JP2004110994A - 光学情報記録/読み取り兼光ディスクレーベル面印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスクの記録層に光学情報を記録するのと同時に、光ディスクのレーベル面に文字や絵柄等の情報を記録可能とする。
【解決手段】追記型光ディスク記録兼光ディスクレーベル面印刷装置は、光学情報記録/読み取り用ヘッド1と、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2とを有する。光学情報記録/読み取り用ヘッド1と光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2とは、光ディスク5を挟むかたちで配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】追記型光ディスク記録兼光ディスクレーベル面印刷装置は、光学情報記録/読み取り用ヘッド1と、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2とを有する。光学情報記録/読み取り用ヘッド1と光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2とは、光ディスク5を挟むかたちで配置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は追記型光ディスクへの光学情報記録及び該追記型光ディスクのレーベル面に情報を印字するための光ディスク情報記録兼インクジェットプリント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、光学的に読み取り可能な情報(以下、単に光学情報)を再生及び記録可能な光学情報被記録媒体としては、一度だけ記録可能なCD−R、DVD−Rや複数回の記録が可能なCD−RW、DVD−RWなどの追記型光ディスク(以下、単に光ディスク)が、その情報記録容量の大きさや、再生の手軽さなどからすさまじい勢いで普及している。
【0003】
CD−Rメディアを例にその構成を記すと、基盤の上に色素からなる記録層、金や銀を蒸着した反射層、紫外線硬化樹脂からなる保護層を順次設けた構造がとられている。このような構造を有する光ディスクでは、情報ピットが形成されている記録層の反対面(以下、レーベル面と呼ぶ)に、記録されている光学情報の内容にふさわしい文字や絵柄等の表示を設けることが行われる。大量に生産される音楽用CD等の場合には、スクリーン印刷、タンポ印刷、或いはオフセット印刷等の版の転写による印刷によってレーベル面に文字,絵柄等が印刷される。しかし、媒体ごとに異なる光学情報を記録し再生する光ディスクにおいては情報を記録した後に、ユーザー自らがレーベル面に文字、絵柄等を印刷できるように構成されていることが望まれる。
【0004】
レーベル面に表示する方法としては、1)フェルトペン等の筆記用具でレーベル面に直接印字する方法、2)紙等でできた粘着シールに筆記用具で印字し、印字したシールをレーベル面に貼付する方法などが一般的である。
【0005】
上記1)の方法は簡単な方法で一般に良く行われるが、手書きとなるため見栄えが悪く、記録情報を第三者に販売するために光ディスクを使用する場合には問題となる。2)の方法はシールを貼付した場合、光ディスクの重量にアンバランスが生じ、記録情報の再生時に再生不良を起しかねない。
【0006】
以上の欠点を補う形で、インクジェットプリンタを用いた光ディスクレーベル面への印刷装置が考案されている。
【0007】
特開平9−94943では、レーベル面に印刷を行いたい光ディスクを専用トレー上に載せ、インクジェットプリンタで印刷する装置が考案されている。
【0008】
また、特開2000−100122では光ディスクのレーベル面にインクジェットプリンタで印字し、その上に印字インクの定着剤(例えばラッカー)を塗布することを特徴とする印字装置が考案されている。
【0009】
これらの場合,再生不良の危険も少なく、印字の見栄えも良いため、近年、光ディスクのレーベル面印刷手段としてしばしば使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記インクジェットプリンタも用いたレーベル面印刷では、光ディスクに光学情報を記録後、さらにレーベル面に文字、絵柄等の情報を記録する時間が必要となるばかりでなく、光学情報記録装置とは別にレーベル面印刷装置を別個に設置せねばならない。
【0011】
そこで、本発明の目的は光ディスクの記録層に光学情報を記録するときに、同時に光ディスクのレーベル面に文字、絵柄等の情報を記録可能であるコンパクトな光学情報記録及びレーベル面印刷装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本出願に係る第一の発明は、光学情報記録/読み取り用ヘッドとインクジェットプリントヘッドの両方を同時記録が可能な構成で有することを特徴とする。上記構成により光学情報を追記型光ディスクに記録しながら同時に、該光ディスクのレーベル面に文字,絵柄等を印刷することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本出願に係る第二の発明は、追記型光ディスクに光学情報とレーベル面印刷を同時に行っているときに、光学情報記録トラック密度がレーベル面印刷トラック密度より大きいことを利用して、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報が記録し終わるまでの回転数分でレーベル面一周分の印刷を行い、隣り合ったドットを連続して印字しないことを特徴とする。上記手段により、高速回転している光ディスクにインク吐出を高周波数特性にすることなく印刷を行うことができる。
【0014】
上記目的を達成するために、本出願に係る第三の発明は、インク吐出液滴量をa<Vd(吐出液滴体積)<bの範囲にすることを特徴とする。
ここでa、bはそれぞれ以下の式を満たすものである。
ただし、
【0015】
【数4】
x:インクジェットヘッドから光ディスクメディアまでの距離
ρ液:液体の密度
v0:インク液滴初速度
μ気:気体粘度
A:定数=(3/4/π)^(1/3)=0.62
t:メディアまでの到達限界時間
r液:着弾時半径
θ:後退接触角
φ:前進接触角
v:液滴着弾位置における光ディスク回転速度
R:光ディスク中心からの液滴着弾位置最短距離
σ液:液滴表面張力
ρ液:液滴密度
である。
【0016】
上記特徴により、インク液滴が確実に光ディスクに到達することができるだけでなく、着弾後の遠心力による外周方向への液滴ずれを防ぐことが可能である。
【0017】
上記目的を達成するために、本出願に係る第四の発明は、大気中における印刷において水系インク吐出液滴量をa<Vd(吐出液滴体積)<bの範囲にすることを特徴とする。
ここでa、bはそれぞれ以下の式を満たすものである。
【0018】
【数5】
v:液滴着弾位置における光ディスク速度
R:光ディスク中心からの液滴着弾位置最短距離
上記特徴により、空気中(300K)における代表的なインクジェットプリンタの水系インク液滴が確実に光ディスクに到達することができるだけでなく、着弾後の遠心力による外周方向へのドットずれを防ぐことが可能である。
【0019】
上記目的を達成するために、本出願に係る第五の発明は、インク液滴を高速回転している光ディスクに着弾させるときに、光ディスク回転方向と順方向の速度成分を液滴に与えることを特徴とする。上記発明により着弾時のインク液滴を真円に近くすることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。
【0021】
【実施例1】
図1は本発明に係る第一の実施例を説明するための装置全体図である。図1を用い装置の構成を説明する。
【0022】
追記型光ディスク記録兼光ディスクレーベル面印刷装置は、光学情報記録/読み取り用ヘッド1を下方に、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を上方に光ディスク5をはさむ形で存在する。この光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2はインクジェット方式が望ましいので以後インクジェット方式について説明する。記録ヘッドポジショナ3は光学情報記録/読み取り用ヘッド1を光ディスク中心から外周方向に移動させる記録位置を調整するためのものであり,印刷ヘッドポジショナ4は光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を光ディスク中心から外周方向に移動させ印刷位置を調整するためのものである。インクタンク6からは光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2へレーベル面印刷用のインクがチューブを介して供給される。
【0023】
なお、本図では不図示ではあるが、光学情報記録/読み取りに必要な電子基盤、CPU、メモリや、光ディスク回転用モーター、光ディスクレーベル面印刷へ必要な電子基盤類、コンピューターへのインターフェース部などが他にも存在する。
【0024】
次に本装置を用いた操作例を示す。
ユーザーにより記録/印刷前の光ディスクは所定位置に直接設置されるか、もしくはトレー上に設置され、光学情報記録及びレーベル面印刷可能位置へ移動する。その後光ディスク6は光ディスク回転用モーター(不図示)により回転し、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2が上方から、光学情報記録/読み取り用ヘッド1が下方から光ディスク中心側の記録可能位置まで移動し、それぞれの情報が記録、印刷され始める。これらの記録、印刷などの操作はホストコンピューター側から行うことになる。また、光学情報記録/読み取り用ヘッド1と光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2は同時に書き始めてもよいが、光学情報記録、レーベル面印刷は独立して行うことができる。さらに、光学情報記録とレーベル面印刷が同時にできるだけでなく、すでに光学記録が終わった光ディスクに関してレーベル面印刷だけを行うことも可能である。
【0025】
光学情報記録にあわせて光ディスクは回転することになるが、レーベル面印刷に関して印刷トラック一周分の印刷を一回転で終えようとすると光ディスク回転数が速すぎることになる。そこで、図3に示すように光学情報記録トラック幅に比べてレーベル面印刷トラック幅が大きいことに着目しレーベル面印刷側では光ディスクが一回転するうちに一周分の印刷を行うのではなく、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報が記録し終わるまでの回転数分で一周分の印刷を行えばよいことになる。このため、隣あったドットを印字する必要もないので着弾後の印字ドットの重なりによる画像劣化などにも効果的である。また、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2としては吐出周波数特性に優れたシングルノズルで充分印刷可能である。さらにチューブ供給系などを用い印刷ヘッドとタンクを分離することにより装置自体を小さくすることができる。
【0026】
また、光ディスクは高速で回転しているので、レーベル印刷面着弾ドットが真円にならず画像品位の低下につながる可能性もある。そこで、図5に示すようにインク液滴着弾時に光ディスク回転接線方向と順方向の速度成分を液滴に与え、液滴着弾時の真円からのずれを最小にするために、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を光ディスクに対して斜めに配置する、もしくは光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2内のインク吐出口を斜めに設置することが有効である。
【0027】
なお、光ディスクのレーベル面にはインクジェット液滴のインク受容層を持ったものを用いることが望ましい。
【0028】
また、着弾した液滴が大きい場合、回転によりうける遠心力が大きくなり、着弾後の液滴が外周方向に移動してしまうことが予想される。液滴が受ける遠心力と、表面張力よりもとまる付着力から液滴が外周方向へ移動しないための条件として(1)式が定まる。(図7)
【0029】
【数6】
m:液滴質量
r:着弾時半径
θ:後退接触角
φ:前進接触角
v:液滴着弾位置における光ディスク回転速度
R:光ディスク中心からの液滴着弾位置最短距離
ここで(1)式より一般的なインクと光ディスクメディアについて最大吐出液滴量の計算を行う。光ディスク回転速度を2700rpm(光学情報書き込み速度約12倍速相当)とし最外周付近(R=12cm)に液滴が着弾したとする。このとき、着弾地点での光ディスク回転速度はv=17m/sとなる。また、着弾した液滴は光ディスク上に半球状に拡がると仮定した場合、一般的な水系インクの液滴の密度はρ液=1050kg/m3であり、次式が成り立つ。
【0030】
【数7】
よって、1式は着弾時液滴半径を基準として次のようになる。
【0031】
【数8】
ここで、前進接触角、後退接触角は光ディスクレーベル面の材質に大きく影響を受ける。また、一般に、本記録に適しているインク受容層を持った光ディスク上で充分時間が経ったインク液滴の接触角は0度に近くなる。このように受容層をもった光ディスク上の瞬間的な接触角を測定することは困難であるが、着弾したインク液滴が光ディスク上で半球形状を保ちつつ遠心力と付着力のつりあいが成り立つのはインク液滴が着弾してから染み込むまでの数十マイクロ秒の期間であり、水系インクにおける多数の樹脂材料とインクの接触角の値をもとにすると、接触角90°前後、前進接触角と後退接触角の差は10°前後が妥当である。よってcosθ−cosφ=0.17程度となる。
【0032】
以上から(2)式に、一般的な水系インクの表面張力σ液=4x10−2N/mと、前進接触角をφ、後退接触角をθとしてcosθ−cosφ=0.17を代入すると着弾時インク液滴半径rは次のようにもとまる。
【0033】
r=36 μm
よって、吐出液滴体積は半球状液滴を仮定しているのでvd=2/3πr3から
vd=1x102 pl
となる。上記の計算は一般的な水系インクの表面張力値としてσ液=4x10−2N/mを用いたが、表面張力値が多少変化しても、それに伴い接触角の値も変化し、(2)式の分子におけるσ液(cosθ―cosφ)の値は大きくは変わらないので(2)式の計算結果には影響しない。
【0034】
続いて、吐出液滴が小さい場合空気抵抗を受け光ディスクメディアまで到達しないことが考えられる。光ディスクが上記のように2700rpmで回転している場合について、ストークスの抵抗則から、光ディスクメディアに着弾可能な最小液滴量を求める。
【0035】
インクジェットヘッドから初速v0で打ち出されたインク液滴は、光メディア方向の 運動成分を考えれば空気抵抗のみを受け運動することになる。よって光メディア方向の 運動方程式は次のようになる。
【0036】
【数9】
(3)式を初期条件、v0のもと到達距離xについて解くと次式が得られる。
【0037】
【数10】
x:到達距離
m:液滴質量
v0:液滴初速度
r:液滴半径
t:経過時間
μ:空気粘度(1.86e−5 Pa・s at 300K)
(4)式を到達距離と到達時間について室温の空気中を初速15m/sで打ち出された、さまざまな粒径の液滴について計算してみると図6が得られる。
【0038】
この図より一般的なインクジェットプリンタのメディアまでの距離1.5mmを200usまでに到達可能な液滴量は0.13plであることがわかる。なお、到達時間が延びると着弾位置のずれなどにより画質低下を引き起こしやすくなるので、一般的なインクジェットプリンタの条件を考慮して基準到達時間を200μsとした。
【0039】
よって、光ディスクメディアまで吐出液滴を確実に届かすために液適量0.1plより大きくする必要がある。
【0040】
以上より室温(300K)空気中において光ディスクレーベル面印刷を確実に行うために吐出液滴の範囲を0.13pl<(インク液滴吐出体積)<1x102plとする必要がある。
【0041】
本実施形態を採る事によって、光学情報記録とレーベル面印刷を独立して行うことができる。
【0042】
【実施例2】
実施例1では光学情報記録/読み取り用ヘッド1を下方に、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を上方に光ディスクをはさむ形で独立に存在する方式を述べたが、実施例2として光学情報記録/読み取り用ヘッド1を下方に、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を上方に光ディスク4をはさむ形で二股にわかれ依存した形で存在する構成を述べる。
【0043】
追記型光ディスク記録兼光ディスクレーベル面印刷装置は、光学情報記録/読み取り用ヘッド1を下方に、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を上方に光ディスクをはさむ形で連結部を介して存在する。この光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2はインクジェット方式が望ましい。ヘッドポジショナ3は光学情報記録/読み取り用ヘッド1と光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を光ディスク中心から外周方向に同時に移動させ記録位置を調整するためのものである。インクタンク5からは光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2へレーベル面印刷用のインクがチューブなどによって供給される。
【0044】
なお、本図では不図示ではあるが、光学情報記録/読み取りに必要な電子基盤、CPU、メモリや、光ディスク回転用モーター、光ディスクレーベル面印刷へ必要な電子基盤類、コンピューターへのインターフェース部などが存在する。
【0045】
次に本装置を用いた操作例を示す。
ユーザーにより記録/印刷前の光ディスクは所定位置に直接設置されるか、もしくはトレー上に設置され、光学情報記録及びレーベル面印刷可能位置へ移動する。その後光ディスク5は光ディスク回転用モーター(不図示)により回転し、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2が上方から、光学情報記録/読み取り用ヘッド1が下方から光ディスク中心側の記録可能位置まで移動し、それぞれの情報が記録、印刷され始める。これらの記録、印刷開始などの操作はホストコンピューター側から行うことになる。また、光学情報記録とレーベル面印刷が同時にできるだけでなく、すでに光学記録が終わった光ディスクに関してレーベル面印刷だけを行うことも可能である。
【0046】
光学情報記録にあわせて光ディスクは回転することになるが、レーベル面印刷に関して印刷トラック一周分の印刷を一回転で終えようとすると光ディスク回転数が速すぎることになる。そこで、光学情報記録トラック幅に比べてレーベル面印刷トラック幅が大きいことに着目しレーベル面印刷側では光ディスクが一回転するうちに一周分の印刷を行うのではなく、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報が記録し終わるまでの回転数分で一周分の印刷を行えばよいことになる。このため、隣あったドットを印字する必要もないので着弾後の印字ドットの重なりによる画像劣化などにも効果的である。本実施例においてシングルノズルのインクジェットヘッドを適用した場合、光学情報記録ヘッド1とレーベル面印刷ヘッド2は独立ではなく光ディスク外周方向へ同時に動くので、印刷トラックを円周方向に対して斜めに分割し画像データを送る必要がある。(図4)また、マルチノズルのインクジェットヘッドを本実施例に適用した場合、印字ヘッドを斜めに設置することで、印刷トラックを円周方向に対して斜めに分割する必要はなくなる。また、本実施例においてもチューブ供給系などを用い印刷ヘッドとタンクを分離することにより装置自体を小さくすることができる。
【0047】
また、光ディスクは高速で回転しているので、レーベル印刷面着弾ドットが真円にならず画像品位の低下につながる可能性もある。そこで、インク液滴着弾時に光ディスク回転接線方向と順方向の速度成分を液滴に与え、液滴着弾時の真円からのずれを最小にするために、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を斜めにする、もしくは光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2内のインク吐出口を斜めに設置することが有効である。
【0048】
なお、光ディスクのレーベル面にはインクジェット液滴のインク受容層を持ったものを用いることが望ましい。
【0049】
また、着弾した液滴が大きい場合、回転によりうける遠心力が大きくなり、着弾後の液滴が外周方向に移動してしまうことが予想される。その一方で、液滴が小さすぎる場合、光ディスクまで届かないことも考えられる。よって、本実施例においても着弾液滴の大きさは実施例1と同じ範囲内にする必要がある。
本実施例の構成をとることでヘッドポジショナ及びそれに付随する装置類を一個に減らすことが可能である。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、追記型光ディスクに光学情報記録とレーベル面印刷を同時に行うことができ、これまで別々に行っていた時間が大幅に短縮されるだけでなく、装置自体も別々に設置する必要もなくコンパクトな構成にすることが可能である。
【0051】
また、光学情報記録密度はレーベル面印刷トラック密度より大きいことを利用し、光ディスクに光学情報とレーベル面印刷を同時に行っているときに、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報記録が終わるまでの回転数分でレーベル面一周分の印刷を行い、隣りあったドットを連続して打たないことにより、隣り合ったドットの重なりを防ぐ効果がある。
【0052】
また、液滴吐出量を本発明の範囲にすることにより、液滴を確実に所定の場所に着弾させるだけでなく、遠心力による着弾後の液滴変形を防ぐ効果がある。
【0053】
さらに、インク液滴を高速回転している光ディスクに着弾させる時、光ディスク回転接線方向と順方向の速度成分を液滴に与えることにより、着弾ドットを真円にさせる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す装置概略図である。
【図2】本発明の第二の実施例を示す装置概略図である。
【図3】第一の実施例においてレーベル面印刷トラックを示す概念図である。
【図4】第二の実施例においてレーベル面印刷トラックを示す概念図である。
【図5】インク吐出方向と光ディスクメディアの関係を示す図である。
【図6】(4)式をもとに計算した液滴量による到達距離と到達時間の関係を示す図である。
【図7】回転中の光ディスク上に着弾したインク液滴の様子を示す図である。
【符号の説明】
1.光学情報記録用ヘッド
2.レーベル面印刷用ヘッド
3.光学情報記録ヘッドポジショナ
4.レーベル面印刷ヘッドポジショナ
5.光ディスク
6.インクタンク
【発明の属する技術分野】
本発明は追記型光ディスクへの光学情報記録及び該追記型光ディスクのレーベル面に情報を印字するための光ディスク情報記録兼インクジェットプリント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、光学的に読み取り可能な情報(以下、単に光学情報)を再生及び記録可能な光学情報被記録媒体としては、一度だけ記録可能なCD−R、DVD−Rや複数回の記録が可能なCD−RW、DVD−RWなどの追記型光ディスク(以下、単に光ディスク)が、その情報記録容量の大きさや、再生の手軽さなどからすさまじい勢いで普及している。
【0003】
CD−Rメディアを例にその構成を記すと、基盤の上に色素からなる記録層、金や銀を蒸着した反射層、紫外線硬化樹脂からなる保護層を順次設けた構造がとられている。このような構造を有する光ディスクでは、情報ピットが形成されている記録層の反対面(以下、レーベル面と呼ぶ)に、記録されている光学情報の内容にふさわしい文字や絵柄等の表示を設けることが行われる。大量に生産される音楽用CD等の場合には、スクリーン印刷、タンポ印刷、或いはオフセット印刷等の版の転写による印刷によってレーベル面に文字,絵柄等が印刷される。しかし、媒体ごとに異なる光学情報を記録し再生する光ディスクにおいては情報を記録した後に、ユーザー自らがレーベル面に文字、絵柄等を印刷できるように構成されていることが望まれる。
【0004】
レーベル面に表示する方法としては、1)フェルトペン等の筆記用具でレーベル面に直接印字する方法、2)紙等でできた粘着シールに筆記用具で印字し、印字したシールをレーベル面に貼付する方法などが一般的である。
【0005】
上記1)の方法は簡単な方法で一般に良く行われるが、手書きとなるため見栄えが悪く、記録情報を第三者に販売するために光ディスクを使用する場合には問題となる。2)の方法はシールを貼付した場合、光ディスクの重量にアンバランスが生じ、記録情報の再生時に再生不良を起しかねない。
【0006】
以上の欠点を補う形で、インクジェットプリンタを用いた光ディスクレーベル面への印刷装置が考案されている。
【0007】
特開平9−94943では、レーベル面に印刷を行いたい光ディスクを専用トレー上に載せ、インクジェットプリンタで印刷する装置が考案されている。
【0008】
また、特開2000−100122では光ディスクのレーベル面にインクジェットプリンタで印字し、その上に印字インクの定着剤(例えばラッカー)を塗布することを特徴とする印字装置が考案されている。
【0009】
これらの場合,再生不良の危険も少なく、印字の見栄えも良いため、近年、光ディスクのレーベル面印刷手段としてしばしば使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記インクジェットプリンタも用いたレーベル面印刷では、光ディスクに光学情報を記録後、さらにレーベル面に文字、絵柄等の情報を記録する時間が必要となるばかりでなく、光学情報記録装置とは別にレーベル面印刷装置を別個に設置せねばならない。
【0011】
そこで、本発明の目的は光ディスクの記録層に光学情報を記録するときに、同時に光ディスクのレーベル面に文字、絵柄等の情報を記録可能であるコンパクトな光学情報記録及びレーベル面印刷装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本出願に係る第一の発明は、光学情報記録/読み取り用ヘッドとインクジェットプリントヘッドの両方を同時記録が可能な構成で有することを特徴とする。上記構成により光学情報を追記型光ディスクに記録しながら同時に、該光ディスクのレーベル面に文字,絵柄等を印刷することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本出願に係る第二の発明は、追記型光ディスクに光学情報とレーベル面印刷を同時に行っているときに、光学情報記録トラック密度がレーベル面印刷トラック密度より大きいことを利用して、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報が記録し終わるまでの回転数分でレーベル面一周分の印刷を行い、隣り合ったドットを連続して印字しないことを特徴とする。上記手段により、高速回転している光ディスクにインク吐出を高周波数特性にすることなく印刷を行うことができる。
【0014】
上記目的を達成するために、本出願に係る第三の発明は、インク吐出液滴量をa<Vd(吐出液滴体積)<bの範囲にすることを特徴とする。
ここでa、bはそれぞれ以下の式を満たすものである。
ただし、
【0015】
【数4】
x:インクジェットヘッドから光ディスクメディアまでの距離
ρ液:液体の密度
v0:インク液滴初速度
μ気:気体粘度
A:定数=(3/4/π)^(1/3)=0.62
t:メディアまでの到達限界時間
r液:着弾時半径
θ:後退接触角
φ:前進接触角
v:液滴着弾位置における光ディスク回転速度
R:光ディスク中心からの液滴着弾位置最短距離
σ液:液滴表面張力
ρ液:液滴密度
である。
【0016】
上記特徴により、インク液滴が確実に光ディスクに到達することができるだけでなく、着弾後の遠心力による外周方向への液滴ずれを防ぐことが可能である。
【0017】
上記目的を達成するために、本出願に係る第四の発明は、大気中における印刷において水系インク吐出液滴量をa<Vd(吐出液滴体積)<bの範囲にすることを特徴とする。
ここでa、bはそれぞれ以下の式を満たすものである。
【0018】
【数5】
v:液滴着弾位置における光ディスク速度
R:光ディスク中心からの液滴着弾位置最短距離
上記特徴により、空気中(300K)における代表的なインクジェットプリンタの水系インク液滴が確実に光ディスクに到達することができるだけでなく、着弾後の遠心力による外周方向へのドットずれを防ぐことが可能である。
【0019】
上記目的を達成するために、本出願に係る第五の発明は、インク液滴を高速回転している光ディスクに着弾させるときに、光ディスク回転方向と順方向の速度成分を液滴に与えることを特徴とする。上記発明により着弾時のインク液滴を真円に近くすることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。
【0021】
【実施例1】
図1は本発明に係る第一の実施例を説明するための装置全体図である。図1を用い装置の構成を説明する。
【0022】
追記型光ディスク記録兼光ディスクレーベル面印刷装置は、光学情報記録/読み取り用ヘッド1を下方に、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を上方に光ディスク5をはさむ形で存在する。この光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2はインクジェット方式が望ましいので以後インクジェット方式について説明する。記録ヘッドポジショナ3は光学情報記録/読み取り用ヘッド1を光ディスク中心から外周方向に移動させる記録位置を調整するためのものであり,印刷ヘッドポジショナ4は光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を光ディスク中心から外周方向に移動させ印刷位置を調整するためのものである。インクタンク6からは光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2へレーベル面印刷用のインクがチューブを介して供給される。
【0023】
なお、本図では不図示ではあるが、光学情報記録/読み取りに必要な電子基盤、CPU、メモリや、光ディスク回転用モーター、光ディスクレーベル面印刷へ必要な電子基盤類、コンピューターへのインターフェース部などが他にも存在する。
【0024】
次に本装置を用いた操作例を示す。
ユーザーにより記録/印刷前の光ディスクは所定位置に直接設置されるか、もしくはトレー上に設置され、光学情報記録及びレーベル面印刷可能位置へ移動する。その後光ディスク6は光ディスク回転用モーター(不図示)により回転し、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2が上方から、光学情報記録/読み取り用ヘッド1が下方から光ディスク中心側の記録可能位置まで移動し、それぞれの情報が記録、印刷され始める。これらの記録、印刷などの操作はホストコンピューター側から行うことになる。また、光学情報記録/読み取り用ヘッド1と光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2は同時に書き始めてもよいが、光学情報記録、レーベル面印刷は独立して行うことができる。さらに、光学情報記録とレーベル面印刷が同時にできるだけでなく、すでに光学記録が終わった光ディスクに関してレーベル面印刷だけを行うことも可能である。
【0025】
光学情報記録にあわせて光ディスクは回転することになるが、レーベル面印刷に関して印刷トラック一周分の印刷を一回転で終えようとすると光ディスク回転数が速すぎることになる。そこで、図3に示すように光学情報記録トラック幅に比べてレーベル面印刷トラック幅が大きいことに着目しレーベル面印刷側では光ディスクが一回転するうちに一周分の印刷を行うのではなく、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報が記録し終わるまでの回転数分で一周分の印刷を行えばよいことになる。このため、隣あったドットを印字する必要もないので着弾後の印字ドットの重なりによる画像劣化などにも効果的である。また、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2としては吐出周波数特性に優れたシングルノズルで充分印刷可能である。さらにチューブ供給系などを用い印刷ヘッドとタンクを分離することにより装置自体を小さくすることができる。
【0026】
また、光ディスクは高速で回転しているので、レーベル印刷面着弾ドットが真円にならず画像品位の低下につながる可能性もある。そこで、図5に示すようにインク液滴着弾時に光ディスク回転接線方向と順方向の速度成分を液滴に与え、液滴着弾時の真円からのずれを最小にするために、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を光ディスクに対して斜めに配置する、もしくは光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2内のインク吐出口を斜めに設置することが有効である。
【0027】
なお、光ディスクのレーベル面にはインクジェット液滴のインク受容層を持ったものを用いることが望ましい。
【0028】
また、着弾した液滴が大きい場合、回転によりうける遠心力が大きくなり、着弾後の液滴が外周方向に移動してしまうことが予想される。液滴が受ける遠心力と、表面張力よりもとまる付着力から液滴が外周方向へ移動しないための条件として(1)式が定まる。(図7)
【0029】
【数6】
m:液滴質量
r:着弾時半径
θ:後退接触角
φ:前進接触角
v:液滴着弾位置における光ディスク回転速度
R:光ディスク中心からの液滴着弾位置最短距離
ここで(1)式より一般的なインクと光ディスクメディアについて最大吐出液滴量の計算を行う。光ディスク回転速度を2700rpm(光学情報書き込み速度約12倍速相当)とし最外周付近(R=12cm)に液滴が着弾したとする。このとき、着弾地点での光ディスク回転速度はv=17m/sとなる。また、着弾した液滴は光ディスク上に半球状に拡がると仮定した場合、一般的な水系インクの液滴の密度はρ液=1050kg/m3であり、次式が成り立つ。
【0030】
【数7】
よって、1式は着弾時液滴半径を基準として次のようになる。
【0031】
【数8】
ここで、前進接触角、後退接触角は光ディスクレーベル面の材質に大きく影響を受ける。また、一般に、本記録に適しているインク受容層を持った光ディスク上で充分時間が経ったインク液滴の接触角は0度に近くなる。このように受容層をもった光ディスク上の瞬間的な接触角を測定することは困難であるが、着弾したインク液滴が光ディスク上で半球形状を保ちつつ遠心力と付着力のつりあいが成り立つのはインク液滴が着弾してから染み込むまでの数十マイクロ秒の期間であり、水系インクにおける多数の樹脂材料とインクの接触角の値をもとにすると、接触角90°前後、前進接触角と後退接触角の差は10°前後が妥当である。よってcosθ−cosφ=0.17程度となる。
【0032】
以上から(2)式に、一般的な水系インクの表面張力σ液=4x10−2N/mと、前進接触角をφ、後退接触角をθとしてcosθ−cosφ=0.17を代入すると着弾時インク液滴半径rは次のようにもとまる。
【0033】
r=36 μm
よって、吐出液滴体積は半球状液滴を仮定しているのでvd=2/3πr3から
vd=1x102 pl
となる。上記の計算は一般的な水系インクの表面張力値としてσ液=4x10−2N/mを用いたが、表面張力値が多少変化しても、それに伴い接触角の値も変化し、(2)式の分子におけるσ液(cosθ―cosφ)の値は大きくは変わらないので(2)式の計算結果には影響しない。
【0034】
続いて、吐出液滴が小さい場合空気抵抗を受け光ディスクメディアまで到達しないことが考えられる。光ディスクが上記のように2700rpmで回転している場合について、ストークスの抵抗則から、光ディスクメディアに着弾可能な最小液滴量を求める。
【0035】
インクジェットヘッドから初速v0で打ち出されたインク液滴は、光メディア方向の 運動成分を考えれば空気抵抗のみを受け運動することになる。よって光メディア方向の 運動方程式は次のようになる。
【0036】
【数9】
(3)式を初期条件、v0のもと到達距離xについて解くと次式が得られる。
【0037】
【数10】
x:到達距離
m:液滴質量
v0:液滴初速度
r:液滴半径
t:経過時間
μ:空気粘度(1.86e−5 Pa・s at 300K)
(4)式を到達距離と到達時間について室温の空気中を初速15m/sで打ち出された、さまざまな粒径の液滴について計算してみると図6が得られる。
【0038】
この図より一般的なインクジェットプリンタのメディアまでの距離1.5mmを200usまでに到達可能な液滴量は0.13plであることがわかる。なお、到達時間が延びると着弾位置のずれなどにより画質低下を引き起こしやすくなるので、一般的なインクジェットプリンタの条件を考慮して基準到達時間を200μsとした。
【0039】
よって、光ディスクメディアまで吐出液滴を確実に届かすために液適量0.1plより大きくする必要がある。
【0040】
以上より室温(300K)空気中において光ディスクレーベル面印刷を確実に行うために吐出液滴の範囲を0.13pl<(インク液滴吐出体積)<1x102plとする必要がある。
【0041】
本実施形態を採る事によって、光学情報記録とレーベル面印刷を独立して行うことができる。
【0042】
【実施例2】
実施例1では光学情報記録/読み取り用ヘッド1を下方に、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を上方に光ディスクをはさむ形で独立に存在する方式を述べたが、実施例2として光学情報記録/読み取り用ヘッド1を下方に、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を上方に光ディスク4をはさむ形で二股にわかれ依存した形で存在する構成を述べる。
【0043】
追記型光ディスク記録兼光ディスクレーベル面印刷装置は、光学情報記録/読み取り用ヘッド1を下方に、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を上方に光ディスクをはさむ形で連結部を介して存在する。この光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2はインクジェット方式が望ましい。ヘッドポジショナ3は光学情報記録/読み取り用ヘッド1と光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を光ディスク中心から外周方向に同時に移動させ記録位置を調整するためのものである。インクタンク5からは光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2へレーベル面印刷用のインクがチューブなどによって供給される。
【0044】
なお、本図では不図示ではあるが、光学情報記録/読み取りに必要な電子基盤、CPU、メモリや、光ディスク回転用モーター、光ディスクレーベル面印刷へ必要な電子基盤類、コンピューターへのインターフェース部などが存在する。
【0045】
次に本装置を用いた操作例を示す。
ユーザーにより記録/印刷前の光ディスクは所定位置に直接設置されるか、もしくはトレー上に設置され、光学情報記録及びレーベル面印刷可能位置へ移動する。その後光ディスク5は光ディスク回転用モーター(不図示)により回転し、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2が上方から、光学情報記録/読み取り用ヘッド1が下方から光ディスク中心側の記録可能位置まで移動し、それぞれの情報が記録、印刷され始める。これらの記録、印刷開始などの操作はホストコンピューター側から行うことになる。また、光学情報記録とレーベル面印刷が同時にできるだけでなく、すでに光学記録が終わった光ディスクに関してレーベル面印刷だけを行うことも可能である。
【0046】
光学情報記録にあわせて光ディスクは回転することになるが、レーベル面印刷に関して印刷トラック一周分の印刷を一回転で終えようとすると光ディスク回転数が速すぎることになる。そこで、光学情報記録トラック幅に比べてレーベル面印刷トラック幅が大きいことに着目しレーベル面印刷側では光ディスクが一回転するうちに一周分の印刷を行うのではなく、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報が記録し終わるまでの回転数分で一周分の印刷を行えばよいことになる。このため、隣あったドットを印字する必要もないので着弾後の印字ドットの重なりによる画像劣化などにも効果的である。本実施例においてシングルノズルのインクジェットヘッドを適用した場合、光学情報記録ヘッド1とレーベル面印刷ヘッド2は独立ではなく光ディスク外周方向へ同時に動くので、印刷トラックを円周方向に対して斜めに分割し画像データを送る必要がある。(図4)また、マルチノズルのインクジェットヘッドを本実施例に適用した場合、印字ヘッドを斜めに設置することで、印刷トラックを円周方向に対して斜めに分割する必要はなくなる。また、本実施例においてもチューブ供給系などを用い印刷ヘッドとタンクを分離することにより装置自体を小さくすることができる。
【0047】
また、光ディスクは高速で回転しているので、レーベル印刷面着弾ドットが真円にならず画像品位の低下につながる可能性もある。そこで、インク液滴着弾時に光ディスク回転接線方向と順方向の速度成分を液滴に与え、液滴着弾時の真円からのずれを最小にするために、光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2を斜めにする、もしくは光ディスクレーベル面印刷用ヘッド2内のインク吐出口を斜めに設置することが有効である。
【0048】
なお、光ディスクのレーベル面にはインクジェット液滴のインク受容層を持ったものを用いることが望ましい。
【0049】
また、着弾した液滴が大きい場合、回転によりうける遠心力が大きくなり、着弾後の液滴が外周方向に移動してしまうことが予想される。その一方で、液滴が小さすぎる場合、光ディスクまで届かないことも考えられる。よって、本実施例においても着弾液滴の大きさは実施例1と同じ範囲内にする必要がある。
本実施例の構成をとることでヘッドポジショナ及びそれに付随する装置類を一個に減らすことが可能である。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、追記型光ディスクに光学情報記録とレーベル面印刷を同時に行うことができ、これまで別々に行っていた時間が大幅に短縮されるだけでなく、装置自体も別々に設置する必要もなくコンパクトな構成にすることが可能である。
【0051】
また、光学情報記録密度はレーベル面印刷トラック密度より大きいことを利用し、光ディスクに光学情報とレーベル面印刷を同時に行っているときに、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報記録が終わるまでの回転数分でレーベル面一周分の印刷を行い、隣りあったドットを連続して打たないことにより、隣り合ったドットの重なりを防ぐ効果がある。
【0052】
また、液滴吐出量を本発明の範囲にすることにより、液滴を確実に所定の場所に着弾させるだけでなく、遠心力による着弾後の液滴変形を防ぐ効果がある。
【0053】
さらに、インク液滴を高速回転している光ディスクに着弾させる時、光ディスク回転接線方向と順方向の速度成分を液滴に与えることにより、着弾ドットを真円にさせる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す装置概略図である。
【図2】本発明の第二の実施例を示す装置概略図である。
【図3】第一の実施例においてレーベル面印刷トラックを示す概念図である。
【図4】第二の実施例においてレーベル面印刷トラックを示す概念図である。
【図5】インク吐出方向と光ディスクメディアの関係を示す図である。
【図6】(4)式をもとに計算した液滴量による到達距離と到達時間の関係を示す図である。
【図7】回転中の光ディスク上に着弾したインク液滴の様子を示す図である。
【符号の説明】
1.光学情報記録用ヘッド
2.レーベル面印刷用ヘッド
3.光学情報記録ヘッドポジショナ
4.レーベル面印刷ヘッドポジショナ
5.光ディスク
6.インクタンク
Claims (5)
- 光学的に読み取り可能な情報を追記型光ディスクに記録/再生可能なヘッドと、該光ディスクのレーベル面に文字、絵柄等を印刷できるインクジェットプリントヘッドを有し、光学情報を光ディスクに記録するときに、該光ディスクのレーベル面に文字、絵柄等を同時に印刷することが可能な光学情報記録/再生、兼、インクジェットプリント装置。
- 光学情報記録トラック密度はレーベル面印刷トラック密度より大きいことを利用し、光ディスクに光学情報とレーベル面印刷を同時に行っているときに、レーベル面印刷トラック幅分を光学情報が記録し終わるまでの回転数分でレーベル面一周分の印刷を行い隣りあったドットを連続して印字しない方法を特徴とする「請求項1」記載の光学情報記録/再生、兼、インクジェットプリント装置。
- インク吐出液滴量をa<Vd(インク吐出液滴体積)<bの範囲とする「請求項1」記載の光学情報記録/再生、兼、インクジェットプリント装置。ここでaは次式
x:インクジェットヘッドから光ディスクメディアまでの距離
ρ液:液体の密度
v0:インク液滴初速度
μ気:気体粘度
A:定数=(3/4/π)^(1/3)=0.62
t:メディアまでの到達限界時間
である。
またbは次式
r液:着弾時半径
θ:後退接触角
φ:前進接触角
v:液滴着弾位置における光ディスク回転速度
R:光ディスク中心からの液滴着弾位置最短距離
σ液:液滴表面張力
ρ液:液滴密度
である。 - インク液滴を高速回転している光ディスクに着弾させる時に、光ディスク回転接線方向と順方向の速度成分をインク液滴に与える吐出を行うことを特徴とする「請求項1」記載の光学情報記録/再生、兼、インクジェットプリント装置。
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