JP2004108877A - テーブル位置検出用センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】X−Y平面上を所定範囲内で平面移動するテーブル部材5の周囲4辺の内の隣接する2辺に、それぞれ少なくとも2個の静電容量型の位置検出センサを所定間隔を隔てて配設する。各位置検出センサを構成する一方のセンサ用面電極5Gをテーブル部材5の一方の面の端面領域に装着し、各位置検出センサを構成する複数の他方のセンサ用面電極26X1〜,26Y1〜を前述した一方のセンサ用面電極に一部分対向し且つ近接した状態でケース本体側に固定装備する。そして、テーブル部材5の移動と共にこの一方と他方の各センサ用面電極5G.26X1〜,26Y1〜の相互間の容量変化をテーブル移動の位置情報として検出し電気信号に変換して外部出力する演算部を備えていること。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブル位置検出用センサ装置に係り、特にICやLSI等の半導体生産工程における精密加工用のステージ装置等に装備され、当該ステージ装置が備えている可動テーブルの現在位置を連続的に検出するのに好適なテーブル位置検出用センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体産業等では、ICやLSI等の生産工程で被加工物を精密加工の場に配設し保持するために、従来より、精密移動が可能な可動テーブル(テーブル部材)を備えた精密加工用のステージ装置が使用されている。そして、この場合、可動テーブルの移動先の位置制御を迅速に且つ正確に実行するため、テーブル位置検出用のセンサ装置が、前述した精密加工用のステージ装置に組み込まれている。
【0003】
ここで、この従来例における精密加工用のステージ装置は、テーブル移送手段としては、可動テーブルをX方向に移動するX方向移動機構と、この可動テーブルを載置したX方向移動機構の全体をY方向に移動するY方向移動機構とを備えた2重構造のものが装備されている。又X方向およびY方向の各テーブル駆動手段としては、ステッピングモータ等の駆動モータと精密駆動機構の組合せたものが個別に装備され、更に同一面内における回転駆動に際してはX方向移動機構とY方向移動機構の全体を一体的に回転させる構造の回転駆動機構が装備されていた。
【0004】
また、移送されるテーブルの現在位置を精密測定するテーブル位置検出手段も、例えばX方向およびY方向の各駆動機構及び回転駆動機構にそれぞれ別々に装備され、ここで得られる情報(即ち、可動テーブルの移動情報)に基づいて前述した各精密駆動手段が個別に駆動制御されるという手法のものが多い。このため、装置全体が大型化するという不都合が常に生じている。
【0005】
これとは別に、可動テーブルの精密移動をミクロン単位で実行するためには、その移動時の変化量をリアルタイムで把握しつつ駆動手段の出力を精密に制御する必要がある。
このため、従来例では、小型化されたエンコーダ等の回転数検出手段をX方向,Y方向および回転の各駆動機構にそれぞれ併設し、ここで得られる回転情報(即ち、可動テーブルの移動情報)に基づいて各精密駆動手段を個別に駆動し位置制御するという手法を備えたものが多い。
【特許文献1】
特開平5−336730号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のものは、X方向,Y方向および回転の各駆動機構にそれぞれエンコーダを併設していることから、装置全体の小型化には限界がある。また、駆動モータとしてステッピングモータを用いるため、デジタル量の駆動パルスによる移動であり、可動テーブルをミクロン単位で精密移動させる場合には、駆動パルスによるテーブルの移動は、微視的に見て連続した定量なものではなく、平均値が定量なものであるため、微小値の範囲で見れば、テーブルの移動は断続する動きとなり、可動テーブルの精密移動をミクロン単位で実行するには不適切なものとなっていた。
【0007】
又、2次元平面(X−Y平面)内におけるテーブルの移動後の位置情報の検出は、当該テーブルが非接触にて駆動される場合には、例えばX方向,Y方向及び回転の各方向に設定されたバーコード等からの反射レーザ光を光センサにて受光して計数し積算して、その位置変化を演算する等の手法が用いられる。
【0008】
しかしながら、かかる手法では、テーブルの移動量がデジタル量として出力されるため、ミクロン単位でテーブルの移動を行う場合には、パルス間での測定信号値が零値となってテーブルの位置検出が不可能となってしまい、テーブルの精密移動をミクロン単位で実行するには不適切なものとなっていた。
更に、直線的な移動と回転動作とが連続的になされるテーブルについては、当該テーブルの位置の測定に際しては移動位置測定用のセンサと回転の各測定用の3種類のセンサを装備しなければならず、このため、これを装備すると、例えば前述した精密加工用のステージ装置が更に大型化する、という不都合があった。
【0009】
また、上記特許文献1には、4個の田形状駆動コイル間のスペースを利用して容量式位置検出器の電極を固定子側と可動子側とにそれぞれ配置した構造のものが開示されている。
しかしながら、この特許文献1に示された構造では、固定子側と可動子側にそれぞれ設けた4個の内2個の容量式位置検出器の電極を接近して配置しなければならないため、可動子が平面移動する範囲によっては、可動子側の電極が固定子側の隣接する電極に相互干渉して位置検出の精度に影響を及ぼすことがある。このため、可動子の移動は、当該電極相互間の影響がない狭い範囲に限定されてしまい、可動子を広範囲に渡って移動させるための改良の余地があった。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、当該テーブルの同一平面上における移動方向および移動距離等に関する情報を、更には、同一平面上における回転角度情報等を、リアルタイムで同時に連続的に且つ高精度に検知し得る小型化が可能なテーブル位置検出用センサ装置を提供することを、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、X−Y平面上を所定範囲内で平面移動するテーブル部材の周囲4辺の内の少なくとも隣接する2辺に、アナログ量を出力する位置検出センサを配設し、テーブル部材の移動と共に変化するアナログ量の変化をテーブル移動の位置情報として検出し所定の電気信号に変換して外部出力する演算部を備えているという構成を採っている。
【0012】
このため、X−Y平面内でのテーブル部材の移動量が、位置検出センサによりアナログ量で出力される。演算部では、テーブル部材の移動と共に変化するアナログ量の変化をテーブル移動の位置情報として検出し所定の電気信号に変換して出力する。
【0013】
したがって、テーブル部材の移動位置検出がアナログ量に基いて行われるため、テーブル部材を微小範囲、例えばミクロン単位で移動させる場合においても正確に位置の制御を行うことができる。
また、テーブル部材の周囲4辺の内の少なくとも隣接する2辺に位置検出センサを配設しているため、位置検出センサが相互干渉するに至る距離を長くしてテーブル部材の移動範囲を広くすることができ、広範囲でテーブル部材の位置を正確に検出することができる。
【0014】
前述した位置検出センサとしては、差動変圧器,ポテンショメータ,レーザ変位計などのアナログ量検出センサを用いて、テーブル部材の移動量をアナログ量として出力することができる。また、前述した位置検出センサが、差動変圧器,ポテンショメータ或いはレーザ変位計であるときに、テーブル部材の移動をX−Y平面内の2方向の直線変位に分解してX,Y方向の移動量を得ると共にX又はY方向の移動量から回転方向の移動量を得るアナログ量検出センサを用いることが望ましい。
【0015】
また、請求項4記載の発明では、前述した位置検出センサに、静電容量型の位置検出センサを用い、X−Y平面上を所定範囲内で平面移動するテーブル部材の周囲4辺の内の隣接する2辺に、それぞれ少なくとも2個の静電容量型の位置検出センサを所定間隔を隔てて配設する。
【0016】
また、この各位置検出センサを構成する一方のセンサ用面電極を前述したテーブル部材の一方の面の端面領域に装着すると共に、該各位置検出センサを構成する他方のセンサ用面電極を前述した一方のセンサ用面電極に一部分対向し且つ近接した状態で前述したテーブル部材保持用のケース本体側に固定装備する。
【0017】
更に、前述したテーブル部材の移動と共に前述した一方と他方のセンサ用面電極の相互間に形成される静電容量の変化をテーブル移動の位置情報として検出し所定の電気信号に変換して外部出力する演算部を備えている、という構成を採っている。
【0018】
このため、この請求項4記載の発明では、テーブル部材が同一面内での所定の方向へ移動すると、X方向先およびY方向先に位置する各2個の位置検出センサが、テーブル部材の移動と共に変化する静電容量を検出し、この容量変化にかかる情報をリアルタイムで演算部へ出力する。演算部では、この4つのセンサ情報を所定の処理をし、当該テーブル部材の移動方向と移動量とを特定するに必要な所定の情報を演算し出力する。
【0019】
ここで、例えばX軸方向に装備した一方と他方の2個の位置検出センサに容量変化が見られない場合にはテーブル部材はY軸に沿って(回転動作なしに)移動したことを意味し、その移動方向はY軸方向の2個の位置検出センサの容量の増減で判断され、同時にその移動量は当該Y軸方向の位置検出センサの容量の変化量によって特定される。かかる判断および具体的な演算は、外部接続の主制御部等で実行される。
【0020】
また、演算部では、例えばX軸方向とY軸方向の両方の位置検出センサが同一の容量変化を検出した場合には、テーブル部材が45°方向に(回転動作なしに)移動したと判断されるに必要な情報を演算処理して外部出力するようになっている。
【0021】
更に、隣接する2辺の各2個の位置検出センサがそれぞれ異なった容量変化を出力した場合には、テーブル部材は回転動作をしたことを意味し、同時に一方の2つの位置検出センサの容量変化の差と他方の2つの位置検出センサの容量変化の差とが等しい場合には正常回転を意味する。かかる判断に必要な情報、更には回転方向および回転角にかかる各情報は、演算部で信号処理されて外部出力されるようになっている。
【0022】
これら各位置検出センサの容量変化のパターンによる移動方向の特定および各位置検出センサの容量の変化量とテーブル部材の移動量との関係は、例えば、予め実験的に特定し且つマップ化してメモリ等に記憶しておき、演算部では位置ずれ等にかかる情報を併記して特定し外部出力するようにしてもよい。
【0023】
即ち、この請求項4記載の発明では、同一面内の所定範囲内でテーブル部材が360°方向の何れかの方向に微小移動した場合に、その移動量を直ちに静電容量の変化として連続的に検出することができ、同時に当該可動テーブルの同一面内において回転動作した場合にも、これを同様に精密に検出することができ、これらを同時に又は連続して移動情報として外部出力することが可能となっている。
【0024】
請求項5記載の発明では、X−Y平面上を所定範囲内で平面移動するテーブル部材の周囲4辺の各々に、それぞれ少なくとも2個の静電容量型の位置検出センサを所定間隔を隔てて配設する。
【0025】
又、この各位置検出センサを構成する一方のセンサ用面電極を前述したテーブル部材の一方の面の端面周囲に装着すると共に、各位置検出センサを構成する他方のセンサ用面電極を前述した一方のセンサ用面電極に一部分対向し且つ近接した状態で前述したテーブル部材保持用のケース本体側に固定装備する。
【0026】
そして、前述したテーブル部材の移動と共に各位置検出センサにおける一方と他方の各センサ用面電極の相互間に形成される静電容量の変化をテーブル移動の位置情報として検出し所定の信号に変換して外部出力する演算部を備えている、という構成を採っている。
【0027】
このため、この請求項5記載の発明では、前述した請求項4記載の発明と同等の機能を有するほか、更に、テーブル部材の周囲4辺の各々に少なくとも2個の静電容量型の位置検出センサを装備したので、位置検出センサの数が2倍となり、このため、測定感度が倍増し、同時に対応する2辺に位置検出センサを同数装備したので、その差をとることにより外部からの電気的な雑音を排除することが可能となり、かかる点において、使用環境の悪い箇所にあってもその影響を受けることなく比較的正確に且つ高精度に移動情報を検出し出力することができる。
【0028】
請求項6記載の発明では、前述した請求項5記載のテーブル位置検出用センサ装置において、前述したテーブル部材の中心部からX軸およびY軸に沿った方向先に位置する各端部に対応して配設した2個の位置検出センサの内、X軸又はY軸の何れか一方の軸線に沿った方向先の各端部に配設された2個の位置検出センサを、それぞれ一個とする、という構成を採っている。
【0029】
このため、この請求項6記載の発明では、前述した請求項5記載の発明と同等の機能を有するほか、更に、位置検出センサの数を少なくしたから、その分、演算部の負担が軽減され当該演算部の演算処理が迅速化される。
【0030】
請求項7記載の発明では、前述した請求項4又は5記載のテーブル位置検出用センサ装置において、前述した演算部が、テーブル部材の移動情報の検出時に作動し外部から到来する雑音を有効に排除する雑音排除機能を備えている、という構成を採っている。
【0031】
このため、この請求項7記載の発明では、前述した請求項4又は5記載の発明と同等の機能を有するほか、更に、周囲環境の悪い場所においても或いは隣接する電気機器から突発的に発生する雑音に対しても、これらの外来雑音の影響を受けることなく移動情報を鮮明に且つ高精度に検出することができ、かかる点において装置全体の信頼性向上を図ることができる。
【0032】
請求項8記載の発明では、前述した請求項1,4,5,6又は7記載のテーブル位置検出用センサ装置において、各位置検出センサの内のテーブル部材側に装備した各一方のセンサ用面電極を、所定幅の電極部材により帯状に形成してなる共通電極によって構成する、という手法を採っている。
【0033】
このため、この請求項8記載の発明では、前述した請求項1,4,5,6又は7記載の発明と同等の機能を有するほか、更に、複数の一方のセンサ用面電極を単一の共通電極で共用し得るので、構成が単純化され、組立及び調整が容易となり、生産性向上を図ることができるという利点があある。
【0034】
請求項9記載の発明では、前述した請求項1,4,5,6,7又は8記載のテーブル位置検出用センサ装置において、位置検出センサを構成する一方と他方の各センサ用面電極を、それぞれ複数の板状電極を所定空隙を介して積層した状態で一体化し、これによって断面櫛型状に形成する。そして、この一方と他方の各センサ用面電極が相互に対向する部分の電極面部分が相互に接触することなく噛み合った形態をもって組み込む、という構成を採っている。
【0035】
このため、この請求項9記載の発明では、前述した請求項1,4,5,6,7又は8記載の発明と同等の機能を有するほか、更に、一方と他方の各センサ用面電極の対向面が増加した数の分だけ静電容量の変化分が数倍に倍増され、かかる点において測定感度を大幅に改善することができ、テーブル部材の移動にかかる位置情報を高感度に且つ高精度に出力することが可能となっている。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて説明する。
【0037】
【第1の実施形態】
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図19に示す。
この第1の実施形態は、本発明にかかるテーブル位置検出用センサ装置を、精密加工用のステージ装置について実施した場合の例を示す。
【0038】
まず、図1乃至図3において、符号1は精密加工用のテーブル台としての可動テーブルを示し、符号2はテーブル保持機構を示す。このテーブル保持機構2は、図1の下方部分に配設され、前述した可動テーブル1が同一面内での任意の方向への移動を許容すると共に当該可動テーブル1に元位置復帰力を付加した状態(元位置復帰機能を備えた状態)で当該可動テーブル1を保持するように構成されている。
【0039】
このテーブル保持機構2は、本体部としてのケース本体3によって支持されている。
ケース本体3は、本実施形態では図1に示すように上方および下方が開放された箱体状に形成されている。付号4は電磁駆動手段を示す。この電磁駆動手段4は、その主要部がケース本体3側に保持され、前述した可動テーブル1に移動力を付勢する機能を備えている。
【0040】
符号3Aは、ケース本体3の内壁部周囲に突設された駆動手段保持部を示す。又、符号5はテーブル部材としての補助テーブルを示す。この補助テーブル5は、可動テーブル1に対向し且つ所定間隔を隔てて平行に当該可動テーブル1に連結装備されている。
前述した電磁駆動手段4は、この2つのテーブル部材である補助テーブル5と可動テーブル1との間に配設されている。
【0041】
この電磁駆動手段4は、補助テーブル5の所定位置に固定装備された4個の正方形形状の被駆動磁石6と、この各被駆動磁石6に対向して配置された十字状コイル辺を有し且つ当該各被駆動磁石6に対して前述した可動テーブル1の所定の移動方向に沿って電磁的に所定の駆動力を付勢する田形状駆動コイル7と、この田形状駆動コイル7を定位置にて保持すると共に前述した補助テーブル5の可動テーブル1側に装備された固定プレート8とを備えている。この内、田形状駆動コイル7と固定プレート8とによって電磁駆動手段4の主要部が構成されている。
【0042】
更に、前述した田形状駆動コイル7の前述した被駆動磁石6側の端面側には、非磁性金属部材からなる制動用プレート9が被駆動磁石6の磁極面に近接して個別に配設されている。この制動用プレート9は前述した固定プレート8側に固定された状態となっている。
【0043】
電磁駆動手段4によって駆動される補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)の移動状態は、位置情報検出手段25(本発明にかかるテーブル位置検出用センサ装置)によってリアルタイムで連続的に且つ高精度に検出される。
【0044】
この位置情報検出手段(テーブル位置検出用センサ装置)25は、図5に示すように、本実施形態では静電容量型の8個の位置検出センサから成る容量センサ群26と、この容量センサ群26で検出される複数の容量成分を所定の信号処理をして位置情報としてテーブル駆動制御手段21に送り込む位置情報演算回路(演算部)27とを備えている。
そして、8個の位置検出センサを備えた容量センサ群26は、後述するように、補助テーブル5とその周囲下面に対向してケース本体3から突設された本体側突出部3Bとの間に装備されている。
【0045】
以下、これを更に詳細に説明する。
〔可動テーブルと補助テーブル〕
まず、図1乃至図3において、精密加工用のテーブル台としての可動テーブル1は、4角形状でもよいが、本実施形態では円形状に形成され、補助テーブル5は4角形状に形成されている。この補助テーブル5は、可動テーブル1に対向し且つ所定間隔を隔てて平行に配置され、その中心部の連結支柱10を介して前述した可動テーブル1に一体的に連結されている。
このため、この可動テーブル1は、補助テーブル5と平行状態を維持しつつ一体的に移動し且つ補助テーブル5と共に同一面上で一体的に回転し得るようになっている。
【0046】
連結支柱10は、前述したように可動テーブル1と補助テーブル5とを連結する連結部材であって、両端部に鍔部10A,10Bを備えた断面工字状に形成され、その両端部外側中央には、可動テーブル1と補助テーブル5との各中心部に形成された位置決め孔1A,5aに係合する突起10a,10bが設けられている。そして、可動テーブル1と補助テーブル5とは、これらにより位置決めされ当該連結支柱10を介して一体化されている。
【0047】
〔テーブル保持機構〕
前述したテーブル保持機構2は、本実施形態にあっては可動テーブル1を保持しつつ当該可動テーブル1をその高さ位置を変えることなく同一面上のいずれの方向へも自在に移動可能とする機能を備えたものであり、補助テーブル5を介してこれを実行するようにしたものである。
【0048】
このテーブル保持機構2は、全体的にはリンク機構を3次元空間に応用したもので、所定間隔を隔てて設置される2本の棒状弾性部材としてのピアノ線2A,2Bを一組として予め補助テーブル5の端部周囲のコーナー部分に対応して4組準備し、この4組のピアノ線を組毎に、4角形状の中継プレート2Gの各4隅部分に分けてそれぞれ上方向に向けて植設する。そして、内側(テーブル側)に位置する4本のピアノ線2Aで補助テーブル5を下方から保持し、外側(本体側)に位置する4本のピアノ線2Bで中継プレート2Gをケース本体(本体部)3側から突設された本体側突出部3Bに吊り下げられたような構成になっている。
【0049】
ここで、上記4組8本の各棒状弾性部材は、それぞれ前述したようにピアノ線等から成る同一強度の棒状弾性部材で形成され、又この各組を構成するピアノ線2A,2Bについては、その露出部分の長さLおよび相互間の距離Sはそれぞれ同一に設定されている。この棒状弾性部材としてのピアノ線2A,2Bは、可動テーブル1および補助テーブル5を支えるに充分な適度の剛性を備えた棒状弾性部材であれば他の部材であってもよい。
【0050】
これにより、補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)が中継プレート2Gと各4本のピアノ線2A,2Bとによって空中で安定した様態で保持され、その水平面内での移動は、ピアノ線2Aの弾性限界内において(元位置復帰機能を備えた状態で)リンク機構の原理に従って同一の高さ位置を維持しつつ何れの方向にも自在に移動可能となっている。同一面内での回転動作もほぼ同様に可能となる。
【0051】
このため、補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)が、外力(例えば電磁駆動力)に付勢されてその同一面内で移動し又は回転すると、後述する図12,図15に示すように、テーブル側およびケース本体側の各ピアノ線2A,2Bが同時に弾性変形して中継プレート2Gが平行状態を維持しつつ上下動する。即ち、補助テーブル5(可動テーブル1)が外力によってその面内で移動し又は回転すると、その高さ位置の変動は中継プレート2Gによって吸収される。
【0052】
これにより、補助テーブル5(可動テーブル1)は、外力に付勢されて移動しても、各ピアノ線2A,2Bの弾性限界内において何れの方向へも同一高さを維持しつつ移動する。そして、この場合、駆動力を開放すると、補助テーブル5は可動テーブル1と共に、各ピアノ線2A,2Bのばね作用によって一直線に元位置に復帰する。
【0053】
〔電磁駆動手段〕
可動テーブル1と補助テーブル5との間には、前述したように、補助テーブル5を介して前述した可動テーブル1に対し所定の移動力を付勢する電磁駆動手段4が装備されている(図1参照)。
【0054】
この電磁駆動手段4は、平面駆動のリニアモータであり、前述したように補助テーブル5上に装備された4個の被駆動磁石(本実施形態では永久磁石が使用されている)6と、この各被駆動磁石6を介して可動テーブル1に所定の移動方向に向けて所定の電磁力を付勢する4個の田形状駆動コイル7と、この各田形状駆動コイル7を保持する固定プレート8とを備えている。
【0055】
この内、固定プレート8は、図1に示すように、補助テーブル5の可動テーブル1側(補助テーブル5と可動テーブル1との間)に装備され、その周囲がケース本体3に固着装備されている。この固定プレート8の中央部には、前述した連結支柱10の所定範囲内での平行移動を許容する貫通穴8Aが形成されている。
【0056】
前述した固定プレート8は、前述したようにその周囲全体が本体側突出部3Aに保持されている。この場合、固定プレート8と本体側突出部3Aとは、その一体化を堅牢にするため、ネジ止め後にノックピン等で一体化しても或いは溶接等で一体化してもよい。このようにすると、可動テーブルのミクロン(μ)単位の変位や移動に対しても、固定プレート8がケース本体3に対して位置ずれを生じることなく円滑にこれに対応することができるという利点が生じる。
【0057】
前述した4個の被駆動磁石6は、本実施形態では図2,図3に示すように、駆動コイルとの対向面が4角形状の永久磁石が使用され、補助テーブル5の上面における直交するX軸,Y軸からなるX−Y面上で、中心部から等距離の位置のX軸上およびY軸上にそれぞれ配設され固着されている。
この4個の被駆動磁石6に対向する位置には、中央部に十字状のコイル辺を有し且つ当該各被駆動磁石6に対し前述した可動テーブル1の所定の移動方向に沿って電磁的に所定の駆動力を付勢する田形状駆動コイル7が、前述した4個の被駆動磁石6に個別に対応して固定プレート8上の定位置に、固着装備されている。
【0058】
この場合、4個の被駆動磁石6の向きは、田形状駆動コイル7に面する側の磁極が、本実施形態ではX軸上のものはN極に、Y軸上のものはS極に、それぞれ設定されている(図2,図3参照)。
このため、十字状のコイル辺の縦方向又は横方向に通電される電流と被駆動磁石6との間に発生する電磁力は、常にX軸方向又はY軸方向に統一され、その合力が常に最大値となるように設定されている。このため、発生する電磁力を効率良く可動テーブル1に対する駆動力として出力することが出来て都合がよい。
【0059】
又、前述した、田形状駆動コイル7については、その大きさは内側に有する十字状コイル辺の領域が前述した被駆動磁石6の最大移動範囲を許容する大きさに設定されている。
このため、4個の被駆動磁石6との間に生じる電磁力は、田形状駆動コイル7が固定プレート8上の定位置に固定されていることにより、当該被駆動磁石6を介して補助テーブル5に対する所定方向への移動力として確実に出力されることとなる。
【0060】
〔田形状駆動コイル〕
電磁駆動手段4の主要部を成す田形状駆動コイル7は、例えば図4に示すように、実際にはそれぞれ独立して通電可能な4個の角形小コイル7a,7b,7c,7dにより構成されている。
【0061】
そして、各角形小コイル7a〜7dの通電方向を後述する動作制御系によって外部から切り換え制御することにより、例えば田形状駆動コイル7の内部の十字状部分に流れる電流を図中の縦方向又は横方向の何れか一方に限定して通電(正又は逆方向を含めて)することが可能となり、これにより対応して配置された被駆動磁石6に対しては、フレミングの左手の法則に従って当該各被駆動磁石6を所定の方向へ押圧する電磁力(反力)を出力することができる。
【0062】
このため、4個の角形小コイル7a〜7dに生じる電磁力の方向を組み合わせることにより、前述した田形状駆動コイル7の内側に位置する十字状のコイル辺部分に、縦方向又は横方向等の何れか一方への通電状態が設定され、これによって対応する被駆動磁石6に所定方向への電磁駆動力が出力される。そして、前述した4個の被駆動磁石6に生じる電磁駆動力の合力によって、前述した補助テーブル5に対してX−Y軸上で回転動作を含む任意の方向に向けて移動力が付勢されるようになっている。
【0063】
これら4個の角形小コイル7a〜7dに対する一連の通電制御の手法については、後述する動作プログラム記憶部22の説明箇所(図7)で詳述する。
又、この4個の角形小コイル7a〜7dは中空のコイルもよいが、内側にフェライト等の被導電性磁性部材を充填したものであってもよい。
符号9は、被駆動磁石6に近接対向して田形状駆動コイル7側に固定装備された制動用プレートを示す。
【0064】
〔位置情報検出手段:テーブル位置検出用センサ装置〕
前述した電磁駆動手段4によって駆動される補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)の移動状態は、位置情報検出手段(本発明にかかるテーブル位置検出用センサ装置)25によって検出される。
この位置情報検出手段25によって検出された可動テーブル1の移動情報は、外部表示用として外部出力され、或いはテーブル駆動制御手段21によるフィードバック制御用として使用される。
【0065】
この位置情報検出手段25は、図5に示すように、本実施形態では静電容量型の8個の位置検出センサを備えた容量センサ群26と、この容量センサ群26で検出される8個の変化したセンサ部分の静電容量の変化をテーブル移動の位置情報として検出し電圧変換すると共に所定の演算をしたのち位置情報として後述するテーブル駆動制御手段21に送り込む(又は外部出力する)演算部としての機能を有する位置情報演算回路27とを備えた構成となっている。
【0066】
この内、位置情報演算回路(演算部)27は、具体的には前述した容量センサ群26で検出される8個の変化したセンサ部分の容量成分を個別に電圧変換する信号変換回路部27Aと、この信号変換回路部27Aで変換された8個の電圧信号を所定の演算によりX−Y座標上の位置を示すX方向位置信号VX 及びY方向位置信号VY に変換し、更には前述した容量センサ群26から検出される全部の情報に基づいて所定の演算をし回転角信号Vθとして出力する位置信号演算回路部27Bとにより構成されている(図5,図16参照)。
【0067】
又、容量センサ群26を構成する8個の各位置検出センサは、図1乃至図3に開示したように、可動子の一部を構成するテーブル部材としての4角形状の補助テーブル5側に装備された一方のセンサ用面電極5Gと、この一方のセンサ用面電極5Gの電極面に近接し且つ一部分対向して各辺に2個づつ所定間隔を隔てて配設され固定子であるケース本体側の同一面上に装着された8枚の他方のセンサ用面電極26X1 ,26X2 ,26X3 ,26X4 ,26Y1 ,26Y2 ,26Y3 ,26Y4 とを備えている。
そして、この一方のセンサ用面電極5Gと、8枚の他方のセンサ用面電極26X1〜26X4,26Y1〜26Y4とにより、8個の位置検出センサ(容量センサ群26)が構成されている。
【0068】
ここで、一方のセンサ用面電極5Gは、後述するように他方のセンサ用面電極26X1〜26X4,26Y1〜26Y4に個別に対応したものでもよいが、本実施形態では単一の部材によって形成されて補助テーブル5の一方の面である背面の面周囲に装着されている。
【0069】
即ち、この一方のセンサ用面電極5Gは、所定幅の導電性部材で帯状に形成され、これが補助テーブル5の背面の面周囲に沿って大口形状の連続した形に形成され且つ共通電極として接地された状態で、当該補助テーブル5の裏面(図1内の補助テーブル5の下面)に装着されている。
【0070】
8個の前述した他方のセンサ用面電極26X1〜26X4,26Y1〜26Y4は、X−Y平面上におけるX軸およびY軸に沿った方向先に位置する両方の端部の前述した共通電極5Gに対応して、前述したようにそれぞれ2個ずつ所定間隔を隔てて配設されている(図2〜図3参照)。
【0071】
ここで、前述した位置検出センサという場合、実際にはこの各容量検出電極26X1,26X2,26X3,26X4,26Y1,26Y2,26Y3,26Y4と共通電極との組み合わせで構成されるものを呼称するが、ここでは、便宜上、信号を外部に向けて発信する他方のセンサ用面電極26X1,26X2,26X3,26X4,26Y1,26Y2,26Y3,26Y4を、位置検出センサとして扱うものとする。
【0072】
上記各位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1,26X2,26X3,26X4,26Y1,26Y2,26Y3,26Y4の内、2個の位置検出センサ26X1,26X2が図2,図3の右端部に上下に沿って所定間隔を隔てて装備され、これに対して他の2個の位置検出センサ26X3,26X4が図2,図3の左端部の上下に沿って所定間隔を隔てて装備されている。
【0073】
また、上記各位置検出センサ26X1,26X2,26X3,26X4,26Y1,26Y2,26Y3,26Y4の内、2個の位置検出センサ26Y1,26Y2が図2,図3の上端部の左右に沿って所定間隔を隔てて装備され、他の2個の位置検出センサ26Y3,26Y4が図2,図3の下端部に左右に沿って所定間隔を隔てて装備されている。
【0074】
即ち、上記8個の各位置検出センサ26X1,26X2,26X3,26X4,26Y1,26Y2,26Y3,26Y4は、本実施形態にあっては図2〜図3に示すように、X軸およびY軸に対して、それぞれ線対称の位置に配設されている。
尚、この各位置検出センサの配置については、必ずしもX軸およびY軸に対して線対称の位置でなくてもよい。
【0075】
そして、例えば前述した補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)が電磁駆動手段4に付勢されて図6(A)に示すように矢印Fの方向(図中、右上方向)に移動動作した場合、本実施形態では、補助テーブル5の両側に(及び上下方向に)位置する位置検出センサ26X1,26X2(26Y1,26Y2 ),26X3,26X4(26Y3,26Y4)で検出される変化した容量成分が、位置情報演算回路(演算部)27の信号変換回路部27Aで電圧変換された後に位置信号演算回路部27Bに送り込まれ、この位置信号演算回路部27Bで前述した各変換電圧を入力してX方向位置信号VX,Y方向位置信号VYとして(後述するように)差動出力される構成となっている。
【0076】
又、前述した補助テーブル5が電磁駆動手段4に付勢されて図6(B)に示すように矢印方向に回転動作した場合、本実施形態では、前述した場合と同様に各部が作動し同様に機能して、その変化した容量成分が電圧変換されて所定の回転角信号Vθとして(後述するように)差動出力される構成となっている。
【0077】
即ち、位置情報演算回路(演算部)27は、テーブル部材(補助テーブル5)の移動と共に前述した一方と他方のセンサ用面電極5G,26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の相互間に形成される静電容量の変化をテーブル部材(補助テーブル5)の移動の位置情報として検出し所定の電気信号に変換して外部出力する機能を備えている。。
【0078】
換言すると、補助テーブル5(可動テーブル1)の移動と共に8個の各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4に生じる容量変化が、位置情報演算回路(演算部)27の信号変換回路部27Aによってリアルタイムで検知され、それが位置信号演算回路部27Bへ送り込まれる。そして、この位置信号演算回路部27Bでは、この8つのセンサ情報に基づいて可動テーブル1の移動方向と移動量とを含む位置情報を特定する。
符号27aは、位置情報演算回路(演算部)27で特定された可動テーブルの位置情報を外部出力するための出力端子を示す。
【0079】
この場合、例えば補助テーブル5のY軸方向の各端部に対応して装備した合計4個の各位置検出センサ26Y1〜26Y4に容量変化が見られない場合には可動テーブル1はX軸に沿って(回転動作なしに)移動したことを意味し、その移動方向はX軸方向の4個の位置検出センサ26X1〜26X4の容量の増減で判断され、その移動量はX軸方向の位置検出センサ26X1〜26X4の変化した容量値によって特定される。
【0080】
又、X軸方向とY軸方向の両方の位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4が同一の容量変化を検出した場合には、可動テーブル1は45°方向に(回転動作なしに)移動したことを意味し、その移動方向は直接的には各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の容量の増減のパターンによって判断され、又その移動量は、各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の容量の変化量によって特定される。
【0081】
更に、同一箇所に配置された対を成す2個の位置検出センサ(例えば26X1,26X2)が異なった容量変化を出力した場合は、可動テーブル1は回転動作をしたことを意味し、同時に一方の2つの位置検出センサ(例えば26X1,26X2)の容量変化の差と隣接する他方の2つの位置検出センサ(例えば26Y1,26Y2)の容量変化の差とが等しい場合には正常回転を意味する。
この可動テーブルの回転方向は各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の容量の増減のパターンによって判断され、又その移動量は、各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の容量の変化量によって特定される。
【0082】
ここで、これら各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の容量変化のパターンによる移動方向の特定,および各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の容量の変化量と可動テーブルの移動量との関係は、例えば、予め実験的に特定され且つマップ化してメモリ等に記憶し、これを基準として位置ずれ等を判断するように構成してもよい。
このようにすると、演算処理の迅速化が図られて都合がよい。そして、これら一連の分析および判断は、テーブル駆動制御手段21にて行われる。
【0083】
又、本実施形態にあっては、例えば、図3の左右(及び上下)の各位置検出センサに同時に印加されるノイズを差動出力(例えば、X軸方向の一端部と他端部に配置された位置検出センサに検知される容量変化の差をとること:外部雑音排除機能)によって打ち消すことができ、同時に測定値が電圧変換された後にその変化分が合算されて出力されるので、補助テーブル5(可動テーブル1)の位置情報を高感度に出力することができるという利点がある。かかる外部雑音排除機能は、本実施形態にあっては前述した位置情報演算回路(演算部)27が備えている。
【0084】
〔動作制御系〕
本実施形態にあっては、前述した電磁駆動手段4には、前述した複数の田形状駆動コイル7を個別に駆動制御して前述した可動テーブル1の移動若しくは回転動作を規制する動作制御系20が併設されている(図5参照)。
【0085】
この動作制御系20は、図5に示すように、前述した電磁駆動手段4の複数の各田形状駆動コイル7を所定の制御モードに従って個別に駆動し前述した可動テーブル1を所定の方向に(補助テーブル5を介して)移動制御するテーブル駆動制御手段21と、このテーブル駆動制御手段21に併設され前述した可動テーブル1の移動方向,回転方向,およびその動作量等を特定するための複数の制御モードにかかる複数の制御プログラムが記憶された動作プログラム記憶部22と、これら各制御プログラムの実行に際して使用される所定のデータ等を記憶したデータ記憶部23とを備えている。
【0086】
テーブル駆動制御手段21には、複数の各田形状駆動コイル7に対する所定の制御動作を指令する動作指令入力部24が併設されている。又、このテーブル駆動制御手段21には、前述した可動テーブル1の移動中および移動後の位置情報が、前述した位置情報検出手段25によって検出され、後述するように所定の演算処理が成されて送り込まれるようになっている。
【0087】
前述したテーブル駆動制御手段21は、本実施形態にあっては、動作指令入力部24からの指令に基づいて作動し所定の制御モードを動作プログラム記憶部22から選択し前述した複数の各田形状駆動コイル7に所定の電流を通電制御する主制御部21Aと、この主制御部21Aにて設定される制御モードに従って所定の4個の各田形状駆動コイル7,7,……を同時に且つ個別に駆動制御するコイル選択駆動制御部21Bとを備えている。
【0088】
又、主制御部21Aは、テーブル位置を検出する位置情報検出手段25からの入力情報に基づいて前述した可動テーブル1の移動方向及び現在位置を算定し或いはその他の種々の演算を行う機能も同時に兼ね備えている。
符号4Gは、前述した電磁駆動手段4の複数の各田形状駆動コイル7に所定の電流を通電する電源回路部を示す。
【0089】
更に、上記テーブル駆動制御手段21は、前述した位置情報検出手段25からの情報を入力して所定の演算を行いこれに基づいて予め動作指令入力部24で設定した移動先の基準位置情報とのズレを算定する位置ずれ算定機能と、この算定された位置ずれ情報に基づいて電磁駆動手段4を駆動し予め設定された移動先の基準位置に当該可動テーブル1を移送制御するテーブル位置補正機能とを備えている。
【0090】
このため、本実施形態にあっては、可動テーブル1の移動方向が外乱等によってずれた場合には、当該ずれを修正しながら可動テーブル1を所定の方向に移送制御することとなり、これにより当該可動テーブル1は迅速且つ高精度に予め設定した目標位置に移送されることとなる。
【0091】
〔動作プログラム記憶部〕
前述したテーブル駆動制御手段21は、動作プログラム記憶部22に予め記憶された所定の制御プログラム(所定の通電パターンおよびその選択組合せである所定の制御モード)に従って前述した電磁駆動手段4の4個の田形状駆動コイル7を個別に駆動制御するように構成されている。
【0092】
即ち、前述した動作プログラム記憶部22には、本実施形態にあっては前述した4個の各田形状駆動コイル7,7,……に対する基本的な4つの通電パターンを実行するためのプログラムが記憶されている(図5,図7参照)。
【0093】
図7は、田形状駆動コイル7(固定子側)の4個の角形小コイル7a,7b,7c,7dに対する4種類の通電パターンA,B,C,Dと、その時に各田形状駆動コイルの十字辺部分に生じる電流の向き、及びこれに対応して可動子側の被駆動磁石(永久磁石)6に生じる電磁駆動力(推力)の向きを、それぞれ示す。
【0094】
この図7において、通電パターンAの場合は、角形小コイル7a,7bに対しては左回りの電流が,又角形小コイル7c,7dに対しては右回りの電流がそれぞれ通電制御され、これによって中央部に位置する十字状のコイル辺部分では、外部に出力される磁束が全体的に加算又は相殺され、その結果としてX軸の正方向の電流IA のみが通電されたのと同等の状態となる。
【0095】
又、通電パターンBでは、それぞれ図示の如く各角形小コイル7a〜7dが個別に通電制御され、これによってX軸の負方向の電流IBのみが通電されたのと同等の状態となる。通電パターンCでは、それぞれ図示の如く各角形小コイル7a〜7dが個別に通電制御され、これによってY軸の正方向の電流ICのみが通電されたのと同等の状態となる。同様に、通電パターンDでは、それぞれ図示の如く各角形小コイル7a〜7dが個別に通電され、これによってY軸の負方向の電流ID のみが通電されたのと同等の状態となる。
この上記4つの通電パターンA,B,C,Dは、動作プログラム記憶部22に予め記憶された所定の制御プログラムに基づいて実行されるようになっている。
【0096】
又、図7に開示した白抜き矢印は、これらの通電パターンA,B,C,Dに対応して可動子側の被駆動磁石(永久磁石)6との間に発生する電磁駆動力(推力)の向きを、それぞれ示す。
【0097】
この場合、対応する各電磁力は田形状駆動コイル7の通電コイル辺部分にフレミングの左手の法則によって発生するが、当該田形状駆動コイル7が固定プレート8上に固定されていることからその反力が電磁駆動力(推力)として被駆動磁石(永久磁石)6側に向けて発生する。
図7に開示した白抜き矢印は、その反力(電磁駆動力)の向きを示すものでもある。このため、この反力(電磁駆動力)は、被駆動磁石6の磁極N,Sの種類によってその向きが反転する。
【0098】
更に、この動作プログラム記憶部22には、前述した固定プレート8上の中央部を原点として想定されるX−Y平面上にて可動テーブル1をX軸の正負2方向およびY軸の正負2方向にそれぞれ移動せしめる第1乃至第4の制御モードと、X−Y平面上に設定される各象限内の所定方向に可動テーブル1を移動せしめる第5乃至第8の制御モードと、可動テーブル1を所定位置にて時計方向又は反時計方向に回転動作せしめる第9乃至第10の各制御モードにかかる各動作プログラムが記憶されている。
【0099】
図8乃至図10に、前述した第1,第5,第9の各制御モードにかかる動作プログラムを実行した場合に生じる各田形状駆動コイル7の機能および補助テーブル(可動テーブル1)の動作状態の一例を、それぞれ示す。
【0100】
図8(A)(B)は、第1の制御モードを実行した場合の状態を示すものである。この図に示すように、この第1の制御モードでは、X軸上の2つの田形状駆動コイル7,7はそれぞれ電流パターンDの手法で通電制御され、Y軸上の2つの田形状駆動コイル7,7はそれぞれ電流パターンCの手法で通電制御される。図8(A)において、記号N,Sは、各被駆動磁石(永久磁石)6の磁極の種類を示す。
【0101】
その結果、この第1の制御モードでは、各被駆動磁石(永久磁石)6に対しては、矢印FX1,FX2,FX3,FX4の方向に電磁駆動力が発生し、これによってX軸上の正の方向(矢印 +FX)に向けて補助テーブル5が駆動されることとなる(図12,図13参照)。
ここで、図13中、位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の交差した斜線部分は当該箇所の位置検出センサにおける増加した容量成分CX1,CX2の大きさを示し、一方向の斜線部分は当該箇所の位置検出センサにおける減少した容量成分CX3,CX4の大きさを示す。
【0102】
図8(B)は、各田形状駆動コイル7,7,……に同一の電磁駆動力が発生した場合の向きをX−Y座標上に例示したものである。これより、X軸上の正の方向に補助テーブル5を移送する場合には、特に、Y軸上の各田形状駆動コイル7,7に同一の大きさの駆動力を発生させることが重要となる。
【0103】
第2乃至第4の各制御モードの場合も、上記第1の制御モードの場合と同様に、それぞれ各田形状駆動コイル7,7,……に通電する通電パターンA〜Dを適宜選択し、これによって、補助テーブル5(可動テーブル1)をX軸又はY軸に沿った所定の方向に駆動し得るようになっている。
【0104】
図9(A)(B)は、第5の制御モードを実行した場合の状態を示すものである。この図に示すように、この第5の制御モードでは、X軸上の2つの田形状駆動コイル7,7はそれぞれ通電パターンDの手法で通電制御され、Y軸上の2つの田形状駆動コイル7,7はそれぞれ通電パターンBの手法で通電制御される。
【0105】
その結果、この第5の制御モードでは、X軸上の2つの被駆動磁石(永久磁石)6に対しては、矢印FX1, FX3の方向に電磁駆動力が発生し、Y軸上の2つの被駆動磁石(永久磁石)6に対しては、矢印FY2, FY4の方向に電磁駆動力が発生し、これによってX−Y軸上の中心点から第1象限方向に向けて(矢印FXY)に向けて補助テーブル5が駆動されることとなる(図14参照)。
ここで、図14中、位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の内の交差した斜線部分はそれぞれ当該箇所の位置検出センサにおける増加した容量成分CX1,CX2,CY1,CY2の大きさを示し、一方向の斜線部分はそれぞれ当該箇所の位置検出センサにおける減少した容量成分CX3,CX4,CY3,CY4の大きさを示す。
【0106】
図9(B)は、各田形状駆動コイル7,7,……に同一の電磁駆動力が発生した場合の合力の向きをX−Y座標上に例示したものである。これより、X−Y軸上の中心点から第1象限方向に向かう方向(矢印FXY)に向けて補助テーブル5を駆動する場合には各田形状駆動コイル7,7,……に通電される電流値の大きさを適当に設定することによって、その移動方向を変化させることができることが分かる。かかる通電電流の大きさは前述した主制御部21Aで設定制御される。
【0107】
第6乃至第8の各制御モードの場合も、上記第5の制御モードの場合と同様に、それぞれ各田形状駆動コイル7,7,……に通電する通電パターンA〜Dを適宜選択し、これによって、補助テーブル5(可動テーブル1)をX−Y座標上の所定の象限の方向に向けて駆動し得るようになっている。
【0108】
図10(A)(B)は、第9の制御モードを実行した場合の状態を示すものである。この図に示すように、この第9の制御モードでは、補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)を所定角度θ分、回転動作させるためのもので、この制御動作では、所定の許容範囲内において中心軸を有しない補助テーブル5を左回り(反時計方向)の円運動をさせ所定位置での静止動作が可能としたものである。
【0109】
即ち、この図10(A)に示す第9の制御モードでは、X軸の正軸上の田形状駆動コイル7は通電パターンAの手法によって、X軸の負軸上の田形状駆動コイル7は通電パターンBの手法によって、Y軸の正軸上の田形状駆動コイル7は通電パターンDの手法によって、又Y軸の負軸上の田形状駆動コイル7は通電パターンCの手法によって、それぞれ通電制御される。
【0110】
その結果、この第9の制御モードでは、各田形状駆動コイル7,7,……に対応した各被駆動磁石(永久磁石)6には、図10(B)に示すようにそれぞれ左回りの方向に沿って各軸に直交する方向FY1,−FX2,−FY3,又はFX4に向けてそれぞれ電磁駆動力が発生する。
【0111】
このため、図10(A)に開示したように、当該各被駆動磁石(永久磁石)6に生じる電磁駆動力の大きさをそれぞれ同一の大きさPに設定制御することにより、補助テーブル5は所定の許容範囲内において中心軸を有しない状態でも左回りの円運動をし所定位置での静止動作が可能となる(図15参照)。
【0112】
ここで、図15中、容量検出電極(位置検出センサ)26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の内の交差した斜線部分は当該箇所の位置検出センサにおける増加した容量成分CX2,CX3,CY2,CY3,の大きさを示し、一方向の斜線部分は当該箇所の位置検出センサにおける減少した容量成分CX1,CX4,CY1,CY4の大きさを示す。
【0113】
この場合、円運動後の停止位置は、全体の電磁駆動力と前述したテーブル保持機構2のバネ作用による元位置復帰力とのバランス点(所定角度θ分、回転した位置)となり、かかる停止位置は設定回転角度と前述した電磁駆動力との関係として予め実験的に特定し、検索可能に図表化(マップ化)して前述したデータ記憶部23に記憶するようにしてもよい。
【0114】
図10(B)は、各田形状駆動コイル7,7,……に同一の電磁駆動力が発生した場合の向きをX−Y座標上に例示したものである。これより、X−Y座標上の中心点Oを回転中心として補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)は所定角度θだけ左回り(反時計方向)に回転し停止することとなる。
この場合、回転後の停止位置を設定する回転角度θの大きさは、各田形状駆動コイル7,7,……に通電される同一の電流値の大きさを適当に設定制御することにより、その回転角度θが定められる。かかる通電電流の大きさは前述した主制御部21Aで設定制御される。
【0115】
第10の制御モードの場合は、補助テーブル5(即ち可動テーブル1)を右回り(時計方向)に回転させる場合である。このため、この第10の制御モードでは、前述した各各田形状駆動コイル7,7,……に通電される同一の電流の向きをそれぞれ逆方向に設定すればよい。
【0116】
これらの各通電パターンおよび各制御動作にかかる動作プログラムは、テーブル駆動制御手段21に併設された動作プログラム記憶部22に出力可能に記憶されている。そして、テーブル駆動制御手段21は、動作指令入力部24からの指令に基づいて前述した各動作プログラムの何れかを選択し、これに基づいて前述した電磁駆動手段4を駆動制御するようになっている。
【0117】
〔制動用プレート〕
前述した4個の各田形状駆動コイル7の被駆動磁石6に対向した端面部分には、図1乃至図3に示すように、非磁性部材からなる金属製の制動用プレート9が、周囲から絶縁された状態で各被駆動磁石6の磁極面に対向し且つ近接してそれぞれ固着装備されている。そして、この各制動用プレート9は、補助テーブル5(可動テーブル1)の急激な移動動作に対してこれを抑制しつつ当該補助テーブル5(可動テーブル1)を緩やかに移動させる機能を備えている。
【0118】
即ち、4個の被駆動磁石6が装備された補助テーブル5又は可動テーブル1が急激な移動動作をした場合、当各該被駆動磁石6とこれに対応した各制動用プレート9との間に電磁制動(うず電流ブレーキ)が働く。これにより、補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)は急激な移動動作が抑制されて徐々に移動することとなる。
【0119】
図11(A)(B)に、上記電磁制動(うず電流ブレーキ)の発生について示す。
この図において、制動用プレート9は、被駆動磁石6のN極に対向して田形状駆動コイル7の端部に固着されている。
いま、補助テーブル5が図の右方向に速度V1で急激に移動すると、金属製の制動用プレート9は(固定されているため)相対的に図の左方向に同一の速度V2(=V1)で急激に移動することになる。これにより、制動用プレート9内にはフレミングの右手の法則に従って速度V2に比例した起電力EVが図11(B)に示す方向(図中、上向き)に発生し、これにより同矢印の方向に左右対象の渦電流が流れる。
【0120】
次に、起電力EV の発生領域にはN極からの磁束が存在することから、この被駆動磁石6の磁束と制動用プレート9内の(起電力EV方向の)渦電流との間にフレミングの左手の法則に従って所定の移動力f1が制動用プレート9内に(図の右方向に向けて)発生する。
【0121】
一方、制動用プレート9は固定プレート8上で固定されているため、移動力f1の反力f2が被駆動磁石6上に制動力として発生し、その向きは移動力f1の向きとは逆の向きになる。即ち、この制動力f2は被駆動磁石6(即ち補助テーブル5)の最初の急激な移動方向とは逆の方向となり、しかもその大きさは当該補助テーブル5の移動速度に比例した大きさとなることから、当該補助テーブル5はその急激な移動が適度の制動力f2によって抑制され、安定した状態で円滑に移動することとなる。
他の制動用プレート9の箇所でも全く同様に所定の制動力f2 が発生する。
【0122】
このため、被駆動磁石6を備えた補助テーブル5では、例えば急激な停止動作に際しては当該停止箇所にて往復移動が生じ易いが、これに対しては制動力f2 によってその動作が適度に抑制されて円滑に穏やかに移動することとなる。このため、全体的にはこの各制動用プレート9が有効に機能して、補助テーブル5(可動テーブル1)の移動動作の安定した装置を得ることができる。又、外部からの振動によって補助テーブル5が往復微小振動した場合にも、同様に機能してかかる往復微小振動は有効に抑制される。
【0123】
このため、テーブル位置検出用センサ装置では、補助テーブル5(可動テーブル1)の移動動作が安定することから、当該補助テーブル5(可動テーブル1)の位置情報も振動の少ない安定した位置情報として検知することができ、その移動状態をリアルタイムで且つ連続して外部出力することができる。
【0124】
又、上記各制動用プレート9は、各田形状駆動コイル7の駆動時に生じる熱を放熱する機能を兼ね備えている。かかる点において経年変化(熱による絶縁破壊)を有効に抑制することができ、装置全体の耐久性および信頼性を高めることができる。
【0125】
尚、前述した制動用プレート9については、本実施形態では各田形状駆動コイル7毎に装備した場合を例示したが、2個以上又は全部の田形状駆動コイル7を対象としてこれを一枚の制動用プレートで覆うように構成したものであってもよい。
【0126】
〔位置情報検出手段とテーブル駆動制御手段との連係動作〕
ここで、前述した位置情報検出手段25の具体的な構成および前述したテーブル駆動制御手段21との連係した機能を、図16に基づいて更に詳細に説明する。
【0127】
位置情報検出手段25は、前述したように、容量センサ群26として8個の位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4を備えている。
この8個の各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4は、前述した補助テーブル5が所定の方向へ移動した場合に生じる静電容量の変化分を、それぞれ個別にCX1,CX2,CX3,CX4,CY1,CY2,CY3,CY4として出力する。
これら静電容量の変化分(信号)は、以後、前述した補助テーブル5(可動テーブル1)の移動情報として取り扱われる。
【0128】
ここで、実際の容量データの測定に際しては、一般に行われている手法が使用され、所定周波数の測定電流(交流)を通電し、その抵抗成分の増減をもって静電容量の変化が連続した変化情報として捕捉される。
【0129】
図16に、前述した各8個の位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4と当該箇所で個別に検知され出力される静電容量の変化分CX1,CX2,CX3,CX4,CY1,CY2,CY3,CY4との対応およびデータ処理の手順を示す。
ここで、各静電容量の変化分CX1〜CX4,CY1〜CY4の値(測定により得られた値)そのものは、静電容量の増加又は減少に対応して正負の符号を含んだものとなっている。
【0130】
この容量センサ群26の各位置検出センサ26X1〜26X4,26Y1〜26Y4で検出された静電容量の変化分(移動情報)CX1〜CX4,CY1〜CY4は、位置変換回路部27Aでそれぞれ対応する所定レベルの電圧信号vX1,vX2,vX3,vX4,vY1,vY2,vY3,vY4に変換され、位置信号演算回路部27Bへ送られる。
この各電圧信号vX1〜vX4,vY1〜vY4は、前述した静電容量の増加又は減少に対応して正負の符号を含んだものとなっている。
【0131】
位置信号演算回路部27Bは、補助テーブル5(移動テーブル1)の移動後のX方向の位置信号を演算し特定するための少なくとも3つの加算回路27B1,27B2,27B3と、Y方向の位置信号を形成するための少なくとも3つの加算回路27B4,27B5,27B6と、回転移動した場合の回転角信号を形成するための少なくとも3つの加算回路27B7,27B8,27B9の合計9個の加算回路を備えた構成となっている。
【0132】
この内、X方向の位置信号VX は、下記の順序で演算され特定される。
まず、加算回路27B1で「VX12=vX1 +vX2 」
加算回路27B2で「VX34=vX3 +vX4 」
加算回路27B3で「VX=VX12 −VX34 」
このX方向の位置信号VXを得るための演算(差をとること)により、この位置信号演算回路部27Bで、前述した位置情報演算回路(演算部)27の雑音排除機能が実行され、外部から到来する雑音が雑音が排除(相殺)され、当該X方向位置信号VX は差動出力信号として出力される。
【0133】
又、Y方向の位置信号VYは、前述したX方向位置信号VXと並行して下記の順序で演算され特定される。
まず、加算回路27B4で「VY12=vY1 +vY2 」
加算回路27B5で「VY34=vY3 +vY4 」
加算回路27B6で「VY=VY1 2 −VY34 」
このY方向の位置信号VYを得るための演算(差をとること)により、この位置信号演算回路部27Bで、前述した位置情報演算回路(演算部)27の雑音排除機能が実行され、外部から到来する雑音が排除(相殺)され、当該Y方向位置信号VY は差動出力信号として出力される。
【0134】
更に、回転角信号Vθは、前述したX方向位置信号VX及びY方向位置信号VYと並行して下記の順序で演算され特定される。
まず、加算回路27B7で「V01=vX2+vX3+vY2+vY3 」
加算回路27B8で「V02=vX1+vX4+vY1+vY4 」
加算回路27B9で「Vθ=V01−V02 」
この回転角信号Vθを得るための演算(差をとること)により、この位置信号演算回路部27Bで、前述した位置情報演算回路(演算部)27の雑音排除機能が実行され、これによって外部から到来する雑音が排除(相殺)され、当該回転角信号Vθは差動出力信号として出力される。
【0135】
このようにして演算され特定されたX方向位置信号VX ,Y方向位置信号VY 及び回転角信号Vθは、外部出力端子27aを介して例えば外部の位置表示装置等に向けて出力され、同時に前述したテーブル駆動制御手段21の主制御部21Aへ送られるようになっている(図5参照)。
【0136】
そして、外部出力されたX方向位置信号VX,Y方向位置信号VY及び回転角信号Vθは、外部の位置表示装置等に表示されてオペレータ等により成される可動テーブル1の位置の確認、および位置ずれに対して成される正常位置への移動操作に際しての目標データとして有効利用される。
又、テーブル駆動制御手段21の主制御部21Aでは、入力されたX方向位置信号VX ,Y方向位置信号VY 及び回転角信号Vθに基づいて可動テーブル1の位置ずれ等が演算され、必要に応じて位置補正にかかる制御動作が実行される。
【0137】
この主制御部21Aでは、可動テーブル1の位置ずれ等の演算に先立って、前述した位置情報検出手段25から送り込まれるX方向位置信号VX,Y方向位置信号VY及び回転角信号Vθの内容を分析し、これに基づいて、可動テーブル1の実際の移動方向及びその位置を、下記の基準に従って算定するようになっている。
(1).VX >0,VY =0,Vθ=0 の場合
・移動方向:X軸上の正方向、・移動先の位置:VX の値に対応した位置
(2).VX <0,VY =0,Vθ=0 の場合
・移動方向:X軸上の負方向、・移動先の位置:VX の値に対応した位置
(3).VX =0,VY >0,Vθ=0 の場合、
・移動方向:Y軸上の正方向、・移動先の位置:VY の値に対応した位置
(4).VX =0,VY <0,Vθ=0 の場合
・移動方向:Y軸上の負方向、・移動先の位置:VY の値に対応した位置
(5).VX >0,VY >0,Vθ=0 の場合
・移動方向:X−Y座標上で第1象限の正方向
・移動先の位置:X−Y座標上で「VX ,VY 」の値に対応した位置
(6).VX <0,VY <0,Vθ=0 の場合
・移動方向:X−Y座標上で第3象限の正方向
・移動先の位置:X−Y座標上で「VX ,VY 」の値に対応した位置
(7).VX <0,VY >0,Vθ=0 の場合、
・移動方向:X−Y座標上で第2象限の正方向
・移動先の位置:X−Y座標上で「VX ,VY 」の値に対応した位置
(8).VX >0,VY <0,Vθ=0 の場合
・移動方向:X−Y座標上で第4象限の正方向
・移動先の位置:X−Y座標上で「VX ,VY 」の値に対応した位置
(9).Vθ>0 の場合、
・移動方向:X−Y座標上で反時計回りの方向
・回転角度:「Vθ」の値に対応した角度
(10).Vθ<0の場合、
・移動方向:X−Y座標上で時計回りの方向
・回転角度:「Vθ」の値に対応した角度
【0138】
ここで、X方向位置信号VX,Y方向位置信号VY及び回転角信号Vθの各値が前述した動作指令入力部24から最初に指令された移動先の位置情報(基準位置情報)と異なった場合に、前述した主制御部21Aでは、位置ずれ演算機能が作動して「位置ずれあり」と判断され、位置ずれの方向とその大きさが演算され、同時にテーブル位置補正機能が作動して位置ずれが自動的に補正制御される。
【0139】
又、出力端子27aから外部出力されるX方向位置信号VX ,Y方向位置信号VY 及び回転角信号Vθを、前述したように例えば所定の表示手段によって当該補正テーブル5(可動テーブル1)の現在位置を表示することにより、オペレータは、その位置のずれの有無および位置ずれの大きさ等を知ることができ、これに基づいて動作指令入力部24から所定の補正情報を入力し主制御部21Aに対して位置ずれ補正を実行するように指令することも可能となっている。
この位置ずれに対する補正を自動化するか手動に依存するかは、切り替えスイッチ等により予め切り換え動作可能に構成しておいてもよい。
【0140】
ここで、補正テーブル5の位置ずれの有無及びその大きさについては、前述した主演算部21Aで判断するように構成してもよい。
【0141】
〔第1実施形態の全体的な動作〕
次に、上記第1実施形態の全体的な動作について説明する。
【0142】
図5において、まず動作指令入力部24から、可動テーブル1を所定位置へ移動させるための動作指令が入力されると、前述したように、テーブル駆動制御手段21の主制御部21Aは、直ちに作動して当該動作指令に基づいてデータ記憶部23から移動先の基準位置情報を選択し、同時に動作プログラム記憶部22からこれに対応した所定の制御モードにかかる制御プログラムを選択し、続いて、コイル選択駆動制御部21Bを付勢し、電磁駆動手段4の4つの田形状駆動コイル7を所定の制御モードに基づいて駆動制御する。
【0143】
そして、例えば、可動テーブル1をX軸の正方向への所定位置へ移動する旨の指令が動作指令入力部24から入力されると、これに基づいて装置全体は、前述したように補助テーブル5を介して可動テーブル1をX軸の正方向に沿って移送するように作動する(図12,図13参照)。符号Tは移動した距離を示す。ここで、図17は図13を簡略化した図である。
【0144】
この事例では、制御モードとしては前述したように図8に示す第1の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7に対してはそれぞれ図8に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って動作したことを示す。
【0145】
ここで、補助テーブル5が電磁駆動手段4によってX軸の正方向(図1の右方向)へ付勢されると、前述したテーブル保持機構2の各ピアノ線2A,2Bは弾性変形し、当該補助テーブル5(及び可動テーブル1)の高さ位置を保持しつつ当該補助テーブル5の移動を許容する。そして、この補助テーブル5(及び可動テーブル1)は、各ピアノ線2A,2Bの弾性復帰力と当該補助テーブル5に印加される電磁駆動手段4の電磁駆動力とのバランス点(移動目標位置)において前述したように停止する。
【0146】
この図17は、補助テーブル5がX軸に沿った方向へ移動し、且つY軸方向への位置ずれが無い場合であるから、検出される容量成分の増加/減少の各情報CX1,CX2,CX3,CX4およびCY1,CY2,CY3, CY4は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号vX1,vX2,vX3,vX4およびvY1,vY2,vY3,vY4に変換され、それぞれ前述した演算式に下記のように組み込まれて、その移動方向および移動量が定量的に算定される。
加算回路27B3では、
VX=VX12−VX34=(vX1+vX2)−(vX3+vX4)>0
加算回路27B6では、
VY=VY12−VY34=(0 +0 )−(0 +0 )=0
加算回路27B9では、
Vθ=0
ここで、VX >0はX軸の正方向への移動を意味し、VX の値(絶対値)は停止位置座標にかかる位置情報を示す。これらの位置情報の演算は、位置情報検出手段25の位置情報演算回路17でなされ、その演算結果の分析や判断およびそれに対する対応策は主制御部21Aで成される。
【0147】
又、補助テーブル5をX軸の負の方向に移動した場合,補助テーブル5をY軸上の正又は負の方向に移動した場合にも、同様にその情報は位置情報検出手段25で検出され且つ所定の信号処理がなされ、主制御部21Aで前述した図17の場合と同様に処理され、その位置が定量的に特定されるようになっている。
【0148】
次に、補助テーブル5を前述した第1象限の方向(+45°の傾斜方向)へ移送した場合の例について説明する。
【0149】
この事例では、前述したように制御モードとしては図9に示す第5の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7に対してはそれぞれ図9に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って補助テーブル5が動作する。
【0150】
この事例における各容量検出電極26X1〜26X4,26Y1〜26Y4と変動した容量成分(CX1〜CX4,CY1〜CY4)との関係を図18に示す。
この図18において、斜線部分は、補助テーブル5の移動によって前述した他方の容量検出電極26X3,26X4,26Y3,26Y4の容量成分が減少した部分CX3,CX4,CY3,CY4を示す。又、交差斜線部分は、前述した一方の容量検出電極26X1,26X2,26Y1,26Y2の容量成分が増加した部分CX1,CX2,CY1,CY2を示す。
【0151】
そして、この図18にあって、容量成分の増加/減少の各情報CX1,CX2,CX3,CX4およびCY1,CY2,CY3,CY4は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号vX1,vX2,vX3,vX4およびvY1,vY2,vY3,vY4に変換され、それぞれ前述した演算式に下記のように組み込まれて、その移動方向および移動量が算定される。
加算回路27B3では、
VX=VX12−VX34=(vX1+vX2)−(vX3+vX4)>0
加算回路27B6では、
VY=VY12−VY34=(vY1+vY2)−(vY3+vY4)>0
VX=VY
加算回路27B9では、Vθ=0
【0152】
ここで、VX>0はX軸の正方向への移動を意味し、VY>0はY軸の正方向への移動を意味する。そして、「VX=VY」なる情報が得られることにより、補助テーブル5の移動方向は第1象限の+45°の方向であることを確認し得る。又、VX,VYの値(絶対値)は停止位置座標にかかる位置情報を示す。この場合も、これらの位置情報の演算は、位置情報検出手段25の位置情報演算回路27でなされ、その演算結果の分析や判断およびそれに対する対応策は主制御部21Aで成される。
【0153】
補助テーブル5の移動方向が第1象限内における+45°の方向以外の方向である場合には、「VX≠VY」となり、その位置情報は検出されたVXとVYの値に基づいて主制御部21Aで演算され特定される。
【0154】
又、補助テーブル5をX−Y平面上の第2象限乃至第4象限の各々の方向に移動した場合にも、同様にその情報は位置情報検出手段25で検出されて信号処理がなされた後、主制御部21Aで前述した図18の場合と同様に演算処理され、その移動後の位置が定量的に特定されるようになっている。
【0155】
次に、補助テーブル5を反時計方向に回転させた場合の例について説明する。
【0156】
この事例では、制御モードとしては図10に示す第9の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7に対してはそれぞれ図10に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って補助テーブル5が動作する。
そして、この場合の各容量検出電極26X1〜26X4,26Y1〜26Y4と変動した容量成分CX1〜CX4,CY1〜CY4との関係を図19(A)に示す。
【0157】
この図19(A)において、斜線部分は補助テーブル5の回転によって容量検出電極26X1,26X4,26Y1,26Y4の容量成分が減少した部分CX1,CX4,CY1,CY4を示す。又、交差斜線部分は前述した一方の容量検出電極26X2,26X3,26Y2〜26Y3における増加したの容量成分CX2,CX3,CY2,CY3を示す。
【0158】
そして、この図19(A)にあって、容量成分の増加/減少の各情報CX1,CX2,CX3, CX4およびCY1,CY2,CY3, CY4は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号vX1,vX2,vX3,vX4およびvY1,vY2,vY3,vY4に変換され、それぞれ前述した演算式に下記のように組み込まれて、その回転角信号Vθが算定される。
加算回路27B9では、
【0159】
ここで、Vθ>0は回転方向が反時計方向を意味し、Vθの値そのもの(絶対値)は、停止した箇所での回転角情報を示す。又、V02は容量成分の減少した箇所の合計であることから、負の値となっている。このため、これが演算されると、回転角信号Vθは、
V01−V02=(V01の絶対値+V02の絶対値)=Vθ>0
となる。
【0160】
即ち、Vθとして算定された容量値はV01とV02の各絶対値が加算された値となり、このため、Vθの値としてはV01の2倍に近い値(感度の高い値)を差動出力として得ることができる。そして、これらの位置情報の演算は、前述したX軸方向への移動情報の場合と同様に位置情報検出手段25の位置情報演算回路17でなされ、その演算結果の分析や判断およびそれに対する対応策は主制御部21Aで成され、対応する大きさの回転角度が特定される。
【0161】
補助テーブル5を時計方向に回転駆動した場合にも、同様にその情報は位置情報検出手段25で検出され且つ所定の信号処理がなされ、主制御部21Aでは前述した図19(A)の場合と同様に、その回転角情報が定量的に算定されるようになっている。この場合、Vθ<0となり、回転方向が時計方向であることが確認される。
【0162】
これに対し、動作中に、外乱等によって補助テーブル5の移動位置が目標位置からずれた場合には、まず、この容量検出電極26X1,26X2,26X3,26X4の容量成分の増加減少の情報に基づいて位置情報演算回路(演算部)27で前述したように実際の移動後の位置が検出(特定)され、続いて、その位置情報に基づいてテーブル駆動制御手段21では位置ずれ算定機能が作動する。そして、ここで位置ずれが算定されると、直ちにテーブル位置補正機能が作動して前述したように位置ずれ防止用のフィードバック制御が行われるようになっている。
【0163】
そして、このような各動作状態から補助テーブル5に印加されている電磁駆動力が開放されると、補助テーブル5はピアノ線2A,2Bの弾性復帰力に付勢されて元位置に復帰する(テーブル保持機構2の元位置復帰機能の実行)。
【0164】
又、これら一連の動作にあって、補助テーブル5(及び可動テーブル1)の移動動作は、通常は電磁駆動力の印加制御又は開放制御が何れの場合でも急激に行われる。このような場合、補助テーブル5(及び可動テーブル1)は、移動先での停止時又は元位置復帰に際しての停止位置において、慣性力及びばね力に起因した繰り返し往復動作が生じる。
しかしながら、本実施形態にあっては、かかる繰り返し往復動作は前述したように制動用プレートと被駆動磁石との間に生じる電磁制動(うず電流ブレーキ)によって抑制され、所定位置に向けて円滑に移動し、安定した状態で停止制御される。
【0165】
動作指令入力部24から、上記以外の他の所定位置へ可動テーブル1を移動させるための動作指令が入力された場合にも、前述した場合と同様に、テーブル駆動制御手段21の主制御部21Aが直ちに作動し、当該動作指令に基づいてデータ記憶部23から移動先の基準位置情報を選択し、同時に動作プログラム記憶部22からこれに対応した所定の制御モードにかかる制御プログラムを選択する。続いて、コイル選択駆動制御部21Bを付勢し、電磁駆動手段4の4つの田形状駆動コイル7を所定の制御モードに基づいて駆動制御する。
【0166】
そして、この場合も、前述した場合と同様に、補助テーブル5(及び可動テーブル1)の位置ずれに対しては位置ずれ算定機能およびテーブル位置補正機能が作動して前述したように位置ずれ防止用のフィードバック制御が行われるようになっている。同時に急激な移動に対しては制動用プレートによる制動動作が実行され、補助テーブル5(可動テーブル1)は所定位置に向けて円滑に移動し、安定した状態で停止制御される。
【0167】
〔第1実施形態の作用/効果〕
このように、この第1の実施形態に開示したテーブル位置検出用センサ装置にあっては、従来より必要としていた重厚な2重構造のX−Y軸移動保持機構を用いることなく、補助テーブル5(可動テーブル1)を中心位置から(所定範囲内において)同一の高さ位置を維持しつつX−Y平面上のいずれの方向へも円滑に移動させ或いは回転させることが可能となり、これがため、装置全体の小型化,軽量化が可能となり、かかる点において可搬性を著しく改善することができ、従来例に比較して部品点数も少なくなり、かかる点において耐久性を著しく向上させることができる。
【0168】
又、被駆動磁石が装備された補助テーブル5(可動テーブル1)が急激に動作変化しても、前述したように当該被駆動磁石6と非磁性金属部材からなる制動用プレート9との間に電磁制動(うず電流ブレーキ)が働くことから、これにより、可動テーブルはその急激な動作が抑制され、所定方向に安定した状態で円滑に移動することができる。
【0169】
この制動用プレート9については各被駆動磁石6に対向した状態で個別に田形状駆動コイル7に装着するという簡単な構成であり、又電磁駆動力を発生させる電磁駆動手段4も補助テーブル5に装備した被駆動磁石6とこれに対向して固定プレート8に田形状駆動コイル7を装備するという簡単な構成であることから、かかる点においても、装置全体の小型化および軽量化に寄与した形態となっている。
【0170】
そして、前述したテーブル位置検出用センサ装置に位置情報検出手段25として組み込まれた本発明にかかるテーブル位置検出用センサ装置にあっては、容量センサ群26を前述したように装備したので、可動テーブルがX−Y座標上における原点から何れの方向へ移動しても、当該可動テーブルの位置の微小変化を容量変化としてリアルタイムで容易に且つ迅速に検出することが可能となり、かかる点において可動テーブルのミクロン単位での移動に際しても、充分これに対応してその移動距離情報を高精度に検出し所定の信号処理をした後、これを当該可動テーブルの位置情報として出力することができる。
【0171】
又、この可動テーブルの同一平面内での回転動作に対しても、同一の構成にて当該可動テーブルの回転角度も同時に検出し同様に信号処理し、回転角度情報として外部出力することができ、更に、センサ部分を一方と他方のセンサ用面電極で構成すると共に相互に常時近接し対向した状態になるように設定したので、装備箇所の空間領域を小さくすることができ、かかる点において、これを装備すると、ステージ装置全体の小型化に寄与し得るという利点がある。
【0172】
又、上記実施形態で開示したセンサ装置によって特定された可動テーブル1の位置情報が、当該可動テーブル1の周囲に配置された複数の容量センサにより検出されるようになっているので、異なった位置の容量センサからの位置情報を前述したように演算処理することにより、当該可動テーブル1の位置ずれを容易に検出することができ、このため、可動テーブルの位置ずれに対しては、これを直ちに捕捉し当該テーブルの位置を補正することも可能となる。
【0173】
即ち、上記実施形態にあっては、補助テーブル5(可動テーブル1)の移動に際しては、前述したように、容量センサ群26で検出され位置情報演算回路(演算部)27で特定される位置情報に基づいて、テーブル駆動制御手段21の位置ずれ算定機能およびテーブル位置補正機能が作用し補助テーブル5(可動テーブル1)の位置ずれが直ちに検出されると共に当該位置ずれが補正されるので、当該補助テーブル5(可動テーブル1)は自動的に且つ高精度に所定の目標位置に移送される。
【0174】
ここで、前述した演算部としての位置情報演算回路(演算部)27では、前述したように実際の移動後の位置が検出(特定)されるが、これをそのまま、現在位置の情報として外部出力し所定の表示部(図示せず)にて表示するように構成してもよい。
このようにすると、補助テーブル5(可動テーブル1)の移動操作に際してオペレータはその途中および最終結果等に対して実際の状態を確認しながら当該移送位置の修正を迅速に成し得るという利点がある。
【0175】
この場合、上記補助テーブル5(可動テーブル1)の現在位置の情報を表示部(図示せず)によって表示する現在位置表示方式と前述したテーブル駆動制御手段21の有する位置ずれ補正機能およびテーブル位置補正機能の連係による位置ずれ自動補正方式とを併存させてもよい。
【0176】
又、この位置ずれ情報に関しては、上記現在位置表示方式と位置ずれ自動補正方式とを、前述したテーブル駆動制御手段21によって切替え作動させるか、或いは、前述したように何れか一方を選択動作させるように構成してもよい。
【0177】
また、上述した実施形態では、加算回路B1〜B9を用いてVθにより回転方向を特定するようにしたが、回転角θを求める場合について説明する。この場合、図19(B)において、例えば、X方向の2個の平行な各容量検出電極26X1,26X2間の距離をL0、補助テーブル5の回転に伴って2個の容量検出電極26X1,X2が検出する補助テーブル5の辺5bの変位量をX1,X2とする。
X方向への補助テーブル5の変位Xは、
X=(X1 +X2 )/2の式により得られる。
また、Vθを補助テーブル5の回転角θに比例した電圧とすると、
Vθ=k(X1 −X2 )で表すことが可能である。ここで、kは、アンプの増幅率を意味する。
したがって、tanθ = (X1 −X2 )/L0
θ = tan−1(Vθ/kL0)
また、Y方向についても同様に
tanθ = (Y1 −Y2 )/L0
θ = tan−1(Vθ/kL0)
これにより、補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)のX,Y方向及び回転方向への移動量を検出することができる。
【0178】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態を図20〜図23に基づいて説明する。
【0179】
この図20〜図23に示す第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、各位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1,26X2,26X3,26X4,26Y1,26Y2,26Y3,26Y4の内、2個の位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X2,26X4を削除し、これにより、容量センサ群26を全体で6個の位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1,26X3,26Y1,26Y2,26Y3,26Y4で構成した点に特徴を備えたものとなっている。
【0180】
このため、検出される容量変化分の情報数は、X軸に沿った方向の情報が2個,Y軸に沿った方向の情報が4個となり、演算処理のバランス上、信号変換回路部27Aでは容量変化分CX1,CX2の電圧信号への変換に際して対応する電圧信号として2vX 1,2vX 3を出力するように設定している。
【0181】
ここで、前述した位置検出センサ26X1,26X3(残した分)の配設位置は、前述した第1実施形態における位置検出センサ26X1,26X3の配設位置(図2中、X−Y座標上でY軸上の正方向へずれた位置)と同一に設定されている。
又、位置信号演算回路部27Bでは、X軸に沿った方向の情報が半減したことから第1及び第2の加算器27B1,27B2が不要となり、図20に示すように当該回路の構成が簡略化されている。
【0182】
即ち、この第2の実施形態における位置信号演算回路部27Bは、補助テーブル5(可動テーブル1)の移動後のX方向の位置信号を演算し特定するための少なくとも一つの加算回路27B3と、Y方向の位置信号を形成するための少なくとも3つの加算回路27B4,27B5,27B6と、回転移動した場合の回転角信号を形成するための少なくとも3つの加算回路27B7,27B8,27B9の合計7個の加算回路を備えた構成となっている。
【0183】
この内、X方向の位置信号VXは、下記の順序で演算され特定される。
まず、信号変換回路部27Aでは、「VX1=2vX1」「VX3=2vX3」が実行される。又、加算回路27B3では、「VX=VX1−VX3」が実行される。
このX方向の位置信号VXを得るための演算(差をとること)により、この位置信号演算回路部27Bで前述した位置情報演算回路(演算部)27における雑音排除機能が同時に実行され、外部から到来する雑音が排除(相殺)され、当該X方向位置信号VX は差動出力信号として出力される。
【0184】
更に、Y方向の位置信号VYは、前述したX方向位置信号VXと並行して下記の順序で演算される。そして、このY方向の位置信号VYの演算に際しては、位置検出センサ26Y1,26Y2,26Y3,26Y4については、前述した第1の実施形態の場合と同様に構成されているので、同様にして以下の如く特定される。
まず、加算回路27B4では、「VY12=vY1 +vY2 」
加算回路27B5では、「VY34=vY3 +vY4 」
加算回路27B6では、「VY=VY12 −VY34 」
このY方向の位置信号VYを得るための演算(差をとること)により、この位置信号演算回路部27Bで前述した位置情報演算回路(演算部)27における雑音排除機能が実行され、外部から到来する雑音が排除(相殺)され、当該Y方向位置信号VY は差動出力信号として出力される。
【0185】
これに対し、回転角信号Vθは、前述したX方向位置信号VX及びY方向位置信号VYと並行して下記の順序で演算され特定される。
まず、加算回路27B7では、「V01 =2vX3+vY2+vY3 」
加算回路27B8では、「V02 =2vX1+vY1+vY4 」
加算回路27B9では、「Vθ =V01−V02 」
この回転角信号Vθを得るための演算(差をとること)により、この位置信号演算回路部27Bで前述した位置情報演算回路(演算部)27における雑音排除機能が実行され、外部から到来する雑音が排除(相殺)され、当該回転角信号Vθは差動出力信号として出力される。
【0186】
このようにして演算され特定されたX方向位置信号VX,Y方向位置信号VY及び回転角信号Vθは、外部出力端子27aを介して例えば外部の位置表示装置等に向けて出力され、同時に前述したテーブル駆動制御手段21の主制御部21Aへ送られるようになっている(図5参照)。
【0187】
(上記第2の実施形態の動作)
次に、上記第2の実施形態の全体的な動作について説明する。
【0188】
まず、前述し第1実施形態の場合と同様に、図5において、可動テーブル1をX軸の正方向への所定位置へ移動する旨の指令が動作指令入力部24から入力されると、これに基づいて装置全体は、前述したように補助テーブル5を介して可動テーブル1をX軸の正方向に沿って移送するように作動する(図21参照)。符号Tは移動した距離を示す。
【0189】
この事例では、制御モードとしては前述したように図8に示す第1の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7には図8に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って動作する。
【0190】
ここで、補助テーブル5が電磁駆動手段4によってX軸の正方向に沿って付勢されると、前述したテーブル保持機構2によって同一高さが維持されつつ当該補助テーブル5の位置が移動し、テーブル保持機構2が備えている弾性復帰力と当該補助テーブル5に印加される電磁駆動手段4の電磁駆動力とのバランス点(移動目標位置)において前述したように停止する。この事例(X軸の正方向への移動)における各容量検出電極26X1,26X3,26Y1〜26Y4と変動した容量成分(CX1,CX3,CY1〜CY4)との関係を図21に示す。
【0191】
この事例では、補助テーブル5がX軸に沿った方向へ移動し、且つY軸方向への位置ずれが無い場合であるから、検出される容量成分の増加/減少の各情報CX1,CX3,およびCY1,CY2,CY3,CY4は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号2vX1,2vX3,およびvY1,vY2,vY3,vY4に変換され、それぞれ前述した演算式に下記のように組み込まれて、その移動方向および移動量が定量的に算定される。
加算回路27B3では、
VX=VX1 −VX3 =(2vX1)−(2vX3)>0
加算回路27B6では、
VY=VY12 −VY34 =(0+0)−(0+0)=0
加算回路27B9では、
Vθ=0
ここで、vX3は負の数値であることから「VX=2(vX1+vX3)>0」となる。このVX >0はX軸の正方向への移動を意味し、VXの値(絶対値)は停止位置座標にかかる位置情報を示す。これらの位置情報は主制御部21Aで演算される。
【0192】
補助テーブル5をX軸の負の方向に移動した場合,補助テーブル5をY軸上の正又は負の方向に移動した場合にも、同様にその情報は図5における位置情報検出手段25で検出され、主制御部21Aで前述した図17(第1の実施形態)の場合と同様に演算され、その位置が定量的に算定されるようになっている。
【0193】
次に、補助テーブル5を前述した第1象限の方向(+45°の傾斜方向)へ移送した場合の例について説明する。
【0194】
この事例では、前述したように制御モードとしては図9に示す第5の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7に対してはそれぞれ図9に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って補助テーブル5が動作する。
【0195】
この事例(第1象限の方向)における各位置検出センサ26X1,26X3,26Y1〜26Y4と変動した容量成分(CX1,CX3,CY1〜CY4)との関係を図22に示す。
この図22において、斜線部分は、補助テーブル5の移動によって前述した他方の位置検出センサ26X3,26Y3,26Y4の容量成分が減少した部分CX3,CY3,CY4を示す。又、交差斜線部分は、前述した他方の位置検出センサ26X1,26Y1,26Y2の容量成分が増加した部分CX1,CY1,CY2を示す。
【0196】
そして、この図22にあって、容量成分の増加/減少の各情報CX1,CX3およびCY1,CY2,CY3,CY4は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号2vX1,2vX3およびvY1,vY2,vY3,vY4に変換され、それぞれ前述したように演算式に下記のように組み込まれて、その移動方向および移動量が算定される。
加算回路27B3では、
VX=VX1 −VX3 =(2vX1 )−(2vX3 )>0
加算回路27B6では、
VY=VY12−VY34=(vY1+vY2)−(vY3+vY4)>0
又、VX=VY
加算回路27B9では、
Vθ=0
【0197】
ここで、vX3,vY3,vY4は負の数値であることから「VX=>0,VY=>0」となる。VX>0はX軸の正方向への移動を意味し、VY>0はY軸の正方向への移動を意味する。
そして、「VX=VY」なる情報が検知されることにより、補助テーブル5の移動方向は第1象限の+45°の方向であることが確認される。このVX,VYの値(絶対値)は停止位置座標にかかる位置情報を示す。この場合も、対応する座標位置情報は主制御部21Aで演算される。
【0198】
補助テーブル5の移動方向が第1象限内における+45°の方向以外の方向である場合には、「VX≠VY」となり、その位置情報は検出されたVXとVYの値に基づいて主制御部21Aで演算され特定される。
【0199】
又、補助テーブル5をX−Y平面上の第2象限乃至第4象限の各々の方向に移動した場合にも、同様にその情報は位置情報検出手段25で検出され、主制御部21Aで前述した図18Aの場合と同様に演算され、その位置が定量的に算定されるようになっている。
【0200】
次に、補助テーブル5を反時計方向に回転させた場合の例について説明する。
【0201】
この事例では、制御モードとしては図10に示す第9の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7に対してはそれぞれ図10に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って補助テーブル5が動作する。
そして、この場合の各容量検出電極26X1,26X3,26Y1〜26Y4と変動した容量成分CX1,CX3, CY1〜CY4との関係を図23に示す。
【0202】
この図23において、斜線部分は補助テーブル5の回転によって容量検出電極26X1,26Y1,26Y4の容量成分が減少した部分CX1,CY1,CY4を示す。又、交差斜線部分は前述した一方の容量検出電極26X3,26Y2〜26Y3における増加したの容量成分CX2,CY2,CY3を示す。
【0203】
そして、この図23にあって、容量成分の増加/減少の各情報CX1,CX3およびCY1,CY2,CY3,CY4は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号vX1,vX3およびvY1,vY2,vY3, vY4に変換され、それぞれ前述した演算式に下記のように組み込まれて、その回転角信号Vθが算定される。
加算回路27B9では、
【0204】
ここで、Vθ>0は回転方向が反時計方向を意味し、Vθの値そのもの(絶対値)は、停止した箇所での回転角情報を示す。又、V02は容量成分の減少した箇所の合計であることから、負の値となっている。このため、これが演算されると、回転角信号Vθは、
V01−V02=(V01の絶対値+V02の絶対値)=Vθ>0
となる。
【0205】
即ち、Vθとして算定された容量値はV01とV02の各絶対値が加算された値となり、このため、Vθの値としてはV01の2倍に近い値(感度の高い値)を差動出力として得ることができる。これらの情報は前述したX軸方向への移動情報の場合と同様に主制御部21Aで演算処理され、対応する大きさの回転角度が演算され出力される。
【0206】
補助テーブル5を時計方向に回転駆動した場合にも、その情報は同様に位置情報検出手段25で検出され、主制御部21Aで前述した図19の場合と同様に演算され、その回転角情報が定量的に算定されるようになっている。この場合、Vθ<0となり、回転方向が時計方向であることがわかる。
その他の構成およびその動作,機能等については、前述した第1の実施形態と同一となっている。
【0207】
このようにしても、前述した第1の実施形態の場合とほぼ同等の作用効果を得ることができるほか、更に位置信号演算回路部27Bの加算回路を合計7個としたので、前述した第1の実施形態に比較して加算回路を少なくすることができ、かかる点で装置全体の原価低減および信号処理の迅速化を図り得るという利点がある。
【0208】
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態を図24〜図27に基づいて説明する。
【0209】
この図24〜図27に示す第3の実施形態は、前述した第1の実施形態において、各8個の位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1〜26X4,26Y1〜26Y4の内、X軸に沿った方向先に位置する位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X3,26X4とX軸に沿った方向先に位置する位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26Y3,26Y4とを削除する。そして、当該位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)を26X1,26X2,26Y1,26Y2の4個で構成した点に特徴を備えている。
【0210】
即ち、この第3の実施形態では、センサ群26を全体で4個の位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1,26X2,26Y1,26Y2を備え、検出される容量変化分の情報数も、これに対応して、バランスよくX軸に沿った方向先の情報が2個とY軸に沿った方向先の情報が2個となっている。
【0211】
ここで、前述した位置検出センサ26X1,26X2,26Y1,26Y2(残した分)の配設位置は、前述した第1実施形態における位置検出センサ26X1,26X2,26Y1,26Y2の配設位置と同一に設定されている。
又、これに対応して、位置信号演算回路部27Bでは、X軸およびY軸に沿った方向の情報がそれぞれ半減したことから第2及び第3の加算器27B3,27B4が、又第5及び第6の加算器27B5,27B6が不要となり、図20に示すように当該回路の構成が簡略化されている。
【0212】
即ち、この第3の実施形態における位置信号演算回路部27Bでは、補助テーブル5(移動テーブル1)の移動後のX方向の位置信号を演算し特定するための少なくとも一つの加算回路27B1と、Y方向の位置信号を演算し特定するための少なくとも一つの加算回路27B4と、回転移動した場合の回転角信号を演算し特定するための少なくとも3個の加算回路27B7,27B8,27B9の合計5個の加算回路を備えた構成となっている(図20参照)。
【0213】
この内、X方向の位置信号VXは、下記の如く演算され特定される。
加算回路27B1で、「VX=vX1+vX2」
この場合、本実施形態では、このX方向の位置信号VXを得るための演算過程で、テーブル部材である補助テーブル5を挟んで反対側から得られる情報に基づいた「差」をとる演算工程はない。このため、この第3の実施形態では前述した位置情報演算回路(演算部)27における雑音排除機能は作動しない構成となっている。
【0214】
また、Y方向の位置信号VYは、前述したX方向位置信号VXと並行して下記の順序で演算され特定される。
加算回路27B4では、「VY=vY1+vY2」
この場合、本実施形態では、このY方向の位置信号VYを得るための演算過程で、テーブル部材である補助テーブル5を挟んで反対側から得られる情報に基づいた「差」をとる演算工程はない。反対側にて得られる情報に基づいた差をとる演算工程はない。このため、この第3の実施形態では前述した位置情報演算回路(演算部)27における雑音排除機能が作動しない構成となっている。
【0215】
更に、回転角信号Vθは、前述したX方向位置信号VX及びY方向位置信号VYと並行して下記の順序で演算され特定される。
まず、加算回路27B7では、「V01=vX2+vY2」
加算回路27B8では、「V02=vX1+vY1」
加算回路27B9では、「Vθ=V01+V02」
この場合、本実施形態では、この回転角信号Vθを得るための演算過程で、テーブル部材である補助テーブル5を挟んで反対側から得られる情報に基づいた「差」をとる演算工程はない。このため、この第3の実施形態では前述した位置情報演算回路(演算部)27における雑音排除機能は作動しない構成となっている。
【0216】
このようにして演算され特定されたX方向位置信号VX,Y方向位置信号VY及び回転角信号Vθは、外部出力端子27aを介して例えば外部の位置表示装置等に向けて出力され、同時に前述したテーブル駆動制御手段21の主制御部21Aへ送られるようになっている(図24,図5参照)。
【0217】
(上記第3実施形態の動作)
次に、上記第3の実施形態の全体的な動作について前述した第3の実施形態の場合と同様の手順で説明する。
【0218】
まず、前述し第1実施形態の場合と同様に、図5において、可動テーブル1をX軸の正方向への所定位置へ移動する旨の指令が動作指令入力部24から入力されると、これに基づいて装置全体は、前述したように補助テーブル5を介して可動テーブル1をX軸の正方向に沿って移送するように作動する(図25参照)。符号Tは移動した距離を示す。
【0219】
この事例では、制御モードとしては前述したように図8に示す第1の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7には図8に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って動作する。
【0220】
ここで、補助テーブル5が電磁駆動手段4によってX軸の正方向に沿ってへ付勢されると、前述したテーブル保持機構2によって同一高さが維持されつつ当該補助テーブル5の移動が移動し、テーブル保持機構2が備えている弾性復帰力と当該補助テーブル5に印加される電磁駆動手段4の電磁駆動力とのバランス点(移動目標位置)において前述したように停止する。
【0221】
この事例(X軸の正方向への移動)における各容量検出電極26X1,26X2,26Y1,26Y2と変動した容量成分(CX1,CX2,CY1,CY2)との関係を図25に示す。
この事例では、補助テーブル5がX軸に沿った方向へ移動し、且つY軸方向への位置ずれが無い場合であるから、検出される容量成分の増加/減少の各情報CX1,CX2,およびCY1,CY2は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号vX1,vX2,およびvY1,vY2に変換され、それぞれ前述した演算式に下記のように組み込まれて、その移動方向および移動量が定量的に算定される。
加算回路27B1では、VX=(vX1+vX2)>0
加算回路27B4では、VY=(0 +0 )=0
加算回路27B9では、Vθ= 0
ここで、vX1,vX2は正の数であり、「VX>0」となる。このVX>0はX軸の正方向への移動を意味し、VXの値(絶対値)は停止位置座標にかかる位置情報を示す。これらの位置情報は主制御部21Aで演算される。
【0222】
補助テーブル5をX軸の負の方向に移動した場合,補助テーブル5をY軸上の正又は負の方向に移動した場合にも、同様にその情報は図5における位置情報検出手段25で検出され、主制御部21Aで前述した図17の場合と同様に演算され、その位置が定量的に算定されるようになっている。
【0223】
次に、補助テーブル5を前述した第1象限の方向(+45°の傾斜方向)へ移送した場合の例について説明する。
【0224】
この事例では、前述したように制御モードとしては図9に示す第5の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7に対してはそれぞれ図9に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って補助テーブル5が動作する。
【0225】
この事例(第1象限の方向)における各位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1,26X2,26Y1,26Y2と変動した容量成分(CX1,CX2,CY1,CY2)との関係を図26に示す。
この図26において、交差斜線部分はは、補助テーブル5の移動によって前述した各位置検出センサ26X1,26X2,26Y1,26Y2の容量成分が増加した部分CX1,CX2,CY1,CY2を示す(この図26では容量成分の減少はない)。
【0226】
そして、この図26にあって、容量成分の増加/減少の各情報CX1,CX2およびCY1,CY2は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号vX1,vX2およびvY1,vY2に変換され、それぞれ前述したように演算式に下記のように組み込まれて、その移動方向および移動量が算定される。
加算回路27B1では、VX =(vX1+vX2)>0
加算回路27B4 では、VY =(vY1+vY2)>0
VX =VY
加算回路27B9 では、Vθ=0
【0227】
ここで、VX>0はX軸の正方向への移動を意味し、VY>0はY軸の正方向への移動を意味する。
そして、「VX=VY」なる情報が得られることにより、補助テーブル5の移動方向は第1象限の+45°の方向であることを確認し得る。又、VX ,VYの値(絶対値)は停止位置座標にかかる位置情報を示す。この場合も、対応する座標位置情報は主制御部21Aで演算される。
【0228】
補助テーブル5の移動方向が第1象限内における+45°の方向以外の方向である場合には、「VX≠VY」となり、この場合の具体的な位置情報は検出されたVX とVY の値に基づいて主制御部21Aで演算され特定される。
【0229】
又、補助テーブル5をX−Y平面上の第2象限乃至第4象限の各々の方向に移動した場合にも、同様にその情報は位置情報検出手段25で検出され、主制御部21Aで前述した図18Aの場合と同様に演算され、その位置が定量的に算定されるようになっている。
【0230】
次に、補助テーブル5を反時計方向に回転させた場合の例について説明する。この事例では、制御モードとしては図10に示す第9の制御モードが選択され、これに従って各4つの田形状駆動コイル7に対してはそれぞれ図10に示す状態に通電パターンが選択され、これに従って補助テーブル5が動作する。そして、この場合の各各位置検出センサ(他方のセンサ用面電極)26X1,26X2,26Y1,26Y2と変動した容量成分CX1,CX2,CY1,CY2との関係を図27に示す。
【0231】
この図27において、斜線部分は補助テーブル5の回転によって容量検出電極26X1,26Y1の容量成分が減少した部分CX1,CY1を示す。又、交差斜線部分は前述した一方の容量検出電極26X2,26Y2における増加した容量成分CX2,CY2を示す。
【0232】
そして、この図27にあって、容量成分の増加/減少の各情報CX2,CY2およびCX1,CY1は、それぞれ対応する所定レベルの電圧信号vX2,vY2およびvX1,vY1に変換され、それぞれ前述した演算式に下記のように組み込まれて、その回転角信号Vθが算定される。
加算回路27B9 では、
ここで、Vθ>0は回転方向が反時計方向を意味し、Vθの値そのもの(絶対値)は、停止した箇所での回転角情報を示す。又、V02は容量成分の減少した箇所の合計であることから、負の値となっている。このため、これが演算されると、回転角信号Vθは、
V01−V02=(V01の絶対値+V02の絶対値)=Vθ>0
となる。
【0233】
即ち、Vθとして算定された容量値はV01とV02の各絶対値が加算された値となり、このため、Vθの値としてはV01の2倍に近い値(感度の高い値)を差動出力として得ることができる。これらの情報は前述したX軸方向への移動情報の場合と同様に主制御部21Aで演算処理され、対応する大きさの回転角度が演算され出力される。又、この事例では(回転動作の場合には)差を取る演算工程が介在することから、外来雑音を相殺する雑音排除機能が位置情報演算回路27で稼働するようになっている。
【0234】
補助テーブル5を時計方向に回転駆動した場合にも、その情報は同様に位置情報検出手段25で検出され、主制御部21Aで前述した図27の場合と同様に演算され、その回転角情報が定量的に算定されるようになっている。この場合、Vθ<0となり、回転方向が時計方向であることが確認される。
その他の構成およびその動作,機能等については、前述した第1の実施形態と同一となっている。
【0235】
このようにしても、上記第3の実施形態にあっては、回転動作を除いて雑音排除機能を備えていないこと、及び検出容量の感度が幾分低下することを除き、前述した前述した第1の実施形態の場合とほぼ同等の作用効果を得ることができるほか、更に位置信号演算回路部27Bの加算回路を合計5個としたので、前述した第1の実施形態に比較して加算回路を少なくすることができ、かかる点で装置全体の原価低減および信号処理の迅速化を、より一層高めることができる。
【0236】
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態を図28〜図30に基づいて説明する。
この図28〜図30に示す第4の実施形態は、前述した第1の実施形態において、静電容量型の位置検出センサを構成する一方のセンサ用面電極である共通電極41と、これに対向して装備された複数の他方のセンサ用面電極42X1,42X2,42X3,42X4,42Y1,42Y2,42Y3,42Y4の各々について、その対向面領域の構造を断面櫛形に形成した点に特徴を備えている。
【0237】
以下、これを説明する。
この図28〜図29において、符号51はテーブル部材としての補助テーブルを示す。この補助テーブル51は、前述した第1実施形態における補助テーブル5と同一の機能を備え、第1実施形態の場合と同様に連結支柱10を介して可動テーブル1と一体化されてテーブル保持機構2に支持されている。
この図28〜図29における補助テーブル51は、前述した第1実施形態における補助テーブル5と比較して、その周囲が所定幅だけ一様に切除され、この切除された箇所に、前述した共通電極41が装着されている。
【0238】
この一方のセンサ用面電極である共通電極41は、全体が4角形状の大口形状を成し、その外周囲の端(後述する電極フィンの先端)が前述した第1実施形態における補助テーブル5の外周囲の端に重なる大きさに設定されている。図28内にその一部の部分断面図を示す。
【0239】
これを更に詳細に説明すると、この一方のセンサ用面電極である共通電極41は、積層状態に配設された複数(本実施形態では3枚)の大口形状の板状電極である電極フィン41Aと、この複数の電極フィン41Aを保持する電極フィン保持体41Bとを備えている。
【0240】
この内、電極フィン保持体41Bは、補助テーブル51及び当該補助テーブル51が備えている下方突出部5A,5Bを取り巻くようにして配設され且つ全体的には角形の管を輪切りにしたような4角形状に形成されている。この電極フィン保持体41Bの内壁側の角部から前述した補助テーブル51の上面に沿って、取付け部材41Baが延設されている(図29参照)。
この取付け部材41Baは、具体的には、図29に示すように電極フィン保持体41Bの内壁の角部4箇所に設けられている。そして、この取付け部材41Baを介して前述した電極フィン保持体41Bが補助テーブル51に固着されている。符号41Bbは固定ネジを示す。
【0241】
そして、この電極フィン保持体41Bの外側周囲に、大口形状に形成された3枚の電極フィン41Aが、上下方向に平行に所定間隔を隔てて(所定の空隙S1 を挟んで積層された状態で)且つ外側周囲が開口された状態で、電極フィン保持体41Bを囲むようにして装着されている。これにより、共通電極41の端部断面が櫛形状に形成されている。
【0242】
この一方のセンサ用面電極である共通電極41に対応して装備される他方のセンサ用面電極42X1,42X2,42X3,42X4,42Y1,42Y2,42Y3,42Y4は、本実施形態では8個の容量検出電極から成り、前述した第1の実施形態における8個の他方のセンサ用面電極26X1,26X2,26X3,26X4,26Y1,26Y2,26Y3,26Y4(図2参照)の装備箇所と同一箇所にそれぞれ配設され装着されている。
【0243】
この内、例えば他方のセンサ用面電極42X1は、図28に示すように前述した共通電極41の3枚の電極フィン41Aとの無接触での噛合動作を許容する3つの空隙S2と、この3つの空隙S2を交互に介して積層状態に配設された4枚の板状電極としての電極フィン42aと、この4枚の電極フィン42aを外側端部(図28の右側端部)で連結する連結保持部材42bとを備えた構成となっている。この連結保持部材42bは、接着材又はネジ等の固定手段により本体部としてのケース本体3に固定されている。
【0244】
前述した他方のセンサ用面電極42X1の4枚の電極フィン42aは、その形状および大きさが前述した第1実施形態にける他方のセンサ用面電極26X1と同一の形状で且つ同一の大きさに形成されている。
その他のセンサ用面電極42X2〜42X4,42Y1〜42Y4も、前述したセンサ用面電極42X1と全く同一に形成されている。
【0245】
ここで、各他方のセンサ用面電極42X1〜42X4,42Y1〜42Y4が備えている3つの空隙S2は、その間隔が前述した共通電極41の3枚の各電極フィン41Aが無接触で個別に挿入し離脱し得る程度の大きさに設定されている。同様に、前述した共通電極41の3枚の電極フィン41Aの相互間の空隙S1は、その隙間が前述した各他方のセンサ用面電極42X1〜42X4,42Y1〜42Y4が備えている4枚の各電極フィン42aの内の内側の2枚が無接触で個別に挿入し離脱し得る程度の大きさに設定されている。図28に、上記共通電極41の電極フィン41Aと他方のセンサ用面電極42X1の4枚の電極フィン42aがそれぞれ無接触で挿入された状態(装置全体の停止状態)の例を示す。
【0246】
これにより、他方のセンサ用面電極42X1は、図30に示すように6個の容量成分が並列接続された構成となっているので、前述した第1の実施形態における他方のセンサ用面電極26X1の場合と比較して6倍の静電容量となり、これがため、補助テーブル5の移動に際しては6倍の感度で当該補助テーブル5の移動情報を検出することができるという利点がある。
他のセンサ用面電極42X2〜42X4,42Y1〜42Y4の場合も、それぞれ全く同一に構成され同一の作用効果を備えたのとなっている。
【0247】
そして、その他の全体的な構成及びその作用効果は、前述した第1の実施形態の場合(図1乃至図19)と全く同一となっている。
【0248】
尚、この第4の実施形態では、各他のセンサ用面電極42X1〜42X4,42Y1〜42Y4を前述した第1の実施形態における他のセンサ用面電極26X1の場合と比較して6倍の静電容量を得られるように構成したが、これはあくまで例示であり、7倍以上としても、或いは2〜5倍の何れかの静電容量を得られるように構成したものであってもよい。
【0249】
又、上記実施形態にあっては、共通電極41を大口形状にした場合を例示したが、前述した各他のセンサ用面電極42X1〜42X4,42Y1〜42Y4に対応して個別に独立した形状であっても、或いは補助テーブル5の各片毎に4つに分ける等、複数に分割したものであってもよい。
【0250】
更に、この第4の実施形態では、一方のセンサ用面電極である共通電極41と、他方のセンサ用面電極42X1〜42X4,42Y1〜42Y4の各々を断面櫛形に形成すると共に、これを、前述した第1の実施形態に適用した場合を例示したが、これを前述した第2,第3の各実施形態について実施したものであってもよい。
【0251】
又、上記各実施形態にあっては、テーブル部材の移動情報を連続的に検出してそのX−Y座標上の位置情報に変換し外部へ出力する場合を例示したが、これらの位置情報に基づいて前述した演算部(位置情報演算回路)27が所定の演算をし、当該テーブル部材の移動の形態,移動方向,回転動作における回転方向等にかかる各情報としてまとめて出力するように構成してもよい。
【0252】
又、上記各実施形態において、テーブル部材側に装備された一方のセンサ用面電極として、大口形状の連続した単一電極である共通電極41を使用した場合を例示したが、前述した複数からなる他方のセンサ用面電極42X1〜42X4,42Y1〜42Y4に個別に対応して当該他方のセンサ用面電極42X1〜42X4,42Y1〜42Y4と同形状で且つこれよりも幾分大きい複数のセンサ用面電極で構成してもよい。
【0253】
更に、前述した大口形状の連続した単一電極に代えて、複数の他方のセンサ用面電極(例えば42X1と42X2)を対象として各辺毎に共用する所定幅の電極部材をもって帯状に形成された複数の共通電極で構成してもよい。
【0254】
又、上記各実施形態では、同一面上を移動する4角形状のテーブル部材に本発明を実施した場合を例示したが、複数の位置検出センサの取付け位置を明確に特定し得る形態で且つ前述した各実施形態と同等に機能し得るものであれば、テーブル部材は特に4角形でなくてもよい。
【0255】
即ち、テーブル部材の形状如何を問わず(円形でも8角形でもよい)当該テーブル部材に複数の位置検出センサの取付け位置を装備するための例えば3角形の枠を想定すると共に当該枠に沿って複数の位置検出センサを分散して装備しても、或いは5角形,6角形又は8角形等の枠を想定して当該枠に沿って複数の位置検出センサを分散して装備するように構成しても、技術思想としてはその作用効果がほぼ前述した各実施形態と同等であり、従って、これらも実質的には上記各実施形態と同等のものであり、それぞれ本発明の実施形態の一つである。
【0256】
〔第5の実施形態〕
次に、第5の実施形態を図31に基づいて説明する。
上述した実施形態では、アナログ量を出力する位置検出センサとして静電容量型の位置検出センサ(アナログ量検出センサ)を用いたが、この図31に示す実施形態では、差動変圧器,ポテンショメータ,レーザ変位計などのアナログ量出力センサ(アナログ量検出センサ)を用いている。位置検出センサとして直線型ポテンショメータを用いた場合の例を図31に基いて説明する。
【0257】
図31において、位置検出センサの要部をなす2個の直線型ポテンショメータ51X1,51X2,51Y1,51Y2をそれぞれ1組として、電磁駆動手段4によって駆動される補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)の周囲の4辺の内少なくとも隣接する2辺にそれぞれ配設している。これらの直線型ポテンショメータ51X1,51X2,51Y1,51Y2は、直線的に移動する摺動片と抵抗体とから構成され、検出用ロッド51a,51bが直線移動すると上述した摺動片が上述した抵抗体の上を直線的にスライドし、上述したスライドと上述した抵抗体の端部の間の抵抗値が検出用ロッド51a,51bの大きさに比例して変化する構造になっている。
図31に示す実施形態では、直線型ポテンショメータ51X1,51X2,51Y1,51Y2は、それぞれの検出用ロッド51a,51bを平行に配置して、補助テーブル5の隣接する2辺にそれぞれ配設し、検出用ロッド51a,51bの先端を補助テーブル5の端面に当接しておき、上述した抵抗体に所定値の電圧をかけて上述した摺動片により分圧された電圧を取出すことによって、補助テーブル5のX−Y平面内での動きをX−Y平面内での2方向(X,Y方向)の直線変位に分解して検出用ロッド51a、51bの直線的な変位に基いてX,Y方向の移動量を得ると共にX,Y方向の移動量から回転方向の移動量を得るようになっている。
【0258】
この図31において、例えば、2個の平行なポテンショメータの51X1,51X2,51Y1,51Y2の検出用ロッド51a,51b間の距離をL0、各検出用ロッド51a,51bのX方向への移動量をX1,X2とすると、
X方向への補助テーブル5の変位Xは、
X=(X1 +X2 )/2の式により得られる。
また、Vθを補助テーブル5の回転角θに比例した電圧とすると、
Vθ=k(X1 −X2 )で表すことが可能である。ここで、kは、アンプの増幅率を意味する。
したがって、tanθ = (X1 −X2 )/L0
θ = tan−1(Vθ/kL0)
また、Y方向についても同様に
tanθ = (Y1 −Y2 )/L0
θ = tan−1(Vθ/kL0)
これにより、補助テーブル5(即ち、可動テーブル1)のX,Y方向及び回転方向への移動量を検出することができる。
【0259】
この図31では、位置検出センサとして直線型ポテンショメータを用いたが、位置検出センサとして差動変圧器,レーザ変位計を用いる場合にも同様に適用することができる。差動変圧器は、1個の1次コイルと2個の2次コイルとコアの組合せからなり、1個の1次コイルに交流電圧を流し、2個の2次コイルから差動的に信号を取出し、補助テーブル5の移動に伴うコアの位置を検出することとなる。また、位置検出センサとしてレーザ変位計を用いる場合には、干渉性のよいレーザ光を補助テーブル5の端面に向けて発射した光と補助テーブル5の端面で反射した光の光路差によって生じる干渉現象を利用して、補助テーブル5のX−Y平面内での移動量及び回転量を検出する。また、差動変圧器やレーザ変位計において、X−Y平面内での2方向の移動量,及び回転量を算出する方式は、上述した式により同様に求める。
【0260】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、同一面上の所定範囲内を移動するテーブル部材の移動方向および移動停止位置を連続的に検出することができ、また、テーブル部材の移動位置検出がアナログ量に基いて行われるため、テーブル部材を微小範囲、例えばミクロン単位で移動させる場合においても正確に位置の制御を行うことができる。また、テーブル部材の周囲4辺の内の少なくとも隣接する2辺に位置検出センサを配設しているため、位置検出センサが相互干渉するに至る距離を長くしてテーブル部材の移動範囲を広くすることができ、広範囲でテーブル部材の位置を正確に検出することができる。
【0261】
前述した位置検出センサとしては、差動変圧器,ポテンショメータ,レーザ変位計などのアナログ量検出センサを用いて、テーブル部材の移動量をアナログ量として出力することができる。また、前述した位置検出センサが、差動変圧器,ポテンショメータ或いはレーザ変位計であるときに、テーブル部材の移動をX−Y平面内の2方向の直線変位に分解してX,Y方向の移動量を得ると共にX又はY方向の移動量から回転方向の移動量を容易に得ることができる。
【0262】
また、請求項4記載の発明のように、位置検出センサに静電容量型の位置検出センサを用い、一方と他方のセンサ用面電極の組み合わせで位置検出センサを構成したので、小型軽量化が可能となり、テーブル部材の微小移動に際しても容量変化としてこれを検知し所定の位置情報に変換して外部出力することができ、このため、ミクロン単位の移動に対しても連続的に且つ有効にこれを検出することができ、同一面上で360°いずれの方向への移動に対しても、又回転動作に対してもこれらをリアルタイムで同時に連続的に且つ高精度に検出し当該各情報に対応した所定の位置信号(位置情報)として出力することができるという(回転動作の検出に際しては外部から到来する雑音を有効に排除することができるという)従来にな優れたテーブル位置検出用センサ装置を提供することができる。
【0263】
請求項1記載の発明では、更に、移動するテーブル部材上にあって隣接する2つの辺部分にそれぞれ少なくとも2つの位置検出センサを装備する構成としたので、装置全体のより一層の小型軽量化が可能となる。
【0264】
請求項5乃至6記載の各発明では、更に、テーブル部材上の対向する辺部分にそれぞれ同数の位置検出センサを装備したので、テーブル部材の移動に際してはいずれの方向への移動であっても各対向する辺部分の位置検出センサで検出される静電容量の変化をそのまま演算部で加算する等の処理が可能となり、このため、測定感度を倍増させることができるという利点がある。
【0265】
請求項7記載の発明では、更に、前述した請求項4又は5記載のテーブル位置検出用センサ装置において、前述した演算部が、テーブル部材の移動に際して検出される外部雑音を、それが直線移動であっても或いは回転動作であっても、これらを有効に排除する雑音排除機能を備えている、という構成をとっている。
このため、この請求項7記載の発明では、周囲環境の悪い箇所においても、テーブル部材の移動に伴う位置情報を比較的高精度に且つ鮮明に検出し出力することができるという従来にない優れた効果を奏する。
【0266】
請求項8記載の発明では、更に、前述した一方のセンサ用面電極を所定幅の電極部材をもって帯状にしこれを共通電極として装備したので、一方のセンサ用面電極の複数を一度に同時に取付けたのと同等の結果を得ることができ、かかる点において一方のセンサ用面電極の取付け工程が簡略化され、生産性及び保守性の向上を図ることができる。
【0267】
請求項9記載の発明では、更に、各位置検出センサを構成する一方と他方の各センサ用面電極をそれぞれ複数の所定空隙を介して積層した状態で一体化することによって断面櫛形状に形成したので、テーブル部材の移動又は回転に伴う静電容量の変化量を各面電極の対向面の数だけ数倍に倍増した状態で検出することができ、かかる点において微小移動を高精度に検出することができるという従来にない優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す一部省略した概略断面図である。
【図2】図1の一部切り欠いた平面図である。
【図3】図1のA−A線に沿った概略断面図である。
【図4】図1に開示した田形状駆動コイルと被駆動磁石および制動用プレートとの位置関係を示す説明図である。
【図5】図1の各構成要素とその動作制御系との関係を示すブロック図である。
【図6】図5に開示した動作制御系に付勢されて作動する補助テーブル(可動テーブル)の動作例を示す図で、図6(A)は右上45°の方向に補助テーブル(可動テーブル)が平面移動した場合を示す説明図、図6(B)は補助テーブル(可動テーブル)が角度θだけ回動した場合を示す説明図である。
【図7】図1乃至図4に開示した田形状駆動コイルの4つの角形小コイルに通電される4つの通電パターン(通電プログラムは予めプログラム記憶部に記憶される)とその機能とを示す図表である。
【図8】図5に開示した動作制御系が備えている4つの田形状駆動コイルを駆動制御する場合の制御モードと補助テーブル(可動テーブル)の動作方向とを示す図で、図8(A)は第1の制御モードと補助テーブル(可動テーブル)のX軸の正方向への動作を示す説明図、図8(B)はこの場合の駆動力の大きさと作用点との関係を示す説明図である。
【図9】図5に開示した動作制御系が備えている4つの田形状駆動コイルを駆動制御する場合の制御モードと補助テーブル(可動テーブル)の動作方向とを示す図で、図9(A)は第5の制御モードと補助テーブル(可動テーブル)のX軸およびY軸の各正方向への動作を示す説明図、図9(B)はこの場合の駆動力の大きさと作用点との関係を示す説明図である。
【図10】図5に開示した動作制御系が備えている4つの田形状駆動コイルを駆動制御する場合の制御モードと補助テーブル(可動テーブル)の動作方向とを示す図で、図10(A)は第9の制御モードと補助テーブル(可動テーブル)のX−Y座標上の原点を中心として反時計方向に回動する場合を示す説明図、図10(B)はこの場合の駆動力の大きさと作用点との関係を示す説明図である。
【図11】図1に開示した制動用プレートの制動力発生原理を示す図で、図11(A)は図1の制動用プレート部分を示す拡大部分断面図、図11(B)は図11(A)中のA−A線に沿って見た制動用プレートに生じるうず電流制動の発生状況を示す説明図である。
【図12】図1に開示した第1実施形態の全体的な動作例で、補助テーブルがX軸に沿って移動した場合の例を示す説明図である。
【図13】図12中の補助テーブル部分の動作(X軸に沿った正方向への移動)を平面的に見た場合の一例を示す説明図である。
【図14】補助テーブルがX−Y座標上「y=x」の直線に沿って移動した場合の一例を示す説明図である。
【図15】補助テーブルが原点を中心に角度θだけ反時計方向に回転動作した場合の例を示す説明図である。
【図16】図5中に開示した位置情報検出手段(テーブル位置検出用センサ装置)における位置情報演算回路(演算部)部分の具体例を示すブロック回路図である。
【図17】図13中に開示した補助テーブルのX軸に沿った正方向への移動状態を簡略化したもので、各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化(増減状態)を示す説明図である。
【図18】図14中に開示した補助テーブルの第1象限方向への移動状態を簡略化したもので、各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化(増減状態)を示す説明図である。
【図19】図19(A)は、図15中に開示した補助テーブルの反時計方向への移動状態を簡略化したもので、各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化(増減状態)を示す説明図、図19(B)は、補助テーブルの回転角を求めるための説明図である。
【図20】第2の実施形態で装備した位置情報検出手段(テーブル位置検出用センサ装置)における位置情報演算回路(演算部)部分の具体例を示す回路図である。
【図21】第2の実施形態において補助テーブルがX軸に沿った正方向へ移動した際に各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化を示す説明図である。
【図22】第2の実施の形態において補助テーブルが第1象限の方向へ移動した際に各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化を示す説明図である。
【図23】第2の実施の形態において補助テーブルが反時計方向へ回転した際に各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化を示す説明図である。
【図24】第3の実施形態で装備した位置情報検出手段(テーブル位置検出用センサ装置)における位置情報演算回路(演算部)部分の具体例を示す回路図である。
【図25】第3の実施形態において補助テーブルがX軸に沿った正方向へ移動した際に各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化を示す説明図である。
【図26】第3の実施形態において補助テーブルが第1象限の方向へ移動した際に各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化を示す説明図である。
【図27】第3の実施の形態において補助テーブルが反時計方向へ回転した際に各他方のセンサ用面電極に生じる静電容量の変化を示す説明図である。
【図28】第4の実施形態を示す部分断面図である。
【図29】図28内に開示した複数の位置検出センサ(容量センサ群)の配置例を示す説明図である。
【図30】図28内に開示した位置検出センサにおける一方のセンサ用面電極と他方のセンサ用面電極の組合せにより生じる静電結合状態の一部を示す回路図である。
【図31】本発明において、位置検出センサとして、差動変圧器,ポテンショメータ,レーザ変位計などのアナログ量出力センサを用いた第5の実施形態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 可動テーブル
3 本体部としてのケース本体
3B 本体側突出部
5,51 テーブル部材としての補助テーブル
6 被駆動磁石
20 動作制御系
21 テーブル駆動制御手段
21A 主制御部(CPU内蔵)
25 位置情報検出手段(テーブル位置検出用センサ装置)
26 容量センサ群
26X1〜26X4,26Y1〜26Y4,42X1〜42X4,42Y1〜42Y4位置検出センサの要部をなす他方のセンサ用面電極
27 位置情報演算回路(演算部)
27A 信号変換回路部
27B 位置信号演算回路部
41 位置検出センサの一方のセンサ用面電極としての共通電極
41A,42a 板状電極としての電極フィン
S1,S2 空隙
51X1,51X2,51Y1,51Y2 直線型ポテンショメータ
51a,51b 検出用ロッド
Claims (9)
- X−Y平面上を所定範囲内で平面移動するテーブル部材の周囲4辺の内の少なくとも隣接する2辺に、アナログ量を出力する位置検出センサを配設し、
前記テーブル部材の移動と共に変化するアナログ量の変化をテーブル移動の位置情報として検出し所定の電気信号に変換して外部出力する演算部を備えていることを特徴としたテーブル位置検出用センサ装置。 - 前記請求項1に記載のテーブル位置検出用センサ装置において、
前記位置検出センサが、差動変圧器,ポテンショメータ,レーザ変位計などのアナログ量検出センサであることを特徴としたテーブル位置検出センサ装置。 - 前記請求項1に記載のテーブル位置検出用センサ装置において、
前記位置検出センサが、差動変圧器,ポテンショメータ或いはレーザ変位計であるときに、テーブル部材の移動をX−Y平面内の2方向の直線変位に分解してX,Y方向の移動量を得ると共にX又はY方向の移動量から回転方向の移動量を得るアナログ量検出センサであることを特徴としたテーブル位置検出用センサ装置。 - 前記請求項1に記載のテーブル位置検出用センサ装置において、
前記位置検出センサが、静電容量型の位置検出センサであるときに、X−Y平面上を所定範囲内で平面移動するテーブル部材の周囲4辺の内の隣接する2辺に、それぞれ少なくとも2個の静電容量型の位置検出センサを所定間隔を隔てて配設し、
この各位置検出センサを構成する一方のセンサ用面電極を前記テーブル部材の一方の面の端面領域に装着すると共に、前記各位置検出センサを構成する他方のセンサ用面電極を前記一方のセンサ用面電極に一部分対向し且つ近接した状態で前記テーブル部材保持用のケース本体側に固定装備し、
前記演算部が、前記テーブル部材の移動と共に前記一方と他方のセンサ用面電極の相互間に形成される静電容量の変化をテーブル移動の位置情報として検出し所定の電気信号に変換して外部出力するものであることを特徴としたテーブル位置検出用センサ装置。 - 前記請求項1に記載のテーブル位置検出用センサ装置において、
前記位置検出センサが、静電容量型の位置検出センサであり、X−Y平面上を所定範囲内で平面移動するテーブル部材の周囲4辺の各々に、それぞれ少なくとも2個の静電容量型の位置検出センサを所定間隔を隔てて配設し、
この各位置検出センサを構成する一方のセンサ用面電極を前記テーブル部材の一方の面の端面領域に装着すると共に、前記各位置検出センサを構成する他方のセンサ用面電極を前記一方のセンサ用面電極に一部分対向し且つ近接した状態で前記テーブル部材保持用のケース本体側に固定装備し、
前記演算部が、前記テーブル部材の移動と共に前記一方と他方のセンサ用面電極の相互間に形成される静電容量の変化をテーブル移動の位置情報として検出し所定の電気信号に変換して外部出力するものであることを特徴としたテーブル位置検出用センサ装置。 - 前記請求項5記載のテーブル位置検出用センサ装置において、
前記テーブル部材の中心部からX軸およびY軸に沿った方向先に位置する各端部領域に配設した2個の位置検出センサの内、X軸又はY軸の何れか一方の軸線に沿った方向先の各端部に配設した2個の位置検出センサを、それぞれ一個としたことを特徴とするテーブル位置検出用センサ装置。 - 前記請求項1,4又は5のいずれか一項に記載のテーブル位置検出用センサ装置において、
前記演算部が、前記テーブル部材の移動情報の検出時に作動し外部から到来する雑音を有効に排除する雑音排除機能を備えていることを特徴としたテーブル位置検出用センサ装置。 - 前記請求項1,4,5又は6のいずれか一項に記載のテーブル位置検出用センサ装置において、
前記各位置検出センサの内の前記テーブル部材側に装備した各一方のセンサ用面電極を、所定幅の電極部材をもって帯状に形成された共通電極としたことを特徴とするテーブル位置検出用センサ装置。 - 前記請求項1,4,5,6又は7のいずれか一項に記載のテーブル位置検出用センサ装置において、
前記各位置検出センサを構成する一方と他方の各センサ用面電極を、それぞれ複数の板状電極を所定空隙を介して積層した状態で一体化することによって断面櫛型状に形成すると共に、前記一方と他方の各センサ用面電極が相互に対向する部分の電極面部分が相互に接触することなく噛み合った形態をもって組み込まれていることを特徴としたテーブル位置検出用センサ装置。
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