JP2004109893A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像のコントラストを低下させることなく、高い解像度を得ながら、液晶表示装置の視野角を改善する。
【解決手段】液晶セルと偏光板とを有する液晶表示装置において、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に、さらに光拡散板を配置する。そして、透明マトリックス中に透明粒子が分散している光拡散板を使用し、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光の70%以上が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶セルと偏光板とを有する液晶表示装置において、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に、さらに光拡散板を配置する。そして、透明マトリックス中に透明粒子が分散している光拡散板を使用し、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光の70%以上が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶セルと偏光板とを有する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、基本的には、液晶セルと偏光板とが必須の構成要素である。偏光板を通過した直線偏光に対して、液晶セル内の(電圧の印加時と無印加時で異なる配向状態にある)棒状液晶性分子が光学的に機能することによって、画像が表示される。
従来から、液晶表示装置の短所として視野角の狭さが指摘されている。視野角を拡大するため、液晶表示装置の外側に拡散板を設けることが提案されている。
特開平8−118557号、同9−113904号、特開2001−31774号、同2001−133607号の各公報には、透明マトリックス中に透明粒子が分散している光拡散板およびそれを用いた液晶表示装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−118557号公報
【特許文献2】
特開平9−113904号公報
【特許文献3】
特開2001−31774号公報
【特許文献4】
特開2001−133607号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者が液晶表示装置に用いる光拡散板について研究を進めた結果、高い解像度を得るために、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に光拡散板を配置することが望ましいことが判明した。特にカラー画像表示のため、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内にカラーフィルターを設けることがあり、その場合は、カラーフィルターの近傍(厚さ方向の距離で0.5mm以内)に光拡散板を配置すると高い解像度が得られる。
しかし、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に通常の光拡散板を配置すると、光拡散板が偏光を解消し、画像のコントラストを低下させる問題がある。
本発明の目的は、画像のコントラストを低下させることなく、高い解像度を得ながら、液晶表示装置の視野角を改善することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、液晶セルと偏光板とを有する液晶表示装置であって、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に、さらに光拡散板を有し、光拡散板では透明マトリックス中に透明粒子が分散しており、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光の70%以上が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板が構成されていることを特徴とする液晶表示装置により達成された。
なお、液晶セルと偏光板との間は、液晶セルの一方(偏光板側)の基板と偏光板との間を意味し、液晶セル内は、液晶セルの二枚の基板の間を意味する。
【0006】
【発明の効果】
本発明者の研究の結果、特定の光拡散板を使用するならば、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に光拡散板を配置しても、偏光解消が少なく、画像のコントラストが低下しない場合があることが判明した。特定の光拡散板とは、光拡散板を透過する光の大部分(70%以上)が、2個以上の透明粒子を通過する構成である。これにより、光拡散板を液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に配置することが可能になった。
光拡散板を液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に配置すると、表示画像の解像度を低下させることなく、液晶表示装置の視野角を拡大できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
[液晶表示装置の構成]
本発明では、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に、光拡散板を配置する。本発明は、透過型液晶表示装置において特に効果がある。
図1は、透過型液晶表示装置の断面模式図である。
図1に示す透過型液晶表示装置は、光源(1)、導光板(2)、下側偏光板(3)、下側基板(4)、液晶層(5)、カラーフィルター(6)、光拡散板(7)、上側基板(8)および上側偏光板(9)からなる。
図1に示す透過型液晶表示装置の上側から表示画像を観察する。光源(1)および導光板(2)がバックライトを構成し、下側基板(4)〜上側基板(8)が液晶セルを構成する。図1に示す透過型液晶表示装置は、光拡散板(7)が液晶セル(1〜8)内に配置されている態様である。光拡散板(7)は、液晶セル(1〜8)内、あるいは下側偏光板(3)と下側基板(4)との間、または上側基板(8)と上側偏光板(9)との間に配置することができる。ただし、光拡散板(7)は、カラーフィルター(6)の近く(カラーフィルターから0.5mm以内の距離)に配置することが好ましく、カラーフィルター(6)に接する位置に配置することがさらに好ましい。従って、光拡散板(7)を液晶セル(1〜8)内に配置する場合は、図1に示す位置に光拡散板(7)を設けることが特に好ましく、光拡散板(7)を液晶セルと偏光板との間に配置する場合は、上側基板(8)と上側偏光板(9)との間に光拡散板(7)を設けることが特に好ましい。
【0008】
[光拡散板]
本発明に用いる光拡散板は、透明マトリックス中に透明粒子が分散している。そして、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光の70%以上が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板が構成されている。
透明粒子は、光拡散用の微小レンズとして機能する。透明粒子は、ガラスまたはポリマーから形成できる。ガラスよりもポリマーが好ましい。ポリマーの例には、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンおよびポリウレタンが含まれる。透明粒子の表面に反射防止処理を施してもよい。
透明粒子の平均粒径は、1μm以上が好ましく、1乃至100μmがより好ましく、1乃至10μmがさらに好ましい。粒径の分布は、なるべく均一であることが望ましい。
【0009】
透明マトリックスは、ポリマーからなることが好ましい。天然または合成ポリマーが利用可能である。ポリマーの例には、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムおよびノルボルネン樹脂が含まれる。
透明粒子/透明マトリックスの体積比は、35/65乃至55/45であることが好ましい。透明粒子の屈折率と透明マトリックスの屈折率との差は、0.01乃至0.5であることが好ましく、0.05乃至0.4であることがより好ましい。
【0010】
図2は、光拡散板の面の法線方向に入射した光の拡散を示す断面模式図である。図2に示す光拡散板は、第1層(71)および第2層(72)からなり、いずれの層も透明マトリックス中に透明粒子が分散している。
光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光は、一部(L7)は全く透明粒子を通過せず、一部(L3、L8)は1個の透明粒子のみを通過し、残り(L1、L2、L4〜L6、L9、L10)は少なくとも2個の透明粒子を通過する。
本発明では、70%以上の光が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板を構成する。そのためには、図2に示すように光拡散板を複数の層で形成することが好ましい。
【0011】
光拡散板は、透明支持体を有することが好ましい。透明マトリックス中に透明粒子が分散している層は、塗布層として透明支持体上に設けることができる。
透明支持体は、通常、ガラス板またはポリマーフイルムを用いる。光拡散板では、柔軟かつ軽量であるポリマーフイルムを透明支持体として用いることが好ましい。
ポリマーフイルムに用いるポリマーの例には、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびノルボルネン樹脂が含まれる。セルロースエステル(例、セルロースアセテート)、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンが好ましい。
透明支持体は、25乃至500μmの厚さを有することが好ましく、30乃至300μmの厚さを有することがさらに好ましい。
ポリマーフイルムからなる透明支持体は、溶液流延法または溶融流延法により製造できる。溶液流延法では、ポリマーの溶液をベルトまたはバンド上に流延して、ポリマーフイルムを形成する。溶融流延法では、ポリマーを熱で溶融してから流延する。
【0012】
[液晶セルおよび液晶表示装置]
液晶セルは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。TN、STNおよびHANが好ましく、TNが特に好ましい。
前述したように、本発明は、透過型の液晶表示装置において、特に有効である。液晶表示装置における他の構成要素(光源、導光板、偏光板、カラーフィルター)については、従来の液晶表示装置と同様である。
【0013】
【実施例】
[実施例1]
厚さ200μmのセルロールトリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
ポリメチルメタクリレート(屈折率:1.49)の溶液に、ポリスチレンからなる平均粒径が1.0μmの透明粒子(屈折率:1.57)を分散して塗布液を調製した。塗布液を粒子が重ならずに一層並ぶように、ナイフコーターで塗布し、第1層を形成した。第1層を乾燥後、第1層と同じ塗布液を第1層の上に同様に塗布して、第2層を形成した。
以上のように、第1層および第2層からなる光拡散板を作製した。透明粒子/透明マトリックス(ポリメチルメタクリレート)の体積比は、50/50であった。また、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光が少なくとも2個の透明粒子を通過する割合は、75%であった。
ゴニオメーター(シグマ光機社製)で放射光強度の半値幅を測定したところ35度であった。
偏光子と検光子との間に光拡散板を挟み、偏光子と検光子の透過軸を平行にして透過率を測定した。次に、偏光子と検光子の透過軸を直交させ透過率を測定した。平行の場合の透過率/直交の場合の透過率をコントラストとして求めたところ、値は320であった。
【0014】
[実施例2]
厚さ200μmのセルロールトリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
ポリメチルメタクリレート(屈折率:1.49)の溶液に、ポリスチレンからなる平均粒径が1.0μmの透明粒子(屈折率:1.57)を分散して塗布液を調製した。塗布液を粒子が重ならずに一層並ぶように、ナイフコーターで塗布し、第1層を形成した。第1層を乾燥後、第1層と同じ塗布液を第1層の上に同様に塗布して、第2層を形成した。さらに塗布を繰り返して、第3層、第4層および第5層を形成した。
以上のように、第1層〜第5層からなる光拡散板を作製した。透明粒子/透明マトリックス(ポリメチルメタクリレート)の体積比は、50/50であった。また、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光が少なくとも2個の透明粒子を通過する割合は、100%であった。
ゴニオメーター(シグマ光機社製)で放射光強度の半値幅を測定したところ35度であった。
偏光子と検光子との間に光拡散板を挟み、偏光子と検光子の透過軸を平行にして透過率を測定した。次に、偏光子と検光子の透過軸を直交させ透過率を測定した。平行の場合の透過率/直交の場合の透過率をコントラストとして求めたところ、値は350であった。
【0015】
[比較例1]
厚さ200μmのセルロールトリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
ポリメチルメタクリレート(屈折率:1.49)の溶液に、ポリスチレンからなる平均粒径が0.75μmの透明粒子(屈折率:1.57)を分散して塗布液を調製した。塗布液を粒子が重ならずに一層並ぶように、ナイフコーターで塗布し、塗布層を形成した。
以上の塗布層からなる光拡散板を作製した。透明粒子/透明マトリックス(ポリメチルメタクリレート)の体積比は、50/50であった。また、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光が少なくとも2個の透明粒子を通過する割合は、10%であった。
ゴニオメーター(シグマ光機社製)で放射光強度の半値幅を測定したところ35度であった。
偏光子と検光子との間に光拡散板を挟み、偏光子と検光子の透過軸を平行にして透過率を測定した。次に、偏光子と検光子の透過軸を直交させ透過率を測定した。平行の場合の透過率/直交の場合の透過率をコントラストとして求めたところ、値は200であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過型液晶表示装置の断面模式図である。
【図2】光拡散板の面の法線方向に入射した光の拡散を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 光源
2 導光板
3 下側偏光板
4 下側基板
5 液晶層
6 カラーフィルター
7 光拡散板
71 第1層
72 第2層
8 上側基板
9 上側偏光板
L1〜L10 光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶セルと偏光板とを有する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、基本的には、液晶セルと偏光板とが必須の構成要素である。偏光板を通過した直線偏光に対して、液晶セル内の(電圧の印加時と無印加時で異なる配向状態にある)棒状液晶性分子が光学的に機能することによって、画像が表示される。
従来から、液晶表示装置の短所として視野角の狭さが指摘されている。視野角を拡大するため、液晶表示装置の外側に拡散板を設けることが提案されている。
特開平8−118557号、同9−113904号、特開2001−31774号、同2001−133607号の各公報には、透明マトリックス中に透明粒子が分散している光拡散板およびそれを用いた液晶表示装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−118557号公報
【特許文献2】
特開平9−113904号公報
【特許文献3】
特開2001−31774号公報
【特許文献4】
特開2001−133607号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者が液晶表示装置に用いる光拡散板について研究を進めた結果、高い解像度を得るために、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に光拡散板を配置することが望ましいことが判明した。特にカラー画像表示のため、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内にカラーフィルターを設けることがあり、その場合は、カラーフィルターの近傍(厚さ方向の距離で0.5mm以内)に光拡散板を配置すると高い解像度が得られる。
しかし、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に通常の光拡散板を配置すると、光拡散板が偏光を解消し、画像のコントラストを低下させる問題がある。
本発明の目的は、画像のコントラストを低下させることなく、高い解像度を得ながら、液晶表示装置の視野角を改善することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、液晶セルと偏光板とを有する液晶表示装置であって、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に、さらに光拡散板を有し、光拡散板では透明マトリックス中に透明粒子が分散しており、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光の70%以上が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板が構成されていることを特徴とする液晶表示装置により達成された。
なお、液晶セルと偏光板との間は、液晶セルの一方(偏光板側)の基板と偏光板との間を意味し、液晶セル内は、液晶セルの二枚の基板の間を意味する。
【0006】
【発明の効果】
本発明者の研究の結果、特定の光拡散板を使用するならば、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に光拡散板を配置しても、偏光解消が少なく、画像のコントラストが低下しない場合があることが判明した。特定の光拡散板とは、光拡散板を透過する光の大部分(70%以上)が、2個以上の透明粒子を通過する構成である。これにより、光拡散板を液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に配置することが可能になった。
光拡散板を液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に配置すると、表示画像の解像度を低下させることなく、液晶表示装置の視野角を拡大できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
[液晶表示装置の構成]
本発明では、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に、光拡散板を配置する。本発明は、透過型液晶表示装置において特に効果がある。
図1は、透過型液晶表示装置の断面模式図である。
図1に示す透過型液晶表示装置は、光源(1)、導光板(2)、下側偏光板(3)、下側基板(4)、液晶層(5)、カラーフィルター(6)、光拡散板(7)、上側基板(8)および上側偏光板(9)からなる。
図1に示す透過型液晶表示装置の上側から表示画像を観察する。光源(1)および導光板(2)がバックライトを構成し、下側基板(4)〜上側基板(8)が液晶セルを構成する。図1に示す透過型液晶表示装置は、光拡散板(7)が液晶セル(1〜8)内に配置されている態様である。光拡散板(7)は、液晶セル(1〜8)内、あるいは下側偏光板(3)と下側基板(4)との間、または上側基板(8)と上側偏光板(9)との間に配置することができる。ただし、光拡散板(7)は、カラーフィルター(6)の近く(カラーフィルターから0.5mm以内の距離)に配置することが好ましく、カラーフィルター(6)に接する位置に配置することがさらに好ましい。従って、光拡散板(7)を液晶セル(1〜8)内に配置する場合は、図1に示す位置に光拡散板(7)を設けることが特に好ましく、光拡散板(7)を液晶セルと偏光板との間に配置する場合は、上側基板(8)と上側偏光板(9)との間に光拡散板(7)を設けることが特に好ましい。
【0008】
[光拡散板]
本発明に用いる光拡散板は、透明マトリックス中に透明粒子が分散している。そして、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光の70%以上が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板が構成されている。
透明粒子は、光拡散用の微小レンズとして機能する。透明粒子は、ガラスまたはポリマーから形成できる。ガラスよりもポリマーが好ましい。ポリマーの例には、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンおよびポリウレタンが含まれる。透明粒子の表面に反射防止処理を施してもよい。
透明粒子の平均粒径は、1μm以上が好ましく、1乃至100μmがより好ましく、1乃至10μmがさらに好ましい。粒径の分布は、なるべく均一であることが望ましい。
【0009】
透明マトリックスは、ポリマーからなることが好ましい。天然または合成ポリマーが利用可能である。ポリマーの例には、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムおよびノルボルネン樹脂が含まれる。
透明粒子/透明マトリックスの体積比は、35/65乃至55/45であることが好ましい。透明粒子の屈折率と透明マトリックスの屈折率との差は、0.01乃至0.5であることが好ましく、0.05乃至0.4であることがより好ましい。
【0010】
図2は、光拡散板の面の法線方向に入射した光の拡散を示す断面模式図である。図2に示す光拡散板は、第1層(71)および第2層(72)からなり、いずれの層も透明マトリックス中に透明粒子が分散している。
光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光は、一部(L7)は全く透明粒子を通過せず、一部(L3、L8)は1個の透明粒子のみを通過し、残り(L1、L2、L4〜L6、L9、L10)は少なくとも2個の透明粒子を通過する。
本発明では、70%以上の光が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板を構成する。そのためには、図2に示すように光拡散板を複数の層で形成することが好ましい。
【0011】
光拡散板は、透明支持体を有することが好ましい。透明マトリックス中に透明粒子が分散している層は、塗布層として透明支持体上に設けることができる。
透明支持体は、通常、ガラス板またはポリマーフイルムを用いる。光拡散板では、柔軟かつ軽量であるポリマーフイルムを透明支持体として用いることが好ましい。
ポリマーフイルムに用いるポリマーの例には、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびノルボルネン樹脂が含まれる。セルロースエステル(例、セルロースアセテート)、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンが好ましい。
透明支持体は、25乃至500μmの厚さを有することが好ましく、30乃至300μmの厚さを有することがさらに好ましい。
ポリマーフイルムからなる透明支持体は、溶液流延法または溶融流延法により製造できる。溶液流延法では、ポリマーの溶液をベルトまたはバンド上に流延して、ポリマーフイルムを形成する。溶融流延法では、ポリマーを熱で溶融してから流延する。
【0012】
[液晶セルおよび液晶表示装置]
液晶セルは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。TN、STNおよびHANが好ましく、TNが特に好ましい。
前述したように、本発明は、透過型の液晶表示装置において、特に有効である。液晶表示装置における他の構成要素(光源、導光板、偏光板、カラーフィルター)については、従来の液晶表示装置と同様である。
【0013】
【実施例】
[実施例1]
厚さ200μmのセルロールトリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
ポリメチルメタクリレート(屈折率:1.49)の溶液に、ポリスチレンからなる平均粒径が1.0μmの透明粒子(屈折率:1.57)を分散して塗布液を調製した。塗布液を粒子が重ならずに一層並ぶように、ナイフコーターで塗布し、第1層を形成した。第1層を乾燥後、第1層と同じ塗布液を第1層の上に同様に塗布して、第2層を形成した。
以上のように、第1層および第2層からなる光拡散板を作製した。透明粒子/透明マトリックス(ポリメチルメタクリレート)の体積比は、50/50であった。また、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光が少なくとも2個の透明粒子を通過する割合は、75%であった。
ゴニオメーター(シグマ光機社製)で放射光強度の半値幅を測定したところ35度であった。
偏光子と検光子との間に光拡散板を挟み、偏光子と検光子の透過軸を平行にして透過率を測定した。次に、偏光子と検光子の透過軸を直交させ透過率を測定した。平行の場合の透過率/直交の場合の透過率をコントラストとして求めたところ、値は320であった。
【0014】
[実施例2]
厚さ200μmのセルロールトリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
ポリメチルメタクリレート(屈折率:1.49)の溶液に、ポリスチレンからなる平均粒径が1.0μmの透明粒子(屈折率:1.57)を分散して塗布液を調製した。塗布液を粒子が重ならずに一層並ぶように、ナイフコーターで塗布し、第1層を形成した。第1層を乾燥後、第1層と同じ塗布液を第1層の上に同様に塗布して、第2層を形成した。さらに塗布を繰り返して、第3層、第4層および第5層を形成した。
以上のように、第1層〜第5層からなる光拡散板を作製した。透明粒子/透明マトリックス(ポリメチルメタクリレート)の体積比は、50/50であった。また、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光が少なくとも2個の透明粒子を通過する割合は、100%であった。
ゴニオメーター(シグマ光機社製)で放射光強度の半値幅を測定したところ35度であった。
偏光子と検光子との間に光拡散板を挟み、偏光子と検光子の透過軸を平行にして透過率を測定した。次に、偏光子と検光子の透過軸を直交させ透過率を測定した。平行の場合の透過率/直交の場合の透過率をコントラストとして求めたところ、値は350であった。
【0015】
[比較例1]
厚さ200μmのセルロールトリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
ポリメチルメタクリレート(屈折率:1.49)の溶液に、ポリスチレンからなる平均粒径が0.75μmの透明粒子(屈折率:1.57)を分散して塗布液を調製した。塗布液を粒子が重ならずに一層並ぶように、ナイフコーターで塗布し、塗布層を形成した。
以上の塗布層からなる光拡散板を作製した。透明粒子/透明マトリックス(ポリメチルメタクリレート)の体積比は、50/50であった。また、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光が少なくとも2個の透明粒子を通過する割合は、10%であった。
ゴニオメーター(シグマ光機社製)で放射光強度の半値幅を測定したところ35度であった。
偏光子と検光子との間に光拡散板を挟み、偏光子と検光子の透過軸を平行にして透過率を測定した。次に、偏光子と検光子の透過軸を直交させ透過率を測定した。平行の場合の透過率/直交の場合の透過率をコントラストとして求めたところ、値は200であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過型液晶表示装置の断面模式図である。
【図2】光拡散板の面の法線方向に入射した光の拡散を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 光源
2 導光板
3 下側偏光板
4 下側基板
5 液晶層
6 カラーフィルター
7 光拡散板
71 第1層
72 第2層
8 上側基板
9 上側偏光板
L1〜L10 光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光
Claims (1)
- 液晶セルと偏光板とを有する液晶表示装置であって、液晶セルと偏光板との間または液晶セル内に、さらに光拡散板を有し、光拡散板では透明マトリックス中に透明粒子が分散しており、光拡散板の面の法線方向に入射して光拡散板を透過する光の70%以上が、少なくとも2個の透明粒子を通過するように光拡散板が構成されていることを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002275726A JP2004109893A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | 液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002275726A JP2004109893A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | 液晶表示装置 |
Publications (1)
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JP2004109893A true JP2004109893A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32271835
Family Applications (1)
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JP2002275726A Withdrawn JP2004109893A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | 液晶表示装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004109893A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008090929A1 (ja) * | 2007-01-23 | 2008-07-31 | Asahi Glass Company, Limited | 光拡散板、光拡散層形成用組成液および光拡散板の製造方法 |
-
2002
- 2002-09-20 JP JP2002275726A patent/JP2004109893A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008090929A1 (ja) * | 2007-01-23 | 2008-07-31 | Asahi Glass Company, Limited | 光拡散板、光拡散層形成用組成液および光拡散板の製造方法 |
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Legal Events
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