JP2004108463A - 樹脂製転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】腐食環境中で、かつ負荷の大きい用途においても、長期間信頼して使用できる軸受を提供する。
【解決手段】外輪1、内輪2および転動体3の少なくとも一つが樹脂製の材料で構成された軸受において、その外輪外周部、内輪内周部の少なくとも一方に、外輪、内輪および転動体に用いられている樹脂の硬さより軟らかい材料からなる変位吸収部5を備えた。樹脂材料で構成された軸受では、軸、ハウジングに対して傾いて取り付けられたり、軸が撓んでいたりする場合、樹脂製転がり軸受に過大な荷重がかかるが、外・内輪の外・内周部の変位吸収部5が軸受材料の樹脂の硬さより軟らかいため、これを吸収することによって、摩耗を防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】外輪1、内輪2および転動体3の少なくとも一つが樹脂製の材料で構成された軸受において、その外輪外周部、内輪内周部の少なくとも一方に、外輪、内輪および転動体に用いられている樹脂の硬さより軟らかい材料からなる変位吸収部5を備えた。樹脂材料で構成された軸受では、軸、ハウジングに対して傾いて取り付けられたり、軸が撓んでいたりする場合、樹脂製転がり軸受に過大な荷重がかかるが、外・内輪の外・内周部の変位吸収部5が軸受材料の樹脂の硬さより軟らかいため、これを吸収することによって、摩耗を防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸やアルカリ等の腐食性水溶液中または腐食性水溶液等のミストや飛沫が存在する環境下において、軸受に偏荷重がかかる条件においても寿命が長い樹脂製転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸やアルカリ等の腐食性水溶液中または腐食性水溶液等のミストや飛沫が存在する環境下で用いられる軸受としては、特開平10−281166や特開平10−159856に示されるような軌道輪に樹脂を用いた転がり軸受が開示されており、樹脂製転がり軸受の耐食性は腐食環境下でも特に問題を生じない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軌道輪に用いられている樹脂はポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド等が用いられており、それらの材料は強度が低いため、樹脂製転がり軸受の耐荷重性が低く、摩耗しやすい問題があった。
特に、樹脂製転がり軸受が、軸、ハウジングに対して傾いて取り付けられたり、軸が撓んでいたりする場合、樹脂製転がり軸受に過大な荷重がかかり、摩耗を生じる問題があった。このような事情から、従来の樹脂製転がり軸受は、軸受としての許容荷重(面圧)が小さく、負荷の小さい用途でしか使用できないという問題点があった。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、腐食環境中で、かつ負荷の大きい用途においても、長期間信頼して使用できる軸受を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明がなした技術的手段は、外輪、内輪および転動体の少なくとも一つが樹脂製の材料で構成された軸受において、その外輪外周部、内輪内周部の少なくとも一方に、外輪、内輪および転動体に用いられている樹脂の硬さより軟らかい材料からなる変位吸収部を備えたことである。この変位吸収部は、具体的には例えば弾性体からなるスリーブである。ここで、弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さは0.05〜0.95にあるものとする。弾性体スリーブは、例えば、外輪外周部や内輪内周部に嵌合されるリング状又は円筒状に形成されている。
すなわち、樹脂材料で構成された軸受では、軸、ハウジングに対して傾いて取り付けられたり、軸が撓んでいたりする場合、樹脂製転がり軸受に過大な荷重がかかるが、外・内輪の外・内周部の変位吸収部が軸受材料の樹脂の硬さより軟らかいため、これを吸収することによって、摩耗を防止することができる。
また、樹脂製転がり軸受本体の寸法精度が充分でない場合でも、変位吸収部が弾性変形して、ハウジング、軸などとの嵌め合いを最適化するため、軸受機能への影響が殆どない。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明樹脂製転がり軸受の一実施形態を図に基づいて説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施形態にすぎず、なんらこれに限定して解釈されるものではない。また、本実施形態では、転動体に玉を用いた深溝玉軸受を一例として例示しているが、単なる一形態にすぎず、他の玉軸受形式若しくはころ軸受にも本発明の適用が可能である。
本発明の樹脂製転がり軸受は、外輪1と内輪2と、外輪1と内輪2との間に組み込まれる多数の転動体3と、該転動体3を保持する保持器4と、外輪外周部1a、内輪内周部2aの少なくとも一方に備えられる変位吸収部5とで構成されている。そして、外輪1、内輪2および転動体3の構成要素のうち、少なくとも一つの要素が樹脂製材料で構成されている。
なお、特に図示しないが、シール・シールドなどの密封板を外輪1と内輪2との間に備えたり、軸受内にグリース・潤滑油などを充填するなどの軸受一般構成にあっては、適宜必要に応じて本発明の範囲内で適用される。
また、本発明では、変位吸収部5を備えた点に特徴的な構成を有しており、その他の構成、例えば外輪1、内輪2、転動体3などは特に限定されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能であるため、以下、変位吸収部5の説明を中心に行い、その他の説明は省略する。
【0006】
変位吸収部5は、外輪外周部1a、内輪内周部2aの少なくとも一方若しくは双方に備えられ、外輪1、内輪2および転動体3に用いられている樹脂の硬さより軟らかい材料からなる。変位吸収部5は、軸、ハウジングに対して軸受が傾いて取り付けられたり、軸が撓んでいたりする場合に、樹脂製転がり軸受にかかる過大な荷重を吸収し、軸受への影響を及ぼさないようにする。また、樹脂製転がり軸受本体の寸法精度が充分でない場合でも、変位吸収部5が弾性変形して、ハウジング、軸などとの嵌め合いを最適化する。
この変位吸収部5は、具体的には例えば弾性体からなるスリーブ(以下、弾性体スリーブ5ともいう。)で、例えば、外輪外周部1aや内輪内周部2aに嵌合される所望線径のOリング状弾性体スリーブ5aや所望径方向厚さで所望軸方向幅を有する円筒状弾性体スリーブ5bが一例として例示できる。
弾性体スリーブ5の形状は、上記のOリング状、円筒状に限られたものではなく、弾性体スリーブ5によって、変位を吸収できる形状であるなら、特に限定されるものではない。また、この弾性体スリーブ5が嵌合する周溝6を外輪外周面1aや内輪内周面2aに所望数設けることも出来る。
また、細線状の弾性体スリーブを、外輪外周面1aや内輪内周面2aに幾重にも巻回させたり、螺旋状に巻回させたりすることも本発明の範囲で、また外輪外周面や内輪内周面にこれら巻回方法にあった周溝を設けることも出来る。
円筒状弾性体スリーブ5bは、その軸方向幅に限定はされず、外輪外周面1aや内輪内周面2aの軸方向幅と同一であってもよいが、これよりも幅狭状に形成されるものであってもよい。円筒状弾性体スリーブ5bは、外輪外周面1aや内輪内周面2aに一個乃至複数個設けることが出来る。また、円筒状弾性体スリーブは、ハウジング若しくは軸との対向面、又は外輪外周面若しくは内輪内周面との対向面のいずれか一方若しくは双方が、凹凸状に形成されるものであってもよい。具体的には、例えば、周方向若しくは軸方向に波板状に形成、又は凸部、凹部を規則正しく若しくはランダムに形成されるものでもよい。
弾性体スリーブ5の厚み(線径・径方向厚さ)は特に限定しないが、外輪1、内輪2およびスリーブ3を組合わせた軸受寸法(外径、内径)がJISで規定される軸受の標準寸法となるように設定することが望ましい。
また、外周面1aの弾性体スリーブ5は、必ずしも同一の厚みとする必要はなく、上記のように、軸受の標準寸法となるように決めれば構わない。また、弾性体スリーブ5と外輪1・内輪2との接合、および弾性体スリーブ5とハウジング・軸との接合は、弾性体スリーブ5とのすべりを抑制するために、弾性体スリーブ5の厚さに対して、少なくとも10%以上の締め代とすることが好ましい。
【0007】
弾性体スリーブ5の材料としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの含フッ素樹脂あるいはポリエチレン(PE)等が挙げられる。耐食性などを考慮すると含フッ素樹脂を主成分とした樹脂組成物を用いることが望ましい。
また、外輪1、内輪2、転動体3の樹脂材料も上記弾性体スリーブ5と同様の樹脂材料が適用可能である。
弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さは、0.05〜0.95にあるものとするのが好ましい。弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さが0.05未満では、弾性体スリーブ5の変形が大きすぎ、軸受の耐久性が短くなるとともに、変位が大きいために、回転精度が非常に悪い。一方、弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さが0.95を超えると、弾性体スリーブ5の変形が少なく、軸受の耐久性が短くなってしまう。
ここで使用できる含フッ素樹脂は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと略称)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(以下、ETFEと略称)、ポリビニリデンフルオライド(以下、PVDFと略称)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPと略称)、ポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTFEと略称)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(以下、ECTFEと略称)等を例示できる。
また、弾性体スリーブ5には、機械的強度、耐摩耗性、寸法安定性などを向上させるために、繊維状充填材を配合することができる。繊維状充填材としては、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンウィスカー、グラファイトウィスカー、炭素繊維、炭化珪素ウィスカー、窒化珪素ウィスカー、アルミナウィスカー等を例示できる。
また、フッ素ゴム、ブチルゴム等の耐食性の高いゴムも使用できる。
【0008】
図1は本発明の第一実施形態を示す。
樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている深溝玉軸受である。
本実施形態では、外輪外周面1aに一個のOリング状弾性体スリーブ5a、内輪内周面2aに、該内周面軸方向幅と同一幅の円筒状弾性体スリーブ5bがそれぞれ締め代をもって嵌合されている。本実施形態に示す円筒状弾性体スリーブ5bは、その両側面が径方向にせり上がり、内輪内周面2aの端部R形状に嵌合する周縁5cを周設している。
図2は本発明の第二実施形態を示す。
本実施形態では、外輪外周面1aに、軸方向に間隔をあけて二個のOリング状弾性体スリーブ5a,5aが、それぞれ締め代をもって嵌合されている。樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている点は第一実施形態と同様である。
図3は本発明の第三実施形態を示す。
本実施形態では、内輪内周面2aに、該内輪内周面2aと同一軸方向幅の円筒状弾性体スリーブ5bが締め代をもって嵌合されている。樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている点は第一実施形態と同様である。
図4は本発明の第四実施形態を示す。
本実施形態では、内輪内周面2aに、該内輪内周面2aと同一軸方向幅の円筒状弾性体スリーブ5bが締め代をもって嵌合されている。
本実施形態では、第一実施形態や第三実施形態と異なり、円筒状弾性体スリーブ5bの両側面に、径方向にせり上がる周縁が設けられていない形態を採用している。
樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている点は第一実施形態と同様である。
図5は本発明の第五実施形態を示す。
本実施形態では、内輪内周面2aに、該内輪内周面2aの軸方向幅よりも小さい幅の円筒状弾性体スリーブ5bが締め代をもって嵌合されている。樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている点は第一実施形態と同様である。
なお、上述した第四実施形態や第五実施形態に示した形態の円筒状弾性体スリーブ5bと、外輪外周面1aに一個乃至複数個嵌合されるOリング状弾性体スリーブ5aとの組み合わせからなる形態も図示しないが本発明の範囲内で採用可能である。
【0009】
本発明の効果を確認するために作成した実施例および比較例を表1に示す。
本発明の樹脂製転がり軸受の性能を調べるために、軸受ハウジングを軸に対して傾けた場合の寿命評価を行った。
【0010】
【表1】
【0011】
「試験方法」
試験軸受:深溝玉軸受(JIS呼び番号6001に相当) 内径12mm、外径28mm、幅8mm
回転数:5s−1(300rpm)
軸受ハウジング傾け角:2度
ハウジングと外輪外周面のすきま又は軸と内輪内周面のすきま:1mm
ハウジング又は軸に対する弾性体スリーブの締め代:スリーブの厚さの15%
雰囲気:水中
寿命判定:軸受振動値が初期の3倍になった時点
寿命の表示は、本発明の樹脂製転がり軸受の寿命を弾性体スリーブ無しの樹脂製転がり軸受の寿命で割った値とした。
試験軸受は、実施例・比較例ともに、外輪1、内輪2がフッ素系樹脂(PVDFに繊維状充填材入り)で構成されると共に、炭化珪素で構成した転動体3を、ETFE製の保持器4で保持した樹脂製軸受構成としており、そして実施例ではさらにフッ素ゴムまたはフッ素樹脂製のOリング状弾性体スリーブ5aまたは円筒状弾性体スリーブ5bを取り付けた樹脂製軸受とした。
弾性体スリーブ5の硬さは、フッ素ゴムまたはフッ素樹脂に含有させた繊維状充填材の量によって調整した。
スリーブ硬さ/樹脂軸受の硬さと寿命比との関係を図6に示す。
実施例1〜4の本発明の樹脂製転がり軸受の場合、ハウジングが傾けられて取り付けられても、弾性体スリーブ5が変形することにより、傾け角を吸収することができ、寿命を延長させることができる。
一方、比較例2、3の樹脂製転がり軸受の場合、ハウジングの傾け角を軸受で受けるため、転動体と軌道輪に過大な荷重が発生し、摩耗が早期に生じることによって、軸受寿命が短い、また、比較例1の樹脂製転がり軸受の場合、弾性体スリーブ5の変形が大きすぎるため、軸受寿命が短い。
【0012】
【発明の効果】
本発明の転がり軸受は、外輪、内輪および転動体の内、少なくとも一つが樹脂で構成された軸受において、その外輪外周部、内輪内周部の少なくとも一方に変位吸収部を嵌合させてなるため、軸等の偏心や回転中の振動を抑えることができ、長期間安定した回転支持を行えるため、軸受寿命を延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明樹脂製転がり軸受の第一実施形態を示す縦断面図。
【図2】本発明樹脂製転がり軸受の第二実施形態を示す縦断面図。
【図3】本発明樹脂製転がり軸受の第三実施形態を示す縦断面図。
【図4】本発明樹脂製転がり軸受の第四実施形態を示す縦断面図。
【図5】本発明樹脂製転がり軸受の第五実施形態を示す縦断面図。
【図6】スリーブ硬さ/樹脂軸受の硬さと寿命比との関係を示す図。
【符号の説明】
1:外輪
2:内輪
3:転動体
5:変位吸収部(弾性体スリーブ)
5a:Oリング状弾性体スリーブ
5b:円筒状弾性体スリーブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸やアルカリ等の腐食性水溶液中または腐食性水溶液等のミストや飛沫が存在する環境下において、軸受に偏荷重がかかる条件においても寿命が長い樹脂製転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸やアルカリ等の腐食性水溶液中または腐食性水溶液等のミストや飛沫が存在する環境下で用いられる軸受としては、特開平10−281166や特開平10−159856に示されるような軌道輪に樹脂を用いた転がり軸受が開示されており、樹脂製転がり軸受の耐食性は腐食環境下でも特に問題を生じない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軌道輪に用いられている樹脂はポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド等が用いられており、それらの材料は強度が低いため、樹脂製転がり軸受の耐荷重性が低く、摩耗しやすい問題があった。
特に、樹脂製転がり軸受が、軸、ハウジングに対して傾いて取り付けられたり、軸が撓んでいたりする場合、樹脂製転がり軸受に過大な荷重がかかり、摩耗を生じる問題があった。このような事情から、従来の樹脂製転がり軸受は、軸受としての許容荷重(面圧)が小さく、負荷の小さい用途でしか使用できないという問題点があった。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、腐食環境中で、かつ負荷の大きい用途においても、長期間信頼して使用できる軸受を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明がなした技術的手段は、外輪、内輪および転動体の少なくとも一つが樹脂製の材料で構成された軸受において、その外輪外周部、内輪内周部の少なくとも一方に、外輪、内輪および転動体に用いられている樹脂の硬さより軟らかい材料からなる変位吸収部を備えたことである。この変位吸収部は、具体的には例えば弾性体からなるスリーブである。ここで、弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さは0.05〜0.95にあるものとする。弾性体スリーブは、例えば、外輪外周部や内輪内周部に嵌合されるリング状又は円筒状に形成されている。
すなわち、樹脂材料で構成された軸受では、軸、ハウジングに対して傾いて取り付けられたり、軸が撓んでいたりする場合、樹脂製転がり軸受に過大な荷重がかかるが、外・内輪の外・内周部の変位吸収部が軸受材料の樹脂の硬さより軟らかいため、これを吸収することによって、摩耗を防止することができる。
また、樹脂製転がり軸受本体の寸法精度が充分でない場合でも、変位吸収部が弾性変形して、ハウジング、軸などとの嵌め合いを最適化するため、軸受機能への影響が殆どない。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明樹脂製転がり軸受の一実施形態を図に基づいて説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施形態にすぎず、なんらこれに限定して解釈されるものではない。また、本実施形態では、転動体に玉を用いた深溝玉軸受を一例として例示しているが、単なる一形態にすぎず、他の玉軸受形式若しくはころ軸受にも本発明の適用が可能である。
本発明の樹脂製転がり軸受は、外輪1と内輪2と、外輪1と内輪2との間に組み込まれる多数の転動体3と、該転動体3を保持する保持器4と、外輪外周部1a、内輪内周部2aの少なくとも一方に備えられる変位吸収部5とで構成されている。そして、外輪1、内輪2および転動体3の構成要素のうち、少なくとも一つの要素が樹脂製材料で構成されている。
なお、特に図示しないが、シール・シールドなどの密封板を外輪1と内輪2との間に備えたり、軸受内にグリース・潤滑油などを充填するなどの軸受一般構成にあっては、適宜必要に応じて本発明の範囲内で適用される。
また、本発明では、変位吸収部5を備えた点に特徴的な構成を有しており、その他の構成、例えば外輪1、内輪2、転動体3などは特に限定されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能であるため、以下、変位吸収部5の説明を中心に行い、その他の説明は省略する。
【0006】
変位吸収部5は、外輪外周部1a、内輪内周部2aの少なくとも一方若しくは双方に備えられ、外輪1、内輪2および転動体3に用いられている樹脂の硬さより軟らかい材料からなる。変位吸収部5は、軸、ハウジングに対して軸受が傾いて取り付けられたり、軸が撓んでいたりする場合に、樹脂製転がり軸受にかかる過大な荷重を吸収し、軸受への影響を及ぼさないようにする。また、樹脂製転がり軸受本体の寸法精度が充分でない場合でも、変位吸収部5が弾性変形して、ハウジング、軸などとの嵌め合いを最適化する。
この変位吸収部5は、具体的には例えば弾性体からなるスリーブ(以下、弾性体スリーブ5ともいう。)で、例えば、外輪外周部1aや内輪内周部2aに嵌合される所望線径のOリング状弾性体スリーブ5aや所望径方向厚さで所望軸方向幅を有する円筒状弾性体スリーブ5bが一例として例示できる。
弾性体スリーブ5の形状は、上記のOリング状、円筒状に限られたものではなく、弾性体スリーブ5によって、変位を吸収できる形状であるなら、特に限定されるものではない。また、この弾性体スリーブ5が嵌合する周溝6を外輪外周面1aや内輪内周面2aに所望数設けることも出来る。
また、細線状の弾性体スリーブを、外輪外周面1aや内輪内周面2aに幾重にも巻回させたり、螺旋状に巻回させたりすることも本発明の範囲で、また外輪外周面や内輪内周面にこれら巻回方法にあった周溝を設けることも出来る。
円筒状弾性体スリーブ5bは、その軸方向幅に限定はされず、外輪外周面1aや内輪内周面2aの軸方向幅と同一であってもよいが、これよりも幅狭状に形成されるものであってもよい。円筒状弾性体スリーブ5bは、外輪外周面1aや内輪内周面2aに一個乃至複数個設けることが出来る。また、円筒状弾性体スリーブは、ハウジング若しくは軸との対向面、又は外輪外周面若しくは内輪内周面との対向面のいずれか一方若しくは双方が、凹凸状に形成されるものであってもよい。具体的には、例えば、周方向若しくは軸方向に波板状に形成、又は凸部、凹部を規則正しく若しくはランダムに形成されるものでもよい。
弾性体スリーブ5の厚み(線径・径方向厚さ)は特に限定しないが、外輪1、内輪2およびスリーブ3を組合わせた軸受寸法(外径、内径)がJISで規定される軸受の標準寸法となるように設定することが望ましい。
また、外周面1aの弾性体スリーブ5は、必ずしも同一の厚みとする必要はなく、上記のように、軸受の標準寸法となるように決めれば構わない。また、弾性体スリーブ5と外輪1・内輪2との接合、および弾性体スリーブ5とハウジング・軸との接合は、弾性体スリーブ5とのすべりを抑制するために、弾性体スリーブ5の厚さに対して、少なくとも10%以上の締め代とすることが好ましい。
【0007】
弾性体スリーブ5の材料としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの含フッ素樹脂あるいはポリエチレン(PE)等が挙げられる。耐食性などを考慮すると含フッ素樹脂を主成分とした樹脂組成物を用いることが望ましい。
また、外輪1、内輪2、転動体3の樹脂材料も上記弾性体スリーブ5と同様の樹脂材料が適用可能である。
弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さは、0.05〜0.95にあるものとするのが好ましい。弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さが0.05未満では、弾性体スリーブ5の変形が大きすぎ、軸受の耐久性が短くなるとともに、変位が大きいために、回転精度が非常に悪い。一方、弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さが0.95を超えると、弾性体スリーブ5の変形が少なく、軸受の耐久性が短くなってしまう。
ここで使用できる含フッ素樹脂は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと略称)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(以下、ETFEと略称)、ポリビニリデンフルオライド(以下、PVDFと略称)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPと略称)、ポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTFEと略称)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(以下、ECTFEと略称)等を例示できる。
また、弾性体スリーブ5には、機械的強度、耐摩耗性、寸法安定性などを向上させるために、繊維状充填材を配合することができる。繊維状充填材としては、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンウィスカー、グラファイトウィスカー、炭素繊維、炭化珪素ウィスカー、窒化珪素ウィスカー、アルミナウィスカー等を例示できる。
また、フッ素ゴム、ブチルゴム等の耐食性の高いゴムも使用できる。
【0008】
図1は本発明の第一実施形態を示す。
樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている深溝玉軸受である。
本実施形態では、外輪外周面1aに一個のOリング状弾性体スリーブ5a、内輪内周面2aに、該内周面軸方向幅と同一幅の円筒状弾性体スリーブ5bがそれぞれ締め代をもって嵌合されている。本実施形態に示す円筒状弾性体スリーブ5bは、その両側面が径方向にせり上がり、内輪内周面2aの端部R形状に嵌合する周縁5cを周設している。
図2は本発明の第二実施形態を示す。
本実施形態では、外輪外周面1aに、軸方向に間隔をあけて二個のOリング状弾性体スリーブ5a,5aが、それぞれ締め代をもって嵌合されている。樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている点は第一実施形態と同様である。
図3は本発明の第三実施形態を示す。
本実施形態では、内輪内周面2aに、該内輪内周面2aと同一軸方向幅の円筒状弾性体スリーブ5bが締め代をもって嵌合されている。樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている点は第一実施形態と同様である。
図4は本発明の第四実施形態を示す。
本実施形態では、内輪内周面2aに、該内輪内周面2aと同一軸方向幅の円筒状弾性体スリーブ5bが締め代をもって嵌合されている。
本実施形態では、第一実施形態や第三実施形態と異なり、円筒状弾性体スリーブ5bの両側面に、径方向にせり上がる周縁が設けられていない形態を採用している。
樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている点は第一実施形態と同様である。
図5は本発明の第五実施形態を示す。
本実施形態では、内輪内周面2aに、該内輪内周面2aの軸方向幅よりも小さい幅の円筒状弾性体スリーブ5bが締め代をもって嵌合されている。樹脂製の外輪1と樹脂製の内輪2の間に多数の転動体3が介装され、該転動体3が冠型保持器4によって円周方向に等配されている点は第一実施形態と同様である。
なお、上述した第四実施形態や第五実施形態に示した形態の円筒状弾性体スリーブ5bと、外輪外周面1aに一個乃至複数個嵌合されるOリング状弾性体スリーブ5aとの組み合わせからなる形態も図示しないが本発明の範囲内で採用可能である。
【0009】
本発明の効果を確認するために作成した実施例および比較例を表1に示す。
本発明の樹脂製転がり軸受の性能を調べるために、軸受ハウジングを軸に対して傾けた場合の寿命評価を行った。
【0010】
【表1】
【0011】
「試験方法」
試験軸受:深溝玉軸受(JIS呼び番号6001に相当) 内径12mm、外径28mm、幅8mm
回転数:5s−1(300rpm)
軸受ハウジング傾け角:2度
ハウジングと外輪外周面のすきま又は軸と内輪内周面のすきま:1mm
ハウジング又は軸に対する弾性体スリーブの締め代:スリーブの厚さの15%
雰囲気:水中
寿命判定:軸受振動値が初期の3倍になった時点
寿命の表示は、本発明の樹脂製転がり軸受の寿命を弾性体スリーブ無しの樹脂製転がり軸受の寿命で割った値とした。
試験軸受は、実施例・比較例ともに、外輪1、内輪2がフッ素系樹脂(PVDFに繊維状充填材入り)で構成されると共に、炭化珪素で構成した転動体3を、ETFE製の保持器4で保持した樹脂製軸受構成としており、そして実施例ではさらにフッ素ゴムまたはフッ素樹脂製のOリング状弾性体スリーブ5aまたは円筒状弾性体スリーブ5bを取り付けた樹脂製軸受とした。
弾性体スリーブ5の硬さは、フッ素ゴムまたはフッ素樹脂に含有させた繊維状充填材の量によって調整した。
スリーブ硬さ/樹脂軸受の硬さと寿命比との関係を図6に示す。
実施例1〜4の本発明の樹脂製転がり軸受の場合、ハウジングが傾けられて取り付けられても、弾性体スリーブ5が変形することにより、傾け角を吸収することができ、寿命を延長させることができる。
一方、比較例2、3の樹脂製転がり軸受の場合、ハウジングの傾け角を軸受で受けるため、転動体と軌道輪に過大な荷重が発生し、摩耗が早期に生じることによって、軸受寿命が短い、また、比較例1の樹脂製転がり軸受の場合、弾性体スリーブ5の変形が大きすぎるため、軸受寿命が短い。
【0012】
【発明の効果】
本発明の転がり軸受は、外輪、内輪および転動体の内、少なくとも一つが樹脂で構成された軸受において、その外輪外周部、内輪内周部の少なくとも一方に変位吸収部を嵌合させてなるため、軸等の偏心や回転中の振動を抑えることができ、長期間安定した回転支持を行えるため、軸受寿命を延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明樹脂製転がり軸受の第一実施形態を示す縦断面図。
【図2】本発明樹脂製転がり軸受の第二実施形態を示す縦断面図。
【図3】本発明樹脂製転がり軸受の第三実施形態を示す縦断面図。
【図4】本発明樹脂製転がり軸受の第四実施形態を示す縦断面図。
【図5】本発明樹脂製転がり軸受の第五実施形態を示す縦断面図。
【図6】スリーブ硬さ/樹脂軸受の硬さと寿命比との関係を示す図。
【符号の説明】
1:外輪
2:内輪
3:転動体
5:変位吸収部(弾性体スリーブ)
5a:Oリング状弾性体スリーブ
5b:円筒状弾性体スリーブ
Claims (4)
- 外輪、内輪および転動体の少なくとも一つが樹脂製の材料で構成された軸受において、その外輪外周部、内輪内周部の少なくとも一方に、外輪、内輪および転動体に用いられている樹脂の硬さより軟らかい材料からなる変位吸収部を備えたことを特徴とする樹脂製転がり軸受。
- 変位吸収部が、弾性体からなるスリーブであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製転がり軸受。
- 弾性体スリーブの硬さ/樹脂軸受の樹脂硬さが0.05〜0.95にあることを特徴とする請求項2に記載の樹脂製転がり軸受。
- 弾性体スリーブが、外輪外周部や内輪内周部に嵌合されるリング状又は円筒状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の樹脂製転がり軸受。
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2002
- 2002-09-18 JP JP2002270838A patent/JP2004108463A/ja not_active Withdrawn
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