JP2004111603A - セラミック抵抗体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミノ珪酸塩を主とする構造材料中に導電材としてのSiまたはFeSiを含有させた複合焼結体からなり、電力負荷容量の大きな回路に好適に使用されるセラミック抵抗体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミノ珪酸塩を主とする構造材料中に導電材としてのSiまたはFeSiを含有させた複合焼結体であって、AlN 粉末を15〜30重量% 含有し、比抵抗が1 〜100 Ωcmの範囲にあり、室温〜200 ℃の温度領域における抵抗温度係数が+0.001%/℃以上、熱伝導率が5W/mK 以上の物性を備えたセラミック抵抗体。製造方法は、軟化点700 〜1000℃のホウケイ酸ガラス粉末と粘土原料を合わせて40〜50重量% 、平均粒子径0.1 〜100 μm のSi粉末が25〜40重量% 、粒子径0.1 〜200 μm のAlN 粉末が15〜30重量% の混合原料粉をモールド成形した後、大気雰囲気下あるいは窒素ガス雰囲気下で1200〜1300℃の温度にて焼成する。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミック抵抗体に関する。更に詳細には、本発明は、耐熱材成分と導電材成分とが混合、分散したセラミック抵抗体に係わり、例えば、電力制御用のインバーター保護用や核融合炉の超伝導コイル保護用などの大容量回路に使用されるセラミック抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】特開2001−114563 号公報
【特許文献2】特開2000−128641 号公報
【特許文献3】特開平5−234704号公報
インバーター保護回路などの装置は容量の増大により大電力化が進むと共に装置のコンパクト化が図られ、それに組み込まれる抵抗器についても大電力による高負荷を吸収し得る高容量化が必要になっている。これらの高電圧大容量用の抵抗器に用いられる抵抗体としては、一般的に金属材料からなる抵抗体が使用されてきたが、金属抵抗体は誘導電流が生じ易い、残留インダクタンスが大きい、電流容量が小さい、体積抵抗率が低い、などの欠点があり、高電圧大容量用の抵抗体として用いるには難点がある。
【0004】
そこで、カーボン−アルミナ系、酸化亜鉛系、炭化珪素焼結体系、窒化珪素結合炭化珪素系、窒化アルミニウム焼結体系、Si(またはFeSi)−アルミノ珪酸塩系、などのセラミック抵抗体が使用が試みられている。
【0005】
カーボン−アルミナ系や酸化亜鉛系のセラミック抵抗体では長時間、大電流を負荷していると抵抗が上昇する特徴があり、高容量用の抵抗器として用いるには適しておらず、主に遮断機などの開閉サージ吸収用として使用されている。
【0006】
炭化珪素焼結体系の抵抗体を用いた場合は、無誘導性で熱伝導率が高く電流容量が大きいという利点はあるが、抵抗温度特性は負特性が強く所望の抵抗値を安定して得るのが難しいという欠点がある。特に、抵抗温度特性が強い負特性を示すことは、通電負荷時の負荷変動が大きくなるばかりでなく、抵抗体として熱暴走する恐れがあり、安全性の面でも大きな問題がある。また、炭化珪素焼結体を作製するためには、微粒で高純度の炭化珪素粉末を原料とする必要となるため、高価格となる難点もある。
【0007】
また、窒化アルミニウム焼結体系についても、熱伝導率が高い材料であることから高容量抵抗体として、例えばAlN−TiN−Cr 系複合焼結体が、本出願人より
開示(【特許文献1】)されている。本抵抗体は、炭化珪素焼結体よりは抵抗調整範囲が広いため製造し易く、抵抗温度係数も正特性となることから高容量抵抗体として適している。しかし、窒化アルミニウム原料が高価であり、その焼成方法についても非常に高価なBNトレーの使用が不可欠であることから、炭化珪素焼結体系と同様に高価格となるため、比較的に電力負荷容量の低い仕様に対しては適切ではない。
【0008】
上記炭化珪素焼結体系の欠点である抵抗調整範囲や抵抗温度特性及び高価格の点を改善したセラミック材料として、窒化珪素結合炭化珪素を用いるセラミック
抵抗体が開発されている。例えば、本出願人が
【特許文献2】にて提案しているセラミック抵抗体は、炭化珪素粉末、窒化珪素粉末及び金属珪化物粉末からなる混合粉末の成形体を窒素ガス雰囲気中で熱処理して得られた窒化珪素結合炭化珪素/窒化珪素焼結体であって、炭化珪素粉末が0.1%以上のAlを固溶している粗粒SiC 粉末A と結晶形態がβ型である微粒SiC 粉末B との混合粉末、金属珪化物粉末がSiとFeSi の混合粉末を成形し、窒素ガス雰囲気下にて焼成することによりが得られる。本抵抗体は、室温〜100 ℃の温度範囲における抵抗温度係数が−0.1%/℃以上、熱伝導率が10W/mK以上であり、低価格でしかも抵抗調整範囲も広くSiC 比率により容易に調節可能であるため、炭化珪素焼結体系抵抗体の欠点を改善した抵抗体として有望である。しかし、大きな欠点として、SiC を導電材料としているため、抵抗温度係数の負特性となることは避けられず、電力設備の仕様が限定されてしまう。
【0009】
一方、Si(またはFeSi)−アルミノケイ酸塩系抵抗体では無誘導性で電流容量が大きく、大容量抵抗体として好適なものである。本抵抗体は、融点の低いホウケイ酸ガラスや粘土原料による焼結であるため、焼成温度が1200〜1300℃と低くできることから、製造し易く非常に安価な材料である。また、抵抗温度特性も導電材料であるSiまたはFeSiの影響で正特性になる。しかし、通電負荷中に熱膨張差による割れが発生する場合があるため、結局は負荷率を制限して使用せざるを得ない難点がある。この難点を解消するために本出願人は、アルミノケイ酸塩を主とする構造材料中に導電材としてのSiまたはFeSiを5 〜60重量%含有させた抵抗体において、SiC 粉末を5 〜50重量% 含有させたことを特徴とするセラミック
抵抗体(【特許文献3】)を提案した。このセラミック抵抗体によれば、熱伝導率が向上するために1 枚当たりの負荷率を2 倍程度向上させることが可能となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記抵抗体は、熱伝導率が高いSiC 粉末の配合比率をできるだけ高くすれば、抵抗体全体の熱伝導率を向上させることができるので、例えば水冷方式による高容量抵抗器に適したものとなる。しかしながら、抵抗調整範囲や抵抗温度特性の影響から、SiC 粉末の配合比率は10〜30% の範囲に抑えられているのが現状である。つまり、SiC 粉末の比率が高くなると、その抵抗温度特性が負特性であるために、抵抗体全体の抵抗温度係数が負特性に近づくことばかりでなく、抵抗調整範囲も狭くなるためである。また、SiC 粉末の比率を増加させていくと、成形体に亀裂等が発生して製造し難い現象が発生する傾向にあった。SiC 粉末が10〜30% 配合した場合の熱伝導率は、室温〜200 ℃の温度範囲にて約6 〜8W/mK 程度であり、製造方法が安易で低価格の本材質による更なる高熱伝導化と共に高容量化が求められてきている。
【0011】
本発明は、上記
【特許文献3】の技術を基にして、上記問題点を改善するために更に研究を進めた結果、開発に至ったものであり、その目的とする解決課題は、例えば、大電力による高負荷を吸収した際の温度上昇を抑制するために水冷方式のセラミック抵抗器として好適に用いられ、特にその抵抗温度係数が正特性であり、高熱伝導化により更なる高負荷を吸収可能なセラミック抵抗体及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明によるセラミック抵抗体は、アルミノ珪酸塩を主とする構造材料中に導電材料としてのSiまたはFeSiを含有させた複合焼結体であって、AlN 粉末を15〜30重量% 含有し、比抵抗が1 〜100 Ωcmの範囲にあり、室温〜200 ℃の温度領域における抵抗温度係数が+0.001%/℃以上、熱伝導率が5W/mK 以上の物性を備えることを構成上の特徴とする。
【0013】
また、本発明によるセラミック抵抗体の製造方法は、軟化点700 〜1000℃のホウケイ酸ガラス粉末と粘土原料を合わせて40〜55重量% 、粒子径0.1 〜500 μm のSiまたはFeSi粉末が25〜40重量% 、粒子径0.1 〜200 μm のAlN 粉末が15〜30重量% の混合原料粉をモールド成形した後、大気雰囲気下あるいは窒素ガス雰囲気下で1200〜1300℃の温度にて焼結することを構成上の特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
電力制御用のインバーター保護用抵抗器や核融合炉の超伝導コイル保護用抵抗器などの高電圧で電力負荷容量の大きな回路に使用される抵抗体は、例えば負荷された電力によって発生するジュール熱による温度上昇を冷却水により冷却しながら使用されるので、素子温度としては約100 〜200 ℃程度の温度域における熱伝導率及び抵抗温度係数が重要となる。
【0015】
本発明のセラミック抵抗体は、アルミノケイ酸塩を主とする耐熱性セラミック構造材料中に導電材料としてSiまたはFeSiを含有させた複合焼結体であって、AlN 粉末を15〜35重量% 含有させることにより、室温〜200 ℃の温度範囲における熱伝導率を5W/mK 以上に向上させている。熱伝導率の上限は、特に限定されるものではないが、例えば15W/mK程度である。
【0016】
本発明のセラミック抵抗体に使用される耐熱性セラミックス構造材料であるアルミノケイ酸塩については、木節粘土、蛙目粘土、カオリン、ベントナイトといった天然の粘土鉱物原料と、SiO系のガラス原料、例えばホウケイ酸ガラス粉末の組み合わせから用いられる。粘土原料については、成形助剤や低温焼結性から適宜選択可能となる。また、ガラス原料については、その耐熱性や焼結性から考慮して、軟化点が700 ℃〜1000℃、好ましくは800 ℃〜900 ℃のものが好適に用いられる。その粒子径については、0.1 〜1000μm 、好ましくは1 〜100 μmの範囲のものが用いられる。粘土鉱物原料とホウケイ酸ガラス粉末の混合物の配合比率は、40〜55重量% 、好ましくは45〜50重量%が適しており、40重量% 未満では十分な焼結が得られず、55重量% を超える場合では熱伝導率の低下をもたらす。また、粘土原料とガラス原料の比率については、4:6 〜6:4 の範囲が適当である。
【0017】
AlN 粉末については、粒子径0.1 〜200 μm 、好ましくは20〜100 μmの範囲のものが用いられるが、熱伝導率の向上のためには、できるだけ平均粒子径の大きな原料を用いる方が好ましい。配合比率は、高いほど熱伝導率が向上するので好ましいが、実際には20〜30重量% の範囲に限定されることとなる。
【0018】
導電材料であるSiまたはFeSi(フェロシリコン)は、粒子径0.1 〜500 μm の範囲の原料が用いられ、平均粒子径が10〜50μm となるものが好ましい。配合比率については、抵抗調整からAlN の配合比率とバランスさせて決まる。つまり、絶縁性材料であるAlN 粉末と導電性材料であるSiまたはFeSi粉末の合計が45〜60重量% であり、AlN 粉末が15〜30重量% 、SiまたはFeSiが25〜40重量% の範囲に調節しバランスさせることにより1 〜100 Ωcmの抵抗調整が可能となる。
【0019】
原料の混合については、V ブレンダー等による乾式混合が好適に用いられるが、1 μm 以下の微粉原料が含まれる場合は、分散性を良くするためにはボールミル等による湿式混合が好ましい。しかし、AlN 原料やSi原料は水分との反応性が高いので、エタノール等の非水系媒体による混合が必要となり、そのスラリー乾燥には防爆型のスプレードライヤー等が使用される。
【0020】
上記方法にて得られた混合粉末に、適量の水分を添加し万能混合撹拌機等の装置で混練する。その際はAlN 原料が加水分解を起こしNH ガスが発生するので、できるだけ短時間にて行なうようにすることが重要である。一方、AlN 原料が1 μm 以下の微粉が多く含まれる場合は、水との反応性が高くなるので、この場合においてもできるだけ粒子径の大きい原料を使用することが好ましい。その後、これら混練物は、例えばスクリーン型破砕造粒機にて造粒し、一軸加圧成形機等のモールド成形やCIP 装置にて成形する。
【0021】
焼成については、大気雰囲気下あるいは窒素ガス雰囲気下1200〜1300℃の温度範囲にて焼成し、ガラス原料及び粘土原料を焼結させる。大気雰囲気下焼成ではAlNの酸化が起きるが、比較的低温での緻密化と、またSiやガラス原料から生成される抵抗体表面のガラス質保護膜が形成されることにより、AlN の酸化はある程度抑えられる。一方、窒素ガス雰囲気下での焼成ではAlN の酸化は起きないことから、確実にAlN 成分を残せることとなるので、好適に用いられる。
【0022】
このように本発明によれば、アルミノ珪酸塩を主とする構造材料中に導電材料としてのSiまたはFeSiを含有させた複合焼結体中に、AlN 粉末を15〜30重量% 含有させることにより、比抵抗が1 〜100 Ωcmの範囲にあり室温〜200 ℃の温度領域における抵抗温度係数が+0.001%/℃以上の特性を兼ね備えた、熱伝導率が5W/mK 以上のセラミック抵抗体が提供される。
【0023】
本発明における抵抗温度係数(α)とは、室温25℃の抵抗値を基準として、1℃当りの抵抗変化率を示すもので、例えば25〜200 ℃の温度範囲では、以下の計算式にて算出される。
【0024】
【数1】
Figure 2004111603
【0025】
ただし、式中、R200、R25 、T200、T25 は、以下の定義を意味するものである。
200:200℃の抵抗値
25 :25℃の抵抗値
200:200℃
25 :25℃
【0026】
抵抗温度係数が+0.001% 以上であれば、通電負荷時の負荷変動を抑え、抵抗発熱による熱暴走の恐れがなく、信頼性の高い抵抗器を提供できる。
【0027】
また、本発明のセラミック抵抗体の製造方法は、軟化点700 〜1000℃のホウケイ酸ガラス粉末と粘土原料を合わせて40〜55重量% 、粒子径0.1 〜500 μm のSiまたはFeSi粉末が25〜40重量% 、粒子径0.1 〜200 μm のAlN 粉末が15〜30重量% の混合原料粉をモールド成形した後、大気雰囲気下あるいは窒素ガス雰囲気下で1200〜1300℃の温度にて焼結することにより製造される。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。
【0029】
実施例1
カオリンを主成分とする粘土原料30重量% 、平均粒子径14.3μm のホウケイ酸ガラス原料25重量% 、平均粒子径13.7μm のSi粉末、平均粒子径15.0μm のAlN 粉末20重量% を配合した混合物を水和混練後、円盤状に金型成形し、その成形乾燥品を窒素ガス雰囲気中1250℃で焼成することにより、外径70mm、厚さ11mmの抵抗体を得た。
【0030】
実施例2〜10
原料粉末の混合割合を変えた他は、実施例1 と同一の方法によりアルミノケイ酸塩を主成分とするセラミック抵抗体を作製した。
【0031】
比較例1
カオリンを主成分とする粘土原料30重量% 、平均粒子径14.3μm のホウケイ酸ガラス原料と平均粒子径13.5μm の石英ガラス粉末を合わせて40重量% 、平均粒子径13.7μm のSi粉末30重量% を配合した混合物を水和混練後、円盤状に金型成形し、その成形乾燥品を窒素ガス雰囲気中1250℃で焼成することにより、外径70mm、厚さ11mmの抵抗体を得た。
【0032】
比較例2
カオリンを主成分とする粘土原料30重量% 、平均粒子径14.3μm のホウケイ酸ガラス原料と平均粒子径13.5μm の石英ガラス粉末を合わせて35重量% 、平均粒子径13.7μm のSi粉末25重量% 、平均粒子径10μm のSiC 原料10重量% を配合した混合物を水和混練後、円盤状に金型成形し、その成形乾燥品を窒素ガス雰囲気中1250℃で焼成することにより、外径70mm、厚さ11mmの抵抗体を得た。
【0033】
比較例3〜5
原料粉末の混合割合を変えた他は、比較例2 と同一の方法によりアルミノケイ酸塩を主成分とするセラミック抵抗体を作製した。
【0034】
【表1】
Figure 2004111603
【0035】
注)*1  ホウケイ酸ガラス
*2  ホウケイ酸ガラス+石英ガラス粉末
*3  温度範囲:室温〜200 ℃
*4  温度:100 ℃
【0036】
このようにして製造した焼結体について、セラミック抵抗体としての性能を評価するために密度と開気孔率及び熱伝導率(レーザーフラッシュ法)を測定し、また、上下両端面を平面研磨して厚さ10mm、平行度±50μm 以内、最大面粗さ10.0μm 以下に仕上げたのち、アルミニウムを溶射して電極を形成し、次いで、温度を変えて電気抵抗を測定して抵抗温度係数を求めた。得られた結果を表1に示した。
【0037】
表1から明らかなように、実施例のセラミック抵抗体は、熱伝導率が約7 〜11W/mKと比較例1の抵抗体に比べて2 〜3 倍ほど熱伝導率が向上している。また、抵抗温度係数については、いずれのサンプルにおいても、+0.001%/℃以上とほぼ正特性を示していることが分かる。比較例2 〜5 にSiC 粉末を配合したサンプルの特性を示しているが、SiC 粉末を増加させれば熱伝導率は約7 〜9W/mK まで向上することが可能となるが、抵抗温度特性が負特性に変化することが分かる。
【0038】
次に、実施例10及び比較例1 、5 のセラミック抵抗体について、下記方法により負荷テストを実施し、その結果を表2に示した。
【0039】
セラミック抵抗体各2 枚を黄銅製水冷式端子に1 枚づつ挟んで約1000MPa の圧力にて加圧固定し、冷却水量を6L/ 分と一定にして1kW 間隔で段階的に電力を印加して抵抗体素子の状態を確認した。
【0040】
【表2】
Figure 2004111603
【0041】
表2の結果から、実施例4及び10のセラミック抵抗体は1 枚当たり3.0kW の負荷に耐えられることが確認された。したがって、比較例1 に示した従来のセラミック抵抗体より負荷電力が向上し、比較例5 のセラミック抵抗体(【特許文献3】)と同等かそれ以上の性能であることが分かった。
【0042】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、室温〜200 ℃の温度領域における抵抗温度係数が+0.001%/℃以上、熱伝導率が5W/mK 以上の物性を備えるセラミック抵抗体が提供することができる。したがって、電力制御用のインバーター保護用や核融合炉の超伝導コイル保護用などの高電圧大容量電力回路に用いられ、例えば大電力による高負荷を吸収した際の温度上昇を抑制するために水冷式の抵抗器に使用されるセラミック抵抗体として極めて有用である。また、その製造方法によれば、このセラミック抵抗体の製造が可能となる。

Claims (2)

  1. アルミノ珪酸塩を主とする構造材料中に導電材としてのSiまたはFeSiを含有させた複合焼結体であって、AlN 粉末を15〜30重量% 含有し、比抵抗が1 〜100 Ωcmの範囲にあり、室温〜200 ℃の温度領域における抵抗温度係数が+0.001%/℃以上、熱伝導率が5W/mK 以上の物性を備えることを特徴とするセラミック抵抗体。
  2. 軟化点700 〜1000℃のホウケイ酸ガラス粉末と粘土原料を合わせて40〜50重量% 、平均粒子径0.1 〜100 μm のSi粉末が25〜40重量% 、粒子径0.1 〜200 μm のAlN 粉末が15〜30重量% の混合原料粉をモールド成形した後、大気雰囲気下あるいは窒素ガス雰囲気下で1200〜1300℃の温度にて焼結することを特徴とする請求項1 記載のセラミック抵抗体の製造方法。
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WO2020021898A1 (ja) * 2018-07-24 2020-01-30 株式会社デンソー 電気抵抗体、ハニカム構造体、および、電気加熱式触媒装置

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