JP2004109649A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の中央部厚肉の芯金形状と同等の温度分布を有する定着ローラを、芯金素菅材料のロスを少なくして製作する。また、機械全体が冷えた状態で、ウォームアップ直後に連続通紙した場合、あるいは幅が狭い紙を連続通紙した場合のオフセットの発生を防止することができる定着装置を提供する。
【解決手段】定着ローラを構成する芯金21の中央部の内側に、パイプ1を設ける。このパイプ1の両端部は、リング11によって軸方向へ動かないように芯金21へ固定する。また、パイプ1の表面には、芯金21、第1絶縁層3、断熱層4、発熱体5、第2絶縁層6、離型層基体7、離型層8を順次構成する。さらに、定着ローラの両端部には、外部からの給電手段と接触する電極端子部9と、この電極端子部を固体保持する電極固定部材10を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】定着ローラを構成する芯金21の中央部の内側に、パイプ1を設ける。このパイプ1の両端部は、リング11によって軸方向へ動かないように芯金21へ固定する。また、パイプ1の表面には、芯金21、第1絶縁層3、断熱層4、発熱体5、第2絶縁層6、離型層基体7、離型層8を順次構成する。さらに、定着ローラの両端部には、外部からの給電手段と接触する電極端子部9と、この電極端子部を固体保持する電極固定部材10を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真プロセスを利用した機器に使用される加熱ローラ型の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、加熱ローラ型の定着装置は、粉体現像剤からなる現像剤像を担持した用紙を加熱する定着ローラと、加圧しつつ搬送する加圧ローラとを備え、これら定着ローラと加圧ローラとの圧接部である定着ポイントを用紙が通過することで、この用紙上の現像剤を融着圧着して定着するように構成していた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
上記従来の定着装置に用いられていた定着ローラの一例を図4(a)(b)に基づき説明する。図4(a)(b)に示す従来の定着ローラは、芯金2の表面に、第1絶縁層3、断熱層4、発熱体5、第2絶縁層6、離型層基体7、離型層8を順次有する構成で、且つ両端部に外部からの給電手段と接触可能なネジ部を備えた電極端子部9と、この電極端子部9を定着ローラに対し固定保持する樹脂製の電極固定部材10とを備えた構成をしている。また、芯金2の表面に設けた第1絶縁層3と断熱層4との位置関係を入れ替えて構成することも行われていた。
【0004】
また、定着ローラの芯金2は、アルミニウムや銅などの金属製で、立ち上がり時の定着ローラの表面温度を一様にするために、図4(b)に示すように、中央部2aを両端部2bよりも厚くして、熱容量を増加させるように形成していた。
【0005】
従来は、芯金2の中央部2aを両端部2bに比べて厚く形成するために、図5に示すように、中央部に絞り加工を施し、全体を切削して形成していた。図5(a)は、中央絞り加工前の部材であり、図5(b)は、中央絞り加工後の部材である。さらに、図5(c)は、切削加工を施した後の芯金2で、中央部2aは両端部2bよりも厚肉に形成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−181258号公報(第2−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の定着装置の定着ローラは、図5で示すように、芯金素菅は厚肉の材料を使用し、多くの部分を削って形成しているため、材料に無駄が多いという問題点があった。
【0008】
また、従来の定着装置は、機械全体が冷えた状態で、ウォームアップ直後に連続通紙を行なうと、紙、加圧ローラ、定着ローラ等が熱を奪い、一時的に表面温度が落ち込んで、トナーがオフセット(コールドオフセット)する問題点があった。さらに、幅が狭い紙(例えば、A4縦サイズ)を連続で通紙すると、定着ローラの両端温度が上昇して、トナーがオフセット(ホットオフセット)する問題点があった。
【0009】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の中央部厚肉の芯金形状と同等の温度分布を有する定着ローラを、芯金素菅材料のロスを少なくして製作できるようにするとともに、機械全体が冷えた状態で、ウォームアップ直後に連続通紙を行なった場合、あるいは幅が狭い紙を連続で通紙した場合のオフセットの発生を防止することができる定着装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転駆動される定着ローラと、その定着ローラに所定圧力をもって当接される回転自在な加圧ローラとを備え、この回転する2つのローラ間にトナー画像が転写された転写材を挿通することにより、トナー画像を加熱溶融して転写材上に融着するように構成した定着装置において、上記定着ローラは、パイプの表面に、芯金、第1絶縁層、断熱材、発熱体、第2絶縁層、離型層基体、離型層、または芯金、断熱層、第1絶縁層、発熱体、第2絶縁層、離型層基体、離型層を順次有する構成で且つ両端部に外部からの給電手段と接触が可能な電極端子部と、この電極端子部を定着ローラに対して固定保持する電極固定部材とを備えた構成であることを特徴とするものである。
上記構成により、定着ローラを構成する芯金の内側にパイプを設けているため、従来の中央厚肉の芯金形状と同等の温度分布を有する定着ローラが形成される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラの芯金の内側に設けたパイプは、芯金より熱伝導率が低い材料を使用していることを特徴とするものである。
上記構成により、定着ローラの表面温度の落ち込みを少なくする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラの芯金の内側に設けたパイプは、熱伝導に異方性を有し、軸方向には熱伝導性が高く、法線方向及び接線方向には熱伝導率が低い材料を使用していることを特徴とするものである。
上記構成により、パイプの軸方向には熱が伝わりやすく、法線方向及び接線方向には熱が伝わりにくくなる。このため、離型層基体の熱が無駄に芯金に奪われることはなく、且つ軸方向の温度分布は均一になる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラのパイプ内部の軸線方向に、複数本のヒートパイプを設けたことを特徴とするものである。
上記構成により、連続通紙時に、均一な温度分布が得られる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1から4のうちいずれか一項記載の定着装置において、上記定着ローラの芯金内部に、2箇所の溝を設け、その溝間にリングでパイプを固定するように構成したものである。
上記構成により、パイプに芯金よりも線膨張率の小さい材料を使用しても、通電時に、パイプが緩んで動いてしまうような不具合は発生しない。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
なお、図4に示す従来例と同一部分は、同一符号を付し、その共通する箇所の詳細な説明は、重複するため省略する。
図1は本発明に係る定着装置に用いる定着ローラの第1の実施例を示すものであって、図1(a)は、定着ローラの要部拡大断面図(図1(b)のA部拡大図)、図1(b)は定着ローラの断面図である。
【0016】
図1に示す定着ローラは、芯金21の中央部の内側に、アルミニウム製のパイプ1を設けている。このパイプ1の両端は、リング(例えば、Cリング)11によって軸方向へ動かないように固定されている。リング11は、芯金21の内面にリング11の形状に合わせて設けた溝13へ嵌合され、パイプ1の両端を固定している。
【0017】
芯金21にパイプ1を固定する方法としては、熱カシメする方法もあるが、芯金21より線膨張率が小さい材料をパイプ1に使用すると、通電時に緩んでパイプ1が動いてしまう不具合がある。また、発熱体に近い芯金21の温度が通電時にパイプ1の温度より高くなることから、芯金21とパイプ1が同材質でも動いてしまう可能性がある。そこで、この第1の実施例の定着ローラのように、芯金21の内面に、2箇所の溝13を設け、この2つの溝13間にリング11でパイプ1の両端を固定する方法を用いることにより、パイプ1に芯金21よりも線膨張率が小さい材料を使用しても、通電時にパイプ1が動くようなことはない。
【0018】
また、この定着ローラは、図1(a)に示すように、パイプ1の表面に、芯金21、第1絶縁層3、断熱層4、発熱体5、第2絶縁層6、離型層基体7、離型層8を順次有する構成をしている。なお、この場合、第1絶縁層3と断熱層4の位置関係を入れ替えて構成することも可能である。
【0019】
さらに、図1に示す定着ローラは、その両端部に、外部からの給電手段と接触可能なネジ部を備えた電極端子部9と、この電極端子部9を定着ローラに固定保持する樹脂製の電極固定部材10とを備えている。
【0020】
上記のように構成した、第1の実施例の定着装置においては、芯金21の内側にパイプ1を設けているため、従来の図4に示す中央部厚肉の芯金2と同等の温度分布を有する定着ローラを、芯金素菅材料のロスを少なくして製作することが可能となる。
【0021】
次に、本発明に係る定着装置の第2の実施例につい説明する。
この第2の実施例は、上述した図1に示す第1の実施例と同じ構成で、芯金21内にあるパイプ1の材質を熱伝導性が低いステンレスを使用する。パイプ1の熱伝導率が低くなると、立ち上がり時に、離型層8側に多くの熱が供給されるために、温度の落ち込みを少なくすることができる。このパイプ1にステンレスを使用した定着ローラを電子写真複写機に搭載して、機械全体が冷えた状態で、ウォームアップ直後に連続通紙を行なったが、オフセット(コールドオフセット)は生じなかった。
【0022】
次に、本発明に係る定着装置の第3の実施例について説明する。
この第3の実施例は、上述した図1に示す第1の実施例と同じ構成で、芯金21内にあるパイプ1の材質を熱伝導に異方性を持つ材料を使用する。例えば、炭素繊維の向きを軸方向に揃えて固めて形成したパイプ1を使用する。熱は繊維の方向には伝わりやすいが、繊維の直角方向には伝わりにくい。したがって、芯金21内にあるパイプ1は、熱伝導に異方性を有し、軸方向には熱伝導率が高く、法線方向及び接線方向へは熱が伝わり難くなっている。このため、離型層基体7の熱が無駄に芯金21に奪われることはなく、且つ軸方向の温度分布は均一になる。このパイプ1に熱伝導に異方性を持つ材料を使用した定着ローラを電子写真複写機に搭載して、A4縦サイズを連続で通紙したが、オフセット(ホットオフセット)しなかった。
【0023】
本発明に係る定着装置の第4の実施例について説明する。
この第4の実施例は、上述した図1に示す第1の実施例と同じ構成で、図2及び図3に示すように、軸方向にヒートパイプ12を複数本設けたパイプ1を使用する。このように、パイプ1の内部の軸方向に複数本のヒートパイプ12設けたため、連続通紙時に均一な温度分布が得られる。このパイプ1にヒートパイプ12を設けた定着ローラを電子写真複写機に搭載して、A4縦サイズを連続で通紙したが、オフセット(ホットオフセット)しなかった。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、請求項1の発明によれば、芯金の内側にパイプを設けたことにより、従来の中央部厚肉の芯金形状と同等の温度分布を有する定着ローラを、芯金素菅材料のロスを少なくして製作することができる。
【0025】
請求項2の発明によれば、パイプは芯金より熱伝伝導が低い材料を使用するため、定着ローラの表面温度の落ち込みを少なくすることができるという優れた効果がある。
【0026】
請求項3の発明によれば、芯金内に設けたパイプは、熱伝導に異方性を有し、軸方向には熱伝導率が高く、法線方向及び接線方向には熱伝導率が低い材料を使用しているため、軸方向には熱が伝わりやすく、法線方向及び接線方向には熱が伝わりにくくなっている。このため、離型層基体の熱が無駄に芯金に奪われることがなく、且つ軸方向の温度分布は均一となる。
【0027】
請求項4の発明によれば、パイプ内部の軸方向に複数本のヒートパイプを有するため、連続通紙時に均一な温度分布が得られるという効果がある。
【0028】
請求項5の発明によれば、芯金内面に2箇所の溝を設け、その溝間に取り付けたリングでパイプの両端部を固定しているので、パイプに芯金よりも線膨張率が小さい材料を使用しても、通電時に、パイプが動くような不具合は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着装置に用いる定着ローラの第1の実施例を示し、(a)は要部断面図((b)のA部拡大図)、(b)は全体断面図である。
【図2】本発明に係る定着装置に用いる定着ローラの第2の実施例を示す断面図である。
【図3】図2に示す定着ローラに用いるパイプの実施例を示す断面図である。
【図4】従来の定着装置に用いられていた定着ローラの一例を示し、(a)は要部断面図((b)のB部拡大図)、(b)は全体断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、図4の定着ローラに用いられていた芯金の製作過程を順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 パイプ
2、21 芯金
3 第1絶縁層
4 断熱層
5 発熱体
6 第2絶縁層
7 離型層基体
8 離型層
9 電極端子部
10 電極固定部材
11 リング
12 ヒートパイプ
13 溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真プロセスを利用した機器に使用される加熱ローラ型の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、加熱ローラ型の定着装置は、粉体現像剤からなる現像剤像を担持した用紙を加熱する定着ローラと、加圧しつつ搬送する加圧ローラとを備え、これら定着ローラと加圧ローラとの圧接部である定着ポイントを用紙が通過することで、この用紙上の現像剤を融着圧着して定着するように構成していた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
上記従来の定着装置に用いられていた定着ローラの一例を図4(a)(b)に基づき説明する。図4(a)(b)に示す従来の定着ローラは、芯金2の表面に、第1絶縁層3、断熱層4、発熱体5、第2絶縁層6、離型層基体7、離型層8を順次有する構成で、且つ両端部に外部からの給電手段と接触可能なネジ部を備えた電極端子部9と、この電極端子部9を定着ローラに対し固定保持する樹脂製の電極固定部材10とを備えた構成をしている。また、芯金2の表面に設けた第1絶縁層3と断熱層4との位置関係を入れ替えて構成することも行われていた。
【0004】
また、定着ローラの芯金2は、アルミニウムや銅などの金属製で、立ち上がり時の定着ローラの表面温度を一様にするために、図4(b)に示すように、中央部2aを両端部2bよりも厚くして、熱容量を増加させるように形成していた。
【0005】
従来は、芯金2の中央部2aを両端部2bに比べて厚く形成するために、図5に示すように、中央部に絞り加工を施し、全体を切削して形成していた。図5(a)は、中央絞り加工前の部材であり、図5(b)は、中央絞り加工後の部材である。さらに、図5(c)は、切削加工を施した後の芯金2で、中央部2aは両端部2bよりも厚肉に形成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−181258号公報(第2−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の定着装置の定着ローラは、図5で示すように、芯金素菅は厚肉の材料を使用し、多くの部分を削って形成しているため、材料に無駄が多いという問題点があった。
【0008】
また、従来の定着装置は、機械全体が冷えた状態で、ウォームアップ直後に連続通紙を行なうと、紙、加圧ローラ、定着ローラ等が熱を奪い、一時的に表面温度が落ち込んで、トナーがオフセット(コールドオフセット)する問題点があった。さらに、幅が狭い紙(例えば、A4縦サイズ)を連続で通紙すると、定着ローラの両端温度が上昇して、トナーがオフセット(ホットオフセット)する問題点があった。
【0009】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の中央部厚肉の芯金形状と同等の温度分布を有する定着ローラを、芯金素菅材料のロスを少なくして製作できるようにするとともに、機械全体が冷えた状態で、ウォームアップ直後に連続通紙を行なった場合、あるいは幅が狭い紙を連続で通紙した場合のオフセットの発生を防止することができる定着装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転駆動される定着ローラと、その定着ローラに所定圧力をもって当接される回転自在な加圧ローラとを備え、この回転する2つのローラ間にトナー画像が転写された転写材を挿通することにより、トナー画像を加熱溶融して転写材上に融着するように構成した定着装置において、上記定着ローラは、パイプの表面に、芯金、第1絶縁層、断熱材、発熱体、第2絶縁層、離型層基体、離型層、または芯金、断熱層、第1絶縁層、発熱体、第2絶縁層、離型層基体、離型層を順次有する構成で且つ両端部に外部からの給電手段と接触が可能な電極端子部と、この電極端子部を定着ローラに対して固定保持する電極固定部材とを備えた構成であることを特徴とするものである。
上記構成により、定着ローラを構成する芯金の内側にパイプを設けているため、従来の中央厚肉の芯金形状と同等の温度分布を有する定着ローラが形成される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラの芯金の内側に設けたパイプは、芯金より熱伝導率が低い材料を使用していることを特徴とするものである。
上記構成により、定着ローラの表面温度の落ち込みを少なくする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラの芯金の内側に設けたパイプは、熱伝導に異方性を有し、軸方向には熱伝導性が高く、法線方向及び接線方向には熱伝導率が低い材料を使用していることを特徴とするものである。
上記構成により、パイプの軸方向には熱が伝わりやすく、法線方向及び接線方向には熱が伝わりにくくなる。このため、離型層基体の熱が無駄に芯金に奪われることはなく、且つ軸方向の温度分布は均一になる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラのパイプ内部の軸線方向に、複数本のヒートパイプを設けたことを特徴とするものである。
上記構成により、連続通紙時に、均一な温度分布が得られる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1から4のうちいずれか一項記載の定着装置において、上記定着ローラの芯金内部に、2箇所の溝を設け、その溝間にリングでパイプを固定するように構成したものである。
上記構成により、パイプに芯金よりも線膨張率の小さい材料を使用しても、通電時に、パイプが緩んで動いてしまうような不具合は発生しない。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
なお、図4に示す従来例と同一部分は、同一符号を付し、その共通する箇所の詳細な説明は、重複するため省略する。
図1は本発明に係る定着装置に用いる定着ローラの第1の実施例を示すものであって、図1(a)は、定着ローラの要部拡大断面図(図1(b)のA部拡大図)、図1(b)は定着ローラの断面図である。
【0016】
図1に示す定着ローラは、芯金21の中央部の内側に、アルミニウム製のパイプ1を設けている。このパイプ1の両端は、リング(例えば、Cリング)11によって軸方向へ動かないように固定されている。リング11は、芯金21の内面にリング11の形状に合わせて設けた溝13へ嵌合され、パイプ1の両端を固定している。
【0017】
芯金21にパイプ1を固定する方法としては、熱カシメする方法もあるが、芯金21より線膨張率が小さい材料をパイプ1に使用すると、通電時に緩んでパイプ1が動いてしまう不具合がある。また、発熱体に近い芯金21の温度が通電時にパイプ1の温度より高くなることから、芯金21とパイプ1が同材質でも動いてしまう可能性がある。そこで、この第1の実施例の定着ローラのように、芯金21の内面に、2箇所の溝13を設け、この2つの溝13間にリング11でパイプ1の両端を固定する方法を用いることにより、パイプ1に芯金21よりも線膨張率が小さい材料を使用しても、通電時にパイプ1が動くようなことはない。
【0018】
また、この定着ローラは、図1(a)に示すように、パイプ1の表面に、芯金21、第1絶縁層3、断熱層4、発熱体5、第2絶縁層6、離型層基体7、離型層8を順次有する構成をしている。なお、この場合、第1絶縁層3と断熱層4の位置関係を入れ替えて構成することも可能である。
【0019】
さらに、図1に示す定着ローラは、その両端部に、外部からの給電手段と接触可能なネジ部を備えた電極端子部9と、この電極端子部9を定着ローラに固定保持する樹脂製の電極固定部材10とを備えている。
【0020】
上記のように構成した、第1の実施例の定着装置においては、芯金21の内側にパイプ1を設けているため、従来の図4に示す中央部厚肉の芯金2と同等の温度分布を有する定着ローラを、芯金素菅材料のロスを少なくして製作することが可能となる。
【0021】
次に、本発明に係る定着装置の第2の実施例につい説明する。
この第2の実施例は、上述した図1に示す第1の実施例と同じ構成で、芯金21内にあるパイプ1の材質を熱伝導性が低いステンレスを使用する。パイプ1の熱伝導率が低くなると、立ち上がり時に、離型層8側に多くの熱が供給されるために、温度の落ち込みを少なくすることができる。このパイプ1にステンレスを使用した定着ローラを電子写真複写機に搭載して、機械全体が冷えた状態で、ウォームアップ直後に連続通紙を行なったが、オフセット(コールドオフセット)は生じなかった。
【0022】
次に、本発明に係る定着装置の第3の実施例について説明する。
この第3の実施例は、上述した図1に示す第1の実施例と同じ構成で、芯金21内にあるパイプ1の材質を熱伝導に異方性を持つ材料を使用する。例えば、炭素繊維の向きを軸方向に揃えて固めて形成したパイプ1を使用する。熱は繊維の方向には伝わりやすいが、繊維の直角方向には伝わりにくい。したがって、芯金21内にあるパイプ1は、熱伝導に異方性を有し、軸方向には熱伝導率が高く、法線方向及び接線方向へは熱が伝わり難くなっている。このため、離型層基体7の熱が無駄に芯金21に奪われることはなく、且つ軸方向の温度分布は均一になる。このパイプ1に熱伝導に異方性を持つ材料を使用した定着ローラを電子写真複写機に搭載して、A4縦サイズを連続で通紙したが、オフセット(ホットオフセット)しなかった。
【0023】
本発明に係る定着装置の第4の実施例について説明する。
この第4の実施例は、上述した図1に示す第1の実施例と同じ構成で、図2及び図3に示すように、軸方向にヒートパイプ12を複数本設けたパイプ1を使用する。このように、パイプ1の内部の軸方向に複数本のヒートパイプ12設けたため、連続通紙時に均一な温度分布が得られる。このパイプ1にヒートパイプ12を設けた定着ローラを電子写真複写機に搭載して、A4縦サイズを連続で通紙したが、オフセット(ホットオフセット)しなかった。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、請求項1の発明によれば、芯金の内側にパイプを設けたことにより、従来の中央部厚肉の芯金形状と同等の温度分布を有する定着ローラを、芯金素菅材料のロスを少なくして製作することができる。
【0025】
請求項2の発明によれば、パイプは芯金より熱伝伝導が低い材料を使用するため、定着ローラの表面温度の落ち込みを少なくすることができるという優れた効果がある。
【0026】
請求項3の発明によれば、芯金内に設けたパイプは、熱伝導に異方性を有し、軸方向には熱伝導率が高く、法線方向及び接線方向には熱伝導率が低い材料を使用しているため、軸方向には熱が伝わりやすく、法線方向及び接線方向には熱が伝わりにくくなっている。このため、離型層基体の熱が無駄に芯金に奪われることがなく、且つ軸方向の温度分布は均一となる。
【0027】
請求項4の発明によれば、パイプ内部の軸方向に複数本のヒートパイプを有するため、連続通紙時に均一な温度分布が得られるという効果がある。
【0028】
請求項5の発明によれば、芯金内面に2箇所の溝を設け、その溝間に取り付けたリングでパイプの両端部を固定しているので、パイプに芯金よりも線膨張率が小さい材料を使用しても、通電時に、パイプが動くような不具合は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着装置に用いる定着ローラの第1の実施例を示し、(a)は要部断面図((b)のA部拡大図)、(b)は全体断面図である。
【図2】本発明に係る定着装置に用いる定着ローラの第2の実施例を示す断面図である。
【図3】図2に示す定着ローラに用いるパイプの実施例を示す断面図である。
【図4】従来の定着装置に用いられていた定着ローラの一例を示し、(a)は要部断面図((b)のB部拡大図)、(b)は全体断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、図4の定着ローラに用いられていた芯金の製作過程を順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 パイプ
2、21 芯金
3 第1絶縁層
4 断熱層
5 発熱体
6 第2絶縁層
7 離型層基体
8 離型層
9 電極端子部
10 電極固定部材
11 リング
12 ヒートパイプ
13 溝
Claims (5)
- 回転駆動される定着ローラと、該定着ローラに所定圧力をもって当接される回転自在な加圧ローラとを備え、この回転する2つのローラ間にトナー画像が転写された転写材を挿通することにより、トナー画像を加熱溶融して転写材上に融着するように構成した定着装置において、
前記定着ローラは、パイプの表面に、芯金、第1絶縁層、断熱材、発熱体、第2絶縁層、離型層基体、離型層、または芯金、断熱層、第1絶縁層、発熱体、第2絶縁層、離型層基体、離型層を順次有する構成で、且つ両端部に外部からの給電手段と接触が可能な電極端子部と、この電極端子部を該定着ローラに対して固定保持する電極固定部材とを備えた構成であることを特徴とする定着装置。 - 請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラの芯金の内側に設けたパイプは、芯金より熱伝導率が低い材料を使用していることを特徴とする定着装置。
- 請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラの芯金の内側に設けたパイプは、熱伝導に異方性を有し、軸方向には熱伝導性が高く、法線方向及び接線方向には熱伝導率が低い材料を使用していることを特徴とする定着装置。
- 請求項1記載の定着装置において、上記定着ローラのパイプ内部の軸線方向に、複数本のヒートパイプを設けたことを特徴とする定着装置。
- 上記定着ローラの芯金内面に、2箇所の溝を設け、該溝間にリングでパイプを固定するように構成したことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項記載の定着装置。
Priority Applications (1)
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JP2002273660A JP2004109649A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 定着装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006017955A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-01-19 | Ricoh Co Ltd | 定着装置および画像形成装置 |
US7362995B2 (en) | 2005-03-15 | 2008-04-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Fixing device |
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JPWO2019163311A1 (ja) * | 2018-02-23 | 2021-01-07 | Tmtマシナリー株式会社 | 加熱ローラ及び紡糸延伸装置 |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002273660A patent/JP2004109649A/ja not_active Withdrawn
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