JP2004110356A - オブジェクトの選択制御方法 - Google Patents

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戸塚 裕介
Yasushi Wakabayashi
若林 泰
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堀井 克敏
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Abstract

【課題】面倒な絞り込みなどの操作をすることなく容易に選択することができるようにすること。
【解決手段】画面上におけるオブジェクトの選択操作イベントに対し選択候補となるオブジェクトを抽出する第1のステップと、抽出された選択候補オブジェクトが保持するスコアを参照して特定の1つまたは複数のオブジェクトのマウス反応領域を拡大または縮小する第2のステップとを備える。
画面上におけるオブジェクトの選択操作イベントに対し選択候補となるオブジェクトの選択条件を取得する第1のステップと、取得した選択条件を満たしているオブジェクトの中から特定の1つまたは複数のオブジェクトのマウス反応領域を拡大または縮小する第2のステップとを備える。
【選択図】    図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータプログラムによって表示装置画面上に表示された2次元または3次元オブジェクトのマウスのクリック操作などのユーザ操作イベントに対する選択操作を支援するオブジェクトの選択制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
形状オブジェクトを操作するコンピュータグラフィックスのアプリケーションにおいては、通常マウス操作によって操作対象のオブジェクトを指定する。
従来、このようなアプリケーションにおいては、選択対象としたいオブジェクトをユーザが指定するためのインタフェースの多くは、マウスカーソルが直接当該オブジェクトと交叉するか、接点を持つオブジェクトを選択対象として決定するものであった。
【0003】
しかし、2次元、3次元いずれの場合であっても、形状オブジェクトを操作するコンピュータグラフックスのアプリケーションにおいて、あるオブジェクトを選択対象とするためには、マウスカーソルの先端が、目的とするオブジェクトの形状領域と交点を持つ必要があり、画面上で多数のオブジェクトが密集している場合、形状の小さなオブジェクトや直線の様な細長いオブジェクト、すなわちマウスカーソルとの交点を持ちにくいオブジェクトは選択するのが困難であった。
【0004】
また、これらオブジェクトに隣接して面積の大きなオブジェクトが存在していた場合、その大きなオブジェクトが選択操作の障害になり、さらに選択操作が困難になってしまうという問題があった。この場合、隣接する選択されやすいオブジェクトを一時的に移動し、非表示等にして、目的とするオブジェクトを選択しやすい環境を、一時的に作り出すなどの準備操作が必要となり、目的とするオブジェクトを決定するまでに極めて煩雑な操作が必要になるという問題があった。
【0005】
そこで、各オブジェクトに「選択のされ易さ」を表すスコアを保持させ、スコアの値に応じて選択され易くするようにした選択制御方法について本願出願人が先に提案したものがある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−183544号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、スコアの値の高いオブジェクトを自動的に選択候補として決定してしまうため、その選択候補の数が多い場合には、さらに目的とするオブジェクトを絞り込んで選択するという面倒な操作が必要になるという問題が生じている。
【0008】
本発明の目的は、選択しようとしているオブジェクトの形状が小さいなどの環境であっても、面倒な絞り込みなどの操作をすることなく容易に選択することができるようにするオブジェクトの選択制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、画面上におけるオブジェクトの選択操作イベントに対し選択候補となるオブジェクトを抽出する第1のステップと、抽出された選択候補オブジェクトが保持するスコアを参照して特定の1つまたは複数のオブジェクトのマウス反応領域を拡大または縮小する第2のステップとを備えることを特徴とする。
また、前記選択候補オブジェクトが保持するスコアは、選択のされ易さを表すものであることを特徴とする。
【0010】
また、画面上におけるオブジェクトの選択操作イベントに対し選択候補となるオブジェクトの選択条件を取得する第1のステップと、取得した選択条件を満たしているオブジェクトの中から特定の1つまたは複数のオブジェクトのマウス反応領域を拡大または縮小する第2のステップとを備えることを特徴とする。
また、前記選択条件として、選択候補オブジェクトのユーザ指定サイズを条件とすることを特徴とする。
また、前記選択条件として、選択候補オブジェクトのユーザ指定色を条件とすることを特徴とする。
また、前記選択条件として、選択候補オブジェクトのユーザ指定形を条件とすることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明を適用したシステムの一実施形態を示す全体構成図である。この実施形態は、3次元オブジェクトを表示するシステムに対し、本発明を適用したものであり、2次元オブジェクトについても同様に適用することができる。
図1において、100は、本発明に係るオブジェクトの選択制御方法を実現する処理を行う計算機である。この計算機100は、キーボード101とディスプレイ102、CPU103、マウス104、プログラムメモリ105、データメモリ106とから構成される。
【0012】
計算機100のプログラムメモリ105には、計算機全体を制御するオペレーティングシステム105aと、ユーザによるマウス操作などのイベントを各3次元オブジェクトに配送し、その応答によって選択対象となる3次元オブジェクトを選択するイベントディスパッチャ105b、データメモリ106に格納された各種3次元オブジェクト(1)106a〜(n)106cに対応するオブジェクト(1)プログラム105c〜(n)105eが格納されている。
【0013】
オブジェクトi(i=1〜n)プログラム105c〜105eは、そのプログラムに対応する3次元オブジェクトのそれぞれに定義された関数を実行するプログラムである。
なお、視線方向を変えた場合におけるオブジェクト(1)〜(3)の挙動や見え方を制御するプログラムは、オブジェクトi(i=1〜n)プログラムとは別のプログラムとして実装されるが、本発明には直接関係しないので図示を省略している。
【0014】
データメモリ106には、オブジェクト(1)106a、オブジェクト(2)106b、オブジェクト(n)106cといった各種3次元オブジェクト群が格納されている。
これらの3次元オブジェクト群は、図2(a)に示すように、共通の属性項目201として、色、透明度、座標変換行列、形状の各データを備え、さらに、図2(b)に示すように、各オブジェクトの色データを取得するためのgetColor等のその他の関数を各オブジェクト毎に保持している。
このうち、色データはR,G,B値で構成され、透明度データは0(透明)〜255(不透明)の段階値で構成されている。また、座標変換行列は、ローカル座標系で表現された座標データをワールド座標系の座標データに変換する行列式のデータで構成されている。また、形状データは、3次元オブジェクトの各頂点の座標データ(ローカル座標系またはワールド座標系)で構成されている。なお、円筒などの曲面部分を持つ3次元オブジェクトについては、多角形近似によって生成する場合、その各頂点座標データで構成される。
なお、本実施形態で扱う3次元オブジェクトの生成方法、各オブジェクトのデータ構造については、本願出願人が咲きに出願した特願2001−172416号に詳しく説明しているので、ここでの説明は省略する。
【0015】
ローカル座標系とは、図3の説明図に示すように3次元オブジェクト306の形状を単独で表現する座標系であり、ワールド座標系とは3次元オブジェクト306を配置する3次元空間を定義する座標系である。ワールド座標系で定義された3次元空間に配置された3次元オブジェクト306は投影によって2次元図形に変換されて表示装置画面に表示される。ワールド座標系に配置された3次元オブジェクト306を投影する投影面303を定義するのが投影面座標系であり、投影面303に投影される3次元オブジェクト(2次元投影像)は注視点302を原点とし、Z軸を支軸方向とする視点座標系での支軸方向に応じて変化する。
【0016】
3次元オブジェクト306を表示装置画面に表示する際には、視点301から見える視野を設定するが、視点30から見て投影面303の手前側で見える範囲を前平面304の位置で設定し、奥行き方向に見える範囲を後平面305の位置で設定する。前平面304と後平面305の間の四角錘形状の3次元空間が3次元オブジェクトのビューボリュームである。本発明に係る実施形態では、図3に示すように、視点位置を基準として、投影面303と後平面305の位置D1,D2を設定し、ローカル座標系で定義された3次元オブジェクト306をワールド座標系上の投影面座標系の2次元投影像に透視変換を行って投影面に表示する。
【0017】
なお、本実施形態で扱う3次元オブジェクトの生成方法と、生成された3次元オブジェクトに対しマウスイベントが発生した場合に、いずれのオブジェクトを選択候補として抽出するかについては、本願出願人が先に出願した特願2001−172416号に詳しく記載しているので、生成方法、オブジェクトの構造、選択候補の抽出処理についての説明は省略する。
【0018】
図4は、本発明のオブジェクトの選択制御方法を実現する上で主要な処理を行うイベントディスパッチャ105bが実行する各種の選択操作支援用の関数やデータの保持領域を示す図であり、これらの保持領域はシステムのグローバルメモリ領域401に保持されている。
図4において、反応領域設定関数保持領域402には、各オブジェクトに設定された「選択のされ易さ」を表すスコアの値に応じて各オブジェクトの反応領域を設定する反応領域設定関数が保持されている。
選択候補群取得関数保持領域403には、マウスイベント(e)に対し、選択候補となるオブジェクト群を取得する選択候補群取得関数が保持され、またオブジェクト選択関数保持領域404には選択候補群取得関数で取得された選択候補オブジェクト群の中から最終的な選択オブジェクトを決定するオブジェクト選択関数が保持され、選択候補群保持領域405には選択候補群となったオブジェクト群が保持され、スコアテーブル保持領域406にはアプリケーションの状況別に定義される「オブジェクトの選択のされ易さ」を表すスコアテーブルが保持されている。オブジェクト選択モード保持領域407には、カレントのオブジェクト選択モード(例えば、設計シミュレーションでいう工程種別など)が保持されている。408a〜408cはオブジェクトであり、それぞれメンバ変数、メンバ関数を持っている。このオブジェクト408a〜408cは、図1のデータメモリ106中のオブジェクト(1)〜(3)に相当するものである。
【0019】
選択候補群取得関数は、マウスイベント(e)に対し選択候補となるオブジェクト群を取得する関数であり、この関数によって取得された選択候補オブジェクト群は選択候補群保持領域405に格納される。
また、スコアテーブル保持領域406に保持されるスコアテーブルは、マウスカーソルに対する各オブジェクトの反応領域を拡大または縮小するための値(スコア)を格納するものである。
オブジェクト選択関数は、複数の選択候補オブジェクトの1つ(または複数)を選択オブジェクトとして決定するための関数である。
【0020】
図5は、電子チップ501、コンデンサ502、基板503、ボディー504から成るオブジェクトが複数存在する状態を示し、ユーザが内部部品配置シミュレーションを行う場合の例を想定したものである。
内部部品配置シミュレーションには、「コンデンサ配置シミュレーションモード」、「電子チップ配置シミュレーションモード」といった2つのモードがあり、ユーザの行いたいシミュレーションモードが選択可能である。各オブジェクトは、選択され易さに応じたスコアと言う値を持っており、各モードの状態に応じてスコアの値が変化し、スコアの値に応じてオブジェクトの反応領域が拡大される。
例えば、「コンデンサ配置シミュレーションモード」では、スコアテーブル506に設定されるコンデンサ502のスコアの値が最も高く(図5では、50)設定されており、「コンデンサ配置シミュレーションモード」においてマウスイベントが発生すると、図6に示すように、コンデンサ502のオブジェクトの反応領域が太実線で示すように拡大され、最も選択され易くされる。
【0021】
「電子チップ配置シミュレーションモード」では、電子チップ501のスコアの値が最も高く(図5では、50)設定されており、「電子チップ配置シミュレーションモード」においてマウスイベントが発生すると、図7に示すように、電子チップ501のオブジェクトの反応領域が太実線で示すように拡大され、最も選択され易くされる。
この場合、複数のオブジェクトの反応領域上にマウスカーソルが位置している場合、スコアの値が最も大きいオブジェクトが、マウスクリック操作によって選択される。すなわち、図6の状態のマウスカーソル505の位置は、コンデンサ502、基板503の2つの部品上に位置しているが、現在のオブジェクト選択モード(コンデンサ配置シミュレーションモード)ではスコアの値が最も大きいコンデンサ502が選択される。
【0022】
図8は、オペレーティングシステム105aから起動されるイベントディスパッチャ105bの処理手順を示すフローチャートである。
まず、イベントディスパッチャ105bは、オブジェクト選択に関するマウスイベント(e)が発生した場合に起動され、最初に反応領域設定関数(e)を実行する(ステップ801)。次に、選択候補群取得関数(e)を実行する(ステップ802)。次に、オブジェクト選択関数(e)を実行し(ステップ803)、最後に、選択オブジェクトを返却する(ステップ804)。
【0023】
図9は、反応領域設定関数(e)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、現在のオブジェクト選択モードを取得する(ステップ901)。そして、現在のモードに対応するスコアテーブル506を参照し、各オブジェクトのスコアを取得する(ステップ902)。そして、ステップ903と905間で形成される下記の処理を全オブジェクトに対して実行する。
取得したスコアに応じて、各オブジェクトの反応領域を設定する(ステップ904)。
【0024】
図10は、選択候補群取得関数(e)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、選択候補群の保持領域405を空にする(ステップ1001)。そして、ステップ1002と1005間で形成される下記の処理を全オブジェクトaに対して実行する。
まず、視点とマウス位置を通る直線がオブジェクトaを通るかどうかの判定を行い(ステップ1003)、通れば、オブジェクトaを選択候補群に追加する(ステップ1004)。
上記処理の終了後、選択候補群をイベントディスパッチャ105bに返却し、処理を終了する(ステップ1006)。
【0025】
図11は、オブジェクト選択関数(e)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、現在のオブジェクト選択モードを取得する(ステップ1101)。次に、現在のオブジェクト選択モードに対応するスコアテーブル506を参照する(ステップ1102)。
次に、変数pに候補群の先頭オブジェクトを代入する(ステップ1103)。そして、ステップ1104と1108間で形成される下記の処理を、選択候補群の全オブジェクトaに対して実行する。
変数xに候補群の次候補オブジェクトを代入し(ステップ1105)、xのスコアがpのスコアより大きいかどうかの判定を行い(ステップ1106)、大きければ変数pにxを代入する(ステップ1107)。
上記処理の終了後に、変数pをイベントディスパッチャ105bを返却し、処理を終了する(ステップ1109)。
【0026】
このように本実施形態によれば、内部部品シミュレーションなどにおけるコンデンサ配置シミュレーションモード、電子チップ配置シミュレーションモードといったオブジェクト選択モードに応じて、選択候補となるオブジェクトの反応領域が拡大される。
これによって、アプリケーションのその時々の状況において、選ぶ頻度の高いオブジェクトが最も選択されやすくなる環境を提供することができるようになり、操作対象オブジェクトの選択という本来の操作の準備操作のために、対象となるオブジェクト群の物理的な位置、配置状態を変えることなく、ユーザが本意とするオブジェクトを容易かつ確実に選択できるためのユーザインタフェースを実現することができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態でイベントディスパッチャ105bが実行する各種の選択操作支援用の関数やデータの保持領域を示す図であり、これらの保持領域は前述した第1の実施形態と同様にシステムのグローバルメモリ領域401に保持されている。
図12において、図4で説明した関数と異なるのは、図4のスコアテーブル保持領域406、オブジェクト選択モード保持領域407に代えて、オブジェクト選択条件保持領域1209が存在することである。このオブジェクト選択条件保持領域1209には、オブジェクトの選択条件が保持されている。
【0028】
図13は、複数のオブジェクト1301〜1306が画面上に存在する状態を示すものである。図の状態で、ユーザはオブジェクト1303を選択したいものとする。しかし、周辺の大きいオブジェクト1301、1302の方が選択され易く、目的のオブジェクトが選択しづらいという状況になっている。そこで、この第2の実施形態では、オブジェクト1303のサイズに着目し、そのサイズ以下のオブジェクトの反応領域を拡大するよう、オブジェクト選択条件1307として、「ユーザ指定サイズ」という条件を指定する。すると、条件を満たすオブジェクト1303、1304の反応領域が破線で示すように拡大される。その結果、ユーザは目的のオブジェクト1303を容易に選択できるようになる。
【0029】
図14は、上記と同様にオブジェクト1403を選択したいものとする。しかし、周辺の大きいオブジェクト1402の方が選択され易く、目的のオブジェクト1403が選択しづらい状況になっている。そこで、オブジェクト1403の色に着目し、その色のオブジェクトの反応領域を拡大するよう、オブジェクト選択条件1407として「ユーザ色指定」という条件を指定する。すると、条件を満たすオブジェクト1401、1403、1405の反応領域が破線で示すように拡大される。その結果、ユーザは目的のオブジェクト1403を容易に選択できるようになる。
【0030】
図15は、上記と同様にユーザはオブジェクト1503を選択したいものとする。しかし、周辺の大きいオブジェクト1502、1505の方が選択され易く、目的のオブジェクト1503が選択しづらい状況になっている。そこで、ユーザは、オブジェクト1503の形に着目し、その形のオブジェクトの反応領域を拡大するよう、オブジェクト選択条件1507として「ユーザ指定形」を指定する。すると、条件を満たすオブジェクト1501、1503の反応領域が破線で示すように拡大される。その結果、ユーザは目的のオブジェクト1503を容易に選択できるようになる。
【0031】
図16は、図13〜図15で説明したようにして目的とするオブジェクトを選択し易くするための処理を行うイベントディスパッチャ105bの処理手順を示すフローチャートである。
まず、イベントディスパッチャ105bは、オブジェクト選択に関するマウスイベント(e)が発生した場合、現在のオブジェクト選択条件を取得する(ステップ1601)。次に、オブジェクト選択条件を満たしているオブジェクトの反応領域の大きさを反応領域設定関数(e)を実行することによって設定する(ステップ1602)。
次に、選択候補群取得関数(e)を実行し(ステップ1603)、選択候補となるオブジェクト群を取得し、選択候補群保持領域405に格納する(ステップ1603)。
次に、オブジェクト選択関数(e)を実行し(ステップ1604)、選択候補群保持領域405に保持された選択候補オブジェクト群の中から1つのオブジェクトを選択し、その選択オブジェクトをオペレーティングシステム105aに返却する(ステップ1605)。
【0032】
図17は、反応領域定義関数(e)(図16のステップ1602)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップ1701と1703間で形成される下記の処理を全オブジェクトaに対して実行する。
全オブジェクトaに対して領域設定関数を実行する。この領域設定関数とは、図18のフローチャートに示すような処理を行う関数である。
【0033】
図18において、オブジェクトaが現在のオブジェクト選択条件を満たしているかどうかの判定を行い(ステップ1801)、満たしている場合、そのオブジェクトaを選択候補群として決定し、その反応領域を拡大したものに設定する(ステップ1602)。条件を満たしていなければ、何もせずに反応領域設定関数(e)に返す。
【0034】
図19は、選択候補群取得関数(e)(図16のステップ1603)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、選択候補群保持領域405を空にする(ステップ1901)。そして、ステップ1902と1905間で形成される下記の処理を全オブジェクトaに対して実行する。
視点とマウス位置を通る直線がオブジェクトaの反応領域を通るかどうかの判定を行い(ステップ1903)通れば、オブジェクトaを選択候補群に追加する(ステップ1904)。上記処理の終了後、選択候補群をイベントディスパッチャ105bに返却し、処理を終了する(ステップ1906)。
【0035】
図20は、オブジェクト選択関数(e)(図16のステップ1604)の詳細な
処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、選択候補群として選択されたオブジェクト群のうち反応領域が最も視点側にあるオブジェクトを、変数Pに代入する(ステップ2001)。変数pを返却し、処理を終了する(ステップ2002)。
【0036】
以上によって、ユーザが指定した条件、すなわちサイズ、色、形状といった条件に応じて選択候補となるオブジェクトの反応領域が拡大され、サイズや、色、形状を指定することによって目的とするオブジェクトを容易に選択可能になる。なお、上記第1、第2の実施形態では、ユーザが指定したモードまたは条件によって選択候補となるオブジェクトの反応領域を拡大するようにしているが、逆に、選択したいオブジェクト以外の反応領域を縮小するという方法を採用することもできる。例えば、図13の例では、ユーザがオブジェクト1303と1304を選択したい場合、他の全オブジェクトの選択範囲を縮小することによって、容易に目的とするオブジェクト1303、1304を選択できるようになる。
【0037】
【発明の効果】
以前説明したように、本発明によれば、操作対象オブジェクトの選択という本来の操作の準備操作のために、対象となるオブジェクト群の物理的な位置、配置状態を変えることなく、ユーザが本意とするオブジェクトを容易かつ確実に選択できるためのユーザインタフェースを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を適用したシステムの一実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明における3次元オブジェクトに設定される関数の例を示す図である。
【図3】3次元オブジェクトを表示画面装置に表示する際に設定する投影面と後平面の位置D1、D2の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態で用いられるオブジェクト選択支援用の関数の例を示す図である。
【図5】選択候補オブジェクトの例を示す図である。
【図6】選択候補オブジェクトの例を示し、コンデンサ配置シミュレーションモードが選択された場合の説明図である。
【図7】選択候補オブジェクトの例を示し、電子チップ配置シミュレーションモードが選択された場合の説明図である。
【図8】オペレーティングシステムから起動されるイベントディスパッチャの処理を示すフローチャートである。
【図9】図8におけるステップ801の反応領域設定関数の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】図8におけるステップ802の選択候補群取得関数の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図8におけるステップ803のオブジェクト選択関数の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態で用いられるオブジェクト選択支援用の関数の例を示す図である。
【図13】現在のオブジェクト選択条件であるユーザ指定サイズと、条件を満たしているオブジェクトのマウス反応領域が拡大された状態を示す図である。
【図14】現在のオブジェクト選択条件であるユーザ指定色と、条件を満たしているオブジェクトのマウス反応領域が拡大された状態を示す図である。
【図15】現在のオブジェクト選択条件であるユーザ指定形と、条件を満たしているオブジェクトのマウス反応領域が拡大された状態を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態においてオペレーティングシステムから起動されるイベントディスパッチャの処理を示すフローチャートである。
【図17】図16におけるステップ1602の反応領域設定関数の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図17におけるステップ1702の領域設定関数の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図19】図16におけるステップ1603の選択候補群取得関数の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図20】図16におけるステップ1604のオブジェクト選択関数の処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100…計算機、101…キーボード、102…ディスプレイ、103…CPU、104…マウス、105…プログラムメモリ、106…データメモリ、105a…オペレーティングシステム、105b…イベントディスパッチャ、105c…オブジェクト(1)プログラム、305d…オブジェクト(2)プログラム、105e…オブジェクト(n)プログラム、106a…オブジェクト(1)、106b…オブジェクト(2)、106c…オブジェクト(n)、401…グローバルメモリ領域。

Claims (6)

  1. 表示装置に表示された2次元または3次元のオブジェクトの選択操作を支援するオブジェクトの選択制御方法であって、
    画面上におけるオブジェクトの選択操作イベントに対し選択候補となるオブジェクトを抽出する第1のステップと、
    抽出された選択候補オブジェクトが保持するスコアを参照して特定の1つまたは複数のオブジェクトのマウス反応領域を拡大または縮小する第2のステップとを備えることを特徴とするオブジェクトの選択制御方法。
  2. 前記選択候補オブジェクトが保持するスコアは、選択のされ易さを表すものであることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクトの選択制御方法。
  3. 表示装置に表示された2次元または3次元のオブジェクトの選択操作を支援するオブジェクトの選択制御方法であって、
    画面上におけるオブジェクトの選択操作イベントに対し選択候補となるオブジェクトの選択条件を取得する第1のステップと、
    取得した選択条件を満たしているオブジェクトの中から特定の1つまたは複数のオブジェクトのマウス反応領域を拡大または縮小する第2のステップと
    を備えることを特徴とするオブジェクトの選択制御方法。
  4. 前記選択条件として、選択候補オブジェクトのユーザ指定サイズを条件とすることを特徴とする請求項3に記載のオブジェクトの選択制御方法。
  5. 前記選択条件として、選択候補オブジェクトのユーザ指定色を条件とすることを特徴とする請求項3に記載のオブジェクトの選択制御方法。
  6. 前記選択条件として、選択候補オブジェクトのユーザ指定形を条件とすることを特徴とする請求項3に記載のオブジェクトの選択制御方法。
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