JP2004108578A - 緩衝体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた緩衝性能を発揮し軽量で施工性のよい例えば重量挙げの床に適した緩衝体を提供する。
【解決手段】 初期硬度がアスカーC30〜85で見かけ比重が0.30〜0.70の発泡材5のシート板5Aに対し多数の貫通孔5Bをあけ、その少なくとも表面側に保護層を設けたものである。上記発泡材のシート板5Aが衝撃エネルギの高い減衰機能を発揮し、その全面にわたって多数の貫通孔5Bがあけられているから、衝撃的な振動荷重を受ける発泡材が圧縮変形して、その衝撃エネルギを素早く減衰・消滅させることができる。また、それ自体軽量であり、例えば重量挙げ用緩衝床として使用する場合も、軽量化でき施工性が良い。
【選択図】図1

Description

 本発明は、衝撃エネルギを吸収する緩衝体に係り、特に、発泡材のシート板に対し多数の貫通孔をあけた衝撃吸収材を利用したものに関する。
 従来、重量挙げ用の床材として緩衝体を敷いてバーベルを落下させた時の衝撃を減衰させたり、鍛造機械等の床材として機械からの衝撃振動を減衰させる緩衝体が使用されている。
 例えば、従来国体など競技会場が毎年移動される仮設タイプの重量挙げ用の緩衝床として、図24に示すような緩衝体10が使用されている。このものは、両側に天然ゴム製のゴム板材G(1000mm×2500mm×30mm)を配置し、中央に木製スタンド11を配置したものである。
 また、重量挙げ用の緩衝床として、図25に示すような緩衝体20も使用されている。このものは、衝撃による振動荷重を減衰させるために用いられる溝付きゴム21と、強度を保持するために用いられるベニヤ板23を積層し、さらに表面を保護するために用いられる天然ゴム製のゴム板材G1,G2を上下面に積層させたもの(1000mm×2500mm×100mm)を両側に配置し、中央に木製スタンド25を配置したものである。 
 他方、本願出願人は、図26に示すように、水道管路等で発生するウオータハンマ現象を減衰させる液撃防止器を開発し、特許出願している(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。上記液撃防止器に使用されている弾性緩衝体の材質は、シリコ−ンゲル緩衝体と、この内部に介在させた有弾性中空球体とからなる有弾性中空球体添加型シリコ−ンゲルが以前から使用されている。
 しかし、この有弾性中空球体添加型シリコ−ンゲルは、長期間にわたり液撃吸収作用を繰り返して受けると、有弾性中空球体とシリコ−ンゲル緩衝体との接合面がへたったり、剥がれたりすることが判明した。そこで、本願出願人は、高硬度微発泡体(半硬質ポリウレタン系)が優れていることを解明し、最近ではこれが多く使用されている。
特開2001−262635号公報 特開2002−89775号公報
 上記従来の構成によると次のような問題があった。まず、上記緩衝体10は重量挙げ用の床材として使用する場合に、緩衝効果があまり良くないという問題があった。これは、上記緩衝体10が1枚のゴム板材Gで形成されたものであり、充分な衝撃の減衰効果が得られないからである。また、上記緩衝体10は、ゴム板材Gの1枚のシートであり、これを重量挙げ用の床材として使用するには相当の大きさが必要となることから、それ自体が大重量となり、運搬するのが困難で施工性が悪いという問題があった。
 また、緩衝体20の場合は、上記緩衝体10よりは厚いタイプであって、緩衝効果については上記緩衝体10と比較すればそれよりは優れてはいるものの期待する程の減衰効果が得られないという問題があった。また、重量の面でも、大型となる点は上記緩衝体10と同様で、それ自体が大重量となり、運搬するのが困難で施工性が悪いという問題があった。このため、軽量で且つバーベル衝撃値にマッチした緩衝性能を発揮できる緩衝体が要望されていた。
 他方、上記液撃防止器に使用する弾性緩衝体は、円柱状をなすものであり、これを製造する方法としては、まず、厚さ18mmの高硬度微発泡体の平板状シートを製造し、プレスで打ち抜いて製造される。そして、高硬度微発泡体の平板状シートから多数の弾性緩衝体を打ち抜いた残りの部分は、再利用されることなく廃棄されている。このような高性能の弾性緩衝機能を有する高硬度微発泡体を廃材として廃棄してしまうことは、地球資源や地球環境保全の見地からも好ましくないことでありその有効利用を図ることは大きな課題である。
 本願出願人は、上記液撃防止器に使用されている高硬度微発泡体のシート板から打ち抜いた弾性緩衝体による優れた液撃防止作用に着目し、孔あきシート板にも衝撃減衰の効果が期待できる可能性を想定した。そこで、上記孔あきシート板が、重量挙げ用緩衝床や鍛造機械等の制振床材等に使用される緩衝体にも利用できるのではないかと、衝撃エネルギの緩衝性能を確認するテストを行った。その結果、上記高硬度微発泡体を利用した衝撃吸収材は、平板状の素材に、多数の貫通孔をあけて衝撃エネルギに対する吸収効率(減衰作用)を高めるのが有効な構成であることを確認した。
 尚、本願出願人は、上記高硬度微発泡体(半硬質ポリウレタン系)について、例えば、重量挙げ用等の床材に使用する緩衝体のために新規に製造するほか、液撃防止器の弾性緩衝体を打ち抜き製造した孔あき廃材の再利用によっても、同等の吸収効率(減衰作用)が得られることを確認した。
 本発明はこのような点に基づいてなされたものでその第1の目的とするところは、上記液撃防止器の弾性緩衝体として、優れた緩衝性能を発揮できる多数の孔あき発泡材のシート板を利用し、例えば重量挙げの床材に適した衝撃吸収性が高く、しかも軽量で施工性が良い緩衝体を提供することにある。更に、本発明の第2の目的とするところは、廃材として利用されていない多数の孔あき発泡材のシート板を再利用することで安価な緩衝体を提供することにある。
 上記目的を達成するべく本発明の請求項1記載の緩衝体は、初期硬度がアスカーC30〜85で見かけ比重が0.30〜0.70の発泡材のシート板に対し多数の貫通孔をあけ、その少なくとも表面側に保護層を設けてなることを特徴とするものである。
 また、請求項2記載の緩衝体は、請求項1記載の緩衝体において、上記発泡材は、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するためにシート板から弾性緩衝体を打ち抜いた廃材であることを特徴とするものである。
 また、請求項3記載の緩衝体は、請求項1または2記載の緩衝体において、上記緩衝体は、重量挙げ用の床材として使用されるものであることを特徴とするものである。
 また、請求項4記載の緩衝体は、請求項1〜3のうちいずれか1項記載の緩衝体において、上記緩衝体は、裏面側にも保護層を設けたものであることを特徴とするものである。 
 すなわち、本発明の請求項1による緩衝体は、発泡材のシート板に対し多数の貫通孔をあけ、その少なくとも表面側に保護層を設けてなるものであり、上記緩衝体は、発泡材のシート板が衝撃エネルギの高い減衰機能を発揮する。特に、発泡材のシート板は、その全面にわたって多数の貫通孔があけられているから、衝撃的な振動荷重を受ける発泡材が圧縮変形して、その衝撃エネルギを素早く減衰・消滅させることができる。また、それ自体軽量であり、例えば重量挙げ用緩衝床として使用する場合も、軽量化でき施工性が良い。 
 また、本発明の請求項2による緩衝体は、発泡材について、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するためにシート板から弾性緩衝体を打ち抜いた廃材であることを要件とするものである。これにより、孔あき廃材は、衝撃エネルギの高い減衰機能を発揮するとともに、衝撃的な振動荷重を受ける発泡材が圧縮変形して、その衝撃エネルギを素早く減衰・消滅させることができ、衝撃エネルギに対して有効な減衰作用が得られる。また、それ自体軽量であり、例えば重量挙げ用緩衝床として使用する場合も、軽量化でき施工性が良い。しかも、緩衝体は、経済的な単価がただ同然の廃材の有効利用により、その製造コストを大幅に削減させられる。
 また、本発明の請求項3による緩衝体は、重量挙げ用の床に使用されるものであることを要件としたものである。本発明の緩衝体を使用した重量挙げ用の床は、発泡材のシート板が衝撃エネルギの高い減衰機能を発揮する。特に、発泡材のシート板は、その全面にわたって多数の貫通孔があけられているから、衝撃的な振動荷重を受ける発泡材が圧縮変形して、その衝撃エネルギを素早く減衰・消滅させることができる。よって、重量挙げのバーベルを落下させた場合も、バーベル衝撃値に適合した高い減衰機能を発揮することができる。尚、上記発泡材は、新規な素材から貫通孔を打ち抜いたものであっても良いが、液撃防止器用の緩衝体を製造するためにシート板から弾性緩衝体を打ち抜いた廃材を利用することにより、その製造コストを大幅に削減させられる。
 また、請求項4による緩衝体は、裏面側にも保護層を設けているので緩衝性能及び耐久性を付与することかできる。
 本発明の請求項1による緩衝体は、初期硬度がアスカーC30〜85で見かけ比重が0.30〜0.70の発泡材のシート板に対し多数の貫通孔をあけ、その少なくとも表面側に保護層を設けてなるから、衝撃エネルギの減衰効率・吸収効率が高い緩衝体が提供できる。特に、発泡材のシート板の全面にわたって多数の孔があけられているから、衝撃的な振動荷重を受ける発泡材が効率良く圧縮変形して、その衝撃エネルギを素早く減衰・消滅させることができる。
 本発明の請求項2による緩衝体は、発泡材を、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するためにシート板から弾性緩衝体を打ち抜いた廃材を使用したから、多数の孔あき廃材は、衝撃的な振動荷重を受ける発泡材が効率良く圧縮変形して、その衝撃エネルギを素早く減衰・消滅させることができる。特に、経済的単価がただ同然の廃材の有効利用により、緩衝体の製造コストダウンを大幅に削減できる。
 本発明の請求項3による緩衝体は、重量挙げ用の床に利用されると、重量挙げの床は、緩衝体の発泡材により衝撃エネルギの高い減衰効率・吸収効率ができる。上記発泡材は、新規な素材から多数の孔を打ち抜いたものの他、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するためにシート板から弾性緩衝体を打ち抜いた廃材の有効利用により、その製造コストを大幅に削減できる。
 本発明の請求項4による緩衝体は、裏面側にも保護層を設けているので、緩衝性能に優れ、しかも耐久性を付与することかできる。
 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る緩衝体100の一部破断斜視図、図2は発泡材のシート板の平面図、図3は緩衝体200の一部破断斜視図、図4は緩衝体100を重量挙げ用の床に使用した状態の斜視図、図5は緩衝体100を重量挙げ用の床に使用した状態の展開斜視図である。
 上記緩衝体100は、図1に示すように、上下の保護層である天然ゴム製のゴム板1,3と、中間層に介在させた弾性緩衝体である発泡材5のシート板5A(大きさ250mm×250mmを4枚敷設)とからなる。その厚さ寸法は、ゴム板1,3が10mm、発泡材のシート板5Aが18mmであり、全体では38mmに形成されている。上記シート板5Aには、例えば図2に示すように、直径が40mm程度でピッチが50mm程度の円形形状の多数の貫通孔5Bがあけられ、衝撃に対して圧縮変形して衝撃エネルギを効率良く減衰するように構成されている。
 また、もう一種の緩衝体200は、図3に示すように、上下の保護層であるゴム板1,3と、中間層に介在させた弾性緩衝体である発泡材5のシート板5A(大きさ250mm×250mmを8枚敷設)とからなる。その厚さ寸法は、ゴム板1,3が20mm、発泡材のシート板5Aを2枚重ねて使用しその厚さが35mmであり、全体では75mmに形成されている。上記シート板5Aには、直径が40mm程度でピッチが50mm程度の円形形状の多数の貫通孔5Bがあけられ、衝撃に対して圧縮変形して衝撃エネルギを効率良く減衰するように構成されている。
 上記発泡材5としては、衝撃吸収のテストによると、初期硬度がアスカーC30〜85で、且つ見かけ比重が0.30〜0.70の微発泡材が使用される。また、上記発泡材5としては、初期硬度がアスカーC55〜70で見かけ比重が0.30〜0.40の発泡体が最良の結果を得た。また、これのコスト低減を図った量産品として提供される初期硬度がアスカーC50〜85で、且つ見かけ比重が0.30〜0.40の発泡体についても同じように良好な結果が得られることを確認した。尚、アスカーC硬度は、柔らかいゴムや発泡エラストマー、スポンジ等を測定するに適するものとして規定されるSRIS0101(日本ゴム協会標準規格)により測定されたものである。
 上記発泡材5は、各種の高分子で形成したものが適用できるが、具体例として、ポリウレタン微発泡体5が使用される。このポリウレタン微発泡体5としては、日清紡績株式会社製の商品である「ダンプロンES202」や「ダンプロンES206」が好適に使用される。因みに、この範囲内のポリウレタン微発泡体5は、樹脂を型枠に流し込んでシート状に発泡成形したものである。
 上記ポリウレタン微発泡体5は、ポリウレタンフォームの一種であって無数の微小独立発泡を有する弾性緩衝体であり、種別としては半硬質に属するものであり、そのなかでも高硬度型である。その製造方法は、グリコール成分とジイソシアネート成分が水により反応し橋架け結合によって網状化する際に発生するガスを利用して発泡させて製造される。具体的な他の使用実績として、鉄道用弾性枕木等を初めとする、屋外に直に使用され、高荷重の拘束下に長時間使用され、振動吸収性、耐久性に優れた鉄道用防振材として実績のあるものを使用する。
 その具体的な製造方法は、弾性枕木用の低発泡ウレタンエラストマーとして、特公昭58−50590号公報、特公昭61−60202号公報、特公平4−22170号公報、特公平4−58494号公報、特公平8−18391号公報、特許第2521837号公報、特許第2973847号公報等に詳細に記載されている。
 そして、このポリウレタン微発泡体5において、特に「ダンプロンES202」の初期硬度がアスカーC55〜70で、且つ見かけ比重が0.30〜0.40のものが好適に使用される。このものと「ダンプロンES206」の初期硬度がアスカーC30〜70で、且つ見かけ比重が0.60〜0.70のものの発泡仕様及び機械特性を表1に示す。
Figure 2004108578
 上記表1のように、初期硬度がアスカーC55〜70で、且つ見かけ比重が0.30〜0.40のポリウレタン微発泡材5は、弾性特性による変位量の確保と内部摩擦(粘弾性特性)によるエネルギー損失により圧力エネルギー変換媒体として機能を発揮でき、また、異種原料の複合体でないため、接合界面がなくて、高硬度に設定でき、機械的強度も大きく、圧縮永久歪、繰返し圧縮によるへたりが少ない等、耐久性に優れる。また、他のポリウレタン微発泡体5としては、株式会社イノアックコーポレーション製の商品名であるセルダンパー軟硬度型BF−300、硬硬度型BF−500が好適に使用できる。このものは、連続気泡(オープンセル)構造を持つ発泡ウレタンエラストマーであり、優れたダンピング効果により振動を低減する機能を有し、圧力エネルギー変換媒体として上記のダンプロンシリーズと同等以上の優れた性能を発揮できるとともに、独立気泡体であるダンプロンシリーズに比べ、ひずみが小さいことを特長とするため、へたり量が少なく、形状の自由度が大きく、さらに、耐熱、耐寒製に優れ温度依存性が小さく、二次加工も含めた生産効率が高いことから、原価を低減できる等の利点を有する。
 上記ポリウレタン微発泡材5は、新規に緩衝体100の衝撃吸収体として成形される。その衝撃吸収体の製造方法は、例えば、大きさ250mm×250mm、厚さ18mmで平板状に形成されたシート板5Aをプレスによる打ち抜き成形により所定の円形形状(例えば、直径が40mm程度)の多数の貫通孔5Bを打ち抜いて製造される。
 また、上記ポリウレタン微発泡材5は、特開2001−262635号公報に見る本願出願人が水道管路で発生するウオータハンマ現象等を減衰させる液撃防止器100の弾性緩衝体50を製造するときに出る多数の孔あき廃材52が利用される。具体的には、上記孔あき廃材52は、250mm×250mm×18mmの平板状に形成されたシート板51をプレスによる弾性緩衝体の打ち抜き成形により所定の円形形状(例えば、直径が40mm程度)に打ち抜き、多数の貫通孔5Bが明けられ廃材52となったものが使用される。尚、上記弾性緩衝体は、図26に示すように、液撃防止器300の弾性緩衝体309として使用される。
 上記ポリウレタン微発泡材5(孔あき廃材52)は、図1に示すように、その上下面に保護層である天然ゴム製のゴム板1,3が接着材等で貼り付けられている。これは、貫通孔が剥き出しであると衝撃力が作用したときに穿孔縁を基端として切れてしまう虞れがあり、耐久性に劣るようになるので、表面を保護する機能を有するものであり、少なくとも表面側にゴム板3が設けられているが、トータルの耐久性の点で裏面側にもゴム板1が設けられている。
 次に、図4〜図8を参照して本発明の緩衝体100、200の使用例を説明する。上記緩衝体100、200は、バーベルBを使用する際の仮設タイプの重量挙げ用床F1として体育館やトレーニング場の床に設置される。図4、図5に示すように、まず、枠体201を設置し、この枠内の両側にバーベルBの落下点に対応して緩衝部203を形成し、また、中央に競技者が位置する木製スタンド205を形成する。図6、図7に示すように、緩衝部203は緩衝体100(500mm×500mm×38mm)を5個2列で配置するものであり、下面にはベニヤ板207を付設している。緩衝部203は片側でトータル重量83kg、両側でトータル重量166kgとなるが、10分割された内の1つである緩衝体100の重量は1個8.3kgと軽量であり、移設に必要な人員は1名でよく、時間は0.5時間、移設工数は1時間あたり0.5人となる。
 また、他の例として、図6、図8に示すように、より高性能なタイプとして緩衝部203は緩衝体200(500mm×500mm×75mm)を5個2列で配置するものであり、下面にはベニヤ板207を付設している。上記と同様、10分割された内の1つである緩衝体200の重量は1個16.6kgと軽量であり、移設に必要な人員は1名でよく、時間は1時間、移設工数は1時間あたり1人となる。
 これらを、従来品と比較すると、例えば、上記緩衝体100の場合に相当する従来品の緩衝体10の場合、緩衝部203は緩衝体(1000mm×2500mm×30mm)を1個で配置するものであり、下面にはベニヤ板を付設している。その重量は1個が105kgであり、両側で210kgとなり、大重量となるので、移設に必要な人員は10名で、時間は0.5時間、移設工数は1時間あたり5人となる。
 また、上記緩衝体200の場合に相当するより厚いタイプの従来品の緩衝体20の場合、緩衝部203は緩衝体20(1000mm×2500mm×100mm)を1個で配置する。その重量は1個が285kgであり、両側で570kgであり、大重量となるので、移設に必要な人員は10名で、時間は1.5時間、移設工数は1時間あたり15人となる。
 本発明の緩衝体100、200は、上記のように構成されており、以下のように作用する。まず、上記緩衝体100、200は、初期硬度がアスカーC30〜85で見かけ比重が0.30〜0.70のポリウレタン微発泡材5のシート板5Aに対し貫通孔5Bをあけ、その少なくとも表面側に保護層3を設けてなるものである。これにより、緩衝体100、200におけるポリウレタン微発泡材5は、衝撃に対して圧縮変形して衝撃エネルギの減衰吸収効率が高いものとなる。特に、ポリウレタン微発泡材5は、そのシート板の全面にわたって多数の貫通孔5Bがあけられているから、衝撃的な振動荷重を受けるポリウレタン微発泡材5が効果的に圧縮変形して、その衝撃エネルギを素早く減衰・消滅させる。 
 そして、上記緩衝体100、200において、ポリウレタン微発泡材5は、新規なものが使用される他、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するために弾性緩衝体をシート板から打ち抜いた多数の孔あき廃材52としたものを使用することができる。この孔あき廃材52は、上記作用のように、多数の孔あきシート板が圧縮変形して、衝撃エネルギに対して有効な減衰作用が得られる。テスト結果によると、従来の緩衝体と同等の減衰性能が得られることが確認された。この結果、経済単価がただ同然の廃材52の有効利用により、緩衝体100、200の製造コストダウンが図れる。
 上記緩衝体100、200は、図3に示すように、重量挙げ用の床F1に数枚敷き詰めて使用されると、ポリウレタン微発泡材5により、重量挙げ用の床として衝撃エネルギの減衰効率・吸収効率が高く得られる。更に、ポリウレタン微発泡材5は、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するためにシート板から弾性緩衝体を打ち抜いた廃材52とすることにより、重量挙げ用の緩衝体の製造が大幅にコストダウンできる。このことは、再利用が不可能とされていたポリウレタン微発泡材5の廃材52が再利用でき、この廃材の破棄がなくなって地球資源や地球環境保全の見地からも極めて有効な発明といえる。
 続いて、上記緩衝体における性能試験の結果を図9〜図22を参照して説明する。本発明の緩衝体の開発のきっかけとなったのは、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するために弾性緩衝体をシート板から打ち抜いた多数の孔あき廃材52としたものを有効利用できないかということから、表面保護目的でゴムシートを積層して衝撃吸収試験をしたところ十分に使えることが判明したことによる。まず、上記弾性緩衝体(ポリウレタン微発泡体)5の穴なし品(図10の構成)と穴あり品(図11の構成、貫通孔は直径40mm程度でピッチが50mm程度の円形形状)とを比較した。試験方法は図9に示すように、コンクリートの床A上に緩衝体Kを設置し、2.2mの高さから200kgのバーベルBを落下させたときの加速度を床に設置した加速度測定装置Cにより測定し、上記測定結果において加速度の+−の絶対値の山を繋げ面積を積分することにより得られるエネルギ相対量を比較するものである。穴なし品の加速度測定結果を図12に、穴あり品の加速度測定結果を図13に、両者のエネルギ相対量の比較を図14に示す。その結果、図14に示されるエネルギ相対量(波形面積の積分値)が穴あり品の場合は、0.23であるのに対し、穴なし品の場合は、0.27であり、貫通孔5Bが軽量化に寄与しているが、同時に緩衝性についても向上させていることがわかる。
 また、貫通孔がなく軟らか目のほうが緩衝性は良いと考えられるが、軟らかいと耐久性に劣る傾向があり、寧ろこの硬さで貫通孔があった方が望ましいことも判明している。尚、貫通孔5Bが剥き出しであると当たり処次第で切れ耐久性に劣るので、少なくとも表面にゴム被覆が必要である。また、トータルの耐久性から裏面にもゴム被覆することが望ましい。図13、図15、16に示すように、表面にゴム被覆した穴あり品(図11の構成)と表面と裏面にゴム被覆した緩衝体200(図6に示す構成)とをエネルギ相対量で対比したところ、表面にゴム被覆した穴あり品は0.23であり、表面と裏面にゴム被覆した緩衝体200も0.23であり、緩衝性能には裏面のゴム被覆の有無は影響していないことがわかる。
 次に、図17〜図22に示すように、本発明の緩衝体100(図6に示す)と同程度厚さの緩衝体10(天然ゴム製、厚さ30mm)をエネルギ相対量で対比したところ、図22に示すように、緩衝体100は0.45であり、緩衝体10は0.52であり、15%緩衝性が向上していることがわかる。また、本発明の緩衝体200と同程度厚さの緩衝体20(厚さ100mm)をエネルギ相対量で対比したところ、緩衝体200は0.23であり、緩衝体20は0.47であり、50%緩衝性が向上していることがわかる。また、質量についても、本発明の緩衝体100と同程度厚さの緩衝体10とで対比すると、図6に示すように緩衝体100は分割式のブロック構成であるため、単一の緩衝体の重量比較では本発明の緩衝体100は8%、本発明の緩衝体200と同程度厚さの緩衝体20とで対比すると、単一の緩衝体の重量比較では本発明の緩衝体200は6%であり、本発明品が軽量であり施工性が向上していることがわかる。
 尚、本発明の緩衝体の他の使用例としては、図23に示すように、鍛造機械Mの床F2に使用する場合がある。この場合には、緩衝体100,200を介して鍛造機械Mを床F2に設置する。緩衝部がポリウレタン微発泡材5で形成された緩衝体100,200であることにより、衝撃エネルギの減衰効率・吸収効率が高く得られる。更に、ポリウレタン微発泡材5は、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するためにシート板から弾性緩衝体を打ち抜いた廃材52とすることにより、鍛造機械用の緩衝体の製造が大幅にコストダウンできる。このことは、再利用が不可能とされていたポリウレタン微発泡材5の廃材52が再利用でき、この廃材の破棄がなくなって地球資源や地球環境保全の見地からも極めて有効な発明といえる。
 本発明の緩衝体100、200は、上記実施形態に限定されず要旨内での設計変更が可能である。例えば、その使用例は、重量挙げ用の床F1や鍛造機械Mの床F2に限定されず、種々の衝撃的な振動を発生する箇所での衝撃エネルギの減衰・吸収用途にも使用可能である。また、ポリウレタン微発泡材5は、上記初期硬度がアスカーC30〜85で見かけ比重が0.30〜0.70であって、そのシート板の表面に多数の貫通孔5Bをあけたものであり、新品でも、廃材でも良い。
本発明の実施形態を示し、緩衝体の斜視図である。 本発明の実施形態を示し、発泡材の平面図である。 本発明の他の実施形態を示し、緩衝体の斜視図である。 本発明の実施形態を示し、緩衝体を重量挙げ用の床に使用した斜視図である。 本発明の実施形態を示し、緩衝体を重量挙げ用の床に使用した展開斜視図である。 本発明の実施形態を示し、緩衝部の構成と質量の比較を示す表である。 本発明の実施形態を示し、緩衝体を重量挙げ用の床に使用した斜視図である。 本発明の他の実施形態を示し、緩衝体を重量挙げ用の床に使用した斜視図である。 本発明の緩衝体の試験装置を示す斜視図である。 発泡材の穴なし品の構成を示す図である。 発泡材の穴あり品の構成を示す図である。 発泡材の穴なし品の加速度の試験結果を示す図である。 発泡材の穴あり品の加速度の試験結果を示す図である。 発泡材の穴なし品と穴あり品の相対エネルギを対比して示す図である。 緩衝体200の加速度の試験結果を示す図である。 発泡残の穴あり品と緩衝体200の相対エネルギを対比して示す図である。 緩衝体10の加速度の試験結果を示す図である。 緩衝体20の加速度の試験結果を示す図である。 緩衝体100の加速度の試験結果を示す図である。 緩衝体100と緩衝体10の相対エネルギを対比して示す図である。 緩衝体200と緩衝体20の相対エネルギを対比して示す図である。 相対エネルギと質量の試験結果を示す表である。 本発明の実施形態を示し、緩衝体を鍛造機械の床に敷設した断面図である。 従来の緩衝体を重量挙げ用の床に使用した斜視図である。 従来の他の緩衝体を重量挙げ用の床に使用した斜視図である。 液撃防止器の断面図である。
符号の説明
 1,3      ゴム板
 5        発泡材(ポリウレタン微発泡材)
 5A       シート板
 5B       貫通孔
 52       廃材
 B        バーベル
 F1       重量挙げの床
 F2       鍛造機械の床
 K        緩衝体
 M        鍛造機械
 100      緩衝体
 200      緩衝体
 300      液撃防止器

Claims (4)

  1.  初期硬度がアスカーC30〜85で見かけ比重が0.30〜0.70の発泡材のシート板に対し多数の貫通孔をあけ、その少なくとも表面側に保護層を設けてなることを特徴とする緩衝体。
  2.  上記発泡材は、液撃防止器用の弾性緩衝体を製造するためにシート板から弾性緩衝体を打ち抜いた廃材であることを特徴とする請求項1記載の緩衝体。
  3.  上記緩衝体は、重量挙げ用の床材であることを特徴とする請求項1または2記載の緩衝体。
  4.  上記緩衝体は、裏面側にも保護層を設けたものであることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の緩衝体。
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