JP2004108505A - 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及び自動車用補機駆動装置 - Google Patents

一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及び自動車用補機駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】運転時の異音の発生防止、補機の運転効率の向上、無端ベルト5a、5b及び補機の長寿命化、及び小型化に基づくエンジンルームの省スペース化を図れる構造を実現する。
【解決手段】エンジンのクランク軸の端部に設ける駆動プーリ1aとして、外周面に2本の無端ベルト5a、5bを掛け渡し自在な、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aを使用する。この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aに掛け渡した2本の無端ベルト5a、5bを、複数の補機の回転軸の端部に固定した従動プーリ2〜4のうち、互いに異なる従動プーリに掛け渡す。この構成を採用する事により、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用エンジンのクランク軸の端部に固定する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置と、この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を含んで構成する自動車用補機駆動装置との改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の補機は、この自動車の駆動装置であるエンジンにより、ベルト駆動機構を介して回転駆動する。図4は、この様にして補機を回転駆動する、自動車用補機駆動装置の従来構造の1例を略示している。この自動車用補機駆動装置は、図示しないエンジンの駆動軸であるクランク軸(C/S)の端部に固定した駆動プーリ1と、それぞれが補機である、図示しないパワーステアリング装置(P/S)用ポンプ、エアコンディショナ(A/C)用コンプレッサ、及びオルタネータ(A/N)の各回転軸の端部に固定した従動プーリ2〜4と、1本の無端ベルト5と、オートテンショナを構成するテンションプーリ6とを備える。
【0003】
そして、上記駆動プーリ1と上記各従動プーリ2〜4とに上記無端ベルト5を掛け渡すと共に、この無端ベルト5の一部に上記テンションプーリ6を押し付ける事により、この無端ベルト5に適正な張力を付与している。そして、この状態で、上記クランク軸の回転に基づく上記駆動プーリ1の回転を、上記無端ベルト5を介して上記各従動プーリ2〜4に伝達し、上記各補機の回転軸を回転駆動自在としている。
【0004】
ところで、上記駆動プーリ1を上記クランク軸の端部に、上記各従動プーリ2〜4を上記各補機の回転軸の端部に、それぞれ単に固定した構造の場合には、次の様な不都合が生じる。即ち、自動車の駆動用エンジンがディーゼルエンジンや直噴式のガソリンエンジンである場合、アイドリング時等の低回転時には、上記クランク軸の回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記クランク軸の端部に固定した駆動プーリ1に掛け渡した無端ベルト5の走行速度も細かく変動する事になる。一方、この無端ベルト5により上記各従動プーリ2〜4を介して回転駆動される上記各補機の回転軸は、この回転軸並びにこの回転軸に固定した部材の慣性質量に基づき、それ程急激には変動しない。
【0005】
従って、上記クランク軸の回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルト5と上記各従動プーリ2〜4並びに上記駆動プーリ1とが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、これら各プーリ1〜4と擦れ合う上記無端ベルト5に、繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベルト5の寿命が短くなったりする原因となる。又、上記クランク軸の回転速度が急激に低下した場合に、上記各補機の回転軸の回転速度も急激に低下する為、これら各補機の運転効率(例えば、オルタネータの発電効率)が低下する。
【0006】
これに対し、例えば、上記駆動プーリ1として図5に示す様な一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7を使用すれば、上述した様な不都合が生じる事を防止できる(例えば、特許文献1参照)。この図5に示した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7は、互いに同心に配置したスリーブ8とプーリ9とを備える。そして、これらスリーブ8の外周面とプーリ9の内周面との間に、一方向クラッチであるローラクラッチ10と、1対のサポート軸受11、11とを設けている。
【0007】
上記スリーブ8は、全体を円筒状に構成しており、上記クランク軸等の回転軸の端部に外嵌固定して、この回転軸と共に回転自在である。一方、上記プーリ9は、やはり全体を円筒状に構成しており、その外周面の中間部に、前記無端ベルト5の一部を掛け渡す為の係合溝12を、全周に亙り形成している。この係合溝12の底面は、幅方向(図5の左右方向)に関する断面形状を波形としており、ポリVベルトと呼ばれる上記無端ベルト5の内周面と密接自在な形状としている。
【0008】
そして、上記スリーブ8の外周面と上記プーリ9の内周面との間に存在する円筒状空間の軸方向中間部に上記ローラクラッチ10を、同じくこの空間の軸方向両端部でこのローラクラッチ10を軸方向両側から挟む位置に上記1対のサポート軸受11、11を、それぞれ配置している。このうちの1対のサポート軸受11、11は、上記プーリ9に加わるラジアル荷重を支承しつつ、このプーリ9と上記スリーブ8との相対回転を自在とする。この様な各サポート軸受11、11として、図示の例では、それぞれ深溝型の玉軸受を使用している。
【0009】
又、上記ローラクラッチ10は、上記プーリ9と上記スリーブ8とが所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これらプーリ9とスリーブ8との間で回転力の伝達を自在とする。この様なローラクラッチ10は、クラッチ用内輪13と、クラッチ用外輪14と、複数のローラ15と、クラッチ用保持器16と、図示しないばねとから成る。このうちのクラッチ用内輪13は上記スリーブ8の中間部外周面に、上記クラッチ用外輪14は上記プーリ9の中間部内周面に、それぞれ締り嵌めで嵌合固定している。又、上記クラッチ用外輪14の中間部内周面を単なる円筒面とすると共に、上記クラッチ用内輪13の外周面をカム面17としている。即ち、このクラッチ用内輪13の外周面に、それぞれがランプ部と呼ばれる複数の凹部を、円周方向に関し等間隔に形成して、このクラッチ用内輪13の外周面を上記カム面17としている。
【0010】
そして、このカム面17と上記円筒面との間の円筒状空間に、上記複数のローラ15と、これら各ローラ15を転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に保持する、上記クラッチ用保持器16とを設けている。又、このクラッチ用保持器16は、その内周縁部を上記カム面17の一部に係合させる事で、上記クラッチ用内輪13に対する相対回転を阻止している。又、上記クラッチ用保持器16と上記各ローラ15との間には、これら各ローラ15を上記カム面17を構成する各凹部の浅い側に向け、円周方向に関して同方向に押圧する為の図示しないばねを設けている。この様なローラクラッチ10の構造及び作用に就いては、従来から周知である為、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0011】
上述の様に構成する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7は、前述の図4に示した駆動プーリ1として使用する。即ち、この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7を構成する前記スリーブ8を前記クランク軸の端部に外嵌固定すると共に、前記プーリ9の外周面に前記無端ベルト5を掛け渡す。この様な状態で組み付けられる一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7は、上記クランク軸の回転角速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記ローラクラッチ10がつながり(ロック状態となり)、上記クランク軸から上記プーリ9への回転力の伝達を自在とする。反対に、上記クランク軸の回転角速度が低下傾向にある場合には、上記ローラクラッチ10の接続が断たれ(オーバラン状態となり)、上記クランク軸と上記プーリ9との相対回転を自在とする。
【0012】
この為、上記クランク軸の回転角速度の変動が大きくなった場合でも、上記無端ベルト5の走行速度をほぼ一定にできる。この結果、この無端ベルト5と前記各補機の回転軸の端部に固定した従動プーリ2〜4並びに上記プーリ9とが両方向に擦れ合う等する事がなくなり、上記無端ベルト5の寿命を長くする事ができる。これと共に、上記各補機の回転軸の回転量が減少するのを防止して、これら各補機の運転効率(例えば、オルタネータの発電効率)を高める事ができる。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−122217号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
近年、上記各補機の高性能化・高容量化が進んでおり、これに伴って、これら各補機の回転軸の駆動トルク(回転抵抗)が増大している。この様に各補機の回転軸の駆動トルクが増大した場合でも、上記クランク軸からこれら各補機の回転軸に確実に回転力を伝達できる様にする為には、運転時に上記駆動プーリ1及び各従動プーリ2〜4と上記無端ベルト5との接触部で、それぞれ滑りが生じない様にする必要がある。これら各接触部で滑りが生じない様にする為には、これら各接触部に於ける接触面積や接触圧を増やす事により、これら各接触部に於ける最大静止摩擦力を大きくすれば良い。
【0015】
ところが、上述の様に各接触部に於ける接触面積を増やすべく、上記各プーリ1〜4と上記無端ベルト5との幅寸法を大きくする(即ち、これら各プーリ1〜4の外周面に形成するV字溝の数と、このV字溝に係合させる、上記無端ベルト5の内側面に形成するリブの数とを増やす)と、その分だけ、エンジンルーム内の省スペース化が図りにくくなる。又、上述の様に各接触部に於ける接触圧を増やすべく、前記テンションプーリ6の押し付け力に基づく上記無端ベルト5の張力を大きくすると、この無端ベルト5の耐久性、並びに、この無端ベルト5からラジアル荷重を受ける上記各補機の耐久性が低下する可能性がある。
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及び自動車用補機駆動装置は、上述の様な不都合を解消すべく発明したものである。
【0016】
【課題を解決する為の手段】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及び自動車用補機駆動装置のうち、請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、筒状のプーリと、サポート軸受と、一方向クラッチとを備える。
このうちのプーリは、回転軸の周囲にこの回転軸と同心に配置するもので、外周面に、無端ベルトを掛け渡す為の係合溝を、全周に亙り形成している。
又、上記サポート軸受は、上記回転軸の外周面と上記プーリの内周面との間に設けられ、これら回転軸とプーリとの間に働くラジアル荷重を支承しつつ、これら回転軸とプーリとの相対回転を自在とする。
又、上記一方向クラッチは、上記回転軸の外周面と上記プーリの内周面との間で軸方向に関して上記サポート軸受から外れた部分に設けられ、これら回転軸とプーリとが所定方向に相対回転する場合にのみ、これら回転軸とプーリとの間で回転力の伝達を自在とする。
特に、請求項1に記載した一方向クラッチとを備えた一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いては、上記プーリの外周面に、互いに別個の無端ベルトを係合させる為の複数の係合溝を、互いに並列に設けている。
【0017】
又、請求項2に記載した自動車用補機駆動装置は、上記請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置と、複数の従動プーリと、複数の無端ベルトとを備える。
このうちの一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、エンジン、電動モータ等の駆動源の駆動軸の端部に設けている。
又、上記複数の従動プーリは、それぞれ複数の自動車用補機の回転軸の端部に設けている。
又、上記複数の無端ベルトはそれぞれ、上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を構成するプーリの外周面に設けた複数の係合溝のうちの互いに異なる係合溝と、上記各従動プーリのうちの互いに異なる従動プーリの外周面とに掛け渡している。
そして、上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、上記駆動軸からこの一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を構成するプーリへの回転力の伝達を可能とするが、このプーリから上記駆動軸への回転力の伝達を不能としている。
【0018】
【作用】
上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及び自動車用補機駆動装置の場合、複数の無端ベルトにより、それぞれ異なる補機の回転軸を回転駆動する。この為、総ての補機の回転軸を1本の無端ベルトにより回転駆動する構造に比べて、上記各無端ベルト毎に負担させる伝達力(駆動トルク)を小さくできる。従って、総ての補機の回転軸を1本の無端ベルトにより回転駆動する構造に比べて、上記各無端ベルトと各プーリとの接触部に於ける接触面積及び接触圧を小さくした場合でも、これら各接触部で滑りが生じる事を防止できる。
【0019】
この為、上記各接触部に於ける接触面積を小さくできる事に基づき、上記各無端ベルトと上記各プーリとの幅寸法を小さくする事ができる。具体的には、複数の無端ベルトを並列に掛け渡す一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の幅寸法を極力小さく抑える事ができ、且つ、1本の無端ベルトのみを掛け渡す各従動プーリの幅寸法を十分に小さくできる。この結果、エンジンルームの省スペース化を図れる。又、上記各接触部に於ける接触圧を小さくできる事に基づき、上記各無端ベルトに付与する張力を低減する事ができる。延ては、これら各無端ベルトから上記各補機の回転軸に負荷されるラジアル荷重を小さくできる。この結果、これら各無端ベルト及び上記各補機の寿命を長くする事ができる。
【0020】
又、本発明の場合には、駆動装置を構成する駆動軸の端部に設ける駆動プーリとして、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用している。この為、上記駆動軸の回転角速度の変動が大きくなった場合でも、上記各無端ベルトの走行速度をほぼ一定にできる。従って、これら各無端ベルトと各プーリとが両方向に擦れ合ったり、或はこれら各無端ベルトがばたついたりする事がなくなる。この結果、これら擦れ合いやばたつき等に基づく異音の発生を防止できると共に、上記各無端ベルトの寿命を長くする事ができる。又、上述の様に各無端ベルトの走行速度をほぼ一定にできる為、上記各補機の回転軸の回転量が減少するのを防止して、これら各補機の運転効率(例えば、オルタネータの発電効率)を高める事ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。図1に示す様に、本例の自動車用補機駆動装置は、図示しないエンジンのクランク軸(C/S)の端部に設けた駆動プーリ1aと、それぞれが補機である、図示しないパワーステアリング装置(P/S)用ポンプ、エアコンディショナ(A/C)用コンプレッサ、及びオルタネータ(A/N)の各回転軸の端部に設けた従動プーリ2〜4と、2本の無端ベルト5a、5bと、それぞれが別々のオートテンショナを構成する2個のテンションプーリ6a、6bとを備える。
【0022】
本例の場合、上記各従動プーリ2〜4としてそれぞれ、上記各補機の回転軸の端部に単に固定するもの(一方向クラッチを含まない、一体型のもの)を使用している。これに対し、上記駆動プーリ1aとして、図2に示す様な、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aを使用している。この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aの構造は、筒状のプーリ9aの構造を除き、前述の図5に示した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7の構造とほぼ同様である。特に、本例の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aの場合には、上記プーリ9aの外周面に1対の係合溝12a、12bを、それぞれ全周に亙り、且つ、互いに並列に形成している。そして、これら各係合溝12a、12bに1本ずつ、それぞれ上記各無端ベルト5a、5bを掛け渡し自在としている。
【0023】
上述の様な一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aを前記クランク軸の端部に組み付ける場合には、この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aを構成するスリーブ8を上記クランク軸の端部に外嵌固定する。又、この際の組み付け方向は、このクランク軸から上記プーリ9aへの回転力の伝達を可能とするが、このプーリ9aから上記クランク軸への回転力の伝達を不能とする方向に規制する。
【0024】
そして、本例の場合、上記2本の無端ベルト5a、5bのうちの一方の無端ベルト5aを、上記プーリ9aの外周面に形成した一方の係合溝12aと、前記パワーステアリング装置(P/S)用ポンプの回転軸の端部に固定した従動プーリ2とに掛け渡している。これと共に、この一方の無端ベル5aの一部に前記テンションプーリ6aを押し付ける事により、この無端ベルト5aに適正な張力を付与している。又、上記2本の無端ベルト5a、5bのうちの他方の無端ベルト5bを、上記プーリ9aの外周面に形成した他方の係合溝12bと、前記エアコンディショナ(A/C)用コンプレッサ及びオルタネータ(A/N)の各回転軸の端部に固定した従動プーリ3、4とに掛け渡している。これと共に、この他方の無端ベルト5bの一部に前記テンションプーリ6bを押し付ける事により、この無端ベルト5bに適正な張力を付与している。
【0025】
そして、この状態で、上記クランク軸の回転に基づく上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aを構成するプーリ9aの回転を、上記各無端ベルト5a、5bを介して上記各従動プーリ2〜4に伝達し、上記各補機の回転軸を回転駆動自在としている。特に、本例の場合、上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aは、上記クランク軸の回転角速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、ローラクラッチ10がつながり(ロック状態となり)、上記クランク軸から上記プーリ9aへの回転力の伝達を自在とする。反対に、上記クランク軸の回転角速度が低下傾向にある場合には、上記ローラクラッチ10の接続が断たれ(オーバラン状態となり)、上記クランク軸と上記プーリ9aとの相対回転を自在とする。
【0026】
この為、上記クランク軸の回転角速度の変動が大きくなった場合でも、上記各無端ベルト5a、5bの走行速度をほぼ一定にできる。従って、これら各無端ベルト5a、5bと上記各従動プーリ2〜4及び上記プーリ9aとが両方向に擦れ合ったり、或はこれら各無端ベルト5a、5bがばたついたりする事がなくなる。この結果、これら擦れ合いやばたつき等に基づく異音の発生を防止できると共に、上記各無端ベルト5a、5bの寿命を長くする事ができる。又、上述の様に各無端ベルト5a、5bの走行速度をほぼ一定にできる為、上記各補機の回転軸の回転量が減少するのを防止して、これら各補機の運転効率(例えば、オルタネータの発電効率)を高める事ができる。
【0027】
又、本例の自動車用補機駆動装置の場合には、2本の無端ベルト5a、5bにより、それぞれ異なる補機の回転軸を回転駆動する。この為、総ての補機の回転軸を1本の無端ベルトにより回転駆動する構造に比べて、上記各無端ベルト5a、5b毎に負担させる伝達力(駆動トルク)を小さくできる。従って、総ての補機の回転軸を1本の無端ベルトにより回転駆動する構造に比べて、上記各無端ベルト5a、5bと上記各プーリ2〜4及び9aとの接触部に於ける接触面積及び接触圧を小さくした場合でも、これら各接触部で滑りが生じる事を防止できる。
【0028】
この為、上記各接触部に於ける接触面積を小さくできる事に基づき、上記各無端ベルト5a、5bと上記各プーリ2〜4及び9aとの幅寸法を小さくする事ができる。具体的には、2本の無端ベルト5a、5bを並列に掛け渡す一方向クラッチ内蔵型プーリ装置7aの幅寸法を小さく抑える事ができ、且つ、1本の無端ベルト5a又は5bのみを掛け渡す各従動プーリ2〜4の幅寸法を十分に小さくできる。この結果、上記補機及びこれら各従動プーリ2〜4の効率的配置による、エンジンルームの省スペース化を図り易くなる。又、上記各接触部に於ける接触圧を小さくできる事に基づき、上記各無端ベルト5a、5bに付与する張力を低減する事ができる。延ては、図3に矢印で模式的に示す様に、本例{同図(A)}の場合には、総ての補機の回転軸を1本の無端ベルト5により回転駆動する構造{同図(B)}に比べて、上記各無端ベルト5a、5bから上記各補機の回転軸に負荷されるラジアル荷重を小さくできる。この結果、これら各無端ベルト5a、5b及び上記各補機(の回転支持部に組み込んだ転がり軸受)の寿命を長くする事ができる。
【0029】
尚、本発明を実施する場合、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に組み込む一方向クラッチは、ローラクラッチに限らず、スプラグクラッチの如きカムクラッチ等、各種の一方向クラッチを採用する事ができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及び自動車用補機駆動装置は、以上に述べた様に構成され作用する為、運転時の異音の発生防止と補機の運転効率の向上とを図れるだけでなく、無端ベルト及び補機の寿命を長くする事ができ、更には、小型化に基づくエンジンルームの省スペース化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、自動車用補機駆動装置の概略図。
【図2】同じく、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の半部断面図。
【図3】負荷される荷重の大きさを矢印で示した、無端ベルトの断面図。
【図4】従来の自動車用補機駆動装置の1例を示す概略図。
【図5】従来の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の1例を示す半部断面図。
【符号の説明】
1、1a 駆動プーリ
2  従動プーリ
3  従動プーリ
4  従動プーリ
5、5a、5b 無端ベルト
6、6a、6b テンションプーリ
7、7a 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
8  スリーブ
9、9a プーリ
10  ローラクラッチ
11  サポート軸受
12、12a、12b 係合溝
13  クラッチ用内輪
14  クラッチ用外輪
15  ローラ
16  クラッチ用保持器
17  カム面

Claims (2)

  1. 回転軸の周囲にこの回転軸と同心に配置する、外周面に無端ベルトを掛け渡す為の係合溝を全周に亙り形成した筒状のプーリと、これら回転軸の外周面とプーリの内周面との間に設けられ、これら回転軸とプーリとの間に働くラジアル荷重を支承しつつこれら回転軸とプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、上記回転軸の外周面と上記プーリの内周面との間で軸方向に関して上記サポート軸受から外れた部分に設けられ、これら回転軸とプーリとが所定方向に相対回転する場合にのみ、これら回転軸とプーリとの間で回転力の伝達を自在とする一方向クラッチとを備えた一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、上記プーリの外周面に、互いに別個の無端ベルトを係合させる為の複数の係合溝を、互いに並列に設けている事を特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  2. 駆動軸の端部に設けた請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置と、複数の自動車用補機の回転軸の端部に設けた従動プーリと、それぞれ上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を構成するプーリの外周面に設けた複数の係合溝のうちの互いに異なる係合溝と上記各従動プーリのうちの互いに異なる従動プーリの外周面とに掛け渡した複数の無端ベルトとを備え、上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、上記駆動軸からこの一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を構成するプーリへの回転力の伝達を可能とするが、このプーリから上記駆動軸への回転力の伝達を不能としている自動車用補機駆動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110736278A (zh) * 2019-09-24 2020-01-31 广州富士冷机有限公司 冰袋及其制作方法、配送保温箱和配送保温货柜

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