JP2004111811A - ドライエッチング装置、ドライエッチング装置のクリーニング方法、電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents

ドライエッチング装置、ドライエッチング装置のクリーニング方法、電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法 Download PDF

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JP2004111811A JP2002275192A JP2002275192A JP2004111811A JP 2004111811 A JP2004111811 A JP 2004111811A JP 2002275192 A JP2002275192 A JP 2002275192A JP 2002275192 A JP2002275192 A JP 2002275192A JP 2004111811 A JP2004111811 A JP 2004111811A
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Hitoshi Misu
三須 仁
Takayuki Kobayashi
小林 隆之
Mitsuo Iwanami
岩波 充朗
Hideaki Naono
直野 秀昭
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Abstract

【課題】チャンバー開放時に有毒フッ化物が発生しにくくなるドライエッチング装置およびクリーニング方法を提供こと。
【解決手段】図2は、この実施の形態2に係るドライエッチング装置のクリーニング方法を示す説明図である。最上段左側はエッチングチャンバー9に反応性気体10を導入することを示している。同段右側は、その次の工程として、有毒フッ化物を排出する工程を示している。同図中段は、上記二工程を繰り返すことを示しており、同図下段左側は、上記繰り返し工程の最後に、エッチングチャンバー9内に窒素20を導入し、充満させることを示している。この発明に係るクリーニング方法によれば、上記窒素20の導入によって、開放前のエッチングチャンバー内には有毒フッ化物がない状態となっているので、安心して開放することもできる。
【選択図】      図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドライエッチング装置、ドライエッチング装置のクリーニング方法、電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法に関し、更に詳しくは、ドライエッチング装置のドライエッチングチャンバー開放時に有毒フッ化物が発生しにくくなるドライエッチング装置、ドライエッチング装置のクリーニング方法、電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術を説明するために、ここでは、ドライエッチング装置の例としてプラズマドライエッチング装置について説明する(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。プラズマドライエッチングは、一定圧に保ったエッチングプロセスガスを高周波が印加される電極付近でプラズマ化し、それによって発生するイオンを電極上のエッチング対象に衝突させることにより行うものである。この動作原理により、エッチング対象に衝突したイオンは、当該対象と化学反応を起こして気化し、当該対象から取り除かれる。
【0003】
上記気化したエッチング反応生成物の大部分は、ポンプによる排出工程を経て除害装置に入るが、その一部は、当該エッチング対象付近をはじめ、エッチングチャンバー内に飛び散り、付着してしまう。またエッチング生成物として付着せずに残留するガス成分も存在する。このため、ドライエッチング装置は、そのチャンバーを定期的にクリーニングして用いられている。
【0004】
ところで、チャンバーのクリーニングは、単に開放して付着物を取り除くという作業はできない。なぜなら、エッチングプロセスガスやエッチング生成物がフッ素系(SF、CF+O、CHF、C等)である場合、上記エッチング反応生成物は、空気中の水分に曝されるとHFという有毒ガスを発生するからである。
【0005】
そこで、従来、ドライエッチング装置のチャンバーでは、サイクルパージという工程によってクリーニングされていた。このサイクルパージは、チャンバー内に窒素を導入して大気圧にし、上記エッチング反応生成物物と混合させた後、チャンバー内を真空引きし、再び窒素を導入するというサイクルを複数回行う工程である。なお、窒素は、それ自体が化学反応をするわけではなく、エッチング反応生成物との混合、または置換を目的とするものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−43279号公報(第3頁、[図1])
【特許文献2】
特開2002−43280号公報(第3頁、[図1])
【特許文献3】
特開2002−164321号公報(第2頁―第3頁、[図1])
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサイクルパージでは、反応生成物と窒素との混ざり合いが悪く、エッチング反応生成物(デポ物)の置換、排出効率が悪かった。このため、上記サイクルパージ終了後にチャンバーを開放すると、チャンバー内から排出できなかったエッチング反応生成物や残留ガスが空気に曝され、高濃度の有毒ガスが発生するという問題点があった。
【0008】
HFといった有毒ガスに作業者が一定基準以上の濃度で暴露すると、呼吸困難や皮膚外傷等を起こすほど人体に有毒である。したがって、ドライエッチングに携わる作業員にとっては効率よくチャンバー内のエッチング反応生成物を取り除き、作業環境を改善する手段が強く望まれていた。
【0009】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、チャンバー内のエッチング反応生成物を効率よく取り除き、その結果、ドライエッチング装置のドライエッチングチャンバー開放時に有毒フッ化物が発生しにくくなるドライエッチング装置、ドライエッチング装置のクリーニング方法、電気光学装置の製造装置及び電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明のドライエッチング装置は、エッチングチャンバー内にエッチングプロセスガスを導入する手段と、エッチング反応生成物を排出する手段と、エッチングチャンバー内を真空引きする手段と、を有するドライエッチング装置において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物等に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をエッチングチャンバー内に導入する手段を有するようにしたものである。
【0011】
この発明では、ドライエッチング装置が、エッチングプロセスガスや反応生成物等に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体を当該ドライエッチングチャンバー内に導入する手段有する。これにより、当該チャンバー内に付着したフッ化物たるエッチング反応生成物と、導入された当該気体とを積極的に反応させ、新たなフッ化物を生成させる。
【0012】
仮に、このフッ化物が上記チャンバー内に残っているときに、クリーニングとして当該チャンバーを開放すれば、空気中の水分と反応し、有毒フッ化物ガスがドライエッチング装置周辺に広がってしまう。このフッ化物の有毒ガスに作業者が一定基準以上の濃度で暴露すると呼吸困難や皮膚外傷等の人体に影響を与える事態も生じ得る。
【0013】
本発明のドライエッチング装置は、エッチング反応生成物、つまり、エッチングプロセスガスと基板被膜との反応によってエッチングチャンバー内で生じるガスを排出する手段を有するので、この手段により、上記有毒フッ化物ガスを排出する。また、このドライエッチング装置は、エッチングチャンバー内を真空引きする真空ポンプ等の手段も有するので、この手段により、有毒フッ化物の排出と共にチャンバー内を真空引きする。
【0014】
このように、フッ素に対して反応性を有する気体(以下、反応性気体という。)の導入と有毒フッ化物の排出、真空引きを繰り返せば、有毒なフッ化物を効率よく排除することができる。ここで、上記反応性気体の例としては、水素、水分を含んだガス、又は空気などが挙げられる。
【0015】
また、本発明のドライエッチング装置は、前記ドライエッチング装置において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体を、水素としたものである。
【0016】
ドライエッチングチャンバー内に導入される水素は、エッチング反応生成物と反応して有毒なHF等となる。この発明では、このHF等有毒フッ化物の排出、真空引きを繰り返し、当該有毒フッ化物を効率よく排除する。なお、水素の取扱いは特に慎重を期す必要があるので、上記導入される水素は他の元素との混合物としてもよい。
【0017】
また、本発明のドライエッチング装置は、前記ドライエッチング装置において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体を、水分を含んだガスとしたものである。
【0018】
また、本発明のドライエッチング装置は、前記ドライエッチング装置において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体を、空気としたものである。
【0019】
ドライエッチングチャンバー内に導入される空気は、微量な水素と水分を含んでいるので、エッチング反応生成物と反応して有毒なHF等となる。この発明では、このHF等有毒フッ化物の排出、真空引きを繰り返し、当該有毒フッ化物を効率よく排除することができる。
【0020】
また、本発明のドライエッチング装置は、前記ドライエッチング装置において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をエッチングチャンバー内に導入する手段は、さらに、逆流防止手段を有するようにしたものである。
【0021】
反応性気体は、エッチングチャンバー内に導入されるが、このときに、逆止弁等の逆流防止手段を当該導入手段が有すれば、その後にチャンバー内で発生する有毒フッ化物が反応性気体の導入手段から逆流することがなくなる。なお、当該逆流防止手段は、反応性気体導入手段のチャンバーへの出口に設けてもよいし、反応性気体供給源からの入口に設けてもよい。
【0022】
また、本発明のドライエッチング装置は、前記ドライエッチング装置において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をエッチングチャンバー内に導入する手段は、さらに、フィルターを有するようにしたものである。
【0023】
反応性気体は、エッチングチャンバー内に導入されるが、このときに、パーティクル(ちり)がチャンバー内に入りこむ可能性がある。当該反応性気体導入手段がフィルターを有せば、パーティクルはチャンバー内へ進入しなくなる。
【0024】
また、本発明の係るドライエッチング装置は、前記ドライエッチング装置において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をエッチングチャンバー内に導入する手段は、前記反応性を有する気体専用の独立した配管であるようにしたものである。反応性気体専用の独立した配管を用いると、反応性気体が他のプロセスガスに混じることがなくなる。
【0025】
また、この発明に係る電気光学装置の製造装置は、前記ドライエッチング装置を備えるようにしたものである。
【0026】
また、本発明のドライエッチング装置のクリーニング方法は、エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をドライエッチングチャンバー内に導入する工程と、前記ドライエッチングチャンバー内における前記反応性を有する気体とエッチング反応生成物との化合物を真空引きして排出する工程と、前記反応性を有する気体を導入する工程と、前記排出する工程とを順に繰り返す工程と、を有するようにしたものである。
【0027】
この発明は、エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体を当該ドライエッチングチャンバー内に導入する工程を有する。これにより、当該チャンバー内に付着したフッ化物たるエッチング反応生成物と、導入された反応性気体とを積極的に反応させ、新たなフッ化物を生成させる。
【0028】
また、この発明は、前記ドライエッチングチャンバー内における反応性気体とエッチング反応生成物との化合物を、真空引きして排出する工程を有する。これにより、有毒フッ化物たる当該化合物が排出される。これらの工程を順に繰り返せば、有毒フッ化物を効率よく排除することができる。ここで、上記反応性気体の例としては、水素、水分を含んだ気体、又は空気などが挙げられる。
【0029】
また、本発明のドライエッチング装置のクリーニング方法は、前記ドライエッチング装置のクリーニング方法において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体を、水素としたものである。
【0030】
この発明では、エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体として水素を採用し、当該水素を当該ドライエッチングチャンバー内に導入する工程を有する。これにより、当該チャンバー内に付着したフッ化物たるエッチング反応生成物と、導入された水素とを積極的に反応させ、新たなフッ化物を生成させる。
【0031】
また、この発明は、前記ドライエッチングチャンバー内における水素とエッチング反応生成物との化合物を、真空引きして排出する工程を有する。これにより、有毒フッ化物たる当該化合物が排出される。これらの工程を繰り返せば、有毒フッ化物を効率よく排除することができる。なお、水素の取扱いは特に慎重を期す必要があるので、上記導入される水素は他の元素との混合物としてもよい。
【0032】
また、本発明のドライエッチング装置のクリーニング方法は、前記ドライエッチング装置のクリーニング方法において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体を、水分を含んだガスとしたものである。
【0033】
また、本発明のドライエッチング装置のクリーニング方法は、前記ドライエッチング装置のクリーニング方法において、前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体を、空気としたものである。
【0034】
この発明では、エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体として空気を採用し、当該空気を当該ドライエッチングチャンバー内に導入する工程を有する。これにより、当該チャンバー内に付着したフッ化物たるエッチング反応生成物と、導入された空気とを積極的に反応させ、新たなフッ化物を生成させる。
【0035】
また、この発明は、前記ドライエッチングチャンバー内における空気とエッチング反応生成物との化合物を、真空引きして排出する工程を有する。これにより、有毒フッ化物たる当該化合物が排出される。これらの工程を繰り返せば、有毒フッ化物を効率よく排除することができる。
【0036】
また、本発明のドライエッチング装置のクリーニング方法は、前記ドライエッチング装置のクリーニング方法において、前記繰り返す工程の最後には、前記エッチングチャンバー内に窒素を導入するようにしたものである。
【0037】
エッチング装置のエッチングチャンバーのクリーニング後には、エッチングチャンバーを開放するのが一般的である。この発明では、反応性気体を導入する工程と、当該反応性気体とエッチング反応生成物との化合物を排出する工程とを繰り返す工程の最後として、エッチングチャンバー内に窒素を導入する。
【0038】
つまり、それまでの繰り返し工程では、エッチングチャンバー内に積極的に有毒フッ化物を発生させて、その後排出していたが、最後は当該チャンバー内に付着しているエッチング反応生成物と反応しない窒素を導入して当該チャンバー内を大気圧にする。これにより、開放前のエッチングチャンバー内には有毒フッ化物がない状態になる。
【0039】
また、本発明のドライエッチング装置のクリーニング方法は、前記ドライエッチング装置のクリーニング方法において、前記導入する工程は、エッチング反応生成物の排出手段で導入するようにしたものである。
【0040】
ドライエッチング装置には、エッチング反応生成物を排出する配管等の手段を有しているのが普通である。この発明では、この排出手段から逆に反応性気体を導入することを特徴とする。これにより、余計な配管等が不要になり、コストを抑えたドライエッチング装置のクリーニングができる。
【0041】
また、この発明に係る電気光学装置の製造方法は、前記ドライエッチング装置のクリーニング方法を用いるようにしたものである。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものを含む。
【0043】
(実施の形態1)
図1は、この発明に係るドライエッチング装置を示す説明図である。この発明の実施の形態は、エッチングプロセスガス(以下エッチングガスという。)1を導入する手段と、当該エッチングガス1と基板被膜との反応によって生じるエッチング反応生成物を排出する手段と、を有するドライエッチング装置Cに関するものである。
【0044】
エッチングガス1を導入する手段は、弁2を有する配管3が用いられ、当該弁2の開閉によってガスの流通を制御する。エッチング反応生成物を排出する手段には、上記と同様に弁4を有する配管5が用いられ、必要なときに反応ガスの排気が行われる。また、プラズマエッチングでは、プラズマを発生させやすくするためにエッチングチャンバー9の中を減圧し、真空引きする手段が必要になる。そのため、弁6を有する配管7のさきに真空ポンプ8が設けられる。
【0045】
なお、真空状態で発生した反応ガスを上記配管5で排気するのは難しいため、一度窒素(図示省略)をチャンバーC内に導入し、大気圧にしてから排気する。また、同図では、エッチング反応生成物を排出する配管5とチャンバー内を真空引きする配管7を別々としたが、真空ポンプ8を用いてエッチング反応生成物を排出するようにしてもよい。このようにして、プラズマエッチングは行われる。
【0046】
ところで、エッチングに用いるエッチングガスは、取り除く皮膜の種類によって様々なものがあるが、皮膜がSi,PolySi、Si、SiO、Ta、W等では、フッ素系(SF、CF+O、CHF、C等)が用いられる。したがって、エッチング反応生成物もフッ化物となり、上記にように排出する配管5は有していても、エッチングを何回も繰り返すうちにエッチングチャンバー9内には、当該エッチング反応生成物が付着し残留ガスも累積してしまう。
【0047】
そこで、定期的なクリーニングが必要になるわけだが、上記フッ化物が上記チャンバー内に残っているときに、クリーニングとして当該チャンバーを開放すれば、空気中の水分と反応し、有毒フッ化物ガスがドライエッチング装置周辺に広がってしまう。この有毒フッ化物ガスの濃度によっては、周辺にいる人間に深刻な害を与えることとなる。
【0048】
そこで、この発明に係るドライエッチング装置Cでは、クリーニングの際にエッチングガス1に含まれるフッ素に対して反応性を有する気体(以下、反応性気体という。)10をエッチングチャンバー9内に導入する手段を有するようにした。フッ素に対して反応性を有する気体10としては、水素、水分を含んだ気体、または空気が挙げられる。
【0049】
これらの気体が弁11付き配管12を通してドライエッチング装置Cに導入されると、エッチングチャンバー9内でフッ素と水素が反応して有毒フッ化物であるHF(気体)となる。この発明では、チャンバー内で積極的にこの反応を起こさせる点が特徴の一つである。
【0050】
そして、この発明に係るドライエッチング装置Cは、エッチング反応生成物を排出する手段である配管5で、上記有毒フッ化物ガスを排出する。また、このドライエッチング装置Cは、上述したようにエッチングチャンバー9内を真空引きする真空ポンプ等の手段も有するので、この手段により、有毒フッ化物の排出と共にエッチングチャンバー9内を真空引きする。
【0051】
このように、反応性気体10の導入と有毒フッ化物の排出、真空引きを繰り返せば、有毒なフッ化物を効率よく排除することができる。したがって、クリーニング後には、既に有毒フッ化物は排除されているので、作業員も安心してエッチングチャンバー9を開放することができる。換言すれば、ドライエッチング装置Cのクリーニング時の作業環境を改善できる。
【0052】
ここで、反応性気体をエッチングチャンバー内に導入する手段としての配管12は、逆止弁等の逆流防止手段を有するようにしてもよい。反応性気体が、エッチングチャンバー内に導入されるとき、上記逆流防止手段を当該導入手段が有すれば、その後にチャンバー内で発生する有毒フッ化物が反応性気体の導入手段から逆流することがなくなる。
【0053】
なお、当該逆流防止手段は、反応性気体導入手段のチャンバー9への出口Eに設けてもよいし、反応性気体供給源からの入口(図示省略)に設けてもよい。このようにすれば、配管等の反応性気体導入手段が有毒フッ化物に侵され傷むことがなくなる。特に反応性気体が空気である場合は、当該逆流を防止することで、空気取り入れ場所でもあるドライエッチング装置付近の作業環境を害することがなくなる。
【0054】
また、上記導入手段にフィルターを取り付けてもよい。フィルターを設ければ、パーティクルがチャンバー内へ進入しなくなる。パーティクルは小さなちりであるが、エッチングでは大きな障害になるので、可能な限り取り除くことが望まれる。上記フィルターの他、パーティクルを取り除く手段としては、反応性気体10が通る配管12を水槽にくぐらせるという手段も採れる。こうすれば、反応性気体の供給元から、又はチャンバー9内からのパーティクルが水槽の水に沈殿する。また、反応性気体10が空気である場合は、空気に適度な湿気が与えられるので、チャンバー9内でのエッチング反応生成物との反応もよくなる。
【0055】
なお、同図では、反応性気体10を独立した配管12に通すようにしているが、ドライエッチング装置によっては、この配管12が他の配管3と出口を共にするように設計される場合がある。反応性気体10専用の独立した配管であれば、当該反応性気体10がエッチングガス1に混じることもなく、エッチングプロセスに影響を及ぼさなくなるという効果がある。また、反応性気体が水分を含んだ空気である場合には、配管の腐食を心配する必要もなくなる。
【0056】
一方、配管12が他の配管3と出口を共にするように設計されている場合や、エッチングガス1と共用されている場合は、水分等が当該出口部の配管に付着し、エッチングプロセスに悪影響を及ぼすことが懸念され得る。そのような場合は、エッチング反応生成物や、有毒フッ化物を排出するための配管5を用いて反応性気体10をエッチングチャンバー9内に導入してもよい。反応性気体10の導入前のチャンバー内は、真空引きして減圧されている状態なので、当該反応性気体10は容易にエッチングチャンバー内に導入される。これにより、余計な配管等が不要になり、コストを抑えたドライエッチング装置Cのクリーニングができる。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ドライエッチング装置のクリーニングとして、反応性気体を導入する工程と、当該反応性気体とエッチング反応生成物との化合物を排出する工程とを繰り返すということを説明した。この実施の形態2では、上記繰り返し工程の最後に、エッチングチャンバー内に窒素を導入する場合を説明する。
【0058】
図2は、この実施の形態2に係るドライエッチング装置のクリーニング方法を示す説明図である。最上段左側はエッチングチャンバー9に反応性気体10を導入することを示している。同段右側は、その次の工程として、有毒フッ化物を排出する工程を示している。同図中段は、上記二工程を繰り返すことを示しており、何回繰り返すかは、ドライエッチングチャンバーの種類や、大きさ、使用頻度等を勘案して適当な回数が選択される。一般的には、上記二工程を10回程度またはそれ以上行うのが好ましい。
【0059】
そして、同図下段左側は、上記繰り返し工程の最後に、エッチングチャンバー9内に窒素20を導入し、充満させることを示している。これは、窒素20を導入して当該チャンバー内を大気圧にすることを意味する。窒素20は、エッチング反応生成物と反応しないので、有毒フッ化物も発生しない。
【0060】
同図同段右側は、エッチング装置のエッチングチャンバー9のクリーニング後にエッチングチャンバー9を開放することを示している。このように、クリーニング後や、メンテナンス時にはエッチングチャンバーを開放することがよく行われる。この発明に係るクリーニング方法によれば、従来技術と異なり、上記窒素20の導入によって、開放前のエッチングチャンバー内には有毒フッ化物がない状態となっているので、安心して開放することもできる。
【0061】
(実施例)
この実施例では、反応性気体として空気を採用し、実施の形態2で示した二工程の繰り返し(以下空気パージという。)を行った実験結果を示す。実験は、4つの方法を実行後、チャンバーを開放したときに発生するHFの濃度を比較して行った。すなわち、▲1▼空気パージ6回(空気を入れた状態で5分間安定させる工程を最後の2回分だけ実行)、▲2▼空気パージ10回(空気を入れたときは、毎回5分間安定させる工程を実行)▲3▼Taレシピ2400W(300s×5枚)+従来のサイクルパージ、▲4▼Oプラズマ2400W(300s×5枚)+従来のサイクルパージ+空気パージ5回(毎回5分間安定させる工程実行)の各実験結果を比較した。なお、Taレシピを実行したのはデポ物が発生した時とほぼ同様のレシピを行うことでデポ物が反応して減少すると考えたからである。また、Oプラズマを実行したのはチャンバーに導入できるガスのうち反応性のある気体を送ることでデポ物との反応を期待したからである。
【0062】
図3は、実験方法▲1▼の結果を示すグラフ図である。横軸は時間、縦軸は有毒フッ化物HFの濃度である。同図に示すように、チャンバーを開放した直後のA点で最大濃度を記録した。そのときの濃度は2.24ppmであった。図4は、実験方法▲2▼の結果を示すグラフ図である。横軸と縦軸は図3と同様である。同図に示すように、B点で最大濃度を記録した。そのときの濃度は1.45ppmであった。
【0063】
図5は、実験方法▲3▼の結果を示すグラフ図である。横軸と縦軸は図3と同様である。同図に示すように、C点における最大濃度6.10ppmまで上昇しつづけた。これは危険濃度を遙かに超えるものである。図6は、実験方法▲4▼の結果を示すグラフ図である。横軸と縦軸は図3と同様である。
【0064】
同図に示すように、D点における最大濃度3.15ppmを記録した。なお、この方法においては、最後に行った空気パージの最後に窒素導入をせず、空気を導入したままにした。そのため、チャンバー内で十分に反応したHFが一気に放出されたと考えられる。
【0065】
したがって、HF濃度が高く、しかも長時間にわたってだらだらとHFが発生し続けるという結果になったと考えられる。また、上記4方法とは別に従来技術の窒素サイクルパージのみの実験も行ったがHF濃度9ppmを超えるものとなり、測定不可能となった。
【0066】
以上の結果により、この発明にかかるドライエッチング装置、およびそのクリーニング方法によれば、HF削減にかなりの効果があることが認められる。したがって、当該装置、方法は、空気パージの安定時間や繰り返し回数を最適化することにより、様々な種類、大きさのドライエッチング装置に適用可能となる。
【0067】
また、本発明のドライエッチング装置、ドライエッチング装置のクリーニング方法は、電気光学装置の製造方法、電気光学装置の製造装置に用いることができる。適用可能な電気光学装置の例としては、液晶装置、エレクトロルミネッセンス装置、特に、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置等や、プラズマディスプレイ装置、FED(フィールドエミッションディスプレイ)装置、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置、薄型のブラウン管、液晶シャッター等を用いた小型テレビ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた装置などの各種の電気光学装置の製造方法および製造装置に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るドライエッチング装置を示す説明図である。
【図2】ドライエッチング装置のクリーニング方法を示す説明図である。
【図3】実験方法▲1▼の結果を示すグラフ図である。
【図4】実験方法▲2▼の結果を示すグラフ図である。
【図5】実験方法▲3▼の結果を示すグラフ図である。
【図6】実験方法▲4▼の結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 エッチングガス
2、4、11 弁
3、5、6、7、12 配管
8 真空ポンプ
9 エッチングチャンバー
10 反応性気体
11 弁
20 窒素

Claims (15)

  1. エッチングチャンバー内にエッチングプロセスガスを導入する手段と、
    エッチング反応生成物を排出する手段と、
    エッチングチャンバー内を真空引きする手段と、を有するドライエッチング装置において、
    前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をエッチングチャンバー内に導入する手段を有することを特徴とするドライエッチング装置。
  2. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体は、水素であることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
  3. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体は、水分を含んだガスであることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
  4. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体は、空気であることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
  5. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をエッチングチャンバー内に導入する手段は、さらに、逆流防止手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のドライエッチング装置。
  6. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をエッチングチャンバー内に導入する手段は、さらに、フィルターを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のドライエッチング装置。
  7. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をエッチングチャンバー内に導入する手段は、前記反応性を有する気体専用の独立した配管であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のドライエッチング装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のドライエッチング装置を備えることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
  9. エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体をドライエッチングチャンバー内に導入する工程と、
    前記ドライエッチングチャンバー内における前記反応性を有する気体とエッチング反応生成物との化合物を真空引きして排出する工程と、
    前記反応性を有する気体を導入する工程と、前記排出する工程とを順に繰り返す工程と、
    を有することを特徴とするドライエッチング装置のクリーニング方法。
  10. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体は、水素であることを特徴とする請求項9に記載のドライエッチング装置のクリーニング方法。
  11. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体は、水分を含んだガスであることを特徴とする請求項9に記載のドライエッチング装置のクリーニング方法。
  12. 前記エッチングプロセスガスや反応生成物に含まれるフッ素成分に対して反応性を有する気体は、空気であることを特徴とする請求項9に記載のドライエッチング装置のクリーニング方法。
  13. 前記繰り返す工程の最後には、前記エッチングチャンバー内に窒素を導入することを特徴とする請求項9〜12のいずれか一つに記載のドライエッチング装置のクリーニング方法。
  14. 前記導入する工程は、エッチング反応生成物の排出手段で導入することを特徴とする請求項9〜13のいずれか一つに記載のドライエッチング装置のクリーニング方法。
  15. 請求項9〜14のいずれか1項に記載のドライエッチング装置のクリーニング方法を用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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