JP2883908B2 - 2段変速プーリ装置 - Google Patents

2段変速プーリ装置

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JP2883908B2
JP2883908B2 JP2211389A JP21138990A JP2883908B2 JP 2883908 B2 JP2883908 B2 JP 2883908B2 JP 2211389 A JP2211389 A JP 2211389A JP 21138990 A JP21138990 A JP 21138990A JP 2883908 B2 JP2883908 B2 JP 2883908B2
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司郎 澤
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B67/00Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for
    • F02B67/04Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus
    • F02B67/06Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus driven by means of chains, belts, or like endless members

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  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、一般産業機械の伝動系や自動車の補器類駆
動系などに使用されるプーリ装置に関し、詳しくは、プ
ーリ駆動軸の回転数が低い領域ではプーリが増速回転
し、プーリ駆動軸の回転数が高い領域ではプーリが駆動
軸と等速回転するようにした2段変速プーリ装置に関す
る。
【従来の技術】
一般産業機械の伝動系や自動車の補器類駆動系などに
は、従来から種々のプーリ伝動機構が使用されている。
そしてその構成要素であるプーリ装置として、例えばプ
ーリのV溝幅を変化させてVベルトの速度を変化させる
形式の無段変速プーリ装置や、電極クラッチの接断によ
りプーリ回転数を可変とする変速プーリ装置が知られて
いる。 ここで、自動車に装備される補器類についてみると、
従来は、発電機、ラジエータ冷却ファン、ウォータポン
プなどが主であったものが、近年はパワーステアリング
用の油圧ポンプ、空調用のエアコンプレッサ、スーパー
チャージャなど、その種類がますます増加する傾向にあ
る。 これら多数の補器類を駆動するには、クランクシャフ
トに複数のクランクプーリを装着し、各クランクプーリ
と補器類の受動プーリとの間にVベルトなどの複数の駆
動ベルトを巻装すればよいが、そうするにはエンジンル
ームにスペース的余裕がなく、また車体重量が増加して
好ましくない。 そこで、近年、クランクシャフトに装着したクランク
プーリと多数の補器類の受動プーリとの間に1本の駆動
ベルトを順次巻装するサーペンタインベルト方式のプー
リ伝動機構が普及している。 ここで、受動プーリを介して回転駆動される各種補器
類は、一般にエンジン回転数が高い領域よりもエンジン
回転数が低い領域でこそ充分に回転駆動する必要があ
る。 例えば、パワーステアリング用の油圧ポンプは、車両
が高速走行していてエンジン回転数が高いときには低出
力でよいが、車庫入れなどでハンドルを据切り操作する
場合のようにエンジン回転数が低いときには、充分に回
転駆動して必要な所定出力を得なければならない。 同様に車両の高速走行時にはターボチャージャが充分
機能するので、スーパーチャージャは専ら車両の低速走
行時、すなわちエンジン回転数の低いときに必要とな
る。 また、車両が高速走行しているときは、走行風により
ラジエータ等の冷却が充分に行えるので、ラジエータ冷
却ファンやウォータポンプあるいは空調用のエアコンプ
レッサなどは、車両が低速走行していて走行風が充分得
られない状況、すなわちエンジン回転数の低いときこそ
必要となる。 さらに、発電機についていえば、交通渋滞などにより
車両がのろのろ運転する場合には充分な発電量が得られ
ないから、バッテリの充電不足を解消するため発電機は
エンジン回転数が低いときにも充分回転駆動する必要が
ある。 このような必要を満足させるには、前述した無段変速
プーリ装置や変速プーリ装置をクランクプーリに適用す
ることも考えられる。しかし、無段変速プーリ装置はV
ベルトの巻付け半径が変化する関係でVベルトの張力調
整が重要であり、この張力調整のために装置構成が複雑
化する。また、変速プーリ装置は電極クラッチの設置ス
ペースの関係で狭いエンジンルーム内に収容するのに実
用上の問題がある。 従って、前述した従来の無断変速プーリ装置や変速プ
ーリ装置をそのままクランクプーリに適用するのは困難
である。このため、サーペンタインベルト方式のプーリ
伝動機構においても、クランクプーリはクランク軸にセ
レーション嵌合やキー結合により直結するのが一般的で
あり、各種補器類の受動プーリは、エンジン回転数に応
じて回転数が昇降するようになっている。
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の補器類駆動系のプーリ伝動機構に
おいては、クランクプーリがクランクシャフトに直結し
ているため、エンジン回転数が低い領域では各種補器類
が回転不足となって充分機能せず、またエンジン回転数
が高い領域では各種補器類が過剰回転して耐久性を低下
するという問題があった。 また、サーペンタインベルト方式のプーリ伝動機構
は、1本の駆動ベルトが全体で10馬力にも及ぶ補器類の
駆動トルクを伝達するという過酷な条件下にあり、駆動
ベルトの張力はベルトスリップが生じないように高く設
定されている。このため、受動プーリが固定される各種
補器類の入力軸の軸受には、エンジンルーム内の高い雰
囲気温度に加えて高荷重が作用し、受動プーリが高速回
転する場合にはグリースの劣化などにより軸受けの寿命
が低下する問題があった。 そこで本発明は、装置構成がコンパクトであってサー
ペンタインベルト方式のプーリ伝動機構にも充分適用で
きるものでありながら、エンジン回転数が低い領域での
補器類の回転不足を解消して補器類を確実に駆動するこ
とができ、エンジン回転数が高い領域では補器類の過剰
回転を防止して補器類の耐久性を向上できる2段変速プ
ーリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
この目的のため、本発明による2段変速プーリ装置
は、プーリとプーリ駆動軸との間に、第1の一方向クラ
ッチを介してプーリをプーリ駆動軸と等速回転させる第
1の伝動系と、増速作用するプラネタリギヤ装置および
作動状態と非作動状態とが遠心切換装置により切換えら
れる第2の一方向クラッチを介してプーリをプーリ駆動
軸に対して増速回転させる第2の伝動系とを設け、上記
遠心切換装置は、プーリ駆動軸の回転数が所定回転数以
下では第2の一方向クラッチを作動状態にして第2の伝
動系によりプーリをプーリ駆動軸に対して増速回転さ
せ、プーリ駆動軸の回転数が所定回転数以上となると第
2の一方向クラッチを非作動状態として第1の伝動系に
よりプーリをプーリ駆動軸と等速回転させるよう構成し
たことを特徴としている。 また、前記プーリは、エンジンのクランクシャフトを
プーリ駆動軸とするクランクプーリとし、このクランク
プーリとクランクシャフトとの間に前記第1の伝動系お
よび第2の伝動系を設けたことを特徴としている。 さらに、前記遠心切換装置は、第2の一方向クラッチ
を作動状態に保持する付勢バネと、この付勢バネに抗し
て第2の一方向クラッチを非作動状態に切換える遠心ウ
ェイトとを備えることを特徴としている。
【作用】
このような手段では、プーリ駆動軸の回転数が所定回
転数以下のときは、第2の一方向クラッチが遠心切換装
置により作動状態に保持されるから、プーリ駆動軸の回
転動力は増速作用するプラネタリギヤ装置および第2の
一方向クラッチを介してプーリに伝達され、こうしてプ
ーリはプーリ駆動軸に対して増速回転する。また、プー
リ駆動軸の回転数が所定回転数以上のときは、第2の一
方向クラッチが遠心切換装置により非作動状態に切換え
られるから、プーリ駆動軸の回転動力は第1の一方向ク
ラッチを介してプーリに伝達され、こうしてプーリはプ
ーリ駆動軸と等速回転する。 ここで、前記プーリを、エンジンのクランクシャフト
をプーリ駆動軸とするクランクプーリとした場合、アイ
ドリング運転時などのようにクランクシャフトの回転数
が所定回転数以下のときは、クランクプーリがクランク
シャフトに対して増速回転し、また、クランクシャフト
の回転数が所定回転数以上のときは、クランクプーリは
クランクシャフトと等速回転する。 従って、補器類の駆動回転数をエンジン回転数の高い
領域に併せて設定することにより、エンジン回転数が高
い領域では補器類の過剰回転を防止して補器類の耐久性
を向上でき、またエンジン回転数が低い領域では補器類
の回転不足を解消して補器類を確実に駆動することがで
きる。 また、前記遠心切換装置として、第2の一方向クラッ
チを作動状態に保持する付勢バネと、この付勢バネに抗
して第2の一方向クラッチを非作動状態に切換える遠心
ウェイトとを備える場合、複雑な制御装置が不要となっ
て装置構成をコンパクトにすることができ、サーペンタ
インベルト方式のプーリ伝動機構にも充分適用できる。
【実 施 例】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照して具体的
に説明する。 一実施例による2段変速プーリ装置を示す第1図にお
いて、符号1はエンジンのクランクシャフトであり、エ
ンジンカバー2から突出するその先端部には駆動ハブ3
がキーを介して嵌合固定されている。そしてエンジンカ
バー2側に向く駆動ハブ3の内側面には円周方向に3等
配してドライブピン5が圧入嵌合により突設され、また
その外側面にはリング状溝3aが形成されている。 一方、符号6はクランクプーリであり、その外周には
複列のV溝6aが形成されると共に、その内側面を肉抜き
することで前記駆動ハブ3のリング状溝3a内に臨むボス
部6bが形成されている。そしてこのボス部6bの内周はボ
ールベアリング7およびニードルベアリング8を介して
駆動ハブ3に回転自在に嵌合している。 ここで前記駆動ハブ3とクランクプーリ6のボス部6b
との間には、第1の一方向クラッチ9が構成される。こ
の第1の一方向クラッチ9は、ボス部6bの外周面に形成
した外テーパ起動面9aと駆動ハブ3のリング状溝3aに形
成した内テーパ軌道面9bとの間に保持器9cを介して複数
のコロ9dを介設した、いわゆるローリングスクリューク
ラッチである。そしてこの第1の一方向クラッチ9は、
コロ9dの回転軸線が外テーパ軌道面9aのテーパ線に対し
て所定角度同一方向に傾斜しており、ギヤオイルで潤滑
することにより、駆動ハブ3がクランクシャフト1と共
に回転するときクランクプーリ6のボス部6bに係合して
ロックすると共に、クランクプーリ6が同方向に速く回
転してオーバランニングするのは許容するようになって
いる。こうしてクランクシャフト1とクランクプーリ6
との間には、クランクプーリ6をクランクシャフト1と
等速回転させて動力伝達する第1の伝動系が構成されて
いる。 ここでまた、駆動ハブ3とクランクプーリ6との間に
は、増速作用するプラネタリギヤ装置10および作動、非
作動の切換可能な第2の一方向クラッチ11を介してクラ
ンクプーリ6をクランクシャフト1に対して増幅回転さ
せる第2の伝動系が構成される。 プラネタリギヤ装置10は、前記駆動ハブ3に突設した
ドライブピン5を腕とするもので、このドライブピン5
にニードルベアリング10aを介してプラネタリギヤ10bが
回転自在に支持されている。そしてこのプラネタリギヤ
10bが噛合うサンギヤ10cは、クランクシャフト1が挿通
されるフランジ付きのリング状をなしてエンジンカバー
2にネジ止め固定されている。また、上記プラネタリギ
ヤ10bが噛合うリングギヤ10dは、前記第2の一方向クラ
ッチ11の内輪11aに嵌合して溶接などの手段で固定され
ている。こうしてドライブピン5の腕回転を増速するプ
ラネタリギヤ装置10が構成され、駆動ハブ3の回転が同
方向に例えば約1.5倍程度に増速されて第2の一方向ク
ラッチ11の内輪11aに伝達されるようになっている。 ついで第2の一方向クラッチ11は、前記第1の一方向
クラッチ9と同様のいわゆるローリングスクリュークラ
ッチであり、前記内輪11aの外テーパ軌道面11dとクラン
クプーリ6に溶接などで嵌合固定された外輪11bの内テ
ーパ軌道面11cとの間に保持器11eを介して複数のコロ11
fが介設されている。そしてギヤオイルで潤滑されるこ
れらのコロ11fは、その回転軸線が第2図にも示すよう
に外テーパ軌道面11dのテーパ線に対して所定角度同一
方向に傾斜している。そこで第2の一方向クラッチ11
は、作動状態にあって内輪11aが矢印Aのようにクラン
クシャフト1と同方向に回転するとき、外輪11bに係合
してこれをロックすると共に、外輪11bがクランクプー
リ6と共に同方向に速く回転してオーバランニングする
のは許容するようになっている。 ここで、前記内輪11aの外テーパ軌道面11dは、エンジ
ンカバー2に面にしたクランクシャフト1の軸線方向内
側が大径となっている。このため第2の一方向クラッチ
11は、内輪11aをクランクシャフト1の軸線方向外側に
移動することで作動状態となって動力伝達し、反対に軸
線方向内側に押圧することで非作動状態となって動力伝
達を遮断するようになっている。そこでこの内輪11aの
移動により第2の一方向クラッチ11の作動、非作動を切
換える遠心切換装置12がクランクプーリ6に内蔵され
る。 遠心切換装置12は、鋼球からなる複数の遠心ウェイト
12aをクランクプーリ6の半径方向に移動自在に案内す
るキャップ状のスライドガイド12bと、遠心ウェイト12a
がクランクプーリ6の半径方向外側に移動する際これに
斜面係合してクランクシャフト1の軸線方向内側に移動
するウェイトホルダ12cとを主体に構成される。そして
スライドガイド12bは、その内外両側面がスラストベア
リング12d,12dを介してクランクプーリ6と駆動ハブ3
との間に回転自在に挟持されている。またウェイトホル
ダ12cは、前記内輪11aに一体形成され、かつニードルベ
アリング12eを介して駆動ハブ3の外周に回転自在に嵌
合している。そして円周方向に3等配してウェイトホル
ダ12cに内蔵した付勢バネ12fのバネ受け12gがロッド12h
を介してスライドガイド12bに連結し、こうしてウェイ
トホルダ12cは常時クランクシャフト1の軸線方向外側
に向け弾持されている。 ここで遠心ウェイト12aは、クランクシャフト1の回
転数が例えば1000〜1500rpm以上となるとその遠心力で
半径方向外側に移動し、付勢バネ12fに抗してウェイト
ホルダ12cをクランクシャフト1の軸線方向内側に移動
させるように質量が設定されている。 以上のように構成された2段変速プーリ装置のクラン
クプーリ6は、第3図に示すように発電機、ウォータポ
ンプ、パワーステアリング用の油圧ポンプ、空調用のエ
アコンプレッサ、スーパーチャージャなどの各種補器類
の受動プーリ13,14,15,1617との間に1本のタイミング
ベルト18を順次巻装することでサーペンタインベルト方
式のベルト伝動機構が構成される。 ここで、アイドリング運転時や低速走行時などのよう
にエンジン回転数が低く、クランクシャフト1の回転数
が例えば1000rpm以下のときは、遠心切換装置12の遠心
ウェイト12aに作用する遠心力が小さく、ウェイトホル
ダ12cは付勢バネ12fによりクランクシャフト1の軸線方
向外側に付勢されている。そこで第2の一方向クラッチ
11は、内輪11aがクランクシャフト1の軸線方向外側に
付勢された作動状態にあり、内輪11aから外輪11bに動力
伝達可能な状態となっている。従って、クランクシャフ
ト1の回転動力は、駆動ハブ3からプラネタリギヤ装置
10、第2の一方向クラッチ11を介する第2の伝動系によ
り約1.5倍程度に増速されてクランクプーリ6に伝達さ
れる。このとき第1の一方向クラッチ9においてはクラ
ンクプーリ6のオーバランニングが許容されているの
で、クランクプーリ6は駆動ハブ3の約1.5倍程度の回
転数でオーバランニングするのである。 このようにエンジン回転数が低い領域では、クランク
プーリ6がクランクシャフト1の約1.5倍程度の回転数
で回転駆動されるから、タイミングベルト18、受動プー
リ13,14,15,16,17を介して前記の各種補器類は回転不足
を生じることなく確実に駆動される。 つぎに、クランクシャフト1の回転数が例えば1000rp
mを超えると、遠心切換装置12の遠心ウェイト12aは半径
方向外側に移動し、付勢バネ12fに抗してウェイトホル
ダ12cをクランクシャフト1の軸線方向内側に移動させ
る。そこで第2の一方向クラッチ11は、内輪11aがクラ
ンクシャフト1の軸線方向内側に移動されて非作動状態
となり、内輪11aから外輪11bへの動力伝達が遮断され
る。従って、クランクシャフト1の回転動力は、駆動ハ
ブ3から第1の一方向クラッチ9を介する第1の伝動系
によりクランクプーリ6に伝達される。 このようにエンジン回転数が高い領域では、クランク
プーリ6がクランクシャフト1と等速で回転駆動される
から、タイミングベルト18を介して回転駆動される受動
プーリ13,14,15,16,17の回転数をクランクシャフト1の
回転数に応じて適宜設定することで、前記各種補器類は
過剰回転が防止されて耐久性が向上し、騒音も減少す
る。また、各種補器類の過剰回転が防止されて付加が減
少することから、自動車の燃費は著しく向上し、加速性
能も向上する。 ここで、急加速運転時のようにエンジン回転数が急上
昇する場合、各種補器類の負荷の増大によって第2の一
方向クラッチ11においては外輪11bに対する内輪11aの噛
込みが強くなる。このため、遠心ウェイト12aによるウ
ェイトホルダ12cの移動に抵抗が生じ、第2の一方向ク
ラッチ11はクランクシャフト1の回転数が例えば1500rp
mになった時点で非作動状態に切換わることとなる。こ
のように各種補器類の負荷の増大に応じてクランクプー
リ6の回転数が高速段から低速段に移行するタイミング
が遅れるのであり、各種補器類を充分に駆動することが
できる。 なお、前記実施例中、第1の一方向クラッチ9におけ
るコロ9dの転動面、すなわち外テーパ軌道面9aと内テー
パ軌道面9bは、双曲面とするのが幾何学的にみて理想的
であるが、コロ9dには外テーパ軌道面9aと内テーパ軌道
面9bとの間のクサビ効果による高い接触面圧が作用する
ので、この接触面圧によりコロ9dは弾性変形しつつ外テ
ーパ軌道面9aと内テーパ軌道面9bとに線接触して転動す
る。また、コロ9dの接触面圧が高いことから、コロ9dの
接触面には剪断抵抗の強い弾性流体潤滑膜(EHL膜)が
ギヤオイルにより生成され、コロ9dは外テーパ軌道面9a
と内テーパ軌道面9bに対する滑りが防止されて一方向ク
ラッチとして確実に機能する。このような事情は第2の
一方向クラッチ11においても同様であり、コロ11fは弾
性変形しつつ外テーパ軌道面11dと内テーパ軌道面11cと
に線接触して転動し、また外テーパ軌道面11dと内テー
パ軌道面11cに対する滑りが防止されて一方向クラッチ
として確実に機能する。 また、第1の一方向クラッチ9および第2の一方向ク
ラッチ11における、いわゆる噛込み角度は、外テーパ軌
道面9a,11dのテーパ角度と、そのテーパ線に対するコロ
9d,11fの回転軸の傾斜角度とに応じて任意に設定するも
のである。 さらに、前記実施例におけるプラネタリギヤ装置10は
増速作用が目的であるから、コンパクトな構成で増速作
用できるものに適宜変更可能であり、例えば歯車に換え
て摩擦係合するトラクションローラを使用したトラクシ
ョンローラ装置に変更してもよい。
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明によれば、プーリ駆動軸の
回転数が所定回転数以下のときは、第2の一方向クラッ
チが遠心切換装置により作動状態に保持されるから、プ
ーリ駆動軸の回転動力は増速作用するプラネタリギヤ装
置および第2の一方向クラッチを介してプーリに伝達さ
れ、こうしてプーリはプーリ駆動軸に対して増速回転す
る。また、プーリ駆動軸の回転数が所定回転数以上のと
きは、第2の一方向クラッチが遠心切換装置により非作
動状態に切換えられるから、プーリ駆動軸の回転動力は
第1の一方向クラッチを介してプーリに伝達され、こう
してプーリはプーリ駆動軸と等速回転する。 ここで、前記プーリを、エンジンのクランクシャフト
をプーリ駆動軸とするクランクプーリとした場合、アイ
ドリング運転時などのようにクランクシャフトの回転数
が所定回転数以下のときは、クランクプーリがクランク
シャフトに対して増速回転し、また、クランクシャフト
の回転数が所定回転数以上のときは、クランクプーリは
クランクシャフトと等速回転する。 従って、補器類の駆動回転数をエンジン回転数の高い
領域に合わせて設定することにより、エンジン回転数が
高い領域では補器類の過剰運転を防止して補器類の耐久
性を向上でき、またエンジン回転数が低い領域では補器
類の回転不足を解消して補器類を確実に駆動することが
できる。 また、前記遠心切換装置として、第2の一方向クラッ
チを作動状態にする付勢バネと、この付勢バネに抗して
第2の一方向クラッチを非作動状態に切換える遠心ウェ
イトとを備える場合、複雑な制御装置が不要となって装
置構成をコンパクトにすることができ、サーペンタイン
ベルト方式のプーリ伝動機構にも充分適用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による2段変速プーリ装置の一実施例を
示す断面図、 第2図は一実施例における要部の分解斜視図、 第3図は一実施例による2段変速プーリ装置を用いたベ
ルト伝動系の概略構成図である。 1……クランクシャフト、 2……エンジンカバー、 3……駆動ハブ、 3a……リング状溝、 4……キー、 5……ドライブピン、 6……クランクプーリ、 6a……V溝、6b……ボス部、 7……ボールベアリング、 8……ニードルベアリング、 9……第1の一方向クラッチ、 9a……外テーパ軌道面、9b……内テーパ軌道面、 9c……保持器、9d……コロ、 10……プラネタリギヤ装置、 10a……ニードルベアリング、 10b……プラネタリギヤ、 10c……サンギヤ、 10d……リングギヤ、 11……第2の一方向クラッチ、 11a……内輪、11b……外輪、 11c……内テーパ軌道面、 11d……外テーパ軌道面、11e……保持器、 11f……コロ、 12……遠心切換装置、 12a……遠心ウェイト、12b……スライドガイド、 12c……ウェイトホルダ、 12d……スラストベアリング、 12e……ニードルベアリング、12f……付勢バネ、 12g……バネ受け、12h……ロッド、 13,14,15,16,17……受動プーリ、 18……タイミングベルト。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プーリとプーリ駆動軸との間に、第1の一
    方向クラッチを介してプーリをプーリ駆動軸と等速回転
    させる第1の伝動系と、増速作用するプラネタリギヤ装
    置および作動状態と非作動状態とが遠心切換装置により
    切換えられる第2の一方向クラッチを介してプーリをプ
    ーリ駆動軸に対して増速回転させる第2の伝動系とを設
    け、 上記遠心切換装置は、プーリ駆動軸の回転数が所定回転
    数以下では第2の一方向クラッチを作動状態にして第2
    の伝動系によりプーリをプーリ駆動軸に対して増速回転
    させ、プーリ駆動軸の回転数が所定回転数以上となると
    第2の一方向クラッチを非作動状態として第1の伝動系
    によりプーリをプーリ駆動軸と等速回転させるよう構成
    したことを特徴とする2段変速プーリ装置。
  2. 【請求項2】前記プーリは、エンジンのクランクシャフ
    トをプーリ駆動軸とするクランクプーリであり、このク
    ランクプーリとクランクシャフトとの間に前記第1の伝
    動系および第2の伝動系を設けたことを特徴とする請求
    項1記載の2段変速プーリ装置。
  3. 【請求項3】前記遠心切換装置は、第2の一方向クラッ
    チを作動状態に保持する付勢バネと、この付勢バネに抗
    して第2の一方向クラッチを非作動状態に切換える遠心
    ウェイトとを備えることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の2段変速プーリ装置。
JP2211389A 1990-08-08 1990-08-08 2段変速プーリ装置 Expired - Lifetime JP2883908B2 (ja)

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