JP2004112268A - カメラの調整検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子カメラの調整検査を、種々の色温度条件で自動的に行なう。
【解決手段】調整検査を行なうべきカメラで撮像するテストパターンを表示するカラー画像表示パネル2と、パーソナルコンピュータ1と、前記カメラの出力信号に基づきパーソナルコンピュータ1に提供する撮像画像情報を生成する検査機4を備える。パーソナルコンピュータ1は、色信号RGBの比率を変えることにより複数の色温度条件のもとで各種テストパターン信号を発生しカラー画像表示パネルに各種テストパターンを表示させる。また、表示された各種テストパターンをカメラで撮像して得た撮像情報に基づきカメラの調整検査を行なうためにカメラと通信してカメラに制御データを送る。これにより、単一のカラー画像表示パネルを用いて複数種類の色温度条件下でカメラの調整検査を行なうことが可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】調整検査を行なうべきカメラで撮像するテストパターンを表示するカラー画像表示パネル2と、パーソナルコンピュータ1と、前記カメラの出力信号に基づきパーソナルコンピュータ1に提供する撮像画像情報を生成する検査機4を備える。パーソナルコンピュータ1は、色信号RGBの比率を変えることにより複数の色温度条件のもとで各種テストパターン信号を発生しカラー画像表示パネルに各種テストパターンを表示させる。また、表示された各種テストパターンをカメラで撮像して得た撮像情報に基づきカメラの調整検査を行なうためにカメラと通信してカメラに制御データを送る。これにより、単一のカラー画像表示パネルを用いて複数種類の色温度条件下でカメラの調整検査を行なうことが可能になる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラの調整検査装置に関し、例えばビデオカメラ、電子スチルカメラその他の電子カメラなどを種々の色温度条件において迅速かつ効率的に調整および/または検査可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のような各種カメラの調整、検査、性能評価、撮像試験などを行なう場合には、調整、検査など(以下、単に調整検査と称する)を行なうべきカメラ、すなわち被検査カメラ、で各種のテストパターンを撮像することによって行なわれていた。このようなカメラの調整検査を行なう場合、種々の色温度の光源のもとでテストパターンを撮像して調整検査を行なう必要がある。すなわち、単一種類の光源では通常単一色温度の光を出力することができるのみであったためそれぞれの調整検査の内容および目的に応じて必要な色温度の条件のもとで調整検査を行なうため、例えば各種の色変換フィルタ(以後、CCフィルタと称する)をカメラ本体のレンズに被せ、かつ各種のテストパターンをカメラで撮像する。例えば、ある固定の色温度の光源を用いて、透過型のテストチャートを照明し、かつカメラ側のCCフィルタを順次交換しながら調整検査を行なうことにより、種々の色温度の条件のもとで調整検査を行なうことができた。なお、従来のカメラの調整装置としては、例えば、特開平5−328409号および特開平11−234706号などに開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、種々の色温度でカメラの調整検査を行なうためには、手動によりテストチャートおよびCCフィルタを順次交換しながら調整検査を行なう必要があり、作業が煩雑になり、調整検査のための作業時間も長くかつ効率の悪いものとなり、結果として製品の製造コストを上昇させるという不都合があった。
【0004】
本発明の目的は、前述の従来例のカメラの調整検査技術における問題点に鑑み、カメラの調整検査装置において、種々の色温度の条件のもとでテストパターンを使用したカメラの調整および/または検査などを簡単な操作でかつ迅速に行なうことができるようにし、カメラの調整検査を短時間にかつ的確に行なうことができるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係わるカメラの調整検査装置は、テストパターンを表示するためのカラー画像表示パネルと、各種テストパターン信号を発生して前記カラー画像表示パネルに各種テストパターンを表示させるとともに、表示された各種テストパターンをカメラで撮像して得た撮像情報にもとづき前記カメラの調整および/または検査を行なうために前記カメラと信号通信を行なうパーソナルコンピュータと、前記カメラからの出力信号にもとづき前記パーソナルコンピュータに提供する撮像情報を生成するための検査機と、を具備し、前記パーソナルコンピュータから色温度情報を含むテストパターン信号を前記カラー画像表示パネルに入力することにより、単一のカラー画像表示パネルを用いて複数種類の色温度条件において前記カメラの調整および/または検査を可能にすることを特徴とする。
【0006】
この場合、前記検査機は前記カメラからアナログビデオ出力信号を受け該アナログビデオ出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、該デジタル信号を記憶するメモリと、該メモリから読み出した信号を前記パーソナルコンピュータが受け入れ可能な信号形式に変換して前記前記パーソナルコンピュータに供給するドライバ部とを具備すると好都合である。
【0007】
また、前記ドライバ部は前記デジタル信号をUSB形式で前記パーソナルコンピュータに入力するUSBドライバとすることもできる。
【0008】
さらに、前記カメラと前記パーソナルコンピュータとの信号通信はシリアルインタフェース(RS−232C)によって行なうこともできる。
【0009】
また、前記カラー画像表示パネルと前記カメラの撮像素子の画素の数および/または位置の差による撮像画像のモワレを前記カメラのフォーカスをずらすことによりまたは撮像レンズのズーミングにより防止すると好都合である。
【0010】
なお、前記カラー画像表示パネルは液晶表示(LCD)パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)パネル、発光ダイオード(LED)パネル、および電界放射型ディスプレイ(FED)パネルからなるグループから選択されたパネルとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態に係わるカメラの調整検査装置につき詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の1実施形態に係わるカメラの調整検査装置の概略の構成を示すブロック図である。図1に示される装置は、検査および/または調整などを行なうべきカメラ、以下被検査カメラと称する、3によって撮像可能な各種テストパターンを表示する液晶パネル2と、該液晶パネル2に各種テストパターンを表示させるための信号を入力し、かつ被検査カメラ3に調整信号を入力するなどの動作を行なうパーソナルコンピュータ1(以下、単にパソコンと称する)、および被検査カメラ3とパソコン1との間に接続された検査機4を具備する。
【0013】
パソコン1は、あらかじめ作成されたプログラムに従って動作し、各種テストパターン、例えばカラーバー、グレースケール、オールホワイト(全白)、その他のパターンを表示するための信号を生成し液晶パネル2に供給する。各テストパターンは、例えば、RGB256階調で表現され、液晶パネル2において表示される各々の色を描画する範囲を指定する。各テストパターンはこのような処理を複数回行なうことによって表示される。また、輝度、色温度などのパラメータは、このRGBのレベルまたはレベル比を変更することによって実現される。例えば、輝度を変更するには、RGBの比率を一定に保ったまま、各色のレベルを同時に変更すればよい。また、色温度を変更するには、RGBの比率を変えながらそのレベルを変更する。
【0014】
液晶パネル2は、パソコン1からの信号に基づき各種テストパターンを画面に表示するものである。なお、カラー画像が表示できるもの、すなわちカラー画像表示パネル、であれば他の表示装置を用いることもできる。例えば、液晶(LCD)パネルに変えて、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)パネル、発光ダイオード(LED)パネル、あるいは電界放射型ディスプレイ(FED)パネルなどを使用することができる。
【0015】
また、検査機4は、被検査カメラ3の出力、例えばビデオ信号、R/G/B信号その他、を受け入れて輝度情報および色信号情報など必要な信号情報を生成し、パソコン1で受け入れ可能な信号形式、例えばUSBインタフェース信号、としてパソコン1に供給する。
【0016】
図2は、図1のカメラの調整検査装置の詳細な構成を示す。図2に示されるように、被検査カメラ3は、例えば、光学レンズ部31と、映像撮像部32と、デジタル信号プロセッサ(DSP)などで構成される映像信号処理部33と、シリアルインタフェース(RS−232C)用ドライバ部34を備えている。
【0017】
このような被検査カメラにおいては、液晶パネル2の表示スクリーン上に表示されたテストパターンなどからの画像光が光学レンズ部31を介して映像撮像部32の撮像素子に入力され対応する映像信号が生成される。この映像信号は映像信号処理部33において、ガンマ(γ)補正および同期信号の付与などの各種処理が行なわれて、例えば、複合ビデオ信号としてビデオ出力端子35から出力される。また、シリアルインタフェース用ドライバ部34は、被検査カメラ3とパソコン1との間で各種データの送受信を行なうためのインタフェース動作を行なう。例えば、パソコン1から各種制御信号を送り映像信号処理部33における輝度信号レベルあるいは色信号の振幅および位相などの設定を行なうために使用される。
【0018】
次に、検査機4は、A/D変換部41、メモリ部42およびUSBドライバ部43などを備えている。A/D変換部41は、被検査カメラ3からのビデオ信号出力をデジタル信号に変換し、メモリ部42にいったん記憶させる。USBドライバ部43は、メモリ部42から読み出したデジタルデータ信号をパソコン1のUSBインタフェースを介してパソコン1に送り込むなどの動作を行なう。
【0019】
パソコン1は液晶パネル2に対し、例えばRGB、水平ドライブ(HD)および垂直ドライブ(VD)信号などを送る。この場合、RGBのデータを変えることにより、液晶パネル2に表示される表示画面を設定する。また、RGB信号の比率を変えることにより、液晶パネル2で表示される画像の色温度を所定の値に設定する。
【0020】
図3の(a)〜(c)は、パソコン1によって液晶パネル2に表示されるテストパターンの一例を示す。図3(a)は、全白すなわちオールホワイトのパターンを示し、例えばホワイトバランスなどの設定のために使用される。図3(b)は、カラーバーの一例を示し、色信号の調整などに使用される。また、図3(c)はグレースケールのパターンを示し、カメラの輝度信号関連の調整などに使用される。
【0021】
次に、図4を参照して上記構成を有するカメラの調整検査装置の動作を説明する。
【0022】
まず、被検査カメラ3を液晶パネル2の画像が撮像できるように液晶パネル2の前面に設置し調整検査を開始する。
【0023】
ステップS401において、パソコン1から液晶パネル2に必要な表示データおよび信号を送り、液晶パネル2の画面上にテストパターンを表示する。この場合、パソコン1から送るデータのうちのRGBのデータを設定することにより、液晶パネル2で表示される表示画面を設定する。また、RGBの比率を変えることにより、液晶パネル2で表示される画面の色温度を設定する。
【0024】
ステップS402において、パソコン1から例えばシリアルインタフェース(RS232C)を介して被検査カメラ3に映像信号処理部33のDSPなどの設定を行なうためのデータを送る。
【0025】
ステップS403において、被検査カメラ3では、パソコン1から送られたデータにもとづき映像信号処理部33などの設定が行なわれ、この設定に応じて被検査カメラ3からのビデオ信号出力などが変化する。
【0026】
ステップS404において、被検査カメラ3からのビデオ信号などが検査機4に入力される。検査機4は入力された信号をA/D変換部41によりデジタル信号に変換しいったんメモリ部42に記憶する。
【0027】
ステップS405において、パソコン1は被検査カメラ3に対し測定開始信号を送る。
【0028】
ステップS406において、前記測定開始信号をパソコン1から被検査カメラ3に送った後に得られたビデオ信号出力を被検査カメラ3から検査機4に入力させる。そして、上述のように、この入力信号をA/D変換部41においてデジタル信号に変換しメモリ部42にいったん記憶する。メモリ部42から読み出したデータをUSBドライバ部43を介してパソコン1に入力する。
【0029】
ステップS407において、パソコン1では検査機4から送られてきたデータを解析し、測定データを各種パラメータとして算出する。
【0030】
ステップS408において、パソコン1は上述のようにして算出した測定データをあらかじめ設定した目的値と比較し、あらかじめ設定した誤差範囲内に入っているか否かを判定する。もし所定の誤差範囲内に入っておれば、調整検査は終了する。もしあらかじめ設定した誤差範囲内に入っていない場合はステップS409に進む。
【0031】
ステップS409においては、測定データとあらかじめ設定した目的値との差から修正値を求め、これをシリアルインタフェースを介して被検査カメラ3に送る。
【0032】
以後、前述のステップS402〜S408が調整検査が終了するまで所定回数続けられる。なお、カメラの検査を行なう場合は、ステップS408において測定データと目的値との差があらかじめ設定した誤差より大きい場合には、不良品として判定するよう構成してもよい。
【0033】
なお、上記実施形態に関し種々の変更が可能である。例えば、前述のように液晶パネル2に代えて、各種のカラー画像表示パネルを使用することができる。例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)パネル、LEDパネル、電界放射型ディスプレイ(FED)パネルなどを使用することもできる。また、パソコン1と被検査カメラ3および検査機4との通信は、種々の方式で行なうことができ、シリアルインタフェース形式およびUSBインタフェース形式に限定されない。
【0034】
このようにして、被検査カメラ3では、パソコン1からシリアルインタフェースを介して送られてきた修正値などの制御データに基づき、映像信号処理部を構成するDSP(デジタル信号プロセッサ)などにおける内部レジスタに記憶されているパラメータなどの値を変更設定する。これによって、例えば被検査カメラ3から出力される、あるいは内部の所定の調整ポイントなどにおける、輝度信号レベル、色信号の振幅および位相などを調整することができる。
【0035】
このような被検査カメラ3の調整および/または検査の動作を、各テストパターンについて行なうことにより被検査カメラ3の調整および/または検査を行なうことができる。なお、パソコン1は液晶パネル2に対して順次種々のテストパターンを表示させ、各テストパターンによって被検査カメラ3の所定の調整および/または検査を行なう。この場合、本発明では、パソコン1から液晶パネル2に送られる色信号RGBの比率を変えることにより、液晶パネル2で表示されるテストパターンの色温度を設定する。そして、パソコン1はこの色温度を種々の値に設定することにより、単一の液晶パネル2を用いて複数種類の色温度条件において被検査カメラ3の調整および/または検査を自動的に行なうことが可能になる。
【0036】
なお、前記カラー画像表示パネルと前記カメラの撮像素子の画素の数の相違および/または位置のずれにより、撮像画像にいわゆる「モワレ」を生じることがある。このような「モワレ」は、前記カメラのフォーカスを少しずらすことにより、または前記カメラの撮像レンズを少しズーミングして撮像画像の大きさをわずかに変えることによって防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ビデオカメラ、電子スチルカメラその他の電子カメラの調整および/または検査を、単一のカラー画像表示パネルを使用して種々の色温度においてテストパターンなどを表示して自動的に行なうことができる。
【0038】
各テストパターンの情報および色温度の設定のための情報は、パソコン1内の図示しない記憶装置などにあらかじめ設定記憶しておき、パソコン1は所定のプログラムに従ってこの記憶情報を使用して前述のように液晶パネル2に各テストパターンを複数の色温度で順次表示することによりカメラの調整および/または検査を自動的に行なうことができる。
【0039】
したがって、従来のようにカメラ本体のレンズに被せる色変換フィルタを順次交換し、かつテストパターンを人手で交換し表示するという煩雑な手間が省ける。すなわち、本発明によれば、複数種類の色温度の条件のもとで、各テストパターンを使用してカメラの調整および/または検査を自動的に行なうことができ、カメラの調整検査工程を大幅に簡略化し、かつカメラの調整検査に必要な作業時間も大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの調整検査装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のカメラの調整検査装置の詳細な構成を示すブロック回路図である。
【図3】本発明に係わるカメラの調整検査装置において使用されるテストパターンの例を示す説明図であり、(a)は全白パターンを、(b)はカラーバーのパターンを、そして(c)はグレースケールのパターンをそれぞれ示す。
【図4】本発明の一実施形態に係わるカメラの調整検査装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パソコン
2 液晶パネル
3 被検査カメラ
4 検査機
31 光学レンズ部
32 映像撮像部
33 映像信号処理部
34 シリアルインタフェース・ドライバ部
35 ビデオ信号出力
41 A/D変換部
42 メモリ部
43 USBドライバ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラの調整検査装置に関し、例えばビデオカメラ、電子スチルカメラその他の電子カメラなどを種々の色温度条件において迅速かつ効率的に調整および/または検査可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のような各種カメラの調整、検査、性能評価、撮像試験などを行なう場合には、調整、検査など(以下、単に調整検査と称する)を行なうべきカメラ、すなわち被検査カメラ、で各種のテストパターンを撮像することによって行なわれていた。このようなカメラの調整検査を行なう場合、種々の色温度の光源のもとでテストパターンを撮像して調整検査を行なう必要がある。すなわち、単一種類の光源では通常単一色温度の光を出力することができるのみであったためそれぞれの調整検査の内容および目的に応じて必要な色温度の条件のもとで調整検査を行なうため、例えば各種の色変換フィルタ(以後、CCフィルタと称する)をカメラ本体のレンズに被せ、かつ各種のテストパターンをカメラで撮像する。例えば、ある固定の色温度の光源を用いて、透過型のテストチャートを照明し、かつカメラ側のCCフィルタを順次交換しながら調整検査を行なうことにより、種々の色温度の条件のもとで調整検査を行なうことができた。なお、従来のカメラの調整装置としては、例えば、特開平5−328409号および特開平11−234706号などに開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、種々の色温度でカメラの調整検査を行なうためには、手動によりテストチャートおよびCCフィルタを順次交換しながら調整検査を行なう必要があり、作業が煩雑になり、調整検査のための作業時間も長くかつ効率の悪いものとなり、結果として製品の製造コストを上昇させるという不都合があった。
【0004】
本発明の目的は、前述の従来例のカメラの調整検査技術における問題点に鑑み、カメラの調整検査装置において、種々の色温度の条件のもとでテストパターンを使用したカメラの調整および/または検査などを簡単な操作でかつ迅速に行なうことができるようにし、カメラの調整検査を短時間にかつ的確に行なうことができるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係わるカメラの調整検査装置は、テストパターンを表示するためのカラー画像表示パネルと、各種テストパターン信号を発生して前記カラー画像表示パネルに各種テストパターンを表示させるとともに、表示された各種テストパターンをカメラで撮像して得た撮像情報にもとづき前記カメラの調整および/または検査を行なうために前記カメラと信号通信を行なうパーソナルコンピュータと、前記カメラからの出力信号にもとづき前記パーソナルコンピュータに提供する撮像情報を生成するための検査機と、を具備し、前記パーソナルコンピュータから色温度情報を含むテストパターン信号を前記カラー画像表示パネルに入力することにより、単一のカラー画像表示パネルを用いて複数種類の色温度条件において前記カメラの調整および/または検査を可能にすることを特徴とする。
【0006】
この場合、前記検査機は前記カメラからアナログビデオ出力信号を受け該アナログビデオ出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、該デジタル信号を記憶するメモリと、該メモリから読み出した信号を前記パーソナルコンピュータが受け入れ可能な信号形式に変換して前記前記パーソナルコンピュータに供給するドライバ部とを具備すると好都合である。
【0007】
また、前記ドライバ部は前記デジタル信号をUSB形式で前記パーソナルコンピュータに入力するUSBドライバとすることもできる。
【0008】
さらに、前記カメラと前記パーソナルコンピュータとの信号通信はシリアルインタフェース(RS−232C)によって行なうこともできる。
【0009】
また、前記カラー画像表示パネルと前記カメラの撮像素子の画素の数および/または位置の差による撮像画像のモワレを前記カメラのフォーカスをずらすことによりまたは撮像レンズのズーミングにより防止すると好都合である。
【0010】
なお、前記カラー画像表示パネルは液晶表示(LCD)パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)パネル、発光ダイオード(LED)パネル、および電界放射型ディスプレイ(FED)パネルからなるグループから選択されたパネルとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態に係わるカメラの調整検査装置につき詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の1実施形態に係わるカメラの調整検査装置の概略の構成を示すブロック図である。図1に示される装置は、検査および/または調整などを行なうべきカメラ、以下被検査カメラと称する、3によって撮像可能な各種テストパターンを表示する液晶パネル2と、該液晶パネル2に各種テストパターンを表示させるための信号を入力し、かつ被検査カメラ3に調整信号を入力するなどの動作を行なうパーソナルコンピュータ1(以下、単にパソコンと称する)、および被検査カメラ3とパソコン1との間に接続された検査機4を具備する。
【0013】
パソコン1は、あらかじめ作成されたプログラムに従って動作し、各種テストパターン、例えばカラーバー、グレースケール、オールホワイト(全白)、その他のパターンを表示するための信号を生成し液晶パネル2に供給する。各テストパターンは、例えば、RGB256階調で表現され、液晶パネル2において表示される各々の色を描画する範囲を指定する。各テストパターンはこのような処理を複数回行なうことによって表示される。また、輝度、色温度などのパラメータは、このRGBのレベルまたはレベル比を変更することによって実現される。例えば、輝度を変更するには、RGBの比率を一定に保ったまま、各色のレベルを同時に変更すればよい。また、色温度を変更するには、RGBの比率を変えながらそのレベルを変更する。
【0014】
液晶パネル2は、パソコン1からの信号に基づき各種テストパターンを画面に表示するものである。なお、カラー画像が表示できるもの、すなわちカラー画像表示パネル、であれば他の表示装置を用いることもできる。例えば、液晶(LCD)パネルに変えて、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)パネル、発光ダイオード(LED)パネル、あるいは電界放射型ディスプレイ(FED)パネルなどを使用することができる。
【0015】
また、検査機4は、被検査カメラ3の出力、例えばビデオ信号、R/G/B信号その他、を受け入れて輝度情報および色信号情報など必要な信号情報を生成し、パソコン1で受け入れ可能な信号形式、例えばUSBインタフェース信号、としてパソコン1に供給する。
【0016】
図2は、図1のカメラの調整検査装置の詳細な構成を示す。図2に示されるように、被検査カメラ3は、例えば、光学レンズ部31と、映像撮像部32と、デジタル信号プロセッサ(DSP)などで構成される映像信号処理部33と、シリアルインタフェース(RS−232C)用ドライバ部34を備えている。
【0017】
このような被検査カメラにおいては、液晶パネル2の表示スクリーン上に表示されたテストパターンなどからの画像光が光学レンズ部31を介して映像撮像部32の撮像素子に入力され対応する映像信号が生成される。この映像信号は映像信号処理部33において、ガンマ(γ)補正および同期信号の付与などの各種処理が行なわれて、例えば、複合ビデオ信号としてビデオ出力端子35から出力される。また、シリアルインタフェース用ドライバ部34は、被検査カメラ3とパソコン1との間で各種データの送受信を行なうためのインタフェース動作を行なう。例えば、パソコン1から各種制御信号を送り映像信号処理部33における輝度信号レベルあるいは色信号の振幅および位相などの設定を行なうために使用される。
【0018】
次に、検査機4は、A/D変換部41、メモリ部42およびUSBドライバ部43などを備えている。A/D変換部41は、被検査カメラ3からのビデオ信号出力をデジタル信号に変換し、メモリ部42にいったん記憶させる。USBドライバ部43は、メモリ部42から読み出したデジタルデータ信号をパソコン1のUSBインタフェースを介してパソコン1に送り込むなどの動作を行なう。
【0019】
パソコン1は液晶パネル2に対し、例えばRGB、水平ドライブ(HD)および垂直ドライブ(VD)信号などを送る。この場合、RGBのデータを変えることにより、液晶パネル2に表示される表示画面を設定する。また、RGB信号の比率を変えることにより、液晶パネル2で表示される画像の色温度を所定の値に設定する。
【0020】
図3の(a)〜(c)は、パソコン1によって液晶パネル2に表示されるテストパターンの一例を示す。図3(a)は、全白すなわちオールホワイトのパターンを示し、例えばホワイトバランスなどの設定のために使用される。図3(b)は、カラーバーの一例を示し、色信号の調整などに使用される。また、図3(c)はグレースケールのパターンを示し、カメラの輝度信号関連の調整などに使用される。
【0021】
次に、図4を参照して上記構成を有するカメラの調整検査装置の動作を説明する。
【0022】
まず、被検査カメラ3を液晶パネル2の画像が撮像できるように液晶パネル2の前面に設置し調整検査を開始する。
【0023】
ステップS401において、パソコン1から液晶パネル2に必要な表示データおよび信号を送り、液晶パネル2の画面上にテストパターンを表示する。この場合、パソコン1から送るデータのうちのRGBのデータを設定することにより、液晶パネル2で表示される表示画面を設定する。また、RGBの比率を変えることにより、液晶パネル2で表示される画面の色温度を設定する。
【0024】
ステップS402において、パソコン1から例えばシリアルインタフェース(RS232C)を介して被検査カメラ3に映像信号処理部33のDSPなどの設定を行なうためのデータを送る。
【0025】
ステップS403において、被検査カメラ3では、パソコン1から送られたデータにもとづき映像信号処理部33などの設定が行なわれ、この設定に応じて被検査カメラ3からのビデオ信号出力などが変化する。
【0026】
ステップS404において、被検査カメラ3からのビデオ信号などが検査機4に入力される。検査機4は入力された信号をA/D変換部41によりデジタル信号に変換しいったんメモリ部42に記憶する。
【0027】
ステップS405において、パソコン1は被検査カメラ3に対し測定開始信号を送る。
【0028】
ステップS406において、前記測定開始信号をパソコン1から被検査カメラ3に送った後に得られたビデオ信号出力を被検査カメラ3から検査機4に入力させる。そして、上述のように、この入力信号をA/D変換部41においてデジタル信号に変換しメモリ部42にいったん記憶する。メモリ部42から読み出したデータをUSBドライバ部43を介してパソコン1に入力する。
【0029】
ステップS407において、パソコン1では検査機4から送られてきたデータを解析し、測定データを各種パラメータとして算出する。
【0030】
ステップS408において、パソコン1は上述のようにして算出した測定データをあらかじめ設定した目的値と比較し、あらかじめ設定した誤差範囲内に入っているか否かを判定する。もし所定の誤差範囲内に入っておれば、調整検査は終了する。もしあらかじめ設定した誤差範囲内に入っていない場合はステップS409に進む。
【0031】
ステップS409においては、測定データとあらかじめ設定した目的値との差から修正値を求め、これをシリアルインタフェースを介して被検査カメラ3に送る。
【0032】
以後、前述のステップS402〜S408が調整検査が終了するまで所定回数続けられる。なお、カメラの検査を行なう場合は、ステップS408において測定データと目的値との差があらかじめ設定した誤差より大きい場合には、不良品として判定するよう構成してもよい。
【0033】
なお、上記実施形態に関し種々の変更が可能である。例えば、前述のように液晶パネル2に代えて、各種のカラー画像表示パネルを使用することができる。例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)パネル、LEDパネル、電界放射型ディスプレイ(FED)パネルなどを使用することもできる。また、パソコン1と被検査カメラ3および検査機4との通信は、種々の方式で行なうことができ、シリアルインタフェース形式およびUSBインタフェース形式に限定されない。
【0034】
このようにして、被検査カメラ3では、パソコン1からシリアルインタフェースを介して送られてきた修正値などの制御データに基づき、映像信号処理部を構成するDSP(デジタル信号プロセッサ)などにおける内部レジスタに記憶されているパラメータなどの値を変更設定する。これによって、例えば被検査カメラ3から出力される、あるいは内部の所定の調整ポイントなどにおける、輝度信号レベル、色信号の振幅および位相などを調整することができる。
【0035】
このような被検査カメラ3の調整および/または検査の動作を、各テストパターンについて行なうことにより被検査カメラ3の調整および/または検査を行なうことができる。なお、パソコン1は液晶パネル2に対して順次種々のテストパターンを表示させ、各テストパターンによって被検査カメラ3の所定の調整および/または検査を行なう。この場合、本発明では、パソコン1から液晶パネル2に送られる色信号RGBの比率を変えることにより、液晶パネル2で表示されるテストパターンの色温度を設定する。そして、パソコン1はこの色温度を種々の値に設定することにより、単一の液晶パネル2を用いて複数種類の色温度条件において被検査カメラ3の調整および/または検査を自動的に行なうことが可能になる。
【0036】
なお、前記カラー画像表示パネルと前記カメラの撮像素子の画素の数の相違および/または位置のずれにより、撮像画像にいわゆる「モワレ」を生じることがある。このような「モワレ」は、前記カメラのフォーカスを少しずらすことにより、または前記カメラの撮像レンズを少しズーミングして撮像画像の大きさをわずかに変えることによって防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ビデオカメラ、電子スチルカメラその他の電子カメラの調整および/または検査を、単一のカラー画像表示パネルを使用して種々の色温度においてテストパターンなどを表示して自動的に行なうことができる。
【0038】
各テストパターンの情報および色温度の設定のための情報は、パソコン1内の図示しない記憶装置などにあらかじめ設定記憶しておき、パソコン1は所定のプログラムに従ってこの記憶情報を使用して前述のように液晶パネル2に各テストパターンを複数の色温度で順次表示することによりカメラの調整および/または検査を自動的に行なうことができる。
【0039】
したがって、従来のようにカメラ本体のレンズに被せる色変換フィルタを順次交換し、かつテストパターンを人手で交換し表示するという煩雑な手間が省ける。すなわち、本発明によれば、複数種類の色温度の条件のもとで、各テストパターンを使用してカメラの調整および/または検査を自動的に行なうことができ、カメラの調整検査工程を大幅に簡略化し、かつカメラの調整検査に必要な作業時間も大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの調整検査装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のカメラの調整検査装置の詳細な構成を示すブロック回路図である。
【図3】本発明に係わるカメラの調整検査装置において使用されるテストパターンの例を示す説明図であり、(a)は全白パターンを、(b)はカラーバーのパターンを、そして(c)はグレースケールのパターンをそれぞれ示す。
【図4】本発明の一実施形態に係わるカメラの調整検査装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パソコン
2 液晶パネル
3 被検査カメラ
4 検査機
31 光学レンズ部
32 映像撮像部
33 映像信号処理部
34 シリアルインタフェース・ドライバ部
35 ビデオ信号出力
41 A/D変換部
42 メモリ部
43 USBドライバ部
Claims (6)
- テストパターンを表示するためのカラー画像表示パネルと、
各種テストパターン信号を発生して前記カラー画像表示パネルに各種テストパターンを表示させるとともに、表示された各種テストパターンをカメラで撮像して得た撮像情報にもとづき前記カメラの調整および/または検査を行なうために前記カメラと信号通信を行なうパーソナルコンピュータと、
前記カメラからの出力信号にもとづき前記パーソナルコンピュータに提供する撮像情報を生成するための検査機と、
を具備し、前記パーソナルコンピュータから色温度情報を含むテストパターン信号を前記カラー画像表示パネルに入力することにより、単一のカラー画像表示パネルを用いて複数種類の色温度条件において前記カメラの調整および/または検査を可能にすることを特徴とするカメラの調整検査装置。 - 前記検査機は前記カメラからアナログビデオ出力信号を受け該アナログビデオ出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、該デジタル信号を記憶するメモリと、該メモリから読み出した信号を前記パーソナルコンピュータが受け入れ可能な信号形式に変換して前記前記パーソナルコンピュータに供給するドライバ部とを具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラの調整検査装置。
- 前記ドライバ部は前記デジタル信号をUSB形式で前記パーソナルコンピュータに入力するUSBドライバであることを特徴とする請求項2に記載のカメラの調整検査装置。
- 前記カメラと前記パーソナルコンピュータとの信号通信はシリアルインタフェース(RS−232C)によって行なわれることを特徴とする請求項1に記載のカメラの調整検査装置。
- 前記カラー画像表示パネルと前記カメラの撮像素子の画素の数および/または位置の差による撮像画像のモワレを前記カメラのフォーカスをずらすことによりまたは撮像レンズのズーミングにより防止することを特徴とする請求項1に記載のカメラの調整検査装置。
- 前記カラー画像表示パネルは液晶表示(LCD)パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)パネル、発光ダイオード(LED)パネル、および電界放射型ディスプレイ(FED)パネルからなるグループから選択されたパネルであることを特徴とする請求項1に記載のカメラの調整検査装置。
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Cited By (3)
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CN100412939C (zh) * | 2004-06-17 | 2008-08-20 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 液晶显示器色温自动化调节系统及方法 |
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JP2011501925A (ja) * | 2007-10-16 | 2011-01-13 | エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート | 撮影現場の原色を再現するための撮影用標準カラー基準板システム |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271307A patent/JP2004112268A/ja active Pending
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