JP2004106500A - プリンタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体ユニット39に対して移動ユニット43が移動自在に設けられているプリンタ1の用紙ジャム検知部5を本体ユニット39側に設ける。この用紙ジャム検知部5を、印字部4とカッタ部6との間であって本体ユニット39と移動ユニット43とを固定する固定機構57を操作するための開閉レバー60が移動するための空間内に配置する。用紙ジャム検知部5を開閉レバー60と一体となって移動するようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙に印字し、印字後にその用紙を切断するプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロール状に巻回された用紙を被印字媒体として使用し、印字がなされた用紙を適宜任意の位置で切断して使用するプリンタがある。
【0003】
このようなプリンタの一例としては、例えばPOS(Point Of Sales:販売時点管理)端末やECR(Electric Cash Register)などの商品販売登録データ処理装置に内蔵され、売上登録処理における取引内容を明確にするために所定事項を印字したレシートを発行するレシートプリンタがある。
【0004】
レシートは、取引内容に応じて発行されるため、一般的にレシートの長さは発行される毎に異なる。このため、レシートプリンタでは、所定事項を印字した用紙を必要に応じてカッタ部により切断して使用することで、必要な長さの用紙だけを無駄なく使用するようにしている。
【0005】
このような、従来のレシートプリンタを図10に基づいて説明する。レシートプリンタ100は、用紙101を収納保持する用紙収納部102、回転駆動されるプラテン103とこのプラテン103に対向する印字ヘッド104とを有する印字部105、用紙ジャム検知部106、固定刃107とこの固定刃107に対向し固定刃107に対して互いの刃部を摺動させるようにして回転駆動される可動刃108とを有するカッタ部であるロータリカッタ109などから構成されている。
【0006】
用紙収納部102、プラテン103、可動刃108は、下フレーム110に取り付けられて、本体ユニット111を構成している。一方、印字ヘッド104、用紙ジャム検知部106、固定刃107は、上フレーム112に取り付けられて移動ユニット113を構成している。上フレーム112は、支持軸114により下フレーム110に回動自在に連結されており、これにより、移動ユニット113が本体ユニット111に対して開閉するように構成されている。そして、レシートプリンタ100には、移動ユニット113が本体ユニット111に対して閉じられた状態で、用紙収納部102を始点として印字部105、用紙ジャム検知部106を経由してロータリカッタ109に至る搬送経路115が形成される。
【0007】
レシートプリンタ100には、移動ユニット113を本体ユニット111に対して閉じた状態で移動ユニット113と本体ユニット111とを固定するする図示しない固定機構が設けられている。
【0008】
ここで、用紙ジャム検知部106は、上フレーム112に取り付けられて搬送経路115で発生する用紙101のジャムを検知する。
【0009】
このようなレシートプリンタ100で、印字を行なうには、移動ユニット113を開けて、搬送経路115を開放させ、用紙収納部102に用紙101を収納する。そして、その用紙101をプラテン103と印字ヘッド104との間、固定刃107と可動刃108との間に引き出して用紙101をセットし、その後、移動ユニット113を閉じてプラテン103と印字ヘッド104とに用紙101を狭持させる。そして、プラテン103を回転駆動することにより用紙収納部102に保持されている用紙101が引き出されて搬送され、その搬送過程で印字ヘッド104により用紙101に所定事項が印字され、印字後の用紙101がロータリカッタ109により切断されレシートとして発行される。
【0010】
このレシートプリンタ100では、移動ユニット113を本体ユニット111に対して開閉させて、搬送経路115を開放することができるので、プラテン103と印字ヘッド104との間及び固定刃107と可動刃108との間への用紙101のセットやそれらの間での用紙101のジャム処理を容易に行うことができるとされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このようなレシートプリンタ100では、搬送経路115を開放するために、移動ユニット113を本体ユニット111に対して移動させる操作を行なうので、移動ユニット113は軽量のものが望まれている。
【0012】
また、このようなレシートプリンタ100は、POS端末やECRなどに内蔵されるため外形寸法に規制があり、レシートプリンタ100は、その外形寸法の規制をクリアする必要がある。
【0013】
本発明の目的は、本体ユニットに対して移動可能な移動ユニットの軽量化を図り、かつ、省スペース化を図ることにより本体ユニットの大型化を防止することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリンタは、本体ユニットに設けられたフック部と、前記本体ユニットに対して移動自在である移動ユニットに設けられ前記フック部が係脱自在な係合部とを有し、前記フック部が前記係合部に係合することにより前記移動ユニットを前記本体ユニットに固定する固定機構と、前記固定機構により固定された前記本体ユニットと前記移動ユニットとの間に形成され用紙が搬送される搬送経路と、前記移動ユニットに設けられたプラテンと、前記本体ユニットに設けられ前記プラテンに対向する印字ヘッドと、を有する印字部と、前記本体ユニットと前記移動ユニットとのいずれか一方に設けられた固定刃と、前記本体ユニットと前記移動ユニットとのいずれか他方に設けられた可動刃とを有し、前記印字部よりも用紙搬送方向下流側に配置されたカッタ部と、前記本体ユニットに設けられ、前記搬送経路に対して空間をあけて配置され少なくとも一部が前記印字ヘッドの前記搬送経路側とは反対側に対向し、前記フック部に連設され前記空間内を前記搬送経路に近接離反するように移動することにより前記フック部を前記係合部に対して係脱させる開閉レバーと、前記本体ユニットに設けられ、前記印字ヘッドと前記開閉レバーとの間に配置され、前記印字ヘッドを前記プラテンへ向けて付勢し、前記開閉レバーを前記搬送経路から離反する方向へ付勢する付勢部材と、前記本体ユニットに設けられ、前記印字部と前記カッタ部との間に配置され、少なくとも一部が前記開閉レバーと前記搬送経路との間の前記空間に位置し、前記搬送経路における用紙のジャムを検知し、前記開閉レバーと一体となって移動する用紙ジャム検知部と、を備える。
【0015】
したがって、用紙ジャム検知部が本体ユニットに設けられているので、移動ユニットが軽量化される。また、用紙ジャム検知部は、印字部とカッタ部との間であって、開閉レバーがフック部を係合部に対して係脱させるために搬送経路に対して近接離反するように移動するための空間に配置されているので、スペースの有効利用がなされており、これにより、用紙ジャム検知部を配置するためだけのスペースの省スペース化が図られている。用紙ジャム検知部は、開閉レバーと一体となって移動するので、開閉レバーの移動を妨げることがない。また、付勢部材が印字ヘッドをプラテンへ向けて付勢する機能と、開閉レバーを搬送経路から離反する方向へ付勢する機能とを兼ね備えているので、例えば、それらの機能毎に付勢部材を備えた場合に比べ省スペース化が図られている。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。本実施の形態は、POS端末やECRなどに内蔵されるレシートプリンタへの適用例である。
【0017】
図1は本実施の形態のレシートプリンタを示す縦断左側面図、図2はレシートプリンタを示す左側面図である、図3はレシートプリンタを示す右側面図、図4は可動刃と回動軸とを示す斜視図、図5は可動刃を取り付けた状態の回動軸を示す平面図である。
【0018】
レシートプリンタ1は、図1に示すように、フレーム2、用紙収納部3、印字部4、用紙ジャム検知部5及びカッタ部6などから構成されている。レシートプリンタ1には、用紙収納部3を始点として印字部4及び用紙ジャム検知部5を経由しカッタ部6へ至る搬送経路7が形成されている。用紙収納部3は、円弧状に形成され、ロール状に巻回された長尺状の用紙8を収納保持する。
【0019】
フレーム2は、下フレーム9と、この下フレーム9を構成する本体フレーム10に対して支持軸11によって回動自在に取り付けられた上フレーム12とから構成されている。
【0020】
印字部4は、プラテン13とこのプラテン13に対向する印字ヘッドであるサーマルヘッド14などから構成されている。プラテン13は、用紙8の裏面を支持するプラテン本体15とこのプラテン本体15の両端から延出して形成された係合部である支持軸16とから構成されている。プラテン13の一端側の支持軸16には、図2に示すように、ギヤ17が取り付けられており、プラテン13は、ギヤ17とギヤ17に噛合うギヤ列18を介して図示しないモータにより回転駆動される。サーマルヘッド14は、図1に示すように、平板形状のヘッド保持部材19に着脱自在な締結部材であるネジ19aによりヘッド保持部材19に固定されている。このヘッド保持部材19は、支点20を中心としてプラテン13に近接離反する方向に回動自在に設けられており、後述するフック部材59との間に設けられ圧縮バネとして機能するコイルバネ21によってプラテン13に向けて付勢されている。これによりサーマルヘッド14がプラテン13に当接する。そして、印字部4では、プラテン13とサーマルヘッド14との間に介在された用紙8にサーマルヘッド14によって印字がなされる。また、プラテン13がモータにより回転駆動されることにより用紙8が搬送経路7に沿って搬送される。ここで、印字部4は用紙8を搬送する搬送部としても機能する。
【0021】
印字部4よりも用紙搬送方向下流側に配置されたカッタ部6は、共に略平板状の固定刃22と可動刃23とを組み合わせてなり、非稼動時には両刃22,23の刃部22a,23aが離間した分離型構造とされている。これらの固定刃22と可動刃23とは、平行位置から僅かに傾斜して位置決めされており、それらの刃部22a,23aが鋏のように噛み合う。つまり、カッタ部6は、固定刃22と可動刃23とを噛み合わせることにより、搬送経路7を搬送される用紙8を切断する構造のロータリカッタである。
【0022】
図3ないし図5に示すように、このようなカッタ部6の可動刃23は、ステッピングモータ(図示せず)を駆動源とし、起動信号に基づいて起動したステッピングモータからの駆動力を受けて支点24を中心に揺動するカッタアーム25を動力伝達媒体として駆動される。つまり、ギヤ列26を介してステッピングモータにより回転駆動される板カム27が設けられ、カッタアーム25はその板カム27を原動節とするカム機構を構成するように従動節として板カム27に連結されている。したがって、カッタアーム25が所定位置から所定量回動することにより、その先端に固定された可動刃保持部である回動軸28に取り付けられた可動刃23が回動駆動され、固定刃22と可動刃23とが噛み合うことになる。
【0023】
可動刃23は、回動軸28に着脱自在とされている。回動軸28は、弾性を有する樹脂製であって棒状に形成され、その軸心方向をプラテン13の軸心方向と平行とされている。回動軸28の両端部には、下ユニットフレーム36に回動自在に支持される支持部29a,29bが形成されている。これらの両支持部29a,29bの間に、可動刃23を着脱自在に保持する可動刃保持部30が形成されている。具体的には、回動軸28は両支持部29a,29bの間では、断面が半円形状に形成されており、これにより両支持部29a,29bの間に平面31が形成されている。この平面31の両端部であって両支持部29a,29bの内側には、可動刃23の両端部が摺動自在に嵌合可能な溝29c,29dがそれぞれ形成されている。これらの溝29c,29dは、嵌合した可動刃23が回動軸28の軸心方向から僅かに傾斜するように形成されている。平面31の下端部の両端部には溝29c,29dに挿入された可動刃23の下端を支持して位置決めする位置決め部32が形成されている。
【0024】
印字部4とカッタ部6との間に配置された用紙ジャム検知部5は、搬送経路7に沿って配置された移動体であるペーパーセレクトガイド33、このペーパーセレクトガイド33に連結された弾性部材であるコイルバネ34及びセンサ35などから構成されている。この用紙ジャム検知部5では、印字部4とカッタ部6との間の搬送経路7においてジャムが発生した場合に、ペーパーセレクトガイド33の支持面33aが用紙8により押されることにより、ペーパーセレクトガイド33がコイルバネ34を縮ませながら移動しセンサ35のスイッチ部35aを押すことにより、センサ35がペーパーセレクトガイド33の搬送経路7からの退きを検知することにより用紙ジャムを検知する構成である。用紙8のジャムが取り除かれた場合には、ペーパーセレクトガイド33は、コイルバネ34の復元力により初期位置に戻される。このような用紙ジャム検知部5の各部の取付構造は、後述する。
【0025】
図6は上ユニットと本体ユニットの下ユニットとを分離させた状態で示す縦断左側面、図7は上ユニットと本体ユニットの下ユニットとを連結した状態を示す斜視図、図8は上フレーム12に対する上ユニットの取付構造を示す縦断正面図、図9はサーマルヘッド14及びフック部材の取り付け構造を示す縦断左側面図である。
【0026】
図1、図6及び図7に示すように、上述した、サーマルヘッド14、可動刃23、支点24、カッタアーム25、ギヤ列26、板カム27及びギヤ列18などは、下フレーム9を構成する下ユニットフレーム36に設けられており、これらによって下ユニット37が構成されている。この下ユニット37は、下ユニットフレーム36が下フレーム9にネジ38によりネジ止めされており、これにより、本体ユニット39が構成されている。また、下フレーム9には、用紙収納部3が設けられている。一方、プラテン13及び固定刃22は、下ユニットフレーム36とは独立して設けられた下側開口のコの字形状の上ユニットフレーム40に設けられており、これらによって上ユニット41が構成されている。この上ユニット41は、図8に示すように、上フレーム12の下面42に移動自在に取り付けられており、これにより移動ユニット43が構成されている。なお、可動刃23を駆動するモータ及びプラテン13を駆動するモータは下ユニットフレーム36に取り付けられている。ここで、図7では、ギヤ17及びギヤ列18が省略されている。
【0027】
上ユニット41の上フレーム12への取付構造を図8に基づいて説明する。上ユニットフレーム40の上壁40aには、2つの孔44が形成されている。一方、上フレーム12の下面42には、先端に平板状の支持部45が形成された2つの支持軸46が形成されている。この支持軸46の径は上ユニットフレーム40の孔44よりも小さく設定され、支持軸46の先端の支持部45の径は上ユニットフレーム40の孔44よりも大きく設定され、支持軸46の長さは上ユニットフレーム40の板厚よりも長く設定されている。そして、上ユニットフレーム40の孔44に支持軸46が挿通されている。これにより、上ユニットフレーム40が上フレーム12に対して移動自在に保持される。
【0028】
このような上ユニット41は、連結機構47により本体ユニット39の下ユニット37に対して着脱自在とされている。
【0029】
連結機構47は、上ユニット41の上ユニットフレーム40に取り付けられた連結軸48及びプラテン13と、下ユニット37の下ユニットフレーム36に形成され連結軸48が嵌合可能な溝49と、下ユニット37の下ユニットフレーム36に形成されプラテン13の両端部が嵌合可能な溝50とから構成されている。
【0030】
連結軸48は、その軸心方向が用紙幅方向となるプラテン13の軸心方向と平行とされプラテン13よりも用紙搬送方向上流側に設けられている。溝49は、下ユニットフレーム36の両側壁51a,51bに上下方向に形成され上部が開口されている。溝50は、下ユニットフレーム36の両側壁51a,51bの内側に立設された一対の内壁52a,52bに上下方向に形成され上部が開口されている。そして、連結軸48及びプラテン13が溝49,50に嵌合することにより上ユニット41が下ユニット37に対して位置決めされて、上ユニット41と下ユニット37とが連結される。この状態では、上ユニット41の下ユニット37に対する回動が規制される。そして、この連結状態では、プラテン13とサーマルヘッド14とが対向し、プラテン13に取り付けられたギヤ17がギヤ列18に噛合う(図2参照)。また、可動刃23と固定刃22とが用紙8を切断可能な位置に位置付けられる。
【0031】
下ユニットフレーム36に形成された一対の内壁52a,52bの間隔は、上ユニットフレーム40の両側壁53a,53bの間隔よりも狭く設定されており、上ユニット41を下ユニット37に連結する際に上ユニットフレーム40の両側壁53a,53bの間に下ユニットフレーム36の一対の内壁52a,52bを挿入することにより、上ユニット41の下ユニット37に対する左右方向の位置がガイドされる。
【0032】
レシートプリンタ1には、連結機構47によって本体ユニット39に連結された移動ユニット43を固定する固定機構57が設けられている。具体的には、図9に示すように、下ユニット37には、溝50に嵌合したプラテン13の係合部としての両支持軸16にそれぞれ係脱自在である2つのフック部58が形成されたフック部材59が設けられている。このフック部材59は、フック部58とこのフック部58に一体に連設された平板状の開閉レバー60とから構成されている。フック部材59は、支点20を中心としてフック部58がプラテン13の両支持軸16に係脱する方向に回動自在とされている。開閉レバー60は、搬送経路7に対して空間Sをあけて配置されヘッド保持部材19の搬送経路7側とは反対側に対向しており、この開閉レバー60が空間S内を搬送経路7に近接離反するように移動することによりフック部58をプラテン13の両支持軸16に対して係脱させることが可能とされている。このフック部材59は、ヘッド保持部材19との間に設けられたコイルバネ21によってプラテン13の両支持軸16を係合する方向(図9中の矢印Aの方向)に付勢されており、プラテン13の両支持軸16に係合したフック部58のその係合は、コイルバネ21の付勢力により維持される。
【0033】
フック部58には、上ユニット41が下ユニット37に取り付けられる際にプラテン13の両支持軸16に当接しつつその干渉をフック部材59の回動作用で逃すための傾斜部58aと、上ユニット41が下ユニット37から取り外される際にプラテン13の両支持軸16に当接しつつその干渉をフック部材59の回動作用で逃すための傾斜部58bとが形成されている。そして、上ユニット41が下ユニット37に連結される際には、プラテン13の両支持軸16に対するフック部材59の干渉がコイルバネ21の付勢力に抗してのフック部材59の回動動作によって逃がされながら、最終的にはプラテン13の両支持軸16にフック部58が係合し、上ユニット41が下ユニット37に対して固定される。これにより、移動ユニット43が本体ユニット39に対して固定されることとなる。また、上ユニット41が下ユニット37から取り外される際には、プラテン13の両支持軸16に対するフック部材59の干渉がコイルバネ21の付勢力に抗してのフック部材59の回動動作によって逃がされながら、最終的にはプラテン13の両支持軸16とフック部58との係合が解除され、上ユニット41を下ユニット37から取り外すことが可能となり、移動ユニット43を本体ユニット39に対して回動させることが可能となる。
【0034】
ここで、上ユニット41が本体ユニット39の下ユニット37に連結されていない状態では、コイルバネ21に付勢されているフック部材59とヘッド保持部材19とは、下ユニットフレーム36に形成された位置決め面61,62にそれぞれ当接して位置決めされている。
【0035】
次に、用紙ジャム検知部5の取り付け構造を図6に基づいて説明する。用紙ジャム検知部5は、用紙搬送方向において、サーマルヘッド14と可動刃23との間に配置されている。ペーパーセレクトガイド33は、空間S内に配置され、その両端に形成された図示しない突部が下ユニットフレーム36の両側壁51a,51bに搬送経路に対して近接離反する方向に形成された図示しない溝にスライド自在に嵌合しており、これにより搬送経路7に対して進退自在とされている。このペーパーセレクトガイド33の支持面33a側とは反対側の端部は、コイルバネ34により支持されている。このコイルバネ34は、搬送経路7に対する進退方向に弾性を有しており、フック部材59の開閉レバー60に支持されている。センサ35は、スイッチ部35aがペーパーセレクトガイド33の支持面33a側とは反対側の端部に対向するようにフック部材59の開閉レバー60の上端部に固定されている。そして、この用紙ジャム検知部5は、本体ユニット39を構成している。
【0036】
ここで、搬送経路7にジャムが発生していない状態では、ペーパーセレクトガイド33の支持面33aは、搬送経路7を形成し、搬送される用紙8を支持する。このときのペーパーセレクトガイド33の位置が初期位置とされている。ペーパーセレクトガイド33が初期位置にあるときには、コイルバネ34は変形しておらず、ペーパーセレクトガイド33に力を及ぼしていない。そして、フック部材59の開閉レバー60が搬送経路7に近接離反するように移動する際には、用紙ジャム検知部5は、開閉レバー60と一体となって搬送経路7に近接離反するように移動する。
【0037】
このような構成において、レシートプリンタ1に用紙8をセットするには、まず、搬送経路7を開放させる。具体的には、開閉レバー60を解除方向(図8中に矢印Bで示す方向)に回動させることにより固定機構57による移動ユニット43と本体ユニット39との固定を解除し、移動ユニット43を本体ユニット39に対して離反する方向へ回動させる。これにより、連結機構47の連結が解除され、移動ユニット43の上ユニット41が本体ユニット39の下ユニット37から取り外される。この状態で、用紙8を用紙収納部3に収納して、用紙8を可動刃23よりも用紙搬送方向下流側に引き出し、移動ユニット43を本体ユニット39に対して近接する方向に回動させる。これにより、移動ユニット43の上ユニット41が本体ユニット39の下ユニット37に連結されて固定される。そして、このように移動ユニット43の上ユニット41と本体ユニット39の下ユニット37とが連結固定されることにより、用紙8が、サーマルヘッド14とプラテン13との間及び固定刃22と可動刃23との間に通された状態となる。
【0038】
このように、本実施の形態では、移動ユニット43が回動されることにより上ユニット41が本体ユニット39の下ユニット37に対して着脱され、これにより、印字部4やカッタ部が分割されて搬送経路7が開放されるので、レシートプリンタ1への用紙8のセットを簡単に行なうことができる。
【0039】
固定機構57による移動ユニット43と本体ユニット39との固定を解除する際には、開閉レバー60が搬送経路7に近接する方向に移動するが、このとき、開閉レバー60と搬送経路7との間の空間Sに配置された用紙ジャム検知部5は、開閉レバー60と一体となって移動するので、開閉レバー60の移動を妨げることがない。
【0040】
ここで、例えば、上フレーム12と下フレーム9との取付部などの製造バラツキや経時変化などにより上フレーム12と下フレーム9との位置関係にずれが生じた場合でも、上ユニット41が上フレーム12に移動自在に取り付けられていることにより、上ユニット41を本体ユニット39の下ユニット37に確実に取り付けることができ、これにより、プラテン13とサーマルヘッド14とを相対的に正確に位置決めすることができるとともに、固定刃22と可動刃23とを相対的に正確に位置決めすることができる。
【0041】
印字の際には、用紙収納部3に収納保持された用紙8はプラテン13による搬送駆動を受けて搬送経路7中を印字部4及びカッタ部6に向けて搬送されながら、サーマルヘッド14により所定のレシート印字内容が順次印字される。印字が終了すると、用紙8の後端側がカッタ部6における可動刃23の駆動により切断され、切断された用紙8はレシートとして発行される。
【0042】
ここで、例えば、オペレータが誤ってカッタ部6の用紙搬送方向下流側を手などで塞いでしまった場合には、カッタ部6からプリンタの外部へ搬送される用紙8が進まなくなり、これによりカッタ部6と印字部4との間で用紙ジャムが発生することがあるが、このような場合には、用紙ジャム検知部5が用紙8のジャムを検知する。
【0043】
このようにしてジャムが発生した場合には、上述した用紙8のセットと同様の手順で移動ユニット43の上ユニット41を本体ユニット39の下ユニット37から取り外すことにより、搬送経路7が開放されるので、用紙8のジャム処理を簡単に行なうことができる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態では、用紙ジャム検知部5が本体ユニット39に設けられているので、用紙ジャム検知部106が移動ユニット113に設けられている従来のレシートプリンタ100に比べて、移動ユニット43を軽量化することができる。
【0045】
ここで、このようなレシートプリンタ1において電力が入力される電力入力部(図示せず)は、本体ユニット39に設けられているが、サーマルヘッド14、センサ35、可動刃23を駆動するモータ及びプラテン13を駆動するモータが本体ユニット39側に設けられているので、例えばそれらのうちの一つでも移動ユニット43側に設けられた場合に比べて、それらに接続される電気線の配設が簡単である。
【0046】
また、用紙ジャム検知部5は、印字部4とカッタ部6との間であって、開閉レバー60がフック部58をプラテン13の両支持軸16に対して係脱させるために搬送経路7に対して近接離反するように移動するための空間Sに配置されているので、スペースの有効利用がなされており、これにより用紙ジャム検知部5を配置するためだけのスペースの省スペース化が図られている。また、コイルバネ21がサーマルヘッド14をプラテン13へ向けて付勢する機能と、開閉レバー60を搬送経路7から離反させる方向へ付勢する機能とを兼ね備えているので、例えば、それらの機能毎にコイルバネを設けた場合に比べ省スペース化が図られており、これらにより本体ユニット39の大型化が防止されている。
【0047】
なお、本実施の形態では、固定刃22を上ユニット41に設け、可動刃23を本体ユニット39の下ユニット37に設けた例を説明したが、これに限るものではなく、それらを逆のユニット37,41に取り付けてもよい。
【0048】
また、本実施の形態では、上ユニット41を保持する上フレーム12を設けた例を説明したが、これに限るものではなく、上フレーム12を設けずに、本体ユニット39と上ユニット41とによりレシートプリンタ1を構成してもよい。このときには、上ユニット41が本体ユニット39に着脱自在(移動自在)な移動ユニットとして機能する。このとき、例えば従来のレシートプリンタ100のように用紙ジャム検知部5を移動ユニット側に設けたとすると、移動ユニットである上ユニット41を本体ユニット39から取り外したときに、センサ35の電気線が本体ユニット39と上ユニット41とを繋いだ状態となってしまい上ユニット41の着脱性が悪くなってしまうなどの問題が考えられるが、本実施の形態では、センサ35が本体ユニット39側に設けられているので、そのような問題が発生することがなく、上ユニット41の着脱性がよい。
【0049】
このように本実施の形態においては、用紙ジャム検知部5は、搬送経路7に沿って配置され搬送経路7に対して進退自在な移動体であるペーパーセレクトガイド33と、開閉レバー60に支持され用紙搬送方向への進退方向に弾性を有しペーパーセレクトガイド33に連結された弾性部材であるコイルバネ34と、ペーパーセレクトガイド33の搬送経路7からの退きを検知するセンサ35と、を備えることにより、簡単な構成で用紙ジャム検知部5を構成することができる。
【0050】
また、本実施の形態においては、移動体であるペーパーセレクトガイド33は、搬送経路7を搬送される用紙8を支持する支持面33aを有することにより、用紙8が安定して搬送される。また、例えば、このような用紙8を支持する支持面33aを持つ部材をペーパーセレクトガイド33とは独立して本体ユニット39に設けた場合に比べて、省スペース化が図られており、本体ユニット39の大型化が防止されている。
【0051】
また、本実施の形態においては、印字ヘッドであるサーマルヘッド14を保持するヘッド保持部材19と、ヘッド保持部材19に着脱自在でありサーマルヘッド14をヘッド保持部材19に固定する締結部材であるネジ19aと、を備え、付勢部材であるコイルバネ21は、ヘッド保持部材19を付勢することによりサーマルヘッド14を付勢するので、ネジ19aをヘッド保持部材19から外すことによって、サーマルヘッド14だけをプリンタであるレシートプリンタ1から簡単に取り外すことができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明のプリンタによれば、用紙ジャム検知部が本体ユニットに設けられているので、移動ユニットを軽量化することができる。また、用紙ジャム検知部は、印字部とカッタ部との間であって、開閉レバーがフック部を係合部に対して係脱させるために搬送経路に対して近接離反するように移動するための空間に配置されているので、スペースの有効利用がなされており、これにより用紙ジャム検知部を配置するためだけのスペースの省スペース化が図られ、また、付勢部材が印字ヘッドをプラテンへ向けて付勢する機能と、開閉レバーを搬送経路から離反させる方向へ付勢する機能とを兼ね備えているので、例えば、それらの機能毎に付勢部材を備えた場合に比べ省スペース化が図られており、これらにより本体ユニットの大型化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のレシートプリンタを示す縦断左側面図である。
【図2】レシートプリンタを示す左側面図である。
【図3】レシートプリンタを示す右側面図である。
【図4】可動刃と回動軸とを示す斜視図である。
【図5】可動刃を取り付けた状態の回動軸を示す平面図である。
【図6】上ユニットと本体ユニットの下ユニットとを分離させた状態で示す縦断左側面である。
【図7】上ユニットと本体ユニットの下ユニットとを連結させた状態で示す斜視図である。
【図8】上フレームに対する上ユニットの取付構造を示す縦断正面図である。
【図9】サーマルヘッド及びフック部材の取り付け構造を示す縦断左側面図である。
【図10】従来のプリンタを示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1…レシートプリンタ(プリンタ)、4…印字部、5…用紙ジャム検知部、6…カッタ部、7…搬送経路、13…プラテン、14…サーマルヘッド(印字ヘッド)、16…支持軸(係合部)、19…ヘッド保持部材、19a…ネジ(締結部材)、21…コイルバネ(付勢部材)、22…固定刃、23…可動刃、33…ペーパーセレクトガイド(移動体)、33a…支持面、34…コイルバネ(弾性部材)、35…センサ、39…本体ユニット、43…移動ユニット、57…固定機構、58…フック部、60…開閉レバー、S…空間
Claims (4)
- 本体ユニットに設けられたフック部と、前記本体ユニットに対して移動自在である移動ユニットに設けられ前記フック部が係脱自在な係合部とを有し、前記フック部が前記係合部に係合することにより前記移動ユニットを前記本体ユニットに固定する固定機構と、
前記固定機構により固定された前記本体ユニットと前記移動ユニットとの間に形成され用紙が搬送される搬送経路と、
前記移動ユニットに設けられたプラテンと、前記本体ユニットに設けられ前記プラテンに対向する印字ヘッドと、を有する印字部と、
前記本体ユニットと前記移動ユニットとのいずれか一方に設けられた固定刃と、前記本体ユニットと前記移動ユニットとのいずれか他方に設けられた可動刃とを有し、前記印字部よりも用紙搬送方向下流側に配置されたカッタ部と、
前記本体ユニットに設けられ、前記搬送経路に対して空間をあけて配置され少なくとも一部が前記印字ヘッドの前記搬送経路側とは反対側に対向し、前記フック部に連設され前記空間内を前記搬送経路に近接離反するように移動することにより前記フック部を前記係合部に対して係脱させる開閉レバーと、
前記本体ユニットに設けられ、前記印字ヘッドと前記開閉レバーとの間に配置され、前記印字ヘッドを前記プラテンへ向けて付勢し、前記開閉レバーを前記搬送経路から離反する方向へ付勢する付勢部材と、
前記本体ユニットに設けられ、前記印字部と前記カッタ部との間に配置され、少なくとも一部が前記開閉レバーと前記搬送経路との間の前記空間に位置し、前記搬送経路における用紙のジャムを検知し、前記開閉レバーと一体となって移動する用紙ジャム検知部と、
を備えるプリンタ。 - 前記用紙ジャム検知部は、
前記搬送経路に沿って配置され前記搬送経路に対して進退自在な移動体と、
前記開閉レバーに支持され用紙搬送方向への進退方向に弾性を有し前記移動体に連結された弾性部材と、
前記移動体の前記用紙搬送路からの退きを検知するセンサと、
を備える請求項1記載のプリンタ。 - 前記移動体は、前記搬送経路を搬送される前記用紙を支持する支持面を有する請求項2記載のプリンタ。
- 前記印字ヘッドを保持するヘッド保持部材と、
前記ヘッド保持部材に着脱自在であり前記印字ヘッドを前記ヘッド保持部材に固定する締結部材と、
を備え、
前記付勢部材は、前記ヘッド保持部材を付勢することにより前記印字ヘッドを付勢する請求項1,2又は3記載のプリンタ。
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