JP2004110160A - 工事保証データ処理方法及び工事保証データ処理システム並びに工事保証データ処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の工事保証申込の管理においては、将来の入札時あるいは契約時における保証枠の使用可能額を正確に把握するのは困難であり、入札時あるいは契約時に保証枠を超過してしまっているような事態が発生して受注の機会を逸失するということがあった。
【解決手段】本発明の工事保証データ処理方法は、コンピュータ(サーバ1)に、工事請負業者と金融機関との間で予め設定された保証枠の金額を入力するとともに、工事保証の保証金額を含む工事請負業者から金融機関に対する工事保証申し込みの内容を入力して蓄積させ、かつ、将来の日時情報を入力し、上記保証枠の金額と工事保証申し込みの内容と将来の日時情報とに基づいて、将来の日時における保証枠の使用可能額を算出させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の工事保証データ処理方法は、コンピュータ(サーバ1)に、工事請負業者と金融機関との間で予め設定された保証枠の金額を入力するとともに、工事保証の保証金額を含む工事請負業者から金融機関に対する工事保証申し込みの内容を入力して蓄積させ、かつ、将来の日時情報を入力し、上記保証枠の金額と工事保証申し込みの内容と将来の日時情報とに基づいて、将来の日時における保証枠の使用可能額を算出させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば公共工事請負の際に建設会社や設備会社、電機会社等の工事請負業者が工事の履行を保証するために工事発注者へ差し出す保証金等を、工事請負業者が金融機関内に設定された保証枠の金額内で行うため管理する工事保証データの処理方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
公共工事、その他の工事の請負において、工事請負業者(請負人)が入札し落札した場合の工事請負契約の締結や工事着手不履行を保証するための入札保証、工事の履行を保証する工事履行保証、契約保証、保留金保証、瑕疵担保保証等のような工事等の役務提供や物品の納入に伴い取り決められる工事保証の制度が設けられている。この工事保証は、工事請負業者からの保証委託に基づき、金融機関(保険会社や銀行等)が工事発注者に保証金の納付、もしくは、国債、小切手、有価証券等の現金に代わる担保となる債券や、保険証券、保証証券、保証証書等の保証書を提出することにより、工事請負業者が工事の履行等を保証するものである。
【0003】
この工事保証の手続は、例えば、図7に示すような手順にて行われる。工事請負業者である建設会社が工事発注者への入札の申し込みや、工事発注者との工事請負契約を締結すると、工事発注者と直接交渉した建設会社の支店は工事発注者からの工事保証の請求により金融機関の代理店(保険代理店等)に工事保証を申し込む。代理店は各金融機関へ工事保証の可否について問い合わせを行う。問い合わせを受けた各金融機関は予め建設会社に設定した保証枠の使用可能額に余裕があれば保証可能、使用可能額に余裕がなければ保証不可の回答をし、代理店は建設会社の本社に対して保証額の報告、確認を行う。尚、代理店にて保証枠の金額を把握している場合には金融機関に問い合わせることなく、建設会社の本社に報告、確認を行う。報告を受けた建設会社の本社は、保証可能な場合には、金融機関を選定し、選定した金融機関の代理店に工事保証を申し込む。建設会社の本社から申し込みを受けた代理店は正式に申し込みを受理し、建設会社の支店へ申し込み完了の回答を行う。その後、金融機関より建設会社の支店へ保証金の送金、もしくは債券、保証書の郵送による送付が行われる。建設会社の支店は工事発注者に保証金の納付もしくは債券、保証書を提出することにより、工事保証がなされたことになる。従って、落札後の工事請負契約が締結されない場合や請負契約に従って工事が着手されない場合、工事が完了されない場合には、工事発注者への損害金として保証金、債券の場合はその保証金、債券が充当され、保証書の場合には、工事保証した金融機関より工事を代替履行(履行ボンドの場合)するか工事発注者の口座に保証金が振り込まれる。尚、建設会社より工事発注者へ工事完了の報告がなされた後は、その完了した工事の工事保証の際に納付、提出された保証金、債券、保証書は工事発注者より返却されるか消滅するため、保証金は工事発注者に支払われることなく工事保証は完了する。結果として、保証枠の使用可能額が完了工事の保証金額分増加することとなる。
また、工事保証不可の場合には、工事請負業者の本社は金融機関に対して保証枠の金額の上限を上げる交渉を行い、保証枠の金額の上限が上がれば、代理店に対して工事保証の申し込みを行い、上述した保証可能の場合の手順に沿うこととなる。保証枠の金額の上限が上がらなかった場合には、その工事の工事保証が得られないため工事の入札や受注を辞退することとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の工事保証の申し込みの管理においては、金融機関に設定された保証枠の金額の全体の把握や、金融機関との交渉による保証枠の金額の変動、同時の申し込みや工事完了により保証枠の使用可能額が日々変動するため、将来の入札時あるいは契約時における工事請負業者の全体的な保証枠の使用可能額を正確に把握するのは困難であり、また、金融機関が保証枠の金額をその工事請負業者の業績や工事実績、金融機関との過去の取引事情等を考慮して設定するために、大幅に保証枠の金額の上限を上げることも困難なため入札時あるいは契約時に保証枠の金額を超過してしまっているような事態が発生して工事請負業者は受注の機会を逸してしまうということがあった。更に、工事発注者に対する工事保証の証明も保証金の送金のような納付や、債券や保証書の郵送や手交による提出にて行わなければならず煩雑であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コンピュータに、工事請負業者と金融機関との間で予め設定された保証枠の金額を入力するとともに、工事保証の保証金額を含む工事請負業者から金融機関に対する工事保証申し込みの内容を入力して蓄積させ、そして、将来の日時情報を入力して、コンピュータに、上記保証枠の金額と工事保証申し込みの内容と将来の日時情報とに基づいて、将来の日時における保証枠の使用可能額を算出させることにより、将来の日時(将来の入札時あるいは契約時等)における保証枠の使用可能額を正確に把握できるようにした。これにより、工事請負業者が受注の機会を逸失するようなことを防止できるようにした。
また、コンピュータに、将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証の保証金額以上残っている金融機関を抽出させるようにして、より迅速に金融機関を選定できるようにした。
また、コンピュータに、工事請負業者と金融機関と工事発注者の電子口座を登録しておいて、工事保証をした場合に、工事発注者の電子口座に工事保証の保証金額を振り替えさせるようにして、工事発注者に対する保証の証明手間を省けるようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
以下、本発明の工事保証データ処理方法を実現する工事保証データ管理システムについて図1〜3に基づいて説明する。図1は工事保証データ管理システムを示し、1は建設会社本社に設置され複数の金融機関毎に予め設定された保証枠の金額が入力された工事保証データ管理コンピュータ(以下「サーバ」と称す)、2は建設会社支店に設置されたコンピュータ(以下「支店端末」と称す)、3は建設会社本社の財務部に設置されたコンピュータ(以下「本社端末」と称す)、4は代理店に設置されたコンピュータ(以下「代理店端末」と称す)、5は金融機関としての保険会社あるいは銀行に設置されたコンピュータ(以下「金融機関端末」と称す)である。各端末2〜4とサーバ1とがインターネット、イントラネット、公衆回線網、専用線等の通信ネットワークを介して接続されている。
【0007】
図2に保証申込書(以下「申込書」と称する)の手続の概略を示す。建設会社の支店の担当者は、工事発注者より工事保証の請求があると支店端末2の画面に申込書入力画面(起案登録画面)を立ち上げ、入札条件書等を見て工事保証の申し込みに関する各種情報を申込書に入力し、入力した内容を確認して「登録ボタン」をクリックすると、この申込書入力画面に入力された内容が「起案状態」としてサーバ1に登録されるとともに、建設会社本社の本社端末3を管理する担当者(例えば財務部担当者)に金融機関選定手続を依頼する電子メールが送信される。即ち、保証申込S1を行う。この際、サーバ1は受付番号等を付して上記「起案状態」の申込書の内容をデータベースに登録する。上記工事保証の申し込みに関する各種情報は、保証先(工事発注者名)、保証委託者(建設会社支店長名)、工事名、工事場所、入札/請負金額、保証種類(入札保証、履行保証、瑕疵保証等の区別)、保証金額、保証期間、入札/契約予定日等である。
【0008】
建設会社の本社の担当者(例えば財務部担当者)は、金融機関選定手続依頼電子メールの着信通知を確認後、本社端末3の画面に検索画面を立ち上げて受付番号や、申込書に入力した工事保証の申し込みに関する各種情報等を入力することにより、サーバ1はその入力内容に該当する申込書の内容を検索し、本社端末3に送る。尚、これらの作業は着信通知の電子メールとのリンクより簡便に行うこともできる。本社財務部担当者は、その「起案状態」の申込書の内容を確認し、後述する保証枠の使用可能額確認作業S2を行って、この使用可能額確認作業S2で保証枠の使用可能額があれば、金融機関選定作業S3を行うために金融機関選定登録画面を立ち上げる。使用可能額確認作業S2で保証枠の使用可能額がなければ、金融機関や支店と調整を行う。金融機関選定作業S3においては、金融機関選定登録画面にて、申込書を特定する情報(例えば、受付番号、工事発注者、保証種類等)を入力すると、現時点で保証枠の使用可能額がある金融機関や、他の工事が完了し工事保証が終了することによって将来的に保証枠の使用可能額の増加が予想される金融機関の中から、申込書の保証期間、保証金額等の内容に合致する金融機関の一覧が表示され、希望保証委託先金融機関入力欄に保証委託先金融機関を指定することにより金融機関の選定を行い、内容を確認して「申込ボタン」をクリックすると、選定した金融機関名が「起案状態」の申込書の内容に付加されてサーバ1に登録されるとともに、代理店に工事保証依頼申し込みの電子メールが送信される(代理店申込S4)。
【0009】
代理店は、送られてきた工事保証依頼申し込みの電子メールの着信通知を確認して、代理店端末4の画面に検索画面を立ち上げ、申込書の受付番号等を入力してサーバ1にアクセスする。サーバ1はその受付番号等が付された申込書の内容を検索し代理店端末4に送る。代理店は申込書の内容の確認後、申込書の内容を、選定した保険会社の金融機関端末5に送り工事保証の申し込み(保証申込作業S5)を行った後、工事保証の申し込みを行った旨のメールが関係者に自動配信S6される。尚、代理店が建設会社本社に代わって金融機関の選定作業S7を行ってもよい。
【0010】
金融機関は申込書の内容を審査して、保証書を建設会社の支店に保証金の送金、もしくは債券、保証書の送付を行う(保証書の場合は発行も行う)(審査/保証書発行作業S8)。送金、送付した旨のメールは関係者に自動配信S9される。
【0011】
建設会社の支店は、その保証金、もしくは債券、保証書の受領の確認後(保証書受領確認作業S10)、その受領した工事保証の申込書の「起案状態」を「受領状態」にしてサーバ1に登録する(受領登録作業S11)。そして、工事発注者に保証金の納付、もしくは債券、保証書の提出を行うことにより、工事保証手続が終了する(保証受領確認作業S12)。
【0012】
その後、工事が無事完了した後は、建設会社が工事発注者に工事完了の報告を行うと、工事発注者の検査確認を経て特に問題なければ工事保証の際に納付した保証金や、提出した債券、保証書は、工事発注者より建設会社に返却される。建設会社は、完了した工事の工事保証をした金融機関に対して保証金、債券、保証書を返却することにより、その金融機関の保証枠の使用可能額が保証金額分増加することになる。尚、工事発注者に提出した工事保証の証明が保証書の場合には、保証期間の満了により保証書の効果を失うため、返却の手続を省略することもある。
【0013】
尚、図1では、金融機関端末5はサーバ1に繋がれていないため、保証委託申込書の内容をサーバ1から直接確認することができないので、代理店から申込書の内容を受け取ることになるが、金融機関端末5もサーバ1に繋げておいて、金融機関もサーバ1にアクセスして申込書の内容を直接確認できるようにしてもよい。また、代理店の機能を建設会社や金融機関で補えば、図1,2に示すように、代理店を介さないで銀行等の金融機関に直接に保証申込を行う場合もある。また、上記では、サーバ1に登録されたデータの修正変更は管理者である建設会社本社の財務部のみが行える場合を想定しているので、建設会社の支店、代理店が申込書のデータを修正変更する場合は建設会社本社の財務部に依頼することになる。尚、工事発注者、建設会社の本社、支店、代理店、金融機関間の連絡は電子メールでなくとも電話、FAX等の通常の連絡手段で行ってもよい。
【0014】
次に、サーバ1に情報を登録蓄積した後の実際の申込時の流れについて図2,3に基づいて説明する。建設会社の支店は、将来の入札、契約を見越して申込書を起案する。従って、建設会社の本社(あるいは支店)は、入札/契約予定日に保証枠の使用可能額が残っているかどうかを確認する必要がある。即ち、保証枠の使用可能額確認作業S2を行う。そこで、本実施の形態1では、例えば、本社端末3の画面に工事保証金額確認条件指定画面を立ち上げ、基準日(保証枠の使用可能額を確認したい日付け(例えば入札/契約予定日))、表示期間(基準日からの表示日数)、「起案状態」の申込内容も含めて検索対象とするか否か等の情報を入力して「検索実行ボタン」をクリックすると、図3に示すような工事保証金額確認データがサーバ1より送られてくるようになっている。即ち、サーバ1は、登録され蓄積されている工事保証申し込みの内容の保証額と,予めサーバ1に登録されている建設会社と金融機関との間で設定された保証枠の金額と,保証枠の使用可能額確認作業S2において入力される日時情報とに基づいて、基準日以降の日の保証枠の使用可能額を算出する。図3では、2002年4月15日を基準日とした場合に、4月15日以降の1週間の工事保証金額確認データ(金融機関別)が送られてくる例を示している。工事保証金額確認画面10には、金融機関欄11、金融機関が設定している保証枠の金額を示す欄12が表示され、4月15日から1週間の範囲での金融機関毎の保証枠の使用可能額(図の下段()内の数字)、保証実施残高(図の上段の数字)が欄17に表示される(尚、保証枠の金額、使用可能額、保証実施残高の単位は100万円である)。この場合、保証枠の金額=保証枠の使用可能額+保証実施残高である。この保証枠の使用可能額、保証実施残高算出処理は、サーバ1が上記「検索実行ボタン」のクリックによる検索指示コマンドを受けた時に、サーバ1に登録され蓄積されている工事保証申込の内容の保証額と,建設会社と金融機関との間で予め設定された保証枠の金額と,日時情報(基準日、表示期間等)とに基づいて、サーバ1に、将来の時点における保証枠の使用可能額及び保証実施残高を算出させる処理を行わせるプログラムにより実現される。また、詳細欄の請負形態欄13を選択すると、その下の欄に請負形態(単独、JVSP(共同企業体幹事)、JVSB(共同企業体副幹事))が表示され、請負形態各毎の保証枠の金額、保証枠の使用可能額、保証実施残高が上記と同様に表示される。また、支店欄14を選択すると、その下の欄に支店名が表示され、支店毎の保証枠の金額、保証枠の使用可能額、保証実施残高が上記と同様に表示される。更に、「前の週」ボタン15、「次の週」ボタン16をクリックすると、「前の週」、「次の週」の保証枠の使用可能額、保証実施残高が上記と同様に表示される。
【0015】
実際には金融機関の数は多いので、図3の画面において「抽出ボタン」18をクリックすると、将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証申し込み内容の保証金額以上残っている金融機関のみが抽出されて画面に表示される。よって、申込書の保証期間、保証金額等の内容に合致する金融機関の一覧が表示されることになり、より迅速に金融機関を選定できる。上記金融機関の抽出は、「抽出ボタン」18をクリックすることによりサーバ1に送出される金融機関抽出指示に基づいて、サーバ1に、将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証の保証金額以上残っている金融機関を抽出させる処理を行わせるプログラムにより実現される。
【0016】
従って、建設会社の本社(あるいは支店)は、支店からの複数の工事保証の申し込みや工事完了に伴う保証枠の使用可能額のリアルタイムな変化を確認でき、工事保証金額確認画面10を見て、将来の入札時や契約時における保証枠の使用可能額や現在の保証枠の使用可能額を正確に把握できるようになり、入札時において保証枠の金額を超過してしまうような事態の発生を防止でき、限られた保証枠の金額を最大限活用できるため、受注の機会を逸失するというようなことがなくなる。また、「起案状態」のデータを加味しないこともできるので、この場合、保証枠の使用可能額の実状況を正確に把握できる。更に、「起案状態」のデータを加味して保証枠の使用可能額を算出させることにより、「起案状態」の申込の予定を変更することも可能となり、他の工事保証の申し込みの状況も逐次把握できるので、工事保証を付ける優先順位を調整できるようになる。
尚、代理店もサーバ1にアクセスして、保証枠の使用可能額を確認できる。
【0017】
実施の形態2
従来及び実施の形態1では、保証金の納付作業や、債券、保証書の提出(保証書の場合は発行も)を郵送や手交で行わなければならず、また、工事が完了した際の保証金、債券、保証書の返却も伴い、煩雑である。そこで、実施の形態2では、これらの作業を電子的に行えるシステムを説明する。つまり、図4,5に示すように、工事請負業者、金融機関、工事発注者の端末2〜6と工事保証管理機構100のサーバ101とをインターネット、公衆回線網、専用回線等の通信ネットワークにより接続する。尚、サーバ101を備えるので、サーバ1は設けても設けなくてもよい。そして、図6に示すように、工事請負業者、金融機関、工事発注者の電子口座間の電子振り替えを工事保証管理機構100のサーバ101で管理し、工事発注者がサーバ101にアクセスすることにより保証内容を確認できるようにしたものである。尚、図6において、102は工事請負業者の電子口座の内容をイメージ化したもの、103は金融機関(損保)の電子口座の内容をイメージ化したもの、104は工事発注者の電子口座の内容をイメージ化したものである。また、振り替えのイメージを矢印で示している。
【0018】
実施の形態2でも、工事請負業者(建設会社等)は、実施の形態1と同様に工事保証の申し込みを行え、また、実施の形態1と同様にサーバ101を介して申込の内容の登録、保証枠の使用可能額及び保証実施残高の確認を行える。実施の形態2では、更に、サーバ101のデータベースに工事請負業者、金融機関、工事発注者の電子口座102〜104を設け、サーバ101で工事請負業者、金融機関、工事発注者の電子口座102〜104間の電子振り替えを行う。つまり、ここでは、工事発注者より工事請負業者へ工事保証の請求があると、工事請負業者が工事保証を金融機関へ申し込み、金融機関が工事請負業者の支店に保証金、債券、保証書を送る代わりにその申し込み内容を審査して電子保証の発行指示(工事保証をすることを示す指示)をサーバ101に送信し、サーバ101はこの発行指示を受け、振り替えプログラムに基づいて、工事請負業者、金融機関、工事発注者間で電子振り替えを行う。即ち、蓄積している申込書のデータからその電子保証の対象である工事請負業者、金融機関、工事発注者を検索してその電子保証の保証金額を、例えば、図6の発注者口座104に示すように、工事請負業者(依頼者),金融機関(保証人),工事名,保証の種類,保証期間と関連付けて振り替える。従って、工事発注者はサーバ101からの自動振り替え完了通知(保証書預かり通知)を受けて、サーバ101をアクセスすることで保証内容を確認することができるので、工事発注者に対する保証金の納付や、債券、保証書の郵送や手交による提出は不要となり、建設会社や金融機関の手間が省けることになる。また、従来は二者間の電子振り替えは行われているが、本発明のような工事請負業者、金融機関、工事発注者の三者間の連繋した電子振り替えは行われていない。従って、本発明では、工事発注者の電子口座104には、工事請負業者、金融機関の関係を示す内容を付して電子振り替えを行うようにしているので、工事発注者が複数の工事の工事保証、保証内容を一括して把握しやすい電子振り替えを実現できる。また、データの間違いも関係者の承諾を受けて簡単に直せ、保証書の再発行等の手間も省ける。工事が完了した場合には、工事請負業者が工事発注者へ工事完了の報告をした後、工事発注者の検査確認を経て、特に問題がなければその工事の工事保証分の保証金額を、振り替えプログラムに基づいて、工事請負業者、金融機関、工事発注者間で電子振り替えを行うことができるので、工事完了時の工事請負業者に対する保証金額の返却作業も電子振り替えで行えるので、工事発注者の手間が省ける。
尚、サーバ101へのアクセスに関しては、IDとパスワード等による認証により、データの閲覧制限を設けるようにすればよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、将来の入札時や契約時における保証枠の使用可能額を正確に把握できるようになり、将来の入札時や契約時において保証枠の金額を超過してしまうような事態の発生を防止でき、工事請負業者が受注の機会を逸失するようなことを無くせる。
また、工事発注者に対する保証金の納付や、債券、保証書の郵送や手交による提出が不要となり、工事請負業者や金融機関の手間が省けるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による工事保証データ処理方法を実現するシステムを示す図。
【図2】実施の形態1による工事保証手続の概要を示す図。
【図3】実施の形態1による工事保証金額確認画面を示す図。
【図4】実施の形態2による工事保証データ処理方法を実現するシステムを示す図。
【図5】実施の形態2による工事保証データ処理方法を実現するシステムの概念図。
【図6】実施の形態2による電子口座の内容例を示す図。
【図7】従来の工事保証手続の概要を示す図。
【符号の説明】
1,101 サーバ(コンピュータ)、2〜6 端末、102〜104 電子口座。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば公共工事請負の際に建設会社や設備会社、電機会社等の工事請負業者が工事の履行を保証するために工事発注者へ差し出す保証金等を、工事請負業者が金融機関内に設定された保証枠の金額内で行うため管理する工事保証データの処理方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
公共工事、その他の工事の請負において、工事請負業者(請負人)が入札し落札した場合の工事請負契約の締結や工事着手不履行を保証するための入札保証、工事の履行を保証する工事履行保証、契約保証、保留金保証、瑕疵担保保証等のような工事等の役務提供や物品の納入に伴い取り決められる工事保証の制度が設けられている。この工事保証は、工事請負業者からの保証委託に基づき、金融機関(保険会社や銀行等)が工事発注者に保証金の納付、もしくは、国債、小切手、有価証券等の現金に代わる担保となる債券や、保険証券、保証証券、保証証書等の保証書を提出することにより、工事請負業者が工事の履行等を保証するものである。
【0003】
この工事保証の手続は、例えば、図7に示すような手順にて行われる。工事請負業者である建設会社が工事発注者への入札の申し込みや、工事発注者との工事請負契約を締結すると、工事発注者と直接交渉した建設会社の支店は工事発注者からの工事保証の請求により金融機関の代理店(保険代理店等)に工事保証を申し込む。代理店は各金融機関へ工事保証の可否について問い合わせを行う。問い合わせを受けた各金融機関は予め建設会社に設定した保証枠の使用可能額に余裕があれば保証可能、使用可能額に余裕がなければ保証不可の回答をし、代理店は建設会社の本社に対して保証額の報告、確認を行う。尚、代理店にて保証枠の金額を把握している場合には金融機関に問い合わせることなく、建設会社の本社に報告、確認を行う。報告を受けた建設会社の本社は、保証可能な場合には、金融機関を選定し、選定した金融機関の代理店に工事保証を申し込む。建設会社の本社から申し込みを受けた代理店は正式に申し込みを受理し、建設会社の支店へ申し込み完了の回答を行う。その後、金融機関より建設会社の支店へ保証金の送金、もしくは債券、保証書の郵送による送付が行われる。建設会社の支店は工事発注者に保証金の納付もしくは債券、保証書を提出することにより、工事保証がなされたことになる。従って、落札後の工事請負契約が締結されない場合や請負契約に従って工事が着手されない場合、工事が完了されない場合には、工事発注者への損害金として保証金、債券の場合はその保証金、債券が充当され、保証書の場合には、工事保証した金融機関より工事を代替履行(履行ボンドの場合)するか工事発注者の口座に保証金が振り込まれる。尚、建設会社より工事発注者へ工事完了の報告がなされた後は、その完了した工事の工事保証の際に納付、提出された保証金、債券、保証書は工事発注者より返却されるか消滅するため、保証金は工事発注者に支払われることなく工事保証は完了する。結果として、保証枠の使用可能額が完了工事の保証金額分増加することとなる。
また、工事保証不可の場合には、工事請負業者の本社は金融機関に対して保証枠の金額の上限を上げる交渉を行い、保証枠の金額の上限が上がれば、代理店に対して工事保証の申し込みを行い、上述した保証可能の場合の手順に沿うこととなる。保証枠の金額の上限が上がらなかった場合には、その工事の工事保証が得られないため工事の入札や受注を辞退することとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の工事保証の申し込みの管理においては、金融機関に設定された保証枠の金額の全体の把握や、金融機関との交渉による保証枠の金額の変動、同時の申し込みや工事完了により保証枠の使用可能額が日々変動するため、将来の入札時あるいは契約時における工事請負業者の全体的な保証枠の使用可能額を正確に把握するのは困難であり、また、金融機関が保証枠の金額をその工事請負業者の業績や工事実績、金融機関との過去の取引事情等を考慮して設定するために、大幅に保証枠の金額の上限を上げることも困難なため入札時あるいは契約時に保証枠の金額を超過してしまっているような事態が発生して工事請負業者は受注の機会を逸してしまうということがあった。更に、工事発注者に対する工事保証の証明も保証金の送金のような納付や、債券や保証書の郵送や手交による提出にて行わなければならず煩雑であった。
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【課題を解決するための手段】
本発明は、コンピュータに、工事請負業者と金融機関との間で予め設定された保証枠の金額を入力するとともに、工事保証の保証金額を含む工事請負業者から金融機関に対する工事保証申し込みの内容を入力して蓄積させ、そして、将来の日時情報を入力して、コンピュータに、上記保証枠の金額と工事保証申し込みの内容と将来の日時情報とに基づいて、将来の日時における保証枠の使用可能額を算出させることにより、将来の日時(将来の入札時あるいは契約時等)における保証枠の使用可能額を正確に把握できるようにした。これにより、工事請負業者が受注の機会を逸失するようなことを防止できるようにした。
また、コンピュータに、将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証の保証金額以上残っている金融機関を抽出させるようにして、より迅速に金融機関を選定できるようにした。
また、コンピュータに、工事請負業者と金融機関と工事発注者の電子口座を登録しておいて、工事保証をした場合に、工事発注者の電子口座に工事保証の保証金額を振り替えさせるようにして、工事発注者に対する保証の証明手間を省けるようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
以下、本発明の工事保証データ処理方法を実現する工事保証データ管理システムについて図1〜3に基づいて説明する。図1は工事保証データ管理システムを示し、1は建設会社本社に設置され複数の金融機関毎に予め設定された保証枠の金額が入力された工事保証データ管理コンピュータ(以下「サーバ」と称す)、2は建設会社支店に設置されたコンピュータ(以下「支店端末」と称す)、3は建設会社本社の財務部に設置されたコンピュータ(以下「本社端末」と称す)、4は代理店に設置されたコンピュータ(以下「代理店端末」と称す)、5は金融機関としての保険会社あるいは銀行に設置されたコンピュータ(以下「金融機関端末」と称す)である。各端末2〜4とサーバ1とがインターネット、イントラネット、公衆回線網、専用線等の通信ネットワークを介して接続されている。
【0007】
図2に保証申込書(以下「申込書」と称する)の手続の概略を示す。建設会社の支店の担当者は、工事発注者より工事保証の請求があると支店端末2の画面に申込書入力画面(起案登録画面)を立ち上げ、入札条件書等を見て工事保証の申し込みに関する各種情報を申込書に入力し、入力した内容を確認して「登録ボタン」をクリックすると、この申込書入力画面に入力された内容が「起案状態」としてサーバ1に登録されるとともに、建設会社本社の本社端末3を管理する担当者(例えば財務部担当者)に金融機関選定手続を依頼する電子メールが送信される。即ち、保証申込S1を行う。この際、サーバ1は受付番号等を付して上記「起案状態」の申込書の内容をデータベースに登録する。上記工事保証の申し込みに関する各種情報は、保証先(工事発注者名)、保証委託者(建設会社支店長名)、工事名、工事場所、入札/請負金額、保証種類(入札保証、履行保証、瑕疵保証等の区別)、保証金額、保証期間、入札/契約予定日等である。
【0008】
建設会社の本社の担当者(例えば財務部担当者)は、金融機関選定手続依頼電子メールの着信通知を確認後、本社端末3の画面に検索画面を立ち上げて受付番号や、申込書に入力した工事保証の申し込みに関する各種情報等を入力することにより、サーバ1はその入力内容に該当する申込書の内容を検索し、本社端末3に送る。尚、これらの作業は着信通知の電子メールとのリンクより簡便に行うこともできる。本社財務部担当者は、その「起案状態」の申込書の内容を確認し、後述する保証枠の使用可能額確認作業S2を行って、この使用可能額確認作業S2で保証枠の使用可能額があれば、金融機関選定作業S3を行うために金融機関選定登録画面を立ち上げる。使用可能額確認作業S2で保証枠の使用可能額がなければ、金融機関や支店と調整を行う。金融機関選定作業S3においては、金融機関選定登録画面にて、申込書を特定する情報(例えば、受付番号、工事発注者、保証種類等)を入力すると、現時点で保証枠の使用可能額がある金融機関や、他の工事が完了し工事保証が終了することによって将来的に保証枠の使用可能額の増加が予想される金融機関の中から、申込書の保証期間、保証金額等の内容に合致する金融機関の一覧が表示され、希望保証委託先金融機関入力欄に保証委託先金融機関を指定することにより金融機関の選定を行い、内容を確認して「申込ボタン」をクリックすると、選定した金融機関名が「起案状態」の申込書の内容に付加されてサーバ1に登録されるとともに、代理店に工事保証依頼申し込みの電子メールが送信される(代理店申込S4)。
【0009】
代理店は、送られてきた工事保証依頼申し込みの電子メールの着信通知を確認して、代理店端末4の画面に検索画面を立ち上げ、申込書の受付番号等を入力してサーバ1にアクセスする。サーバ1はその受付番号等が付された申込書の内容を検索し代理店端末4に送る。代理店は申込書の内容の確認後、申込書の内容を、選定した保険会社の金融機関端末5に送り工事保証の申し込み(保証申込作業S5)を行った後、工事保証の申し込みを行った旨のメールが関係者に自動配信S6される。尚、代理店が建設会社本社に代わって金融機関の選定作業S7を行ってもよい。
【0010】
金融機関は申込書の内容を審査して、保証書を建設会社の支店に保証金の送金、もしくは債券、保証書の送付を行う(保証書の場合は発行も行う)(審査/保証書発行作業S8)。送金、送付した旨のメールは関係者に自動配信S9される。
【0011】
建設会社の支店は、その保証金、もしくは債券、保証書の受領の確認後(保証書受領確認作業S10)、その受領した工事保証の申込書の「起案状態」を「受領状態」にしてサーバ1に登録する(受領登録作業S11)。そして、工事発注者に保証金の納付、もしくは債券、保証書の提出を行うことにより、工事保証手続が終了する(保証受領確認作業S12)。
【0012】
その後、工事が無事完了した後は、建設会社が工事発注者に工事完了の報告を行うと、工事発注者の検査確認を経て特に問題なければ工事保証の際に納付した保証金や、提出した債券、保証書は、工事発注者より建設会社に返却される。建設会社は、完了した工事の工事保証をした金融機関に対して保証金、債券、保証書を返却することにより、その金融機関の保証枠の使用可能額が保証金額分増加することになる。尚、工事発注者に提出した工事保証の証明が保証書の場合には、保証期間の満了により保証書の効果を失うため、返却の手続を省略することもある。
【0013】
尚、図1では、金融機関端末5はサーバ1に繋がれていないため、保証委託申込書の内容をサーバ1から直接確認することができないので、代理店から申込書の内容を受け取ることになるが、金融機関端末5もサーバ1に繋げておいて、金融機関もサーバ1にアクセスして申込書の内容を直接確認できるようにしてもよい。また、代理店の機能を建設会社や金融機関で補えば、図1,2に示すように、代理店を介さないで銀行等の金融機関に直接に保証申込を行う場合もある。また、上記では、サーバ1に登録されたデータの修正変更は管理者である建設会社本社の財務部のみが行える場合を想定しているので、建設会社の支店、代理店が申込書のデータを修正変更する場合は建設会社本社の財務部に依頼することになる。尚、工事発注者、建設会社の本社、支店、代理店、金融機関間の連絡は電子メールでなくとも電話、FAX等の通常の連絡手段で行ってもよい。
【0014】
次に、サーバ1に情報を登録蓄積した後の実際の申込時の流れについて図2,3に基づいて説明する。建設会社の支店は、将来の入札、契約を見越して申込書を起案する。従って、建設会社の本社(あるいは支店)は、入札/契約予定日に保証枠の使用可能額が残っているかどうかを確認する必要がある。即ち、保証枠の使用可能額確認作業S2を行う。そこで、本実施の形態1では、例えば、本社端末3の画面に工事保証金額確認条件指定画面を立ち上げ、基準日(保証枠の使用可能額を確認したい日付け(例えば入札/契約予定日))、表示期間(基準日からの表示日数)、「起案状態」の申込内容も含めて検索対象とするか否か等の情報を入力して「検索実行ボタン」をクリックすると、図3に示すような工事保証金額確認データがサーバ1より送られてくるようになっている。即ち、サーバ1は、登録され蓄積されている工事保証申し込みの内容の保証額と,予めサーバ1に登録されている建設会社と金融機関との間で設定された保証枠の金額と,保証枠の使用可能額確認作業S2において入力される日時情報とに基づいて、基準日以降の日の保証枠の使用可能額を算出する。図3では、2002年4月15日を基準日とした場合に、4月15日以降の1週間の工事保証金額確認データ(金融機関別)が送られてくる例を示している。工事保証金額確認画面10には、金融機関欄11、金融機関が設定している保証枠の金額を示す欄12が表示され、4月15日から1週間の範囲での金融機関毎の保証枠の使用可能額(図の下段()内の数字)、保証実施残高(図の上段の数字)が欄17に表示される(尚、保証枠の金額、使用可能額、保証実施残高の単位は100万円である)。この場合、保証枠の金額=保証枠の使用可能額+保証実施残高である。この保証枠の使用可能額、保証実施残高算出処理は、サーバ1が上記「検索実行ボタン」のクリックによる検索指示コマンドを受けた時に、サーバ1に登録され蓄積されている工事保証申込の内容の保証額と,建設会社と金融機関との間で予め設定された保証枠の金額と,日時情報(基準日、表示期間等)とに基づいて、サーバ1に、将来の時点における保証枠の使用可能額及び保証実施残高を算出させる処理を行わせるプログラムにより実現される。また、詳細欄の請負形態欄13を選択すると、その下の欄に請負形態(単独、JVSP(共同企業体幹事)、JVSB(共同企業体副幹事))が表示され、請負形態各毎の保証枠の金額、保証枠の使用可能額、保証実施残高が上記と同様に表示される。また、支店欄14を選択すると、その下の欄に支店名が表示され、支店毎の保証枠の金額、保証枠の使用可能額、保証実施残高が上記と同様に表示される。更に、「前の週」ボタン15、「次の週」ボタン16をクリックすると、「前の週」、「次の週」の保証枠の使用可能額、保証実施残高が上記と同様に表示される。
【0015】
実際には金融機関の数は多いので、図3の画面において「抽出ボタン」18をクリックすると、将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証申し込み内容の保証金額以上残っている金融機関のみが抽出されて画面に表示される。よって、申込書の保証期間、保証金額等の内容に合致する金融機関の一覧が表示されることになり、より迅速に金融機関を選定できる。上記金融機関の抽出は、「抽出ボタン」18をクリックすることによりサーバ1に送出される金融機関抽出指示に基づいて、サーバ1に、将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証の保証金額以上残っている金融機関を抽出させる処理を行わせるプログラムにより実現される。
【0016】
従って、建設会社の本社(あるいは支店)は、支店からの複数の工事保証の申し込みや工事完了に伴う保証枠の使用可能額のリアルタイムな変化を確認でき、工事保証金額確認画面10を見て、将来の入札時や契約時における保証枠の使用可能額や現在の保証枠の使用可能額を正確に把握できるようになり、入札時において保証枠の金額を超過してしまうような事態の発生を防止でき、限られた保証枠の金額を最大限活用できるため、受注の機会を逸失するというようなことがなくなる。また、「起案状態」のデータを加味しないこともできるので、この場合、保証枠の使用可能額の実状況を正確に把握できる。更に、「起案状態」のデータを加味して保証枠の使用可能額を算出させることにより、「起案状態」の申込の予定を変更することも可能となり、他の工事保証の申し込みの状況も逐次把握できるので、工事保証を付ける優先順位を調整できるようになる。
尚、代理店もサーバ1にアクセスして、保証枠の使用可能額を確認できる。
【0017】
実施の形態2
従来及び実施の形態1では、保証金の納付作業や、債券、保証書の提出(保証書の場合は発行も)を郵送や手交で行わなければならず、また、工事が完了した際の保証金、債券、保証書の返却も伴い、煩雑である。そこで、実施の形態2では、これらの作業を電子的に行えるシステムを説明する。つまり、図4,5に示すように、工事請負業者、金融機関、工事発注者の端末2〜6と工事保証管理機構100のサーバ101とをインターネット、公衆回線網、専用回線等の通信ネットワークにより接続する。尚、サーバ101を備えるので、サーバ1は設けても設けなくてもよい。そして、図6に示すように、工事請負業者、金融機関、工事発注者の電子口座間の電子振り替えを工事保証管理機構100のサーバ101で管理し、工事発注者がサーバ101にアクセスすることにより保証内容を確認できるようにしたものである。尚、図6において、102は工事請負業者の電子口座の内容をイメージ化したもの、103は金融機関(損保)の電子口座の内容をイメージ化したもの、104は工事発注者の電子口座の内容をイメージ化したものである。また、振り替えのイメージを矢印で示している。
【0018】
実施の形態2でも、工事請負業者(建設会社等)は、実施の形態1と同様に工事保証の申し込みを行え、また、実施の形態1と同様にサーバ101を介して申込の内容の登録、保証枠の使用可能額及び保証実施残高の確認を行える。実施の形態2では、更に、サーバ101のデータベースに工事請負業者、金融機関、工事発注者の電子口座102〜104を設け、サーバ101で工事請負業者、金融機関、工事発注者の電子口座102〜104間の電子振り替えを行う。つまり、ここでは、工事発注者より工事請負業者へ工事保証の請求があると、工事請負業者が工事保証を金融機関へ申し込み、金融機関が工事請負業者の支店に保証金、債券、保証書を送る代わりにその申し込み内容を審査して電子保証の発行指示(工事保証をすることを示す指示)をサーバ101に送信し、サーバ101はこの発行指示を受け、振り替えプログラムに基づいて、工事請負業者、金融機関、工事発注者間で電子振り替えを行う。即ち、蓄積している申込書のデータからその電子保証の対象である工事請負業者、金融機関、工事発注者を検索してその電子保証の保証金額を、例えば、図6の発注者口座104に示すように、工事請負業者(依頼者),金融機関(保証人),工事名,保証の種類,保証期間と関連付けて振り替える。従って、工事発注者はサーバ101からの自動振り替え完了通知(保証書預かり通知)を受けて、サーバ101をアクセスすることで保証内容を確認することができるので、工事発注者に対する保証金の納付や、債券、保証書の郵送や手交による提出は不要となり、建設会社や金融機関の手間が省けることになる。また、従来は二者間の電子振り替えは行われているが、本発明のような工事請負業者、金融機関、工事発注者の三者間の連繋した電子振り替えは行われていない。従って、本発明では、工事発注者の電子口座104には、工事請負業者、金融機関の関係を示す内容を付して電子振り替えを行うようにしているので、工事発注者が複数の工事の工事保証、保証内容を一括して把握しやすい電子振り替えを実現できる。また、データの間違いも関係者の承諾を受けて簡単に直せ、保証書の再発行等の手間も省ける。工事が完了した場合には、工事請負業者が工事発注者へ工事完了の報告をした後、工事発注者の検査確認を経て、特に問題がなければその工事の工事保証分の保証金額を、振り替えプログラムに基づいて、工事請負業者、金融機関、工事発注者間で電子振り替えを行うことができるので、工事完了時の工事請負業者に対する保証金額の返却作業も電子振り替えで行えるので、工事発注者の手間が省ける。
尚、サーバ101へのアクセスに関しては、IDとパスワード等による認証により、データの閲覧制限を設けるようにすればよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、将来の入札時や契約時における保証枠の使用可能額を正確に把握できるようになり、将来の入札時や契約時において保証枠の金額を超過してしまうような事態の発生を防止でき、工事請負業者が受注の機会を逸失するようなことを無くせる。
また、工事発注者に対する保証金の納付や、債券、保証書の郵送や手交による提出が不要となり、工事請負業者や金融機関の手間が省けるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による工事保証データ処理方法を実現するシステムを示す図。
【図2】実施の形態1による工事保証手続の概要を示す図。
【図3】実施の形態1による工事保証金額確認画面を示す図。
【図4】実施の形態2による工事保証データ処理方法を実現するシステムを示す図。
【図5】実施の形態2による工事保証データ処理方法を実現するシステムの概念図。
【図6】実施の形態2による電子口座の内容例を示す図。
【図7】従来の工事保証手続の概要を示す図。
【符号の説明】
1,101 サーバ(コンピュータ)、2〜6 端末、102〜104 電子口座。
Claims (9)
- コンピュータに、工事請負業者と金融機関との間で予め設定された保証枠の金額を入力するとともに、工事保証の保証金額を含む工事請負業者から金融機関に対する工事保証申し込みの内容を入力して蓄積させ、かつ、将来の日時情報を入力し、上記保証枠の金額と工事保証申し込みの内容と将来の日時情報とに基づいて、将来の日時における保証枠の使用可能額を算出させることを特徴とする工事保証データ処理方法。
- コンピュータに、将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証の保証金額以上残っている金融機関を抽出させることを特徴とする請求項1に記載の工事保証データ処理方法。
- コンピュータに、工事請負業者と金融機関と工事発注者の電子口座を登録して、工事保証をした場合に、工事発注者の電子口座に工事保証の保証金額を振り替えさせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の工事保証データ処理方法。
- 工事請負業者と金融機関との間で予め設定された保証枠の金額と工事保証の保証金額を含む工事請負業者から金融機関に対する工事保証申し込みの内容と将来の日時情報とを入力する入力手段と、上記保証枠の金額及び工事保証申し込みの内容を蓄積するデータ蓄積手段と、上記保証枠の金額と工事保証申し込みの内容と将来の日時情報とに基づいて、将来の日時における保証枠の使用可能額を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする工事保証データ処理システム。
- 将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証の保証金額以上残っている金融機関を抽出する抽出手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の工事保証データ処理システム。
- 金融機関あるいは建設会社に設置され工事保証をすることを示す指示を入力する入力手段と、上記指示を受信して、予め登録している工事請負業者と金融機関と工事発注者の電子口座間の工事保証の保証金額の電子振り替えを行う電子振り替え手段と、保証金額の電子振り替えが行われた自己の電子口座にアクセス可能な工事発注者の端末とを備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の工事保証データ処理システム。
- コンピュータに、工事請負業者と金融機関との間で予め設定される保証枠の金額と工事保証の保証金額を含む工事請負業者から金融機関に対する工事保証申込の内容と工事請負業者から指示される将来の日時情報とに基づいて、将来の日時における保証枠の使用可能額を算出させる処理を行わせることを特徴とする工事保証データ処理プログラム。
- 金融機関抽出指示に基づいて、コンピュータに、将来の日時において保証枠の使用可能額が工事保証の保証金額以上残っている金融機関を抽出させる処理を行わせることを特徴とする請求項7に記載の工事保証データ処理プログラム。
- 工事請負業者と金融機関と工事発注者の電子口座が登録されたコンピュータに、工事保証をすることを示す指示に基づいて、工事発注者の電子口座に工事保証の保証金額を振り替える処理を行わせることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の工事保証データ処理プログラム。
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