JP2004108510A - 無段変速機用制御装置 - Google Patents

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Tateki Jozaki
城崎 建機
Shigeru Ishii
石井 繁
Tatsuo Wakahara
若原 龍雄
Masahiro Yamamoto
山本 雅弘
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Abstract

【課題】ステップモータに障害が発生した場合でも再発進時のベルト滑りを回避してVベルトの耐久性を阻害しない。
【解決手段】変速制御弁106のスプール106Sを動かして、少なくとも最小変速比側でプライマリポート106Pとラインポート106Lとの間の連通を可能とするステップモータ105と、ステップモータ105の欠相を検知する欠相検知手段120と、欠相検知手段120によってステップモータ105の欠相が検知されたとき、ステップモータ105を強制的に駆動して、変速制御弁のスプール106Sが、プライマリポート106Pとラインポート106Lとの間を連通する位置になるように制御する制御手段116とを備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等車両の変速比を無段階に変更する無段変速機用制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の無段変速機の要部構成図である(特許文献1参照)。この図において、Vベルト1が張り渡されたプライマリプーリ2とセカンダリプーリ3には、それぞれシリンダ室(以下「プライマリプーリシリンダ室2a、セカンダリプーリシリンダ室3a」という。)が付設されている。セカンダリプーリシリンダ室3aにはライン圧が常時供給され、プライマリプーリシリンダ室2aにはライン圧を元圧としてこれを変速制御弁4で調圧した油圧(以下「プライマリ圧」という。)が供給されている。そして、変速制御弁4でプライマリ圧を増減操作してプライマリプーリ2の溝幅を変更し、プライマリプーリ2とセカンダリプーリ3との径比を変えることによって、自動車等車両の変速比を無段階に制御する。
【0003】
変速制御弁4はプライマリプーリシリンダ室2aと連通するプライマリポート4Pと、ライン圧が供給されるライン圧ポート4Lと、ドレンポート4Tと、これらのポート間の連通を切り換えるスプール4Sとを備える。スプール4Sが図(a)の位置にあるとき、ライン圧ポート4Lは閉鎖され、プライマリポート4Pとドレンポート4Tとの間が連通する。また、スプール4Sが図(b)の位置にあるとき、ドレンポート4Tは閉鎖され、プライマリポート4Pとライン圧ポート4Lとの間が連通する。また、スプール4Sが図(c)の位置にあるとき、各ポート(プライマリポート4P、ライン圧ポート4L、ドレンポート4T)は閉鎖される。
【0004】
変速制御弁4のスプール4Sはメカニカルフィードバック機構を構成するサーボリンク5の略センター付近に連結されており、サーボリンク5の両端はそれぞれプライマリプーリ2の可動円錐板2bとステップモータ6の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構7とに連結されている。運動変換機構7は、ステップモータ6の回転軸6aと噛合するネジ山を内周面に形成した筒状移動体7aを有しており、ステップモータ6の回転(正転又は逆転)に伴って筒状移動体7aを図面の上下方向に移動し、サーボリンク5を介して変速制御弁4のスプール4Sの位置を駆動する。なお、筒状移動体7aの上方移動は、図中の「物理的なHi側のリミット位置」で規制される(それより上には動かない)ようになっているが、この「物理的なHi側のリミット位置」の用途については後述する。
【0005】
この従来構成によれば、変速制御弁4のスプール4Sの位置をステップモータ6で駆動できると共に、プライマリプーリ2の現在の溝幅、すなわち、現在の実変速比をスプール4Sの位置に機械的にフィードバックさせることができる。
【0006】
ところで、ステップモータ6は、入力パルスの数に対応した正確な回転角を得ることができる点で優れた駆動アクチュエータであるが、現在の回転角を絶対値として知ることができないため、変速制御弁4のスプール4Sの位置を正しく制御するためには、制御に先立って「イニシャライズ操作」を行う必要がある。図示のステップモータ6の回転軸6aの所定位置に取り付けられたストッパー6bは、筒状移動体7aの下方移動限界点(以下「原点位置」という。)を設定するためのものであり、イニシャライズ操作のための基準点として用いられものである。ステップモータ6の現在の回転角は、この原点位置からの相対位置として知ることができる。かかるイニシャライズ操作としては、イグニッションスイッチがONになったときに、ステップモータ6を駆動して原点位置に復帰させるるものが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【0007】
一方、ステップモータ6に障害(たとえば、断線等)が発生したときの対策としては、ステップモータ6の障害を検知した際に、ステップモータ6への駆動信号出力を停止して変速比制御を強制終了し、そのときの変速比に固定するようにしたものがある(たとえば、特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−263475号公報
【特許文献2】
特開平11−257473号公報
【特許文献3】
特開平7−286665号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術を組み合わせたものにあっては、次のような問題点がある。
【0010】
すなわち、ステップモータ6の障害発生時にステップモータ6の駆動を停止し、そのときの変速比に固定することにより、とりあえず、車両の走行を可能とするが、一端車両を停止してイグニッションキースイッチをOFFにし、再びイグニッションキースイッチをONにすると、ステップモータ6のイニシャライズ操作(原点位置への復帰操作)によって、変速制御弁4のスプール4Sの位置が図5(a)のようになってしまい、プライマリポート4Pとドレンポート4Tとの間が連通し、プライマリプーリシリンダ室2aのプライマリ圧が抜けたままの状態となってしまう。
【0011】
したがって、この状態で車両を発進させようとすると、プライマリ圧が発生していないため、プライマリプーリ2でVベルト1を挟装保持することができず、結局、ベルト滑りを引き起こして、Vベルト1の耐久性を損なうという問題点がある。
【0012】
そこで本発明は、ステップモータに障害が発生した場合でも再発進時のベルト滑りを回避してVベルトの耐久性を阻害しないようにできる無段変速機用制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、Vベルトが掛け渡されたプライマリプーリとセカンダリプーリとの径比を変更することによって自動車等車両の変速比を無段階に変化させる無段変速機の制御装置において、前記プライマリプーリのシリンダ室に連通するプライマリポート、ライン圧が供給されるラインポート及びドレンポートを有する変速制御弁と、前記変速制御弁のスプールを動かして、少なくとも最小変速比側で前記プライマリポートとラインポートとの間の連通を可能とするステップモータと、前記ステップモータの欠相を検知する欠相検知手段と、前記欠相検知手段によって前記ステップモータの欠相が検知されたとき、前記ステップモータを強制的に駆動して、前記変速制御弁のスプールが、前記プライマリポートとラインポートとの間を連通する位置になるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
この発明では、ステップモータの欠相が検知されると、ステップモータを強制的に駆動して、変速制御弁のスプールが、プライマリポートとラインポートとの間を連通する位置に設定される。したがって、ステップモータに障害(欠相)が発生した場合でも、プライマリ圧が喪失しないので、プライマリプーリのVベルト挟装保持力を失うことがなく、ベルト滑りを回避してVベルトの耐久性を阻害しないという無段変速機用制御装置を提供することができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記欠相検知手段によって前記ステップモータの欠相が検知されたとき、その状態を示すフラグをセットするフラグセット手段と、そのフラグを不揮発的に記憶する記憶手段と、イグニッションキースイッチのON時に前記フラグを検査し、フラグがセットされていた場合には前記ステップモータのイニシャライズ処理を禁止するイニシャライズ禁止手段とをさらに備えたことを特徴とする。
この発明では、前回の走行時にステップモータの欠相が検出されていたとき、その後の再発進時におけるステップモータのイニシャライズ処理が禁止される。したがって、ステップモータをラインポートとプライマリポートとが連通する位置に保持することができ、再発進時のベルト滑りを回避してVベルトの耐久性を阻害しないという無段変速機用制御装置を提供することができる。
この発明の好ましい態様は、前記ステップモータの強制的な駆動とは、物理的な最小変速比側のリミット位置への駆動であることを特徴とするというものである。
この態様では、ステップモータを予め物理的な最小変速比側のリミット位置に駆動することによって、変速制御弁はステップモータが支点となるためプーリの位置によらず、ラインポートとプライマリポートとが必ず連通されることとなり、再始動時にプライマリポートが閉じきられた状態となることがなく、ライン圧がエンジン始動と共に供給されるようになり、ベルト滑りが防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における無段変速機の動力伝達機構を示すスケルトン図である。図中、エンジン10の出力軸10aにはトルクコンバータ12が連結されている。このトルクコンバータ12は、ロックアップ機構付きのものであり、ロックアップ油室12aの油圧を制御することにより、入力側のポンプインペラー12bと出力側のタービンライナ12cとを機械的に連結し又は切り離し可能とするものである。
【0015】
トルクコンバータ12の出力側は回転軸13と連結され、回転軸13は前後進切換機構15と連結されている。前後進切換機構15は、遊星歯車機構17、前進用クラッチ40及び後進用ブレーキ50を有している。
【0016】
遊星歯車機構17は、サンギヤ19と、2つのピニオンギヤ21及び23を有するピニオンキャリア25と、インターナルギヤ27とから構成されている。2つのピニオンギヤ21及び23は互いに噛合し、ピニオンギヤ21はサンギヤ19と噛合しており、またピニオンギヤ23はインターナルギヤ27と噛合している。サンギヤ19は常に回転軸13と一体に回転するように連結されている。ピニオンキャリア25は前進用クラッチ40によって回転軸13と連結可能であり、また、インターナルギヤ27は後進用ブレーキ50によって静止部に対して固定可能である。ピニオンキャリア25は回転軸13の外周に配置された駆動軸14と連結され、この駆動軸14にはプライマリプーリ(駆動プーリともいう)16が設けられている。
【0017】
プライマリプーリ16は、駆動軸14と一体に回転する固定円錐板18と、固定円錐板18に対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共に、プライマリプーリシリンダ室(シリンダ室)20に作用する油圧(プライマリ圧)によって駆動軸14の軸方向に移動可能である可動円錐板22とから構成されている。なお、プライマリプーリシリンダ室20は、室20a及び20bの2室からなり、後述するセカンダリプーリシリンダ室32の2倍の受圧面積を有している。プライマリプーリ16はVベルト24によってセカンダリプーリ(従動プーリともいう)26と伝動可能に連結されている。
【0018】
セカンダリプーリ26は、従動軸28上に設けられ、従動軸28と一体に回転する固定円錐板30と、固定円錐板30に対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共に、セカンダリプーリシリンダ室32に作用する油圧(セカンダリ圧)によって従動軸28の軸方向に移動可能である可動円錐板34とから構成されている。これらのプライマリプーリ16、Vベルト24及びセカンダリプーリ26により、Vベルト式無段変速機構(無段変速機)29が構成される。
【0019】
従動軸28には駆動ギヤ46が固着されている。この駆動ギヤ46はアイドラ軸52上のアイドラギヤ48と噛合し、アイドラ軸52に設けられたピニオンギヤ54はファイナルギヤ44と常に噛合している。ファイナルギヤ44には、差動装置56を構成する一対のピニオンギヤ58及び60が取付けられており、このピニオンギヤ58及び60と一対のサイドギヤ62及び64が噛合し、サイドギヤ62及び64は夫々出力軸66及び68と連結されている。
【0020】
上記のような動力伝達機構にエンジン10の出力軸10aから入力された回転力は、トルクコンバータ12及び回転軸13を介して前後進切換機構15に伝達され、前進用クラッチ40が締結されると共に、後進用ブレーキ50が解放されている場合には一体回転状態となっている遊星歯車機構17を介して回転軸13の回転力が同じ回転方向のまま駆動軸14に伝達される。一方、前進用クラッチ40が解放されると共に、後進用ブレーキ50が締結されている場合には遊星歯車機構17の作用により回転軸13の回転力は回転方向が逆になった状態で駆動軸14に伝達される。
【0021】
駆動軸14の回転力はプライマリプーリ16、Vベルト24、セカンダリプーリ26、従動軸28、駆動ギヤ46、アイドラギヤ48、アイドラ軸52、ピニオンギヤ54及びファイナルギヤ44を介して差動装置56に伝達され、出力軸66及び68が前進方向又は後進方向に回転する。なお、前進用クラッチ40及び後進用ブレーキ50の両方が解放されている場合には動力伝達機構は中立状態となる。
【0022】
上記のような動力伝達の際に、プライマリプーリ16の可動円錐板22及びセカンダリプーリ26の可動円錐板34を軸方向に移動させてVベルト24との接触位置半径を変えることにより、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26との回転比を変えることができる。例えば、プライマリプーリ16のV字状プーリ溝の幅(以下、単に「溝幅」という。)を拡大すると共に、セカンダリプーリ26のV字状プーリ溝の幅(以下、単に「溝幅」という。)を縮小すれば、プライマリプーリ16側のVベルトの接触位置半径は小さくなり、セカンダリプーリ26側のVベルトの接触位置半径は大きくなり、結局、大きな変速比が得られることになる。または、可動円錐板22及び34を逆方向に移動させれば上記と全く逆に小さな変速比が得られることになる。
【0023】
次に、この無段変速機の油圧制御装置について説明する。
図2は、油圧制御装置の全体的な概念構成図である。この油圧制御装置100は、要するに、前記のプライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の各々のシリンダ室(プライマリプーリシリンダ室20とセカンダリプーリシリンダ室32)に供給する各油圧(プライマリ圧とセカンダリ圧)を調圧し、セカンダリプーリ26とプライマリプーリ16側の溝幅を変更して、運転状態に適合した適正な変速比を達成するというものである。
【0024】
その機能を達成するため、油圧制御装置100は、Vベルト式無段変速機構29の油圧系統を運転状態に応じて統括制御する無段変速機コントロールユニット101と、油圧ポンプ102で発生したライン圧を無段変速機コントロールユニット101からの指令信号に従って調圧するレギュレータバルブ103と、無段変速機コントロールユニット101からの指令信号に従って回転し、サーボリンク104を揺動駆動するステップモータ105と、サーボリンク104の揺動に応答してプライマリ圧を調圧する変速制御弁106と、無段変速機コントロールユニット101からの指令信号に従ってセカンダリ圧を調圧する減圧弁107とを備えている。なお、減圧弁107を備えないもの、すなわち、セカンダリ圧=ライン圧とするシステム構成もある。
【0025】
変速制御弁106は、冒頭で説明した図5の変速制御弁4と同一の構造を有している。すなわち、プライマリプーリシリンダ室20と連通するプライマリポート106Pと、ライン圧が供給されるライン圧ポート106Lと、ドレンポート106Tと、これらのポート間の連通を切り換えるスプール106Sとを備える。
【0026】
スプール106Sはサーボリンク104に連結されており、サーボリンク104の両端はそれぞれステップモータ105とプライマリプーリ16の可動円錐板22に連結されている。スプール106Sの位置は、サーボリンク104の揺動位置、すなわち、ステップモータ105の回転角とプライマリプーリ16の溝幅とによって次の三つの位置(第1〜第3の位置)のいずれかに決定される。
【0027】
第一の位置はライン圧ポート106Lを閉鎖し、且つ、プライマリポート106Pとドレンポート106Tとの間を連通する位置である。第二の位置は、ドレンポート106Tを閉鎖し、且つ、プライマリポート106Pとライン圧ポート106Lとの間を連通する位置である。第三の位置は、各ポート(プライマリポート106P、ライン圧ポート106L、ドレンポート106T)を閉鎖する位置である。
【0028】
したがって、この変速制御弁106は、実際の変速比に対応するプライマリプーリ16の溝幅をメカニカルフィードバック値とし、ステップモータ105の回転量に応じてそのフィードバック値(プライマリプーリ16の溝幅)を目標変速比とするように上記の第1〜第3の位置を適宜に切り換える、いわゆる三位置弁として動作する。
【0029】
無段変速機コントロールユニット101は、既述のとおり、Vベルト式無段変速機構29の油圧系統を運転状態に応じて統括制御するものであり、運転状態を表すパラメータは、たとえば、Vベルト式無段変速機構29の油圧系統の油温、エンジン10からの入力トルク、プライマリプーリ16の回転速度(プライマリ回転速度)、セカンダリプーリ26の回転速度(セカンダリ回転速度又は車速)、アクセルペダルの踏み込みストローク(又はスロットル開度)、自動変速セレクタのレンジ位置(P、N、D、2、1など)等であり、さらに、プライマリ圧及びセカンダリ圧を含む。
【0030】
これらのパラメータは、それぞれ適切な場所に設置されたスイッチやセンサなどによって検出される。たとえば、油温は図示しないオイル溜まりに設置された油温センサ108で検出され、入力トルク情報はエンジンコントロールユニット109から燃料噴射量やエンジン回転数などの形で与えられる。また、プライマリ回転速度はプライマリプーリ16に併設された回転センサ110によって検出され、セカンダリ回転速度はセカンダリプーリ26に併設された回転センサ111によって検出される。また、アクセルペダルの踏み込みストロークはアクセルペダル(不図示)に併設されたストロークセンサ112によって検出され、自動変速セレクタのレンジ位置はインヒビタスイッチ113によって検出される。さらに、プライマリ圧はプライマリポートシリンダ室20に併設された油圧センサ114によって検出され、セカンダリ圧はセカンダリポートシリンダ室32に併設された油圧センサ115によって検出される。
【0031】
無段変速機コントロールユニット101は、変速制御部116、プーリ圧制御部117、不揮発性情報記憶部(バッテリバックアップされた、たとえば、半導体メモリ装置からなるもの。イグニッションキーをOFFにしても記憶情報が失われない。後述の「SM故障フラグ」を記憶するために用いられる。)118、モータ駆動部119及び欠相検知部120を含む。
【0032】
変速制御部116は、車速やアクセルペダルストロークに応じて目標変速比を決定し、その目標変速比となるように、モータ駆動部119を介してステップモータ105を駆動してプライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の径比(すなわち実変速比)を制御する。プーリ圧制御部117は、油温、プライマリ圧、セカンダリ圧、入力トルク、プライマリ回転速度及びセカンダリ回転速度などに応じてレギュレータバルブ103や減圧弁107の開閉をデューティ制御し、ライン圧を調圧したり、このライン圧を元圧とするセカンダリ圧を調圧したりして、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の推力(Vベルト24の挟装保持力)を制御する。
【0033】
図3は、モータ駆動部119及び欠相検知部120の構成図である。この図において、モータ駆動部119は、ステップモータ105の相数n(以下「n=4」とする。つまり、ステップモータ105はA相〜D相を有するものとする。)に対応したn個の駆動部119a〜119dを備える。各駆動部119a〜119dは変速制御部116から相毎の駆動パルスCA〜CDが入力されると、各々の駆動パルスCA〜CDを電力増幅して所定の電圧レベルを有するステップ電圧PA〜PDを生成し、このステップ電圧PA〜PDをステップモータ105の各相に出力してステップモータ105をステップ状に駆動する。ステップモータ105の回転数Nsは、ステップ電圧PA〜PDの繰り返し周波数をfとすると、
Ns=(2f/P)×60〔rpm〕 ・・・・▲1▼
で与えられる。
【0034】
ここに、Pはステップモータ105の極数である。たとえば、P=100とすると、ステップ電圧PA〜PDは4パルスの繰り返し(4パルスで1サイクル)であるから、このステップモータ105は200パルスで1回転することになる。
【0035】
欠相検知部120は、ステップモータ105の欠相(n相のうちの1相の断線障害等により、その相の機能が失われること。)を検知するためのものである。欠相検知部120から出力される欠相検知信号は、欠相検知時にアクティブ(以下「ハイレベル」とする。)、非検知時にインアクティブ(以下「ローレベル」とする。)となる二値信号である。
【0036】
さて、欠相検知の方法は様々考えられるが、本実施の形態においては、特にそれに限定しないものの、次の方法で行うものとする。
【0037】
すなわち、欠相検知部120は、n個の積分回路120a〜120dと、それらの積分回路120a〜120dの出力の排他的論理和をとるEXOR回路120eとを有している。積分回路120a〜120dは、ステップ電圧PA〜PDの繰り返し周期(1サイクル)よりも十分長い時定数で各相のステップ電圧を積分し、その積分値を所定のしきい値レベルで二値化する。
【0038】
それぞれの積分回路120a〜120dは、自己の担当するステップ電圧が周期的に所定の電圧レベルを繰り返している場合、その二値化出力信号をローレベルとし、所定の電圧レベルを繰り返さなくなった場合、つまり、欠相状態になったとき、その二値化出力信号をハイレベルとする。
【0039】
EXOR回路120eは、第1〜第3のEXOPゲート120f〜120hを備える。第1のEXORゲート120fは上二つの積分回路120a、120bのいずれか一方の出力がハイレベルになっているとき(すなわち、A相又はB相のいずれかが欠相しているとき)に、そのゲート出力をハイレベルとする。同様に、第2のEXORゲート120gは下二つの積分回路120a、120bのいずれか一方の出力がハイレベルになっているとき(すなわち、C相又はD相のいずれかが欠相しているとき)に、そのゲート出力をハイレベルとする。
【0040】
第3のEXORゲート120hは、第1及び第2のEXORゲート120f、120gのいずれか一つの出力がハイレベルになっているとき(すなわち、A相、B相、C相又はD相のいずれかが一つが欠相しているとき)に、そのゲート出力(欠相検知信号)をハイレベルとする。
【0041】
したがって、この欠相検知部120によれば、ステップモータ105のA相〜D相のいずれか一つに断線等に起因する欠相が生じたとき、その相(便宜的にA相とする。)のステップ電圧の不正(所定の電圧レベルの喪失)を積分回路120aで検出し、欠相検知信号をアクティブ(ハイレベル)にして変速制御部116に通知することができる。
【0042】
ここで、本実施の形態における欠相検知部120は、ステップモータ105の単一相の欠相のみを検知し、複数相の欠相(n=4の場合、2相又は3相の欠相)は検知しないようになっている。その理由は、単一相の欠相の場合、ステップモータ105は、不正確ながらもとりあえず回転可能であるが、それ以上の欠相の場合は、ステップモータ105は回転しないからである。
【0043】
つまり、欠相検知/非検知の線引きは、その欠相状態において、ステップモータ105を回転させることが可能であるか不可能であるかによって決まる。したがって、本実施の形態では、単一層の欠相だけを「欠相検知」の対象とするが、これはあくまでも実施の形態のベストモードを示しているにすぎず、もし、それ以上の欠相状態でも回転可能なステップモータが存在するのであれば、そして、そのステップモータをVベルト式無段変速機29の油圧制御装置に使用するのであれば、単一相以上の欠相、すなわち、2相、3相、・・・・、n−1相の欠相も「欠相検知」の対象としても構わない。
【0044】
図4は、無段変速機コントロールユニット101において所定の周期毎に実行される変速制御処理のフローチャートを示す図である。このフローチャートでは、まず、イグニッションキースイッチのON直後(Key_on直後)であるか否かを判定する(ステップS1)。たとえば、エンジン10の始動直後はKey_on直後であり、エンジン10の始動後や走行中などはKey_on直後ではない。
【0045】
Key_on直後の場合、不揮発性情報記憶部118に記憶されている所定のフラグ(SM故障フラグ;“SM”はステップモータの略である。)がONになっているか否かを判定する(ステップS2)。SM故障フラグの詳細は後述するが、このフラグはステップモータ105に欠相が生じていない場合、常にOFFになっている。
【0046】
いま、SM故障フラグがOFFであるとするならば、次に、SMイニシャライズ処理を実行する(ステップS3)。このイニシャライズ処理は、冒頭でも説明したように、ステップモータ105を原点位置に復帰させるための処理であり、たとえば、先の図面(図5)を用いて説明すれば、ステップモータ6を駆動して筒状移動体7aがストッパー6bに突き当たるまで移動させるという処理である。この原点位置は最Lo側の変速比(最大変速比)に対応する。
【0047】
イニシャライズ処理の実行後、又は、Key_on直後ではないことを判定した場合は、次に、SM断線判定(欠相判定)を行う(ステップS4、ステップS5)。すなわち、図3の欠相検知部120の出力信号(欠相検知信号)を取り込み、その信号がアクティブであるか否かを判定する。
【0048】
そして、欠相検知信号がアクティブでない場合(インアクティブの場合)は、ステップモータ105に欠相が生じていないものと判断して、通常の変速制御処理(ステップS6)を実行する一方、欠相検知信号がアクティブの場合(欠相検知の場合)は、通常の変速制御処理(ステップS6)をパスして、ステップモータ105を強制駆動し、前記の原点位置とは反対側の位置(最小変速比に相当する最Hi位置)に動かし(ステップS7)、且つ、SM故障フラグをONにする(ステップS8)。
【0049】
ここで、ステップS7において、ステップモータ105を駆動する際は、ステップモータ105に欠相を生じているため、正常時(ステップモータ105に欠相を生じていないとき)と同様のパルス数のステップ電圧PA〜PDを印可しても、ステップモータ105は意図した回転角(最小変速比に相当する最Hi位置)を達成しない。このため、正常時よりもパルス数を増やしたステップ電圧PA〜PDを印可しなければならない。適切なパルス数はステップモータ105の相数nや極数Pなどによって決まるが、正常時のm倍とすればよい。
【0050】
mの値は、次の考え方に従って決定する。すなわち、欠相時のステップモータ105の回転角とステップ電圧PA〜PDのパルス数との間には比例関係が成立しないため、意図した回転角(最小変速比に相当する最Hi位置)に達したか否かの判断は、物理的なリミット位置(図5参照)への到達をもってその判断に代えることにする。つまり、正常時よりも多いパルス数のステップ電圧PA〜PDを印可してステップモータ105を駆動し、物理的なリミット位置への到達をもって、最小変速比に相当する最Hi位置に達したとみなすことにする。したがって、上記mの値は、少なくとも、上記の物理的なリミット位置に到達することができる値であり、たとえば、正常時の5倍程度の値(m=5)である。
【0051】
その後、一端エンジン10を停止して、再びイグニッションキースイッチをONにすると、ステップS2で、SM故障フラグのONが判定される。そして、SM故障フラグのONが判定された場合は、SMイニシャライズを禁止すると共に、ステップモータ105のHi位置をそのまま維持する(ステップS9)。その結果、ステップモータ105のHi位置が支点となるため、プーリの位置によらず、必ずライン圧ポート106Lとプライマリポート106Pとが開く(連通する)ことになる。
【0052】
したがって、本実施の形態によれば、ステップモータ105に欠相が生じた場合はステップモータ105を強制的に最Hi位置(図5(b)参照)にすると共に、その後の再発進(Key_on)時におけるSMイニシャライズ処理を禁止するようにしたから、再発進時に変速制御弁106のプライマリポート106Pとラインポート106Lとの間を連通させることができ、プライマリ圧の喪失を回避し、Vベルト24の滑りを防止してVベルト24の耐久性を向上することができる。
【0053】
なお、図4のステップS7でステップモータ105を最Hi位置に動かす際は、運転者に違和感を与えないようにできるだけゆっくり動かすことが望ましい。
【0054】
また、SM故障フラグをOFFに復帰させるための条件は、たとえば、次のすべてを満たしたときとしてもよい。
【0055】
プライマリ圧及びセカンダリ圧が正常で、プライマリ回転速度及びセカンダリ回転速度が正常で、且つ、車速>0(つまり、非停車状態)である。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ステップモータの欠相が検知されると、ステップモータを強制的に駆動して、変速制御弁のスプールが、プライマリポートとラインポートとの間を連通する位置に設定される。したがって、ステップモータに障害(欠相)が発生した場合でも、プライマリ圧が喪失しないので、プライマリプーリのVベルト挟装保持力を失うことがなく、ベルト滑りを回避してVベルトの耐久性を阻害しないという無段変速機用制御装置を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、前回の走行時にステップモータの欠相が検出されていたとき、その後の再発進時におけるステップモータのイニシャライズ処理が禁止される。したがって、ステップモータを最小変速比側に保持することができ、再発進時のベルト滑りを回避してVベルトの耐久性を阻害しないという無段変速機用制御装置を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、ステップモータを予め物理的な最小変速比側のリミット位置に駆動するので、変速制御弁はステップモータが支点となるためプーリの位置によらず、ラインポートとプライマリポートとが必ず連通されることとなり、再始動時にプライマリポートが閉じきられた状態となることがなく、ライン圧がエンジン始動と共に供給されるようになり、ベルト滑りを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における無段変速機の動力伝達機構を示すスケルトン図である。
【図2】油圧制御装置の全体的な概念構成図である。
【図3】モータ駆動部119及び欠相検知部120の構成図である。
【図4】無段変速機コントロールユニット101において所定の周期毎に実行される変速制御処理のフローチャートを示す図である。
【図5】従来の無段変速機の要部構成図である。
【符号の説明】
16 プライマリプーリ
20 プライマリプーリシリンダ室(シリンダ室)
24 Vベルト
26 セカンダリプーリ
29 Vベルト式無段変速機構(無段変速機)
101 無段変速機コントロールユニット(無段変速機用制御装置)
105 ステップモータ
106 変速制御弁
106L ラインポート
106P プライマリポート
106S スプール
106T ドレンポート
116 変速制御部(制御手段、フラグセット手段、イニシャライズ禁止手段)
118 不揮発性情報記憶部(記憶手段)
120 欠相検知部(欠相検知手段)

Claims (3)

  1. Vベルトが掛け渡されたプライマリプーリとセカンダリプーリとの径比を変更することによって自動車等車両の変速比を無段階に変化させる無段変速機の制御装置において、
    前記プライマリプーリのシリンダ室に連通するプライマリポート、ライン圧が供給されるラインポート及びドレンポートを有する変速制御弁と、
    前記変速制御弁のスプールを動かして、少なくとも最小変速比側で前記プライマリポートとラインポートとの間の連通を可能とするステップモータと、
    前記ステップモータの欠相を検知する欠相検知手段と、
    前記欠相検知手段によって前記ステップモータの欠相が検知されたとき、前記ステップモータを強制的に駆動して、前記変速制御弁のスプールが、前記プライマリポートとラインポートとの間を連通する位置になるように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする無段変速機用制御装置。
  2. 前記欠相検知手段によって前記ステップモータの欠相が検知されたとき、その状態を示すフラグをセットするフラグセット手段と、
    そのフラグを不揮発的に記憶する記憶手段と、
    イグニッションキースイッチのON時に前記フラグを検査し、フラグがセットされていた場合には前記ステップモータのイニシャライズ処理を禁止するイニシャライズ禁止手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の無段変速機用制御装置。
  3. 前記ステップモータの強制的な駆動とは、物理的な最小変速比側のリミット位置への駆動であることを特徴とする請求項1又は2記載の無段変速機用制御装置。
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