JP2004107610A - エポキシ基を含有するポリウレタン樹脂 - Google Patents

エポキシ基を含有するポリウレタン樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、特に燃焼時の溶融滴下を大幅に改良したポリウレタン樹脂を提供すること。
【解決手段】ポリイソシアネートに水酸基とエポキシ基を有するエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ基含有ウレタンプレポリマーとポリオールを主要成分とするポリウレタン樹脂において、該エポキシ化合物中のエポキシ基の量をEとし、ポリイソシアネートの原料に使用されるイソシアネート化合物のイソシアネート基が水酸基との反応により生成されるウレタン基の量をUとした場合、E/U=0.05乃至0.7(当量比)の範囲にあるエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、特に燃焼時の溶融滴下を大幅に改良したエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン樹脂は、成形体、泡状物、或いはフイルムとして幅広い用途に用いられている価値の高い素材である。しかしながら、ポリウレタン樹脂の共通の欠点として、ポリウレタン樹脂の骨格を形成するウレタン結合が熱解離しやすいため、200℃以上の高温に晒した場合には、骨格を形成するウレタン結合が熱解離して、ウレタン樹脂の物性を大幅に劣化してしまう。また、燃焼時、溶融滴下するため、建築材料として使用することにも制限がある。
【0003】
この燃焼時の溶融滴下を解決する方法として、特公昭52−7478号公報には、ポリオキシアルキレンポリオールにエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させてえられるグラフト重合体(以下、ポリマーポリオールと略称する。)とポリオキシアルキレンポリオールとの混合物にエポキシ化合物を加え、有機イソシアネート化合物の存在下で硬化させた硬化物が開示されている。
この発明は、ポリマーポリオールを使用することでエポキシ化合物との相溶性を高めることにあるが、ポリマーポリオールそのものの粘度がかなり高く、これにエポキシ化合物を加えるとさらに粘度が高くなる。このためポリオキシアルキレンポリオールを併用するが、ポリオキシアルキレンポリオールの使用量が多くなるとエポキシ化合物との相溶性が悪くなるため、あまり多く用いることができない。このため、エポキシ化合物、ポリマーポリオール、さらにポリオキシアルキレンポリオールからなる組成物は、一般に使用されているポリオキシアルキレンポリオールに比較してかなり粘度が高くなり取り扱いが困難である。さらには、高粘性のため、他の充填材を併用することが難しく、汎用的に使用されることがなく、長らくこの技術は放置されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、通常のポリウレタン樹脂と同様の作業性を有し、耐熱性、特に燃焼時の溶融滴下を大幅に改良したポリウレタン樹脂を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、イソシアネート化合物に水酸基とエポキシ基を有するエポキシ化合物を用いて製造されたプレポリマーは、従来のウレタン樹脂用のプレポリマーと同様の作業性があること。またこのプレポリマーと公知のウレタンの原料であるポリオールとは相溶性がよいこと。さらに、ウレタン樹脂の耐熱性を改善させるには、エポキシ基をウレタン樹脂中に未反応の状態で内在させ、このエポキシ基がウレタン樹脂を構成するウレタン基に対して一定の比率で存在するときに効果的であることを見つけ、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、ポリイソシアネートに水酸基とエポキシ基を有するエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ基含有ウレタンプレポリマーとポリオールを主要成分とするポリウレタン樹脂において、該エポキシ化合物中のエポキシ基の量をEとし、ポリイソシアネートの原料に使用されるイソシアネート化合物のイソシアネート基が水酸基との反応により生成されるウレタン基の量をUとした場合、E/U=0.05乃至0.7(当量比)の範囲になることを特徴とするエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂である。
尚、末端にイソシアネート基を含有するウレタン化合物にエポキシ基とヒドロキシル基を有する化合物を反応させたエポキシ化合物は特開昭60−260619号公報、特開平5−32758号公報に開示されている。しかし、このエポキシ化合物は、さらにこれにエポキシ樹脂用の硬化剤を配合して、該エポキシ基を反応させて熱安定性の良好な硬化被膜を得るものであり、硬化物にはエポキシ基が内在しない点において、本発明とは構成を異にしている。
【0007】
本発明に使用できるポリイソシアネート化合物としては、1分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物または該イソシアネート化合物に2個以上の活性水素を有する化合物を反応させてえられる分子末端にイソシアネート基を有する化合物(以下、プレポリマーと略称する。)が使用される。イソシアネート化合物としては、2.4−トルエンジイソシアネート(2.4−TDI)、2.6−トルエンジイソシアネート(2.6−TDI)、2.4−TDIと2.6−TDIとの混合物、例えばTDI−80(2.4−TDI/2.6−TDI=80/20)、TDI−65(2.4−TDI/2.6−TDI=65/35)、粗製トルエンジイソシアネート(粗製TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(,2,2’−MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート液状変性物、ポリメチレンフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1.5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1.3.6−ヘキサメチレントリイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、1.3ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン4,4’ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’イソプロピリデンジシクロヘキシルイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3.5.5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、およびこれらのイソシアネートの一部をカルボジイミド変性、ビュレット変性、さらに二量化、三量化したものである。これらのポリイソシアネート化合物は1種または2種以上混合して用いられる。
【0008】
また、プレポリマーは、上記のイソシアネート化合物と2個以上の活性水素を有する化合物、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン類、プロパノールアミン等のアルカノールアミン類、レゾルシン、ビスフェノール等の多価フェノール類、さらにこれらの活性水素を有する化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を1種もしくは2種以上を付加重合させた化合物であるポリエーテルポリオール、さらには、ポリエステルポリオール、ポリエステルジオール、ポリエステルエーテルジオール等を用い、NCO基/活性水素基との当量比が、1.5〜20の範囲で製造されるイソシアネート当量が100〜3000のものが一般的である。
【0009】
分子内に水酸基とエポキシ基を有するエポキシ化合物(以下、水酸基含有エポキシ化合物と略称する。)とは、エポキシ化合物1分子内に1乃至数個の水酸基と1乃至3個のエポキシ基を有する化合物であり、好ましくは、分子量が74から3000のものが使用される。例えば、ジフェニロールプロパン、ジフェニロールエタン、ジフェニロールメタン、ジフェニロールスルフォン、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、フェノール類とホルムアルデヒドとの縮合物である各種のノボラック或いはレゾール等を原料として製造されるグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂であって、分子内に1個以上の水酸基と1個以上のエポキシ基を有するもの、或いは、グリシドール、グリセリンジグリシジルエーテルのような多価アルコールにグリシジルエーテル基とヒドロキシル基を含むもの、さらには、3,4エポキシシクロヘキシルメタノールのように、炭素原子5〜6個からなる脂環式エポキシ化合物にヒドロキシル基を有するもの等が使用される。中でも、油化シェルエポキシ(株)商品名、グレード834、1001、1002、グリシドールが好適であり、これらは1種或いは1種以上併用して用いることができる。
【0010】
上記のポリイソシアネートに水酸基含有エポキシ化合物を反応させてエポキシ基含有ウレタンプレポリマーをえる。この反応は、エポキシ基とイソシアネート基とが反応しない条件で行う。通常、室温から100℃以下の温度、好ましくは室温から70℃程度の条件、窒素雰囲気下で反応させる。上記の温度範囲では、エポキシ基はイソシアネート基と反応しないため、エポキシ基は、そのまま分子内に未反応の状態で残り、エポキシ基含有ウレタンプレポリマーとなる。この反応には、必要に応じてウレタン結合のための公知の触媒を併用してもよいが、一般的には無触媒での反応が推奨される。また反応に際しては、原料である水酸基含有エポキシ化合物の含水量は0.1重量%以下に管理されていることが好ましい。
【0011】
次いで、このエポキシ基含有ウレタンプレポリマーにポリオールを用いてウレタン樹脂を得ることができる。
このウレタン樹脂の製造に使用されるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルジオール、ポリエステルエーテルジオール等が挙げられるが、中でもポリエーテルポリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオールは、前記した2個以上の活性水素を有する化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を1種もしくは2種以上を付加重合させて得られるポリオキシアルキレンポリオール、該ポリオキシアルキレンポリオールにエチレン性不飽和化合物をグラフと重合させたポリマーポリオール、さらには、該ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基の一部をジカルボン酸化合物やモノオキシカルボン酸化合物によりエステル化された化合物等を総称するが、中でもポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、これらのポリオールは通常平均分子量が200〜8000、好ましくは500〜5000のものが用いられる。
エポキシ基含有プレポリマーに対するポリオールの使用割合は、エポキシ基含有プレポリマー中のNCO基に対し、ポリオール中のヒドロキシル基が0.90〜1.1当量比、好ましくは、0.94〜1.0当量比の範囲で使用される。
【0012】
本発明におけるポリウレタン樹脂中には、エポキシ基が未反応の状態で内在するが、この場合ポリイソシアネートに対する水酸基含有エポキシ化合物の使用量は、該水酸基含有エポキシ化合物中のエポキシ基の量をEとし、ポリイソシアネートの原料に使用されるイソシアネート化合物のイソシアネート基が水酸基との反応により生成されるウレタン基の量をUとした場合、E/U=0.05乃至0.7(当量比)、好ましくは0.08乃至0.4(当量比)の範囲になる量を使用して製造される。上記の範囲を外れた場合、例えば、当量比が0.05以下では耐熱性に効果がなく、また0.7倍以上になると硬化物が脆くなり好ましくない。
ここにポリイソシアネートの原料に使用されるイソシアネート化合物のイソシアネート基が水酸基との反応により生成されるウレタン基の量は、該イソシアネート化合物中のイソシアネート基と水酸基含有エポキシ化合物中の水酸基及びポリオール中の水酸基、さらにポリイソシアネートがプレポリマーである場合には、プレポリマー製造時に使用される水酸基、以上各段階で生成されるウレタン結合の総和を意味する。
ウレタン樹脂中に内在するエポキシ基が、如何なる理由で耐熱性を付与させるかについては、確かなる証拠はないが、おそらくは、200℃以上になるとウレタン樹脂中のウレタン結合が熱解離しイソシアネート基を副生させ、この結合点から溶融が開始し滴下する。しかし、この際副生したイソシアネート基が内在するエポキシ基と反応し、耐熱性のあるオキサドリドンが生成するためと考えられる。
【0013】
上記の該エポキシ基含有プレポリマーとポリオールを主要成分とするウレタン樹脂には、触媒として通常公知のウレタン用触媒が使用できるが、特にオクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、酢酸錫、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリド、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等の有機金属触媒が好ましい。触媒は、1種または2種以上が使用され、使用量はエポキシ基含有プレポリマーとポリオールの総量を100重量部とした場合、0.0001〜10重量部である。
【0014】
この他に所望する用途が、泡状物の場合は、上記のウレタン樹脂と触媒に加えて、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロエタン、ペンタン、n−ヘキサン等の公知の発砲剤、有機ケイ素界面活性剤等の整泡剤、さらにその他の助剤を用いて公知の方法により製造できる。また、目地材には、上記のウレタン樹脂と触媒に、炭カル、タルク、クレー、無水ケイ酸(ホワイトカーボン)、カーボン、瀝青物、松脂等の充填材あるいはトリクレジルホスフェート、トリフェニルのような難燃剤のような各種添加剤を加えて、公知の方法により製造できる。この他、接着用組成物、フイルム等にも利用することができる。
【0015】
【実施例】
以下に、本実施例において使用されたポリイソシアネート及び水酸基含有エポキシ化合物、エポキシ基含有ウレタンプレポリマーの製造例、さらに実施例について詳述する。尚、各原料、製造例、実施例、参考例に示す部は重量部を示す。
1. ポリイソシアネート
ポリイソシアネートA
80/20のTDI87部(1当量)にプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加させた水酸基価55のポリオキシプロピレンジオール102部(0.1当量)を加え、窒素気流下、70℃で2時間反応させてえられた分子末端にイソシアネートを有する化合物。
このポリイソシアネートA189部には、ウレタン結合0.1当量、イソシアネート基0.9当量が含有されている。
ポリイソシアネートB
ジフェニルメタンジイソシアネート液状変性物(住友バイエルウレタン社製44V10(平均官能基数2.6)(NCO当量144)をポリイソシアネートBとして使用。
ポリイソシアネートC
キシリレンジイソシアネート(NCO当量94)をポリイソシアネートCとして使用。
【0016】
2.水酸基含有エポキシ化合物
水酸基含有エポキシ化合物A
ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)商品名エピコートEPON1001(OH当量450、エポキシ当量450、分子量900)。
水酸基含有エポキシ化合物B
ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)商品名エピコートEPON834(OH当量660、エポキシ当量298、分子量596)
水酸基含有エポキシ化合物C
グリシドール(OH当量74、エポキシ当量74、分子量74)
【0017】
3.エポキシ基含有ウレタンプレポリマー
製造例1
水酸基含有エポキシ化合物A90部にポリイソシアネートA210部を加え、70℃で2時間反応させてエポキシ基含有プレポリマーA300部をえた。このエポキシ基含有プレポリマーA300部には、エポキシ基が0.2当量、ウレタン結合が0.31当量、イソシアネート基が0.8当量、それぞれ含有されている。
【0018】
製造例2
水酸基含有エポキシ化合物A135部にポリイソシアネートA210部を加え、70℃で2時間反応させてエポキシ基含有プレポリマーB345部をえた。このエポキシ基含有プレポリマーB345部には、エポキシ基が0.3当量、ウレタン結合が0.41当量含有されている。
【0019】
製造例3
ジフェニルメタンジイソシアネート液状変性物(住友バイエルウレタン社製44V10(平均官能基数2.6)144部にグリシドール7.4部を加え、70℃で2時間反応させてエポキシ基含有プレポリマーC151.4部をえた。このエポキシ基含有プレポリマーC151.4部には、エポキシ基が0.1当量、ウレタン結合が0.1当量含有されている。
【0020】
製造例4
キシリレンジイソシアネート94部にビスフェノールタイプのエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)商品名エピコートEPON834)33部を加え、70℃で2時間反応させてエポキシ基含有プレポリマーD127部をえた。このエポキシ基含有プレポリマーD127部には、エポキシ基が0.95当量、ウレタン結合が0.05当量含有されている。
【0021】
製造例5
水酸基含有エポキシ化合物A13.5部にポリイソシアネートA210部を加え、70℃で2時間反応させてエポキシ基含有プレポリマーE223.5部をえた。このエポキシ基含有プレポリマーE223.5部には、エポキシ基は0.03当量、ウレタン結合が0.13当量含有されている。
【0022】
4.エポキシ基を含有するポリウレタン樹脂
実施例1
エポキシ基含有プレポリマーA300部にポリオールA(水酸基価55のポリオキシプロピレントリオール2モルと水酸基価55のポリオキシプロピレンジオール3モルとの混合物)775部とオクタン酸鉛20gを加えた混合液を、周囲に100μの厚みを有するフイルムで囲ったガラス板上に流し込んだ後、80℃で30分間加熱してウレタン樹脂フイルムAをえた。
このウレタン樹脂フイルムA中のウレタン結合数の総和は、エポキシ基含有プレポリマーA中のウレタン基が0.31当量、これにポリオールの水酸基0.76当量に相当するウレタン基が生成されているから、総ウレタン基Uは1.07当量であり、エポキシ基は、0.20当量であるから、E/U≒0.2である。
【0023】
実施例2
エポキシ基含有プレポリマーB345部にポリオールA683部、オクタン酸鉛20gを加え、実施例1と同様にしてウレタン樹脂フイルムBをえた。
このウレタン樹脂フイルムB中のウレタン結合数の総和は、エポキシ基含有プレポリマーA中のウレタン基が0.41当量、これにポリオールの水酸基0.67当量に相当するウレタン基が生成されているから、総ウレタン基Uは1.08当量であり、エポキシ基Eは、0.3当量であるから、E/U≒0.3である。
【0024】
実施例3
エポキシ基含有プレポリマーC151.4部にポリオールA877部、オクタン酸鉛20部を加え、実施例1と同様にしてウレタン樹脂フイルムCをえた。
このウレタン樹脂フイルムC中のウレタン結合数の総和は、エポキシ基含有プレポリマーA中のウレタン基が0.1当量、これにポリオールの水酸基0.86当量に相当するウレタン基が生成されているから、総ウレタン基Uは0.96当量であり、エポキシ基は、0.1当量であるから、E/U≒0.10である。
【0025】
実施例4
エポキシ基含有プレポリマーD127部にポリオールA920部、オクタン酸鉛20gを加え、実施例1と同様にしてウレタン樹脂フイルムDをえた。
このウレタン樹脂フイルムD中のウレタン結合数の総和は、エポキシ基含有プレポリマーA中のウレタン基が0.05当量、これにポリオールAの水酸基0.90当量に相当するウレタン基が生成されているから、総ウレタン基Uは0.95当量であり、エポキシ基Eは、0.1当量であるから、E/U≒0.10である。
【0026】
次に、エポキシ基含有プレポリマーAを使用し、E/Uが本発明の範囲外であるもの、さらにエポキシ基含有プレポリマーを使用しない場合を参考例1及び2として加えた。
参考例1
エポキシ基含有プレポリマーE223.5部にポリオールA938部とオクタン酸鉛20gを加えた混合液を、周囲を100μの厚みを有するフイルムで囲ったガラス板上に流し込んだ後、80℃で30分間加熱してウレタン樹脂フイルムEをえた。
このウレタン樹脂フイルムE中のウレタン結合数の総和は、エポキシ基含有プレポリマーA中のウレタン基が0.13当量、これにポリオールの水酸基0.92当量に相当するウレタン基が生成されているから、総ウレタン基Uは1.05当量であり、エポキシ基は、0.03当量であるから、E/U≒0.03である。
【0027】
参考例2
ポリイソシアネートA210部にポリオールA970部、オクタン酸鉛20gを加え、実施例1と同様にしてウレタン樹脂フイルムFをえた。
このウレタン樹脂フイルムF中のE/U=0である。
以上の実施例1〜4及び参考例1〜2で得られた各フイルムは、下記に記載する試験方法により、[表1]の試験結果をえた。
【0028】
フイルムの物性試験方法:
(1)常態試験
JIS−K6301による伸び(%)と抗張力(Kg/cm)。
(2)耐熱試験
各試験片を200℃のオーブン中に2分間放置させた後の試験片の形状を下記の判定を基準として、肉眼により判定する。
フイルムの形状が変型している        ×
フイルムの形状が一部変型している      △
フイルムの形状が変型していない       ○
(3)耐熱水試験
各試験片を100℃の熱水に2時間浸漬した後の強度をJIS−K6301による伸び(%)と抗張力(Kg/cm)。
(4)燃焼時の溶融滴下試験
1×10×100mmの試験片を垂直にし、下部より小火を近づけ燃焼させ、燃焼時の溶融滴下を下記の評価により判定する。
通常のウレタン樹脂の溶融滴下状況を            1
一般の熱硬化樹脂のように溶融滴下しないもの        5
とし、通常のウレタン樹脂に比較して、多少の改善が認められるものから、かなりの改善がみとめられるもの迄、2、3、4の3水準に区分けした。
【0029】
【表1】
Figure 2004107610
また、上記の実施例1〜4のエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂は、参考例1〜2のポリウレタン樹脂に比較して、硬化初期の粘性は殆ど変わらず、作業性は略同等であり、各種の充填材の配合が可能であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によるエポキシ基を含有するウレタン樹脂は、従来のものに比べて、溶融滴下が大きく改善されている。さらに耐熱性、耐熱水性においては、E/Uの値が大きくなると、耐熱性、耐熱水性が良くなっており、ウレタン樹脂中に存在するエポキシ基が大きく寄与していることが示唆される。また、エポキシ基含有プレポリマーとポリオールとの混合液の粘性は、作業性がよく、従来のウレタン樹脂と同じように使用できる。

Claims (5)

  1. ポリイソシアネートに水酸基とエポキシ基を有するエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ基含有ウレタンプレポリマーとポリオールを主要成分とするポリウレタン樹脂において、該エポキシ化合物中のエポキシ基の量をEとし、ポリイソシアネートの原料に使用されるイソシアネート化合物のイソシアネート基が水酸基との反応により生成されるウレタン基の量をUとした場合、E/U=0.05乃至0.7(当量比)の範囲にあることを特徴とするエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂。
  2. ポリオールがポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1記載のエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂。
  3. ポリエーテルポリオールがポリオキシアルキレンポリオールであることを特徴とする請求項2記載のエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂。
  4. ポリイソシアネートに水酸基とエポキシ基を有するエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ基含有ウレタンプレポリマーが室温から100℃迄の温度領域で得らたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載するエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂。
  5. エポキシ化合物中のエポキシ基の量をEとし、ポリイソシアネートの原料に使用されるイソシアネート化合物のイソシアネート基が水酸基との反応により生成されるウレタン基の量をUとした場合、E/U=0.08乃至0.4(当量比)の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載するエポキシ基を含有するポリウレタン樹脂。
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