JP2004111216A - 色素増感型太陽電池およびナノカーボン電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間にわたり安定供給が可能でかつ製造容易にして安価な電極材料を使用した色素増感型太陽電池およびこれに使用可能なナノカーボン電極を提供する。
【解決手段】色素増感型太陽電池は一対のガラス基板1と、負電極側のガラス基板1上に形成されたFTO電極2と、この上に形成された色素を吸着させた二酸化チタン膜3と、正電極側のガラス基板1上に形成されたナノカーボン電極6と、このナノカーボン電極6と色素を吸着させた二酸化チタン膜3との間に設けられた電解質層5とから構成されている。ナノカーボン電極6はシングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーの繊維状炭素材料で作製される。
【選択図】 図1
【解決手段】色素増感型太陽電池は一対のガラス基板1と、負電極側のガラス基板1上に形成されたFTO電極2と、この上に形成された色素を吸着させた二酸化チタン膜3と、正電極側のガラス基板1上に形成されたナノカーボン電極6と、このナノカーボン電極6と色素を吸着させた二酸化チタン膜3との間に設けられた電解質層5とから構成されている。ナノカーボン電極6はシングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーの繊維状炭素材料で作製される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、色素増感型太陽電池およびこの太陽電池に使用可能なナノカーボン電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
色素増感型太陽電池は原材料が安価で製造法が容易であり、さらに発電効率が高いことからシリコン電池に替わる普及型の太陽電池として期待されている。
【0003】
図3は従来の色素増感型太陽電池の構成を示す概略断面図である。図において1は一対のガラス基板、2は各ガラス基板1上に形成されそれぞれ正電極および負電極を構成するフッ素ドープ酸化スズ電極(以下、FTO電極という)、3は負電極側のFTO電極2上に積層した色素を吸着させた二酸化チタン膜、4は正電極側のFTO電極2上にコーティングされた白金膜、5は色素を吸着させた二酸化チタン膜3と白金膜4との間に設けられた液体または固体の電解質層である。
【0004】
【非特許文献1】
エー.カイおよびエム.グレーツェルによる太陽エネルギー材料、太陽電池.1996年44巻99頁(A.Kay and M.Gratzel,Sol.Energy Mater.Sol.Cells, 44,99 (1996))
【非特許文献2】
エム.ケイ.ナズクルディン、エー.カイ、アイ.ロジチオ、アール.ハンフリベーカー、イー.ミューラー、ピー.リスカ、エヌ.ブラチョプーロスおよびエム.グレーツェルによる米国化学会誌1993年115巻6382頁(M.K.Nazccruddin,A.Kay,I.Rodicio,R.Humphry−baker,E.Muller,P.Liska,N.Vlachopoulos,and M.Gratzel,J.Am.Chem.Soc.,115,6382 (1993))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の色素増感型太陽電池は上述のような構成を有しているので、両電極側に形成される一対のFTO電極2の作製に高価な高真空蒸着装置を用いる必要があり、色素増感型太陽電池の製造コストを押し上げているという課題があった。また、正電極側のFTO電極2上にコーティングされた白金膜4の白金は希少元素であり、白金材料が長期間にわたり安定に供給されないおそれがあるという課題もあった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、長期間にわたり安定供給が可能でかつ製造容易にして安価な電極材料を使用した色素増感型太陽電池およびこれに使用可能なナノカーボン電極を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る色素増感型太陽電池は、直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素からなるナノカーボン膜を電極として構成したものである。
【0008】
この発明に係る色素増感型太陽電池は、ナノカーボン電極の繊維状炭素材料として、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料を用いて構成したものである。
【0009】
この発明に係るナノカーボン電極は、直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素からなるものである。
【0010】
この発明に係るナノカーボン電極は、繊維状炭素材料として、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料を用いるように構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
この実施の形態1によるナノカーボン電極の材料としてシングルウォールカーボンナノチューブを用いて説明する。
【0012】
(1)ナノカーボン膜の作製
カーボンナノテック(Carbon nanotech)社製の精製済みのシングルウォールカーボンナノチューブ(20mg)を水(50ml)に加え、超音波を照射して分散液を調製した。この分散液を直径35mmのメンブランフィルタ(細孔径100nm)で濾過し、60℃で乾燥させてナノカーボン膜を作製した(湿式法)。
【0013】
(2)電極の電気抵抗の測定
上記(1)で作製されたナノカーボン膜を正電極としたナノカーボン電極(実施例1)、従来のFTO電極(比較例1)や白金膜をコーティングしたFTO電極(比較例2)の電気抵抗値(シート抵抗)をそれぞれ四端子法によって測定し、その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
表1から明らかなように、実施例1のナノカーボン電極の電気抵抗値は比較例1または比較例2の各電極の電気抵抗値よりもかなり小さく、ナノカーボン電極が高い電気伝導性を有していることが分かる。これは、ナノチューブの一本一本が単独でも金属あるいは半導体程度の高い電気伝導性を有していることに加え、薄膜を作製する際に繊維状炭素同士が絡み合うことで電気的な接触が膜内に多数生じるためである。なお、ナノカーボン電極内で繊維状炭素同士が密接に絡まり合う様子は顕微鏡によって観察され確認されている。
【0016】
(3)ナノカーボン膜の機械的強度
ナノカーボン膜内での繊維状炭素同士の絡み合いは電極膜の機械的強度も高めており、ナノカーボン膜は実用性の高い電極材料である。(1)の方法で作製したナノカーボン膜は引掻き耐久性があり、さらに切り抜き加工も可能である。また、ナノカーボン膜は溶液存在下ではしなやかな膜となり、折り曲げ可能な柔軟性のある電極としての応用が可能である。
【0017】
(4)ナノカーボン材料の成膜性
この実施の形態1では、シングルウォールカーボンナノチューブを成膜する際にはバインダー等の添加物を使用していない。これは、例えばバインダーを用いることによって耐久性の高い膜を作製することが可能となる場合があるが、その一方で電池に使用される電解液へのバインダー等の添加物の溶出が懸念されるからである。この実施の形態1では、シングルウォールカーボンナノチューブをはじめとする種々の繊維状炭素材料を用いることでバインダー等の添加物を用いることなく、良質の薄膜の作製が可能である。
【0018】
(5)ナノカーボン膜の膜質
上述のように電極としての使用が可能なナノカーボン膜は耐薬品性が高い。このため、ナノカーボン膜は、色素増感型太陽電池の電極間に配される電解質層に使用される例えば腐食性の高いヨウ素に接触しても膜質を低下させることがないことから、色素増感型太陽電池の電極材料として好適である。また、ナノカーボン膜は微細な繊維状炭素の集合体であるため弾力性に優れている。
【0019】
なお、この実施の形態1では、ナノカーボン電極の繊維状炭素材料としてシングルウォールカーボンナノチューブを用いたが、これに代えて、マルチウォールカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーを使用することも可能である。これらの材料を用いることで上述の湿式法で例えば色素増感型太陽電池に使用可能なナノカーボン電極を作成することが可能である。また、各ナノカーボン材料は単独あるいは適宜組み合わせて所望のナノカーボン電極の作製に供される。
【0020】
以上のように、この実施の形態1によれば、ナノカーボン膜が高い機械的強度を有し、しなやかで柔軟性に富み、引掻き耐久性、切り抜き加工性および耐薬品性に優れているので、例えば色素増感型太陽電池の電極材料に好適に使用することができるという効果がある。
【0021】
実施の形態2.
図1はこの発明の実施の形態2による色素増感型太陽電池の構成を示す概略断面図である。なお、この実施の形態1の構成要素のうち、図3に示した従来の色素増感型太陽電池の構成要素と共通するものについては同一符号を付し、その部分の説明を省略する。
【0022】
この実施の形態2の特徴は、図3に示した従来の色素増感型太陽電池の正電極側の高価なFTO電極2に代えて、正電極側のガラス基板1上に、実施の形態1で作製したナノカーボン電極6を設けた点にある。
【0023】
(1)ナノカーボン電極を用いた色素増感型太陽電池の作製
この実施の形態2では、ナノカーボン電極6の作製を除いて、色素増感型太陽電池の組立を前述した非特許文献1および非特許文献2に開示された公知の方法に従って行っている。即ち、負電極はソーラロニックス(Solaronix)社製のチタンナノキシドD(Ti−Nanoxide D)をFTO電極2上にドクターブレード法によって塗布し、500℃で30分間焼成することにより作製した。なお、焼成前の二酸化チタン薄膜上には光反射膜として酸化ジルコニウム/二酸化チタン(ZrO2 /TiO2 )の混合物を塗布した。二酸化チタン膜の染色にはソーラロニックス(Solaronix)社製のシスービス(イソチオシアナート)ビス(2,2’−ビピリジルー4,4’−ジカーボキシラート)―ルテニウム(II)(慣用名N719)を使用した。正電極は実施の形態1における(1)の方法で作製したナノカーボン電極を用いた。電解質層5には、ヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.10mol/L、ヨウ化―1,2−ジメチルー3−プロピルイミダゾリウム0.30mol/L、0.50mol/Lの4−ブチルピリジンを含むメトキシアセトニトリル溶液を用いた。
【0024】
(2)色素増感型太陽電池の変換効率の測定
この実施の形態2では、上記実施例1、比較例1および比較例2についてAM1.5、100mW/cm2 の擬似太陽光を用いて光電流―電圧特性を調べると共に、変換効率を測定した。測定に用いた二酸化チタン電極の面積は0.25cm2 (5mm×5mm)である。上記実施例1、比較例1および比較例2に係る色素増感型太陽電池における光電流密度―電圧特性曲線を図2に示し、光電特性を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
図2および表2から明らかなように、対向電極(正電極)にFTO電極を用いた比較例1は変換効率やフィルファクタ(曲線因子)が低いが、ナノカーボン電極を用いた実施例1は白金膜をコーティングしたFTO電極を用いた比較例2とほぼ同等の変換効率やフィルファクタを示しているのが分かる。なお、本発明者らは第5回産総研 光反応制御・光機能材料 国際シンポジウムにおいて平成14年3月18日発行の講演予稿集(第134頁―第135頁)をもって、この発明に係る色素増感型太陽電池について発表しているが、上述の図2および表2中の測定データと講演予稿集に掲載された測定データとは異なっている。これは、発表時の測定の際に照射する擬似太陽光を上述のようにAM1.5、100mW/cm2 とすべきところ、AM1.5、150mW/cm2 としたためである。
【0027】
なお、従来の色素増感型太陽電池では溶媒中にイオン性物質などを溶解させた液体電解質を用いる場合があるが、電池の信頼性を高めるため固体電解質を用いることが望ましい。固体電解質を用いた場合でも、ナノカーボン膜からなる電極は弾力性を有しているので固体電解質の微細な凹凸状表面にもナノカーボン膜が密着して電気的接触を良好な状態に保持することができる。この電気的接触は、熱や外力による基板の歪により固体電解質と電極との間に隙間が生じた場合でもナノカーボン膜の弾力性によって保持可能である。
【0028】
また、ナノカーボン膜のしなやかな性質はフレキシブルな色素増感型太陽電池の電極への応用を可能にする。このフレキシブルな色素増感型太陽電池は、例えば従来のガラス基板に代えてプラスチック基板を用いることで折り曲げ可能に作製することが可能である。
【0029】
以上のように、この実施の形態2によれば、上述のナノカーボン膜を電極として構成したので、従来の色素増感型太陽電池とほぼ同等の高い変換効率を示す安価で色素増感型太陽電池を長期間にわたり安定供給することができるという効果がある。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素からなるナノカーボン膜を電極として構成したので、従来の色素増感型太陽電池とほぼ同等の高い変換効率を示す色素増感型太陽電池を得ることができるという効果がある。また、この発明によれば、従来の色素増感型太陽電池の高価な一対のFTO電極の一方を低コストのナノカーボン電極に代えることができるので、色素増感型太陽電池の製造コストを大幅に低減することができるという効果がある。さらに、この発明によれば、白金等の希少元素に代えて豊富な繊維状炭素材料を用いるので、高変換効率で安価なナノカーボン膜を正電極に用いた色素増感型太陽電池を長期間にわたり安定供給することができるという効果がある。
【0031】
この発明によれば、ナノカーボン電極の繊維状炭素材料として、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料を用いて構成したので、固体電解質を用いた場合でも、ナノカーボン電極の弾力性により固体電解質の微細な凹凸状表面にもナノカーボン膜が密着して電気的接触を良好な状態に保持することができるという効果がある。また、この発明によれば、ヨウ素等の腐食性の高い物質が電解質に含まれた場合でも、ナノカーボン電極の耐薬品性により太陽電池の電極として良好な膜質を維持することができるという効果がある。さらに、この発明によれば、ナノカーボン電極が耐薬品性や柔軟性を有しているので、可撓性基板を用いることで折り曲げ可能な色素増感型太陽電池を得ることができるという効果がある。
【0032】
この発明によれば、直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素材料から構成したので、高い電気伝導性を示し、従来の色素増感型太陽電池とほぼ同等の高い変換効率を示し、簡易な方法で製造でき、製造コストを大幅に低減し、長期間にわたり安定供給可能なナノカーボン電極を得ることができるという効果がある。
【0033】
この発明によれば、ナノカーボン電極の繊維状炭素材料として、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料を用いて構成したので、高い機械的強度を有し、しなやかで柔軟性に富み、引掻き耐久性、切り抜き加工性および耐薬品性に優れたナノカーボン膜を、例えば色素増感型太陽電池の電極材料に好適に使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態2による色素増感型太陽電池の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1に示した色素増感型太陽電池や比較例としての色素増感型太陽電池における光電流密度―電圧特性曲線を示すグラフである。
【図3】従来の色素増感型太陽電池の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 フッ素ドープ酸化スズ(FTO)電極
3 色素を吸着させた二酸化チタン膜
4 白金膜
5 電解質層
6 ナノカーボン電極
【発明の属する技術分野】
この発明は、色素増感型太陽電池およびこの太陽電池に使用可能なナノカーボン電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
色素増感型太陽電池は原材料が安価で製造法が容易であり、さらに発電効率が高いことからシリコン電池に替わる普及型の太陽電池として期待されている。
【0003】
図3は従来の色素増感型太陽電池の構成を示す概略断面図である。図において1は一対のガラス基板、2は各ガラス基板1上に形成されそれぞれ正電極および負電極を構成するフッ素ドープ酸化スズ電極(以下、FTO電極という)、3は負電極側のFTO電極2上に積層した色素を吸着させた二酸化チタン膜、4は正電極側のFTO電極2上にコーティングされた白金膜、5は色素を吸着させた二酸化チタン膜3と白金膜4との間に設けられた液体または固体の電解質層である。
【0004】
【非特許文献1】
エー.カイおよびエム.グレーツェルによる太陽エネルギー材料、太陽電池.1996年44巻99頁(A.Kay and M.Gratzel,Sol.Energy Mater.Sol.Cells, 44,99 (1996))
【非特許文献2】
エム.ケイ.ナズクルディン、エー.カイ、アイ.ロジチオ、アール.ハンフリベーカー、イー.ミューラー、ピー.リスカ、エヌ.ブラチョプーロスおよびエム.グレーツェルによる米国化学会誌1993年115巻6382頁(M.K.Nazccruddin,A.Kay,I.Rodicio,R.Humphry−baker,E.Muller,P.Liska,N.Vlachopoulos,and M.Gratzel,J.Am.Chem.Soc.,115,6382 (1993))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の色素増感型太陽電池は上述のような構成を有しているので、両電極側に形成される一対のFTO電極2の作製に高価な高真空蒸着装置を用いる必要があり、色素増感型太陽電池の製造コストを押し上げているという課題があった。また、正電極側のFTO電極2上にコーティングされた白金膜4の白金は希少元素であり、白金材料が長期間にわたり安定に供給されないおそれがあるという課題もあった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、長期間にわたり安定供給が可能でかつ製造容易にして安価な電極材料を使用した色素増感型太陽電池およびこれに使用可能なナノカーボン電極を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る色素増感型太陽電池は、直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素からなるナノカーボン膜を電極として構成したものである。
【0008】
この発明に係る色素増感型太陽電池は、ナノカーボン電極の繊維状炭素材料として、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料を用いて構成したものである。
【0009】
この発明に係るナノカーボン電極は、直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素からなるものである。
【0010】
この発明に係るナノカーボン電極は、繊維状炭素材料として、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料を用いるように構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
この実施の形態1によるナノカーボン電極の材料としてシングルウォールカーボンナノチューブを用いて説明する。
【0012】
(1)ナノカーボン膜の作製
カーボンナノテック(Carbon nanotech)社製の精製済みのシングルウォールカーボンナノチューブ(20mg)を水(50ml)に加え、超音波を照射して分散液を調製した。この分散液を直径35mmのメンブランフィルタ(細孔径100nm)で濾過し、60℃で乾燥させてナノカーボン膜を作製した(湿式法)。
【0013】
(2)電極の電気抵抗の測定
上記(1)で作製されたナノカーボン膜を正電極としたナノカーボン電極(実施例1)、従来のFTO電極(比較例1)や白金膜をコーティングしたFTO電極(比較例2)の電気抵抗値(シート抵抗)をそれぞれ四端子法によって測定し、その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
表1から明らかなように、実施例1のナノカーボン電極の電気抵抗値は比較例1または比較例2の各電極の電気抵抗値よりもかなり小さく、ナノカーボン電極が高い電気伝導性を有していることが分かる。これは、ナノチューブの一本一本が単独でも金属あるいは半導体程度の高い電気伝導性を有していることに加え、薄膜を作製する際に繊維状炭素同士が絡み合うことで電気的な接触が膜内に多数生じるためである。なお、ナノカーボン電極内で繊維状炭素同士が密接に絡まり合う様子は顕微鏡によって観察され確認されている。
【0016】
(3)ナノカーボン膜の機械的強度
ナノカーボン膜内での繊維状炭素同士の絡み合いは電極膜の機械的強度も高めており、ナノカーボン膜は実用性の高い電極材料である。(1)の方法で作製したナノカーボン膜は引掻き耐久性があり、さらに切り抜き加工も可能である。また、ナノカーボン膜は溶液存在下ではしなやかな膜となり、折り曲げ可能な柔軟性のある電極としての応用が可能である。
【0017】
(4)ナノカーボン材料の成膜性
この実施の形態1では、シングルウォールカーボンナノチューブを成膜する際にはバインダー等の添加物を使用していない。これは、例えばバインダーを用いることによって耐久性の高い膜を作製することが可能となる場合があるが、その一方で電池に使用される電解液へのバインダー等の添加物の溶出が懸念されるからである。この実施の形態1では、シングルウォールカーボンナノチューブをはじめとする種々の繊維状炭素材料を用いることでバインダー等の添加物を用いることなく、良質の薄膜の作製が可能である。
【0018】
(5)ナノカーボン膜の膜質
上述のように電極としての使用が可能なナノカーボン膜は耐薬品性が高い。このため、ナノカーボン膜は、色素増感型太陽電池の電極間に配される電解質層に使用される例えば腐食性の高いヨウ素に接触しても膜質を低下させることがないことから、色素増感型太陽電池の電極材料として好適である。また、ナノカーボン膜は微細な繊維状炭素の集合体であるため弾力性に優れている。
【0019】
なお、この実施の形態1では、ナノカーボン電極の繊維状炭素材料としてシングルウォールカーボンナノチューブを用いたが、これに代えて、マルチウォールカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーを使用することも可能である。これらの材料を用いることで上述の湿式法で例えば色素増感型太陽電池に使用可能なナノカーボン電極を作成することが可能である。また、各ナノカーボン材料は単独あるいは適宜組み合わせて所望のナノカーボン電極の作製に供される。
【0020】
以上のように、この実施の形態1によれば、ナノカーボン膜が高い機械的強度を有し、しなやかで柔軟性に富み、引掻き耐久性、切り抜き加工性および耐薬品性に優れているので、例えば色素増感型太陽電池の電極材料に好適に使用することができるという効果がある。
【0021】
実施の形態2.
図1はこの発明の実施の形態2による色素増感型太陽電池の構成を示す概略断面図である。なお、この実施の形態1の構成要素のうち、図3に示した従来の色素増感型太陽電池の構成要素と共通するものについては同一符号を付し、その部分の説明を省略する。
【0022】
この実施の形態2の特徴は、図3に示した従来の色素増感型太陽電池の正電極側の高価なFTO電極2に代えて、正電極側のガラス基板1上に、実施の形態1で作製したナノカーボン電極6を設けた点にある。
【0023】
(1)ナノカーボン電極を用いた色素増感型太陽電池の作製
この実施の形態2では、ナノカーボン電極6の作製を除いて、色素増感型太陽電池の組立を前述した非特許文献1および非特許文献2に開示された公知の方法に従って行っている。即ち、負電極はソーラロニックス(Solaronix)社製のチタンナノキシドD(Ti−Nanoxide D)をFTO電極2上にドクターブレード法によって塗布し、500℃で30分間焼成することにより作製した。なお、焼成前の二酸化チタン薄膜上には光反射膜として酸化ジルコニウム/二酸化チタン(ZrO2 /TiO2 )の混合物を塗布した。二酸化チタン膜の染色にはソーラロニックス(Solaronix)社製のシスービス(イソチオシアナート)ビス(2,2’−ビピリジルー4,4’−ジカーボキシラート)―ルテニウム(II)(慣用名N719)を使用した。正電極は実施の形態1における(1)の方法で作製したナノカーボン電極を用いた。電解質層5には、ヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.10mol/L、ヨウ化―1,2−ジメチルー3−プロピルイミダゾリウム0.30mol/L、0.50mol/Lの4−ブチルピリジンを含むメトキシアセトニトリル溶液を用いた。
【0024】
(2)色素増感型太陽電池の変換効率の測定
この実施の形態2では、上記実施例1、比較例1および比較例2についてAM1.5、100mW/cm2 の擬似太陽光を用いて光電流―電圧特性を調べると共に、変換効率を測定した。測定に用いた二酸化チタン電極の面積は0.25cm2 (5mm×5mm)である。上記実施例1、比較例1および比較例2に係る色素増感型太陽電池における光電流密度―電圧特性曲線を図2に示し、光電特性を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
図2および表2から明らかなように、対向電極(正電極)にFTO電極を用いた比較例1は変換効率やフィルファクタ(曲線因子)が低いが、ナノカーボン電極を用いた実施例1は白金膜をコーティングしたFTO電極を用いた比較例2とほぼ同等の変換効率やフィルファクタを示しているのが分かる。なお、本発明者らは第5回産総研 光反応制御・光機能材料 国際シンポジウムにおいて平成14年3月18日発行の講演予稿集(第134頁―第135頁)をもって、この発明に係る色素増感型太陽電池について発表しているが、上述の図2および表2中の測定データと講演予稿集に掲載された測定データとは異なっている。これは、発表時の測定の際に照射する擬似太陽光を上述のようにAM1.5、100mW/cm2 とすべきところ、AM1.5、150mW/cm2 としたためである。
【0027】
なお、従来の色素増感型太陽電池では溶媒中にイオン性物質などを溶解させた液体電解質を用いる場合があるが、電池の信頼性を高めるため固体電解質を用いることが望ましい。固体電解質を用いた場合でも、ナノカーボン膜からなる電極は弾力性を有しているので固体電解質の微細な凹凸状表面にもナノカーボン膜が密着して電気的接触を良好な状態に保持することができる。この電気的接触は、熱や外力による基板の歪により固体電解質と電極との間に隙間が生じた場合でもナノカーボン膜の弾力性によって保持可能である。
【0028】
また、ナノカーボン膜のしなやかな性質はフレキシブルな色素増感型太陽電池の電極への応用を可能にする。このフレキシブルな色素増感型太陽電池は、例えば従来のガラス基板に代えてプラスチック基板を用いることで折り曲げ可能に作製することが可能である。
【0029】
以上のように、この実施の形態2によれば、上述のナノカーボン膜を電極として構成したので、従来の色素増感型太陽電池とほぼ同等の高い変換効率を示す安価で色素増感型太陽電池を長期間にわたり安定供給することができるという効果がある。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素からなるナノカーボン膜を電極として構成したので、従来の色素増感型太陽電池とほぼ同等の高い変換効率を示す色素増感型太陽電池を得ることができるという効果がある。また、この発明によれば、従来の色素増感型太陽電池の高価な一対のFTO電極の一方を低コストのナノカーボン電極に代えることができるので、色素増感型太陽電池の製造コストを大幅に低減することができるという効果がある。さらに、この発明によれば、白金等の希少元素に代えて豊富な繊維状炭素材料を用いるので、高変換効率で安価なナノカーボン膜を正電極に用いた色素増感型太陽電池を長期間にわたり安定供給することができるという効果がある。
【0031】
この発明によれば、ナノカーボン電極の繊維状炭素材料として、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料を用いて構成したので、固体電解質を用いた場合でも、ナノカーボン電極の弾力性により固体電解質の微細な凹凸状表面にもナノカーボン膜が密着して電気的接触を良好な状態に保持することができるという効果がある。また、この発明によれば、ヨウ素等の腐食性の高い物質が電解質に含まれた場合でも、ナノカーボン電極の耐薬品性により太陽電池の電極として良好な膜質を維持することができるという効果がある。さらに、この発明によれば、ナノカーボン電極が耐薬品性や柔軟性を有しているので、可撓性基板を用いることで折り曲げ可能な色素増感型太陽電池を得ることができるという効果がある。
【0032】
この発明によれば、直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素材料から構成したので、高い電気伝導性を示し、従来の色素増感型太陽電池とほぼ同等の高い変換効率を示し、簡易な方法で製造でき、製造コストを大幅に低減し、長期間にわたり安定供給可能なナノカーボン電極を得ることができるという効果がある。
【0033】
この発明によれば、ナノカーボン電極の繊維状炭素材料として、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料を用いて構成したので、高い機械的強度を有し、しなやかで柔軟性に富み、引掻き耐久性、切り抜き加工性および耐薬品性に優れたナノカーボン膜を、例えば色素増感型太陽電池の電極材料に好適に使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態2による色素増感型太陽電池の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1に示した色素増感型太陽電池や比較例としての色素増感型太陽電池における光電流密度―電圧特性曲線を示すグラフである。
【図3】従来の色素増感型太陽電池の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 フッ素ドープ酸化スズ(FTO)電極
3 色素を吸着させた二酸化チタン膜
4 白金膜
5 電解質層
6 ナノカーボン電極
Claims (4)
- 直径がナノメートルサイズの繊維状炭素からなるナノカーボン膜を電極としたことを特徴とする色素増感型太陽電池。
- ナノカーボン電極の繊維状炭素材料は、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料であることを特徴とする請求項1記載の色素増感型太陽電池。
- 直径がナノメートルサイズの微細な繊維状炭素からなることを特徴とするナノカーボン電極。
- 繊維状炭素材料は、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択された少なくとも1種の炭素材料であることを特徴とする請求項3記載のナノカーボン電極。
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