JP2004108172A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、エンジン始動時のピーク回転数を下げることにより、エンジン始動時の不快な振動を抑制し、且つ、軸受、ピストン摺動部等の摺動部の磨耗の低減を可能にした内燃機関の制御装置を実現することを目的とする。
【解決手段】エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、目標アイドル回転数より低く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、点火時期フィードバックの微分項のみを実施するように構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、目標アイドル回転数より低く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、点火時期フィードバックの微分項のみを実施するように構成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関する。詳しくは、エンジン冷間始動時のピーク回転数を下げて、不快な振動を抑制すると共に、摺動部の潤滑不足による磨耗を防止した内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関のアイドル時吸気量及び点火時期を制御して回転数を一定に保つ装置としては、図6に示すようなものがある。これは同図に示すように、エンジン100の電子制御ユニット(ECU)101はエンジン始動時に回転数に応じてエンジンの電子スロットル弁102の開度を調節してエンジン回転数を目標回転数に制御する吸気量目標回転数制御と、機関点火時期を調節してエンジン回転数を目標回転数に制御する点火時期回転数制御を行うものである。
【0003】
そして、ECU101は、エンジン始動操作(クランキング)開始時からのエンジン吸入空気量の積算値を算出し、この積算値がスロットル弁102の下流側の吸気通路103の容積に到達したときに上記回転数制御を開始する。これにより、始動時にスロットル弁102の下流側の吸気通路に貯溜されていた空気がエンジン100に吸入されることによる回転数の急上昇が終了した時点から回転数制御を開始することができるため、短期間でエンジン回転数を目標回転数に収束させることができるというものである。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開2001−905811号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の制御方法では、エンジン始動時にはアクセルを閉じた状態で始動しても、エンジン回転数が目標アイドル回転数よりも高い回転数まで上昇し、ドラビリ上好ましくないという問題があった。また、潤滑油が行き渡る前に高い回転数まで上昇することで各摺動部が磨耗し、好ましくないという問題があった。この原因は、エンジン始動時にはアクセルを閉じた状態で始動しても、スロットル下流の吸気系容積に存在する空気がエンジンに吸入されることにより、エンジン回転数が目標アイドル回転数よりも高い回転数まで上昇するためである。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、エンジン始動時のピーク回転数を下げることにより、エンジン始動時の不快な振動を抑制し、且つ、軸受、ピストン摺動部等の摺動部の磨耗の低減を可能にした内燃機関の制御装置を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1は、エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、目標アイドル回転数より低く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、点火時期フィードバックの微分項のみを実施することを特徴とする。また、請求項2は、エンジン始動時において、エンジン回転数が目標アイドル回転数より高く、且つ、エンジン始動後所定時間内ならば回転数点火時期フィードバックの微分項+比例項を作動させることを特徴とする。また、請求項3は、請求項1又は2において、エンジン始動後所定時間以上ならば、点火時期フィードバックを終了し、空気量フィードバックを実施することを特徴とする。
【0008】
この構成を採ることにより、エンジン回転数と目標アイドル回転数との関係に応じて、点火時期フィードバックの微分項と比例項を使い分けることで、エンジン始動時のピーク回転数を低減することができる。これにより、ドラビリの向上が得られ、また、軸受、ピストン摺動部等磨耗を低減することができる。
【0009】
また、請求項4は、エンジン始動時に、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、次の燃焼気筒の点火を中止し、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままにして、次の点火のタイミングで点火することを特徴とする。
【0010】
この構成を採ることにより、エンジン始動時に点火を1回中止し、次の点火タイミングまで、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままで、膨張、圧縮を行うことで、気筒内の混合気が攪拌され、また燃料が噴射されてから点火までの時間が長くなるので、エンジン始動時のピーク回転数を低減することができる。これによりドラビリの向上が得られ、また、軸受、ピストン摺動部等磨耗を低減することができる。また、燃料の気化がよくなるため、燃焼が良くなり、HCの排出が低減され、重質燃料の影響を受けにくくなるという効果もある。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る内燃機関の制御装置の好適な実施形態を示す構成図である。同図は燃料噴射および点火時期等の制御を行う制御装置に本発明を適用した実施形態を示している。
【0012】
このエンジン1は、燃料噴射を行うインジェクタ5を備えていわゆる燃料噴射式であり、インジェクタ5は燃焼室2とエアクリーナ3とを連通している吸気通路4に設けられている。このインジェクタ5には燃料通路20が接続されており、燃料を吸気通路4内に噴射するので吸気と混合し、その霧化燃料が燃焼室2に導かれる。
【0013】
吸気通路4には、エアクリーナ3を介して吸入される吸気の流量を検知するエアフロメータ6、吸気の温度を検知する吸気温度センサ7、吸気の流量を適宜に調節するためのスロットル弁8及びインジェクタ5が、エアクリーナ3側から順に設けられている。スロットル弁8には、その開度を検知するスロットル開度センサ9及びそれが全開か否かを検知するアイドルスイッチ10とが付設されている。また吸気通路4にはスロットル弁8を迂回するバイパス通路11が設けられており、そのバイパス通路11に、アイドル回転時の吸気量を適切に調節するためのアイドル調節弁12が配設されている。
【0014】
燃焼室2においては、吸気通路4との連通部に吸気弁13が、そして排気通路14との連通部に排気弁15が各々設けられており、また所定部に点火プラグ16が配設されている。さらにエンジン1の側壁には冷却水の温度を検知する水温センサ17が設けられている。
【0015】
排気通路14には、空燃比を判断するため排気中の酸素濃度を検知するO2センサ18が設けられており、そのO2センサ18の下流側に、排気浄化のための触媒コンバータ19が配設されている。
【0016】
インジェクタ5に至る燃料通路20は燃料タンク21に連通されているが、その途中に燃料ポンプ22、燃料フィルタ23及び燃料圧力を調節するための燃圧レギュレータ24が、燃料タンク21側から順に配設されている。燃圧レギュレータ24は、ダイヤフラムで内部が二室に隔絶されており、燃料通路20と非接続側の室に、吸気付圧を導入するためのエア通路25が接続されていて、燃料圧力を吸気通路4内の圧力に対して一定差圧に調整し、余った燃料は戻し通路26を通して燃料タンク21へ戻すようになっている。このエア通路25は、スロットル弁8下流の吸気通路4に接続されて開口しており、その途中には燃料圧力を上昇させるため吸気負圧の導入を阻止する燃圧調節弁27が配設されている。
【0017】
各気筒の点火プラグ16はデストリビュータ28を介してイグニッションコイル29の二次側と接続されており、イグニッションコイル29に誘起した高電圧を爆発行程となる気筒の点火プラグ16へ適宜に分配できるようになっている。デストリビュータ28にはデストリビュータ軸の回転を検知する回転センサ30が付設されており、当該検知信号から1のクランク角度及び回転数をコンピユータ31によって検出するようになっている。
【0018】
エンジン1の各部は、CPU,RAM,ROMおよびI/Oポートを備えたコンピュータ31によって適宜に制御されるようになっている。すなわち、コンピュータ31には、その入力側にエアフロメータ6、吸気温度センサ7、スロットル開度センサ9、アイドルスイッチ10、水温センサ17、O2センサ18、回転センサ30および車速を検知する車速センサ32やトランスミッションのギヤ段を検知するギヤ位置センサ33など各種スイッチ・センサ類が接続され、それらの検知信号がエンジン1の運転状態および車両の走行状態等を判断するため取り込まれる一方、出力側にはインジェクタ5、アイドル調節弁12、燃圧制御弁27およびイグニッションコイル29など各種のアクチュエータ類が接続され、それらに対して制御信号が送られるようになっており、燃料噴射および点火時期等の各種のエンジン制御が所定の制御ロジックに従ってなされる。
【0019】
次に本発明の第1の実施の形態を説明する、本実施の形態は、エンジン冷間始動時に吸入空気量によりアイドル回転数をフィードバックする制御装置において、エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、目標アイドル回転数より低く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、点火時期フィードバックの微分項のみを実施する。また、エンジン始動時において、エンジン回転数が目標アイドル回転数より高く、且つ、エンジン始動後所定時間内ならば回転数点火時期フィードバックの微分項+比例項を作動させる。また、エンジン始動後所定時間以上ならば、点火時期フィードバックを終了し、空気量フィードバックを実施する。
【0020】
図2及び図3は、本発明の第1の実施の形態を説明するための図で、図2はタイムチャート、図3はフローチャートである。本実施の形態は図2及び図3に示すように、ステップ301において、エンジン始動後の経過時間を測り、それが所定時間内でない場合はステップ306において空気量によるアイドル回転数フィードバックを実行し、所定時間以内である場合は、ステップ302において、エンジン回転数が所定回転数と同じか、又はそれより高いかを判定する。そしてエンジン回転数が所定回転数より低い場合はなにもせず、高い場合はステップ303において、エンジン回転数が目標アイドル回転数と同じか、又は低いかを判定する。
【0021】
そして、エンジン回転数が目標アイドル回転数より高い場合は、ステップ307において点火フィードバック(微分項+比例項)を実行する。また、ステップ303において、エンジン回転数が目標アイドル回転数と同じか、又は低いと判定された場合は、ステップ304において、エンジン回転数の上昇率が所定値に等しいか、又は高いかを判定し、エンジン回転数の上昇率が所定値より低い場合はなにもせず、エンジン回転数の上昇率が所定値に等しいか、又は高い場合は、ステップ305において点火フィードバック(微分項のみ)を開始する。
【0022】
このように冷間回転数フィードバック制御を行う本第1の実施の形態は、エンジン回転数と目標アイドル回転数との関係に応じて、点火時期フィードバックの微分項と比例項を使い分けることで、エンジン始動時のピーク回転数を低減することができる。これにより、ドラビリの向上、及び軸受及びピストン摺動部等の磨耗の低減が得られる。
【0023】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する、本実施の形態は、エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、次の燃焼気筒の点火を中止し、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままにして、次の点火のタイミングで点火することを特徴としている。
【0024】
図4及び図5は本発明の第2の実施の形態を説明するための図で、図4はタイムチャート、図5はフローチャートである。本実施の形態のアイドル回転数フィードバック制御は図4及び図5に示すように、ステップ501において、エンジン始動後所定時間内であるかどうかを判定し、所定時間内でない場合はなにもせず、所定時間内である場合はステップ502において、エンジン回転数が所定回転数と同じか、又はそれより高いかを判定する。
【0025】
そして、エンジン回転数が所定回転数より低い場合はなにもせず、エンジン回転数が所定回転数より高い場合はステップ503において、エンジン回転数上昇率が所定値と同じか、又は高いかを調べ、所定値より低い場合はなにもせず、所定値より低い場合はステップ504において、次の燃焼気筒の点火を中止すると共に、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままにして、次の点火のタイミングで点火する。
【0026】
このように冷間回転数フィードバック制御を行う本第1の実施の形態はエンジン始動時に点火を1回中止し、次の点火タイミングまで、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままで、膨張、圧縮を行うことで、気筒内の混合気が攪拌され、また燃料が噴射されてから点火までの時間が長くなるので、燃料の気化がよくなり、そのため燃焼が良くなり、エンジン始動時のピーク回転数を低減することができる。これによりドラビリの向上が得られ、且つ軸受及びピストン摺動部等の摺動部の磨耗を低減することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明に依れば、エンジン始動時の点火時期制御により、エンジン始動時のピーク回転数を低減することで、エンジン始動時のドラビリを向上させることができる。また、エンジン始動過程で、ある気筒について、混合気の1回目の圧縮行程では点火せず、2回目の圧縮行程で点火を行うことにより、始動時のピーク回転数を下げ、ドラビリを向上すると共に、軸受及びピストン摺動部等の磨耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の制御装置の好適な実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態を説明するためのタイムチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明するためのタイムチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図6】従来の内燃機関のアイドル時吸気量及び点火時期を制御して回転数を一定に保つ装置の1例を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン
2…燃焼室
3…エアクリーナ
4…吸気通路
5…インジェクタ
6…エアフロメ−タ
7…吸気温度センサ
8…スロットル弁
9…スロットル開度センサ
10…アイドルスイッチ
11…バイパス通路
12…アイドル調節弁
13…吸気弁
14…排気通路
15…排気弁
16…点火プラグ
17…水温センサ
18…O2センサ
19…触媒コンバータ
20…燃料通路
21…燃料タンク
22…燃料ポンプ
23…燃料フィルタ
24…圧力レギュレータ
25…エア通路
26…戻し通路
27…燃圧調整弁
28…デストリビュータ
29…イグニッションコイル
30…回転センサ
31…コンピュータ
32…車速センサ
33…ギヤ位置センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関する。詳しくは、エンジン冷間始動時のピーク回転数を下げて、不快な振動を抑制すると共に、摺動部の潤滑不足による磨耗を防止した内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関のアイドル時吸気量及び点火時期を制御して回転数を一定に保つ装置としては、図6に示すようなものがある。これは同図に示すように、エンジン100の電子制御ユニット(ECU)101はエンジン始動時に回転数に応じてエンジンの電子スロットル弁102の開度を調節してエンジン回転数を目標回転数に制御する吸気量目標回転数制御と、機関点火時期を調節してエンジン回転数を目標回転数に制御する点火時期回転数制御を行うものである。
【0003】
そして、ECU101は、エンジン始動操作(クランキング)開始時からのエンジン吸入空気量の積算値を算出し、この積算値がスロットル弁102の下流側の吸気通路103の容積に到達したときに上記回転数制御を開始する。これにより、始動時にスロットル弁102の下流側の吸気通路に貯溜されていた空気がエンジン100に吸入されることによる回転数の急上昇が終了した時点から回転数制御を開始することができるため、短期間でエンジン回転数を目標回転数に収束させることができるというものである。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開2001−905811号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の制御方法では、エンジン始動時にはアクセルを閉じた状態で始動しても、エンジン回転数が目標アイドル回転数よりも高い回転数まで上昇し、ドラビリ上好ましくないという問題があった。また、潤滑油が行き渡る前に高い回転数まで上昇することで各摺動部が磨耗し、好ましくないという問題があった。この原因は、エンジン始動時にはアクセルを閉じた状態で始動しても、スロットル下流の吸気系容積に存在する空気がエンジンに吸入されることにより、エンジン回転数が目標アイドル回転数よりも高い回転数まで上昇するためである。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、エンジン始動時のピーク回転数を下げることにより、エンジン始動時の不快な振動を抑制し、且つ、軸受、ピストン摺動部等の摺動部の磨耗の低減を可能にした内燃機関の制御装置を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1は、エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、目標アイドル回転数より低く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、点火時期フィードバックの微分項のみを実施することを特徴とする。また、請求項2は、エンジン始動時において、エンジン回転数が目標アイドル回転数より高く、且つ、エンジン始動後所定時間内ならば回転数点火時期フィードバックの微分項+比例項を作動させることを特徴とする。また、請求項3は、請求項1又は2において、エンジン始動後所定時間以上ならば、点火時期フィードバックを終了し、空気量フィードバックを実施することを特徴とする。
【0008】
この構成を採ることにより、エンジン回転数と目標アイドル回転数との関係に応じて、点火時期フィードバックの微分項と比例項を使い分けることで、エンジン始動時のピーク回転数を低減することができる。これにより、ドラビリの向上が得られ、また、軸受、ピストン摺動部等磨耗を低減することができる。
【0009】
また、請求項4は、エンジン始動時に、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、次の燃焼気筒の点火を中止し、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままにして、次の点火のタイミングで点火することを特徴とする。
【0010】
この構成を採ることにより、エンジン始動時に点火を1回中止し、次の点火タイミングまで、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままで、膨張、圧縮を行うことで、気筒内の混合気が攪拌され、また燃料が噴射されてから点火までの時間が長くなるので、エンジン始動時のピーク回転数を低減することができる。これによりドラビリの向上が得られ、また、軸受、ピストン摺動部等磨耗を低減することができる。また、燃料の気化がよくなるため、燃焼が良くなり、HCの排出が低減され、重質燃料の影響を受けにくくなるという効果もある。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る内燃機関の制御装置の好適な実施形態を示す構成図である。同図は燃料噴射および点火時期等の制御を行う制御装置に本発明を適用した実施形態を示している。
【0012】
このエンジン1は、燃料噴射を行うインジェクタ5を備えていわゆる燃料噴射式であり、インジェクタ5は燃焼室2とエアクリーナ3とを連通している吸気通路4に設けられている。このインジェクタ5には燃料通路20が接続されており、燃料を吸気通路4内に噴射するので吸気と混合し、その霧化燃料が燃焼室2に導かれる。
【0013】
吸気通路4には、エアクリーナ3を介して吸入される吸気の流量を検知するエアフロメータ6、吸気の温度を検知する吸気温度センサ7、吸気の流量を適宜に調節するためのスロットル弁8及びインジェクタ5が、エアクリーナ3側から順に設けられている。スロットル弁8には、その開度を検知するスロットル開度センサ9及びそれが全開か否かを検知するアイドルスイッチ10とが付設されている。また吸気通路4にはスロットル弁8を迂回するバイパス通路11が設けられており、そのバイパス通路11に、アイドル回転時の吸気量を適切に調節するためのアイドル調節弁12が配設されている。
【0014】
燃焼室2においては、吸気通路4との連通部に吸気弁13が、そして排気通路14との連通部に排気弁15が各々設けられており、また所定部に点火プラグ16が配設されている。さらにエンジン1の側壁には冷却水の温度を検知する水温センサ17が設けられている。
【0015】
排気通路14には、空燃比を判断するため排気中の酸素濃度を検知するO2センサ18が設けられており、そのO2センサ18の下流側に、排気浄化のための触媒コンバータ19が配設されている。
【0016】
インジェクタ5に至る燃料通路20は燃料タンク21に連通されているが、その途中に燃料ポンプ22、燃料フィルタ23及び燃料圧力を調節するための燃圧レギュレータ24が、燃料タンク21側から順に配設されている。燃圧レギュレータ24は、ダイヤフラムで内部が二室に隔絶されており、燃料通路20と非接続側の室に、吸気付圧を導入するためのエア通路25が接続されていて、燃料圧力を吸気通路4内の圧力に対して一定差圧に調整し、余った燃料は戻し通路26を通して燃料タンク21へ戻すようになっている。このエア通路25は、スロットル弁8下流の吸気通路4に接続されて開口しており、その途中には燃料圧力を上昇させるため吸気負圧の導入を阻止する燃圧調節弁27が配設されている。
【0017】
各気筒の点火プラグ16はデストリビュータ28を介してイグニッションコイル29の二次側と接続されており、イグニッションコイル29に誘起した高電圧を爆発行程となる気筒の点火プラグ16へ適宜に分配できるようになっている。デストリビュータ28にはデストリビュータ軸の回転を検知する回転センサ30が付設されており、当該検知信号から1のクランク角度及び回転数をコンピユータ31によって検出するようになっている。
【0018】
エンジン1の各部は、CPU,RAM,ROMおよびI/Oポートを備えたコンピュータ31によって適宜に制御されるようになっている。すなわち、コンピュータ31には、その入力側にエアフロメータ6、吸気温度センサ7、スロットル開度センサ9、アイドルスイッチ10、水温センサ17、O2センサ18、回転センサ30および車速を検知する車速センサ32やトランスミッションのギヤ段を検知するギヤ位置センサ33など各種スイッチ・センサ類が接続され、それらの検知信号がエンジン1の運転状態および車両の走行状態等を判断するため取り込まれる一方、出力側にはインジェクタ5、アイドル調節弁12、燃圧制御弁27およびイグニッションコイル29など各種のアクチュエータ類が接続され、それらに対して制御信号が送られるようになっており、燃料噴射および点火時期等の各種のエンジン制御が所定の制御ロジックに従ってなされる。
【0019】
次に本発明の第1の実施の形態を説明する、本実施の形態は、エンジン冷間始動時に吸入空気量によりアイドル回転数をフィードバックする制御装置において、エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、目標アイドル回転数より低く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、点火時期フィードバックの微分項のみを実施する。また、エンジン始動時において、エンジン回転数が目標アイドル回転数より高く、且つ、エンジン始動後所定時間内ならば回転数点火時期フィードバックの微分項+比例項を作動させる。また、エンジン始動後所定時間以上ならば、点火時期フィードバックを終了し、空気量フィードバックを実施する。
【0020】
図2及び図3は、本発明の第1の実施の形態を説明するための図で、図2はタイムチャート、図3はフローチャートである。本実施の形態は図2及び図3に示すように、ステップ301において、エンジン始動後の経過時間を測り、それが所定時間内でない場合はステップ306において空気量によるアイドル回転数フィードバックを実行し、所定時間以内である場合は、ステップ302において、エンジン回転数が所定回転数と同じか、又はそれより高いかを判定する。そしてエンジン回転数が所定回転数より低い場合はなにもせず、高い場合はステップ303において、エンジン回転数が目標アイドル回転数と同じか、又は低いかを判定する。
【0021】
そして、エンジン回転数が目標アイドル回転数より高い場合は、ステップ307において点火フィードバック(微分項+比例項)を実行する。また、ステップ303において、エンジン回転数が目標アイドル回転数と同じか、又は低いと判定された場合は、ステップ304において、エンジン回転数の上昇率が所定値に等しいか、又は高いかを判定し、エンジン回転数の上昇率が所定値より低い場合はなにもせず、エンジン回転数の上昇率が所定値に等しいか、又は高い場合は、ステップ305において点火フィードバック(微分項のみ)を開始する。
【0022】
このように冷間回転数フィードバック制御を行う本第1の実施の形態は、エンジン回転数と目標アイドル回転数との関係に応じて、点火時期フィードバックの微分項と比例項を使い分けることで、エンジン始動時のピーク回転数を低減することができる。これにより、ドラビリの向上、及び軸受及びピストン摺動部等の磨耗の低減が得られる。
【0023】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する、本実施の形態は、エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、次の燃焼気筒の点火を中止し、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままにして、次の点火のタイミングで点火することを特徴としている。
【0024】
図4及び図5は本発明の第2の実施の形態を説明するための図で、図4はタイムチャート、図5はフローチャートである。本実施の形態のアイドル回転数フィードバック制御は図4及び図5に示すように、ステップ501において、エンジン始動後所定時間内であるかどうかを判定し、所定時間内でない場合はなにもせず、所定時間内である場合はステップ502において、エンジン回転数が所定回転数と同じか、又はそれより高いかを判定する。
【0025】
そして、エンジン回転数が所定回転数より低い場合はなにもせず、エンジン回転数が所定回転数より高い場合はステップ503において、エンジン回転数上昇率が所定値と同じか、又は高いかを調べ、所定値より低い場合はなにもせず、所定値より低い場合はステップ504において、次の燃焼気筒の点火を中止すると共に、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままにして、次の点火のタイミングで点火する。
【0026】
このように冷間回転数フィードバック制御を行う本第1の実施の形態はエンジン始動時に点火を1回中止し、次の点火タイミングまで、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままで、膨張、圧縮を行うことで、気筒内の混合気が攪拌され、また燃料が噴射されてから点火までの時間が長くなるので、燃料の気化がよくなり、そのため燃焼が良くなり、エンジン始動時のピーク回転数を低減することができる。これによりドラビリの向上が得られ、且つ軸受及びピストン摺動部等の摺動部の磨耗を低減することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明に依れば、エンジン始動時の点火時期制御により、エンジン始動時のピーク回転数を低減することで、エンジン始動時のドラビリを向上させることができる。また、エンジン始動過程で、ある気筒について、混合気の1回目の圧縮行程では点火せず、2回目の圧縮行程で点火を行うことにより、始動時のピーク回転数を下げ、ドラビリを向上すると共に、軸受及びピストン摺動部等の磨耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の制御装置の好適な実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態を説明するためのタイムチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明するためのタイムチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図6】従来の内燃機関のアイドル時吸気量及び点火時期を制御して回転数を一定に保つ装置の1例を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン
2…燃焼室
3…エアクリーナ
4…吸気通路
5…インジェクタ
6…エアフロメ−タ
7…吸気温度センサ
8…スロットル弁
9…スロットル開度センサ
10…アイドルスイッチ
11…バイパス通路
12…アイドル調節弁
13…吸気弁
14…排気通路
15…排気弁
16…点火プラグ
17…水温センサ
18…O2センサ
19…触媒コンバータ
20…燃料通路
21…燃料タンク
22…燃料ポンプ
23…燃料フィルタ
24…圧力レギュレータ
25…エア通路
26…戻し通路
27…燃圧調整弁
28…デストリビュータ
29…イグニッションコイル
30…回転センサ
31…コンピュータ
32…車速センサ
33…ギヤ位置センサ
Claims (4)
- エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、目標アイドル回転数より低く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、点火時期フィードバックの微分項のみを実施することを特徴とする内燃機関の制御装置。
- エンジン始動時において、エンジン回転数が目標アイドル回転数より高く、且つ、エンジン始動後所定時間内ならば回転数点火時期フィードバックの微分項+比例項を作動させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
- エンジン始動後所定時間以上ならば、点火時期フィードバックを終了し、空気量フィードバックを実施することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
- エンジン始動時において、エンジン回転数が所定回転数より高く、且つ、エンジン回転数上昇率が所定値以上ならば、次の燃焼気筒の点火を中止し、吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままにして、次の点火のタイミングで点火することを特徴とする内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002268748A JP2004108172A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002268748A JP2004108172A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004108172A true JP2004108172A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32266886
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008196316A (ja) * | 2007-02-08 | 2008-08-28 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の始動制御装置 |
JP2011208646A (ja) * | 2011-07-26 | 2011-10-20 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の始動制御装置 |
JP2013256892A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Mitsubishi Motors Corp | 内燃機関の運転制御装置 |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002268748A patent/JP2004108172A/ja not_active Withdrawn
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