くない画像になってしまうことが多い。そこで、このような階調バランスが良くない画像に対して、画像のヒストグラム(=度数分布)を分析して自動的にダイナミックレンジを拡大したり、コントラストを変化させたり、赤、緑、青の色成分のバランスを調整したりする自動色調補正方法が提案されている。
【0066】
図6は、代表的な色調補正方法の例を説明するための図である。まず、処理の高速化のために画像データをサブサンプリングして縮小し画素数を減らす(ステップ1)。
【0067】
次にヒストグラム生成部251において、画像データを受け取って各色成分ごとの階調値の度数分布を求める。画像データが赤、緑、青の成分で表されている場合には、赤の階調値分布と、緑の階調値分布と、青の階調値分布を求める。但し、度数分布の作成結果を記憶するための記憶装置に容量の制限がある場合には、いずれか一つの色成分についてのみ階調値の度数分布を求めるようにしてもよい(ステップ2)。
【0068】
そして、上記のヒストグラムから所定の特徴量を算出して、画像データが適切な階調特性を有しているか否かを判断し、必要ならば色調補正処理の内容を決定して補正パラメータを作成する。一般的な色調補正処理の内容としては、ダイナミックレンジ補正(ステップ3)、カラーバランス補正(ステップ4)、明度(コントラスト)補正(ステップ5)などがある。
【0069】
まず、ダイナミックレンジが適切に得られているかどうかを判定するために、入力画像のホワイトポイント、ブラックポイントを特徴量として求める。ホワイトポイントおよびブラックポイントは、入力画像の最大値、最小値を用いる場合や、ノイズ成分を考慮して、累積度数が1%のところをブラックポイント、99%をホワイトポイントとするような場合など多数の方法あるが、本実施例では、特徴量算出部252において、プリンタドライバ等で設定された画像記録モードに応じて、ホワイトポイントとブラックポイントの累積度数を変更している。
【0070】
例えば、高速印刷や両面印刷で、ダイナミックレンジが狭い記録条件が選択された場合は、累積度数95%をホワイトポイント、累積度数5%をブラックポイントというように、予め記録条件毎に紙白を含めた再現範囲を求め、プリンタ側のダイナミックレンジに応じたホワイトポイント、ブラックポイントに対する最適な累積度数を、図4の特徴量算出部252にテーブル値として設定しておく(図7参照)。図7は、記録条件が異なる場合の累積度数の一例を示す。
【0071】
また、紙種や印刷方式などの記録条件により大きく異なるハイライト部における粒状度(粒状感)に応じて、ホワイトポイントの設定法を変更することによって、最適な補正が実施できる。例えば、図8に示すように、累積度数だけでなく、絶対頻度や頻度増加率(勾配)を参照してホワイトポイントを設定する。具体的には、累積頻度が90%〜95%の範囲、頻度増加率(勾配)が0.2以下の範囲内で絶対頻度が最小となる階調値をホワイトポイントとして設定する等、画像記録条件に応じて特徴量が変更される。
【0072】
一般に、墨(ブラックK)の入り始めでは、粒状感が生じることが多く、予め記録条件毎にKの開始点を把握しておき、Kの開始点付近の階調をなるべく使用しないように制御することで、粒状感が目立たない画像出力を得ることができる。
【0073】
ダイナミックレンジ補正のフローを図9に示す。RGBレベルの最大値Max、最小値Minより以下の式でα、βを求める(ステップ21、22)。
【0074】
α=255/(Max−Min)
β={(1−α)・(255・Min)}/{255−(Max−Min)}
但し、α>TH の時、α=TH とする。 (1)
ここで、(1)式におけるTHが、ダイナミックレンジの拡大幅に制限を与える最大拡大率である。
【0075】
また、夜景画像などのシーンが必要以上に変換されないように、ヒストグラムの特徴や画像に付加されたタグ情報からシーンを判別して、ダイナミックレンジの拡大幅に制限をつける場合もある。
【0076】
さらに、任意画素における輝度値YIN(i)(i=1…N,Nは総画素数)より、ダイナミックレンジ補正係数C1(i)を以下の式で求める(ステップ23)。
【0077】
C1(i)=(α・YIN(i)+β)/YIN(i) (2)
入力信号(RIN(i),GIN(i),BIN(i))は以下の式で変換される(ステップ24)。
(R1(i),G1(i),B1(i))=C1(i)・(RIN(i),GIN(i),BIN(i)) (3)
次に、色かぶりを生じている画像を判別して色かぶりを除去するようにカラー・バランスの補正を行う。色かぶりの補正についても各種方式が提案されている。例えば、色かぶりは画像の比較的明るい部分で目立つため、ヒストグラムにおいて高輝度の画素についてRGBの平均を特徴量として求め、そのずれ量から色かぶりを起こしているかどうかを判定して補正内容を決定する方法などが考えられる。この場合には、どの程度の輝度までについて調べるかあるいは、どの程度のずれの場合に色かぶりを起こしていると判定するかなどのパラメータが必要なので、これらを予め設定しておく。
例えば、
ΔR=Rave−Gave
ΔB=Bave−Gave (4)
とした場合、ΔR>Rth,ΔB>Gthのときに色かぶりしていると判定し、ΔRおよびΔBが0になるようにR成分およびB成分に対し階調変換を施す。但し、Rave,Gave,Baveは、ヒストグラムの明るい方から10%に存在するR、G、B各成分の平均値である。ここでも図4における色補正規則生成部254において、プリンタドライバ等で設定された記録用紙の白色点に応じて、階調変換カーブを変更して階調変換を施すことが可能である。
【0078】
ただし、画像に付加された撮影条件に関する情報などを利用して、高精度な補正を実現手法も多数あり、必ずしもこの方式に限定されるものではない。
【0079】
カラーバランス補正を行った後は、露出状況を判定し必要に応じて明度(コントラスト)の補正処理を行う。例えば、露出アンダーや露出オーバーの画像に対して、階調変換を施す場合には、画像データの輝度値の中央値や分散値を特徴量として求め、それらを判定することにより露出オーバーかアンダーかを概ね判定することができる。
【0080】
明度(コントラスト)補正のフローを図10に示す。明度(コントラスト)補正における変換カーブの特性パラメータであるm1,m2は、図4の色補正規則生成部254において、ヒストグラム形状や画像に付加された撮影環境タグから判別する入力画像の絵柄や設定された画像出力装置の記録条件によって定まる(ステップ31)。
【0081】
任意画素におけるダイナミックレンジ補正後の輝度値Y1(i)より、明るさ補正係数C2(i)は以下の式で求まる(ステップ33)。
【0082】
入力信号(R1(i),G1(i),B1(i))は以下の式で変換される(ステップ34)。
【0083】
(R2(i),G2(i),B2(i))=C2(i)・(R1(i),G1(i),B1(i)) (6)
ここで、Y2(i)は以下(7)〜(10)の式及び図11で表される変換カーブy=f(x)(f(x)≧0)におけるx=Y1(i)の出力値である。
【0084】
(x,y)=(m1,m2)において直線と2次放物線は接線結合し、f(x)は0≦x<m1で一次直線、m1≦x<1では二次放物線である。
【0085】
f(x)は以下の式で算出される(ステップ32)。
である。
【0086】
ここで、a,b,c は以下の条件を満たす。
【0087】
b^2−4・a・c ≧0 (10)
このように、m1の値に対し、m2が大きければ、m1の階調レベルの明るさがより持ち上げられることになる(図11参照)。
【0088】
例えば、図2の特徴量算出部252において入力画像の露出量(輝度中央値)を検出すると、色補正規則生成部254において、m1=160、m2=192がセットされ、さらにプリンタドライバで設定された記録条件に応じて、図12のように予め設定された持ち上げ量Δを決定し、m1=160、m2=192+Δとしてf(x)が作成される。
【0089】
ここでは、記録条件によって定まるプリンタのダイナミックレンジと前述したダイナミックレンジ補正結果に最適な明度補正量(持ち上げ量)を変更したが、補正カーブの形状や制御点などはこれに限定されるものではない。
【0090】
(実施例2)
次に、第2の実施例に係わる画像処理装置200に含まれるイメージ用画像処理手段204の実施例について図13を用いて説明を行う。イメージ用画像処理手段204は、描画データ解釈手段202から送られるイメージ画像データに対して、プリンタドライバ等で設定されたカラー画像形成装置の記録条件に応じて解析方法を変えて、ヒストグラムを生成するヒストグラム生成部251と、ヒストグラム情報の特徴を分析して所定の特徴量を計算する特徴量算出部252と、入力画像データを一時的に格納しておく画像記憶手段(格納バッファ)253と、特徴量算出部252からの特徴量に応じて入力画像に適切な色調補正を行うための色補正規則を生成する色補正規則生成部254と、色補正規則生成部254で生成された色補正規則を参照して、入力画像の画素毎に適切な色調補正を行う色調補正部255と、インクジェットカラープリンタ等のカラー画像形成装置の制御信号である複数の出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)への色変換処理を実行する色変換処理部256を備える。
【0091】
次に、実施例2におけるイメージ用画像処理手段204の全体的な動作について説明する。プリンタドライバ等でイメージ適応補正モードが選択されている場合、まず、描画データ解析手段202によって、イメージ描画データ中の画像データ部分は分離されてヒストグラム生成部252から色変換処理部256へと送られる。また、イメージ適応補正モードが選択されていない場合や、イメージ適応補正モードが適用されない記録条件が選択されている場合は、直接、色変換処理部256へと送られ、色変換される。
【0092】
図6の色調補正フローを用いて色調補正の具体例を説明する。ステップ1において、処理の高速化のために画像データをサブサンプリングして縮小し画素数を減らしているが、この際、プリンタドライバ等で設定された画像記録条件、特に印刷方式に応じて、サンプリングレート(間引き)を変更する。具体的には、高速印刷モードが選択された場合は間引き率を大きく、つまり画像を粗くスキャンし、印刷モードが高品位になればなるほど、間引き率を小さくしている。
【0093】
次にヒストグラム生成部251において、画像データを受け取って各色成分ごとの階調値の度数分布を求める。画像データが赤、緑、青の成分で表されている場合には、赤の階調値分布と、緑の階調値分布と、青の階調値分布を求める。但し、度数分布の作成結果を記憶するための記憶装置に容量の制限がある場合には、いずれか一つの色成分についてのみ階調値の度数分布を求めるようにしてもよい。
【0094】
この際、プリンタドライバ等で設定された画像記録条件によって定まる閾値以上の画像信号を有効画素として、この有効画素についてのみヒストグラムに加算している(ステップ2)。
【0095】
例えば、有効画素を設定して入力画像の輝度に関するヒストグラムを生成する場合、図14のフローチャートに示すように、プリンタドライバにおいて画像記録条件が設定される(S1)と、設定された画像記録条件に応じて、輝度に対するしきい値DLTと色差信号(彩度)に対するしきい値DCTがセットされる(S2、S3)。ここでは、画像記録条件でプリンタのダイナミックレンジが狭くなったり、シャープネスが低い画像記録条件において、輝度に対するしきい値DLTを低く設定し、プリンタのダイナミックレンジが狭くなる記録条件においては高コントラストの出力が得られるように設定している。
【0096】
S4で入力画像における最初の画素をサンプルし、画素情報(DR、DG、DB)から平均輝度値を算出する(S5)。S6において、S2で設定された輝度に対するしきい値DLTとの比較を行い、しきい値DLTに満たない輝度の画素は、平均輝度度数ヒストグラムに加算され(S8)、しきい値DLT以上の輝度を有する場合は、S7において、S3で設定された色差信号(彩度)に対するしきい値DCTとの比較を行い、画素情報(DR、DG、DB)の各差分のどれかがしきい値DCTを超えた場合には、平均輝度度数ヒストグラムに加算される(S8)。S9で全ての画素についてサンプルされたことを確認し、画素が残っている場合は次の画素をサンプルし(S10)、全画素についてサンプリングするまで処理を実行する。
【0097】
この処理では、結果的に所定以上の明るさでかつ所定の色味以下の画素を除外した有効画素に対するヒストグラムが生成でき、このヒストグラムから所定の特徴量を算出して、画像データが適切な階調特性を有しているか否かを判断し、必要ならば色調補正処理の内容を決定して補正パラメータを作成する。
【0098】
一般的な色調補正処理の内容としては、ダイナミックレンジ補正(ステップ3)、カラーバランス補正(ステップ4)、明度(コントラスト)補正(ステップ5)などがある。具体的な補正方法は公知の技術でもよく、主な補正方法ついては前述したのでここでは省略する。
【0099】
(実施例3)
次に、第3の実施例に係わる画像処理装置200に含まれるイメージ用画像処理手段204の実施例について図15を用いて説明をする。イメージ用画像処理手段204は、描画データ解釈手段202から送られるイメージ画像データのヒストグラムを生成するヒストグラム生成部251と、画像領域毎の情報に応じて、例えば、被写体と背景というように画像領域を分離する領域分離部257と、入力画像データを一時的に格納しておく画像記憶手段(格納バッファ)253と、領域情報とヒストグラム情報の特徴を分析して所定の特徴量を計算する特徴量算出部252と、被写体領域のような入力画像における重要領域に対する画像品質を推定する画像品質推定部258と、特徴量算出部252からの特徴量と画像品質推定部258からの画像品質情報に応じて、入力画像に適切な色調補正を行うための色補正規則を生成する色補正規則生成部254と、色補正規則生成部254で生成された色補正規則を参照して、入力画像の画素毎に適切な色調補正を行う色調補正部255と、インクジェットカラープリンタ等のカラー画像形成装置の制御信号である複数の出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)への色変換処理を実行する色変換処理部256を備える。
【0100】
次に、実施例3におけるイメージ用画像処理手段204の全体的な動作について説明する。プリンタドライバ等でイメージ適応補正モードが選択されている場合、まず、描画データ解析手段202によって、イメージ描画データ中の画像データ部分は分離されてヒストグラム生成部252から色変換処理部256へと送られる。また、イメージ適応補正モードが選択されていない場合や、イメージ適応補正モードが適用されない記録条件が選択されている場合は、直接、色変換処理部256へと送られ、色変換される。
【0101】
色調補正の具体例、主に色補正規則生成部254での処理を説明する。特徴量算出部252から入力画像データの特徴量が送られると、まず初期値となる階調補正カーブf0(x)を得る。
【0102】
色補正規則生成部254における階調補正カーブの生成は、画像全体のヒストグラムと、領域分離部257において抽出された人物領域などの被写体領域の中央値等から補正量を決めているが、これに限定されるものではない。
【0103】
また、領域分離部257における処理も、色の分布や周波数特性から人の肌色や顔の領域を推定するものや、画像に付加されたシーンや被写体情報などの撮影情報を使用する方法等を用いてもよい。
【0104】
一方、画像品質推定部258においては、プリンタドライバで設定可能な各記録条件について色調補正処理と色変換処理部によって得られる出力画像の被写体領域の粒状感や階調性等に代表される画像品質を推定する。
【0105】
ここでの画像品質の推定は、例えば、図16に示すようなメモリマップ補間で行う。前述したように、RGB空間を入力色空間とした場合、RGB空間を同種類の立体図形(ここでは立方体)に分割し、入力の座標(RGB)おける出力値Pを求める場合、入力の座標を含む立方体を選択し、該選択された立方体の8点の予め設定した頂点上の出力値と前記入力の前記立方体の中における位置(各頂点からの距離)に基づいて、線形補間を実施する。ここでの出力値Pは、画像品質の評価値(Q1、Q2、Q3)に相当し、補間演算に使用される入力空間上の座標(RGB)には、実際の代表点における入出力(L*a*b*−CMYK−Q1Q2Q3)の関係を測定した値や主観評価点が予め設定してある。
【0106】
色補正規則生成部254で初めに設定された階調補正カーブから得られる画像を最も高画質で出力できるプリンタドライバで設定可能な記録条件を、画像品質推定部258で推定し、入力画像に対する解析結果とプリンタ推奨記録条件については、コンピュータ103を介して、図3のディスプレイ100に表示させる。
【0107】
さらに、画像品質推定部258では、実際に設定されたプリンタの記録条件に対する領域分離部257で抽出された被写体領域における階調補正後の画像データの階調つぶれと粒状感を評価し、許容されないと判定された場合は、補正量の調節、及び更新を行い、新たな階調補正カーブf1(x)を得る。一方、階調つぶれが許容されると判定された場合は、階調補正カーブの更新は行われず、階調補正カーブが生成される。
【0108】
ここで、階調補正カーブの更新は、階調つぶれや粒状感などの画像品質が許容されると判断されるまで繰り返し行われる。
【0109】
色調補正部255では、カラー画像の階調補正処理が行われる。ここで、最初に階調補正カーブf0(x)を用いたRGBカラー画像データの階調補正処理を以下に説明する。
画像データの入力輝度値Yin(j)(j=1,2,...N, Nは入力データの画素数)に対し、階調補正カーブf0(x)による補正後の出力輝度値Y1(j)を定義する。ここで、xは画像データの入力輝度値である。
【0110】
入力輝度値は以下の式で算出される。j番目の画素(j=1,2,...N−1,N)の輝度Yin(j)は、カラー画像信号(Rin(j),Gin(j),Bin(j))を用いて、以下の式で表せる。
Yin(j)=0.299・Rin(j)+0.587・Gin(j)+0.114・Bin(j) (11)
入力輝度値Yin(j)に対して階調補正処理後の出力輝度値Y1(j)を算出し、階調補正係数C0(j) を以下の式で算出する。
入力カラー画像信号(Rin(j),Gin(j),Bin(j))は以下の式で変換され、階調補正カラー信号(R1(j),G1(j),B1(j))を得る。
(R1(j),G1(j),B1(j))=C0(j)・(Rin(j),Gin(j),Bin(j)) (13)
また、入力画像信号がグレーの場合、グレーレベルYin(j)を入力値とし、階調補正処理後の出力は、出力グレーレベル、
Y1(j)=f0(Yin(j)) (14)
を得れば良い。
【0111】
ここで、通常の画像処理では、出力デバイスの再現範囲0〜255を超えた場合クリッピングを行う。すなわち0未満の値は0へ、255以上の値は強制的に255に置き換える。これに対し、本実施例では、最終的な階調補正カーブを得て、色調補正処理を行うまでクリッピングを行わない。
【0112】
また、画像データがデジタルカメラ等で撮影されることを考慮すると、画像の中心領域が被写体である可能性が高く、領域の重要性は大きい。よって、飽和画素の重心位置に応じて閾値に重み付けを行っても良い。例えば、重心位置が画像の中心部に近いほど重要領域であり、飽和は目立つと予想されるため、閾値を低く設定する。この他、閾値の設定方法には種々考えられるが、それら何れの方法を用いてもよい。
【0113】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0114】
図17は、本画像処理システムの具体的な構成例としての情報処理システムの構咸を示すブロック図を示す。この画像処理システムは、ワークステーションとプリンタが接続されている。ワークステーションは、前記した色変換処理の機能を実現するもので、ディスプレイ、キーボード、プログラム読取装置および演算処理装置などで構成されている。演算処理装置は、種々のコマンドを実行可能なCPUに、ROM、RAMがバスで接続されている。また、バスには大容量記憶装置であるDISKと、ネットワーク上の機器と通信を行なうNICが接続されている。
【0115】
プログラム読取装置は、各種のプログラムコードを記憶した記憶媒体、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置で、例えば、フロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブなどである。
【0116】
記憶媒体に記憶されているプログラムコードは、プログラム読取装置で読み取ってDISKなどに格納され、このDISKなどに格納されたプログラムコードをCPUによって実行することにより、前記した画像処理方法などを実現することができるようになる。また、コンピユータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)やデバイス・ドライバなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前記した機能が達成される場合も含まれる。
【0117】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0118】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を有するため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正ができる。
(2)入力画像が撮影画像であって、色補正規則の生成手段が、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、少なくともコントラスト、露出量、ノイズ除去処理に関わる調整パラメータのいずれかを変更するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高速に行うことができる。
(3)調整パラメータは、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる白色点情報、色再現範囲、粒状度、階調数、シャープネス、グレーバランスのいずれかの情報に応じて生成するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による詳細な画質特性を考慮しながら、入力画像情報に応じた最適なコントラスト、ホワイトバランス、露出量、ノイズ除去に関する補正を高速に行うことができる。
(4)入力画像が撮影画像であって、入力画像情報の解析手段が、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、入力画像の解析条件を変更するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を、共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことができる。
(5)変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のサンプリング条件を含むようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による記録品質や記録速度を考慮して、入力画像情報に応じた色補正を効率的に行うことができる。
(6)変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のハイライトポイントとブラックポイントの算出条件を含むようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラストとホワイトバランスに関する補正を、共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことができる。
(7)変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像の解析に用いる有効画像領域の抽出条件を含むようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラスト、ホワイトバランス、露出量に関する補正を、少ない情報量で共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことができる。
(8)画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する推定手段と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を有するため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことができる。
(9)入力画像が撮影画像であって、画像品質情報には、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる粒状度、階調数のいずれかを含むようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件によって変わる粒状度等の記録品質を考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことができる。
(10)画像品質情報の推定が、入力色空間の代表点と画像品質に対応する評価値の関係を表わすテーブルによる変換にしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を比較的簡単な構成で高精度に行うことができる。
(11)画像品質情報の推定手段が、入力画像における部分的な領域について画像品質情報の推定を行うようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度かつ比較的高速に行うことができる。
(12)入力画像における部分的な領域を決定する決定手段を具備し、前記部分的な領域は主被写体領域であるようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報の主被写体領域に最適な色補正を、高精度かつ比較的高速に行うことができる。
(13)色補正規則の生成手段が、画像品質情報に応じて、少なくともコントラスト、露出量、記憶色の色度値に対する調整パラメータのいずれかを変更するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラスト、露出量、記憶色の色度値に関する補正を高精度に行うことができる。
(14)入力画像情報の解析結果に応じた推奨記録条件を取得する取得手段と、少なくとも前記入力画像情報の解析結果と前記推奨記録条件のいずれかを表示する表示手段と、実際の画像形成に用いる記録条件を設定する設定手段をを有するため、ユーザーの期待する画像出力が得られる画像補正を可能にすることができる。
(15)入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された画像形成装置の記録条件と入力画像情報の解析結果に応じて生成した色補正規則により色補正するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色再現ができる。
(16)入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定し、入力画像情報の解析結果と前記画像品質情報に応じて生成した色補正規則により色補正するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた高精度な色再現ができる。
(17)画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を可能にする画像処理プログラムを実行できる。
(18)画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する手順と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことを可能にする画像処理プログラムを実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術を説明する図である。
【図2】本発明の画像処理装置の構成を示す。
【図3】本発明が適用される画像処理システムの構成例を示す。
【図4】本発明の実施例1に係るイメージ用画像処理手段の構成を示す。
【図5】色変換部を説明する図である。
【図6】色調補正を説明する図である。
【図7】特徴量算出部を説明する図である。
【図8】ダイナミックレンジ補正を説明する図である。
【図9】ダイナミックレンジ補正のフローチャートを示す。
【図10】明度(コントラスト)補正のフローチャートを示す。
【図11】明度(コントラスト)補正を説明する図である。
【図12】色補正規則生成部を説明する図である。
【図13】本発明の実施例2に係るイメージ用画像処理手段の構成を示す。
【図14】実施例2に係るヒストグラム生成方法を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の実施例3に係るイメージ用画像処理手段の構成を示す。
【図16】画像品質推定部を説明する図である。
【図17】本発明の機能を実現する画像処理プログラムを実行可能な情報処理装置の構成を示す。
【符号の説明】
100 ディスプレイ
101 デジタルスチルカメラ
102 スキャナ
103 コンピュータ
104 カラープリンタ(画像出力装置)
200 画像処理装置
201 データ・バッファ
202 描画データ解釈手段
203 グラフックス用画像処理手段
204 イメージ用画像処理手段
205 テキスト用画像処理手段
206 ラスタイメージ生成手段
207 送信データ生成手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にデジタルカメラやスキャナ等の画像入力装置により入力された画像データをカラープリンタ等の画像形成装置用の記録信号に変換する際、画像データ分布等に応じて適切に色補正する画像処理装置、画像処理方法及び記録媒体に関し、外部からの画像情報を入力することによって画像形成することが可能なカラーファクシミリ、カラーインクジェットプリンタ、カラー複写機や、コンピュータ上で稼動するカラープリンタ用ソフトウェアなどに好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの発達、通信ネットワークの整備、大容量の記録媒体の出現等に加えて、スキャナやデジタルカメラ等が普及するに伴い、デジタルデータで写真画像を扱う機会が増えている。また、カラーインクジェットプリンタ等の性能向上により、写真画像データを高画質化にプリントアウトしたいという要求が高まっている。
【0003】
しかし、一口に写真画像といっても、プロのカメラマンが撮影した高品位の画像や、あまり品質の高くない画像まで様々である。ここでいう品質の高くない画像とは、露出がオーバーやアンダーしているもの、画像全体に色かぶりを起こしているもの、逆光やフラッシュの光量不足により被写体が暗い画像等である。
【0004】
そこで、従来から入力撮影画像データを解析し、適切なヒストグラムになるように補正する技術が提案されており、インクジェットカラープリンタでは、このような画像適応自動補正を実施して画像形成装置用の記録信号に変換して、シアンC、マゼンタM、イエローYの3色、又はそれにブラックBKや淡いシアンPC、淡いマゼンタPMを加えたインクを用いて記録媒体に画像形成していた。
【0005】
基本的な技術としては、入力信号の各色成分R,G、Bを重み付け加算した輝度信号について、図1に示すようなヒストグラムを作成し、そのヒストグラムにおいて、予め設定した所定の累積度数1%、99%にそれぞれに対応する輝度信号の上限値(ハイライト点濃度)、下限値(シャドー点濃度)を求め、これら上限値と下限値とを各色成分R,G、Bに共通に使用した階調変換曲線を生成して補正する技術が従来から知られている。
【0006】
最近では高精度化を狙った、例えば、画像に付加されたホワイトバランス係数、回路ゲイン、ガンマ係数などの画像入力デバイスの撮影情報より撮影状態を把握し、撮影状態に応じて色空間変換を行う画像処理装置およびその方法(例えば、特許文献1参照)、画像全体の特徴と被写体等の部分的な領域の特徴に応じて画像補正規則を生成して、画像中の被写体領域の露出が適正になるように、さらには人の肌色に近い色の領域を好ましい色に補正する画像処理装置及びその方法並びにメモリ媒体(例えば、特許文献2参照)、入力画像中の特定された有効画素に対して作成したヒストグラムを用いて階調変換曲線を生成して高精度にホワイトバランス補正する画像処理装置、方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、特許文献3参照)等の技術がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平11―355587号公報
【特許文献2】
特開2001―144994号公報
【特許文献3】
特開2000―242777号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの入力された写真画像データを解析して適切に画像補正する技術は、基本的にはRGB空間や知覚均等色空間において最適なコントラストやホワイトバランスや色再現を得るための処理であって、画像形成装置における色再現範囲、粒状性、安定性等の記録特性を考慮したものではない。
【0009】
特にインクジェットプリンタにおいては、様々な記録条件によって出力速度や色再現範囲を含む画像品質が変わる。例えば、記録媒体、つまり記録用紙の種類を変えた場合、紙の白色点や単位面積当たりに打てるインク総量が異なるため、ダイナミックレンジや色再現範囲が大きく変わったり、ドット径が変わることにより、粒状性や鮮鋭度等の画像品質が異なってしまう。
【0010】
また、この現象は、1パス出力や2パス出力などの記録方式、ディザや誤差拡散などの擬似中間調処理方式、両面印刷などの印刷条件によっても同様に起こる。
【0011】
このように用途に応じて様々な記録条件で出力可能なインクジェットプリンタでは、設定された記録条件によって、ダイナミックレンジ、色再現範囲、白色点などの色再現特性だけでなく、測色的に同じ色を出力した場合でも、階調性や粒状性などの記録特性が異なるため、入力画像データに対して、RGB空間や知覚均等色空間において最適なコントラストやホワイトバランスや色再現が得られるように補正しても、画像形成装置の記録条件によっては最適な出力画像が得られない。
【0012】
本発明は、前述した従来の問題点を解決するためになされたもので、様々な記録条件下におけるカラー画像形成装置の能力を最大限に活用して、色再現することを目指している。
【0013】
即ち、請求項1の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0014】
請求項2の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高速に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0015】
請求項3の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による詳細な画質特性を考慮しながら、入力画像情報に応じた最適なコントラスト、ホワイトバランス、露出量、ノイズ除去に関する補正を高速に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0016】
請求項4の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を、共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0017】
請求項5の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による記録品質や記録速度を考慮して、入力画像情報に応じた色補正を効率的に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0018】
請求項6の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラストとホワイトバランスに関する補正を、共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0019】
請求項7の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラスト、ホワイトバランス、露出量に関する補正を、少ない情報量で共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0020】
請求項8の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0021】
請求項9の目的は、設定された画像形成装置の記録条件によって変わる粒状度等の記録品質を考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0022】
請求項10の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を比較的簡単な構成で高精度に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0023】
請求項11の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度かつ比較的高速に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0024】
請求項12の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報の主被写体領域に最適な色補正を、高精度かつ比較的高速に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0025】
請求項13の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラスト、露出量、記憶色の色度値に関する補正を高精度に行うことを可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0026】
請求項14の目的は、ユーザーの期待する画像出力が得られる画像補正を可能にする画像処理装置を提供することにある。
【0027】
請求項15の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色再現をすることにある。
【0028】
請求項16の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた高精度な色再現をすることにある。
【0029】
請求項17の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を可能にする画像処理プログラムを提供することにある。
【0030】
請求項18の目的は、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことを可能にする画像処理プログラムを提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる第1の発明は、画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を有するものである。
【0032】
本発明に関わる第2の発明は、入力画像は撮影画像であって、第1の発明における色補正規則の生成手段は、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、少なくともコントラスト、露出量、ノイズ除去処理に関わる調整パラメータのいずれかを変更するようにしている。
【0033】
本発明に関わる第3の発明は、第2の発明における調整パラメータは、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる白色点情報、色再現範囲、粒状度、階調数、シャープネス、グレーバランスのいずれかの情報に応じて生成するようにしている。
【0034】
本発明に関わる第4の発明は、入力画像は撮影画像であって、第1の発明における入力画像情報の解析手段は、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、入力画像の解析条件を変更するようにしている。
【0035】
本発明に関わる第5の発明は、第4の発明において変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のサンプリング条件を含むようにしている。
【0036】
本発明に関わる第6の発明は、第4の発明において変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のハイライトポイントとブラックポイントの算出条件を含むようにしている。
【0037】
本発明に関わる第7の発明は、第4の発明において変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像の解析に用いる有効画像領域の抽出条件を含むようにしている。
【0038】
本発明に関わる第8の発明は、画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する推定手段と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を有するものである。
【0039】
本発明に関わる第9の発明は、入力画像は撮影画像であって、第8の発明における画像品質情報には、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる粒状度、階調数のいずれかを含むようにしている。
【0040】
本発明に関わる第10の発明は、第8、9の発明における画像品質情報の推定は、入力色空間の代表点と画像品質に対応する評価値の関係を表わすテーブルによる変換にしている。
【0041】
本発明に関わる第11の発明は、第8〜10の発明における画像品質情報の推定手段は、入力画像における部分的な領域について画像品質情報の推定を行うようにしている。
【0042】
本発明に関わる第12の発明は、第11の発明の画像処理装置において、入力画像における部分的な領域を決定する決定手段を具備し、前記部分的な領域は主被写体領域であるようにしている。
【0043】
本発明に関わる第13の発明は、第8〜12の発明における色補正規則の生成手段は、画像品質情報に応じて、少なくともコントラスト、露出量、記憶色の色度値に対する調整パラメータのいずれかを変更するようにしている。
【0044】
本発明に関わる第14の発明は、第1〜13の発明の画像処理装置において、入力画像情報の解析結果に応じた推奨記録条件を取得する取得手段と、少なくとも前記入力画像情報の解析結果と前記推奨記録条件のいずれかを表示する表示手段と、実際の画像形成に用いる記録条件を設定する設定手段をを有するものである。
【0045】
本発明に関わる第15の発明は、入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された画像形成装置の記録条件と入力画像情報の解析結果に応じて生成した色補正規則により色補正するようにしている。
【0046】
本発明に関わる第16の発明は、入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定し、入力画像情報の解析結果と前記画像品質情報に応じて生成した色補正規則により色補正するようにしている。
【0047】
本発明に関わる第17の発明は、画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしている。
【0048】
本発明に関わる第18の発明は、画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する手順と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしている。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
【0050】
図2は、本発明の一実施形態にかかる画像処理装置のブロック図を示している。図2において、103は、画像処理装置200をコントロールするためのコンピュータである。コンピュータ103は、オペレータから出力命令を受け取ると画像を撮像するなどして取り込まれた画像データや画像データが貼り付けられた文書データなどを一連の描画データに変換して画像処理装置200に送信する。
画像処理装置200はコンピュータ103から送信された描画データを一旦バッファメモリ201に蓄積した後、画像出力装置が解釈可能な印刷データに変換して104へ送信する。
【0051】
印刷データへの変換処理の一例としては、まず描画データ解釈手段202がバッファ201から描画データを読み出し、描画データの属性を解釈しながら各種画像処理手段へデータを送信する。例えば、グラフィックスの描画の場合には、グラフィックス用画像処理手段203へ、イメージを描画する場合には、イメージ用画像処理手段204へと描画コマンドを送る。こうして各種画像処理手段で適切な色変換が施されたデータは、ラスタイメージ生成手段206において、1プレーンのラスターデータに集約された後、送信データ生成手段207において画像出力装置104との通信に必要な情報を付加して最終的な印刷データを生成する。
【0052】
図3は、本発明を適用した具体的なシステム例を説明するブロック図である。
図3において、103は前述したコンピュータであり、各種アプリケーションやプリンタドライバ等のソフトウエアが実装される。デジタルカメラ101、スキャナ102は処理される画像データを取り込むための入力装置である。ディスプレイ100は、画像データを表示するための出力装置で、カラープリンタ104は、画像データをプリンタアウトするための出力装置である。なお、カラー・プリンタの代わりに、カラーコピー機やカラーファクシミリ機でもよい。
【0053】
画像処理装置200は、カラー・プリンタ内部に実装する場合もあれば、コンピュータ側内に実装する場合もある。また、カラー・プリンタと独立に設けられたプリンタ制御装置内に実装して印刷データを生成してから印刷データをプリンタに送るようにしてもよい。
【0054】
更に、本実施形態は、ソフトウエアで実行することも可能であり、その場合には、コンピュータ内のプログラムとして存在するプリンタ・ドライバで実行することができる。
【0055】
(実施例1)
次に、第1の実施例に係わる画像処理装置200に含まれるイメージ用画像処理手段204の実施例について図4を用いて説明する。イメージ用画像処理手段204は、描画データ解釈手段202から送られるイメージ画像データのヒストグラムを生成するヒストグラム生成部251と、ヒストグラム情報の特徴を分析して所定の特徴量を計算する特徴量算出部252と、入力画像データを一時的に格納しておく画像記憶手段(格納バッファ)253と、特徴量算出部252からの特徴量とプリンタドライバ等で設定されたカラー画像形成装置の記録条件に応じて入力画像に適切な色調補正を行うための色補正規則を生成する色補正規則生成部254と、色補正規則生成部254で生成された色補正規則を参照して、入力画像の画素毎に適切な色調補正を行う色調補正部255と、インクジェットカラープリンタ等のカラー画像形成装置の制御信号である複数の出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)への色変換処理を実行する色変換処理部256を備える。
【0056】
なお、このイメージ用画像処理手段204に入力される画像データは、より具体的にはRGB(緑、青、赤)の階調データであり、また、画像フォーマットはビットマップ形式で構成されている。また、各色成分の階調数は8bit=256階調が一般的であるが、64或いは512など他の階調数の場合でもよい。
【0057】
また、イメージ用画像処理手段204には、図2で説明した画像出力装置104が出力可能な印刷データに変換するためのハーフトーン変換手段や解像度を変換する解像度変換手段などを含めてもよい。
【0058】
次に、実施例1におけるイメージ用画像処理手段204の全体的な動作について説明する。
【0059】
プリンタドライバ等でイメージ適応補正モードが選択されている場合、まず、描画データ解析手段202によって、イメージ描画データ中の画像データ部分は分離されてヒストグラム生成部251から色変換処理部256へと送られる。また、イメージ適応補正モードが選択されていない場合や、イメージ適応補正モードが適用されない記録条件が選択されている場合は、直接、色変換処理部256へと送られ、色変換される。
【0060】
色変換処理部256は、カラー・マネージメントに対応した色変換装置であり、入力デバイスの色特性情報および出力デバイスの色特性情報を使用して色変換処理が行われる。
【0061】
描画データ解析装置202からRGB色特性情報が送信された場合には、検出した色特性情報を入力色特性とし、画像出力装置がプリンタの場合には、プリンタの色特性情報を出力色特性として画像データの色変換を実行する。
【0062】
RGB(緑、青、赤)の階調データから、出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)データへの変換は、メモリマップ補間で、CMYKに色変換する。メモリマップ補間とは、図5に示すように、RGB空間を入力色空間とした場合、RGB空間を同種類の立体図形(ここでは立方体)に分割し、入力の座標(RGB)おける出力値Pを求めるには、前記入力の座標を含む立方体を選択し、該選択された立方体の8点の予め設定した頂点上の出力値と前記入力の前記立方体の中における位置(各頂点からの距離)に基づいて、線形補間を実施する。ここで、本実施例の場合、出力値Pは、C、M、Y、K値にそれぞれ相当し、補間演算に使用される入力空間上の座標(RGB)には、実際の入出力(L*a*b*−CMYK)の関係を測定して、このデータを使用して任意の墨生成処理と最小2乗法等により算出したRGB(L*a*b*)に対するC、M、Y、Kの値が予め設定してある。
【0063】
尚、色変換法はこの方法だけに限らず、画像表示装置の特性を、例えば、コンピュータが画像データのヘッダ情報に記録して送信するようにしても良いし、上記の画像出力制御装置をコンピュータ内部に実装する場合には、例えばICC(Inter Color Consortium)で標準化されているデバイス・プロファイルを読み出して用いてもよい。
【0064】
次に、ヒストグラム生成部251〜色調補正部255における一連の色調補正内容の具体例についていくつか説明する。
【0065】
デジタルカメラ等を用いて撮影する際に自動露出や自動ホワイトバランスが適切に動作しなかった場合に、デジタルカメラ等から画像データを送信して画像表示装置や画像出力装置に出力すると階調バランスの良くない画像になってしまうことが多い。そこで、このような階調バランスが良くない画像に対して、画像のヒストグラム(=度数分布)を分析して自動的にダイナミックレンジを拡大したり、コントラストを変化させたり、赤、緑、青の色成分のバランスを調整したりする自動色調補正方法が提案されている。
【0066】
図6は、代表的な色調補正方法の例を説明するための図である。まず、処理の高速化のために画像データをサブサンプリングして縮小し画素数を減らす(ステップ1)。
【0067】
次にヒストグラム生成部251において、画像データを受け取って各色成分ごとの階調値の度数分布を求める。画像データが赤、緑、青の成分で表されている場合には、赤の階調値分布と、緑の階調値分布と、青の階調値分布を求める。但し、度数分布の作成結果を記憶するための記憶装置に容量の制限がある場合には、いずれか一つの色成分についてのみ階調値の度数分布を求めるようにしてもよい(ステップ2)。
【0068】
そして、上記のヒストグラムから所定の特徴量を算出して、画像データが適切な階調特性を有しているか否かを判断し、必要ならば色調補正処理の内容を決定して補正パラメータを作成する。一般的な色調補正処理の内容としては、ダイナミックレンジ補正(ステップ3)、カラーバランス補正(ステップ4)、明度(コントラスト)補正(ステップ5)などがある。
【0069】
まず、ダイナミックレンジが適切に得られているかどうかを判定するために、入力画像のホワイトポイント、ブラックポイントを特徴量として求める。ホワイトポイントおよびブラックポイントは、入力画像の最大値、最小値を用いる場合や、ノイズ成分を考慮して、累積度数が1%のところをブラックポイント、99%をホワイトポイントとするような場合など多数の方法あるが、本実施例では、特徴量算出部252において、プリンタドライバ等で設定された画像記録モードに応じて、ホワイトポイントとブラックポイントの累積度数を変更している。
【0070】
例えば、高速印刷や両面印刷で、ダイナミックレンジが狭い記録条件が選択された場合は、累積度数95%をホワイトポイント、累積度数5%をブラックポイントというように、予め記録条件毎に紙白を含めた再現範囲を求め、プリンタ側のダイナミックレンジに応じたホワイトポイント、ブラックポイントに対する最適な累積度数を、図4の特徴量算出部252にテーブル値として設定しておく(図7参照)。図7は、記録条件が異なる場合の累積度数の一例を示す。
【0071】
また、紙種や印刷方式などの記録条件により大きく異なるハイライト部における粒状度(粒状感)に応じて、ホワイトポイントの設定法を変更することによって、最適な補正が実施できる。例えば、図8に示すように、累積度数だけでなく、絶対頻度や頻度増加率(勾配)を参照してホワイトポイントを設定する。具体的には、累積頻度が90%〜95%の範囲、頻度増加率(勾配)が0.2以下の範囲内で絶対頻度が最小となる階調値をホワイトポイントとして設定する等、画像記録条件に応じて特徴量が変更される。
【0072】
一般に、墨(ブラックK)の入り始めでは、粒状感が生じることが多く、予め記録条件毎にKの開始点を把握しておき、Kの開始点付近の階調をなるべく使用しないように制御することで、粒状感が目立たない画像出力を得ることができる。
【0073】
ダイナミックレンジ補正のフローを図9に示す。RGBレベルの最大値Max、最小値Minより以下の式でα、βを求める(ステップ21、22)。
【0074】
α=255/(Max−Min)
β={(1−α)・(255・Min)}/{255−(Max−Min)}
但し、α>TH の時、α=TH とする。 (1)
ここで、(1)式におけるTHが、ダイナミックレンジの拡大幅に制限を与える最大拡大率である。
【0075】
また、夜景画像などのシーンが必要以上に変換されないように、ヒストグラムの特徴や画像に付加されたタグ情報からシーンを判別して、ダイナミックレンジの拡大幅に制限をつける場合もある。
【0076】
さらに、任意画素における輝度値YIN(i)(i=1…N,Nは総画素数)より、ダイナミックレンジ補正係数C1(i)を以下の式で求める(ステップ23)。
【0077】
C1(i)=(α・YIN(i)+β)/YIN(i) (2)
入力信号(RIN(i),GIN(i),BIN(i))は以下の式で変換される(ステップ24)。
(R1(i),G1(i),B1(i))=C1(i)・(RIN(i),GIN(i),BIN(i)) (3)
次に、色かぶりを生じている画像を判別して色かぶりを除去するようにカラー・バランスの補正を行う。色かぶりの補正についても各種方式が提案されている。例えば、色かぶりは画像の比較的明るい部分で目立つため、ヒストグラムにおいて高輝度の画素についてRGBの平均を特徴量として求め、そのずれ量から色かぶりを起こしているかどうかを判定して補正内容を決定する方法などが考えられる。この場合には、どの程度の輝度までについて調べるかあるいは、どの程度のずれの場合に色かぶりを起こしていると判定するかなどのパラメータが必要なので、これらを予め設定しておく。
例えば、
ΔR=Rave−Gave
ΔB=Bave−Gave (4)
とした場合、ΔR>Rth,ΔB>Gthのときに色かぶりしていると判定し、ΔRおよびΔBが0になるようにR成分およびB成分に対し階調変換を施す。但し、Rave,Gave,Baveは、ヒストグラムの明るい方から10%に存在するR、G、B各成分の平均値である。ここでも図4における色補正規則生成部254において、プリンタドライバ等で設定された記録用紙の白色点に応じて、階調変換カーブを変更して階調変換を施すことが可能である。
【0078】
ただし、画像に付加された撮影条件に関する情報などを利用して、高精度な補正を実現手法も多数あり、必ずしもこの方式に限定されるものではない。
【0079】
カラーバランス補正を行った後は、露出状況を判定し必要に応じて明度(コントラスト)の補正処理を行う。例えば、露出アンダーや露出オーバーの画像に対して、階調変換を施す場合には、画像データの輝度値の中央値や分散値を特徴量として求め、それらを判定することにより露出オーバーかアンダーかを概ね判定することができる。
【0080】
明度(コントラスト)補正のフローを図10に示す。明度(コントラスト)補正における変換カーブの特性パラメータであるm1,m2は、図4の色補正規則生成部254において、ヒストグラム形状や画像に付加された撮影環境タグから判別する入力画像の絵柄や設定された画像出力装置の記録条件によって定まる(ステップ31)。
【0081】
任意画素におけるダイナミックレンジ補正後の輝度値Y1(i)より、明るさ補正係数C2(i)は以下の式で求まる(ステップ33)。
【0082】
入力信号(R1(i),G1(i),B1(i))は以下の式で変換される(ステップ34)。
【0083】
(R2(i),G2(i),B2(i))=C2(i)・(R1(i),G1(i),B1(i)) (6)
ここで、Y2(i)は以下(7)〜(10)の式及び図11で表される変換カーブy=f(x)(f(x)≧0)におけるx=Y1(i)の出力値である。
【0084】
(x,y)=(m1,m2)において直線と2次放物線は接線結合し、f(x)は0≦x<m1で一次直線、m1≦x<1では二次放物線である。
【0085】
f(x)は以下の式で算出される(ステップ32)。
である。
【0086】
ここで、a,b,c は以下の条件を満たす。
【0087】
b^2−4・a・c ≧0 (10)
このように、m1の値に対し、m2が大きければ、m1の階調レベルの明るさがより持ち上げられることになる(図11参照)。
【0088】
例えば、図2の特徴量算出部252において入力画像の露出量(輝度中央値)を検出すると、色補正規則生成部254において、m1=160、m2=192がセットされ、さらにプリンタドライバで設定された記録条件に応じて、図12のように予め設定された持ち上げ量Δを決定し、m1=160、m2=192+Δとしてf(x)が作成される。
【0089】
ここでは、記録条件によって定まるプリンタのダイナミックレンジと前述したダイナミックレンジ補正結果に最適な明度補正量(持ち上げ量)を変更したが、補正カーブの形状や制御点などはこれに限定されるものではない。
【0090】
(実施例2)
次に、第2の実施例に係わる画像処理装置200に含まれるイメージ用画像処理手段204の実施例について図13を用いて説明を行う。イメージ用画像処理手段204は、描画データ解釈手段202から送られるイメージ画像データに対して、プリンタドライバ等で設定されたカラー画像形成装置の記録条件に応じて解析方法を変えて、ヒストグラムを生成するヒストグラム生成部251と、ヒストグラム情報の特徴を分析して所定の特徴量を計算する特徴量算出部252と、入力画像データを一時的に格納しておく画像記憶手段(格納バッファ)253と、特徴量算出部252からの特徴量に応じて入力画像に適切な色調補正を行うための色補正規則を生成する色補正規則生成部254と、色補正規則生成部254で生成された色補正規則を参照して、入力画像の画素毎に適切な色調補正を行う色調補正部255と、インクジェットカラープリンタ等のカラー画像形成装置の制御信号である複数の出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)への色変換処理を実行する色変換処理部256を備える。
【0091】
次に、実施例2におけるイメージ用画像処理手段204の全体的な動作について説明する。プリンタドライバ等でイメージ適応補正モードが選択されている場合、まず、描画データ解析手段202によって、イメージ描画データ中の画像データ部分は分離されてヒストグラム生成部252から色変換処理部256へと送られる。また、イメージ適応補正モードが選択されていない場合や、イメージ適応補正モードが適用されない記録条件が選択されている場合は、直接、色変換処理部256へと送られ、色変換される。
【0092】
図6の色調補正フローを用いて色調補正の具体例を説明する。ステップ1において、処理の高速化のために画像データをサブサンプリングして縮小し画素数を減らしているが、この際、プリンタドライバ等で設定された画像記録条件、特に印刷方式に応じて、サンプリングレート(間引き)を変更する。具体的には、高速印刷モードが選択された場合は間引き率を大きく、つまり画像を粗くスキャンし、印刷モードが高品位になればなるほど、間引き率を小さくしている。
【0093】
次にヒストグラム生成部251において、画像データを受け取って各色成分ごとの階調値の度数分布を求める。画像データが赤、緑、青の成分で表されている場合には、赤の階調値分布と、緑の階調値分布と、青の階調値分布を求める。但し、度数分布の作成結果を記憶するための記憶装置に容量の制限がある場合には、いずれか一つの色成分についてのみ階調値の度数分布を求めるようにしてもよい。
【0094】
この際、プリンタドライバ等で設定された画像記録条件によって定まる閾値以上の画像信号を有効画素として、この有効画素についてのみヒストグラムに加算している(ステップ2)。
【0095】
例えば、有効画素を設定して入力画像の輝度に関するヒストグラムを生成する場合、図14のフローチャートに示すように、プリンタドライバにおいて画像記録条件が設定される(S1)と、設定された画像記録条件に応じて、輝度に対するしきい値DLTと色差信号(彩度)に対するしきい値DCTがセットされる(S2、S3)。ここでは、画像記録条件でプリンタのダイナミックレンジが狭くなったり、シャープネスが低い画像記録条件において、輝度に対するしきい値DLTを低く設定し、プリンタのダイナミックレンジが狭くなる記録条件においては高コントラストの出力が得られるように設定している。
【0096】
S4で入力画像における最初の画素をサンプルし、画素情報(DR、DG、DB)から平均輝度値を算出する(S5)。S6において、S2で設定された輝度に対するしきい値DLTとの比較を行い、しきい値DLTに満たない輝度の画素は、平均輝度度数ヒストグラムに加算され(S8)、しきい値DLT以上の輝度を有する場合は、S7において、S3で設定された色差信号(彩度)に対するしきい値DCTとの比較を行い、画素情報(DR、DG、DB)の各差分のどれかがしきい値DCTを超えた場合には、平均輝度度数ヒストグラムに加算される(S8)。S9で全ての画素についてサンプルされたことを確認し、画素が残っている場合は次の画素をサンプルし(S10)、全画素についてサンプリングするまで処理を実行する。
【0097】
この処理では、結果的に所定以上の明るさでかつ所定の色味以下の画素を除外した有効画素に対するヒストグラムが生成でき、このヒストグラムから所定の特徴量を算出して、画像データが適切な階調特性を有しているか否かを判断し、必要ならば色調補正処理の内容を決定して補正パラメータを作成する。
【0098】
一般的な色調補正処理の内容としては、ダイナミックレンジ補正(ステップ3)、カラーバランス補正(ステップ4)、明度(コントラスト)補正(ステップ5)などがある。具体的な補正方法は公知の技術でもよく、主な補正方法ついては前述したのでここでは省略する。
【0099】
(実施例3)
次に、第3の実施例に係わる画像処理装置200に含まれるイメージ用画像処理手段204の実施例について図15を用いて説明をする。イメージ用画像処理手段204は、描画データ解釈手段202から送られるイメージ画像データのヒストグラムを生成するヒストグラム生成部251と、画像領域毎の情報に応じて、例えば、被写体と背景というように画像領域を分離する領域分離部257と、入力画像データを一時的に格納しておく画像記憶手段(格納バッファ)253と、領域情報とヒストグラム情報の特徴を分析して所定の特徴量を計算する特徴量算出部252と、被写体領域のような入力画像における重要領域に対する画像品質を推定する画像品質推定部258と、特徴量算出部252からの特徴量と画像品質推定部258からの画像品質情報に応じて、入力画像に適切な色調補正を行うための色補正規則を生成する色補正規則生成部254と、色補正規則生成部254で生成された色補正規則を参照して、入力画像の画素毎に適切な色調補正を行う色調補正部255と、インクジェットカラープリンタ等のカラー画像形成装置の制御信号である複数の出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)への色変換処理を実行する色変換処理部256を備える。
【0100】
次に、実施例3におけるイメージ用画像処理手段204の全体的な動作について説明する。プリンタドライバ等でイメージ適応補正モードが選択されている場合、まず、描画データ解析手段202によって、イメージ描画データ中の画像データ部分は分離されてヒストグラム生成部252から色変換処理部256へと送られる。また、イメージ適応補正モードが選択されていない場合や、イメージ適応補正モードが適用されない記録条件が選択されている場合は、直接、色変換処理部256へと送られ、色変換される。
【0101】
色調補正の具体例、主に色補正規則生成部254での処理を説明する。特徴量算出部252から入力画像データの特徴量が送られると、まず初期値となる階調補正カーブf0(x)を得る。
【0102】
色補正規則生成部254における階調補正カーブの生成は、画像全体のヒストグラムと、領域分離部257において抽出された人物領域などの被写体領域の中央値等から補正量を決めているが、これに限定されるものではない。
【0103】
また、領域分離部257における処理も、色の分布や周波数特性から人の肌色や顔の領域を推定するものや、画像に付加されたシーンや被写体情報などの撮影情報を使用する方法等を用いてもよい。
【0104】
一方、画像品質推定部258においては、プリンタドライバで設定可能な各記録条件について色調補正処理と色変換処理部によって得られる出力画像の被写体領域の粒状感や階調性等に代表される画像品質を推定する。
【0105】
ここでの画像品質の推定は、例えば、図16に示すようなメモリマップ補間で行う。前述したように、RGB空間を入力色空間とした場合、RGB空間を同種類の立体図形(ここでは立方体)に分割し、入力の座標(RGB)おける出力値Pを求める場合、入力の座標を含む立方体を選択し、該選択された立方体の8点の予め設定した頂点上の出力値と前記入力の前記立方体の中における位置(各頂点からの距離)に基づいて、線形補間を実施する。ここでの出力値Pは、画像品質の評価値(Q1、Q2、Q3)に相当し、補間演算に使用される入力空間上の座標(RGB)には、実際の代表点における入出力(L*a*b*−CMYK−Q1Q2Q3)の関係を測定した値や主観評価点が予め設定してある。
【0106】
色補正規則生成部254で初めに設定された階調補正カーブから得られる画像を最も高画質で出力できるプリンタドライバで設定可能な記録条件を、画像品質推定部258で推定し、入力画像に対する解析結果とプリンタ推奨記録条件については、コンピュータ103を介して、図3のディスプレイ100に表示させる。
【0107】
さらに、画像品質推定部258では、実際に設定されたプリンタの記録条件に対する領域分離部257で抽出された被写体領域における階調補正後の画像データの階調つぶれと粒状感を評価し、許容されないと判定された場合は、補正量の調節、及び更新を行い、新たな階調補正カーブf1(x)を得る。一方、階調つぶれが許容されると判定された場合は、階調補正カーブの更新は行われず、階調補正カーブが生成される。
【0108】
ここで、階調補正カーブの更新は、階調つぶれや粒状感などの画像品質が許容されると判断されるまで繰り返し行われる。
【0109】
色調補正部255では、カラー画像の階調補正処理が行われる。ここで、最初に階調補正カーブf0(x)を用いたRGBカラー画像データの階調補正処理を以下に説明する。
画像データの入力輝度値Yin(j)(j=1,2,...N, Nは入力データの画素数)に対し、階調補正カーブf0(x)による補正後の出力輝度値Y1(j)を定義する。ここで、xは画像データの入力輝度値である。
【0110】
入力輝度値は以下の式で算出される。j番目の画素(j=1,2,...N−1,N)の輝度Yin(j)は、カラー画像信号(Rin(j),Gin(j),Bin(j))を用いて、以下の式で表せる。
Yin(j)=0.299・Rin(j)+0.587・Gin(j)+0.114・Bin(j) (11)
入力輝度値Yin(j)に対して階調補正処理後の出力輝度値Y1(j)を算出し、階調補正係数C0(j) を以下の式で算出する。
入力カラー画像信号(Rin(j),Gin(j),Bin(j))は以下の式で変換され、階調補正カラー信号(R1(j),G1(j),B1(j))を得る。
(R1(j),G1(j),B1(j))=C0(j)・(Rin(j),Gin(j),Bin(j)) (13)
また、入力画像信号がグレーの場合、グレーレベルYin(j)を入力値とし、階調補正処理後の出力は、出力グレーレベル、
Y1(j)=f0(Yin(j)) (14)
を得れば良い。
【0111】
ここで、通常の画像処理では、出力デバイスの再現範囲0〜255を超えた場合クリッピングを行う。すなわち0未満の値は0へ、255以上の値は強制的に255に置き換える。これに対し、本実施例では、最終的な階調補正カーブを得て、色調補正処理を行うまでクリッピングを行わない。
【0112】
また、画像データがデジタルカメラ等で撮影されることを考慮すると、画像の中心領域が被写体である可能性が高く、領域の重要性は大きい。よって、飽和画素の重心位置に応じて閾値に重み付けを行っても良い。例えば、重心位置が画像の中心部に近いほど重要領域であり、飽和は目立つと予想されるため、閾値を低く設定する。この他、閾値の設定方法には種々考えられるが、それら何れの方法を用いてもよい。
【0113】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0114】
図17は、本画像処理システムの具体的な構成例としての情報処理システムの構咸を示すブロック図を示す。この画像処理システムは、ワークステーションとプリンタが接続されている。ワークステーションは、前記した色変換処理の機能を実現するもので、ディスプレイ、キーボード、プログラム読取装置および演算処理装置などで構成されている。演算処理装置は、種々のコマンドを実行可能なCPUに、ROM、RAMがバスで接続されている。また、バスには大容量記憶装置であるDISKと、ネットワーク上の機器と通信を行なうNICが接続されている。
【0115】
プログラム読取装置は、各種のプログラムコードを記憶した記憶媒体、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置で、例えば、フロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブなどである。
【0116】
記憶媒体に記憶されているプログラムコードは、プログラム読取装置で読み取ってDISKなどに格納され、このDISKなどに格納されたプログラムコードをCPUによって実行することにより、前記した画像処理方法などを実現することができるようになる。また、コンピユータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)やデバイス・ドライバなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前記した機能が達成される場合も含まれる。
【0117】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0118】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を有するため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正ができる。
(2)入力画像が撮影画像であって、色補正規則の生成手段が、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、少なくともコントラスト、露出量、ノイズ除去処理に関わる調整パラメータのいずれかを変更するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高速に行うことができる。
(3)調整パラメータは、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる白色点情報、色再現範囲、粒状度、階調数、シャープネス、グレーバランスのいずれかの情報に応じて生成するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による詳細な画質特性を考慮しながら、入力画像情報に応じた最適なコントラスト、ホワイトバランス、露出量、ノイズ除去に関する補正を高速に行うことができる。
(4)入力画像が撮影画像であって、入力画像情報の解析手段が、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、入力画像の解析条件を変更するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を、共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことができる。
(5)変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のサンプリング条件を含むようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による記録品質や記録速度を考慮して、入力画像情報に応じた色補正を効率的に行うことができる。
(6)変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のハイライトポイントとブラックポイントの算出条件を含むようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラストとホワイトバランスに関する補正を、共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことができる。
(7)変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像の解析に用いる有効画像領域の抽出条件を含むようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラスト、ホワイトバランス、露出量に関する補正を、少ない情報量で共通の補正パラメータを用いて効率的に行うことができる。
(8)画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する推定手段と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を有するため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことができる。
(9)入力画像が撮影画像であって、画像品質情報には、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる粒状度、階調数のいずれかを含むようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件によって変わる粒状度等の記録品質を考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことができる。
(10)画像品質情報の推定が、入力色空間の代表点と画像品質に対応する評価値の関係を表わすテーブルによる変換にしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を比較的簡単な構成で高精度に行うことができる。
(11)画像品質情報の推定手段が、入力画像における部分的な領域について画像品質情報の推定を行うようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度かつ比較的高速に行うことができる。
(12)入力画像における部分的な領域を決定する決定手段を具備し、前記部分的な領域は主被写体領域であるようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報の主被写体領域に最適な色補正を、高精度かつ比較的高速に行うことができる。
(13)色補正規則の生成手段が、画像品質情報に応じて、少なくともコントラスト、露出量、記憶色の色度値に対する調整パラメータのいずれかを変更するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した最適なコントラスト、露出量、記憶色の色度値に関する補正を高精度に行うことができる。
(14)入力画像情報の解析結果に応じた推奨記録条件を取得する取得手段と、少なくとも前記入力画像情報の解析結果と前記推奨記録条件のいずれかを表示する表示手段と、実際の画像形成に用いる記録条件を設定する設定手段をを有するため、ユーザーの期待する画像出力が得られる画像補正を可能にすることができる。
(15)入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された画像形成装置の記録条件と入力画像情報の解析結果に応じて生成した色補正規則により色補正するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色再現ができる。
(16)入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定し、入力画像情報の解析結果と前記画像品質情報に応じて生成した色補正規則により色補正するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた高精度な色再現ができる。
(17)画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮した入力画像情報に応じた色補正を可能にする画像処理プログラムを実行できる。
(18)画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する手順と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしているため、設定された画像形成装置の記録条件による出力特性も考慮して、入力画像情報に応じた色補正を高精度に行うことを可能にする画像処理プログラムを実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術を説明する図である。
【図2】本発明の画像処理装置の構成を示す。
【図3】本発明が適用される画像処理システムの構成例を示す。
【図4】本発明の実施例1に係るイメージ用画像処理手段の構成を示す。
【図5】色変換部を説明する図である。
【図6】色調補正を説明する図である。
【図7】特徴量算出部を説明する図である。
【図8】ダイナミックレンジ補正を説明する図である。
【図9】ダイナミックレンジ補正のフローチャートを示す。
【図10】明度(コントラスト)補正のフローチャートを示す。
【図11】明度(コントラスト)補正を説明する図である。
【図12】色補正規則生成部を説明する図である。
【図13】本発明の実施例2に係るイメージ用画像処理手段の構成を示す。
【図14】実施例2に係るヒストグラム生成方法を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の実施例3に係るイメージ用画像処理手段の構成を示す。
【図16】画像品質推定部を説明する図である。
【図17】本発明の機能を実現する画像処理プログラムを実行可能な情報処理装置の構成を示す。
【符号の説明】
100 ディスプレイ
101 デジタルスチルカメラ
102 スキャナ
103 コンピュータ
104 カラープリンタ(画像出力装置)
200 画像処理装置
201 データ・バッファ
202 描画データ解釈手段
203 グラフックス用画像処理手段
204 イメージ用画像処理手段
205 テキスト用画像処理手段
206 ラスタイメージ生成手段
207 送信データ生成手段
Claims (18)
- 画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 前記入力画像は撮影画像であり、前記色補正規則の生成手段は、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、少なくともコントラスト、露出量、ノイズ除去処理に関わる調整パラメータのいずれかを変更することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記調整パラメータは、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる白色点情報、色再現範囲、粒状度、階調数、シャープネス、グレーバランスのいずれかの情報に応じて生成することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記入力画像は撮影画像であり、前記入力画像情報の解析手段は、設定された画像形成装置の記録条件に応じて、入力画像の解析条件を変更することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のサンプリング条件が含まれることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 前記変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像のハイライトポイントとブラックポイントの算出条件が含まれることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 前記変更される入力画像の解析条件には、少なくとも入力画像の解析に用いる有効画像領域の抽出条件が含まれることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 画像形成装置の記録条件を設定する設定手段と、入力画像情報を解析する解析手段と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する推定手段と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する生成手段と、前記色補正規則に応じて色補正する色補正手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 前記入力画像は撮影画像であり、前記画像品質情報には、少なくとも画像形成装置の記録条件により定まる粒状度、階調数のいずれかが含まれることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
- 前記画像品質情報の推定は、入力色空間の代表点と画像品質に対応する評価値の関係を表わすテーブルによる変換であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
- 前記画像品質情報の推定手段は、入力画像における部分的な領域について画像品質情報の推定を行うことを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
- 前記入力画像における部分的な領域を決定する決定手段を備え、前記部分的な領域は主被写体領域であることを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
- 前記色補正規則の生成手段は、前記画像品質情報に応じて、少なくともコントラスト、露出量、記憶色の色度値に対する調整パラメータのいずれかを変更することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
- 前記入力画像情報の解析結果に応じた推奨記録条件を取得する取得手段と、少なくとも前記入力画像情報の解析結果と前記推奨記録条件のいずれかを表示する表示手段と、実際の画像形成に用いる記録条件を設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項1、4または8記載の画像処理装置。
- 入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された画像形成装置の記録条件と入力画像情報の解析結果に応じて生成した色補正規則により色補正することを特徴とする画像処理方法。
- 入力画像を画像形成装置で出力する際、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定し、入力画像情報の解析結果と前記画像品質情報に応じて生成した色補正規則により色補正することを特徴とする画像処理方法。
- 画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、前記記録条件と前記解析結果に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
- 画像形成装置の記録条件を設定する手順と、入力画像情報を解析する手順と、設定された記録条件で得られる出力画像に対する画像品質情報を推定する手順と、前記解析結果と前記画像品質情報に応じて色補正規則を生成する手順と、前記色補正規則に応じて色補正する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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