JP2004108607A - スポットクーラ用の排熱風冷却装置およびドレン水蒸散装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スポットクーラからの高温の排熱風の温度を下げて、冷却効率を向上させると共に、廃棄すべきドレン水が出ないようにする。
【解決手段】多数の吸水シートを間隔を保持して対面配置した吸水体ユニットと、吸水体ユニットにドレン水を導入するドレン水配管と、から成る冷却装置を、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側に空気流通可能に配置してドレン水の蒸発により排熱風を冷却する。また、吸水体ユニットを受容する水受け容と、給水タンクとをさらに備えて、吸水体ユニットに水分を補うようにれば、冷却装置の排熱冷却効果が向上できる。
【選択図】図1
【解決手段】多数の吸水シートを間隔を保持して対面配置した吸水体ユニットと、吸水体ユニットにドレン水を導入するドレン水配管と、から成る冷却装置を、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側に空気流通可能に配置してドレン水の蒸発により排熱風を冷却する。また、吸水体ユニットを受容する水受け容と、給水タンクとをさらに備えて、吸水体ユニットに水分を補うようにれば、冷却装置の排熱冷却効果が向上できる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スポットクーラのドレン水を利用して排熱を冷却する装置およびその装置を備えたスポットクーラに関するものである。また、本発明は、スポットクーラのドレン水を蒸散させる装置およびその装置を備えたドレン水タンク不要のスポットクーラに関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの工場や作業場では、夏場において、全体空調では補いきれない個々の作業現場を冷却するために、移動可能で小さい範囲を局部的に冷却するスポットクーラが利用されている。
【0003】
ここでスポットクーラとは、床上に載置し、又は移動可能なエアコンディショナーであり、単一の外箱に、空気冷却用熱交換器と冷媒冷却用熱交換器とを備えている。外箱内は、隔壁によってそれぞれの熱交換器を備えた2つの空気流通経路に分離されており、それぞれの経路から冷風又は排熱風が排出されている。
【0004】
冷風用の空気流通経路には、空気冷却用熱交換器と冷風用ファンとが配置されている。冷風用ファンを動作させると、外気が流通経路の吸気開口部から吸引され、空気冷却用熱交換器の隙間を通過して冷却され、吹出しダクトから送風される。空気冷却用熱交換器の表面には、外気中の水分が結露してドレン水が発生するので、外箱内に、ドレン水貯蔵用のドレン水タンクが設置される。
【0005】
冷媒冷却用の空気流通経路には、冷媒冷却用熱交換器と排熱風用ファンとが配置されている。排熱風用ファンの動作により、外気が流通経路の吸気開口部から吸引されて、冷媒冷却用熱交換器の隙間を通過して排熱を授受して高温の排熱風になり、背面の排気口から排出される。排熱風を屋内に排出すると作業環境の温度を上昇させるので、排気口に排気ダクトを取り付けて排気風を屋外に排出して屋内の冷却効率を向上させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、排気ダクトの使用は、建築物の壁面付近にスポットクーラを使用する場合に限られており、壁面から離れた場所でスポットクーラを使用する場合には、排熱風が作業環境に排出されていた。そのため、作業環境全体の温度がなかなか下がらず、スポットクーラの冷却効率が低下していた。
【0007】
また、スポットクーラにおいては、空気冷却用熱交換器で発生するドレン水は、スポットクーラ内部に設けられたドレン水タンク内に貯蔵されて、後で棄てられるが、このドレン水が工場の排水扱いとなるので、所要の処理をしてなければ廃棄できなかった。
【0008】
固定式クーラの室外機からの排熱風用の冷却装置は、特願2001−50301に開示されている。多数の吸水シートを間隔を保持して立設した吸水体ユニットと、該ユニットを受容して吸水シートの下部を湿潤させるための水受け容器と、から成っており、吸収シートの間隔にクーラ室外機の排熱風を通過させることで排熱風を冷却可能とした。
【0009】
また、別のクーラ室外機用の排熱風冷却装置が、特願2002−164742にも開示されている。この冷却装置は、吸水蒸発シートと、該シートを展開状態で保持する枠体と、枠体上端部および屋外ユニットのケース上面とを固定する固定部材と、枠体上部に設けられドレン水を吸水蒸発シートに導入するドレン水配管と、から成っており、ドレン水で湿潤した吸水蒸発シートに排熱風を吹き付けて水分を蒸発させて排熱風を冷却していた。
【0010】
そこで、本発明は、ドレン水を利用して排熱風の温度を下げるスポットクーラ用の冷却装置を提供するものである。また、ドレン水を全て蒸散させる装置を提供しようとするものである。本発明は、排熱風の温度を低下させ、あるいはドレン水を蒸発させるスポットクーラを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の排熱風冷却装置は、多数の吸水シートを間隔を保持して対面配置した吸水体ユニットと、吸水体ユニットにドレン水を導入するドレン水配管と、から成り、吸水体ユニットをスポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側又は吸気側に空気流通可能に配置して、クーラ稼動時に発生するドレン水を吸水体ユニット内の吸水シートに吸水させて蒸発させることにより、排熱風を冷却するものである。
【0012】
上記の排熱風冷却装置は、さらに、吸水体ユニットを受容する水受け容器と、該容器に水を導入する給水タンクとを備えると、ユニットの下部を水に浸漬して吸水シートを湿潤することができ、吸水タンクにより水を補給することができるので好ましい。これにより、ドレン水および補給水による排熱風の冷却効率が向上する。
また、本発明は、上記の排熱風冷却装置を備えた、排熱風の温度が低く冷却効率がよいスポットクーラである。
【0013】
本発明のドレン水蒸散装置は、多数の吸水シートを間隔を保持して対面配置した吸水体ユニットと、吸水体ユニットにドレン水を導入するドレン水配管と、から成り、吸水体ユニットがスポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側又は吸気側に空気流通可能に配置されて、クーラ稼動時に発生するドレン水を吸水体ユニット内の吸水シートに吸水させて蒸発させることにより、ドレン水タンクを不要とし、ドレン水処理を省略するものである。
【0014】
また、本発明は、上記のドレン水蒸散装置を備えたスポットクーラを含み、従来のドレン水タンクを省略して、排水処理の必要をなくすことができる。
【0015】
本発明の排熱風冷却装置は、ドレン水の蒸発を利用して排熱風を冷却するものであるから、同時にドレン水蒸散装置としての機能を備えている。また、同様に、本発明のドレン水蒸散装置は、同時に排熱風冷却装置を兼ね備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の排熱風冷却装置は、スポットクーラに内蔵して取り付けられるものであり、多数の吸水シートを間隔をあけて対面配置した吸水体ユニットと、スポットクーラで発生するドレン水を吸水体ユニットに導入するドレン水配管と、から成る。
冷却装置は、冷媒冷却用熱交換器を通過する空気の流通経路内に通風可能に配置される。ドレン水は、ドレン水配管により吸水体ユニット内に導入されて吸水シートを湿潤し、吸水シートの隙間を通過する空気から熱を奪って蒸発する。
【0017】
吸水体ユニットに用いる吸水シートは、自立可能な程度の剛直性を有し、吸水性の大きい織布又は不織布の材質から成り、例えば、繊維に無機材料粉末を混合して、繊維と無機材料粉末とを混抄して製造した厚紙状の不織布などを用いることができる。
【0018】
本発明の吸水体ユニットでは、スペーサを用いて、複数の吸水シートを一様の間隔で並列に立設することができる。スペーサには、例えば、耐食性の金属や合成樹脂から成る帯状部片をジグザグ状に交互に折り曲げた構造のスペーサを用いることができる。スペーサの折り曲げ部分の間をつなぐ板状部は、隣接して対向する板状部との間に、吸水シートの厚みが挿入できる程度の間隔を設けている。スペーサの互いに隣接して対向する板状部の間に形成した隙間の1つおきに、各吸水シートの側縁部が挿通され、板状部の間で挟持されて、該シートの側縁部が外側の折り曲げ部位で停止されて固定され、吸水シートの積層体が形成される。
【0019】
また、吸水体ユニットは、セパレータを利用して、複数の吸水シートを一様の間隔で並列に立設することもできる。各シートの片面に樹脂の線条突起を数条配置してセパレータとすることができ、セパレータを備えた複数のシートを積層すると、隣接するシートにセパレータが接触して隙間が形成される。この積層体では、吸水シート同士は固定されていないので、積層した状態で枠体等に挿入して固定するとよい。
【0020】
上記のようにして形成された積層体の上面には、吸水シートと同様の吸水性材料で形成され、積層体上面のサイズと同程度に成形した導水シートを載置するのが好ましい。導水シートは、吸水体ユニットの上面から導入されるドレン水を吸収して導水シート全面が湿潤するので、水分を積層体の全体に導くことができる。
【0021】
吸水体ユニットは、上記の吸水体シートの積層体および導水シートを、耐食性の金属や合成樹脂から成るケースに収納して構成される。ケースは、例えば積層体の通風方向の面と上下面とに開口部を形成した箱体や、積層体の稜線部を固定し保持できるようにした枠体から成る。
【0022】
ドレン水配管は、空気冷却用熱交換器(以下にエバポレータと称することがある)の下に配置されたドレン水トレイに集められたドレン水を、吸水体ユニットに導入するために設けられている。ドレン水配管は、その一端がドレン水トレイの排出口に接続され、他端が吸水体ユニットのケース上面の開口部に配置される。
【0023】
本発明の冷却装置は、吸水体ユニットを受容し且つ水を溜めることのできる水受け容器を設けるのがよく、スポットクーラの適当な水平面に固定して、該水受け容器内に、吸水体ユニットの底部を載置する。吸水体ユニットからの蒸発量に対して、ドレーン配管からの供給されるドレーン水が一時的に大きくなる場合には、水受けとして利用される。
他方、ドレン水の量が少なく、吸水体ユニットの吸水シートが十分に湿潤できない場合、この水受け容器に水を供給する給水タンクを備えるのが好ましい。水受け容器は、吸水体ユニットの下部に配置され、吸水体ユニットの下部の開口を湿らすことができる水位の水を溜められる深さを備えている。吸水体ユニットの下面から水分を吸収させる場合には、吸水シートの積層体の下面にも、上面と同様に導水シートを備えるのが好ましい。
【0024】
給水タンクは、水の補給が容易で、水受け容器内の水を常に適切な水の水位を保つ機能を備えており、例えば、タンクの給水口にバルブ付きキャップを設けて、タンクの給水口を下向きにして水受け容器に配置することにより、タンクの着脱時に水の漏れ出しがなく、水受け容器の水位をほぼ一定に保つことができる。
【0025】
冷却装置の吸水体ユニットは、冷媒冷却用熱交換器側の冷風を作る空気流通経路に配置されるが、冷媒冷却用熱交換器に対して排気側または吸気側のどちらにも配置することができる。
【0026】
吸水体ユニットは、好ましくは、冷媒冷却用熱交換器の排気側に配置するのが好ましく、高温で湿度の低い排気風が吸水体ユニットを通過するので、吸水シートに含まれた水分の蒸発量が多くなり、排気風の冷却効果を高くできる。吸水体ユニットは、排気風が内部を通過できる方向に、また、排気風の噴出口をほぼ覆うように配置される。
【0027】
吸水体ユニットを吸気側に配置すると、既存のスポットクーラでドレン水タンクを配置する空間に吸水体ユニットを設置できるので、既存のスポットクーラの改装用に適している。また、ドレン水タンクに滴下するドレン水を、そのまま吸水体ユニットの上面に滴下することができるので、ドレン水配管の改装が容易である。
【0028】
本発明は、さらに、冷媒冷却用熱交換器と、該熱交換器からの排熱を吸引する吸引ファンと、上記の冷却装置を一体にしたスポットクーラを含む。
【0029】
実施の形態2.
他方、本発明のドレン水蒸散装置も、スポットクーラに内蔵して取り付ける。この装置は、多数の吸水シートを間隔をあけて対面配置した吸水体ユニットと、スポットクーラで発生するドレン水を吸水体ユニットに導入するドレン水配管と、から成る。
吸水体ユニットは、冷媒冷却用熱交換器を通過する空気の流通経路内に通風可能に配置され、ドレン水が、ドレン水配管により吸水体ユニット内に導入されて吸水シートを湿潤し、吸水シートの隙間を通過する空気から熱を奪って蒸発する。
【0030】
吸水体ユニットに用いる吸水シートは、自立可能な程度の剛直性を有し、吸水性の大きい織布又は不織布の材質から成り、例えば、繊維に無機材料粉末を混合して、繊維と無機材料粉末とを混抄して製造した厚紙状の不織布などを用いることができる。
【0031】
本発明の吸水体ユニットでは、スペーサを用いて、複数の吸水シートを一様の間隔で並列に立設することができる。スペーサには、例えば、耐食性の金属や合成樹脂から成る帯状部片をジグザグ状に交互に折り曲げた構造のスペーサを用いることができる。スペーサの折り曲げ部分の間をつなぐ板状部は、隣接して対向する板状部との間に、吸水シートの厚みが挿入できる程度の間隔を設けている。スペーサの互いに隣接して対向する板状部の間に形成した隙間の1つおきに、各吸水シートの側縁部が挿通され、板状部の間で挟持されて、該シートの側縁部が外側の折り曲げ部位で停止されて固定され、吸水シートの積層体が形成される。
【0032】
また、吸水体ユニットは、セパレータを利用して、複数の吸水シートを一様の間隔で並列に立設することもできる。各シートの片面に樹脂の線条突起を数条配置してセパレータとすることができ、セパレータを備えた複数のシートを積層すると、隣接するシートにセパレータが接触して隙間が形成される。この積層体は、吸水シート同士は固定されていないので、積層した状態で枠体等に挿入して固定するとよい。
【0033】
上記のように形成された積層体の上面には、吸水シートと同様の吸水性材料で形成され、積層体上面のサイズと同程度に成形した導水シートを載置すると好ましい。導水シートは、吸水体ユニットの上面から導入されるドレン水を吸収して導水シート全面が湿潤するので、水分を積層体の全体に導くことができる。
【0034】
吸水体ユニットは、上記の吸水体シートの積層体および導水シートを、耐食性の金属や合成樹脂から成るケースに収納して構成される。ケースは、例えば積層体の通風方向の面と上下面とに開口部を形成した箱体や、積層体の稜線部を固定し保持できるようにした枠体から成る。
【0035】
ドレン水配管は、エバポレータの下に配置されたドレン水トレイに集められたドレン水を、吸水体ユニットに導入するために設けられている。ドレン水配管は、その一端がドレン水トレイの排出口に接続され、他端が吸水体ユニットのケース上面の開口部に配置される。
【0036】
ドレン水蒸散装置の吸水体ユニットは、冷媒冷却用熱交換器の空気流通経路に配置されるが、排気側または吸気側のどちらにも配置することができる。吸水体ユニットを排気側に配置すると、高温で湿度の低くなった排気風が吸水体ユニットを通過するので、吸水シートに含まれたドレン水が蒸発しやすい。
【0037】
吸水体ユニットを吸気側に配置すると、ドレン水の蒸発により吸気が冷却され、結果として排熱風が冷却できる。吸気側の配置は、既存のスポットクーラでドレン水タンクを配置する空間に、吸水体ユニットを設置できるので、既存のスポットクーラの改装用に適している。また、ドレン水タンクに滴下するドレン水を、そのまま吸水体ユニットの上面に滴下することができるので、ドレン水配管が簡易である。
【0038】
吸気側に蒸散装置を取り付ける改装では、スポットクーラの外箱に窓部を設けて、外気が吸水体ユニット内を通過するようにする。ドレン水の蒸発が十分でない場合は、他の吸気用窓部の一部を遮蔽すると、吸水体ユニット内に吸気風が効率よく通過して、蒸発を促進することができる。
【0039】
【実施例】
実施例1
図1は、本発明の排熱風冷却装置を排気側に配置したスポットクーラ1の一例を示す。この例のスポットクーラは、パネルで囲まれた外箱10内に、上部に冷風発生領域Cと、下部に排熱領域Hとが、中間の隔壁によりに区別されている。
【0040】
外箱10上部側の冷風発生領域Cは、エバポレータ6が側面パネル15に面して立設され、冷風用ファン7が、エバポレータ6に近接して配置され、側面パネル15より取り入れた空気をエバポレータ6通過中に冷却して、前部パネル14を通して送風される。エバポレータ6直下には、中間の隔壁を兼ねて、ドレン水トレイ8を配置して上下を区画している。
【0041】
ドレン水トレイ8は、エバポレータ6の表面に結露したドレン水を受けて、ドレン水を集める容器で、ドレン水トレイ8には、ドレン水の排出口81が底面80に形成されており、底面80には、ドレン水配管27が接続されている。クーラ作動時に冷風用ファン7が回転すると、エバポレータ側の窓部から吸引(図2の矢印CI方向)された外気が、低温のエバポレータ6の隙間を通過して冷却された後に矢印CWの方向に送風される。
【0042】
スポットクーラ1の下部の排熱部領域Hには、この例では、U字型の冷媒冷却用熱交換器3が配置され、冷媒冷却用熱交換器3の中心部空間に冷媒用コンプレッサ5が配置されている。排熱風を排出する排熱用ファン4は、吸気側開口部40が冷媒冷却用熱交換器3の直上部位に位置するように収納されて、排熱用ファン4の排気側開口部が裏側パネル13の排熱風排気窓部43に連通している。排熱領域Hは、ファン4を回転させることにより、吸気用の窓部42から矢印HI方向に外気が吸引され、高温の冷媒冷却用熱交換器の隙間を通過した外気は、高温の排熱風になり、ファン4によって矢印HW方向に放出される。
【0043】
この実施例においては、排熱ファン4の排気側開口部41と、裏側パネル13の排熱風排気窓部44との間に、排熱風冷却装置2の吸水体ユニット21が配置される。排熱風は、吸水体ユニット21の隙間を通過して、矢印HW方向に環境(この場合には、スポットクーラを設置した建屋内であるが)に排出される。
【0044】
吸水体ユニット21の詳細につき、図4(A)では、ユニット21の前面のケース25を外して内部を露出している。ケース25の内部には、多数の吸水シート22をスペーサ23で等間隔に立設して積層した吸水シート積層体220が配置されている。さらに、吸水シート積層体220の上面および下面には、吸水性の導水シート24が、ユニット内の積層体220の上面または下面を覆う大きさで各々配置されている。
【0045】
吸水シート積層体220は、図5に示すように、矩形に成形した吸水体シート22の側部を、シグザグに折りたたんだ形状のスペーサ23の隙間に挟み込んで固定して、隣合う吸水シート22の間に通風可能な等間隔の隙間221を形成している。
【0046】
図4(B)において、吸水体ユニット21のケース25には、導水用開口部251が上面および下面に形成され、通風用開口部252が両側面に形成される。各導水シート24は、その一面が吸水シートの上端又は下端と接触し、他面がケース25の導水用開口部251を介して外部に露出している。上記のユニット21では、吸水シートの間隙を矢印方向に通風可能とされている。
【0047】
図2と図3とは、それぞれ、図1に示したスポットクーラの正面図と背面図である。ドレン水配管27は、図3に示すように、ドレン水トレイ8の排水口81に管状体の一端を接続し、他端を吸水体ユニット21の導水用開口部251に配置して成る。ドレン水は、吸水体ユニット21の上部の導水シート24上の一箇所に導入されるが、上部の導水シート24によって周囲に拡散され、吸水体ユニットの吸水シート22全体を湿潤する。
【0048】
この実施例では、水受け容器26を利用するが、水受け容器26は、平底260を有し、側板261で囲まれた浅い容器を成して、外箱10内部の中間の隔壁12上に固定され、平底260上で上記の吸水体ユニット21のケース25を支持している。水受け容器26は、裏面パネル13の内側で排気用ファン4の排気側開口部41に配置され、吸水体ユニット21は、その立設した吸水シート22の隙間を熱風が通過するように開口部41に対向して固定されている。
【0049】
給水タンク29は、バルブ付キャップ291を下にして、水受け容器26の平底260に近接して取外し可能に受止されている。給水タンクにより、水受け容器26の水位を一定にするように水が供給される。水受け容器26に満たされた水は、吸水体ユニット21の下面の導水用開口部251から浸入して、吸水体ユニット21内の吸水シート22を常に湿潤する。タンク内の水が空になった時は、タンク29を取り外して水を入れて再装着すれば、水受け容器に水を補給できる。
【0050】
実施例2
本発明の冷却装置を吸気側に配置したスポットクーラ1の断面図を、図6に示す。上記実施例と同様に構成したスポットクーラにおいて、吸水体ユニット21が冷媒冷却用熱交換器3を設置した空間内に配置され、ドレン配管27がドレン水トレイ8の排水口81と吸水体ユニット21の上面の導水用開口部251とを接続している。
【0051】
この実施例では、U字型に配置した冷媒冷却用熱交換器3を備えたスポットクーラ1を用いている。冷媒冷却用熱交換器3の中心の空間にはコンプレッサ5が配置され、U字型の開口部分には排熱風冷却装置が配置される。吸水体ユニットは、従来のスポットクーラに備えられたドレン水タンクの位置に配置される。スポットクーラ1の外箱の前面パネル14には、吸水体ユニット用吸気窓部43が形成されて、吸水体ユニット21内に外気が流通するようにしている。さらに排気風の冷却効果を向上させるには、外箱の背面パネル13および側面パネル15、16に形成されたエバポレータ用吸気窓部42の一部を遮蔽して、吸水体ユニットを通過する外気の割合を増加させるとよい。
【0052】
図7は、図6の破線Xで切断した断面の模式図で、吸水体ユニット21と給水タンク29とが水受け容器26に受容されて、U字型の冷媒冷却用熱交換器3の開口側に配置される。吸水体ユニット21に隣接した壁面には、新たに冷却用窓部43を形成して、冷却装置の吸水体ユニット21の内部に外気が通過できるようにする。また、吸気用の窓部42の一部を遮蔽して、吸水体ユニット21の外気通過量を調整する。吸水体ユニット21の構造および給水タンク29については、実施例1と同様である。
【0053】
実施例3
この実施例の蒸散装置は、実施例1の図1と図3の排熱風冷却装置において、給水タンク29を配置しない構成としている。この蒸散装置をスポットクーラ内に設置して、室温30〜35℃でスポットクーラを作動させる場合、吸水体ユニット21に導入されたドレン水は、吸水シート22の上半分まで湿潤した状態で蒸発し、吸水体ユニット21の水受け容器26の平底260にドレン水が到達することはなく、ドレン水を完全に蒸発させることができる。
【0054】
実施例4
この実施例の蒸散装置は、図6と図7に示した実施例2の冷却装置において、給水タンク29を省いた構成を有する。この蒸散装置をスポットクーラ内に設置して、室温30〜35℃でスポットクーラを作動させると、吸水体ユニット21に導入されたドレン水は、吸水シート22の上半分まで湿潤した状態で蒸発し、吸水体ユニット21の下部にドレン水が到達することはない。
【0055】
【発明の効果】
本発明のスポットクーラ用の排熱風冷却装置は、通風可能に配置した多数の吸水シート含む吸水体ユニットと、ドレン水配管と、から成り、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側に空気流通可能に配置されて、ドレン水の蒸発により排熱風を冷却するので、簡易な構造で排熱風の温度を効率よく下げることができる。
【0056】
本発明のスポットクーラ用の排熱風冷却装置は、通風可能に配置した多数の吸水シート含む吸水体ユニットと、ドレン水配管とから成り、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の吸気側に空気流通可能に配置されて、ドレン水の蒸発により排熱風が冷却できるので、簡易な構造で、排熱温度を下げることができる。特に既存のスポットクーラの改装に適している。
【0057】
また、冷却装置が、吸水体ユニットを受容する水受け容器と、給水タンクとをさらに備え、吸水体ユニットの下部を常に補給水で湿潤することにより、常時排熱風を冷却でき、冷却効果を向上させることができる。
【0058】
本発明のスポットクーラは、上記の冷却装置を含んで提供されるので、改装に伴う改造が不要で、購入後すぐに使用することができる。
本発明のスポットクーラ用の排熱風冷却装置は、通風可能に配置した多数の吸水シートを含む吸水体ユニットと、ドレン水配管と、から成り、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側に空気流通可能に配置されて、ドレン水を蒸発させるので、簡易な構造でドレン水タンクを不要にでき、ドレン水の廃棄処理を省略できる。
【0059】
本発明のスポットクーラ用のドレン水蒸散装置は、通風可能に配置した多数の吸水シートを含む吸水体ユニットと、ドレン水配管とから成り、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の吸気側に空気流通可能に配置されて、ドレン水を蒸発させるので、簡易な構造でドレン水タンクを不要にでき、ドレン水の廃棄処理を省略できる。この装置は、特に既存のスポットクーラの改装に適している。
【0060】
本発明のスポットクーラは、上記の蒸散装置を含んで提供されるので、改装に伴う改造が不要で、購入後すぐに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの断面図である。
【図2】本発明の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの側面図である。
【図3】本発明の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの側面図である。
【図4】本発明の実施例にかかる吸水体ユニットの斜視図(A)および断面図(B)である。
【図5】本発明の実施例にかかる吸水シート積層体の斜視図である。
【図6】本発明の別の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの断面図である。
【図7】本発明の別の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの破線Xにおける断面図である。
【符号の説明】
1 スポットクーラ
21 吸水体ユニット
22 吸水シート
27 ドレン水配管
3 冷媒冷却用熱交換器
4 排熱用ファン
81 ドレン水排出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、スポットクーラのドレン水を利用して排熱を冷却する装置およびその装置を備えたスポットクーラに関するものである。また、本発明は、スポットクーラのドレン水を蒸散させる装置およびその装置を備えたドレン水タンク不要のスポットクーラに関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの工場や作業場では、夏場において、全体空調では補いきれない個々の作業現場を冷却するために、移動可能で小さい範囲を局部的に冷却するスポットクーラが利用されている。
【0003】
ここでスポットクーラとは、床上に載置し、又は移動可能なエアコンディショナーであり、単一の外箱に、空気冷却用熱交換器と冷媒冷却用熱交換器とを備えている。外箱内は、隔壁によってそれぞれの熱交換器を備えた2つの空気流通経路に分離されており、それぞれの経路から冷風又は排熱風が排出されている。
【0004】
冷風用の空気流通経路には、空気冷却用熱交換器と冷風用ファンとが配置されている。冷風用ファンを動作させると、外気が流通経路の吸気開口部から吸引され、空気冷却用熱交換器の隙間を通過して冷却され、吹出しダクトから送風される。空気冷却用熱交換器の表面には、外気中の水分が結露してドレン水が発生するので、外箱内に、ドレン水貯蔵用のドレン水タンクが設置される。
【0005】
冷媒冷却用の空気流通経路には、冷媒冷却用熱交換器と排熱風用ファンとが配置されている。排熱風用ファンの動作により、外気が流通経路の吸気開口部から吸引されて、冷媒冷却用熱交換器の隙間を通過して排熱を授受して高温の排熱風になり、背面の排気口から排出される。排熱風を屋内に排出すると作業環境の温度を上昇させるので、排気口に排気ダクトを取り付けて排気風を屋外に排出して屋内の冷却効率を向上させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、排気ダクトの使用は、建築物の壁面付近にスポットクーラを使用する場合に限られており、壁面から離れた場所でスポットクーラを使用する場合には、排熱風が作業環境に排出されていた。そのため、作業環境全体の温度がなかなか下がらず、スポットクーラの冷却効率が低下していた。
【0007】
また、スポットクーラにおいては、空気冷却用熱交換器で発生するドレン水は、スポットクーラ内部に設けられたドレン水タンク内に貯蔵されて、後で棄てられるが、このドレン水が工場の排水扱いとなるので、所要の処理をしてなければ廃棄できなかった。
【0008】
固定式クーラの室外機からの排熱風用の冷却装置は、特願2001−50301に開示されている。多数の吸水シートを間隔を保持して立設した吸水体ユニットと、該ユニットを受容して吸水シートの下部を湿潤させるための水受け容器と、から成っており、吸収シートの間隔にクーラ室外機の排熱風を通過させることで排熱風を冷却可能とした。
【0009】
また、別のクーラ室外機用の排熱風冷却装置が、特願2002−164742にも開示されている。この冷却装置は、吸水蒸発シートと、該シートを展開状態で保持する枠体と、枠体上端部および屋外ユニットのケース上面とを固定する固定部材と、枠体上部に設けられドレン水を吸水蒸発シートに導入するドレン水配管と、から成っており、ドレン水で湿潤した吸水蒸発シートに排熱風を吹き付けて水分を蒸発させて排熱風を冷却していた。
【0010】
そこで、本発明は、ドレン水を利用して排熱風の温度を下げるスポットクーラ用の冷却装置を提供するものである。また、ドレン水を全て蒸散させる装置を提供しようとするものである。本発明は、排熱風の温度を低下させ、あるいはドレン水を蒸発させるスポットクーラを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の排熱風冷却装置は、多数の吸水シートを間隔を保持して対面配置した吸水体ユニットと、吸水体ユニットにドレン水を導入するドレン水配管と、から成り、吸水体ユニットをスポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側又は吸気側に空気流通可能に配置して、クーラ稼動時に発生するドレン水を吸水体ユニット内の吸水シートに吸水させて蒸発させることにより、排熱風を冷却するものである。
【0012】
上記の排熱風冷却装置は、さらに、吸水体ユニットを受容する水受け容器と、該容器に水を導入する給水タンクとを備えると、ユニットの下部を水に浸漬して吸水シートを湿潤することができ、吸水タンクにより水を補給することができるので好ましい。これにより、ドレン水および補給水による排熱風の冷却効率が向上する。
また、本発明は、上記の排熱風冷却装置を備えた、排熱風の温度が低く冷却効率がよいスポットクーラである。
【0013】
本発明のドレン水蒸散装置は、多数の吸水シートを間隔を保持して対面配置した吸水体ユニットと、吸水体ユニットにドレン水を導入するドレン水配管と、から成り、吸水体ユニットがスポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側又は吸気側に空気流通可能に配置されて、クーラ稼動時に発生するドレン水を吸水体ユニット内の吸水シートに吸水させて蒸発させることにより、ドレン水タンクを不要とし、ドレン水処理を省略するものである。
【0014】
また、本発明は、上記のドレン水蒸散装置を備えたスポットクーラを含み、従来のドレン水タンクを省略して、排水処理の必要をなくすことができる。
【0015】
本発明の排熱風冷却装置は、ドレン水の蒸発を利用して排熱風を冷却するものであるから、同時にドレン水蒸散装置としての機能を備えている。また、同様に、本発明のドレン水蒸散装置は、同時に排熱風冷却装置を兼ね備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の排熱風冷却装置は、スポットクーラに内蔵して取り付けられるものであり、多数の吸水シートを間隔をあけて対面配置した吸水体ユニットと、スポットクーラで発生するドレン水を吸水体ユニットに導入するドレン水配管と、から成る。
冷却装置は、冷媒冷却用熱交換器を通過する空気の流通経路内に通風可能に配置される。ドレン水は、ドレン水配管により吸水体ユニット内に導入されて吸水シートを湿潤し、吸水シートの隙間を通過する空気から熱を奪って蒸発する。
【0017】
吸水体ユニットに用いる吸水シートは、自立可能な程度の剛直性を有し、吸水性の大きい織布又は不織布の材質から成り、例えば、繊維に無機材料粉末を混合して、繊維と無機材料粉末とを混抄して製造した厚紙状の不織布などを用いることができる。
【0018】
本発明の吸水体ユニットでは、スペーサを用いて、複数の吸水シートを一様の間隔で並列に立設することができる。スペーサには、例えば、耐食性の金属や合成樹脂から成る帯状部片をジグザグ状に交互に折り曲げた構造のスペーサを用いることができる。スペーサの折り曲げ部分の間をつなぐ板状部は、隣接して対向する板状部との間に、吸水シートの厚みが挿入できる程度の間隔を設けている。スペーサの互いに隣接して対向する板状部の間に形成した隙間の1つおきに、各吸水シートの側縁部が挿通され、板状部の間で挟持されて、該シートの側縁部が外側の折り曲げ部位で停止されて固定され、吸水シートの積層体が形成される。
【0019】
また、吸水体ユニットは、セパレータを利用して、複数の吸水シートを一様の間隔で並列に立設することもできる。各シートの片面に樹脂の線条突起を数条配置してセパレータとすることができ、セパレータを備えた複数のシートを積層すると、隣接するシートにセパレータが接触して隙間が形成される。この積層体では、吸水シート同士は固定されていないので、積層した状態で枠体等に挿入して固定するとよい。
【0020】
上記のようにして形成された積層体の上面には、吸水シートと同様の吸水性材料で形成され、積層体上面のサイズと同程度に成形した導水シートを載置するのが好ましい。導水シートは、吸水体ユニットの上面から導入されるドレン水を吸収して導水シート全面が湿潤するので、水分を積層体の全体に導くことができる。
【0021】
吸水体ユニットは、上記の吸水体シートの積層体および導水シートを、耐食性の金属や合成樹脂から成るケースに収納して構成される。ケースは、例えば積層体の通風方向の面と上下面とに開口部を形成した箱体や、積層体の稜線部を固定し保持できるようにした枠体から成る。
【0022】
ドレン水配管は、空気冷却用熱交換器(以下にエバポレータと称することがある)の下に配置されたドレン水トレイに集められたドレン水を、吸水体ユニットに導入するために設けられている。ドレン水配管は、その一端がドレン水トレイの排出口に接続され、他端が吸水体ユニットのケース上面の開口部に配置される。
【0023】
本発明の冷却装置は、吸水体ユニットを受容し且つ水を溜めることのできる水受け容器を設けるのがよく、スポットクーラの適当な水平面に固定して、該水受け容器内に、吸水体ユニットの底部を載置する。吸水体ユニットからの蒸発量に対して、ドレーン配管からの供給されるドレーン水が一時的に大きくなる場合には、水受けとして利用される。
他方、ドレン水の量が少なく、吸水体ユニットの吸水シートが十分に湿潤できない場合、この水受け容器に水を供給する給水タンクを備えるのが好ましい。水受け容器は、吸水体ユニットの下部に配置され、吸水体ユニットの下部の開口を湿らすことができる水位の水を溜められる深さを備えている。吸水体ユニットの下面から水分を吸収させる場合には、吸水シートの積層体の下面にも、上面と同様に導水シートを備えるのが好ましい。
【0024】
給水タンクは、水の補給が容易で、水受け容器内の水を常に適切な水の水位を保つ機能を備えており、例えば、タンクの給水口にバルブ付きキャップを設けて、タンクの給水口を下向きにして水受け容器に配置することにより、タンクの着脱時に水の漏れ出しがなく、水受け容器の水位をほぼ一定に保つことができる。
【0025】
冷却装置の吸水体ユニットは、冷媒冷却用熱交換器側の冷風を作る空気流通経路に配置されるが、冷媒冷却用熱交換器に対して排気側または吸気側のどちらにも配置することができる。
【0026】
吸水体ユニットは、好ましくは、冷媒冷却用熱交換器の排気側に配置するのが好ましく、高温で湿度の低い排気風が吸水体ユニットを通過するので、吸水シートに含まれた水分の蒸発量が多くなり、排気風の冷却効果を高くできる。吸水体ユニットは、排気風が内部を通過できる方向に、また、排気風の噴出口をほぼ覆うように配置される。
【0027】
吸水体ユニットを吸気側に配置すると、既存のスポットクーラでドレン水タンクを配置する空間に吸水体ユニットを設置できるので、既存のスポットクーラの改装用に適している。また、ドレン水タンクに滴下するドレン水を、そのまま吸水体ユニットの上面に滴下することができるので、ドレン水配管の改装が容易である。
【0028】
本発明は、さらに、冷媒冷却用熱交換器と、該熱交換器からの排熱を吸引する吸引ファンと、上記の冷却装置を一体にしたスポットクーラを含む。
【0029】
実施の形態2.
他方、本発明のドレン水蒸散装置も、スポットクーラに内蔵して取り付ける。この装置は、多数の吸水シートを間隔をあけて対面配置した吸水体ユニットと、スポットクーラで発生するドレン水を吸水体ユニットに導入するドレン水配管と、から成る。
吸水体ユニットは、冷媒冷却用熱交換器を通過する空気の流通経路内に通風可能に配置され、ドレン水が、ドレン水配管により吸水体ユニット内に導入されて吸水シートを湿潤し、吸水シートの隙間を通過する空気から熱を奪って蒸発する。
【0030】
吸水体ユニットに用いる吸水シートは、自立可能な程度の剛直性を有し、吸水性の大きい織布又は不織布の材質から成り、例えば、繊維に無機材料粉末を混合して、繊維と無機材料粉末とを混抄して製造した厚紙状の不織布などを用いることができる。
【0031】
本発明の吸水体ユニットでは、スペーサを用いて、複数の吸水シートを一様の間隔で並列に立設することができる。スペーサには、例えば、耐食性の金属や合成樹脂から成る帯状部片をジグザグ状に交互に折り曲げた構造のスペーサを用いることができる。スペーサの折り曲げ部分の間をつなぐ板状部は、隣接して対向する板状部との間に、吸水シートの厚みが挿入できる程度の間隔を設けている。スペーサの互いに隣接して対向する板状部の間に形成した隙間の1つおきに、各吸水シートの側縁部が挿通され、板状部の間で挟持されて、該シートの側縁部が外側の折り曲げ部位で停止されて固定され、吸水シートの積層体が形成される。
【0032】
また、吸水体ユニットは、セパレータを利用して、複数の吸水シートを一様の間隔で並列に立設することもできる。各シートの片面に樹脂の線条突起を数条配置してセパレータとすることができ、セパレータを備えた複数のシートを積層すると、隣接するシートにセパレータが接触して隙間が形成される。この積層体は、吸水シート同士は固定されていないので、積層した状態で枠体等に挿入して固定するとよい。
【0033】
上記のように形成された積層体の上面には、吸水シートと同様の吸水性材料で形成され、積層体上面のサイズと同程度に成形した導水シートを載置すると好ましい。導水シートは、吸水体ユニットの上面から導入されるドレン水を吸収して導水シート全面が湿潤するので、水分を積層体の全体に導くことができる。
【0034】
吸水体ユニットは、上記の吸水体シートの積層体および導水シートを、耐食性の金属や合成樹脂から成るケースに収納して構成される。ケースは、例えば積層体の通風方向の面と上下面とに開口部を形成した箱体や、積層体の稜線部を固定し保持できるようにした枠体から成る。
【0035】
ドレン水配管は、エバポレータの下に配置されたドレン水トレイに集められたドレン水を、吸水体ユニットに導入するために設けられている。ドレン水配管は、その一端がドレン水トレイの排出口に接続され、他端が吸水体ユニットのケース上面の開口部に配置される。
【0036】
ドレン水蒸散装置の吸水体ユニットは、冷媒冷却用熱交換器の空気流通経路に配置されるが、排気側または吸気側のどちらにも配置することができる。吸水体ユニットを排気側に配置すると、高温で湿度の低くなった排気風が吸水体ユニットを通過するので、吸水シートに含まれたドレン水が蒸発しやすい。
【0037】
吸水体ユニットを吸気側に配置すると、ドレン水の蒸発により吸気が冷却され、結果として排熱風が冷却できる。吸気側の配置は、既存のスポットクーラでドレン水タンクを配置する空間に、吸水体ユニットを設置できるので、既存のスポットクーラの改装用に適している。また、ドレン水タンクに滴下するドレン水を、そのまま吸水体ユニットの上面に滴下することができるので、ドレン水配管が簡易である。
【0038】
吸気側に蒸散装置を取り付ける改装では、スポットクーラの外箱に窓部を設けて、外気が吸水体ユニット内を通過するようにする。ドレン水の蒸発が十分でない場合は、他の吸気用窓部の一部を遮蔽すると、吸水体ユニット内に吸気風が効率よく通過して、蒸発を促進することができる。
【0039】
【実施例】
実施例1
図1は、本発明の排熱風冷却装置を排気側に配置したスポットクーラ1の一例を示す。この例のスポットクーラは、パネルで囲まれた外箱10内に、上部に冷風発生領域Cと、下部に排熱領域Hとが、中間の隔壁によりに区別されている。
【0040】
外箱10上部側の冷風発生領域Cは、エバポレータ6が側面パネル15に面して立設され、冷風用ファン7が、エバポレータ6に近接して配置され、側面パネル15より取り入れた空気をエバポレータ6通過中に冷却して、前部パネル14を通して送風される。エバポレータ6直下には、中間の隔壁を兼ねて、ドレン水トレイ8を配置して上下を区画している。
【0041】
ドレン水トレイ8は、エバポレータ6の表面に結露したドレン水を受けて、ドレン水を集める容器で、ドレン水トレイ8には、ドレン水の排出口81が底面80に形成されており、底面80には、ドレン水配管27が接続されている。クーラ作動時に冷風用ファン7が回転すると、エバポレータ側の窓部から吸引(図2の矢印CI方向)された外気が、低温のエバポレータ6の隙間を通過して冷却された後に矢印CWの方向に送風される。
【0042】
スポットクーラ1の下部の排熱部領域Hには、この例では、U字型の冷媒冷却用熱交換器3が配置され、冷媒冷却用熱交換器3の中心部空間に冷媒用コンプレッサ5が配置されている。排熱風を排出する排熱用ファン4は、吸気側開口部40が冷媒冷却用熱交換器3の直上部位に位置するように収納されて、排熱用ファン4の排気側開口部が裏側パネル13の排熱風排気窓部43に連通している。排熱領域Hは、ファン4を回転させることにより、吸気用の窓部42から矢印HI方向に外気が吸引され、高温の冷媒冷却用熱交換器の隙間を通過した外気は、高温の排熱風になり、ファン4によって矢印HW方向に放出される。
【0043】
この実施例においては、排熱ファン4の排気側開口部41と、裏側パネル13の排熱風排気窓部44との間に、排熱風冷却装置2の吸水体ユニット21が配置される。排熱風は、吸水体ユニット21の隙間を通過して、矢印HW方向に環境(この場合には、スポットクーラを設置した建屋内であるが)に排出される。
【0044】
吸水体ユニット21の詳細につき、図4(A)では、ユニット21の前面のケース25を外して内部を露出している。ケース25の内部には、多数の吸水シート22をスペーサ23で等間隔に立設して積層した吸水シート積層体220が配置されている。さらに、吸水シート積層体220の上面および下面には、吸水性の導水シート24が、ユニット内の積層体220の上面または下面を覆う大きさで各々配置されている。
【0045】
吸水シート積層体220は、図5に示すように、矩形に成形した吸水体シート22の側部を、シグザグに折りたたんだ形状のスペーサ23の隙間に挟み込んで固定して、隣合う吸水シート22の間に通風可能な等間隔の隙間221を形成している。
【0046】
図4(B)において、吸水体ユニット21のケース25には、導水用開口部251が上面および下面に形成され、通風用開口部252が両側面に形成される。各導水シート24は、その一面が吸水シートの上端又は下端と接触し、他面がケース25の導水用開口部251を介して外部に露出している。上記のユニット21では、吸水シートの間隙を矢印方向に通風可能とされている。
【0047】
図2と図3とは、それぞれ、図1に示したスポットクーラの正面図と背面図である。ドレン水配管27は、図3に示すように、ドレン水トレイ8の排水口81に管状体の一端を接続し、他端を吸水体ユニット21の導水用開口部251に配置して成る。ドレン水は、吸水体ユニット21の上部の導水シート24上の一箇所に導入されるが、上部の導水シート24によって周囲に拡散され、吸水体ユニットの吸水シート22全体を湿潤する。
【0048】
この実施例では、水受け容器26を利用するが、水受け容器26は、平底260を有し、側板261で囲まれた浅い容器を成して、外箱10内部の中間の隔壁12上に固定され、平底260上で上記の吸水体ユニット21のケース25を支持している。水受け容器26は、裏面パネル13の内側で排気用ファン4の排気側開口部41に配置され、吸水体ユニット21は、その立設した吸水シート22の隙間を熱風が通過するように開口部41に対向して固定されている。
【0049】
給水タンク29は、バルブ付キャップ291を下にして、水受け容器26の平底260に近接して取外し可能に受止されている。給水タンクにより、水受け容器26の水位を一定にするように水が供給される。水受け容器26に満たされた水は、吸水体ユニット21の下面の導水用開口部251から浸入して、吸水体ユニット21内の吸水シート22を常に湿潤する。タンク内の水が空になった時は、タンク29を取り外して水を入れて再装着すれば、水受け容器に水を補給できる。
【0050】
実施例2
本発明の冷却装置を吸気側に配置したスポットクーラ1の断面図を、図6に示す。上記実施例と同様に構成したスポットクーラにおいて、吸水体ユニット21が冷媒冷却用熱交換器3を設置した空間内に配置され、ドレン配管27がドレン水トレイ8の排水口81と吸水体ユニット21の上面の導水用開口部251とを接続している。
【0051】
この実施例では、U字型に配置した冷媒冷却用熱交換器3を備えたスポットクーラ1を用いている。冷媒冷却用熱交換器3の中心の空間にはコンプレッサ5が配置され、U字型の開口部分には排熱風冷却装置が配置される。吸水体ユニットは、従来のスポットクーラに備えられたドレン水タンクの位置に配置される。スポットクーラ1の外箱の前面パネル14には、吸水体ユニット用吸気窓部43が形成されて、吸水体ユニット21内に外気が流通するようにしている。さらに排気風の冷却効果を向上させるには、外箱の背面パネル13および側面パネル15、16に形成されたエバポレータ用吸気窓部42の一部を遮蔽して、吸水体ユニットを通過する外気の割合を増加させるとよい。
【0052】
図7は、図6の破線Xで切断した断面の模式図で、吸水体ユニット21と給水タンク29とが水受け容器26に受容されて、U字型の冷媒冷却用熱交換器3の開口側に配置される。吸水体ユニット21に隣接した壁面には、新たに冷却用窓部43を形成して、冷却装置の吸水体ユニット21の内部に外気が通過できるようにする。また、吸気用の窓部42の一部を遮蔽して、吸水体ユニット21の外気通過量を調整する。吸水体ユニット21の構造および給水タンク29については、実施例1と同様である。
【0053】
実施例3
この実施例の蒸散装置は、実施例1の図1と図3の排熱風冷却装置において、給水タンク29を配置しない構成としている。この蒸散装置をスポットクーラ内に設置して、室温30〜35℃でスポットクーラを作動させる場合、吸水体ユニット21に導入されたドレン水は、吸水シート22の上半分まで湿潤した状態で蒸発し、吸水体ユニット21の水受け容器26の平底260にドレン水が到達することはなく、ドレン水を完全に蒸発させることができる。
【0054】
実施例4
この実施例の蒸散装置は、図6と図7に示した実施例2の冷却装置において、給水タンク29を省いた構成を有する。この蒸散装置をスポットクーラ内に設置して、室温30〜35℃でスポットクーラを作動させると、吸水体ユニット21に導入されたドレン水は、吸水シート22の上半分まで湿潤した状態で蒸発し、吸水体ユニット21の下部にドレン水が到達することはない。
【0055】
【発明の効果】
本発明のスポットクーラ用の排熱風冷却装置は、通風可能に配置した多数の吸水シート含む吸水体ユニットと、ドレン水配管と、から成り、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側に空気流通可能に配置されて、ドレン水の蒸発により排熱風を冷却するので、簡易な構造で排熱風の温度を効率よく下げることができる。
【0056】
本発明のスポットクーラ用の排熱風冷却装置は、通風可能に配置した多数の吸水シート含む吸水体ユニットと、ドレン水配管とから成り、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の吸気側に空気流通可能に配置されて、ドレン水の蒸発により排熱風が冷却できるので、簡易な構造で、排熱温度を下げることができる。特に既存のスポットクーラの改装に適している。
【0057】
また、冷却装置が、吸水体ユニットを受容する水受け容器と、給水タンクとをさらに備え、吸水体ユニットの下部を常に補給水で湿潤することにより、常時排熱風を冷却でき、冷却効果を向上させることができる。
【0058】
本発明のスポットクーラは、上記の冷却装置を含んで提供されるので、改装に伴う改造が不要で、購入後すぐに使用することができる。
本発明のスポットクーラ用の排熱風冷却装置は、通風可能に配置した多数の吸水シートを含む吸水体ユニットと、ドレン水配管と、から成り、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の排気側に空気流通可能に配置されて、ドレン水を蒸発させるので、簡易な構造でドレン水タンクを不要にでき、ドレン水の廃棄処理を省略できる。
【0059】
本発明のスポットクーラ用のドレン水蒸散装置は、通風可能に配置した多数の吸水シートを含む吸水体ユニットと、ドレン水配管とから成り、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器の吸気側に空気流通可能に配置されて、ドレン水を蒸発させるので、簡易な構造でドレン水タンクを不要にでき、ドレン水の廃棄処理を省略できる。この装置は、特に既存のスポットクーラの改装に適している。
【0060】
本発明のスポットクーラは、上記の蒸散装置を含んで提供されるので、改装に伴う改造が不要で、購入後すぐに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの断面図である。
【図2】本発明の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの側面図である。
【図3】本発明の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの側面図である。
【図4】本発明の実施例にかかる吸水体ユニットの斜視図(A)および断面図(B)である。
【図5】本発明の実施例にかかる吸水シート積層体の斜視図である。
【図6】本発明の別の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの断面図である。
【図7】本発明の別の実施例にかかる冷却装置を備えたスポットクーラの破線Xにおける断面図である。
【符号の説明】
1 スポットクーラ
21 吸水体ユニット
22 吸水シート
27 ドレン水配管
3 冷媒冷却用熱交換器
4 排熱用ファン
81 ドレン水排出口
Claims (11)
- スポットクーラの排熱風を冷却する装置であって、
該装置が、多数の吸水シートを間隔を保持して対面配置した吸水体ユニットと、吸水体ユニットに空気冷却用熱交換器からのドレン水を導入するドレン水配管と、から成り、
吸水体ユニットが、スポットクーラの外箱内において、スポットクーラの冷媒冷却用熱交換器を流通する空気流通経路に空気流通可能に配置されて、ドレン水の蒸発により排熱風を冷却するスポットクーラ用の排熱風冷却装置。 - 該装置が、吸水体ユニットの下部を受容し且つドレン水配管のドレン水を受容する水受け容器をさらに備えた請求項1に記載の排熱風冷却装置。
- 該装置が、水受け容器に水を導入する給水タンクをさらに備え、吸水体ユニットの下部を水で湿潤する請求項2に記載の排熱風冷却装置。
- 該装置が、冷媒冷却用熱交換器から空気を吸引するファンの排気側開口部と、該外箱のパネルとの間に配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載の排熱風冷却装置。
- 上記吸水体ユニットが、通風用開口部を両側面に形成し、ドレン水配管からの水を受ける導水用開口部を上面に設けたケースと、該ケース内に収容されて吸水シート間の隙間を通風用開口部に連通可能に立設配置した上記の多数の吸水シートの積層体と、から成る請求項1ないし4のいずれかに記載の排熱風冷却装置。
- 冷媒冷却用熱交換器と、該熱交換器からの排熱を吸引する吸引ファンと、請求項1ないし5のいずれかに記載の冷却装置と、を含むスポットクーラ。
- スポットクーラのドレン水を蒸散する装置であって、
該装置が、多数の吸水シートを間隔を保持して対面配置した吸水体ユニットと、吸水体ユニットに空気冷却用熱交換器からのドレン水を導入するドレン水配管と、から成り、
吸水体ユニットが、スポットクーラの外箱内においてスポットクーラの冷媒冷却用熱交換器を流通する空気流通経路に空気流通可能に配置されて、ドレン水を蒸散する、スポットクーラ用ドレン水蒸散装置。 - 該装置が、冷媒冷却用熱交換器から空気を吸引するファンの出口側開口部と、該外箱の排熱側パネルとの間に固定されている請求項7に記載のドレン水蒸散装置。
- 該装置が、冷媒冷却用熱交換器の吸入側の空気流通経路に配置されている請求項7に記載のドレン水蒸散装置。
- 該装置が、冷媒冷却用熱交換器と該外箱の吸入側パネルとの間に固定されている請求項9に記載のドレン水蒸散装置。
- 冷媒冷却用熱交換器と、該熱交換器からの排熱を吸引する吸引ファンと、請求項7ないし10いずれかに記載のドレン水蒸散装置と、を含むスポットクーラ。
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ID=32266600
Family Applications (1)
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JP2002268368A Withdrawn JP2004108607A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | スポットクーラ用の排熱風冷却装置およびドレン水蒸散装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016169926A (ja) * | 2015-03-13 | 2016-09-23 | 富士電機株式会社 | ドレン水蒸発装置 |
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-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002268368A patent/JP2004108607A/ja not_active Withdrawn
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JP2016169926A (ja) * | 2015-03-13 | 2016-09-23 | 富士電機株式会社 | ドレン水蒸発装置 |
CN108518762A (zh) * | 2018-05-02 | 2018-09-11 | 广东美的制冷设备有限公司 | 空调器室外机和空调器 |
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