JP2004109059A - ジャイロの設置方法およびジャイロデバイス - Google Patents

ジャイロの設置方法およびジャイロデバイス Download PDF

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Ryuta Araki
荒木 隆太
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Abstract

【課題】FS値の小さいジャイロを、大きいFS値が要求される用途に使用することができるジャイロの設置方法およびジャイロデバイスの提供。
【解決手段】回転体の回転軸Zと測定軸z、zとがなす角度θ、θが下記の(1)式を満たす2個以上のジャイロ2−1、2−2を、回転体の回転軸Zと直交する方向の回転信号を相殺できるように設置する。
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体の角速度(回転体が移動する場合には、回転体自体の回転(自転)軸についての角速度)を検知するジャイロの設置方法、およびジャイロデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
ジャイロは、ヨーレートセンサー、テレマティクス、GPSコンパス、モバイル衛星アンテナなど多くの分野で利用されている。ジャイロには、機械式、光学式、流体式、振動式などのさまざまな方式のものがあり、また同じ方式のジャイロでもその用途により要求される性能が異なる。
【0003】
ジャイロの性能をはかる指標の一つに、最大検出範囲(最大測定限界)を意味するフルスケール(以下、FSという)というものがある。例えば、船舶、航空の航法装置、自動車のヨートレート検出、無人ヘリコプター、ロボットの姿勢制御などの用途にはFS値が±100deg/s程度のジャイロが用いられるのが一般的であり、特殊な場合には、FS値が±1,000deg/s程度のジャイロが用いられることもある。一方、航空宇宙分野などの高速回転の回転体には、FS値が±10,000deg/s程度のジャイロが求められる。
【0004】
FS値を大きくするためには、ジャイロの機械的強度を高めること、制御用モジュールの再設計などが必要となり、ジャイロの製造コストの上昇を招く。特に、±10,000deg/sという高いFS値が要求される用途は、特殊な産業分野に限られ、今のところ大量消費が見込まれないため、大きな開発費をかけて研究を行うメリットは小さい。
【0005】
しかし、FS値が小さい(例えば±100deg/s)ジャイロを通常の設置方法(即ち、ジャイロをその測定軸が回転体の回転軸と一致するように設置する方法)で、大きなFS値(例えば±10,000deg/s)が要求される用途に使用する場合には、様々な問題が発生する。以下、特許文献1などに開示されるリング型振動ジャイロの場合を例にとって説明する。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−267667号公報
リング型振動ジャイロは、リングの上下方向に磁場を与えた状態で、リング上の配線に交流電流を流すことで発生するローレンツ力により、リングは楕円形状に変形する(これを振動モード1という)。リングの振動に角速度が与えられるとコリオリ力が働き、新たに振動モード1から45°ずれた位置に振動モード2が発生する。
【0007】
リング型振動ジャイロは、このようにして発生した振動モード2を抑制する方向にリング上の配線に電流を流し、このときの電流値に基づいて角速度を検知する構造となっている。従って、例えばFS値が±100deg/sのジャイロを±10,000deg/sという大きなFS値が要求される用途に使用すると、リング型振動子が脆性破壊を起こす、リング上の配線が抵抗熱により破壊される、消費電力が増加するなどの問題が発生する。このような問題は、リング型振動ジャイロだけでなく、電気的な制御を必要とする他の方式のジャイロでも発生する。
【0008】
この問題を解決するための対策として、電気回路の調整により対応することも考えられる。例えば、リングを楕円形状に変形させるために流す交流電流の値を極力小さくして、リングの変形を初めから小さくしておくことで、リングが高速回転により受ける変形量も小さくなり、これを抑制する方向に流す電流値も小さくすることができる。しかし、リングの変形量を小さくするとノイズの影響を受けやすくなるため、測定精度の低下を招く。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するべくなされたものであり、FS値の小さいジャイロを、大きいFS値が要求される用途に使用する場合に、振動子が破壊することなく、且つ高い測定精度を維持することができるジャイロの設置方法、およびそのような設置方法を用いて設置したジャイロデバイスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の▲1▼〜▲4▼のジャイロの設置方法、ならびに下記の▲5▼〜▲8▼のジャイロデバイスを要旨とする。
【0011】
▲1▼回転体に1個以上のジャイロを設置する方法であって、ジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たすように、ジャイロを設置することを特徴とするジャイロの設置方法。
【0012】
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
▲2▼回転体にジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす2個以上のジャイロを設置する方法であって、それぞれのジャイロを、回転体の回転軸と垂直な方向の回転信号を相殺できるように設置することを特徴とするジャイロの設置方法。
【0013】
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
▲3▼回転体にジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす少なくとも1対のジャイロを設置する方法であって、対となるジャイロを、それぞれのジャイロの測定軸が回転体の回転軸と垂直な平面に投影した軸が平行で、且つ相互に反対向きであり、下記の(2)式から得られるAが実質的に0となるように設置することを特徴とするジャイロの設置方法。
【0014】
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
A = SF・sinθ−SF・sinθ   …(2)
但し、(1)式および(2)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
SF:対となる一方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
θ:対となる一方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
SF:対となる他方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
θ:対となる他方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
▲4▼回転体にジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす3個のジャイロを設置する方法であって、3個のジャイロを、下記の(3)〜(5)式から得られるB、CおよびDが実質的に0となるように設置することを特徴とするジャイロの設置方法。
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
B = SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ   …(3)
C = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ   …(4)
D = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ   …(5)
但し、(1)、(3)、(4)および(5)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
SF:i番目のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、1番目のジャイロの測定軸と2番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、2番目のジャイロの測定軸と3番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、3番目のジャイロの測定軸と1番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
▲5▼回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす1個以上のジャイロと、ジャイロを設置する設置台とを有することを特徴とするジャイロデバイス。
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
▲6▼回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす2個以上のジャイロと、ジャイロを設置する設置台とを有するジャイロデバイスであって、それぞれのジャイロを、回転体の回転軸と直交する方向の回転信号を相殺できるように設置したことを特徴とするジャイロデバイス。
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
▲7▼回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす少なくとも1対のジャイロと、ジャイロを設置する設置台とを有するジャイロデバイスであって、対となるジャイロを、それぞれのジャイロの測定軸が回転体の回転軸と垂直な平面に投影した軸が平行で、且つ相互に反対向きであり、下記の(2)式から得られるAが実質的に0となるように設置したことを特徴とするジャイロデバイス。
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
A = SF・sinθ−SF・sinθ   …(2)
但し、(1)式および(2)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
SF:対となる一方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
θ:対となる一方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
SF:対となる他方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
θ:対となる他方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
▲8▼回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす3個のジャイロと、ジャイロを設置する設置台とを有するジャイロデバイスであって、それぞれのジャイロを、下記の(3)〜(5)式から得られるB、CおよびDが実質的に0となるようにジャイロを設置したことを特徴とするジャイロデバイス。
【0015】
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
B = SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ   …(3)
C = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ   …(4)
D = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ   …(5)
但し、(1)、(3)、(4)および(5)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
SF:i番目のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、1番目のジャイロの測定軸と2番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、2番目のジャイロの測定軸と3番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、3番目のジャイロの測定軸と1番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
上記の▲7▼に示すジャイロデバイスは、下記の(a)、(b)もしくは(c)に示す他軸感度調整機構、または、(a)もしくは(b)の機構と(c)の機構とを組み合わせた他軸感度調整機構を有するのが望ましい。また、上記の▲8▼に示すジャイロデバイスは、下記の(a)、(b)もしくは(c)に示す他軸感度調整機構、または、(a)の機構と(c)の機構を組み合わせた他軸感度調整機構を有するのが望ましい。
(a)各ジャイロの設置条件をそれぞれ独立に調整する機構
(b)各ジャイロの設置条件を一体として調整する機構
(c)可変抵抗を用いて各ジャイロの電気的条件を調整する機構。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の一例を示す図である。図1に示すように、本発明のジャイロデバイス1は、回転体に内蔵され、回転体の回転軸Zと測定軸zとがなす角度がθであるジャイロ2と、ジャイロ2を設置する設置台4とを有する。なお、便宜上、ジャイロの測定軸zの方向が設置台4の設置面3と垂直な方向と一致するような図を示したが、以下の説明において、ジャイロの測定軸zの方向とは、角速度検出部の測定軸(振動式ジャイロの場合、振動子が持つ測定軸、流体式ジャイロの場合、流経路が持つ測定軸)の方向を意味する。
【0017】
ここで、回転体の回転軸Zとジャイロの測定軸zとがなす角度θは、下記の(1)式を満足するように設定しなければならない。但し、(1)式中のθはi番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)、FSはi番目のジャイロのフルスケール(deg/s)、ωMAXは回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)を意味する。
【0018】
|cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
本発明のジャイロデバイスにおいて検出される角速度は、回転体の回転軸についての角速度にcosθをかけた値となるため、回転体の回転軸Zとジャイロの測定軸zとの角度θを調整することにより、ジャイロのFS値を変更することなく、広い検出範囲のジャイロデバイスを作ることができる。
【0019】
例えば、FS値が±100deg/sのジャイロであっても、回転体の回転軸Zとジャイロの測定軸zとの角度θが89deg(cosθ≒0.017)となるように設置すれば、±5,730(≒±100/0.017)deg/s程度までの回転体の回転軸についての角速度を検知することができる。
【0020】
回転体の回転軸Zとジャイロの測定軸zとがなす角度θは、例えば、図1に示す例の場合には、設置台4の設置面3の角度の変更により調整することができる。設置台4は、図1に示すように、一定の傾斜角度を有する設置面3を有するものが好ましいが、例えば、ジャイロを支持棒で保持するなどの別の手段によってジャイロを回転体に固定する機構を有するものであってもよい。また、角速度検出部の測定軸の方向を上記の(1)式の関係を満たすように組み込んだジャイロを用いてもよく、この場合には傾斜面を有する設置台や支持棒を有する設置台を用いなくてもよい。
【0021】
ここで、ろくろなどのように固定された回転体の場合や、回転体の回転軸に対して垂直な方向(以下、この方向の回転軸を他軸と呼ぶ)の回転成分が極めて小さい場合には、上記の(1)式を満たす角度に測定軸を有するジャイロを用いるだけで足りる。なお、図1では、1個のジャイロを用いる例を示したが、測定軸の角度が上記の(1)式を満たすかぎり、複数個のジャイロを用いてもよい。
【0022】
しかし、回転体がジャイロの測定軸とは異なる方向の回転を有する場合には、ジャイロは、他軸の角速度も検知するため、測定精度が低下する。従って、このような回転体のある特定の回転軸における角速度を検知するためには、回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが上記の(1)式を満たす2個以上のジャイロを用い、回転体の回転軸と垂直な方向の回転信号を相殺できるように、それぞれのジャイロを回転体に設置する必要がある。この具体例を図2〜5を使って説明する。
【0023】
図2は、1対のジャイロを用いる場合の実施形態の一例を示す図であり、図3は、1対のジャイロを用いる場合の実施形態の他の例を示す図である。いずれの図においても 、(a)は側面図であり、(b)は上面図である。
【0024】
図2(a)に示すように、本発明のジャイロデバイス1−1は、回転体の回転軸Zと測定軸z、zとがなす角度がθ、θである少なくとも1対のジャイロ2−1、2−2と、ジャイロ2−1、2−2を設置する設置台4−1とを有する。これらの角度θ、θが上記の(1)式を満たす必要があることは、図1に示す例と同様である。
【0025】
また、図2(b)に示すように、本発明のジャイロデバイス1−1においては、それぞれのジャイロの測定軸z、zを回転体の回転軸Zと垂直な平面に投影した軸(以下、単に「投影軸」という)z1XY、z2XYが平行で、且つ相互に反対向きとなるように対となるジャイロ2−1、2−2を設置する必要がある。
【0026】
なお、図2(b)では、それぞれのジャイロ2−1、2−2の投影軸z1XY、z2XYは、同じX軸上に示されているが、例えば、図3に示すように、投影軸z1XY、z2XYが同一の軸上に存在しなくても、これらの投影軸z1XY、z2XYが平行で、且つ相互に反対向きであればよい。
【0027】
ここで、回転体のZ軸方向にωの角速度、X軸方向にωの角速度が与えられている場合を考える。ジャイロ2−1、2−2で検出される電圧をそれぞれV、Vとするとき、これらのジャイロのZ軸に投影した測定軸は、平行、且つ同じ向きであり、XY平面に投影した測定軸は、平行、且つ相互に反対向きであるので、V、Vは下記式で表される。
=SF・(ω)・cosθ+SF・(ω)・sinθ
=SF・(ω)・cosθ+SF・(−ω)・sinθ
但し、SFは対となる一方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕、θは対となる一方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)、SFは対となる他方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕、θは対となる他方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)をそれぞれ意味する。
【0028】
このジャイロデバイス1−1で出力される電圧VOUT(=V+V)は、
OUT=ω・(SF・cosθ+SF・cosθ)+ω・(SF・sinθ−SF・sinθ
で表される。このとき、それぞれのジャイロ2−1、2−2の投影軸z1XY、z2XYと平行な方向(図2、3で示す例ではX軸と平行な方向)におけるスケールファクターAは、下記の(2)式で表すことができる。
A = SF・sinθ−SF・sinθ   …(2)
従って、上記の(2)式から得られるAを実質的に0となるようにジャイロ2−1、2−2を設置すれば、このジャイロデバイス1−1で出力される電圧VOUTは、Z軸方向の角速度に起因するもののみとなる。即ち、回転体のZ軸方向の角速度ωは、
ω≒VOUT/(SF・cosθ+SF・cosθ
によって求めることができる。
【0029】
このように、(2)式から得られるAが実質的に0であり、図2や図3に示すように、対となるジャイロ2−1、2−2の投影軸z1XY、z2XYが平行で、且つ相互に反対向きであれば、回転体の回転軸と垂直な方向の回転信号を相殺できるため、対となるジャイロ2−1、2−2で検知されるのは、回転体の回転軸についての角速度のみとなる。なお、このようなジャイロ対を複数設置してもよい。
【0030】
上記のA値は、厳密に0であることが望ましいが、ユーザーの要求を満たす範囲で0に近い値となればよい。具体的には、上記のA値が、SF・α/100またはSF・α/100(α、α:それぞれのジャイロの他軸感度〔%〕)のいずれか大きい値よりも小さければよい。なお、他軸感度とは、測定軸に直交する方向の角速度成分に対する出力値を百分率で表したものであり、他軸感度1%とは、測定軸に直交する方向にのみ100deg/sの回転を与えたときに、ジャイロデバイスが1deg/sの出力があることを意味する。
【0031】
例えば、対となるジャイロのうち一方のジャイロのスケールファクターSFが0.02V/(deg/s)、他軸感度αが1%であり、他方のジャイロのスケールファクターSFが0.015V/(deg/s)、他軸感度αが2%である場合には、Aが0.0003V/(deg/s)より小さい値となるように設定すればよい。
【0032】
このA値は、回転体の回転軸と各ジャイロの測定軸とがなす角度θおよびθ、ならびに各ジャイロのスケールファクターSFおよびSFの1つ以上を調整することにより決定することができる。この調整方法については後段で説明する。
【0033】
以上のように、少なくとも1対のジャイロを(1)式および(2)式を満たすように設置すれば、回転体の一つの他軸Xについての影響をある程度排除できるが、他の他軸Y(Z軸およびX軸のいずれとも垂直な軸)については、ジャイロが元来有する他軸感度に支配されることになる。このため、X軸方向のみならず、Y軸方向の他軸感度も向上させるためには、Y軸方向についての出力も相殺できるように、3個以上のジャイロデバイスを設置することが有効である。以下、詳しく述べる。
【0034】
図4は、3個のジャイロを用いる場合の実施形態の一例を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は上面図である。図4(a)に示すように、本発明のジャイロデバイス1−2は、回転体の回転軸Zと測定軸z、z、zとがなす角度がθ、θ、θである3個のジャイロ2−1、2−2、2−3と、ジャイロ2−1、2−2、2−3を設置する設置台4−2とを有する。これらの角度θ、θ、θが上記の(1)式を満たす必要があることは、図1の例で示したとおりである。
【0035】
ここで、図4(b)に示すように、本発明のジャイロデバイス1−2に設置するそれぞれのジャイロ2−1、2−2、2−3の投影軸z1XY、z2XY、z3XYについての位相角をφ、φ、φとする。このとき、投影軸z1XY、z2XY、z3XYそれぞれに平行な方向おけるスケールファクターB、CおよびDは、下記の(3)、(4)および(5)式で表すことができる。但し、(3)、(4)および(5)式中のθはi番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)、SFはi番目のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕をそれぞれ意味する。
B = SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ   …(3)
C = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ   …(4)
D = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ   …(5)
本発明のジャイロデバイス1−2は、上記のB、CおよびDが実質的に0となるように3個のジャイロ2−1、2−2、2−3を設置したものである。このような状態で各ジャイロ2−1、2−2、2−3を設置すれば、回転体の回転軸と垂直な2方向(即ち、2つの他軸)の回転信号を相殺できる。
【0036】
上記の少なくとも1対のジャイロを用いる場合の例と同様に、(3)、(4)および(5)式から得られるB、CおよびDの値はいずれも、厳密に0であることが望ましいが、ユーザーの要求を満たす範囲で0に近い値となればよい。これにより、ジャイロが元来有する他軸感度より小さい他軸感度を実現できる。
【0037】
このB、CおよびDの値は、回転体の回転軸と各ジャイロの測定軸とがなす角度θ、θ、θ、投影軸z1XY、z2XYおよびz3XYについての位相角をφ、φおよびφ、並びに各ジャイロのスケールファクターSF、SFおよびSFのいずれか1つ以上を調整することにより決定することができる。
【0038】
図5は、4個のジャイロを用いる場合の実施形態の一例を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は上面図である。図5(a)に示すように、本発明のジャイロデバイス1−3は、回転体の回転軸Zと測定軸z、z、z、zとがなす角度がθ、θ、θ、θである4個のジャイロ2−1、2−2、2−3、2−4と、ジャイロ2−1、2−2、2−3、2−4を設置する設置台4−3とを有する。これらの角度θ、θ、θ、θが上記の(1)式を満たす必要があることは、図1の例で示したとおりである。
【0039】
ここで、図5(b)に示すように、本発明のジャイロデバイス1−3においては、それぞれのジャイロの測定軸z、z、z、zを回転体の回転軸Zと垂直な平面に投影した軸z1XYおよびz2XY、ならびにz3XYおよびz4XYが、それぞれ平行で、且つ相互に反対向きとなるように対となるジャイロ2−1および2−2、ならびに2−3および2−4を設置する必要がある。そして、投影軸z1XYおよびz2XYと平行な軸(図5(b)ではX軸)と、投影軸z3XYおよびz4XYと平行な軸(図5(b)ではY軸)とは直交している。
【0040】
ここで、X軸方向にのみωの角速度が与えられている場合と、Y軸方向にのみωの角速度が与えられている場合とを考える。ジャイロ2−1、2−2、2−3および2−4のそれぞれのスケールファクター〔V/(deg/s)〕をSF、SF、SFおよびSFとし、それぞれの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)をθ、θ、θおよびθとし、それぞれの他軸感度をα、α、αおよびαとするとき、X軸方向にのみωの角速度が与えられている場合の出力電圧VXOUT(V)およびY軸方向にのみωの角速度が与えられている場合の出力電圧VYOUT(V)は、
XOUT=ω・(SF・sinθ−SF・sinθ+α・SF+α・SF
YOUT=ω・(α・SF+α・SF+SF・sinθ−SF・sinθ
で表される。ここで、
=SF・sinθ−SF・sinθ+α・SF+α・SF
=α・SF+α・SF+SF・sinθ−SF・sinθ
とおくとき、任意のωおよびωに対する出力電圧VXOUTおよびVYOUTを小さくする(即ち、他軸感度を小さくする)ためには、上記のAおよびAをできる限り小さくすればよい。そして、これらのAおよびAを実質的に0となるように調整すれば、回転体の回転軸Zと垂直な2方向(即ち、2つの他軸X、Y)の回転信号を相殺できる。
【0041】
上記の少なくとも1対のジャイロを用いる場合、3個のジャイロを用いる場合の例と同様に、上記のAおよびAの値はいずれも、厳密に0であることが望ましいが、ユーザーの要求を満たす範囲で0に近い値となればよい。これにより、ジャイロが元来有する他軸感度より小さい他軸感度を実現できる。
【0042】
このAおよびAの値は、たとえば、回転体の回転軸とジャイロ2−1および2−2の測定軸とがなす角度θおよび/またはθを変更してAを調整した後、回転体の回転軸とジャイロ2−3および2−4の測定軸とがなす角度θおよび/またはθを変更してAを調整することにより決定することができる。
【0043】
ここで、理論上は、所定の傾斜角度を有する設置面3を有する設置台4を用意して、それぞれの設置面3と垂直方向に測定軸が向くようにジャイロ2を設置すればよいことになる。しかし、実際には、ジャイロ自体の製造上の誤差や設置面3の精度誤差などによりジャイロ2の測定軸z(i=1、2、3、4)を設置面3の垂直軸と完全に一致するように設置するのは困難であり、また、設置台4自体の加工精度により、設置面3の傾斜角度にもズレが発生する。
【0044】
従って、本発明のジャイロデバイスは、予め、少なくとも1対のジャイロを用いる場合には、上記のAが実質的に0となるように、3個のジャイロを用いる場合には、上記のB、CおよびDが実質的に0になるように、また、4個のジャイロを用いる場合には、上記のAおよびAが実質的に0になるように、設置台の各面の傾きを調整することができる他軸感度調整機構を有するのが望ましい。
【0045】
具体的には、少なくとも1対のジャイロを用いるジャイロデバイスの場合、対となるジャイロ2−1、2−2を設置台4−1の設置面3−1、3−2に設置した後、図2に示すX軸方向にのみ所定の角速度の回転を与え、このときの角速度をそれぞれのジャイロ2−1、2−2で検知する。このとき、A値が実質的に0となるように設置台の各面3−1、3−2の傾きを調整して、回転体の回転軸と各ジャイロの測定軸とがなす角度θ、θを変更すれば、回転体の回転軸と垂直な方向(図2に示す例ではX軸)の回転信号を相殺できる。また、設置台の各面3−1、3−2の傾きを調整するとともに、または、これらの傾きについては調整することなく、各ジャイロ2−1、2−2の電気的条件(スケールファクターSF、SF)を調整してもよい。
【0046】
同様に、3個のジャイロを用いるジャイロデバイスの場合、3個のジャイロ2−1、2−2、2−3を設置台4−2の設置面3−1、3−2、3−3に設置した後、回転体の回転軸と垂直な方向にのみ所定の角速度の回転を与え、このときの角速度をそれぞれのジャイロ2−1、2−2、2−3で検知する。このとき、B、CおよびDの値が実質的に0となるように設置台の各面3−1、3−2および3−3のいずれか1以上の傾きを調整して、回転体の回転軸と各ジャイロの測定軸とがなす角度θ、θおよびθ、ならびに投影軸z1XY、z2XYおよびz3XYについての位相角φ、φおよびφのいずれか1以上を変更する。この作業を他の他軸(Z軸に垂直な軸)ついて行えば、回転体の回転軸と垂直な2方向の回転信号を相殺できる。また、設置台の各面3−1、3−2、3−3の傾きを調整するとともに、または、これらの傾きについては調整することなく、各ジャイロ2−1、2−2、2−3の電気的条件(スケールファクターSF、SF、SF)を調整してもよい。
【0047】
4個のジャイロを用いるジャイロデバイスの場合も同様に、4個のジャイロ2−1、2−2、2−3、2−4を設置台4−3の設置面3−1、3−2、3−3、3−4に設置した後、回転体の回転軸と垂直な方向(図5に示す例ではX軸方向)にのみ所定の角速度の回転を与え、このときの角速度をそれぞれのジャイロ2−1、2−2、2−3、2−4で検知する。このとき、Aの値が実質的に0となるように設置台の各面3−1および3−2のいずれか1以上の傾きを調整して、回転体の回転軸と各ジャイロの測定軸とがなす角度θおよびθのいずれか1以上を変更する。その後、Aの値が実質的に0となるように設置台の各面3−3および3−4のいずれか1以上の傾きを調整して、回転体の回転軸と各ジャイロの測定軸とがなす角度θおよびθのいずれか1以上を変更する。これにより、回転体の回転軸と垂直な2方向の回転信号を相殺できる。また、設置台の各面3−1、3−2、3−3、3−4の傾きを調整するとともに、または、これらの傾きについては調整することなく、各ジャイロ2−1、2−2、2−3、2−4の電気的条件(スケールファクターSF、SF、SF、SF)を調整してもよい。
【0048】
以下、主として、少なくとも1対のジャイロを用いる場合を例にとって、他軸感度の調整機構を具体的に説明する。
【0049】
図6は、各ジャイロの設置条件をそれぞれ独立に調整する機構の一の例を示す図であり、図7は、各ジャイロの設置条件を一体として調整する機構の他の例を示す図である。
【0050】
図6に示すように、本発明のジャイロデバイスにおける他軸感度調整機構は、例えば、対となるジャイロ2−1、2−2を設置する面3−1、3−2の下部にそれぞれ取り付けられたアクチュエータ5−1、5−2により、ジャイロの測定軸の角度θ、θをそれぞれ独立に調整する機能を有するものである。この機構は、3個のジャイロを用いる場合や4個のジャイロを用いる場合にも適用でき、回転体の回転軸と各ジャイロの測定軸とがなす角度θ、θ、θ(4個のジャイロを用いる場合には、更にθ)、投影軸z1XY、z2XY、z3XYについての位相角をφ、φ、φをそれぞれ独立に調整することができる。また、図7に示すように、本発明のジャイロデバイスにおける他軸感度調整機構は、例えば、設置台4の底面の角度δを調整することにより、2つのジャイロの測定軸の角度θ、θを一体として調整する機能を有するものであってもよい。
【0051】
上記の図6に示す他軸感度調整機構を有する本発明のジャイロデバイスであれば、対となるジャイロを用いる場合には、これらの測定軸の角度θ、θを独立に調整できるとともに、これらの角度θ、θを大きく変更できるため、FSを広い範囲で変更することができる。例えば、FSがともに±100deg/sであるジャイロ対を用いて、この機構により各ジャイロの測定軸の角度θ、θを調整すれば、±100deg/sから±10,000deg/s程度(θ=θ≒89.5deg)までの回転体の角速度を検知することが可能となる。
【0052】
従って、上記の図6に示す他軸感度調整機構を有する本発明のジャイロデバイスは、ジャイロの測定精度の調整のみならず、ユーザーにおいても、要求されるFS値を満足するように調整することができる。
【0053】
図8は、可変抵抗を用いて各ジャイロの電気的条件を調整する機構を示す例であり、この図は1対のジャイロを用いる場合を示す。本発明のジャイロデバイスにおける他軸感度調整機構は、図8に示すようなOPアンプ(Operational Amplifier)によるアナログ加算回路を用いることができる。例えば、図8に示す1対のジャイロを用いる場合のOPアンプでは、出力電圧Vは下記の(a)式から求められる。
=−R〔(V/R)+(V/R)〕   …(a)
従って、このOPアンプでの出力電圧Vは、各ジャイロ2−1、2−2と接続した可変抵抗の値R、Rを変更することにより調整することができる。このとき、他軸Xに対する出力は、{(SF・sinθ)/R−(SF・sinθ)/R}・ωとなるので、R、Rを調整することで他軸感度を調整できる。3個のジャイロを用いる場合や4個のジャイロを用いる場合には、図8に示すのと同様のOPアンプを用いて、R、R、R(または更に、R)調整すればよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、FS値の小さいジャイロを、大きいFS値が要求される用途に使用する場合でも、振動子が破壊することなく、且つ高い測定精度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す図である。
【図2】1対のジャイロを用いる場合の実施形態の一例を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は上面図である。
【図3】1対のジャイロを用いる場合の実施形態の他の例を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は上面図である。
【図4】3個のジャイロを用いる場合の実施形態の一例を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は上面図である。
【図5】3個のジャイロを用いる場合の実施形態の一例を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は上面図である。
【図6】各ジャイロの設置条件をそれぞれ独立に調整する機構の一の例を示す図である。
【図7】各ジャイロの設置条件を一体として調整する機構の他の例を示す図である。
【図8】可変抵抗を用いて各ジャイロの電気的条件を調整する機構を示す例である。
【符号の説明】
1、1−1、1−2、1−3.ジャイロデバイス、
2、2−1、2−2、2−3、2−4.ジャイロ、
3、3−1、3−2、3−3、3−4.設置面、
4、4−1、4−2、4−3.設置台、
5−1、5−2、5−3.アクチュエータ、

Claims (11)

  1. 回転体に1個以上のジャイロを設置する方法であって、ジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たすように、ジャイロを設置することを特徴とするジャイロの設置方法。
    |cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
    但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
    ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
  2. 回転体にジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす2個以上のジャイロを設置する方法であって、それぞれのジャイロを、回転体の回転軸と垂直な方向の回転信号を相殺できるように設置することを特徴とするジャイロの設置方法。
    |cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
    但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
    ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
  3. 回転体にジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす少なくとも1対のジャイロを設置する方法であって、対となるジャイロを、それぞれのジャイロの測定軸が回転体の回転軸と垂直な平面に投影した軸が平行で、且つ相互に反対向きであり、下記の(2)式から得られるAが実質的に0となるように設置することを特徴とするジャイロの設置方法。
    |cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
    A = SF・sinθ−SF・sinθ   …(2)
    但し、(1)式および(2)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
    ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
    SF:対となる一方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
    θ:対となる一方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    SF:対となる他方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
    θ:対となる他方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
  4. 回転体にジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす3個のジャイロを設置する方法であって、3個のジャイロを、下記の(3)〜(5)式から得られるB、CおよびDが実質的に0となるように設置することを特徴とするジャイロの設置方法。
    |cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
    B = SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ   …(3)
    C = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ   …(4)
    D = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ   …(5)
    但し、(1)、(3)、(4)および(5)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
    ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
    SF:i番目のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
    φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、1番目のジャイロの測定軸と2番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
    φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、2番目のジャイロの測定軸と3番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
    φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、3番目のジャイロの測定軸と1番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
  5. 回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす1個以上のジャイロと、ジャイロを設置する設置台とを有することを特徴とするジャイロデバイス。
    |cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
    但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
    ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
  6. 回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす2個以上のジャイロと、ジャイロを設置する設置台とを有するジャイロデバイスであって、それぞれのジャイロを、回転体の回転軸と直交する方向の回転信号を相殺できるように設置したことを特徴とするジャイロデバイス。
    |cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
    但し、(1)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
    ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
  7. 回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす少なくとも1対のジャイロと、ジャイロを設置する設置台とを有するジャイロデバイスであって、対となるジャイロを、それぞれのジャイロの測定軸が回転体の回転軸と垂直な平面に投影した軸が平行で、且つ相互に反対向きであり、下記の(2)式から得られるAが実質的に0となるように設置したことを特徴とするジャイロデバイス。
    |cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
    A = SF・sinθ−SF・sinθ   …(2)
    但し、(1)式および(2)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
    ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
    SF:対となる一方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
    θ:対となる一方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    SF:対となる他方のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
    θ:対となる他方のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
  8. 回転体の回転軸と測定軸とがなす角度θが下記の(1)式を満たす3個のジャイロと、ジャイロを設置する設置台とを有するジャイロデバイスであって、それぞれのジャイロを、下記の(3)〜(5)式から得られるB、CおよびDが実質的に0となるようにジャイロを設置したことを特徴とするジャイロデバイス。
    |cosθ| < |FS/ωMAX|   …(1)
    B = SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ   …(3)
    C = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ+SF・sinθ・cosφ   …(4)
    D = SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ・cosφ+SF・sinθ   …(5)
    但し、(1)、(3)、(4)および(5)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    θ:i番目のジャイロの測定軸と回転体の回転軸とがなす角度(deg)
    FS:i番目のジャイロのフルスケール(deg/s)
    ωMAX:回転体の回転軸についての角速度最大値(deg/s)
    SF:i番目のジャイロのスケールファクター〔V/(deg/s)〕
    φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、1番目のジャイロの測定軸と2番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
    φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、2番目のジャイロの測定軸と3番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
    φ:各ジャイロの測定軸を回転体の回転軸に対して垂直な面に投影したときに、3番目のジャイロの測定軸と1番目のジャイロの測定軸とがなす角度(deg)
  9. 各ジャイロの設置条件をそれぞれ独立に調整する他軸感度調整機構を有することを特徴とする請求項7または8に記載のジャイロデバイス。
  10. 各ジャイロの設置条件を一体として調整する他軸感度調整機構を有することを特徴とする請求項7に記載のジャイロデバイス。
  11. 可変抵抗を用いて各ジャイロの電気的条件を調整する他軸感度調整機構を有することを特徴とする請求項7から10までのいずれかに記載のジャイロデバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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