JP2004106448A - Method for electrochemical surface-roughening treatment for substrate for lithographic printing plate, producing method comprising it, and substrate obtained by them - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法およびそれを含む製造方法、ならびに、それらにより得られる平版印刷版用支持体に関する。特に、アルミニウム板表面に形成される凹凸構造の均一性が高く電解処理効率が良い平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法およびそれを含む平版印刷版用支持体の製造方法、ならびに、それらにより得られる、平版印刷版としたときの耐刷性および耐汚れ性に優れる平版印刷版用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金板を支持体とする感光性平版印刷版はオフセット印刷に幅広く使用されている。この平版印刷版は平版印刷版原版を製版して得られる。
平版印刷版原版は、一般に、アルミニウム合金板の表面の一方または両方に粗面化処理を行い、感光液を塗布し乾燥して感光層を形成することによって得られる。
平版印刷版原版は画像露光、現像、水洗等の処理を経て平版印刷版とされる。画像露光の方法としては、画像を焼き付けたリスフィルムを平版印刷版原版に密着させて光を当てることで画像部と非画像部との違いを設ける方法、レーザを用いたり画像を投影したりすることにより平版印刷版原版に直接画像部または非画像部を書き込み画像部と非画像部との違いを設ける方法等が挙げられる。現像においては、ポジ型の平版印刷版原版では露光部の感光層が除去され、ネガ型の平版印刷版原版では非露光部の感光層が除去される。ここで、感光層が除去され、平版印刷版用支持体の表面、即ち、アルミニウム合金板表面または陽極酸化皮膜表面が露出した部分は親水性を示す非画像部となり、感光層が除去されずに残った部分は親インキ性(親油性)を示す画像部となる。現像後、必要に応じて、親水化処理、ガム引き、バーニング処理等が行われる。
【0003】
このようにして得られる平版印刷版は、印刷機の版胴に取り付けられ、印刷に供される。印刷においては、平版印刷版の表面にインキと湿し水とが供給される。親油性である平版印刷版の画像部にはインキが付着し、親水性である平版印刷版の非画像部には水が付着する。画像部のインキはブランケット胴に転写された後、更に、紙等の被印刷材に転写され、印刷が完了する。
【0004】
上記のようにして使用される平版印刷版原版に用いられる平版印刷版用支持体には、保水性、耐刷性、耐汚れ性、調子再現性等を向上させることを目的として、表面に均一な凹凸を形成すべく、粗面化処理が行われている。
【0005】
粗面化処理の方法としては、従来、ボールグレイン、ブラシグレイン等の機械的粗面化方法;塩酸、硝酸等を含む電解液を用いてアルミニウム合金板の表面を電解研磨する電気化学的粗面化方法;酸溶液によりアルミニウム合金板の表面をエッチングする化学的粗面化方法等が知られているが、近年では、電気化学的粗面化方法により得られる粗面はピット(凹凸)が均質で、平版印刷版としたときに印刷性能に優れることから、電気化学的粗面化方法により、または、電気化学的粗面化方法と他の粗面化方法とを組み合わせることにより、粗面化処理を行うことが主流になってきている。
【0006】
平版印刷版用支持体の表面に均質なピットを形成させる電気化学的粗面化方法として、例えば、アルミニウム板を電解液中で電解粗面化処理する方法において、電解処理時間の途中に、電解休止時間を少なくとも2回以上設けることを特徴とする平版印刷版用電解粗面化方法(特許文献1参照。)、金属イオンを含む電解処理液中で、金属ウェブと該金属ウェブに対向する電極との間に電流を供給して該金属ウェブに連続的に電気化学的処理を施す平版印刷版用支持体の粗面化処理方法において、電解処理中に1〜20回の処理休止区間を設け、かつ前記電解処理中の1回の処理休止区間の通過時間を1〜30秒にすることを特徴とする平版印刷版用支持体の粗面化処理方法(特許文献2参照。)が挙げられる。
【0007】
他の方法として、例えば、アルミニウムまたはその合金板ウェブを酸性電解液中で搬送させながら連続的に電解処理する際に、全電解工程中で電解処理の進行が速い部分と電解処理の進行が遅いかもしくは停止する部分とが交互に複数回存在するように電解処理する方法において、電解処理の進行が速い部分一工程での電解処理の電気量が平均で100C/dm2 以下であることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法が挙げられる(特許文献3参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平01−242289号公報
【特許文献2】
特開平09−039461号公報
【特許文献3】
特開平10−000869号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、コスト削減、環境への配慮等によりアルミニウムまたはアルミニウム合金板として純度の低いものを用いる場合でも、製造施設の経費削減、ランニングコストの低減等が要求されている。また、印刷機の高性能化、種々の画像記録層の開発等の技術革新等により、印刷枚数が多く(耐刷力の強い)、汚れにくい等の印刷性能により優れる平版印刷版およびそれに用いられる平版印刷版用支持体が要求されるようになっている。
しかし、一般に、印刷性能としての耐汚れ性と耐刷性とはトレードオフの関係にあるため、これら特性の両立は困難であり、特に、上記した印刷性能により優れる平版印刷版およびそれに用いる平版印刷版用支持体が要求されている現状においては、上記方法により得られる平版印刷版用支持体は、このような要求を十分に満足できない場合があった。
【0010】
したがって、本発明は、少ない電気量でピットが効率的に形成でき(低コスト)、耐刷性と耐汚れ性とを高い水準で両立できる平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法およびそれを含む平版印刷版用支持体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、それらの方法により得られる、平版印刷版としたときの耐刷性および耐汚れ性に優れる平版印刷版用支持体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法の条件に注目し、鋭意検討した結果、電解処理の進行が停止または遅くなる部分の時間と回数、および電解処理の進行が速くなる部分の陽極時の電気量等を特定することにより、電気化学的粗面化処理時における電流の局所的な集中を効果的に抑えることができるため、少ない電気量で効率よくピットが形成でき、かつ、均一な砂目形状が形成され平版印刷版としたときの耐刷性と耐汚れ性とを高い水準で両立できることを知見した。
また、本発明者らは、粗面化処理および陽極酸化処理を施して平版印刷版用支持体を得る、平版印刷版用支持体の製造方法において、該粗面化処理を上記の電気化学的粗面化処理(方法)と他の粗面化処理とを組み合わせて行うことにより、平版印刷版としたときの耐刷性および耐汚れ性に優れる平版印刷版用支持体が得られることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。
【0012】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供する。
【0013】
(1)電解処理の進行が速い部分と電解処理の進行が停止または遅くなる部分とを交互に有する、酸性電解液中での電気化学的な粗面化処理を、アルミニウムまたはアルミニウム合金板に施す平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法であって、
1回当たりの時間が0.5秒以下である、前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分を2回以上設け、1回当たりの時間が5秒以上である、前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分を1回以上設け、かつ、アルミニウムまたはアルミニウム合金板表面にかかる、陽極時の総電気量が15〜400C/dm2 であることを特徴とする平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法。
【0014】
ここで、前記酸性電解液は、硝酸および/または塩酸を含む電解液であるのが好ましく、硝酸を含む電解液であるのが特に好ましい。
また、前記1回当たりの時間が0.5秒以下である、前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分の1回当たりの時間は、0.4秒以下が好ましく、0.1秒以上が好ましく、その回数は、2〜60回が好ましい。
更に、前記1回当たりの時間が5秒以上である、前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分の1回当たりの時間は、5秒以上が好ましく、20秒以下が好ましく、その回数は、1〜3回が好ましい。
【0015】
本発明において、電解処理の進行が速い部分とは、主極を構成する小電極に対向しているアルミニウム板部分を指し、電解処理の進行が停止する部分とは、主極を構成する小電極が存在していないまたはスペーサ等に対向している(以下、単に「小電極が存在していない」という。)アルミニウム板部分を指し、電解処理の進行が遅い部分とは、電解処理の進行が停止する部分ではなく、小電極が存在していないアルミニウム板部分であっても近傍の小電極または主極からの漏れ電流が流れる微弱電流により、電解処理の進行が遅くなる部分を指す。
また、前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分の1回当たりの時間とは、上記電解処理の進行が停止または遅くなる部分に対応して設けられた主極の小電極がない部分をアルミニウム板が搬送される時間をいう。
【0016】
(2)前記電解処理の進行が速い部分1回分の陽極時の電気量が平均で15C/dm2 以下であり、かつ、該電解処理の進行が速い部分1回分の陽極時の平均電気量に対する、前記電解処理の進行が速い部分1回分のそれぞれの電気量の比が、0.70〜1.30であることを特徴とする(1)に記載の平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法。
ここで、前記電解処理の進行が速い部分1回分の陽極時の電気量が平均で2〜10C/dm2 であるのが好ましい。
【0017】
(3)1回当たりの時間が5秒以上である前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分により分割される、上記1回当たりの時間が0.5秒以下である上記電解処理の進行が停止または遅くなる部分と上記電解処理の進行が速い部分とからなる電解部分群における陽極時の電気量の総和が15〜250C/dm2 であることを特徴とする(1)または(2)に記載の平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法。
【0018】
(4)前記電解処理の進行が速い部分1回の電流密度が平均で5〜45A/dm2 であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法。
【0019】
(5)アルミニウムまたはアルミニウム合金板に、粗面化処理および陽極酸化処理を施して平版印刷版用支持体を得る、平版印刷版用支持体の製造方法であって、前記粗面化処理が、順に、
1)機械的粗面化処理、化学的エッチング処理および酸性液中でのデスマット処理からなる群より選択される2種以上の処理、および、
2)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電気化学的粗面化処理方法による電気化学的粗面化処理、
を含むことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
ここで、化学的エッチング処理は、アルカリエッチング処理および/または酸性エッチング処理であり、アルカリエッチング処理が好ましい。
【0020】
(6)アルミニウムまたはアルミニウム合金板に、粗面化処理および陽極酸化処理を施して平版印刷版用支持体を得る、平版印刷版用支持体の製造方法であって、前記粗面化処理が、順に、
1)硝酸を含む電解液中での交流電気化学的粗面化処理、
2)化学的エッチング処理、
3)塩酸を含む電解液中での交流電気化学的粗面化処理、および、
4)化学的エッチング処理、
を含み、
前記硝酸を含む電解液中での交流電気化学的粗面化処理および/または前記塩酸を含む電解液中での交流電気化学的粗面化処理が、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電気化学的粗面化処理方法による電気化学的粗面化処理であることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
ここで、前記2)および4)の化学的エッチング処理はアルカリエッチング処理が好ましく、該化学的エッチング処理の後には酸性液中でのデスマット処理を行うのが好ましい。また前記1)の前に機械的粗面化処理を行うのがより好ましく、更に、その後にアルカリエッチング処理および酸性液中でのデスマット処理を行うのが特に好ましい。
【0021】
また、アルミニウム板の溶解量は、上記2)化学的エッチング処理がアルカリエッチング処理であるときは、0.1〜8g/m2 であるのが好ましく、上記4)化学的エッチング処理がアルカリエッチング処理であるときは、0.01〜2g/m2 であるのが好ましい。
【0022】
(7)前記酸性電解液が硝酸を含む電解液である(1)〜(4)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法により、アルミニウムまたはアルミニウム合金板の表面に、平均ピット径が0.5〜3μmで、該ピット径の標準偏差が2.5以下のピットが形成された平版印刷版用支持体。
(8)前記(5)または(6)に記載の平版印刷版用支持体の製造方法により、アルミニウムまたはアルミニウム合金板の表面に、平均ピット径が0.5〜3μmで、該ピット径の標準偏差が2.5以下のピットが形成された平版印刷版用支持体。
【0023】
(9)上記(7)または(8)に記載の平版印刷版用支持体上に画像記録層を設けてなる平版印刷版原版。
【0024】
【発明の実施の形態】
[平版印刷版用支持体およびその製造方法]
<アルミニウム合金板(圧延アルミ)>
本発明に使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金板(本発明において、単に「アルミニウム板」という。)は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分として微量の異元素を含む合金板、またはアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムの中から選ばれる。アルミニウム板に含まれる微量の異元素は、元素周期表に記載されているものの中から選択された、1種以上で、その含量は0.001wt%〜1.5wt%である。該アルミニウム合金に含まれる異元素の代表例には、ケイ素、鉄、ニッケル、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、チタン、バナジウム等がある。通常はアルミニウムハンドブック第4版(1990、軽金属協会)に記載の、従来より公知の素材のもの、例えばJIS A 1050材、JIS A 3103材、JIS A 3005材、JIS A 1100材、JIS A 3004材または引っ張り強度を増す目的でこれらに5wt%以下のマグネシウムを添加した合金を用いることができる。
【0025】
また、本発明に用いるアルミニウム板は、飲料缶等をスクラップして再生した不純物の多く含まれる地金を圧延して得たアルミニウム板も用いることができる。
本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体の電気化学的粗面化処理方法(以下、単に「本発明の電解粗面化処理方法」という。)では、上記微量元素が多く含まれていても、酸性電解液中での電気化学的な粗面化で均一なハニカムピットが生成する。また、本発明の電解粗面化処理方法、および、本発明の電解粗面化処理方法を含む製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」という。)では、Si成分が多く含まれていても、粗面化処理後に陽極酸化処理を施したときに、陽極酸化皮膜の欠陥が発生せず、印刷時に紙が汚れることもない。更に、Cu成分が多く含まれても、ハニカムピットが生成しない部分の面積が少なく外観故障となることもない。
【0026】
本発明の電解粗面化処理方法および製造方法に用いるアルミニウム板は、DC鋳造法から中間焼鈍処理もしくは均熱処理、または、中間焼鈍処理および均熱処理を省略して製造されたアルミニウム板、あるいは、連続鋳造法から中間焼鈍処理を省略して製造されたアルミニウム板を用いてもよい。
【0027】
本発明で用いるアルミニウム板の厚みは0.05〜0.8mm、好ましくは0.1〜0.6mmである。
【0028】
<粗面化処理>
本発明の電解粗面化処理方法および製造方法は、上記アルミニウム板に、酸性電解液中での特定条件下における電気化学的粗面化処理(以下、単に「電解粗面化処理」ともいう。)、好ましくは、該電解粗面化処理を含む粗面化処理を施して平版印刷版用アルミニウム支持体を得る方法であるが、この粗面化処理には更に各種の処理が含まれていてもよい。なお、本発明に用いられる各種の工程においては、その工程に用いられる処理液の中に使用するアルミニウム板の合金成分が溶出するので、処理液はアルミニウム板の合金成分を含有していてもよく、特に、処理前にそれらの合金成分を添加して処理液を定常状態にして用いるのが好ましい。
【0029】
本発明においては、電解粗面化処理の前には、化学的エッチング処理またはデスマット処理を施すのが好ましく、また、化学的エッチング処理と酸性液中でのデスマット処理とをこの順に施すのも好ましい。本発明においては、これらの処理の前に機械的粗面化処理を施すのも好ましい。つまり、粗面化処理として、機械的粗面化処理、化学的エッチング処理および酸性液中でのデスマット処理からなる群より選択される2種以上の処理の後に、電解粗面化処理を行うのが好ましい。
また、電解粗面化処理の後には、化学的エッチング処理または酸性液中でのデスマット処理を施すのが好ましく、また、化学的エッチング処理と酸性液中でのデスマット処理とをこの順に施すのも好ましい。また、電解粗面化処理後の化学的エッチング処理は、省略することもできる。
本発明においては、これらの処理の前に機械的粗面化処理を施すのも好ましい。また、電解粗面化処理を2回以上行ってもよい。また、これらの後に、後述する陽極酸化処理、封孔処理、親水化処理等を施すのも好ましい。
【0030】
特に、粗面化処理が、硝酸を含む電解液(以下、「硝酸電解液」という。)中での電解粗面化処理、化学的エッチング処理および/または酸性液中でのデスマット処理、塩酸を含む電解液(以下、「塩酸電解液」という。)中での電解粗面化処理、化学的エッチング処理および/または酸性液中でのデスマット処理をこの順に含むのは、本発明の好ましい態様の一つであり、上記硝酸電解液の中での電解粗面化処理の前に、化学的エッチング処理および/または酸性液中でのデスマット処理を含むのは、本発明の好ましい態様の一つである。
これらの場合、該粗面化処理の後に行う陽極酸化処理の後に、封孔処理および/または親水化処理を含むのは、本発明の好ましい態様の一つである。また、これらの場合、粗面化処理が、最初の化学的エッチング処理の前に、機械的粗面化処理を含むのは、本発明の好ましい態様の一つである。
本発明では、上記好ましい態様において、少なくとも1回は特定条件下における電解粗面化処理を行えばよい。
本発明において、化学的エッチング処理は、アルカリエッチング処理および/または酸性エッチング処理をいい、いずれか一方の処理を施せばよいが、アルカリエッチング処理が好ましい。
【0031】
以下、機械的粗面化処理、第1化学的エッチング処理、第1デスマット処理、第1電解粗面化処理、第2化学的エッチング処理、第2デスマット処理、第2電解粗面化処理、第3化学的エッチング処理、第3デスマット処理、陽極酸化処理、封孔処理および親水化処理のそれぞれについて、詳細に説明する。なお、本明細書においては、最初に行う電解粗面化処理を第1電解粗面化処理、次に行う電解粗面化処理を第2電解粗面化処理と呼び、第1電解粗面化処理の前に行う処理に「第1」という序数をつけて呼び、第2電解粗面化処理の前に行う処理に「第2」という序数をつけて呼び、第2電解粗面化処理の後に行う処理に「第3」という序数をつけて呼ぶ場合がある。
【0032】
<機械的粗面化処理>
機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理と比較してより安価に、凹凸のある表面を形成することができるため、粗面化処理の手段として有効である。
機械的粗面化処理方法としては、例えば、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、特開平6−135175号公報および特公昭50−40047号公報に記載されているナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法を用いることができる。
また、凹凸面をアルミニウム板に圧接する転写方法を用いることもできる。即ち、特開昭55−74898号、特開昭60−36195号、特開昭60−203496号の各公報に記載されている方法のほか、転写を数回行うことを特徴とする特開平6−55871号公報、表面が弾性であることを特徴とした特願平4−204235号明細書(特開平6−024168号公報)に記載されている方法も適用可能である。
【0033】
また、放電加工、ショットブラスト、レーザー、プラズマエッチング等を用いて、微細な凹凸を食刻した転写ロールを用いて繰り返し転写を行う方法や、微細粒子を塗布した凹凸のある面を、アルミニウム板に接面させ、その上より複数回繰り返し圧力を加え、アルミニウム板に微細粒子の平均直径に相当する凹凸パターンを複数回繰り返し転写させる方法を用いることもできる。転写ロールへ微細な凹凸を付与する方法としては、特開平3−8635号、特開平3−66404号、特開昭63−65017号の各公報等に記載されている公知の方法を用いることができる。また、ロール表面にダイス、バイト、レーザー等を使って2方向から微細な溝を切り、表面に角形の凹凸をつけてもよい。このロール表面には、公知のエッチング処理等を行って、形成させた角形の凹凸が丸みを帯びるような処理を行ってもよい。
また、表面の硬度を上げるために、焼き入れ、ハードクロムメッキ等を行ってもよい。
そのほかにも、機械的粗面化処理としては、特開昭61−162351号公報、特開昭63−104889号公報等に記載されている方法を用いることもできる。
本発明においては、生産性等を考慮して上述したそれぞれの方法を併用することもできる。これらの機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理の前に行うのが好ましい。
【0034】
以下、機械的粗面化処理として好適に用いられるブラシグレイン法について説明する。
機械的粗面化処理は、電解粗面化処理の前に行うのが好ましい。機械的粗面化処理によりアルミニウム板の表面積を増大させ、耐刷性を向上させることができる。
まず、アルミニウム板をブラシグレイニングするに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための脱脂処理、例えば、界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
引き続いて、1種または毛径等が異なる2種以上のブラシを用いて、研磨スラリー液をアルミニウム板の表面に供給しながら、ブラシグレイニングを行う。
【0035】
機械的粗面化処理については、特開平6−135175号公報および特公昭50−40047号公報に詳しく記載されている。前記ブラシグレイニングにおいて最初に用いるブラシを第1ブラシと呼び、最後に用いるブラシを第2ブラシと呼ぶ。前記グレイン時、図5に示すように、アルミニウム板51を挟んでローラ状ブラシ52および54と、それぞれ二本の支持ローラ55、56および57、58とを配置する。二本の支持ローラ55、56および57、58は、互いの外面の最短距離がローラ状ブラシ52および54の外径よりそれぞれ小さくなるように配置され、アルミニウム板51がローラ状ブラシ52および54により加圧され、二本の支持ローラ55、56および57、58の間に押し入れられるような状態でアルミニウム板を一定速度で搬送し、かつ、研磨スラリー液53をアルミニウム板上に供給してローラ状ブラシを回転させることにより表面を研磨するのが好ましい。
【0036】
本発明に用いられるブラシとしては、ローラ状の台部にナイロン、ポリプロピレン、動物毛、スチールワイヤ等のブラシ材を均一な毛長および植毛分布をもって植え込んだもの、台部に小穴を開けてブラシ毛束を植え込んだもの、チャンネルローラ型のもの等が好ましく用いられる。
中でも、好ましい材料はナイロンである。ナイロンとしては、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10等が好適に用いられるが、引張強さ、耐摩耗性、吸水による寸法安定性、曲げ強さ、耐熱性、回復性等の点で、ナイロン6・10であるのが最も好ましい。
毛の断面形状は円であるのが好ましい。好ましい毛径は0.24〜0.83mmであり、より好ましくは0.295〜0.6mmである。毛径が0.24mm未満であるとシャドー部での耐汚れ性が悪くなる場合があり、0.83mmを超えるとブランケット胴の汚れが悪くなる場合がある。
好ましい植毛後の毛長は10〜200mmである。ブラシローラに植え込む際の植毛密度は、1cm2 あたり30〜1000本であるのが好ましく、50〜300本であるのがより好ましい。
【0037】
ブラシの本数は、好ましくは1〜10本であり、より好ましくは1〜6本である。ブラシローラは、特開平6−135175号公報に記載のように毛径の異なるブラシローラを組み合わせてもよい。支持ローラは、ゴムまたは金属面を有し真直度のよく保たれたものが用いられる。
ブラシローラの回転方向は、図5に示すようにアルミニウム板の搬送方向に対して順転で行うのが好ましいが、ブラシローラが多数本の場合は一部のブラシローラを逆転としてもよい。ブラシローラの回転は、100〜500rpmとするのが好ましい。
ブラシの押し込み量は、ブラシの回転駆動モーターの負荷で管理するのが好ましく、回転駆動モータの消費電力が1.0〜15kW、特に2〜10kWとなるように管理するのが好ましい。
【0038】
本発明において、上述した比較的太いブラシで粗面化処理を施した後、より細いブラシで処理することにより、親水性、保水性および密着性(耐刷性)のすべてに優れる平版印刷版用支持体が得られるので好ましい。これは、湿し水が少ない場合のシャドー部のつぶれがないため水幅が広く、地汚れが発生しにくく、更に画像記録層と支持体との密着性の劣化がなくなるためである。
【0039】
本発明に用いられる研磨スラリー液としては、ケイ砂、水酸化アルミニウム、アルミナ粉、火山灰、軽石、カーボランダム、金剛砂等の平均粒子径1〜50μm、好ましくは20〜45μmの研磨剤を、比重1.05〜1.3となるように水に分散させたものが好ましい。ここで、「平均粒子径」とは、スラリー液中に含まれる全研磨剤の体積に対し、各径の粒子の占める割合の累積度数を求めたとき、累積割合が50%となる粒子径をいう。
【0040】
機械的粗面化処理は、処理後の平均粗さ(Ra )が0.3〜1.0μmとなるように施されるのが好ましい。
【0041】
機械的粗面化処理としては、上述したブラシグレイニングのほかに、スラリー液を吹き付ける方式、ワイヤーブラシを用いた方式、凹凸を付けた圧延ロールの表面形状をアルミニウム板に転写する方式等を用いることもできる。その他の方式としては、特開昭55−074898号公報、特開昭61ー162351号公報、特開昭63−104889号公報等に記載されている方法を用いることができる。
【0042】
アルミニウム板に機械的粗面化処理を施した後、アルミニウム板の表面を化学的にエッチングしておくことが好ましい。この化学的エッチング処理は、ブラシグレイニング処理されたアルミニウム板の表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑等を取り除く作用を有し、これにより、その後に施される電解粗面化処理が均一に、かつ、効果的に達成される。
【0043】
(第1化学的エッチング処理)
本発明において、化学的エッチング処理は、アルカリエッチング処理および/または酸性エッチング処理をいい、いずれか一方の処理を施せばよいが、エッチング効率が特に優れている点で、アルカリエッチング処理が好ましい。
以下、アルカリエッチング処理および酸性エッチング処理について説明する。
【0044】
(1)第1アルカリエッチング処理
第1アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、エッチングを行う。第1アルカリエッチング処理は、機械的粗面化処理を行っていない場合には、上記アルミニウム板(圧延アルミ)の表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜を除去することを目的として、また、機械的粗面化処理を行った場合には、機械的粗面化処理によって生成した凹凸のエッジ部分を溶解させ、滑らかなうねりを持つ表面を得ることを目的として行われる。
アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、アルカリ溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。
【0045】
エッチング量は、次の工程で電解粗面化処理を施す面については、1〜15g/m2 であるのが好ましく、電解粗面化処理を施さない面については、0.1〜5g/m2 (電解粗面化処理を施す面の約10〜40%)であるのが好ましい。エッチング量が上記範囲であると、機械的粗面化処理を行っていない場合には、上記アルミニウ金板(圧延アルミ)の表面の圧延油(油脂類)、汚れ、自然酸化皮膜が完全に除去されるため、平版印刷版としたときに、非画像部における保水性に優れ、非画像部にインキが付着して起こる、いわゆるブラン汚れ(ブランケット汚れ)等が生じないので好ましい。また、機械的粗面化処理を行った場合には、機械的粗面化処理によって生成した凹凸のエッジ部分の溶解が十分となる。
【0046】
アルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、カセイアルカリ、アルカリ金属塩が挙げられる。具体的には、カセイアルカリとしては、例えば、カセイソーダ、カセイカリが挙げられる。また、アルカリ金属塩としては、例えば、メタケイ酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩;炭酸ソーダ、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸塩;アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、グルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二リン酸カリ、第三リン酸ソーダ、第三リン酸カリ等のアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。中でも、エッチング速度が速い点および安価である点から、カセイアルカリの溶液、および、カセイアルカリとアルカリ金属アルミン酸塩との両者を含有する溶液が好ましい。特に、カセイソーダの水溶液が好ましい。
【0047】
アルカリ溶液の濃度は、エッチング量に応じて決定することができるが、1〜50質量%であるのが好ましく、10〜35質量%であるのがより好ましい。アルカリ溶液中にアルミニウムイオンが溶解している場合には、アルミニウムイオンの濃度は、0.01〜10質量%であるのが好ましく、3〜8質量%であるのがより好ましい。アルカリ溶液の温度は20〜90℃であるのが好ましい。処理時間は1〜120秒であるのが好ましい。エッチング処理の量は、1〜15g/m2 溶解するのが好ましく、3〜12g/m2 溶解するのがより好ましい。
第1アルカリエッチング処理は、アルミニウム板のエッチング処理に通常用いられるエッチング槽を用いて行うことができる。エッチング槽としては、バッチ式および連続式のいずれも用いることができる。また、アルカリ溶液をアルミニウム板の表面に噴きかけて第1アルカリエッチング処理を行う場合は、スプレー装置を用いることができる。
【0048】
(2)第1酸性エッチング処理
酸性エッチング処理は、酸性水溶液中でアルミニウム板を化学的にエッチングする処理である。
後述する電解粗面化処理の前および/または後に上記アルカリエッチング処理を行う場合は、アルカリエッチング処理の後に酸性エッチング処理を行うのも好ましい。
アルミニウム板に上記アルカリエッチング処理を施した後に、酸性エッチング処理を施すと、アルミニウム板表面のシリカを含む金属間化合物または単体Siを除去することができ、その後の陽極酸化処理において生成する陽極酸化皮膜の欠陥をなくすことができる。その結果、印刷時にチリ状汚れと称される非画像部に点状のインクが付着するトラブルを防止することができる。
【0049】
酸性エッチング処理に用いられる酸性水溶液としては、リン酸、硝酸、硫酸、クロム酸、塩酸、またはこれらの2種以上の混酸を含有する水溶液が挙げられる。中でも、硫酸水溶液が好ましい。酸性水溶液の濃度は、50〜500g/Lであるのが好ましい。酸性水溶液は、アルミニウムはもちろん、アルミニウム板中に含有される合金成分を含有していてもよい。
【0050】
酸性エッチング処理は、液温を60〜90℃、好ましくは70〜80℃とし、1〜10秒間処理することにより行うのが好ましい。このときのアルミニウム板の溶解量は0.001〜0.2g/m2 であるのが好ましい。また、酸濃度、例えば、硫酸濃度とアルミニウムイオン濃度は、常温で晶出しない範囲から選択することが好ましい。好ましいアルミニウムイオン濃度は0.1〜50g/Lであり、特に好ましくは5〜15g/Lである。
また、酸性エッチング処理が終了した後には、処理液を次工程に持ち出さないために、ニップローラによる液切りとスプレーによる水洗とを行うのが好ましい。
【0051】
(第1デスマット処理)
化学的なエッチングをアルカリ水溶液を用いて行うと、一般にアルミニウムの表面にはスマットが生成するので、この場合にはスマットを除去するためデスマット処理を行うのが好ましい。
第1デスマット処理は、例えば、上記アルミニウム板を塩酸、硝酸、硫酸等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウムイオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させることにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、酸性溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。
第1デスマット処理においては、酸性溶液として、後述する電解粗面化処理において排出される硝酸電解液もしくは塩酸電解液の廃液、または、後述する陽極酸化処理において排出される硫酸を含む水溶液の廃液を用いるのが好ましい。
第1デスマット処理の液温は、25〜90℃であるのが好ましい。また、第1デスマット処理の処理時間は、1〜180秒であるのが好ましい。第1デスマット処理に用いられる酸性溶液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶け込んでいてもよい。
【0052】
また、電解粗面化処理に用いる装置で、電極の溶解防止と粗面化形状のコントロールのために補助陽極槽を使用するとき、補助陽極槽をアルミニウム板に交流が流れて電解粗面化処理を行う槽の前に持ってくる場合は、電解粗面化処理の前の酸性水溶液中でのデスマット工程を省略することもできる。
【0053】
(第1および第2電解粗面化処理)
本発明における電解粗面化処理は、酸性電解液(酸性水溶液)中で、アルミニウム板とこれに対向する主極(電極)との間に、直流または交流を加えて電気化学的に粗面化する場合において、電解処理の進行が速い部分(以下、単に「電解部分」という場合がある。)と、電解処理の進行が停止または遅くなる部分(以下、単に「電解休止部分」という場合がある。)とを交互に有する特定条件下で行う。
このような特定条件下で電解粗面化処理を行うことにより、電解粗面化処理時の電流の局所的な集中を効果的に抑えることができるため、少ない電気量で大きさ、深さ等が均一なピットが効率よく形成され、平版印刷版としたときの耐刷性と汚れ性を高い水準で両立できる。
平版印刷版用支持体の製造において、電解粗面化処理を複数回行う場合には、その内の少なくとも1回を本発明の電解粗面化処理方法で行うことにより、上記した効果を奏する。
また、上記特定条件下の電解粗面化処理は、特に硝酸電解液を用いる場合に効果的である。
【0054】
以下、特定条件下における電解粗面化処理について説明する。
本発明は、電解処理の進行が速い部分と電解処理の進行が停止または遅くなる部分とを交互に有する、酸性電解液中での電気化学的な粗面化処理を、アルミニウム板に施す平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法であって、1回当たりの時間が0.5秒以下である、上記電解処理の進行が停止または遅くなる部分を2回以上設け、1回当たりの時間が5秒以上である、上記電解処理の進行が停止または遅くなる部分を1回以上設け、かつ、アルミニウム板表面にかかる、陽極時の総電気量が15〜400C/dm2 であることを特徴とする平版印刷版用支持体の電解粗面化処理方法である。
【0055】
本発明の電解部分と電解休止部分とを交互に有する電解粗面化処理は、これらの部分に対応するように主極を設けた電解装置、例えば、小電極(主極を構成する、スペーサ等で分割された電極をいう)と小電極の間にスペーサ等(絶縁体等)を配置し小電極とスペーサを交互に設けた主極を複数有する電解装置(図6参照)、小電極と小電極の間にスペーサ等を配置し小電極とスペーサ等を交互に設けた主極を有する複数の電解槽を直列に連結した電解装置(図7参照)等を用いることにより行うことができる。
また、主極として、スペーサに他に、単なる空間を設ける構成とすることもできる。
また、交流電源において、パルス波を用いて制御することにより行うこともできる。
【0056】
ここで、電解部分とは主極を構成する小電極に対向しているアルミニウム板部分を指し、電解休止部分とは小電極が存在していないアルミニウム板部分を指す。また、電解処理の進行が遅い部分とは電解処理の進行が停止する部分ではなく、電極が存在していないアルミニウム板部分であっても近傍の小電極または主極からの漏れ電流が流れる微弱電流により、電解処理の進行が遅くなる部分を指す。
【0057】
本発明では、1回当たりの時間が0.5秒以下である電解休止部分(以下、「短休止部分」という。)を2回以上設け、更に、1回当たりの時間が5秒以上である電解休止部分(以下、「長休止部分」という。)を1回以上設けることにより、電流の局所的な集中を効果的に抑えられ、少ない電気量で大きさおよび深さ等が均一なピットが効率良く形成される。
【0058】
短休止部分を設けることにより、電流の局所的な集中を抑えられる。
長休止部分を設けることにより、電解処理でアルミニウム板表面に生成するスマットを該長休止部分で適度に溶解させることができ、電解処理で生成するピットを分散させることができる。
そして、これらを組み合わせることにより、少ない電気量で均一なピットが効率良く形成される。
【0059】
電解休止部分の1回当たりの時間(以下、「電解休止時間」という。)は、短休止部分で、0.5秒以下であり、0.4秒以下が好ましく、0.1秒以上が好ましい。この範囲であれば、電流の局所的な集中を抑えられ、電解粗面化が効率良く行われる。
また、短休止部分の回数は、2回以上であり、5回以上が好ましく、60回以下が好ましい。この範囲にであれば、電流の局所的な集中を抑えられる。より好ましくは3〜40回であり、特に好ましくは9〜30回である。
【0060】
長休止部分の電解休止時間は、5秒以上であり、6秒以上が好ましい。この範囲であれば、電流の局所的な集中を抑えら、電解粗面化が効率良く行われる。また、該時間は、20秒以下が好ましく、15秒以下が特に好ましい。20秒以下であれば、該電解休止時間による製造効率化に与える影響が少ない。
また、長休止部分の回数は、1回以上であり、3回以下が好ましい。電解処理をこの範囲に分割して行うことにより、電流の局所的な集中を抑えられる。
【0061】
本発明において、上記電解休止時間は、アルミニウム板の搬送速度および該板に対応する小電極の厚さ(アルミニウム板の搬送方向の長さ)に依存するため、これらを調整することにより任意の値に設定できる。また、該速度および該厚さを共に調整することにより、これらが異なるものでも、同一の電解休止時間に調整することもできる。したがって、本発明では、電解休止時間を設定すればよく、該速度および該厚さは特に限定されず、これらは製造施設等に応じて任意の値にすればよい。
アルミニウム板の搬送速度は、通常、20〜250cm/秒であるのが好ましく、40〜200cm/秒であるのがより好ましい。
【0062】
上記短休止部分と長休止部分との組み合わせは、特に限定されないが、電解部分と短休止部分とからなる電解部分群を長休止部分で分割し、好ましくは該電解部分群に含まれる短休止部分の回数を均等に分割する。例えば、短休止部分を20回、長休止部分を1回設ける電解粗面化処理方法では、短休止部分を10回設けた第1電解部分群、長休止部分1回、更に短休止部分を10回設けた第2電解部分群とするのが好ましい。これにより電解粗面化をより均一に行うことができる。
【0063】
本発明の電解粗面化処理方法においては、アルミニウム板表面にかかる、(電解処理の進行が速い部分の)陽極時の総電気量は15〜400C/dm2 である。
硝酸電解液中で電解粗面化する場合には、上記総電気量は、50〜400C/dm2 であるのが好ましく、100〜350C/dm2 であるのがより好ましく、150〜300C/dm2 であるのが特に好ましい。
塩酸電解液中で電解粗面化する場合には、塩酸はそれ自身のアルミニウム溶解力が強いため、わずかな電解を加えるだけでピットを形成できるため、上記総電気量は、10〜400C/dm2 であるのが好ましく、30〜100C/dm2 であるのがより好ましい。
【0064】
本発明は、上記の短休止部分と長休止部分とを組み合わせて電解粗面化することにより、電流の局所的な集中を効果的に抑えられ、大きさおよび深さ等が均一なピットが少ない電気量で効率良く形成されることを知見してなされたものである。
【0065】
本発明の電解粗面化処理方法においては、電解部分1回の陽極時の電気量が平均で15C/dm2 以下であるのが好ましく、また該電解部分1回分の陽極時の平均電気量に対する、電解部分1回分のそれぞれの電気量の比(以下、「平均電気量の割合」という。)が、0.70〜1.30であるのが好ましい。
該電気量の平均は、2〜10C/dm2 であるのがより好ましく、平均電気量の割合は、0.75〜1.25であるのがより好ましく、0.80〜1.20であるのが特に好ましい。
電気量の平均を15C/dm2 以下にすると、少ない電気量で効率良くピットが形成でき、優れた耐刷性と耐汚れ性をよりバランス良く両立できる。平均電気量の割合を0.70〜1.30にすると、大きさと深さが均一なピットを形成でき特に耐刷性を向上できるため、優れた耐刷性と耐汚れ性をよりバランス良く両立できる。
【0066】
また、本発明においては、1回当たりの時間が5秒以上である前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分により分割される、上記1回当たりの時間が0.5秒以下である上記電解処理の進行が停止または遅くなる部分と上記電解処理の進行が速い部分とからなる電解部分群における陽極時の電気量の総和が15〜250C/dm2 であるのが好ましい。つまり、長休止部分で区切られた、電解部分群1群のそれぞれについて、陽極時の電気量の総和を15〜250C/dm2 とするのが好ましい。
例えば、上記の分割例(短休止部分を10回設けた第1電解部分群、長休止部分1回、更に短休止部分を10回設けた第2電解部分群)では、短休止部分を10回設けた第1および第2の電解部分群2群それぞれに含まれる、電解部分11回分の電気量の総和を上記範囲内に調整する。この範囲にすることにより、大きさと深さが均一なピットを形成でき、優れた耐刷性と耐汚れ性をよりバランス良く両立できる。
【0067】
更に、本発明では、上記第1および第2電解部分群の電気量を同じ値、または、アルミニウム板の搬送方向の下流側(上記の分割例では第2電解部分)を上流側(同第1電解部分)より大きな値に調整するのが好ましい。通常の電解粗面化処理では、アルミニウム板にかかる電気量はアルミニウム板の搬送方向の下流側に行くにしたがって、小さくなり均一なピットが形成されにくくなるが、本発明の電解粗面化処理方法では、各電解部分群の電気量を任意に調整できるため、均一なピットの形成が可能となり、特に耐汚れ性の改善に有効である。
【0068】
更に、本発明では、電解部分1回の電流密度が平均で5〜45A/dm2 であるのが好ましく、10〜35A/dm2 であるのがより好ましい。電流密度をこの範囲にすると、大きさと深さが均一なピットを形成でき、優れた耐刷性と耐汚れ性をよりバランス良く両立できる。
【0069】
本発明の電解粗面化処理方法に好適に用いられる電解槽について説明する。
図6は、本発明の電解粗面化処理方法に好適に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例を示す断面図であり、図7は、本発明の電解粗面化処理方法に好適に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の他の一例を示す断面図である。
図6および図7において、図2と同一の符号は、図2において該符号が示す要素と同一の要素を示し、60Aは第1主極、60Bは第2主極および60Cは第3主極、61は小電極、62はスペーサ(絶縁体)および70は主極である。
【0070】
図6は、短休止部分12回と長休止部分2回とを設ける本発明の電解粗面化処理方法に用いられる電解槽を表したものである。
アルミニウム板に形成される、電解部分と電解休止部分との組み合わせによるパターンは、長休止部分2回により、短休止部分が4回設けられた3つの電解部分群、即ち、第1電解部分群、第2電解部分群および第3電解部分群である。
図6に示す電解槽は、上記パターンがアルミニウム板に形成されるように、1つの電解槽の中に、上記パターンに対応した3つの主極60A、60Bおよび60Cを設けた電解槽である。
主極60A、60Bおよび60Cは、それぞれ4つのスペーサ(絶縁体)62で分割され、5つの小電極61からなる。各小電極61は、交流電源Tacに接続されており、該小電極に対向するアルミニウム板の部分が電解粗面化される。
【0071】
ここで、スペーサは塩化ビニル樹脂等により形成される絶縁体であり、小電極は後述する主極と同様の材料により形成される。また主極はスペーサを用いずに、単に小電極同士の間隔を設けるだけの構成としてもよい。
このような主極は、スペーサと小電極の数、およびそれらの厚さ等により、その特性(電解部分の数等)を、任意に設定できるものである。
【0072】
図7は、短休止部分20回と長休止部分1回とを設ける本発明の電解粗面化処理方法に用いられる電解槽を表したものである。
アルミニウム板に形成される、電解部分と電解休止部分との組み合わせによるパターンは、長休止部分1回により、短休止部分が10回設けられた2つの電解部分群、即ち、第1電解部分群および第2電解部分群である。
図7に示す電解槽は、上記パターンがアルミニウム板に形成されるように、主極70を1つ有する電解槽100を2槽直列に連結した電解槽である。
図7に示す電解槽では、長休止部分に対応する部分は、第1電解槽の最後(最下流)の小電極を通過後、第2電解槽の最初(最上流)の小電極までの部分である。
この電解槽の場合では、アルミニウム板は、第1電解槽で電解粗面化処理された後、長休止部分で第1電解槽の酸性電解液から導出され、第2電解槽の酸性電解液に導入されて再度電解粗面化処理される。
なお、主極の特性、設定は図6で説明した通りである。
【0073】
本発明の電解粗面化処理方法に好適に用いられる電解槽は、図6および図7に示した電解槽に限られず、本発明の電解粗面化処理方法を実施できるものであれば特に限定されない。例えば、両者を組み合わせた電解槽も用いることができる。
なお、フラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置について説明したが、ラジアル型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置においても、主極の設定が可能なものであれば好適に用いることができる。例えば、後述する図4に示す電解装置等が挙げられる。
【0074】
電解粗面化処理に用いる電解液としては、後述する硝酸電解液、塩酸電解液のほかに、米国特許第4,671,859号、同第4,661,219号、同第4,618,405号、同第4,600,482号、同第4,566,960号、同第4,566,958号、同第4,566,959号、同第4,416,972号、同第4,374,710号、同第4,336,113号、同第4,184,932号の各明細書等に記載されている電解液を用いることもできる。
【0075】
硝酸電解液は、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、1〜100g/Lの硝酸水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸イオン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸または硝酸化合物の1つ以上を1g/L〜飽和まで添加して使用することができる。また、銅と錯体を形成する化合物を1〜200g/Lの割合で添加することもできる。硝酸電解液中には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。次亜塩素酸や過酸化水素を1〜100g/L添加してもよい。
硝酸電解液は、液温15〜90℃、硝酸を5〜15g/L含有する水溶液にアルミニウム塩(硝酸アルミニウム)を添加してアルミニウムイオンが3〜50g/Lにした水溶液であることが特に好ましい。硝酸電解液中への添加物、流速としては公知の電気化学的な粗面化に使用するものが用いることができる。
【0076】
塩酸電解液は、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、1〜10g/Lの塩酸水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸イオン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸または硝酸化合物の1つ以上を1g/L〜飽和まで添加して使用することができる。また、銅と錯体を形成する化合物を1〜200g/Lの割合で添加することもできる。塩酸電解液中には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。次亜塩素酸や過酸化水素を1〜100g/L添加してもよい。
塩酸電解液は、液温15〜50℃、塩酸を1〜10g/L含有する水溶液に、アルミニウム塩(塩化アルミニウム6水和物、AlCl3 ・6H2 O)を10〜70g/Lの割合で添加してアルミニウムイオン濃度が1〜8g/Lにした水溶液であることが特に好ましい。このような塩酸電解液を用いて電解粗面化処理を行うと、該粗面化処理による表面形状が均一になり、平版印刷版としたときに優れた耐刷性および耐汚れ性を両立できる。
【0077】
ここで、塩酸電解液は、塩酸を2〜6g/L含有するのが特に好ましい。
添加する塩化アルミニウム6水和物の割合は、10〜70g/Lであるのが好ましく、20〜50g/Lであるのがより好ましく、35〜45g/Lであるのが特に好ましい。
塩化アルミニウム6水和物を添加した塩酸水溶液のアルミニウムイオン濃度は、1〜8g/Lであるのが好ましく、2〜6g/Lであるのがより好ましく、4〜5g/Lであるのが特に好ましい。
塩酸電解液中への添加物、流速としては公知の電気化学的な粗面化に使用するものを用いることができる。
【0078】
本発明の電解粗面化処理方法では、直流または交流を加えて電気化学的に粗面化処理する。本発明では、交流が特に好ましいが、該交流は単相、二相、三相等のいずれでもよい。また、交流と直流とを重畳した電流を用いることもできる。
【0079】
電解粗面化処理に用いる電解槽は、縦型、フラット型、ラジアル型等の表面処理に用いる電解槽が使用可能である。また、酸またはアルカリ水溶液中でのエッチング処理、酸性水溶液中でのデスマット処理、酸または中性塩水溶液中でのアルミニウム板のカソード電解処理等を挟んで電解粗面化処理を繰り返し行っても良い。
【0080】
電気化学的な粗面化に用いる交流電源波形は、サイン波、矩形波、台形波、三角波等を用いることができるが、矩形波または台形波が好ましく、台形波が特に好ましい。周波数は0.1〜500Hzが好ましく、40〜120Hzが更に好ましく、45〜65Hzが特に好ましい。
台形波を用いる場合は、電流が0からピークに達するまでの時間tpは0.1〜2msecが好ましく、0.3〜2msecが特に好ましい。電源回路のインピーダンスの影響のため、tpが0.1未満であると電流波形の立ち上がり時に大きな電源電圧が必要となり、電源の設備コストが高くなる。2msecより大きくなると、電解液中の微量成分の影響を受けやすくなり均一な粗面化が行われにくくなる。電気化学的な粗面化に用いる交流の1サイクルの条件が、アルミニウム板のアノード反応時間taが交流の周期Tに占める割合(本発明において「duty」という。)ta/Tは、0.33〜0.66が好ましく、0.45〜0.55が更に好ましく、0.5が特に好ましい。
アルミニウム板の表面には、カソード反応時に、水酸化アルミニウムを主体とする酸化皮膜が生成し、更に、酸化皮膜の溶解や破壊が生じることがある。そして、酸化皮膜の溶解や破壊が生じると、溶解や破壊が生じた部分は、次のアルミニウム板のアノード反応時におけるピッティング反応の開始点となる。したがって、交流のdutyの選択は均一な電解粗面化処理を行う点で、特に重要である。
【0081】
主極に対向するアルミニウム板に加わる電気量は、アルミニウム板がカソード反応時の電気量Qcとアノード反応時の電気量Qaの比Qc/Qaが0.9〜1.0の範囲であり、好ましくは、0.92〜0.98であり、特に好ましくは、0.94〜0.96である。Qc/Qaがこの範囲であると、粗面化処理による処理ムラが発生せず、平版印刷版としたときに耐刷性および印刷性能(汚れ性能)を両立できる。また、Qc/Qaが1.0超では、主極が溶解する場合がある。この電気量比のコントロールは電源が発生する電圧を制御して行うことができる。
電解粗面化処理を、主極のアノード電流を分流する補助電極を有する交流電解槽を用いて行う場合には、特開昭60−43500号公報および特開平1−52098号公報に記載されているように、補助電極に分流するアノード電流の電流値を制御することにより、Qc/Qaを制御することができる。
【0082】
電流密度は台形波のピーク値で電流のアノードサイクル側Ia、カソードサイクル側Icともに5〜200A/dm2 が好ましい。Ia/Icは0.5〜3の範囲にあることが好ましい。
【0083】
アルミニウム板への給電方式はコンダクタロールを用いた直接給電方式またはコンダクタロールを用いない液給電方式(間接給電方式)を用いることができる。電解槽内を通過する電解液はアルミニウムウェブの進行とパラレルでもカウンターでもよい。ひとつの電解槽には1個以上の交流電源を接続することができる。間接給電方式を用いるときは、特公平6−37716号公報、特公平5−42520号公報に記載の補助陽極を用いた方法で、アルミニウム板に加わる陽極時の電気量と陰極時の電気量の比を調整することが好ましい。補助陽極に流れる電流はサイリスタ、ダイオード、GTO等の整流素子を用いて制御することが特に好ましい。特公平6−37716号公報に記載の方式を用いれば、電気化学的な粗面化反応が行われる主極のカーボン電極に対向するアルミニウム板表面における交流電流の陽極時の電気量と陰極時の電気量(電流値)を容易に制御できる。また、電源装置制作上も変圧器の偏磁の影響も小さく非常にコスト的に有利である。
【0084】
サイン波を用いた電気化学的な粗面化を行うときの電流値の制御方法は、変圧器、可変式誘導電圧調整器等を併用して用い、電解に用いる電流値を可変式誘導電圧調整器にフィードバックして行う。そのとき、電流値を制御する方法では特開昭55−25381号公報に記載のように、サイリスタで位相制御する方式を併用することもできる。
【0085】
電解粗面化処理ではアルミニウム板と主極の距離と液流速が一定でないと電流の偏りが発生しやすく、その結果アルミニウム表面の処理ムラとなって平版印刷板用支持体として適さないものが製造されてしまう。その問題点を解決するために、内部に液たまり室を設け、アルミニウムウェブの巾方向に1〜5mmの液吹き出し用のスリットを設けた給液ノズルを用いることができる。また、複数の液たまり室を設け、それぞれの液たまり室につながる配管にはバルブと流量計を設けてそれぞれのスリットから吹き出す液量を調整することを行うのが特に好ましい。
アルミニウムウェブと主極の距離は5〜100mm、特に8〜15mmが好ましい。この距離を一定に保つために特公昭61−30036号公報に記載の、走行するウェブを摺動しうる面に静圧を利用してウェブを摺動面に圧接させつつ走行させる方式が用いられる。または特開平8−300843号公報に記載のように直径の大きなローラーを用いて主極とアルミニウム板の距離を一定に保つ方法も用いることができる。
【0086】
直接給電方式を用いるときは、特開昭58−177441号公報に記載のようなコンダクタロールを用い、特開昭56−123400号公報に記載の装置で電気化学的に粗面化処理することが好ましい。コンダクタロールはアルミニウムウェブの上面または下面に設けることが可能であるが、アルミニウム板の上面に設け、ニップ装置にてアルミニウム板に押しつけるようにするのが特に好ましい。アルミニウム板がコンダクタロールに接する長さは、アルミ進行方向に対して1〜300mmが好ましい。アルミニウム板を挟んでコンダクタロールに対向するパスロールはゴム製のロールであることが好ましい。押しつけ圧、ゴムロールの硬度はアークスポットの発生しない条件で任意に設定する。コンダクタロールをアルミニウム板の上面に設置することで、コンダクタロールの交換作業・点検作業が簡単になる。コンダクタロールの端部には給電ブラシを回転体に摺動させながら通電する方式を用いるのが好ましい。
アルミニウム板に押しつけられたコンダクターロールにはアークスポットの発生を防止するために常に電気化学的な粗面化に用いる電解液と同じ組成、同じ温度の電解液により常に冷却することが好ましい。電解液の中に異物が入るとアークスポットの原因になりやすいので、冷却に用いるスプレーに濾布等を巻いたり、スプレー管の上流側の配管にメッシュの細かいフィルターを入れる等することが好ましい。
【0087】
本発明の電解粗面化処理方法に好適な特徴を有する装置は、上記したとおりである。
以下、電解粗面化処理装置について、より具体的に説明する。
補助陽極を有する電解槽は、主極を有する電解槽の前または後に設置することができるが、特に塩酸電解液での電気化学的な粗面化工程で用いる補助電極を有する電解槽は、主極を有する電解槽の前に持ってくることが、処理ムラの発生を低減できる点で好ましい。
また、補助電極を有する電解槽の入口(液面)と主極を有する電解槽の入口(液面)までの距離があまり長いと塩酸の化学的な溶解反応でアルミニウム板中の金属間化合物が溶解して深い穴となり、その部分の感光層が厚塗りとなって印刷時のムラとなる。そのためアルミニウム板が補助電極を有する電解槽の入口(液面)から主極を有する電解槽の入口(液面)までの時間を3秒以下とすることが好ましい。
【0088】
図2に、本発明に好適に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例の断面模式図を示す。図2において、2は交流電解槽、4A、4B、4Cは主極、6A、6Bは搬送ローラ、8Aは導入ローラ、8Bは導出ローラおよび100は電解粗面化処理装置である。電解粗面化処理装置100は、アルミニウムウェブWを略水平方向に搬送しつつ三相の交流(以下「三相交流電流」ともいう。)を印加して電解粗面化処理を施す電解粗面化処理装置である。
【0089】
電解粗面化処理装置100は、アルミニウムウェブWの搬送方向aに沿って延在し上面が開放された浅い箱状の交流電解槽2と、交流電解槽2の底面近傍に搬送方向aに沿って、アルミニウムウェブWの搬送経路である搬送面Tに対して平行に配設された三つの板状の主極4A、4Bおよび4Cと、交流電解槽2の内部における搬送方向aに対して上流側(以下、単に「上流側」という。)および搬送方向aに対して下流側(以下、単に「下流側」という。)の端部近傍に配設され、交流電解槽2内部においてアルミニウムウェブWを搬送する搬送ローラ6Aおよび6Bと、交流電解槽2の上方における上流側に位置し、アルミニウムウェブWを交流電解槽2の内部に導入する導入ローラ8Aと、交流電解槽2の上方における下流側に位置し、交流電解槽2内部を通過したアルミニウムウェブWを交流電解槽2の外部に導出する導出ローラ8Bとを備える。交流電解槽2内部には、上述した酸性電解液が貯留されている。
主極4A、4Bおよび4Cは、それぞれ三相の交流を発生させる交流電源TacのU端子、V端子およびW端子に接続されている。したがって、主極4A、4Bおよび4Cに印加される交流は、位相が120°ずつずれている。
【0090】
電解粗面化処理装置100の作用について以下に説明する。
アルミニウムウェブWは、導入ローラ8Aによって交流電解槽2の内部に導入され、搬送ローラ6Aおよび6Bによって搬送方向aに沿って一定速度で搬送される。
交流電解槽2の内部において、アルミニウムウェブWは、主極4A、4Bおよび4Cに対して平行に移動するとともに、主極4A、4Bおよび4Cから交流を印加される。これにより、アルミニウムウェブWにおいて、アノード反応とカソード反応とが交互に起き、アノード反応が起きているときには主にハニカムピットが生じ、カソード反応が起きているときには主に水酸化アルミニウムの皮膜が生じて、表面が粗面化される。
主極4A、4Bおよび4Cに印加される交流は、上述したように位相が120°ずつずれているから、主極4Bにおいては、主極4Aの位相(U相)よりも120°遅れた位相(V相)でアノード反応とカソード反応とが繰り返され、主極4Cにおいては、主極4Bよりも120°遅れた位相(W相)でアノード反応とカソード反応とが繰り返される。
したがって、アルミニウムウェブWにおいては、周波数の同一の単相の交番波形電流を印加した場合に比べて、3倍の頻度でアノード反応とカソード反応とが繰り返されるから、高い搬送速度および電流密度で電解粗面化処理を行う場合においても、幅方向の縞であるチャタマークが生じにくい。
【0091】
図3に、本発明に好適に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の他の一例の断面模式図を示す。図3において、図2と同一の符号は、図2において前記符号が示す要素と同一の要素を示し、10は補助電解槽、12は補助電極、14A、14Bは搬送ローラ、16Aは導入ローラ、16Bは導出ローラ、102は電解粗面化処理装置およびTh1、Th2、Th3はサイリスタである。
電解粗面化処理装置102は、上述した電解粗面化処理装置100が備える交流電解槽2の前段に補助電解槽10を配設した電解粗面化処理装置である。
補助電解槽10は、上面が開放された箱型であり、底面近傍に、アルミニウムウェブWの搬送面Tに対して平行に板状の補助電極12が設けられている。
補助電解槽10の上流側壁面の近傍と下流側壁面の近傍とには、アルミニウムウェブWを補助電極12の上方において搬送する搬送ローラ14Aおよび14Bが配設されている。また、補助電解槽10の上方における上流側には、アルミニウムウェブWを補助電解槽10の内部に導入する導入ローラ16Aが設けられ、補助電解槽10の上方における下流側には、補助電解槽10内部を通過したアルミニクムウェブWを外部に導出する導出ローラ16Bが設けられている。補助電解槽10内部には、上述した酸性水溶液が貯留されている。
【0092】
交流電源TacのU相、V相およびW相は、それぞれ補助電極12に接続され、U相、V相およびW相のそれぞれと補助電極12との間には、サイリスタTh1、Th2およびTh3が介装されている。サイリスタTh1、Th2およびTh3は、いずれも点弧時に交流電源Tacから補助電極12に向って電流が流れるように接続されている。したがって、サイリスタTh1、Th2およびTh3のいずれを点弧したときも、補助電極12にはアノード電流が流れるから、サイリスタTh1、Th2およびTh3を位相制御することにより、補助電極12に流れるアノード電流の電流値を制御することができ、したがって、Qc/Qaの値も制御することができる。
【0093】
図4に、本発明に好適に用いられるラジアル型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例の断面模式図を示す。図4において、20は交流電解槽、26A、26Bは主極、34は補助電解槽、35は上流側案内ローラ、36は補助電極、22は交流電解槽本体、22Aは開口部、24は送りローラ、28A、28Bは給液ノズル、30Aは上流側案内ローラ、30Bは下流側案内ローラ、32は溢流槽、34Aは補助電解槽の底面、104は電解粗面化処理装置およびTh4、Th5はサイリスタである。
電解粗面化処理装置104は、酸性電解液が貯留される交流電解槽本体22を備える交流電解槽20と、交流電解槽本体22内部に収容され、水平方向に伸びる軸線の周りに回転可能に配設され、アルミニウムウェブWを、図4における左方から右方に向かって、搬送方向aで送る送りローラ24とを備えている。交流電解槽本体22内部には、上述した酸性電解液が貯留されている。
交流電解槽本体22の内壁面は、送りローラ24を囲むように略円筒状に形成されており、前記内壁面上には、半円筒状の主極26Aおよび26Bが送りローラ24を挟んで設けられている。主極26Aおよび26Bは、複数の小電極に分割され、それぞれの小電極の間には、絶縁性のスペーサが介装されている。小電極は、例えば、グラファイトや金属を用いて形成することができ、スペーサは、例えば、塩化ビニル樹脂により形成することができる。スペーサの厚さは1〜10mmであるのが好ましい。また、図4においては簡略的に示したが、主極26Aおよび26Bのいずれにおいても、スペーサにより分割された小電極のそれぞれが交流電源Tacに接続されている。
【0094】
交流電解槽20の上部には、アルミニウムウェブWを交流電解槽本体22に導入し、また、導出するための開口部22Aが形成されている。交流電解槽本体22における開口部22Aの近傍には、交流電解槽本体22に酸性電解液を補充する給液ノズル28Aが設けられている。また、給液ノズル28Bも別途設けられている。
交流電解槽20の上方における開口部22A近傍には、アルミニウムウェブWを交流電解槽本体22内部に案内する一群の上流側案内ローラ30Aと、交流電解槽本体22内で電解粗面化処理されたアルミニウムウェブWを外部に案内する一群の下流側案内ローラ30Bとが配設されている。
【0095】
交流電解槽20においては、交流電解槽本体22の下流側に隣接して溢流槽32が設けられている。溢流槽32内部には、上述した酸性電解液が貯留されている。溢流槽32は、交流電解槽本体22から溢流した酸性電解液を一時貯留し、交流電解槽本体22における酸性電解液の液面の高さを一定に保持する機能を有する。
【0096】
交流電解槽本体22の前段(上流)には、補助電解槽34が設けられている。補助電解槽34は、交流電解槽本体22よりも浅く、底面34Aが平面状に形成されている。そして、底面34A上には、円柱状の補助電極36が複数本儲けられている。補助電解槽34内部には上述した酸性電解液が貯留されている。
補助電極36は、白金等の高耐食性の金属、フェライト等により形成されているのが好ましい。また、補助電極36は板状であってもよい。
補助電極36は、交流電源Tacにおける主極26Aが接続される側に、主極26Aに対して並列に接続され、中間には、サイリスタTh4が、点弧時に交流電源Tacにおける前記側から補助電極36に向かって電流が流れるように接続されている。
また、交流電源Tacにおける主極26Bが接続された側も、サイリスタTh5を介して補助電極36に接続されている。サイリスタTh5も、点弧時に交流電源Tacにおける主極26Bが接続された側から補助電極36に向かって電流が流れるように接続されている。
サイリスタTh4およびTh5のいずれを点弧したときも、補助電極36にはアノード電流が流れる。したがって、サイリスタTh4およびTh5を位相制御することにより、補助電極36に流れるアノード電流の電流値を制御することができ、したがって、Qc/Qaの値も制御することができる。
【0097】
電解粗面化処理装置104の作用について以下に説明する。
図4における左方から、アルミニウム合金板Wは、まず、上流側案内ロ一ラ35によって補助電解槽34内に案内され、次いで上流側案内ローラ30Aによって交流電解槽本体22に案内される。そして、送りローラ24によって図4における左方から右方に向かって送られ、下流側案内ロ一ラ30Bにより導出される。
交流電解槽本体22および補助電解槽34の内部において、アルミニウムウェブWは、主極26Aおよび26Bに印加された交流電流と、補助電極36に印加されたアノード電流とにより、主極26Aおよび26Bに面する側の表面が粗面化され、ほぼ均一なハニカムピットが形成される。
【0098】
各粗面化処理に用いた液(廃液)は可能な限りリサイクルすることが好ましい。
アルミニウムイオンが溶けた苛性ソーダ水溶液では晶析法によるアルミニウムと苛性ソーダの分離を行うことができる。アルミニウムイオンが溶けた硫酸水溶液、硝酸水溶液または塩酸水溶液では電気透析法やイオン交換樹脂による硫酸または硝酸の回収を行うことができる。
アルミニウムイオンが溶けた塩酸水溶液では特開2000−282272号公報に記載されているような蒸発による回収を行うこともできる。
本発明では、電解粗面化処理で用いた電解液の廃液をデスマット処理(第1、第2および第3デスマット処理)に用いるのが好ましい。
また、電解粗面化処理、または、陽極酸化処理の前に行うデスマット処理は、デスマット処理の後に行う粗面化処理または陽極酸化処理と同じ種類の液を用いることが好ましく、同じ組成の液を用いることが特に好ましい。そうすることで、デスマット処理とその次の工程の間に設ける水洗工程を省略することができ、設備の簡素化と廃液量の低減が可能となる。
【0099】
(第2および第3化学的エッチング処理)
第2および第3化学的エッチング処理も、第1化学的エッチング処理と同様に、アルカリエッチング処理または酸性エッチング処理を選択して行うことができる。
【0100】
(1)第2および第3アルカリエッチング処理
第2および第3アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、エッチングを行う。アルカリの種類、アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させる方法およびそれに用いる装置は、第1アルカリエッチング処理の場合と同様のものが挙げられる。
第2アルカリエッチング処理におけるエッチング量は、好ましくは0.1〜8g/m2 であり、より好ましくは0.2〜5g/m2 であり、特に好ましくは0.3〜4g/m2 である。
第3アルカリエッチング処理におけるエッチング量は、好ましくは0.01〜2g/m2 であり、より好ましくは0.05〜1g/m2 であり、特に好ましくは0.05〜0.6g/m2 である。
【0101】
アルカリ溶液の濃度は、エッチング量に応じて決定することができるが、0.01〜80質量%であるのが好ましい。アルカリ溶液の温度は20〜90℃であるのが好ましい。処理時間は1〜60秒であるのが好ましい。
後述する第2および第3デスマット処理において、硫酸を100g/L以上含有し、かつ、液温が60℃以上である酸性溶液を用いるときは、第2および第3アルカリエッチング処理を省略することもできる。
【0102】
(2)第2および第3酸性エッチング処理
第2および第3酸性エッチング処理は、第1酸性エッチング処理と基本的に同様である。
【0103】
(第2および第3デスマット処理)
第2および第3アルカリエッチング処理の後には、第2および第3デスマット処理を行うのが好ましい。第2および第3アルカリエッチング処理で発生した水酸化物を除去でき、かつ、印刷時に支持体と画像記録層の密着性が高くなる。
第2および第3デスマット処理は、例えば、上記アルミニウム板をリン酸、塩酸、硝酸、硫酸等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウムイオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させることにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法は、第1デスマット処理の場合と同様のものが挙げられる。
第2および第3デスマット処理においては、酸性溶液として、後述する陽極酸化処理において排出される硫酸溶液の廃液を用いるのが好ましい。また、前記廃液の代わりに、硫酸濃度が100〜600g/L、アルミニウムイオン濃度が1〜10g/Lであり、液温が60〜90℃である硫酸溶液を用いることもできる。
第2および第3デスマット処理の液温は、25〜90℃であるのが好ましい。また、第2および第3デスマット処理の処理時間は、1〜180秒であるのが好ましい。第2および第3デスマット処理に用いられる酸性溶液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶け込んでいてもよい。
【0104】
<陽極酸化処理>
上記粗面化処理を施した後に、アルミニウム板の表面の耐磨耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を形成するものならば、いかなるものでも使用することができる。一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸、またはそれらの混合液が用いられる。
それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質によって変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80質量%、液温は5〜70℃、電流密度1〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10〜300秒の範囲にあれば適当である。硫酸法は通常直流電流で処理が行われるが、交流を用いることも可能である。陽極酸化皮膜の量は1〜5g/m2 の範囲が適当である。1g/m2 よりも少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付きやすくなって、同時にきずの部分にインキが付着する、いわゆるきず汚れが生じやすくなる。また、陽極酸化皮膜量が多くなると、アルミニウムエッチ部分へ酸化皮膜が集中しやすくなるので、アルミニウム板のエッチの部分と中心部分の酸化皮膜量の差は、1g/m2 以下であることが好ましい。
【0105】
硫酸水溶液中での陽極酸化については、特開昭54−128453号、特開昭48−45303号各公報に詳しく記載されている。硫酸濃度10〜300g/L、アルミニウムイオン濃度1〜25g/Lとすることが好ましく、50〜200g/Lの硫酸水溶液中に硫酸アルミニウムを添加してアルミニウムイオン濃度を2〜10g/Lとすることが特に好ましい。液温は30〜60℃が好ましい。直流法を用いるとき、電流密度1〜60A/dm2 、特に5〜40A/dm2 が好ましい。連続的にアルミニウムシートを陽極酸化する場合は、アルミニウム板の焼けと呼ばれる電流集中を防ぐために最初5〜10A/dm2 の低電流密度で陽極酸化処理を行い、後半に行くに従い徐々に電流密度を上げて30〜50A/dm2 になるまで、あるいはそれ以上に電流密度を設定することが特に好ましい。電流密度は5〜15ステップで徐々に上げることが好ましい。各ステップごとには独立した電源装置を持ち、この電源装置の電流値で電流密度をコントロールする。給電方法はコンダクタローラを用いない液給電方式が好ましい。特開2001−11698号公報にはその一例が示されている。
【0106】
硫酸水溶液中にはアルミニウム板に含まれる微量成分元素が少量溶解していてもよい。陽極酸化処理中の硫酸水溶液にはアルミが溶出するため、工程の管理のためには硫酸濃度とアルミニウムイオン濃度を管理する必要がある。アルミニウムイオン濃度を低く設定すると陽極酸化を行う硫酸水溶液の更新を頻繁に行わなければならず、廃液量が増えて経済的でないばかりでなく環境面でも問題である。また、アルミニウムイオン濃度を高く設定すると電解電圧が高くなり電力コストがかさみ経済的でない。好ましい陽極酸化処理の硫酸濃度、アルミイオン濃度および液温の組み合わせとしては、(1)硫酸濃度:100〜200g/L(更に130〜180g/L)、アルミニウムイオン濃度:2〜10g/L(更に3〜7g/L)、液温:30〜40℃(更に33〜38℃)、(2)硫酸濃度:50〜125g/L(更に80〜120g/L)、アルミニウムイオン濃度:2〜10g/L(更に3〜7g/L)、液温:40〜70(更に50〜60℃)が挙げられる。
【0107】
陽極酸化処理でのアルミニウム板への給電方式は、コンダクタロールを用いて直接アルミニウム板に給電する直接給電方式と、電解液を通じてアルミニウム板に給電する液給電方式がある。
直接給電方式はライン速度30m/min以下の比較的低速・低電流密度の陽極酸化装置で、間接給電方式はライン速度30m/minを超える高速・高電流密度の陽極酸化装置で用いられることが多い。
間接給電方式は、「連続表面処理技術」総合技術センター、昭和61年9月30日発行、p.289にあるように、山越型またはストレート型の槽レイアウトを用いることができる。高速・高電流密度になるとコンダクタロールとアルミニウムウェブ間のスパーク発生の問題が発生するため、直接給電ロール方式は不利である。
【0108】
直接給電方式、間接給電方式ともに、アルミニウムウェブ内の電圧ドロップによるエネルギーロスを少なくする目的で、陽極酸化処理工程は2つ以上に分離し、それぞれの電解装置の給電槽と酸化槽、またはコンダクタロールと酸化槽の間に直流電源を接続して用いることが特に好ましい。
直接給電方式を用いる場合は、コンダクタロールはアルミを用いるのが一般的である。ロールの寿命を長くするために、特公昭61−50138号公報に記載されているような、工業用純アルミニウムを用いて鋳造したのち、高温均質化処理を施してAl−Fe系晶出物をAl3 Feの単一層として耐食性を向上させたものを用いることが特に好ましい。
陽極酸化処理工程においては大電流を流すため、ブスバーに流れる電流により発生する磁界により、アルミニウム板にローレンツ力が働く。その結果ウェブが蛇行する問題が生じるため、特開昭57−51290号公報に記載されているような方法を用いることが特に好ましい。
【0109】
また、アルミニウム板には大電流が流れるため、アルミニウム板自身を流れる電流による磁界により、アルミニウム板の幅方向において中央に向かってローレンツ力が働く。その結果アルミニウム板に折れが発生しやすくなるため、陽極酸化処理槽内に直径100〜200mmのパスローラを100〜3000mmピッチで複数設け、1〜15゜の角度でラップさせてローレンツ力による折れを防止する方法をとることが特に好ましい。
【0110】
また、陽極酸化皮膜はアルミニウム板の幅方向で生成量が異なり、エッチに近づくほど生成量が多くなり厚さが厚くなる。その結果巻き取り装置にてアルミニウム板をうまく巻きとれない問題が生じる。これを解決するには、特公昭62−30275号公報または特公昭55−21840号公報に記載の方法で液流を撹拌することにより解決できる。その方法においても不十分な場合は、アルミニウム板の巻き取り装置を0.1〜10Hzの周期で5〜50mmの振幅でアルミニウムウェブの幅方向にオシレートさせて巻き取る方法を併用して用いることが特に好ましい。
【0111】
硫酸法では通常、直流電流で処理が行われるが、交流を用いることも可能である。陽極酸化皮膜の量は1〜10g/m2 の範囲が適当である。一般的平版印刷版材料の場合、陽極酸化皮膜量は1〜5g/m2 で、1g/m2 よりも少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付きやすくなって、同時に傷の部分にインキが付着する、いわゆる傷汚れが生じやすくなる。また、陽極酸化皮膜量が多くなると、アルミニウム板のエッチ部分へ酸化皮膜が集中しやすくなるので、アルミニウム板のエッチの部分と中心部分の酸化皮膜量の差は、1g/m2 以下であることが好ましい。連続的な陽極酸化処理は液給電方式を用いるのが一般的である。アルミニウム板に電流を通電するための陽極としては、鉛、酸化イリジウム、白金、フェライト等を用いることができるが、酸化イリジウムを主体とするものが特に好ましい。酸化イリジウムは熱処理により基材に被覆される。基材としてはチタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム等の所謂バルブ金属が用いられるが、チタンまたはニオブが特に好ましい。前記バルブ金属は比較的電気抵抗が大きいため、芯材に銅を用い、その周囲にバルブ金属をクラッドすることが特に好ましい。銅の芯材にバルブ金属をクラッドする場合は、あまり複雑な形状のものは作れないので、各パーツに分割して作成した電極部品を、酸化イリジウムを被覆した後にボルト・ナット等で希望の構造となるように組み立てるのが一般的である。
【0112】
本発明では、デスマット処理液の送液設備、濃度調整設備を簡素化し、設備コストを低減できる点で、陽極酸化処理で生じる酸廃液は、デスマット処理(第1、第2および第3デスマット処理)に用いるのが好ましい。
【0113】
<親水化処理>
親水化処理は、平版印刷版用支持体の製造に一般的に用いられる公知の親水化処理を用いることができるが、アルカリ金属ケイ酸塩で処理するのが好ましく、以下に詳細に説明する。
陽極酸化処理された支持体は、水洗処理された後、現像液への陽極酸化皮膜の溶解抑制、画像記録層成分の残膜抑制、陽極酸化皮膜強度向上、陽極酸化皮膜の親水性向上、画像記録層との密着性向上等を目的に、以下のような処理を行うことができる。そのひとつとしては陽極酸化皮膜をアルカリ金属のケイ酸塩水溶液と接触させて処理するシリケート処理が挙げられる。この場合、アルカリ金属ケイ酸塩の濃度は0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜15質量%であり、25℃でのpHが10〜13.5である水溶液に5〜80℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは15〜50℃で0.5〜120秒間接触させる。接触させる方法は、浸せきでもスプレーによる吹き付けでも、いかなる方法によってもかまわない。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液はpHが10より低いと液はゲル化し、13.5より高いと陽極酸化皮膜が溶解されてしまう場合がある。
親水化処理後のアルミニウム表面のSi量は、1〜100mg/m2 であるのが好ましく、2〜10mg/m2 であるのがより好ましい。
【0114】
本発明に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等が使用される。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液のpH調整に使用される水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等がある。なお、上記処理液にはアルカリ土類金属塩もしくは4族(第IVA族)金属塩を配合してもよい。アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ホウ酸塩等の水溶性塩が挙げられる。4族(第IVA族)金属塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム等が挙げられる。アルカリ土類金属もしくは4族(第IVA族)金属塩は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は、0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜5.0質量%である。
【0115】
<封孔処理>
他には、各種封孔処理も挙げられ、一般的に陽極酸化皮膜の封孔処理方法として知られている、水蒸気封孔、沸騰水(熱水)封孔、金属塩封孔(クロム酸塩/重クロム酸塩封孔、酢酸ニッケル封孔等)、油脂含浸封孔、合成樹脂封孔、低温封孔(赤血塩やアルカリ土類塩等による)等を用いることができるが、印刷版用支持体としての性能(画像記録層との密着性や親水性)、高速処理、低コスト、低公害性等の面から水蒸気封孔が比較的好ましい。その方法としては、例えば、特開平4−176690号公報にも記載されている加圧または常圧の水蒸気を連続または非連続的に、相対湿度70%以上、蒸気温度95℃以上で2〜180秒程度陽極酸化皮膜に接触させる方法等が挙げられる。他の封孔処理法としては、支持体を80〜100℃程度の熱水またはアルカリ水溶液に浸漬または吹き付け処理する方法や、これに代えるか、あるいは引き続き、亜硝酸溶液で浸漬または吹き付け処理することができる。亜硝酸溶液に含有する亜硝酸塩等の例としては、例えば、LiO2 、NaNO2 、KNO2 、Mg(NO2 )2 、Ca(NO2 )2 、Zn(NO3 )2 、Al(NO2 )3 、Zr(NO2 )4 、Sn(NO2 )3 、Cr(NO2 )3 、Co(NO2 )2 、Mn(NO2 )2 、Ni(NO2 )2 等が好ましく挙げられ、特にアルカリ金属硝酸塩が好ましい。亜硝酸塩等は2種以上併用することもできる。
【0116】
処理条件は、支持体の状態およびアルカリ金属の種類により異なるので一義的には決定できないが、例えば、亜硝酸ナトリウムを用いた場合には、濃度は一般的には0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜2質量%、浴温度は一般的には室温から約100℃前後、より好ましくは60〜90℃、処理時間は一般的には15〜300秒、より好ましくは10〜180秒のそれぞれの範囲から選択すればよい。亜硝酸水溶液のpHは8.0〜11.0に調製されていることが好ましく、8.5〜9.5に調製されていることが特に好ましい。亜硝酸水溶液のpHを上記の範囲に調製するには、例えば、アルカリ緩衝液等を用いて好適に調製することができる。該アルカリ緩衝液としては、限定はされないが例えば、炭酸水素ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液、炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合水溶液、塩化ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液、塩酸と炭酸ナトリウムの混合水溶液、四ホウ酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液等を好適に用いることができる。また、上記アルカリ緩衝液はナトリウム以外のアルカリ金属塩、例えば、カリウム塩等も用いることができる。以上のような、シリケート処理または封孔処理を施した後、画像記録層との密着性をアップさせるために特開平5−278362号公報に記載されている酸性水溶液処理と親水性下塗りを行うことや、特開平4−282637号公報や特願平6−108678号明細書(特開平07−314937号公報)に記載されている有機層を設けてもよい。
【0117】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法においては、上記各処理の他に、以下の処理を行うこともできる。
【0118】
<アルミニウム板の水洗>
アルミニウム板を酸またはアルカリ水溶液中での処理、または研磨剤を用いて機械的に粗面化した後には、薬液や研磨剤をアルミニウム板表面から除去する目的で洗浄工程を設けるのが常法である。
洗浄は薬液の種類、組成の異なる処理槽の中間に設けるのが普通であるが、処理槽から洗浄工程に入る時間、または、洗浄から次の処理槽に入るまでの時間は10秒以下が好ましく、0.1〜10秒が特に好ましい。10秒を超えると表面の化学的な変性が進み、処理ムラが発生しやすくなる場合がある。
また水洗工程を挟んだ処理槽と処理槽の間隔は、アルミニウムウェブの通過時間で15秒以下、特に5秒以下が好ましい。15秒を超えると表面の化学的な変性が進んで次工程で均一な粗面化処理が行われにくくなる場合がある。
アルミニウム板を洗浄するにあたっては、以下の方法を用いることが好ましく、排水量を減少させるという目的で、ドライアイスパウダーを用いた水洗方式が好ましい。
【0119】
(1)水による洗浄
平版印刷版用支持体の洗浄方法としては、ニップローラにて液切りした表面を、スプレーチップから噴射した水を用いて洗浄する方法を用いるのが一般的である。水はアルミニウム板の走行方向の下流に向かって45〜90゜の角度で噴射することが好ましい。水の噴射圧力は、噴射ノズル直前の圧力で、通常0.5〜5kg/cm2 、液温は10〜80℃が好ましい。走行するアルミニウム板の移動速度は20〜200m/minであることが好ましい。アルミニウム板に吹き付けられる水の液量は、ひとつの洗浄工程で0.1〜10L/m2 の液量が吹き付けられることが好ましい。一つの洗浄槽には、アルミニウム板の表面に最低2本以上、裏面に最低2本以上のスプレー管から洗浄水が噴射される。一つのスプレー管にはピッチ50〜200mmの間隔でスプレーチップが5〜30本設置される。スプレーチップの噴霧角度は10〜150゜、アルミニウム板とスプレーチップ噴射面の間隔は10〜250mmが好ましい。スプレーチップの噴霧の断面形状(スプレーパターン)は環状、円形、楕円形、正方形、長方形等があるが、円形・惰円形または正方形・長方形が好ましい。流量分布(アルミニウム板の表面における噴霧の水量分配状態)は環状分布、均等分布、山型分布等があるが、スプレーチップをスプレー管に複数並べて使用するときは、幅全域での均一な流量分布を容易にする山型分布が好ましい。流量分布は噴霧圧力とスプレーチップとアルミニウム板の距離により変化する。噴霧の粒子径はスプレーチップの構造、噴霧圧力、噴霧量によって変わるが、10〜10000μm、特に100〜1000μmが好ましい。スプレーノズルの材質は高速で流れる液体に対して耐摩耗性があることが好ましい。その材質は真鍮、ステンレス、セラミック等が用いられるが、セラミックノズルが特に好ましい。
スプレーチップを設置したスプレーノズルはアルミニウム板の進行方向に対して45〜90゜に配置することができるが、スプレーパターンの中心のうち長さが長い方の中心線がアルミニウム板の進行方向と直角になるようにすることが好ましい。
水洗処理工程を通過する洗浄時間は、工業的に10秒以下が好ましく、特に好ましくは0.5〜5秒が好ましい。
【0120】
(2)ドライアイスパウダーを使った洗浄
ドライアイスパウダーをアルミニウム板の両面に噴射して洗浄する方法には、特開平10−66905号公報に記載されているような公知のショットブラスト装置を用いることができる。噴射ノズルは特開平10−28901号公報、特開平10−28902号公報に記載されているような公知の噴射ノズルをアルミニウム板の両面に複数個並べることができる。噴射ノズルは横一直線に配置してもよいが、アルミニウム板表面の噴射パターンがアルミニウム板の巾方向で重なるように斜めに設置することが好ましい。噴射ノズルとアルミニウム板の間隔は1〜100mmが好ましく、特に10〜50mmが好ましい。
また、パウダー状のドライアイスを製造する方法は実開平7−38104号公報に記載されているような製造装置を用いることができる。噴射用の気体はGN2ガス、または空気を用いることができる。パウダー状のドライアイスは1〜1000μmであり、その平均粒径は10〜100μmが好ましい。噴射ノズル一個あたりのLCO2 (液化炭酸ガス)供給量は0.1〜1kg/minが好ましく、その供給圧力は1〜20MPaが好ましい。アルミニウム板での洗浄圧力は1〜20MPaが好ましい。
【0121】
<パスロールの材質>
ロールは、表面にメッキ処理またはライニング処理された公知の鉄鋼、メッキ、電解コンデンサ、PS板等の連続生産ラインに用いる金属ロール、樹脂ロール、ゴムロール、不織布ロールから選定して用いることができる。
ロールの材質、表面の物性値は薬液やそのときのアルミニウム表面の状態に応じて耐食性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性等を考慮して選定する。金属ロールではハードクロムメッキロールが一般的に用いられる。ゴムロールでは天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、フッ素ゴム等はもちろんそれらに微量の添加物を添加したものを用いることができる。ゴムロールの硬度は60〜90が特に好ましい。
【0122】
[平版印刷版用支持体]
上記に詳細に説明した本発明の電解粗面化処理方法によれば、電解粗面化処理における電流の局所的な集中を効果的に抑えられ、少ない電気量で大きさおよび深さ等が均一なピットが効率良く形成されるため、該方法および該方法を含む粗面化処理方法により、アルミニウム板表面に、平均ピット径が0.5〜3μmで、該ピット径の標準偏差が2.5以下の均一なピットが形成された平版印刷版用支持体を得ることができる。
【0123】
平均ピット径0.5〜3μmのピットは、主にアンカー(投錨)効果によって画像記録層を保持し耐刷力を付与する機能を有する。そして、該ピットを特に均一に形成することにより、耐刷力を更に向上させると同時に、表面の親水性と保水性を改善し耐汚れ性の向上にも寄与する。
本発明では、上記ピット径の標準偏差は、2.5以下であるのが好ましく、2.0以下であるのがより好ましい。該標準偏差が2.5以下であると、そのピット径が均一であり湿し水の供給量が少ない場合であっても形成される水膜が極めて均一となるので、地汚れやシャドー部のつまりが発生しない。逆に言えば、湿し水の供給量を少なくすることができるので、湿し水を多くした場合に発生する汚れを防止することができる。即ち、上記ピット径の標準偏差が特定値以下である本発明の平版印刷版用支持体は、平版印刷版としたときの水インキバランスに極めて優れるのである。
【0124】
ここで、平均ピット径および該ピット径の標準偏差の測定方法は、以下の通りである。
電子顕微鏡を用いて支持体の表面を真上から倍率2000倍で撮影し、得られた電子顕微鏡写真においてピットの周囲が環状に連なっているピットを少なくとも50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径および標準偏差を算出する。
また、測定のバラツキを抑制するために、市販の画像解析ソフトによる等価円直径測定を行うこともできる。この場合、上記電子顕微鏡写真をスキャナーで取り込んでデジタル化し、ソフトウェアにより二値化した後、等価円直径を求める。
本発明者が測定したところ、目視測定の結果とデジタル処理の結果とは、ほぼ同じ値を示した。大波構造を重畳した構造の場合も同様であった。
【0125】
上記に詳細に説明した本発明の平版印刷版用支持体の製造方法によれば、表面の凹凸、特に電解粗面化処理により形成されるピットが均一な平版印刷版用支持体を得ることができる。また、本発明の平版印刷版用支持体の製造方法により得られた平版印刷版用支持体は、後述するように画像記録層を設け平版印刷版原版とすると、これを製版して平版印刷版としたときに、耐刷性と耐汚れ性とを高い水準で両立できる。
【0126】
[平版印刷版原版]
以下、本発明により得られる平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版原版について説明する。
本発明の平版印刷版原版は、上記の本発明の平版印刷版用支持体上に画像記録層を設けてなる。
【0127】
<下塗層>
本発明の平版印刷版原版においては、上記のようにして得られた本発明の平版印刷版用支持体上に、画像記録層を設ける前に、必要に応じて、例えば、ホウ酸亜鉛等の水溶性金属塩のような無機下塗層や、有機下塗層を設けてもよい。
【0128】
有機下塗層に用いられる有機化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース;デキストリン;アラビアガム;スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体;ポリアクリル酸;2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類;置換基を有していてもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸、エチレンジホスホン酸等の有機ホスホン酸;置換基を有していてもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸、グリセロリン酸等の有機リン酸;置換基を有していてもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸、グリセロホスフィン酸等の有機ホスフィン酸;グリシン、β−アラニン等のアミノ酸類;トリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩;黄色染料が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0129】
有機下塗層は、水もしくはメタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶媒、またはそれらの混合溶剤に、上記有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布し乾燥することにより設けられる。上記有機化合物を溶解させた溶液の濃度は、0.005〜10質量%であるのが好ましい。塗布の方法は、特に限定されず、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等のいずれの方法も用いることができる。
有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2 であるのが好ましく、5〜100mg/m2 であるのがより好ましい。上記範囲であると、耐刷性がより良好になる。
【0130】
<画像記録層>
本発明の平版印刷版用支持体には、以下に例示する感光層、感熱層等の画像記録層を設けて平版印刷版原版とすることができる。画像記録層は、例えば、コンベンショナルポジタイプ、コンベンショナルネガタイプ、フォトポリマータイプ、サーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ、機上現像可能な無処理タイプが好適に挙げられる。以下、これらの好適な画像記録層について説明する。
【0131】
<コンベンショナルポジタイプ>
コンベンショナルポジタイプの感光層に好適に用いられる感光性樹脂組成物としては、例えば、o−キノンジアジド化合物と水不溶性かつアルカリ可溶性の高分子化合物(以下、「アルカリ可溶性高分子化合物」という。)とを含有する組成物が挙げられる。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとフェノール・ホルムアルデヒド樹脂またはクレゾール・ホルムアルデヒド樹脂とのエステルや、米国特許第3,635,709号明細書に記載されている1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロール・アセトン樹脂とのエステルが挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共縮合樹脂、ポリヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、特開平7−36184号公報に記載されているカルボキシ基含有ポリマー、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性ヒドロキシ基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866号に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂や、ウレタン系樹脂が挙げられる。
更に感光性樹脂組成物には、特開平7−92660号公報の[0024]〜[0027]に記載されている感度調節剤、焼出剤、染料等の化合物や同公報の[0031]に記載されているような塗布性を良化するための界面活性剤を加えることが好ましい。
【0132】
<コンベンショナルネガタイプ>
コンベンショナルネガタイプの感光層に好適に用いられる感光性樹脂組成物としては、ジアゾ樹脂とアルカリ可溶性または膨潤性の高分子化合物(以下、「結合剤」という。)とを含有する組成物が挙げられる。
ジアゾ樹脂としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等の活性カルボニル基含有化合物との縮合物、p−ジアゾフェニルアミン類とホルムアルデヒドとの縮合物とヘキサフルオロリン酸塩またはテトラフルオロホウ酸塩との反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩が挙げられる。特に、特開昭59−78340号公報に記載されている6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子量ジアゾ化合物が好ましい。
好適な結合剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分として含む共重合体、具体的には、特開昭50−118802号公報に記載されているような2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等のモノマーの多元共重合体や、特開昭56−4144号公報に記載されているようなアルキルアクリレート、(メタ)アクリロニトリル、および、不飽和カルボン酸からなる多元共重合体が挙げられる。
更に感光性樹脂組成物には、特開平7−281425号公報の[0014]〜[0015]に記載されている焼出剤、染料、塗膜の柔軟性や耐摩耗性を付与するための可塑剤、現像促進剤等の化合物や、塗布性を良化するための界面活性剤を加えることが好ましい。
上述したコンベンショナルタイプのポジ型もしくはネガ型感光層の下層としては、特開2000−105462号公報に記載されている、酸基を有する構成成分とオニウム基を有する構成成分とを有する高分子化合物を含有する中間層を設けることが好ましい。
【0133】
<フォトポリマータイプ>
フォトポリマータイプの感光層に好適に用いられる光重合型感光性組成物(以下、「光重合性組成物」という。)は、付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物(以下、単に「エチレン性不飽和結合含有化合物」という。)と、光重合開始剤と、高分子結合剤とを必須成分として含有し、必要に応じて、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物を含有する。
光重合性組成物に含有されるエチレン性不飽和結合含有化合物は、光重合性組成物が活性光線の照射を受けた場合に、光重合開始剤の作用により付加重合し、架橋し硬化するようなエチレン性不飽和結合を有する化合物である。エチレン性不飽和結合含有化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができ、例えば、モノマー、プレポリマー(即ち、2量体、3量体およびオリゴマー)、これらの混合物、これらの共重合体等の化学的形態を有する。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが挙げられる。またウレタン系付加重合性化合物も好適である。
【0134】
光重合性組成物に含有される光重合開始剤としては、使用する光源の波長により、種々の光重合開始剤または2種以上の光重合開始剤の併用系(光開始系)を適宜選択して用いることができ、例えば、特開2001−22079号公報の[0021]〜[0023]に記載されている開始系が好ましい。
光重合性組成物に含有される高分子結合剤は、光重合性組成物の皮膜形成剤として機能するだけでなく、感光層をアルカリ現像液に溶解させる必要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が使用される。上記高分子結合剤としては同公報の[0036]〜[0063]に記載されている物が有用である。
光重合性組成物には、同公報の[0079]〜[0088]に記載されている添加剤(例えば塗布性を良化するための界面活性剤)を加えることが好ましい。また、上記感光層の上に、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性保護層を設けることが好ましい。酸素遮断性保護層に含有される重合体としては、ポリビニルアルコールおよびその共重合体が挙げられる。
更に上記の感光層の下層として、特開2001−228608号公報の[0131]〜[0165]に記載されているような接着層を設けるのも好ましい。
【0135】
<サーマルポジタイプ>
サーマルポジタイプの感熱層は、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する。
アルカリ可溶性高分子化合物は、高分子中に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体、およびこれらの混合物を包含し、特に、(1)フェノール性ヒドロキシ基(−Ar−OH)、(2)スルホンアミド基(−SO2 NH−R)のような酸性基を有するものが、アルカリ現像液に対する溶解性の点で好ましい。とりわけ、赤外線レーザ等による露光での画像形成性に優れる点で、フェノール性ヒドロキシ基を有することが好ましい。例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−およびm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂;ピロガロールアセトン樹脂が好ましく挙げられる。更に詳しくは特開2001−305722号公報の[0023]〜[0042]に記載されている高分子が好ましく用いられる。
【0136】
光熱変換物質は、露光エネルギーを熱に変換して感熱層の露光部領域の相互作用解除を効率よく行うことを可能とする。記録感度の観点から、波長700〜1200nmの赤外域に光吸収域がある顔料または染料が好ましい。染料としては、具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体(例えば、ニッケルチオレート錯体)等が挙げられる。中でも、シアニン染料が好ましく、例えば、特開2001−305722号公報の一般式(I)で示されたシアニン染料が挙げられる。
サーマルポジタイプの感熱層に用いられる組成物には、上記コンベンショナルポジタイプで記述した物と同様の感度調節剤、焼出剤、染料等の化合物や塗布性を良化するための界面活性剤を加えることが好ましい。詳しくは特開2001−305722号公報の[0053]〜[0059]に記載されている化合物が好ましい。
サーマルポジタイプの感熱層は単層であってもよいし、特開平11−218914号公報に記載されているような2層構造であってもよい。
サーマルポジタイプの感熱層と支持体との間には、下塗層を設けることが好ましい。下塗層に含有される成分としては特開2001−305722号公報の[0068]に記載されている種々の有機化合物が挙げられる。
【0137】
<サーマルネガタイプ>
サーマルネガタイプの感熱層は、赤外線レーザ照射部が硬化して画像部を形成するネガ型の感熱層である。
このようなサーマルネガタイプの感熱層の一つとして、重合型の層(重合層)が好適に挙げられる。重合層は、(A)赤外線吸収剤と、(B)ラジカル発生剤(ラジカル重合開始剤)と、発生したラジカルにより重合反応を起こして硬化する(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーとを含有する。
重合層においては、赤外線吸収剤が吸収した赤外線を熱に変換し、この際発生した熱により、オニウム塩等のラジカル重合開始剤が分解し、ラジカルが発生する。ラジカル重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を有する化合物から選ばれ、発生したラジカルにより連鎖的に重合反応が生起し、硬化する。
(A)赤外線吸収剤としては、例えば、前述したサーマルポジタイプの感熱層に含有される上記光熱変換物質が挙げられるが、特にシアニン色素の具体例としては特開2001−133969号公報の[0017]〜[0019]に記載されたものが挙げられ、(B)ラジカル発生剤としては、オニウム塩が挙げられ、好適に用いられるオニウム塩の具体例としては、特開2001−133969号公報の[0030]〜[0033]に記載されたものが挙げられ、(C)ラジカル重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。(D)バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましく、水または弱アルカリ水に可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。特にこれらの中で、ベンジル基またはアリル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れており、好適である。(C)ラジカル重合性化合物および(D)バインダーポリマーに関しては同公報の[0036]〜[0060]に詳しく記載された物が使用できる。その他の添加物としては、同公報の[0061]〜[0068]に記載されている添加剤(例えば塗布性を良化するための界面活性剤) を加えることも好ましい。
【0138】
また、重合型のほかに、サーマルネガタイプの感熱層の一つとして、酸架橋型の層(酸架橋層)が好適に挙げられる。酸架橋層は、(E)光または熱により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」という。)と、(F)発生した酸により架橋する化合物(以下、「架橋剤」という。)と、酸の存在下で架橋剤と反応しうる(G)アルカリ可溶性高分子化合物を含有する。赤外線レーザのエネルギーを効率よく使用するため、酸架橋層には(A)赤外線吸収剤が配合される。(E)酸発生剤としては、光重合の光開始剤、色素類の光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている酸発生剤等の、熱分解して酸を発生しうる化合物が挙げられる。(F)架橋剤としては、(i)ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物、(ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基またはN−アシルオキシメチル基を有する化合物、(iii)エポキシ化合物が挙げられる。(G)アルカリ可溶性高分子化合物としては、ノボラック樹脂、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマー等が挙げられる。
【0139】
<無処理タイプ>
無処理タイプの感熱層は、熱可塑性微粒子ポリマー型、マイクロカプセル型、、スルホン酸発生ポリマー含有型等のタイプがあり、本発明は特に印刷機上で現像する無処理タイプに好ましい。
熱可塑性微粒子ポリマー型は、(H)疎水性熱溶融性樹脂微粒子が(J)親水性高分子マトリックス中に分散され、露光部の熱により疎水性のポリマーが溶融し、互いに融着してポリマーによる疎水性領域、即ち、画像部を形成する。
(H)疎水性熱溶融性樹脂微粒子(以下、「微粒子ポリマー」という。)は、微粒子ポリマー同士が熱により溶融合体するものが好ましく、表面が親水性で、湿し水等の親水性成分に分散する、親水性表面を有する微粒子ポリマーが好ましい。微粒子ポリマーとしては、Reseach Disclosure No.33303(1992年1月)、特開平9−123387号、同9−131850号、同9−171249号、同9−171250号の各公報、欧州特許出願公開第931,647号明細書等に記載されている熱可塑性微粒子ポリマーが好適に挙げられる。具体例としては、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾール等のモノマーのホモポリマーもしくはコポリマーまたはそれらの混合物が挙げられる。中でも、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルを用いるのが好ましい。親水性表面を有する微粒子ポリマーは、微粒子を構成するポリマー自体が親水性であるもの、ポリマーの主鎖または側鎖に親水性基を導入して親水性を付与したもの等のポリマー自体が親水性であるもの;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の親水性ポリマー、親水性オリゴマーまたは親水性低分子化合物を、微粒子ポリマー表面に吸着させて表面を親水性化したものを包含する。微粒子ポリマーとしては、熱反応性官能基を有する微粒子ポリマーがより好ましい。上記したような微粒子ポリマーは、(J)親水性高分子マトリックス中に分散させることで、機上現像する場合には機上現像性が良好となり、更に感熱層自体の皮膜強度も向上する。
【0140】
マイクロカプセル型としては、特開2000−118160号公報に記載されているタイプや、特開2001−277740号公報に記載されているような熱反応性官能基を有する化合物を内包するマイクロカプセル型が好ましく挙げられる。
スルホン酸発生ポリマー含有型に用いられるスルホン酸発生ポリマーとしては、例えば、特開平10−282672号公報に記載されているスルホン酸エステル基、ジスルホン基またはsec−もしくはtert−スルホンアミド基を側鎖に有するポリマー等が挙げられる。
無処理タイプの感熱層に親水性樹脂を含有させることにより、機上現像性が良好となるばかりか、感熱層自体の皮膜強度も向上する。また、親水性樹脂を架橋硬化させて、現像処理不要の平版印刷版原版を得ることができる。親水性樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基等の親水基を有するものや、親水性のゾルゲル変換系結着樹脂が好ましい。親水性樹脂の具体例としては、上記した(J)親水性高分子マトリックスとして用いられる親水性樹脂として列挙したものが挙げられる。
中でも、ゾルゲル変換系結着樹脂が好ましい。
無処理タイプの感熱層には、光熱変換物質を添加することが必要である。光熱変換物質は、波長700nm以上の光を吸収する物質であればよく、上記したサーマルポジタイプに用いられる染料と同様の染料が特に好ましい。
【0141】
<バックコート層>
このようにして、平版印刷版用支持体上に、各種の画像記録層を設けて得られた平版印刷版原版の裏面には、必要に応じて、平版印刷版を重ねた場合における画像記録層の傷付きを防止するために、有機高分子化合物からなるバックコート層を設けることができる。
【0142】
<塗布方法>
上記コンベンショナルタイプ、フォトポリマータイプ、サーマルタイプ、および無処理タイプの画像記録層形成液を上記平版印刷版用支持体の粗面化面に塗布する方法としては、コーティングロッドを用いる方法、エクストルージョン型コーターを用いる方法、スライドビードコーターを用いる方法等、従来公知の方法が使用でき、また公知の条件に従って行うことができる。
【0143】
<塗布量>
本発明において、上記のようにして得られた平版印刷版用支持体上に塗布される画像記録層は、上記した画像記録層の種類等により一概にはいえないが、例えば、乾燥時の塗布量で0.8〜2.5g/m2 であるのが好ましい。
【0144】
上記コンベンショナルタイプ、フォトポリマータイプ、サーマルタイプ、および無処理タイプの画像記録層形成液を塗布後のアルミニウム板を乾燥する装置としては、特開平6−63487号公報に記載の、乾燥装置内にパスロールを配置し、上記パスロールで搬送しつつ乾燥するアーチ型ドライヤー、上下からノズルによりエアーを供給し、ウェブを浮上させながら乾燥するエアードライヤー、高温に加熱された媒体からの輻射熱で乾燥する輻射熱ドライヤー、およびローラを加熱し、上記ローラとの接触による伝導伝熱により乾燥するローラドライヤー等がある。
【0145】
[平版印刷版]
本発明の平版印刷版原版は、画像記録層に応じた種々の処理方法により、平版印刷版とされる。
一般には、像露光を行う。像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプが挙げられる。レーザビームとしては、例えば、ヘリウム・ネオンレーザ(He−Neレーザ)、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム・カドミウムレーザ、KrFエキシマーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、YAG−SHGレーザが挙げられる。
上記露光の後、画像記録層がサーマルタイプ、コンベンショナルタイプおよびフォトポリマータイプのいずれかである場合は、露光した後、現像液を用いて現像して平版印刷版を得るのが好ましい。平版印刷版原版に用いられる好ましい現像液は、アルカリ現像液であれば特に限定されないが、有機溶剤を実質的に含有しないアルカリ性の水溶液が好ましい。また、アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液を用いて現像することもできる。アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液を用いて現像する方法については、特開平11−109637号公報に詳細に記載されており、該公報に記載されている内容を用いることができる。また、平版印刷版原版をアルカリ金属ケイ酸塩を含有する現像液を用いて現像することもできる。
【0146】
このようにして得られる平版印刷版は、耐刷性および耐汚れ性に優れる。
【0147】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0148】
[実施例I]
1.平版印刷版用支持体の作成
(実施例1−7および比較例1−4)
<アルミニウム板>
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.005質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
【0149】
<粗面化処理>
粗面化処理は、以下の(a)〜(f)の各種処理を連続的に行うことにより行った。なお、各処理および水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
【0150】
(a)機械的粗面化処理
図5に示したような装置を使って、研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液(濃度300g/L、比重1.12)としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図5において、51はアルミニウム板、52および54はローラ状ブラシ、53は研磨スラリー液、55、56、57および58は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は40μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
【0151】
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度20質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度50℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を5g/m2 溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0152】
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、5秒間スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0153】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5g/L含む。)で、液温50℃であった。交流電源波形は図1に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間tpが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で20A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で200C/dm2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
使用した電解槽は図6に示す1槽のものを用い、電解休止部分が第1表に示す条件になるように主極を設定して行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0154】
【表1】
【0155】
なお、第1表中、「組み合わせ」とは、短休止部分と長休止部分との組み合わせであり、短休止部分が長休止部分により分割されて形成される電解部分群の配置を示したものであり、アルミニウム板の搬送方向上流側から順に、第1電解部分群、第2電解部分群、第3電解部分群および第4電解部分群に含まれる短休止部分の数を表したものである。例えば、実施例1では、短休止部分を合計20回、長休止部分を1回設けており、その分割方法は、短休止部分10回設けた第1電解部分群、長休止部分1回、更に短休止部分10回設けた第2電解部分群とする方法を「10+10」と表している。
また第1表において、「−」は該当する分割方法または短休止部分がないことを表す。
【0156】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度20質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を30℃で行い、アルミニウム板を1.0g/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0157】
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度20質量%水溶液(アルミニウムイオンを3質量%含む。)で、3秒間スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸電解液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0158】
上記粗面化処理により得られたアルミニウム板を下記の条件で、陽極酸化処理を行った。
【0159】
(j)陽極酸化処理
硫酸濃度10質量%(アルミニウムイオンを3質量%含む。)に水溶液で、温度40℃の電解液を用い、電流密度20A/dm2 で陽極酸化皮膜を設けた。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は1.5g/m2 であった。
【0160】
2.平版印刷版用支持体の表面形状の評価
得られた各平版印刷版用支持体について、上記(d)電解粗面化処理により形成されたピットの平均ピット径および標準偏差を以下の方法により求めた。その結果を第2表に示す。
【0161】
電子顕微鏡を用いて支持体の表面を真上から倍率2000倍で撮影し、得られた電子顕微鏡写真においてピットの周囲が環状に連なっているピットを少なくとも50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径および標準偏差を算出した。
【0162】
3.平版印刷版原版の製造
上記で得られた各平版印刷版用支持体に、サーマルポジタイプの画像記録層を設けて平版印刷版原版を得た。画像記録層を設ける前には、後述するようにアルカリ金属ケイ酸塩処理による親水化処理を行った。
【0163】
上記で得られた平版印刷版用支持体を、温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理槽の中に10秒間浸せきさせることで、アルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後の平版印刷版用支持体上に、下記組成の下塗液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜(中間層)を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は10mg/m2 であった。
【0164】
<下塗液組成>
・下記高分子化合物 0.2g
・メタノール 100g
・水 1g
【0165】
【化1】
【0166】
更に、下記組成の感熱層塗布液を調製し、下塗りした平版印刷版用支持体に、この感熱層塗布液を乾燥後の塗布量(感熱層塗布量)が1.7g/m2 になるよう塗布し、乾燥させて感熱層(サーマルポジタイプの画像記録層)を形成させ、平版印刷版原版を得た。
【0167】
<感熱層塗布液組成>
・ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40、重量平均分子量7,000、未反応クレゾール0.5質量%含有) 1.0g
・下記構造式で表されるシアニン染料A 0.1g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g
・p−トルエンスルホン酸 0.002g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.02g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0.05g
・メチルエチルケトン 12g
【0168】
【化2】
【0169】
4.露光および現像処理
上記で得られた各平版印刷版原版には、下記の方法で画像露光および現像処理を行い、平版印刷版を得た。
平版印刷版原版を出力500mW、波長830nmビーム径17μm(1/e2 )の半導体レーザーを装備したCREO社製TrenndSetter3244を用いて主走査速度5m/秒、版面エネルギー量140mJ/cm2 で像様露光した。
その後、非還元糖と塩基とを組み合わせたD−ソルビット/酸化カリウムK2 Oよりなるカリウム塩5.0質量%およびオルフィンAK−02(日信化学社製)0.015質量%を含有する水溶液1Lに下記化合物aを添加したアルカリ現像液を用いて現像処理を行った。現像処理は、上記アルカリ現像液を満たした自動現像機PS900NP(富士写真フイルム(株)製)を用いて、現像温度25℃、12秒の条件で行った。現像処理が終了した後、水洗工程を経て、ガム(GU−7(1:1))等で処理して、製版が完了した平版印刷版を得た。なお、化合物aの代わりに、下記化合物bまたはcを同じ添加量で添加したアルカリ現像液を用いた場合であっても、同様に現像処理を行うことができた。
<化合物a〜c>
化合物a:C12H25N(CH2 CH2 COONa)2
化合物b:C12H25O(CH2 CH2 O)7 H
化合物c:(C6 H13)2 CHO(CH2 CH2 O)20H
【0170】
5.平版印刷版の評価
上記で得られた平版印刷版の耐汚れ性および耐刷性を下記の方法で評価した。結果を第2表に示す。
(1)耐刷性
小森コーポレーション社製のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷し、ベタ画像の濃度が薄くなり始めたと目視で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を印刷枚数で評価した。
【0171】
(2)耐汚れ性
耐汚れ性は、ブランケット胴の汚れにくさ(汚れ性)に関して評価した。該評価が高いほうが耐汚れ性に優れる。
三菱ダイヤ型F2印刷機(三菱重工業社製)で、DIC−GEOS(s)紅のインキを用いて印刷し、1万枚印刷した後におけるブランケットの汚れを目視で評価した。
結果を第2表に示す。ブランケットの汚れが少ない方から順に、○、○△、△、△×、×の5段階で表した。
【0172】
【表2】
【0173】
第2表から明らかなように、本発明の電解粗面化処理方法を含む粗面化処理を施して得られた実施例1〜7の平版印刷版用支持体は、均一なピットが形成され、平版印刷版としたときの耐刷性および耐汚れ性に優れる。
また、機械的粗面化処理、化学的エッチング処理および酸性液中でのデスマット処理からなる群より選択される2種以上の処理、および、本発明の電解粗面化処理方法による電気化学的粗面化処理を、順に含む粗面化処理をアルミニウム板に施す平版印刷版用支持体の製造方法により得られる平版印刷版用支持体は、その表面に均一なピットが形成され、平版印刷版としたときの耐刷性および耐汚れ性に優れる。
【0174】
[実施例II]
1.平版印刷版用支持体の作成
(実施例8−24)
上記[実施例I]の実施例2(長休止部分と短休止部分との組み合わせは第3表に示すとおりであり、休止時間は、短休止部分が0.3秒、長短休止部分が6秒である。)において、(d)の電解粗面化処理条件を第3表に示す条件に変更した以外は、同様の条件で粗面化処理および陽極酸化処理を行い、平版印刷版用支持体を得た。
なお、第3表中の「組み合せ」の表記は第1表と同様である。
【0175】
【表3】
【0176】
なお、第3表中の平均電気量の割合は、電解部分1回分の陽極時の電気量を各電解部分について算出し、その値について、電解部分1回分の陽極時の平均電気量に対する比を求めた。該比と1.0との差の絶対値が最も大きい値を示した。
【0177】
2.平版印刷版用支持体および平版印刷版の評価
その後、上記[実施例I]と同様にして得られた各平版印刷版用支持体の表面形状(ピット径および標準偏差)を求め、第4表に示した。
さらに、上記[実施例I]と同様にして平版印刷版原版を製造し露光および現像処理を行い、得られた平版印刷版の耐汚れ性および耐刷性を同様の方法で評価した。
【0178】
【表4】
【0179】
第4表から明らかなように、電解部分1回分の陽極時の平均電気量および平均電気量の割合を特定の範囲に調整することにより、また、長休止部分により分割される各電解部分群における陽極時の電気量の総和を特定範囲内に調整することにより、さらに、電解部分1回分の電流密度を特定範囲内に調整することにより、平版印刷版用支持体表面により均一なピットが少ない電気量で形成され、平版印刷版としたときの耐刷性および耐汚れ性により優れる。
【0180】
[実施例III]
1.平版印刷版用支持体の作成
(実施例25−35)
<粗面化処理>
[実施例I]で製造したアルミニウム板を用い、以下の(a)〜(i)の各種処理を連続的に行うことにより行った。なお、各処理および水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
【0181】
(a)機械的粗面化処理は、上記[実施例I]と同様の方法により行った。
(b)アルカリエッチング処理は、アルミニウム板の溶解量を8g/m2 とした以外は、上記[実施例I]と同様の方法により行った。
(c)デスマット処理は、上記[実施例I]と同様の方法により行った。
【0182】
(d)電解粗面化処理は、電流密度を電流のピーク値で28A/dm2 、アルミニウム板が陽極時の電気量の総和を180C/dm2 とした以外は、上記[実施例I]の実施例1(短休止部分20回、長休止部分1回、電解休止時間は短休止部分が0.1秒、長短休止部分が6秒)と同様の方法により行った。
【0183】
(e)アルカリエッチング処理は、アルミニウム板の溶解量を第5表に示すように変更した以外は、上記[実施例I]と同様の方法により行った。
(f)デスマット処理は、上記[実施例I]と同様の方法により行った。
【0184】
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)で、温度35℃であった。交流電源波形は図1に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間tpが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図4に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2 であった。
その後、スプレーによる水洗を行った。
なお、本電解粗面化処理では電解休止部分を設けずに、通常の方法で行った。
【0185】
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度20質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を30℃で行い、第5表に示す溶解量でアルミニウム板を溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0186】
(i)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度20質量%水溶液(アルミニウムイオンを3質量%含む。)で、3秒間スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0187】
その後、上記[実施例I]と同様の条件で陽極酸化処理を行い、平版印刷版用支持体を得た。
【0188】
2.平版印刷版の評価
得られた平版印刷版用支持体を用いて、上記[実施例I]と同様にして平版印刷版原版を製造し露光および現像処理を行い、得られた平版印刷版の耐汚れ性および耐刷性を同様の方法で評価した。
【0189】
【表5】
【0190】
第5表から明らかなように、硝酸電解液中での交流電解粗面化処理、化学的エッチング処理、塩酸電解液中での交流電解粗面化処理、および、化学的エッチング処理を順に含み、上記交流電解粗面化処理の少なくとも一方を本発明の電解粗面化処理方法で行うことにより得られる平版印刷版用支持体は、本発明の電解粗面化処理方法により形成されるピットのほかに、その表面に形成される凹凸構造も、より均一に形成されるため、該表面の親水性および保水性に優れ、かつ、該表面積も増大する。したがって、平版印刷版としたときの耐刷性および耐汚れ性を高い水準で両立できる。
【0191】
【発明の効果】
本発明により、少ない電気量でピットが効率的に形成でき、耐刷性と耐汚れ性とを高い水準で両立できる平版印刷版用支持体の電解粗面化処理方法および製造方法が提供できる。
また、これらの方法により、耐刷性と耐汚れ性とを高い水準で両立できる平版印刷版用支持体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学的粗面化に好ましく用いられる台形波交流電源波形の一例を示す波形図である。
【図2】本発明に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例を示す断面図である。
【図3】本発明に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の他の一例を示す断面図である。
【図4】本発明に用いられるラジアル型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例を示す断面図である。
【図5】本発明において機械的粗面化処理に用いられるブラシグレイニングの工程の概念を示す側面図である。
【図6】本発明の電解粗面化処理方法に好適に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例を示す断面図である。
【図7】本発明の電解粗面化処理方法に好適に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2、20 交流電解槽
4A、4B、4C、26A、26B 主極
6A、6B、14A、14B 搬送ローラ
8A、16A 導入ローラ
8B、16B 導出ローラ
10、34 補助電解槽
12、36 補助電極
22 交流電解槽本体
22A 開口部
24 送りローラ
28A、28B 給液ノズル
30A 上流側案内ローラ
30B 下流側案内ローラ
32 溢流槽
34A 補助電解槽の底面
35 上流側案内ローラ
51 アルミニウム合金板
52、54 ローラ状ブラシ
53 研磨スラリー液
55、56、57、58 支持ローラ
60A 第1主極
60B 第2主極
60C 第3主極
61 小電極
62 スペーサ(絶縁体)
70 主極
100、102、104 電解粗面化処理装置
a 搬送方向
T 搬送面
Tac 電源
Th1、Th2、Th3、Th4、Th5 サイリスタ
W アルミニウムウェブ
ta アノード反応時間
tb カソード反応時間
tc 電流が0からピークに達するまでの時間
Ia アノードサイクル側のピーク時の電流
Ic カソードサイクル側のピーク時の電流[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrochemical surface-roughening treatment method for a lithographic printing plate support, a production method including the same, and a lithographic printing plate support obtained thereby. In particular, a method for electrochemical surface roughening of a lithographic printing plate support having a high uniformity of the concavo-convex structure formed on the aluminum plate surface and good electrolytic treatment efficiency, and a method for producing a lithographic printing plate support comprising the same, In addition, the present invention relates to a support for a lithographic printing plate that is excellent in printing durability and stain resistance when obtained as a lithographic printing plate.
[0002]
[Prior art]
Photosensitive lithographic printing plates using an aluminum alloy plate as a support are widely used for offset printing. This lithographic printing plate is obtained by making a lithographic printing plate precursor.
A lithographic printing plate precursor is generally obtained by subjecting one or both of the surfaces of an aluminum alloy plate to a roughening treatment, applying a photosensitive solution and drying to form a photosensitive layer.
A lithographic printing plate precursor is processed into a lithographic printing plate through image exposure, development, washing with water and the like. Image exposure methods include a method of providing a difference between an image portion and a non-image portion by bringing a lithographic film on which an image is baked into close contact with a lithographic printing plate precursor and applying light, or using a laser or projecting an image. For example, a method of writing an image portion or a non-image portion directly on a lithographic printing plate precursor to provide a difference between an image portion and a non-image portion can be used. In the development, the photosensitive layer in the exposed portion is removed in the positive planographic printing plate precursor, and the photosensitive layer in the non-exposed portion is removed in the negative planographic printing plate precursor. Here, the photosensitive layer is removed, and the surface of the lithographic printing plate support, that is, the exposed portion of the aluminum alloy plate surface or the anodized film surface becomes a non-image portion exhibiting hydrophilicity, and the photosensitive layer is not removed. The remaining portion becomes an image portion showing oleophilicity (lipophilicity). After development, hydrophilic treatment, gumming, burning treatment, etc. are performed as necessary.
[0003]
The lithographic printing plate obtained in this way is attached to the plate cylinder of a printing press and used for printing. In printing, ink and fountain solution are supplied to the surface of the lithographic printing plate. Ink adheres to the image area of the lithographic printing plate that is oleophilic, and water adheres to the non-image area of the lithographic printing plate that is hydrophilic. After the ink in the image area is transferred to the blanket cylinder, it is further transferred to a printing material such as paper, and printing is completed.
[0004]
The lithographic printing plate support used for the lithographic printing plate precursor used as described above has a uniform surface for the purpose of improving water retention, printing durability, stain resistance, tone reproducibility, etc. In order to form a rough surface, a roughening process is performed.
[0005]
Conventional roughening methods include mechanical roughening methods such as ball grain and brush grain; electrochemical roughening by electropolishing the surface of an aluminum alloy plate using an electrolytic solution containing hydrochloric acid, nitric acid, or the like. A chemical roughening method is known in which the surface of an aluminum alloy plate is etched with an acid solution, but in recent years, the rough surface obtained by the electrochemical roughening method has uniform pits (unevenness). Since it has excellent printing performance when used as a lithographic printing plate, it is roughened by an electrochemical roughening method or by combining an electrochemical roughening method with another roughening method. Processing is becoming mainstream.
[0006]
As an electrochemical surface roughening method for forming uniform pits on the surface of a lithographic printing plate support, for example, in a method of electrolytic surface roughening treatment in an electrolytic solution of an aluminum plate, electrolysis is performed during the electrolytic treatment time. Electrolytic surface roughening method for a lithographic printing plate (see Patent Document 1) characterized in that the resting time is provided at least twice, and a metal web and an electrode facing the metal web in an electrolytic treatment solution containing metal ions In the roughening treatment method for a lithographic printing plate support, in which an electric current is supplied between the metal web and the metal web to be continuously subjected to electrochemical treatment, 1 to 20 treatment pause intervals are provided during the electrolytic treatment. And the roughening processing method (refer patent document 2) of the support body for lithographic printing plates characterized by making the passage time of the one process stop area in the said electrolytic treatment into 1 to 30 second is mentioned. .
[0007]
As another method, for example, when aluminum or its alloy sheet web is continuously subjected to electrolytic treatment while being conveyed in an acidic electrolytic solution, a portion where the progress of the electrolytic treatment is fast and a slow progress of the electrolytic treatment in the entire electrolytic process. Alternatively, in the method of electrolytic treatment so that the portions to be stopped alternately exist multiple times, the amount of electricity in the electrolytic treatment in one partial process where the progress of the electrolytic treatment is fast is 100 C / dm on average.2A method for producing a support for a lithographic printing plate, characterized in that it is as follows (see Patent Document 3).
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 01-242289
[Patent Document 2]
JP 09-039461 A
[Patent Document 3]
JP-A-10-000869
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in recent years, even when aluminum or an aluminum alloy plate having a low purity is used due to cost reduction, environmental considerations, etc., there has been a demand for cost reduction of manufacturing facilities and reduction of running cost. In addition, lithographic printing plates that are superior in printing performance such as high printing performance, development of various image recording layers, and the like, such as a large number of printed sheets (high printing durability) and resistance to stains, are used. There is a demand for a lithographic printing plate support.
However, in general, there is a trade-off relationship between stain resistance and printing durability as printing performance, so it is difficult to achieve both of these characteristics. In particular, the lithographic printing plate excellent in the printing performance described above and the lithographic printing used therefor In the present situation where a plate support is required, the lithographic printing plate support obtained by the above method may not sufficiently satisfy such a request.
[0010]
Therefore, the present invention provides an electrochemical surface roughening treatment for a lithographic printing plate support that can efficiently form pits with a small amount of electricity (low cost) and can achieve both printing durability and stain resistance at a high level. It is an object of the present invention to provide a method and a method for producing a lithographic printing plate support including the method.
Another object of the present invention is to provide a lithographic printing plate support that is obtained by these methods and has excellent printing durability and stain resistance when used as a lithographic printing plate.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the present inventors paid attention to the conditions of the electrochemical surface-roughening treatment method for the lithographic printing plate support, and as a result of intensive investigation, the progress of the electrolytic treatment was stopped or delayed. By specifying the time and number of times, the amount of electricity at the time of anode in the part where the progress of electrolytic treatment becomes faster, etc., it is possible to effectively suppress local concentration of current during electrochemical roughening treatment It has been found that pits can be formed efficiently with a small amount of electricity, and that a uniform gravel shape is formed, and both printing durability and stain resistance can be achieved at a high level when used as a lithographic printing plate.
Further, the inventors of the present invention provide a lithographic printing plate support, which is subjected to a roughening treatment and an anodizing treatment, in the method for producing a lithographic printing plate support. Knowledge that a roughening treatment (method) and other roughening treatments can be combined to provide a lithographic printing plate support with excellent printing durability and stain resistance when used as a lithographic printing plate. did.
The present invention has been made based on the above findings.
[0012]
That is, the present invention provides the following (1) to (9).
[0013]
(1) An aluminum or aluminum alloy plate is subjected to an electrochemical surface roughening treatment in an acidic electrolytic solution having alternating portions where the progress of electrolytic treatment is fast and portions where the progress of electrolytic treatment stops or slows. An electrochemical surface roughening treatment method for a lithographic printing plate support,
Providing two or more portions where the progress of the electrolytic treatment is stopped or slowed for a time of 0.5 seconds or less per time, and stopping the progress of the electrolytic treatment for a time of 5 seconds or more per time Alternatively, the slowing portion is provided at least once and the total amount of electricity applied to the surface of the aluminum or aluminum alloy plate at the time of anode is 15 to 400 C / dm2A method for electrochemical surface roughening of a support for a lithographic printing plate, characterized in that
[0014]
Here, the acidic electrolytic solution is preferably an electrolytic solution containing nitric acid and / or hydrochloric acid, and particularly preferably an electrolytic solution containing nitric acid.
In addition, the time per time is 0.5 seconds or less, and the time per time of the portion where the progress of the electrolytic treatment is stopped or slowed is preferably 0.4 seconds or less, and 0.1 seconds or more. The number of times is preferably 2 to 60 times.
Further, the time per time is 5 seconds or more, the time per time of the portion where the progress of the electrolytic treatment is stopped or slowed is preferably 5 seconds or more, preferably 20 seconds or less, 1-3 times are preferred.
[0015]
In the present invention, the portion where the progress of electrolytic treatment is fast refers to the aluminum plate portion facing the small electrode constituting the main electrode, and the portion where the progress of electrolytic treatment stops is the small electrode constituting the main electrode. Refers to an aluminum plate portion that does not exist or is opposed to a spacer or the like (hereinafter simply referred to as “no small electrode”). It refers to a portion where the progress of the electrolysis process is slowed by a weak current in which a leakage current flows from a small electrode or a main electrode in the vicinity of the aluminum plate portion where there is no small electrode, not a portion that stops.
In addition, the time per portion of the portion where the progress of the electrolytic treatment stops or slows is the portion where the small electrode of the main electrode provided corresponding to the portion where the progress of the electrolytic treatment stops or slows is aluminum. This is the time when the plate is transported.
[0016]
(2) The amount of electricity at the time of anode for one portion where the progress of the electrolytic treatment is fast is 15 C / dm on average2The ratio of the amount of electricity for each portion of the fast-acting part of the electrolytic treatment to the average amount of electricity at the time of the anode for the part of the fast-acting part of the electrolytic process is 0.70 to 1. 30. The method of electrochemical surface roughening of a lithographic printing plate support according to (1), wherein
Here, the amount of electricity at the time of anode for one portion where the progress of the electrolytic treatment is fast is 2 to 10 C / dm on average.2Is preferred.
[0017]
(3) The progress of the electrolytic treatment in which the time per cycle is 0.5 seconds or less divided by the portion where the progress of the electrolytic treatment in which the time per cycle is 5 seconds or more is stopped or slowed down The total amount of electricity at the time of anode in the electrolysis part group consisting of the part where the electrolysis process is stopped or slowed down is 15 to 250 C / dm2The method for electrochemical surface roughening of a lithographic printing plate support according to (1) or (2), wherein:
[0018]
(4) The current density of the portion where the progress of the electrolytic treatment is fast is 5 to 45 A / dm on average.2The electrochemical roughening treatment method for a lithographic printing plate support according to any one of (1) to (3), wherein
[0019]
(5) A method for producing a support for a lithographic printing plate, which is obtained by subjecting an aluminum or aluminum alloy plate to a surface roughening treatment and an anodizing treatment, wherein the surface roughening treatment comprises: In turn,
1) two or more treatments selected from the group consisting of mechanical surface roughening treatment, chemical etching treatment and desmutting treatment in an acidic solution; and
2) Electrochemical roughening treatment by the electrochemical roughening method according to any one of (1) to (4) above,
A process for producing a support for a lithographic printing plate, comprising:
Here, the chemical etching process is an alkali etching process and / or an acidic etching process, and an alkali etching process is preferable.
[0020]
(6) A method for producing a lithographic printing plate support, which is obtained by subjecting an aluminum or aluminum alloy plate to a roughening treatment and an anodizing treatment to obtain a lithographic printing plate support, wherein the roughening treatment comprises: In turn,
1) AC electrochemical surface roughening treatment in an electrolyte containing nitric acid,
2) Chemical etching process,
3) AC electrochemical roughening treatment in an electrolyte containing hydrochloric acid, and
4) Chemical etching treatment,
Including
The AC electrochemical surface roughening treatment in the electrolytic solution containing nitric acid and / or the AC electrochemical surface roughening treatment in the electrolytic solution containing hydrochloric acid is any one of the above (1) to (4) A method for producing a lithographic printing plate support, which is an electrochemical surface roughening treatment according to the electrochemical surface roughening method described in 1.
Here, the chemical etching treatment of 2) and 4) is preferably an alkali etching treatment, and after the chemical etching treatment, a desmut treatment in an acidic solution is preferably performed. Further, it is more preferable to perform a mechanical surface roughening treatment before 1), and it is particularly preferable to perform an alkali etching treatment and a desmut treatment in an acidic solution thereafter.
[0021]
The amount of dissolution of the aluminum plate is 0.1 to 8 g / m when the above 2) chemical etching treatment is an alkali etching treatment.24) When the chemical etching treatment is an alkali etching treatment, 0.01 to 2 g / m2Is preferred.
[0022]
(7) The acidic electrolytic solution is an electrolytic solution containing nitric acid, or an aluminum or aluminum alloy plate by an electrochemical surface roughening treatment method for a lithographic printing plate support according to any one of (1) to (4) A support for a lithographic printing plate having pits having an average pit diameter of 0.5 to 3 μm and a standard deviation of the pit diameter of 2.5 or less formed on the surface.
(8) According to the method for producing a lithographic printing plate support described in (5) or (6) above, the average pit diameter is 0.5 to 3 μm on the surface of the aluminum or aluminum alloy plate. A lithographic printing plate support on which pits having a deviation of 2.5 or less are formed.
[0023]
(9) A lithographic printing plate precursor comprising an image recording layer provided on the lithographic printing plate support according to (7) or (8).
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Support for lithographic printing plate and method for producing the same]
<Aluminum alloy plate (rolled aluminum)>
The aluminum or aluminum alloy plate used in the present invention (in the present invention, simply referred to as “aluminum plate”) is a pure aluminum plate, an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of different elements, or aluminum laminated or vapor-deposited. Selected from plastic films. The trace amount of foreign elements contained in the aluminum plate is one or more selected from those listed in the periodic table of elements, and the content thereof is 0.001 wt% to 1.5 wt%. Typical examples of foreign elements contained in the aluminum alloy include silicon, iron, nickel, manganese, copper, magnesium, chromium, zinc, bismuth, titanium, vanadium, and the like. Usually known materials described in Aluminum Handbook 4th Edition (1990, Light Metal Association), for example, JIS A 1050, JIS A 3103, JIS A 3005, JIS A 1100, JIS A 3004 Alternatively, an alloy obtained by adding 5 wt% or less of magnesium to these for the purpose of increasing the tensile strength can be used.
[0025]
In addition, the aluminum plate used in the present invention can also be an aluminum plate obtained by rolling a bare metal containing a large amount of impurities recovered by scraping a beverage can or the like.
In the electrochemical surface-roughening treatment method (hereinafter simply referred to as “electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention”) of the aluminum support for a lithographic printing plate of the present invention, Uniform honeycomb pits are formed by electrochemical surface roughening in an acidic electrolyte. Further, the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention and the production method including the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention (hereinafter simply referred to as “the production method of the present invention”) contain a large amount of Si component. However, when the anodizing treatment is performed after the roughening treatment, defects in the anodized film do not occur, and the paper is not soiled during printing. Furthermore, even if a large amount of Cu component is contained, the area of the portion where the honeycomb pits are not generated is small, and the appearance failure does not occur.
[0026]
The aluminum plate used in the electrolytic surface-roughening treatment method and the production method of the present invention is an aluminum plate produced by omitting the intermediate annealing treatment or soaking from the DC casting method, or the intermediate annealing treatment and soaking, or continuous. An aluminum plate manufactured by omitting the intermediate annealing treatment from the casting method may be used.
[0027]
The thickness of the aluminum plate used in the present invention is 0.05 to 0.8 mm, preferably 0.1 to 0.6 mm.
[0028]
<Roughening treatment>
The electrolytic surface-roughening treatment method and the production method of the present invention are also referred to as electrochemical surface-roughening treatment (hereinafter simply referred to as “electrolytic surface-roughening treatment”) on the aluminum plate under specific conditions in an acidic electrolytic solution. ), Preferably, a method of obtaining an aluminum support for a lithographic printing plate by performing a roughening treatment including the electrolytic roughening treatment, and the roughening treatment further includes various treatments. Also good. In the various steps used in the present invention, the alloy component of the aluminum plate used in the treatment solution used in the step is eluted, so the treatment solution may contain the alloy component of the aluminum plate. In particular, it is preferable to add the alloy components before the treatment and use the treatment liquid in a steady state.
[0029]
In the present invention, it is preferable to perform chemical etching treatment or desmut treatment before the electrolytic surface roughening treatment, and it is also preferable to perform chemical etching treatment and desmut treatment in an acidic solution in this order. . In the present invention, it is also preferable to perform a mechanical surface roughening treatment before these treatments. That is, as the surface roughening treatment, the electrolytic surface roughening treatment is performed after two or more kinds of treatments selected from the group consisting of mechanical surface roughening treatment, chemical etching treatment, and desmut treatment in acidic liquid. Is preferred.
Further, after the electrolytic surface roughening treatment, it is preferable to perform chemical etching treatment or desmut treatment in an acidic solution, and chemical etching treatment and desmut treatment in an acidic solution are performed in this order. preferable. Further, the chemical etching process after the electrolytic surface roughening process can be omitted.
In the present invention, it is also preferable to perform a mechanical surface roughening treatment before these treatments. Moreover, you may perform an electrolytic surface roughening process twice or more. Further, after these, it is also preferable to perform anodizing treatment, sealing treatment, hydrophilization treatment and the like which will be described later.
[0030]
In particular, the surface roughening treatment is performed by electrolytic surface roughening treatment in an electrolytic solution containing nitric acid (hereinafter referred to as “nitric acid electrolytic solution”), chemical etching treatment and / or desmut treatment in acidic solution, hydrochloric acid. It is a preferred embodiment of the present invention that the electrolytic surface-roughening treatment, the chemical etching treatment, and / or the desmut treatment in the acidic solution in the electrolyte solution (hereinafter referred to as “hydrochloric acid electrolyte solution”) are included in this order. It is one of the preferred embodiments of the present invention that includes chemical etching treatment and / or desmutting treatment in an acidic solution before the electrolytic surface roughening treatment in the nitric acid electrolytic solution. is there.
In these cases, it is one of preferred embodiments of the present invention to include a sealing treatment and / or a hydrophilization treatment after the anodizing treatment performed after the roughening treatment. In these cases, it is one of the preferred embodiments of the present invention that the roughening treatment includes a mechanical roughening treatment before the first chemical etching treatment.
In the present invention, in the present invention, the electrolytic surface roughening treatment may be performed at least once under specific conditions.
In the present invention, the chemical etching treatment refers to an alkali etching treatment and / or an acidic etching treatment, and any one of the treatments may be performed, and the alkali etching treatment is preferable.
[0031]
Hereinafter, mechanical roughening treatment, first chemical etching treatment, first desmutting treatment, first electrolytic roughening treatment, second chemical etching treatment, second desmutting treatment, second electrolytic roughening treatment, Each of the three chemical etching processes, the third desmut process, the anodizing process, the sealing process, and the hydrophilization process will be described in detail. In the present specification, the first electrolytic roughening treatment is referred to as the first electrolytic roughening treatment, and the next electrolytic roughening treatment is referred to as the second electrolytic roughening treatment. The process performed before the process is called with an ordinal number “first”, the process performed before the second electrolytic surface roughening process is called with the ordinal number “second”, and the second electrolytic surface roughening process is performed. A process to be performed later may be called with an ordinal number “third”.
[0032]
<Mechanical roughening>
The mechanical roughening treatment is effective as a roughening treatment means because a rough surface can be formed at a lower cost than the electrochemical roughening treatment.
Examples of the mechanical surface roughening treatment include, for example, a wire brush grain method in which the aluminum surface is scratched with a metal wire, a ball grain method in which the aluminum surface is grained with a polishing ball and an abrasive, JP-A-6-135175, and Japanese Patent Publication A brush grain method in which the surface is grained with a nylon brush and an abrasive described in Japanese Patent No. 50-40047 can be used.
A transfer method in which the uneven surface is pressed against the aluminum plate can also be used. That is, in addition to the methods described in JP-A-55-74898, JP-A-60-36195, and JP-A-60-20396, transfer is performed several times. The method described in Japanese Patent Application No. -55871 and Japanese Patent Application No. 4-204235 (Japanese Patent Laid-Open No. 6-024168) characterized in that the surface is elastic is also applicable.
[0033]
In addition, by using electric discharge machining, shot blasting, laser, plasma etching, etc., a method of repeatedly transferring using a transfer roll etched with fine irregularities, and an uneven surface coated with fine particles on an aluminum plate It is also possible to use a method in which an uneven pattern corresponding to the average diameter of the fine particles is repeatedly transferred to the aluminum plate a plurality of times by contacting the surface and applying a pressure a plurality of times from above. As a method for imparting fine irregularities to the transfer roll, known methods described in JP-A-3-8635, JP-A-3-66404, JP-A-63-65017, etc. may be used. it can. Further, a fine groove may be cut in two directions using a die, a cutting tool, a laser, or the like on the roll surface, and a square unevenness may be formed on the surface. The roll surface may be subjected to a known etching process or the like so that the formed square irregularities are rounded.
Further, in order to increase the surface hardness, quenching, hard chrome plating, or the like may be performed.
In addition, as the mechanical surface roughening treatment, methods described in JP-A Nos. 61-162351 and 63-104889 can be used.
In the present invention, the above-described methods can be used in combination in consideration of productivity and the like. These mechanical surface roughening treatments are preferably performed before the electrochemical surface roughening treatment.
[0034]
Hereinafter, the brush grain method used suitably as a mechanical roughening process is demonstrated.
The mechanical surface roughening treatment is preferably performed before the electrolytic surface roughening treatment. The surface roughening treatment can increase the surface area of the aluminum plate and improve the printing durability.
First, prior to brush graining an aluminum plate, a degreasing treatment for removing surface rolling oil, for example, a degreasing treatment with a surfactant, an organic solvent, an alkaline aqueous solution, or the like is performed as desired.
Subsequently, brush graining is performed while supplying the polishing slurry liquid to the surface of the aluminum plate using one kind or two or more kinds of brushes having different bristle diameters.
[0035]
The mechanical surface roughening treatment is described in detail in JP-A-6-135175 and JP-B-50-40047. The brush used first in the brush graining is called a first brush, and the brush used last is called a second brush. At the time of graining, as shown in FIG. 5, roller-
[0036]
As the brush used in the present invention, a roller-like base portion is made by implanting a brush material such as nylon, polypropylene, animal hair, steel wire or the like with a uniform hair length and flocking distribution. Those in which bundles are implanted, channel roller type, and the like are preferably used.
Among these, a preferable material is nylon. Nylon 6, nylon 6,6,
The cross-sectional shape of the hair is preferably a circle. A preferable hair diameter is 0.24-0.83 mm, More preferably, it is 0.295-0.6 mm. If the bristle diameter is less than 0.24 mm, the stain resistance at the shadow portion may be deteriorated, and if it exceeds 0.83 mm, the blanket cylinder may be deteriorated.
The preferred hair length after flocking is 10 to 200 mm. The flocking density when planting on the brush roller is 1cm2The number is preferably 30 to 1000, more preferably 50 to 300.
[0037]
The number of brushes is preferably 1 to 10, more preferably 1 to 6. The brush roller may be a combination of brush rollers having different bristle diameters as described in JP-A-6-135175. A support roller having a rubber or metal surface and kept straight is used.
As shown in FIG. 5, the rotation direction of the brush roller is preferably forward rotation with respect to the conveyance direction of the aluminum plate. However, when there are a large number of brush rollers, some brush rollers may be reversed. The rotation of the brush roller is preferably 100 to 500 rpm.
The pushing amount of the brush is preferably managed by the load of the rotary drive motor of the brush, and is preferably managed so that the power consumption of the rotary drive motor is 1.0 to 15 kW, particularly 2 to 10 kW.
[0038]
In the present invention, after a roughening treatment with the above-mentioned relatively thick brush, a lithographic printing plate having excellent hydrophilicity, water retention and adhesion (printing durability) is obtained by treatment with a thinner brush. Since a support body is obtained, it is preferable. This is because the shadow portion is not crushed when the amount of dampening water is small, so that the water width is wide, soiling is unlikely to occur, and the adhesiveness between the image recording layer and the support is not deteriorated.
[0039]
As a polishing slurry liquid used in the present invention, an abrasive having an average particle diameter of 1 to 50 μm, preferably 20 to 45 μm, such as silica sand, aluminum hydroxide, alumina powder, volcanic ash, pumice, carborundum, and gold sand is used. What was dispersed in water so that it may become 0.05-1.3 is preferable. Here, the “average particle diameter” means the particle diameter at which the cumulative ratio is 50% when the cumulative frequency of the ratio of the particles of each diameter to the volume of the total abrasive contained in the slurry liquid is obtained. Say.
[0040]
The mechanical surface roughening treatment is performed after the average roughness (Ra) Is preferably 0.3 to 1.0 μm.
[0041]
As the mechanical surface roughening treatment, in addition to the brush graining described above, a method of spraying a slurry liquid, a method using a wire brush, a method of transferring the surface shape of an uneven rolling roll to an aluminum plate, etc. are used. You can also. As other methods, methods described in JP-A No. 55-074898, JP-A No. 61-162351, JP-A No. 63-104889 and the like can be used.
[0042]
It is preferable to chemically etch the surface of the aluminum plate after subjecting the aluminum plate to a mechanical roughening treatment. This chemical etching process has the action of removing abrasives, aluminum debris, etc. that have digged into the surface of the aluminum sheet that has been subjected to the brush graining process. And it is achieved effectively.
[0043]
(First chemical etching process)
In the present invention, the chemical etching treatment refers to an alkali etching treatment and / or an acidic etching treatment, and any one of the treatments may be performed. However, the alkali etching treatment is preferable because the etching efficiency is particularly excellent.
Hereinafter, alkali etching treatment and acidic etching treatment will be described.
[0044]
(1) First alkali etching treatment
In the first alkali etching treatment, etching is performed by bringing the aluminum plate into contact with an alkali solution. The first alkali etching treatment is performed for the purpose of removing rolling oil, dirt, and natural oxide film on the surface of the aluminum plate (rolled aluminum) when mechanical roughening treatment is not performed. When the surface roughening treatment is performed, it is performed for the purpose of obtaining a surface having smooth undulations by dissolving the uneven edge portions generated by the mechanical surface roughening treatment.
Examples of the method of bringing the aluminum plate into contact with the alkaline solution include, for example, a method in which the aluminum plate is passed through a tank containing the alkaline solution, a method in which the aluminum plate is immersed in a tank containing the alkaline solution, The method of spraying on the surface of a board is mentioned.
[0045]
The etching amount is 1 to 15 g / m for the surface subjected to the electrolytic surface roughening treatment in the next step.2It is preferable that the surface not subjected to the electrolytic surface roughening treatment is 0.1 to 5 g / m.2It is preferably (about 10 to 40% of the surface to be subjected to the electrolytic surface roughening treatment). If the etching amount is within the above range, the rolling oil (oils and fats), dirt, and natural oxide film on the surface of the above-mentioned aluminum metal plate (rolled aluminum) are completely removed if mechanical roughening treatment is not performed. Therefore, when a planographic printing plate is used, water retention in the non-image area is excellent, and so-called blank stain (blanket stain) caused by ink adhering to the non-image area does not occur. In addition, when the mechanical surface roughening process is performed, the uneven edge portions generated by the mechanical surface roughening process are sufficiently dissolved.
[0046]
Examples of the alkali used in the alkaline solution include caustic alkali and alkali metal salts. Specifically, examples of caustic alkali include caustic soda and caustic potash. Examples of the alkali metal salt include alkali metal silicates such as sodium metasilicate, sodium silicate, potassium metasilicate, and potassium silicate; alkali metal carbonates such as sodium carbonate and potassium carbonate; sodium aluminate and alumina. Alkali metal aluminates such as potassium acid; alkali metal aldones such as sodium gluconate and potassium gluconate; dibasic sodium phosphate, dibasic potassium phosphate, tribasic sodium phosphate, tertiary potassium phosphate, etc. An alkali metal hydrogen phosphate is mentioned. Among these, a caustic alkali solution and a solution containing both a caustic alkali and an alkali metal aluminate are preferable from the viewpoint of high etching rate and low cost. In particular, an aqueous solution of caustic soda is preferable.
[0047]
Although the density | concentration of an alkaline solution can be determined according to the etching amount, it is preferable that it is 1-50 mass%, and it is more preferable that it is 10-35 mass%. When aluminum ions are dissolved in the alkaline solution, the concentration of aluminum ions is preferably 0.01 to 10% by mass, and more preferably 3 to 8% by mass. The temperature of the alkaline solution is preferably 20 to 90 ° C. The treatment time is preferably 1 to 120 seconds. The amount of etching process is 1-15g / m2Preferably dissolved, 3-12 g / m2More preferably it dissolves.
The first alkaline etching treatment can be performed using an etching tank that is usually used for etching the aluminum plate. As the etching tank, either a batch type or a continuous type can be used. Moreover, when spraying an alkali solution on the surface of an aluminum plate and performing a 1st alkali etching process, a spray apparatus can be used.
[0048]
(2) First acid etching treatment
The acidic etching process is a process of chemically etching the aluminum plate in an acidic aqueous solution.
In the case where the alkali etching treatment is performed before and / or after the electrolytic surface-roughening treatment described later, it is also preferable to perform the acid etching treatment after the alkali etching treatment.
When the aluminum plate is subjected to the above alkaline etching treatment and then subjected to the acidic etching treatment, the intermetallic compound or simple substance Si containing silica on the surface of the aluminum plate can be removed, and the anodic oxide film generated in the subsequent anodic oxidation treatment Can eliminate the defects. As a result, it is possible to prevent the trouble that the dot-like ink adheres to the non-image portion called “dirty stain” during printing.
[0049]
Examples of the acidic aqueous solution used for the acidic etching treatment include an aqueous solution containing phosphoric acid, nitric acid, sulfuric acid, chromic acid, hydrochloric acid, or a mixed acid of two or more of these. Of these, a sulfuric acid aqueous solution is preferable. The concentration of the acidic aqueous solution is preferably 50 to 500 g / L. The acidic aqueous solution may contain an alloy component contained in the aluminum plate as well as aluminum.
[0050]
The acidic etching treatment is preferably performed by treating the liquid temperature at 60 to 90 ° C., preferably 70 to 80 ° C., for 1 to 10 seconds. The dissolution amount of the aluminum plate at this time is 0.001 to 0.2 g / m.2Is preferred. The acid concentration, for example, the sulfuric acid concentration and the aluminum ion concentration are preferably selected from a range that does not crystallize at room temperature. A preferable aluminum ion concentration is 0.1 to 50 g / L, and particularly preferably 5 to 15 g / L.
In addition, after the acidic etching process is completed, in order not to take out the processing liquid to the next process, it is preferable to perform liquid drainage by a nip roller and water washing by spraying.
[0051]
(First desmut process)
When chemical etching is performed using an alkaline aqueous solution, smut is generally generated on the surface of aluminum. In this case, it is preferable to perform a desmut treatment in order to remove the smut.
In the first desmutting treatment, for example, the aluminum plate is brought into contact with an acidic solution (containing aluminum ions of 0.01 to 5% by mass) having a concentration of 0.5 to 30% by mass such as hydrochloric acid, nitric acid, and sulfuric acid. Do. Examples of the method of bringing the aluminum plate into contact with the acidic solution include, for example, a method of passing the aluminum plate through a bath containing the acidic solution, a method of immersing the aluminum plate in a bath containing the acidic solution, and an acidic solution containing aluminum. The method of spraying on the surface of a board is mentioned.
In the first desmut treatment, as an acidic solution, a waste solution of nitric acid or hydrochloric acid electrolyte discharged in an electrolytic surface-roughening process described later, or a waste liquid of an aqueous solution containing sulfuric acid discharged in an anodic oxidation process described later is used. It is preferable to use it.
The liquid temperature of the first desmut treatment is preferably 25 to 90 ° C. Moreover, it is preferable that the processing time of a 1st desmut process is 1-180 second. Aluminum and aluminum alloy components may be dissolved in the acidic solution used for the first desmut treatment.
[0052]
In addition, when an auxiliary anode tank is used in an apparatus used for electrolytic surface roughening to prevent dissolution of the electrode and control the roughened shape, an alternating current flows through the aluminum plate to the electrolytic surface roughening process. In the case of bringing it in front of the tank, the desmutting step in an acidic aqueous solution before the electrolytic surface roughening treatment can be omitted.
[0053]
(First and second electrolytic surface roughening treatment)
The electrolytic surface roughening treatment in the present invention is electrochemically roughened by applying direct current or alternating current between an aluminum plate and a main electrode (electrode) facing the aluminum plate in an acidic electrolytic solution (acidic aqueous solution). In this case, there are cases where the progress of the electrolytic treatment is fast (hereinafter, simply referred to as “electrolytic portion”) and portions where the progress of the electrolytic treatment is stopped or slowed (hereinafter simply referred to as “electrolytic pause portion”). .)) Under alternating conditions.
By performing electrolytic surface roughening under such specific conditions, local concentration of current during electrolytic surface roughening can be effectively suppressed, so the size, depth, etc. can be reduced with a small amount of electricity. However, uniform pits can be formed efficiently, and both printing durability and stain resistance can be achieved at a high level when using a planographic printing plate.
In the production of a lithographic printing plate support, when the electrolytic surface-roughening treatment is performed a plurality of times, at least one of them is performed by the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention, and the above-described effects are exhibited.
Further, the electrolytic surface roughening treatment under the above specific conditions is particularly effective when a nitric acid electrolytic solution is used.
[0054]
Hereinafter, the electrolytic surface roughening treatment under specific conditions will be described.
The present invention relates to lithographic printing in which an aluminum plate is subjected to an electrochemical surface roughening treatment in an acidic electrolytic solution having alternately a portion where the progress of the electrolytic treatment is fast and a portion where the progress of the electrolytic treatment is stopped or slowed down An electrochemical surface roughening treatment method for a plate support, in which a time per one time is 0.5 seconds or less, and a portion where the progress of the electrolytic treatment is stopped or slowed is provided twice or more once. A portion in which the progress of the electrolytic treatment stops or slows down for 5 seconds or more, and the total amount of electricity applied to the aluminum plate surface at the time of anode is 15 to 400 C / dm2An electrolytic surface-roughening treatment method for a lithographic printing plate support, characterized in that:
[0055]
The electrolytic surface-roughening treatment having alternating electrolytic portions and electrolytic rest portions according to the present invention is an electrolytic apparatus provided with a main electrode so as to correspond to these portions, for example, a small electrode (a spacer or the like constituting the main electrode). An electrolysis apparatus (see FIG. 6) having a plurality of main electrodes in which spacers (insulators, etc.) are arranged between the small electrodes and the small electrodes and the spacers are provided alternately. This can be done by using an electrolysis apparatus (see FIG. 7) or the like in which a plurality of electrolytic cells having a main electrode in which spacers are arranged between electrodes and small electrodes and spacers are alternately provided are connected in series.
In addition to the spacer, a simple space may be provided as the main electrode.
It can also be performed by controlling using a pulse wave in an AC power source.
[0056]
Here, the electrolytic portion refers to the aluminum plate portion facing the small electrode constituting the main electrode, and the electrolytic rest portion refers to the aluminum plate portion where the small electrode does not exist. In addition, the part where the progress of the electrolytic treatment is slow is not the part where the progress of the electrolytic treatment is stopped, but a weak current in which leakage current flows from a nearby small electrode or main electrode even if it is an aluminum plate part where no electrode exists. Indicates a portion where the progress of the electrolytic treatment is delayed.
[0057]
In the present invention, an electrolysis pause portion (hereinafter referred to as “short pause portion”) having a time of 0.5 second or less per time is provided twice or more, and the time per time is 5 seconds or more. By providing one or more electrolytic pause portions (hereinafter referred to as “long pause portions”), local concentration of current can be effectively suppressed, and pits having a uniform size and depth can be formed with a small amount of electricity. It is formed efficiently.
[0058]
By providing the short rest portion, local concentration of current can be suppressed.
By providing the long rest portion, the smut generated on the surface of the aluminum plate by the electrolytic treatment can be appropriately dissolved in the long rest portion, and the pits produced by the electrolytic treatment can be dispersed.
By combining these, uniform pits can be efficiently formed with a small amount of electricity.
[0059]
The time per electrolysis pause portion (hereinafter referred to as “electrolysis pause time”) is a short pause portion, 0.5 seconds or less, preferably 0.4 seconds or less, and preferably 0.1 seconds or more. . If it is this range, the local concentration of an electric current will be suppressed and electrolytic surface roughening will be performed efficiently.
Moreover, the frequency | count of a short rest part is 2 times or more, 5 times or more are preferable and 60 times or less are preferable. Within this range, local concentration of current can be suppressed. More preferably, it is 3-40 times, Most preferably, it is 9-30 times.
[0060]
The electrolytic resting time of the long resting part is 5 seconds or more, preferably 6 seconds or more. Within this range, the electrolytic surface roughening is efficiently performed while suppressing local concentration of current. Further, the time is preferably 20 seconds or less, and particularly preferably 15 seconds or less. If it is 20 seconds or less, there will be little influence on the manufacturing efficiency improvement by this electrolysis rest time.
In addition, the number of long pause portions is 1 or more, and preferably 3 or less. By performing the electrolytic treatment in this range, local concentration of current can be suppressed.
[0061]
In the present invention, the electrolytic rest time depends on the transport speed of the aluminum plate and the thickness of the small electrode corresponding to the plate (length in the transport direction of the aluminum plate). Can be set. Also, by adjusting both the speed and the thickness, even if they are different, they can be adjusted to the same electrolysis rest time. Therefore, in the present invention, the electrolysis rest time may be set, and the speed and the thickness are not particularly limited, and these may be set to arbitrary values according to the manufacturing facility or the like.
Usually, the conveyance speed of the aluminum plate is preferably 20 to 250 cm / second, and more preferably 40 to 200 cm / second.
[0062]
The combination of the short rest part and the long rest part is not particularly limited, but the electrolytic part group composed of the electrolytic part and the short rest part is divided by the long rest part, and preferably the short rest part included in the electrolytic part group Divide the number of times evenly. For example, in the electrolytic surface-roughening treatment method in which the short rest portion is provided 20 times and the long rest portion is provided once, the first electrolytic portion group in which the short rest portion is provided 10 times, the long rest portion once, and the short rest portion is further provided 10 times. It is preferable that the second electrolytic partial group is provided twice. Thereby, electrolytic surface roughening can be performed more uniformly.
[0063]
In the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention, the total amount of electricity applied to the surface of the aluminum plate (at the portion where the progress of the electrolytic treatment is fast) is 15 to 400 C / dm.2It is.
When electrolytic surface roughening is performed in a nitric acid electrolyte, the total amount of electricity is 50 to 400 C / dm.2Preferably, 100 to 350 C / dm2More preferably, 150 to 300 C / dm2Is particularly preferred.
When electrolytic surface roughening is performed in a hydrochloric acid electrolyte, hydrochloric acid has a strong aluminum dissolving power, so pits can be formed by applying a slight amount of electrolysis. Therefore, the total amount of electricity is 10 to 400 C / dm.2Is preferably 30 to 100 C / dm.2It is more preferable that
[0064]
The present invention effectively suppresses local concentration of current by combining the short rest part and the long rest part to roughen the surface, and there are few pits of uniform size and depth. It was made by knowing that it can be efficiently formed by the amount of electricity.
[0065]
In the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention, the amount of electricity at the time of the anode of the electrolytic part once is 15 C / dm on average.2It is preferable that the ratio of the amount of electricity for one electrolysis portion to the average amount of electricity at the time of anode for one electrolysis portion (hereinafter referred to as “ratio of the average amount of electricity”) is 0.00. It is preferable that it is 70-1.30.
The average amount of electricity is 2 to 10 C / dm2It is more preferable that the ratio of the average electricity amount is more preferably 0.75 to 1.25, and particularly preferably 0.80 to 1.20.
Average electricity quantity is 15 C / dm2If it is set below, pits can be efficiently formed with a small amount of electricity, and both excellent printing durability and stain resistance can be achieved in a balanced manner. If the ratio of the average electric quantity is 0.70 to 1.30, pits with uniform size and depth can be formed, and in particular, the printing durability can be improved, so that both excellent printing durability and stain resistance can be balanced. it can.
[0066]
Further, in the present invention, the above-mentioned electrolysis in which the time per time is 0.5 seconds or less, which is divided by a portion where the progress of the electrolysis treatment in which the time per time is 5 seconds or more is stopped or slowed down The total amount of electricity at the time of anode in an electrolysis portion group consisting of a portion where the progress of the treatment is stopped or slowed and a portion where the progress of the electrolytic treatment is fast is 15 to 250 C / dm2Is preferred. That is, the total amount of electricity at the time of anode is 15 to 250 C / dm for each of the electrolysis part group 1 group separated by the long rest part.2Is preferable.
For example, in the above-described division example (first electrolytic portion group in which the short rest portion is provided 10 times, long rest portion 1 time, and second electrolytic portion group in which the short rest portion is provided 10 times), the short rest portion is 10 times. The total amount of electricity for eleven electrolysis portions included in each of the two first and second electrolysis portion groups provided is adjusted within the above range. By setting it within this range, pits having a uniform size and depth can be formed, and excellent printing durability and stain resistance can be achieved in a balanced manner.
[0067]
Furthermore, in the present invention, the electric quantity of the first and second electrolysis part groups is the same value, or the downstream side in the transport direction of the aluminum plate (the second electrolysis part in the above-mentioned divided example) is the upstream side (the same as the first electrolysis part group). It is preferable to adjust to a larger value than the electrolytic portion. In normal electrolytic surface roughening treatment, the amount of electricity applied to the aluminum plate decreases as it goes downstream in the conveyance direction of the aluminum plate, and it becomes difficult to form uniform pits. Then, since the amount of electricity of each electrolysis partial group can be adjusted arbitrarily, uniform pits can be formed, which is particularly effective in improving the stain resistance.
[0068]
Furthermore, in the present invention, the average current density of one electrolytic portion is 5 to 45 A / dm.210 to 35 A / dm is preferable.2It is more preferable that When the current density is within this range, pits having a uniform size and depth can be formed, and excellent printing durability and stain resistance can be achieved in a balanced manner.
[0069]
An electrolytic cell suitably used for the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention will be described.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing an example of an electrolytic surface roughening treatment apparatus equipped with a flat AC electrolytic cell suitably used in the electrolytic surface roughening treatment method of the present invention, and FIG. 7 is an electrolytic rough surface of the present invention. It is sectional drawing which shows another example of the electrolytic surface-roughening processing apparatus provided with the flat type AC electrolytic cell used suitably for the crystallization treatment method.
6 and 7, the same reference numerals as those in FIG. 2 indicate the same elements as those indicated in FIG. 2, 60A being the first main pole, 60B being the second main pole, and 60C being the third main pole. , 61 is a small electrode, 62 is a spacer (insulator), and 70 is a main electrode.
[0070]
FIG. 6 shows an electrolytic cell used in the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention in which 12 short pause portions and 2 long pause portions are provided.
The pattern formed by the combination of the electrolytic portion and the electrolytic rest portion formed on the aluminum plate has three electrolytic portion groups in which the short rest portion is provided four times by two long rest portions, that is, the first electrolytic portion group, It is a 2nd electrolysis part group and a 3rd electrolysis part group.
The electrolytic cell shown in FIG. 6 is an electrolytic cell in which three
The
[0071]
Here, the spacer is an insulator formed of vinyl chloride resin or the like, and the small electrode is formed of the same material as the main electrode described later. In addition, the main electrode may be configured to simply provide a space between the small electrodes without using a spacer.
Such a main electrode can have its characteristics (such as the number of electrolytic portions) arbitrarily set according to the number of spacers and small electrodes, their thicknesses, and the like.
[0072]
FIG. 7 shows an electrolytic cell used in the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention in which 20 short pause portions and 1 long pause portion are provided.
The pattern formed by the combination of the electrolytic portion and the electrolytic rest portion formed on the aluminum plate has two electrolytic portion groups in which the short rest portion is provided ten times by one long rest portion, that is, the first electrolytic portion group and It is a 2nd electrolysis part group.
The electrolytic cell shown in FIG. 7 is an electrolytic cell in which two
In the electrolytic cell shown in FIG. 7, the part corresponding to the long resting part is the part from the last (most downstream) small electrode of the first electrolytic cell to the first (most upstream) small electrode of the second electrolytic cell. It is.
In the case of this electrolytic cell, the aluminum plate is subjected to an electrolytic surface roughening treatment in the first electrolytic cell, and then is led out from the acidic electrolytic solution in the first electrolytic cell in the long rest portion, and becomes the acidic electrolytic solution in the second electrolytic cell. After being introduced, the electrolytic surface roughening treatment is performed again.
The characteristics and settings of the main electrode are as described in FIG.
[0073]
The electrolytic cell suitably used for the electrolytic surface roughening treatment method of the present invention is not limited to the electrolytic cell shown in FIGS. 6 and 7, and is particularly limited as long as the electrolytic surface roughening treatment method of the present invention can be carried out. Not. For example, an electrolytic cell in which both are combined can also be used.
In addition, although the electrolytic surface-roughening processing apparatus provided with a flat type AC electrolytic cell was demonstrated, also in the electrolytic surface-roughening processing apparatus provided with a radial type alternating current electrolytic cell, if the main electrode can be set, it is preferably used. be able to. For example, an electrolysis apparatus shown in FIG.
[0074]
As the electrolytic solution used for the electrolytic surface roughening treatment, in addition to a nitric acid electrolytic solution and a hydrochloric acid electrolytic solution described later, U.S. Pat. Nos. 4,671,859, 4,661,219, 4,618, 405, 4,600,482, 4,566,960, 4,566,958, 4,566,959, 4,416,972, Electrolytic solutions described in the specifications of Nos. 4,374,710, 4,336,113, and 4,184,932 can also be used.
[0075]
As the nitric acid electrolyte, one used for electrochemical surface roughening treatment using ordinary direct current or alternating current can be used. In nitric acid aqueous solution of 1 to 100 g / L, nitrate ions such as aluminum nitrate, sodium nitrate, ammonium nitrate, One or more hydrochloric acid or nitric acid compounds having hydrochloric acid ions such as aluminum chloride, sodium chloride, and ammonium chloride may be added to 1 g / L to saturation. Moreover, the compound which forms a complex with copper can also be added in the ratio of 1-200 g / L. In the nitric acid electrolyte, a metal contained in an aluminum alloy such as iron, copper, manganese, nickel, titanium, magnesium, or silica may be dissolved. Hypochlorous acid or hydrogen peroxide may be added at 1 to 100 g / L.
The nitric acid electrolyte is particularly preferably an aqueous solution in which aluminum ions (aluminum nitrate) are added to an aqueous solution containing 15 to 90 ° C. and containing 5 to 15 g / L of nitric acid to make aluminum ions 3 to 50 g / L. . As the additive and flow rate in the nitric acid electrolyte, those used for known electrochemical surface roughening can be used.
[0076]
As the hydrochloric acid electrolyte, those used for electrochemical surface roughening treatment using ordinary direct current or alternating current can be used, and nitric acid ions such as aluminum nitrate, sodium nitrate, ammonium nitrate, One or more hydrochloric acid or nitric acid compounds having hydrochloric acid ions such as aluminum chloride, sodium chloride, and ammonium chloride may be added to 1 g / L to saturation. Moreover, the compound which forms a complex with copper can also be added in the ratio of 1-200 g / L. In the hydrochloric acid electrolyte, a metal contained in an aluminum alloy such as iron, copper, manganese, nickel, titanium, magnesium, or silica may be dissolved. Hypochlorous acid or hydrogen peroxide may be added at 1 to 100 g / L.
Hydrochloric acid electrolyte was prepared by adding an aluminum salt (aluminum chloride hexahydrate, AlCl) to an aqueous solution containing a liquid temperature of 15 to 50 ° C. and hydrochloric acid of 1 to 10 g / L.3・ 6H2Particularly preferred is an aqueous solution in which O) is added at a rate of 10 to 70 g / L so that the aluminum ion concentration is 1 to 8 g / L. When an electrolytic surface roughening treatment is performed using such a hydrochloric acid electrolytic solution, the surface shape by the surface roughening treatment becomes uniform, and both excellent printing durability and stain resistance can be achieved when a lithographic printing plate is obtained. .
[0077]
Here, it is particularly preferable that the hydrochloric acid electrolyte contains 2 to 6 g / L of hydrochloric acid.
The ratio of aluminum chloride hexahydrate to be added is preferably 10 to 70 g / L, more preferably 20 to 50 g / L, and particularly preferably 35 to 45 g / L.
The aluminum ion concentration of the aqueous hydrochloric acid solution to which aluminum chloride hexahydrate is added is preferably 1 to 8 g / L, more preferably 2 to 6 g / L, and particularly preferably 4 to 5 g / L. preferable.
As the additive and flow rate in the hydrochloric acid electrolyte, those used for known electrochemical surface roughening can be used.
[0078]
In the electrolytic surface roughening treatment method of the present invention, electrochemical surface roughening is performed by applying direct current or alternating current. In the present invention, alternating current is particularly preferable, but the alternating current may be any of single phase, two phase, three phase, and the like. Also, a current in which alternating current and direct current are superimposed can be used.
[0079]
As the electrolytic cell used for the electrolytic surface roughening treatment, an electrolytic cell used for surface treatment such as a vertical type, a flat type, and a radial type can be used. Further, the electrolytic surface-roughening treatment may be repeatedly performed with an etching treatment in an acid or alkali aqueous solution, a desmut treatment in an acidic aqueous solution, a cathode electrolytic treatment of an aluminum plate in an acid or neutral salt aqueous solution, etc. .
[0080]
A sine wave, a rectangular wave, a trapezoidal wave, a triangular wave, or the like can be used as the AC power supply waveform used for electrochemical roughening, but a rectangular wave or a trapezoidal wave is preferable, and a trapezoidal wave is particularly preferable. The frequency is preferably 0.1 to 500 Hz, more preferably 40 to 120 Hz, and particularly preferably 45 to 65 Hz.
When a trapezoidal wave is used, the time tp until the current reaches a peak from 0 is preferably 0.1 to 2 msec, and particularly preferably 0.3 to 2 msec. Due to the influence of the impedance of the power supply circuit, if tp is less than 0.1, a large power supply voltage is required when the current waveform rises, and the equipment cost of the power supply increases. When it is longer than 2 msec, it is easily affected by a trace component in the electrolytic solution, and uniform surface roughening is difficult to be performed. The ratio of one cycle of alternating current used for electrochemical roughening to the anode reaction time ta of the aluminum plate in the alternating cycle T (referred to as “duty” in the present invention) ta / T is 0.33. ˜0.66 is preferable, 0.45 to 0.55 is more preferable, and 0.5 is particularly preferable.
On the surface of the aluminum plate, an oxide film mainly composed of aluminum hydroxide may be formed during the cathode reaction, and the oxide film may be dissolved or broken. When the oxide film dissolves or breaks, the portion where the dissolution or breakage occurs becomes the starting point of the pitting reaction during the anode reaction of the next aluminum plate. Therefore, the selection of the AC duty is particularly important in that uniform electrolytic surface roughening is performed.
[0081]
The amount of electricity applied to the aluminum plate facing the main electrode is such that the ratio Qc / Qa between the amount of electricity Qc during the cathode reaction and the amount of electricity Qa during the anode reaction is 0.9 to 1.0. Is 0.92 to 0.98, particularly preferably 0.94 to 0.96. When Qc / Qa is within this range, processing unevenness due to the roughening treatment does not occur, and both printing durability and printing performance (stain performance) can be achieved when using a lithographic printing plate. Further, when Qc / Qa exceeds 1.0, the main electrode may be dissolved. The control of the electric quantity ratio can be performed by controlling the voltage generated by the power source.
When the electrolytic surface roughening treatment is performed using an AC electrolytic cell having an auxiliary electrode for diverting the anode current of the main electrode, it is described in JP-A-60-43500 and JP-A-1-52098. Thus, Qc / Qa can be controlled by controlling the current value of the anode current diverted to the auxiliary electrode.
[0082]
The current density is a peak value of a trapezoidal wave and is 5 to 200 A / dm for both the anode cycle side Ia and the cathode cycle side Ic of the current.2Is preferred. Ia / Ic is preferably in the range of 0.5-3.
[0083]
As a power supply method to the aluminum plate, a direct power supply method using a conductor roll or a liquid power supply method (indirect power supply method) not using a conductor roll can be used. The electrolyte passing through the electrolytic cell may be parallel to the progress of the aluminum web or may be a counter. One or more AC power sources can be connected to one electrolytic cell. When using the indirect power supply method, the amount of electricity at the time of anode and the amount of electricity at the time of cathode applied to the aluminum plate is determined by the method using the auxiliary anode described in JP-B-6-37716 and JP-B-5-42520. It is preferable to adjust the ratio. The current flowing through the auxiliary anode is particularly preferably controlled using a rectifier such as a thyristor, a diode, or a GTO. If the system described in Japanese Patent Publication No. 6-37716 is used, the amount of electricity at the time of anode and the amount of electricity at the time of cathode of the alternating current on the surface of the aluminum plate facing the carbon electrode of the main electrode where the electrochemical surface roughening reaction is performed. The amount of electricity (current value) can be easily controlled. In addition, the influence of transformer magnetic bias is small in terms of production of the power supply device, which is very advantageous in terms of cost.
[0084]
The current value control method for electrochemical surface roughening using sine waves is used in combination with a transformer, variable induction voltage regulator, etc., and the current value used for electrolysis is variable induction voltage adjustment. Feedback to the vessel. At that time, as a method of controlling the current value, a method of controlling the phase with a thyristor can be used together as described in JP-A-55-25812.
[0085]
In the electrolytic surface roughening treatment, if the distance between the aluminum plate and the main electrode and the liquid flow rate are not constant, current bias is likely to occur, resulting in uneven processing of the aluminum surface, which is not suitable as a support for lithographic printing plates. It will be. In order to solve the problem, a liquid supply nozzle provided with a liquid pool chamber inside and provided with a slit for discharging liquid of 1 to 5 mm in the width direction of the aluminum web can be used. In addition, it is particularly preferable to provide a plurality of liquid pool chambers, and to provide a valve and a flow meter in a pipe connected to each liquid pool chamber to adjust the amount of liquid blown out from each slit.
The distance between the aluminum web and the main electrode is preferably 5 to 100 mm, particularly preferably 8 to 15 mm. In order to keep this distance constant, a method described in Japanese Examined Patent Publication No. 61-30036 is used which travels while the web is slid against the sliding surface using static pressure on the surface on which the traveling web can slide. . Alternatively, a method of keeping the distance between the main electrode and the aluminum plate constant by using a roller having a large diameter as described in JP-A-8-300843 can be used.
[0086]
When using the direct power feeding method, it is possible to use a conductor roll as described in JP-A-58-177441 and to perform an electrochemical surface roughening treatment with an apparatus described in JP-A-56-123400. preferable. The conductor roll can be provided on the upper surface or the lower surface of the aluminum web, but it is particularly preferable that the conductor roll is provided on the upper surface of the aluminum plate and pressed against the aluminum plate by a nip device. The length of the aluminum plate in contact with the conductor roll is preferably 1 to 300 mm with respect to the aluminum traveling direction. The pass roll facing the conductor roll with the aluminum plate interposed is preferably a rubber roll. The pressing pressure and the hardness of the rubber roll are arbitrarily set under the condition that no arc spot is generated. By installing the conductor roll on the upper surface of the aluminum plate, the conductor roll can be easily replaced and inspected. It is preferable to use a method of energizing the end of the conductor roll while sliding the power supply brush on the rotating body.
It is preferable to always cool the conductor roll pressed against the aluminum plate with an electrolytic solution having the same composition and the same temperature as the electrolytic solution used for electrochemical roughening in order to prevent generation of an arc spot. If foreign matter enters the electrolytic solution, it is likely to cause an arc spot. Therefore, it is preferable to wrap the spray used for cooling with a filter cloth or the like, or to insert a fine mesh filter in the pipe upstream of the spray pipe.
[0087]
The apparatus having the characteristics suitable for the electrolytic surface roughening treatment method of the present invention is as described above.
Hereinafter, the electrolytic surface roughening apparatus will be described more specifically.
The electrolytic cell having the auxiliary anode can be installed before or after the electrolytic cell having the main electrode. In particular, the electrolytic cell having the auxiliary electrode used in the electrochemical surface roughening step with the hydrochloric acid electrolyte is mainly used. Bringing it in front of the electrolytic cell having the electrode is preferable in terms of reducing the occurrence of processing unevenness.
Also, if the distance between the inlet (liquid level) of the electrolytic cell having the auxiliary electrode and the inlet (liquid level) of the electrolytic cell having the main electrode is too long, the intermetallic compound in the aluminum plate is formed by the chemical dissolution reaction of hydrochloric acid. It dissolves to form deep holes, and the photosensitive layer at that portion is thickly coated, resulting in uneven printing. Therefore, it is preferable that the time from the inlet (liquid level) of the electrolytic cell in which the aluminum plate has the auxiliary electrode to the inlet (liquid level) of the electrolytic cell having the main electrode is 3 seconds or less.
[0088]
In FIG. 2, the cross-sectional schematic diagram of an example of the electrolytic surface-roughening processing apparatus provided with the flat type AC electrolytic cell suitably used for this invention is shown. In FIG. 2, 2 is an AC electrolytic cell, 4A, 4B and 4C are main poles, 6A and 6B are conveying rollers, 8A is an introduction roller, 8B is a discharge roller, and 100 is an electrolytic surface-roughening treatment apparatus. The electrolytic
[0089]
The electrolytic surface-
[0090]
The operation of the electrolytic surface
The aluminum web W is introduced into the AC
Inside the AC
Since the alternating current applied to the
Therefore, in the aluminum web W, the anode reaction and the cathode reaction are repeated three times more frequently than when a single-phase alternating waveform current having the same frequency is applied. Even when the surface roughening process is performed, chatter marks that are stripes in the width direction are less likely to occur.
[0091]
In FIG. 3, the cross-sectional schematic diagram of another example of the electrolytic surface-roughening processing apparatus provided with the flat type | formula electrolytic cell suitably used for this invention is shown. 3, the same reference numerals as those in FIG. 2 denote the same elements as those shown in FIG. 2, 10 is an auxiliary electrolytic cell, 12 is an auxiliary electrode, 14A and 14B are conveying rollers, 16A is an introduction roller,
The electrolytic surface
The auxiliary
Conveying rollers 14 </ b> A and 14 </ b> B that convey the aluminum web W above the
[0092]
The U phase, V phase, and W phase of the AC power supply Tac are connected to the
[0093]
In FIG. 4, the cross-sectional schematic diagram of an example of the electrolytic surface-roughening processing apparatus provided with the radial type | formula alternating current electrolytic cell suitably used for this invention is shown. In FIG. 4, 20 is an AC electrolytic cell, 26A and 26B are main electrodes, 34 is an auxiliary electrolytic cell, 35 is an upstream guide roller, 36 is an auxiliary electrode, 22 is an AC electrolytic cell body, 22A is an opening, and 24 is a feed. Rollers, 28A and 28B are liquid supply nozzles, 30A is an upstream guide roller, 30B is a downstream guide roller, 32 is an overflow tank, 34A is a bottom surface of the auxiliary electrolytic tank, 104 is an electrolytic surface-roughening treatment device, and Th4 and Th5. Is a thyristor.
The electrolytic surface-
The inner wall surface of the AC electrolytic cell
[0094]
In the upper part of the AC
In the vicinity of the
[0095]
In the AC
[0096]
An auxiliary
The
The
The side of the AC power supply Tac to which the
An anode current flows through the
[0097]
The operation of the electrolytic surface
From the left in FIG. 4, the aluminum alloy plate W is first guided into the auxiliary
Inside the AC electrolytic cell
[0098]
It is preferable to recycle as much as possible the liquid (waste liquid) used for each roughening treatment.
In an aqueous caustic soda solution in which aluminum ions are dissolved, aluminum and caustic soda can be separated by crystallization. In sulfuric acid aqueous solution, nitric acid aqueous solution or hydrochloric acid aqueous solution in which aluminum ions are dissolved, sulfuric acid or nitric acid can be recovered by electrodialysis or ion exchange resin.
The aqueous hydrochloric acid solution in which aluminum ions are dissolved can be recovered by evaporation as described in JP-A No. 2000-282272.
In the present invention, it is preferable to use the waste liquid of the electrolytic solution used in the electrolytic surface roughening treatment for the desmut treatment (first, second and third desmut treatment).
The desmutting treatment performed before the electrolytic surface roughening treatment or anodizing treatment is preferably performed using the same type of liquid as the surface roughening treatment or anodizing treatment performed after the desmutting treatment. It is particularly preferable to use it. By doing so, the water washing step provided between the desmut treatment and the next step can be omitted, and the facility can be simplified and the amount of waste liquid can be reduced.
[0099]
(Second and third chemical etching processes)
Similarly to the first chemical etching process, the second and third chemical etching processes can be performed by selecting an alkali etching process or an acidic etching process.
[0100]
(1) Second and third alkali etching treatments
In the second and third alkali etching processes, etching is performed by bringing the aluminum plate into contact with an alkaline solution. Examples of the type of alkali, the method of bringing the aluminum plate into contact with the alkaline solution, and the apparatus used therefor are the same as those in the case of the first alkaline etching treatment.
The etching amount in the second alkali etching treatment is preferably 0.1 to 8 g / m.2And more preferably 0.2 to 5 g / m2And particularly preferably 0.3 to 4 g / m.2It is.
The etching amount in the third alkali etching treatment is preferably 0.01 to 2 g / m.2And more preferably 0.05-1 g / m2And particularly preferably 0.05 to 0.6 g / m.2It is.
[0101]
The concentration of the alkaline solution can be determined according to the etching amount, but is preferably 0.01 to 80% by mass. The temperature of the alkaline solution is preferably 20 to 90 ° C. The treatment time is preferably 1 to 60 seconds.
In the second and third desmut treatments described later, when an acidic solution containing 100 g / L or more of sulfuric acid and having a liquid temperature of 60 ° C. or more is used, the second and third alkali etching treatments may be omitted. it can.
[0102]
(2) Second and third acidic etching treatments
The second and third acidic etching processes are basically the same as the first acidic etching process.
[0103]
(Second and third desmut processing)
After the second and third alkali etching processes, it is preferable to perform the second and third desmut processes. The hydroxide generated by the second and third alkali etching treatments can be removed, and the adhesion between the support and the image recording layer is enhanced during printing.
In the second and third desmutting treatments, for example, the aluminum plate contains an acidic solution (0.01 to 5% by mass of aluminum ions) having a concentration of 0.5 to 30% by mass such as phosphoric acid, hydrochloric acid, nitric acid, and sulfuric acid. ). The method for bringing the aluminum plate into contact with the acidic solution may be the same as in the case of the first desmut treatment.
In the second and third desmutting treatments, it is preferable to use, as the acidic solution, the sulfuric acid solution waste liquid discharged in the anodizing treatment described later. Instead of the waste liquid, a sulfuric acid solution having a sulfuric acid concentration of 100 to 600 g / L, an aluminum ion concentration of 1 to 10 g / L, and a liquid temperature of 60 to 90 ° C. may be used.
The liquid temperature of the second and third desmut treatment is preferably 25 to 90 ° C. Moreover, it is preferable that the processing time of a 2nd and 3rd desmut process is 1-180 second. Aluminum and aluminum alloy components may be dissolved in the acidic solution used for the second and third desmutting treatments.
[0104]
<Anodizing treatment>
After the roughening treatment, anodizing treatment is performed to increase the wear resistance of the surface of the aluminum plate. Any electrolyte can be used as the electrolyte used for the anodizing treatment of the aluminum plate as long as it forms a porous oxide film. In general, sulfuric acid, phosphoric acid, oxalic acid, chromic acid, or a mixture thereof is used.
The concentration of these electrolytes is appropriately determined depending on the type of electrolyte.
The treatment conditions for anodization vary depending on the electrolyte used, and thus cannot be specified in general. In general, the electrolyte concentration is 1 to 80% by mass, the liquid temperature is 5 to 70 ° C., and the current density is 1 to 60 A / dm.2In the range of voltage 1 to 100 V and
[0105]
Anodization in an aqueous sulfuric acid solution is described in detail in JP-A Nos. 54-128453 and 48-45303. The sulfuric acid concentration is preferably 10 to 300 g / L, and the aluminum ion concentration is preferably 1 to 25 g / L, and the aluminum ion concentration is adjusted to 2 to 10 g / L by adding aluminum sulfate to a 50 to 200 g / L sulfuric acid aqueous solution. Is particularly preferred. The liquid temperature is preferably 30 to 60 ° C. Current density 1-60 A / dm when using DC method2, Especially 5-40A / dm2Is preferred. When anodizing the aluminum sheet continuously, it is initially 5-10 A / dm to prevent current concentration called burning of the aluminum plate.2Anodization is performed at a low current density of 30 to 50 A / dm by gradually increasing the current density in the second half.2It is particularly preferable to set the current density until it becomes or more. It is preferable to gradually increase the current density in 5 to 15 steps. Each step has an independent power supply, and the current density is controlled by the current value of the power supply. The power supply method is preferably a liquid power supply method that does not use a conductor roller. An example is shown in Japanese Patent Laid-Open No. 2001-11698.
[0106]
A small amount of trace element contained in the aluminum plate may be dissolved in the sulfuric acid aqueous solution. Since aluminum elutes in the sulfuric acid aqueous solution during the anodizing treatment, it is necessary to manage the sulfuric acid concentration and the aluminum ion concentration in order to manage the process. If the aluminum ion concentration is set low, the sulfuric acid aqueous solution for anodizing must be renewed frequently, and the amount of waste liquid increases, which is not economical and is also an environmental problem. On the other hand, if the aluminum ion concentration is set high, the electrolysis voltage becomes high and the power cost increases, which is not economical. Preferred combinations of sulfuric acid concentration, aluminum ion concentration and liquid temperature for anodizing treatment are as follows: (1) sulfuric acid concentration: 100 to 200 g / L (further 130 to 180 g / L), aluminum ion concentration: 2 to 10 g / L (further 3-7 g / L), liquid temperature: 30-40 ° C. (further 33-38 ° C.), (2) sulfuric acid concentration: 50-125 g / L (further 80-120 g / L), aluminum ion concentration: 2-10 g / L L (further 3 to 7 g / L), liquid temperature: 40 to 70 (further 50 to 60 ° C.).
[0107]
There are two methods for supplying power to the aluminum plate in the anodizing process: a direct power supply method for supplying power directly to the aluminum plate using a conductor roll, and a liquid power supply method for supplying power to the aluminum plate through an electrolytic solution.
The direct power feeding method is a relatively low speed / low current density anodizing device with a line speed of 30 m / min or less, and the indirect power feeding method is often used with a high speed / high current density anodizing device with a line speed exceeding 30 m / min. .
The indirect power supply method is described in “Continuous Surface Treatment Technology” General Technology Center, issued September 30, 1986, p. As at 289, a Yamakoshi or straight tank layout can be used. At high speed and high current density, there is a problem of spark generation between the conductor roll and the aluminum web, so the direct feed roll method is disadvantageous.
[0108]
In both direct power supply and indirect power supply systems, the anodizing process is divided into two or more for the purpose of reducing energy loss due to voltage drop in the aluminum web. It is particularly preferable to use a direct current power source connected between the oxidation tank and the oxidation tank.
In the case of using the direct power supply method, the conductor roll is generally made of aluminum. In order to extend the life of the roll, after casting using industrial pure aluminum as described in Japanese Patent Publication No. 61-50138, high temperature homogenization treatment is performed to obtain an Al-Fe-based crystallized product. Al3It is particularly preferable to use a single layer of Fe with improved corrosion resistance.
Since a large current flows in the anodizing process, a Lorentz force acts on the aluminum plate by a magnetic field generated by the current flowing in the bus bar. As a result, there arises a problem that the web meanders. Therefore, it is particularly preferable to use a method as described in JP-A-57-51290.
[0109]
Further, since a large current flows through the aluminum plate, a Lorentz force acts toward the center in the width direction of the aluminum plate by a magnetic field generated by the current flowing through the aluminum plate itself. As a result, the aluminum plate is likely to be broken, so a plurality of pass rollers having a diameter of 100 to 200 mm are provided in the anodizing tank at a pitch of 100 to 3000 mm and wrapped at an angle of 1 to 15 ° to prevent the bending due to the Lorentz force. It is particularly preferred to take the method of:
[0110]
Also, the amount of the anodic oxide film produced differs in the width direction of the aluminum plate, and the amount produced increases as the etching approaches, and the thickness increases. As a result, there arises a problem that the aluminum plate cannot be wound well by the winding device. This can be solved by stirring the liquid flow by the method described in Japanese Patent Publication No. 62-30275 or Japanese Patent Publication No. 55-21840. If that method is insufficient, it is also possible to use a method of winding an aluminum plate winding device by oscillating it in the width direction of the aluminum web with an amplitude of 5 to 50 mm at a period of 0.1 to 10 Hz. Particularly preferred.
[0111]
In the sulfuric acid method, the treatment is usually performed with a direct current, but an alternating current can also be used. The amount of anodized film is 1-10 g / m2The range of is appropriate. In the case of general lithographic printing plate materials, the amount of anodized film is 1 to 5 g / m.21g / m2If it is less, the printing durability is insufficient, or the non-image portion of the lithographic printing plate tends to be scratched, and at the same time, so-called scratches and stains, in which ink adheres to the scratched portion, are likely to occur. Further, when the amount of the anodic oxide film increases, the oxide film tends to concentrate on the etched portion of the aluminum plate. Therefore, the difference in the oxide film amount between the etched portion and the central portion of the aluminum plate is 1 g / m.2The following is preferable. In general, the liquid anodization method is used for the continuous anodizing treatment. Lead, iridium oxide, platinum, ferrite, or the like can be used as the anode for passing an electric current through the aluminum plate, but those mainly composed of iridium oxide are particularly preferable. Iridium oxide is coated on the substrate by heat treatment. As the base material, so-called valve metals such as titanium, tantalum, niobium, and zirconium are used, and titanium or niobium is particularly preferable. Since the valve metal has a relatively large electric resistance, it is particularly preferable to use copper as the core material and clad the valve metal around it. When a valve metal is clad on a copper core material, it is not possible to make a complicated shape, so the electrode parts created by dividing each part into parts are covered with iridium oxide and then the desired structure with bolts and nuts etc. It is common to assemble so that it becomes.
[0112]
In the present invention, the acid waste liquid generated in the anodizing treatment is desmutted (first, second and third desmutting treatment) in that the desmutting treatment liquid feeding equipment and concentration adjusting equipment can be simplified and equipment costs can be reduced. It is preferable to use for.
[0113]
<Hydrophilic treatment>
As the hydrophilization treatment, a known hydrophilization treatment generally used in the production of a lithographic printing plate support can be used, but it is preferable to treat with an alkali metal silicate, which will be described in detail below.
After the anodized support is washed with water, the dissolution of the anodized film in the developer is suppressed, the residual film of the image recording layer component is suppressed, the anodized film strength is improved, the hydrophilicity of the anodized film is improved, and the image The following treatments can be performed for the purpose of improving the adhesion with the recording layer. One of them is a silicate treatment in which the anodized film is treated by contacting with an alkali metal silicate aqueous solution. In this case, the concentration of the alkali metal silicate is 0.1 to 30% by mass, preferably 0.5 to 15% by mass, and 5 to 80 ° C. in an aqueous solution having a pH of 10 to 13.5 at 25 ° C. The contact is preferably performed at 10 to 70 ° C., more preferably at 15 to 50 ° C. for 0.5 to 120 seconds. The contact method may be any method, such as dipping or spraying. If the pH of the alkali metal silicate aqueous solution is lower than 10, the solution may gel, and if it is higher than 13.5, the anodized film may be dissolved.
The amount of Si on the aluminum surface after the hydrophilization treatment is 1 to 100 mg / m.2Preferably, 2 to 10 mg / m2It is more preferable that
[0114]
As the alkali metal silicate used in the present invention, sodium silicate, potassium silicate, lithium silicate and the like are used. Examples of the hydroxide used for pH adjustment of the alkali metal silicate aqueous solution include sodium hydroxide, potassium hydroxide, and lithium hydroxide. In addition, you may mix | blend alkaline-earth metal salt or a 4th group (Group IVA) metal salt with the said process liquid. Alkaline earth metal salts include nitrates such as calcium nitrate, strontium nitrate, magnesium nitrate, and barium nitrate, and water-soluble salts such as sulfate, hydrochloride, phosphate, acetate, oxalate, and borate. Is mentioned. Examples of Group 4 (Group IVA) metal salts include titanium tetrachloride, titanium trichloride, potassium fluoride titanium, potassium potassium oxalate, titanium sulfate, titanium tetraiodide, and zirconium chloride oxide. Alkaline earth metals or Group 4 (Group IVA) metal salts can be used alone or in combination of two or more. A preferable range of these metal salts is 0.01 to 10% by mass, and more preferably 0.05 to 5.0% by mass.
[0115]
<Sealing treatment>
In addition, various sealing treatments are also mentioned, and generally known as a sealing treatment method for an anodized film, water vapor sealing, boiling water (hot water) sealing, metal salt sealing (chromate). / Bichromate sealing, nickel acetate sealing, etc.), oil impregnation sealing, synthetic resin sealing, low temperature sealing (due to red blood salt, alkaline earth salt, etc.), etc. Water vapor sealing is relatively preferable from the standpoints of performance as a support for a substrate (adhesion and hydrophilicity with an image recording layer), high-speed processing, low cost, low pollution, and the like. As the method, for example, pressurized or normal-pressure steam described in JP-A-4-176690 is continuously or non-continuously set at a relative humidity of 70% or more and a steam temperature of 95 ° C. or more and 2 to 180. The method etc. which are made to contact an anodized film for about second are mentioned. Other sealing treatment methods include immersing or spraying the support in hot water or an alkaline aqueous solution of about 80 to 100 ° C., or alternatively, immersing or spraying with a nitrous acid solution. Can do. Examples of nitrite contained in the nitrite solution include, for example, LiO2, NaNO2, KNO2, Mg (NO2)2, Ca (NO2)2, Zn (NO3)2, Al (NO2)3, Zr (NO2)4, Sn (NO2)3, Cr (NO2)3, Co (NO2)2, Mn (NO2)2, Ni (NO2)2Etc., and alkali metal nitrates are particularly preferable. Two or more kinds of nitrites can be used in combination.
[0116]
The treatment conditions cannot be determined uniquely because they vary depending on the state of the support and the type of alkali metal. For example, when sodium nitrite is used, the concentration is generally 0.001 to 10% by mass, More preferably 0.01 to 2% by mass, the bath temperature is generally from room temperature to about 100 ° C., more preferably 60 to 90 ° C., and the treatment time is generally 15 to 300 seconds, more preferably 10 to 10 ° C. What is necessary is just to select from each range of 180 seconds. The pH of the aqueous nitrous acid solution is preferably adjusted to 8.0 to 11.0, particularly preferably 8.5 to 9.5. In order to adjust the pH of the aqueous nitrous acid solution to the above range, for example, it can be suitably prepared using an alkaline buffer solution or the like. Examples of the alkaline buffer include, but are not limited to, for example, a mixed aqueous solution of sodium bicarbonate and sodium hydroxide, a mixed aqueous solution of sodium carbonate and sodium hydroxide, a mixed aqueous solution of sodium carbonate and sodium bicarbonate, sodium chloride and sodium hydroxide. A mixed aqueous solution of hydrochloric acid, a mixed aqueous solution of hydrochloric acid and sodium carbonate, a mixed aqueous solution of sodium tetraborate and sodium hydroxide, or the like can be suitably used. In addition, the alkali buffer may be an alkali metal salt other than sodium, such as a potassium salt. After the silicate treatment or the sealing treatment as described above, an acidic aqueous solution treatment and a hydrophilic undercoat described in JP-A-5-278362 are performed in order to improve the adhesion with the image recording layer. Alternatively, an organic layer described in JP-A-4-282737 and Japanese Patent Application No. 6-108678 (JP-A-07-314937) may be provided.
[0117]
In the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention, the following treatments can be performed in addition to the above treatments.
[0118]
<Washing of aluminum plate>
After the aluminum plate is treated in an acid or alkaline aqueous solution or mechanically roughened with an abrasive, it is usual to provide a cleaning step for the purpose of removing the chemical solution or abrasive from the aluminum plate surface. is there.
Cleaning is usually provided in the middle of treatment tanks of different types and compositions, but the time from the treatment tank to the cleaning process or the time from washing to the next treatment tank is preferably 10 seconds or less. 0.1 to 10 seconds is particularly preferable. If it exceeds 10 seconds, chemical modification of the surface proceeds and processing unevenness may easily occur.
Further, the interval between the treatment tanks sandwiching the water washing step is preferably 15 seconds or less, particularly preferably 5 seconds or less in terms of the passage time of the aluminum web. If it exceeds 15 seconds, chemical modification of the surface proceeds and it may be difficult to perform uniform surface roughening in the next step.
In washing the aluminum plate, the following method is preferably used, and a water washing method using dry ice powder is preferred for the purpose of reducing the amount of drainage.
[0119]
(1) Washing with water
As a method for cleaning a lithographic printing plate support, it is common to use a method of cleaning the surface drained by a nip roller using water sprayed from a spray tip. Water is preferably sprayed at an angle of 45 to 90 ° toward the downstream of the traveling direction of the aluminum plate. The water injection pressure is the pressure just before the injection nozzle, usually 0.5 to 5 kg / cm2The liquid temperature is preferably 10 to 80 ° C. The traveling speed of the traveling aluminum plate is preferably 20 to 200 m / min. The amount of water sprayed on the aluminum plate is 0.1 to 10 L / m in one washing process.2It is preferable that the amount of liquid is sprayed. In one cleaning tank, cleaning water is sprayed from at least two spray tubes on the surface of the aluminum plate and at least two spray tubes on the back surface. One spray tube is provided with 5 to 30 spray tips at a pitch of 50 to 200 mm. The spray angle of the spray tip is preferably 10 to 150 °, and the distance between the aluminum plate and the spray tip spray surface is preferably 10 to 250 mm. The cross-sectional shape (spray pattern) of spraying of the spray tip includes an annular shape, a circular shape, an oval shape, a square shape, a rectangular shape, and the like, but a circular shape, a round shape, or a square shape and a rectangular shape are preferable. The flow distribution (spray water distribution state on the surface of the aluminum plate) includes annular distribution, uniform distribution, mountain distribution, etc., but when using multiple spray tips side by side in a spray tube, the uniform flow distribution over the entire width A mountain distribution that facilitates the above is preferred. The flow distribution varies depending on the spray pressure and the distance between the spray tip and the aluminum plate. The particle diameter of the spray varies depending on the structure of the spray tip, the spray pressure, and the spray amount, but is preferably 10 to 10,000 μm, particularly preferably 100 to 1000 μm. The material of the spray nozzle is preferably wear resistant against liquid flowing at high speed. The material used is brass, stainless steel, ceramic or the like, and a ceramic nozzle is particularly preferable.
The spray nozzle on which the spray tip is installed can be arranged at 45 to 90 ° with respect to the traveling direction of the aluminum plate, but the longer center line of the spray pattern center is perpendicular to the traveling direction of the aluminum plate. It is preferable to become.
The washing time for passing through the water washing treatment process is industrially preferably 10 seconds or less, particularly preferably 0.5 to 5 seconds.
[0120]
(2) Cleaning with dry ice powder
A known shot blasting apparatus as described in JP-A No. 10-66905 can be used as a method for cleaning by spraying dry ice powder on both sides of an aluminum plate. As the spray nozzle, a plurality of well-known spray nozzles as described in JP-A-10-28901 and JP-A-10-28902 can be arranged on both surfaces of an aluminum plate. The spray nozzles may be arranged in a horizontal line, but it is preferable that the spray nozzles be installed obliquely so that the spray pattern on the surface of the aluminum plate overlaps in the width direction of the aluminum plate. The distance between the spray nozzle and the aluminum plate is preferably 1 to 100 mm, particularly preferably 10 to 50 mm.
Moreover, the manufacturing apparatus as described in Unexamined-Japanese-Patent No. 7-38104 can be used for the method of manufacturing powdery dry ice. As the gas for injection, GN2 gas or air can be used. Powdered dry ice is 1-1000 μm, and the average particle size is preferably 10-100 μm. LCO per injection nozzle2(Liquid carbon dioxide) The supply amount is preferably 0.1 to 1 kg / min, and the supply pressure is preferably 1 to 20 MPa. The washing pressure on the aluminum plate is preferably 1 to 20 MPa.
[0121]
<Material of pass roll>
The roll can be selected and used from a metal roll, a resin roll, a rubber roll, and a non-woven roll used in a continuous production line of known steel, plating, electrolytic capacitor, PS plate and the like whose surface is plated or lined.
The material of the roll and the physical properties of the surface are selected in consideration of the corrosion resistance, wear resistance, heat resistance, chemical resistance, etc. according to the chemical solution and the state of the aluminum surface at that time. As the metal roll, a hard chrome plating roll is generally used. In rubber rolls, natural rubber, isoprene rubber, styrene butadiene rubber, butadiene rubber, butyl rubber, chloroprene rubber, chlorosulfonated polyethylene, nitrile rubber, acrylic rubber, epichlorohydrin rubber, urethane rubber, polysulfide rubber, fluorine rubber, etc. What added the additive can be used. The hardness of the rubber roll is particularly preferably 60 to 90.
[0122]
[Support for lithographic printing plate]
According to the electrolytic surface-roughening treatment method of the present invention described in detail above, local concentration of current in the electrolytic surface-roughening treatment can be effectively suppressed, and the size, depth, etc. are uniform with a small amount of electricity. Therefore, an average pit diameter of 0.5 to 3 μm and a standard deviation of the pit diameter of 2.5 μm are formed on the surface of the aluminum plate by the method and the roughening treatment method including the method. A lithographic printing plate support on which the following uniform pits are formed can be obtained.
[0123]
The pits having an average pit diameter of 0.5 to 3 μm have a function of holding the image recording layer and imparting printing durability mainly by an anchor (throwing) effect. Further, by forming the pits particularly uniformly, the printing durability is further improved, and at the same time, the hydrophilicity and water retention of the surface are improved and the stain resistance is improved.
In the present invention, the standard deviation of the pit diameter is preferably 2.5 or less, and more preferably 2.0 or less. When the standard deviation is 2.5 or less, the pit diameter is uniform and the formed water film is extremely uniform even when the amount of dampening water supplied is small. That is, no occurrence occurs. In other words, since the supply amount of dampening water can be reduced, it is possible to prevent contamination that occurs when the dampening water is increased. That is, the lithographic printing plate support of the present invention in which the standard deviation of the pit diameter is not more than a specific value is extremely excellent in water-ink balance when used as a lithographic printing plate.
[0124]
Here, the measurement method of the average pit diameter and the standard deviation of the pit diameter is as follows.
The surface of the support was photographed at a magnification of 2000 times from directly above using an electron microscope, and at least 50 pits with a ring around the pit were extracted from the obtained electron micrograph, and the diameter was read and opened. The average aperture diameter and standard deviation are calculated as the aperture.
In addition, in order to suppress variation in measurement, it is possible to perform equivalent circle diameter measurement using commercially available image analysis software. In this case, the electron micrograph is captured by a scanner, digitized, and binarized by software, and then an equivalent circle diameter is obtained.
As a result of measurement by the present inventor, the result of visual measurement and the result of digital processing showed almost the same value. The same applies to the structure in which the large wave structure is superimposed.
[0125]
According to the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention described in detail above, it is possible to obtain a lithographic printing plate support having uniform surface irregularities, particularly pits formed by electrolytic surface roughening treatment. it can. In addition, the lithographic printing plate support obtained by the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention is provided with an image recording layer as will be described later to form a lithographic printing plate precursor. The printing durability and stain resistance can be achieved at a high level.
[0126]
[Lithographic printing plate precursor]
The lithographic printing plate precursor using the lithographic printing plate support obtained by the present invention will be described below.
The lithographic printing plate precursor according to the invention comprises an image recording layer provided on the lithographic printing plate support according to the invention described above.
[0127]
<Undercoat layer>
In the lithographic printing plate precursor according to the present invention, before providing an image recording layer on the lithographic printing plate support of the present invention obtained as described above, if necessary, for example, zinc borate or the like. An inorganic undercoat layer such as a water-soluble metal salt or an organic undercoat layer may be provided.
[0128]
Examples of the organic compound used in the organic undercoat layer include carboxymethyl cellulose; dextrin; gum arabic; polymers and copolymers having a sulfonic acid group in the side chain; polyacrylic acid; amino such as 2-aminoethylphosphonic acid Phosphonic acids having a group; phenylphosphonic acid, naphthylphosphonic acid, alkylphosphonic acid, glycerophosphonic acid, methylenediphosphonic acid, ethylenediphosphonic acid, etc., which may have a substituent; Organic phosphoric acid such as phenylphosphonic acid, naphthylphosphoric acid, alkylphosphoric acid, glycerophosphoric acid which may be substituted; phenylphosphinic acid, naphthylphosphinic acid, alkylphosphinic acid, glycerophosphinic acid, etc. which may have a substituent Organic phosphinic acids; amino acids such as glycine and β-alanine Amine hydrochloride having hydroxy group such as triethanolamine hydrochloride; and the yellow dye. These may be used alone or in combination of two or more.
[0129]
The organic undercoat layer is provided by applying a solution obtained by dissolving the above organic compound in water or an organic solvent such as methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, or a mixed solvent thereof on an aluminum plate and drying it. The concentration of the solution in which the organic compound is dissolved is preferably 0.005 to 10% by mass. The coating method is not particularly limited, and any method such as bar coater coating, spin coating, spray coating, curtain coating and the like can be used.
The coating amount of the organic undercoat layer after drying is 2 to 200 mg / m2Is preferably 5 to 100 mg / m2It is more preferable that When it is in the above range, the printing durability becomes better.
[0130]
<Image recording layer>
The lithographic printing plate support of the present invention can be provided with an image recording layer such as a photosensitive layer and a heat-sensitive layer as exemplified below to form a lithographic printing plate precursor. Suitable examples of the image recording layer include a conventional positive type, a conventional negative type, a photopolymer type, a thermal positive type, a thermal negative type, and an unprocessable type that can be developed on the machine. Hereinafter, these suitable image recording layers will be described.
[0131]
<Conventional positive type>
Examples of the photosensitive resin composition suitably used for the conventional positive type photosensitive layer include an o-quinonediazide compound and a water-insoluble and alkali-soluble polymer compound (hereinafter referred to as “alkali-soluble polymer compound”). The composition to contain is mentioned.
Examples of o-quinonediazide compounds include esters of 1,2-naphthoquinone-2-diazide-5-sulfonyl chloride and phenol-formaldehyde resin or cresol-formaldehyde resin, and US Pat. No. 3,635,709. Examples include esters of 1,2-naphthoquinone-2-diazide-5-sulfonyl chloride and pyrogallol / acetone resin as described.
Examples of the alkali-soluble polymer compound include phenol / formaldehyde resin, cresol / formaldehyde resin, phenol / cresol / formaldehyde co-condensation resin, polyhydroxystyrene, N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide copolymer, Carboxy group-containing polymers described in JP-A-7-36184, acrylic resins containing phenolic hydroxy groups as described in JP-A-51-34711, and JP-A-2-866. Examples thereof include acrylic resins having sulfonamide groups and urethane resins.
Further, in the photosensitive resin composition, compounds such as a sensitivity adjusting agent, a baking agent, and a dye described in [0024] to [0027] of JP-A-7-92660 and [0031] of the same publication. It is preferable to add a surfactant for improving the coating property.
[0132]
<Conventional negative type>
Examples of the photosensitive resin composition suitably used for the conventional negative type photosensitive layer include a composition containing a diazo resin and an alkali-soluble or swellable polymer compound (hereinafter referred to as “binder”).
Examples of the diazo resin include a condensate of an aromatic diazonium salt and an active carbonyl group-containing compound such as formaldehyde, a condensate of p-diazophenylamines and formaldehyde, and a hexafluorophosphate or a tetrafluoroborate. Organic solvent-soluble diazo resin inorganic salts which are reaction products of In particular, a high molecular weight diazo compound containing 20 mol% or more of a hexamer described in JP-A-59-78340 is preferable.
Suitable binders include, for example, a copolymer containing acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid or maleic acid as an essential component, specifically 2 as described in JP-A-50-118802. -Multi-component copolymers of monomers such as hydroxyethyl (meth) acrylate, (meth) acrylonitrile, (meth) acrylic acid, alkyl acrylates as described in JP-A-56-4144, (meth) acrylonitrile And multi-component copolymers composed of unsaturated carboxylic acids.
Furthermore, plastics for imparting flexibility and abrasion resistance to the photosensitive resin composition described in JP-A-7-281425, [0014] to [0015]. It is preferable to add a compound such as an agent and a development accelerator and a surfactant for improving the coating property.
As a lower layer of the above-mentioned conventional type positive type or negative type photosensitive layer, a polymer compound having a component having an acid group and a component having an onium group described in JP-A-2000-105462 is used. It is preferable to provide an intermediate layer to be contained.
[0133]
<Photopolymer type>
A photopolymerization type photosensitive composition (hereinafter referred to as “photopolymerizable composition”) suitably used for a photopolymer type photosensitive layer is an addition-polymerizable ethylenically unsaturated bond-containing compound (hereinafter simply referred to as “ethylene”). ), A photopolymerization initiator, and a polymer binder as essential components, and if necessary, various compounds such as a colorant, a plasticizer, and a thermal polymerization inhibitor. Containing.
The ethylenically unsaturated bond-containing compound contained in the photopolymerizable composition is such that, when the photopolymerizable composition is irradiated with actinic rays, it undergoes addition polymerization by the action of the photopolymerization initiator, crosslinks and cures. It is a compound having an ethylenically unsaturated bond. The ethylenically unsaturated bond-containing compound can be arbitrarily selected from compounds having at least one terminal ethylenically unsaturated bond, preferably two or more, such as monomers, prepolymers (ie, dimers). Trimers and oligomers), mixtures thereof, and copolymers thereof. Examples of monomers include esters of unsaturated carboxylic acids (eg, acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, crotonic acid, isocrotonic acid, maleic acid) and aliphatic polyhydric alcohol compounds, unsaturated carboxylic acids and aliphatic polyhydric compounds. And amides with a polyvalent amine compound. Urethane addition polymerizable compounds are also suitable.
[0134]
As the photopolymerization initiator contained in the photopolymerizable composition, various photopolymerization initiators or a combination system (photoinitiation system) of two or more photopolymerization initiators are appropriately selected depending on the wavelength of the light source used. For example, an initiation system described in JP-A-2001-22079, [0021] to [0023] is preferable.
The polymer binder contained in the photopolymerizable composition not only functions as a film-forming agent for the photopolymerizable composition, but also needs to dissolve the photosensitive layer in an alkali developer. An organic high molecular weight polymer that is swellable is used. As the polymer binder, those described in [0036] to [0063] of the same publication are useful.
It is preferable to add the additive (for example, surfactant for improving applicability | paintability) described in [0079]-[0088] of the same gazette to the photopolymerizable composition. Further, it is preferable to provide an oxygen-blocking protective layer on the photosensitive layer in order to prevent the oxygen polymerization inhibiting action. Examples of the polymer contained in the oxygen barrier protective layer include polyvinyl alcohol and copolymers thereof.
Furthermore, it is preferable to provide an adhesive layer as described in [0131] to [0165] of JP-A-2001-228608 as the lower layer of the photosensitive layer.
[0135]
<Thermal positive type>
The thermal positive type heat-sensitive layer contains an alkali-soluble polymer compound and a photothermal conversion substance.
Alkali-soluble polymer compounds include homopolymers containing acidic groups in the polymer, copolymers thereof, and mixtures thereof, in particular, (1) phenolic hydroxy groups (—Ar—OH), (2) Sulfonamide group (—SO2Those having an acidic group such as NH-R) are preferred from the viewpoint of solubility in an alkali developer. In particular, it is preferable to have a phenolic hydroxy group from the viewpoint of excellent image formability upon exposure with an infrared laser or the like. For example, phenol formaldehyde resin, m-cresol formaldehyde resin, p-cresol formaldehyde resin, m- / p-mixed cresol formaldehyde resin, phenol / cresol (any of m-, p- and m- / p-mixed) may be mixed Preferred are novolak resins such as formaldehyde resin; pyrogallol acetone resin. More specifically, the polymers described in [0023] to [0042] of JP-A No. 2001-305722 are preferably used.
[0136]
The photothermal conversion substance converts exposure energy into heat and can efficiently cancel the interaction of the exposed area of the heat sensitive layer. From the viewpoint of recording sensitivity, a pigment or dye having a light absorption region in the infrared region with a wavelength of 700 to 1200 nm is preferable. Specific examples of the dye include azo dyes, metal complex azo dyes, pyrazolone azo dyes, naphthoquinone dyes, anthraquinone dyes, phthalocyanine dyes, carbonium dyes, quinoneimine dyes, methine dyes, cyanine dyes, squarylium dyes, pyrylium salts, metal thiolates. Complex (for example, nickel thiolate complex) etc. are mentioned. Among these, cyanine dyes are preferable, and examples thereof include cyanine dyes represented by general formula (I) in JP-A No. 2001-305722.
In the composition used for the thermal positive type heat-sensitive layer, the same sensitivity control agent, bake-out agent, dye, etc. as those described in the conventional positive type, and a surfactant for improving coating properties are added. It is preferable to add. Specifically, the compounds described in [0053] to [0059] of JP-A No. 2001-305722 are preferable.
The thermal positive type heat-sensitive layer may be a single layer or may have a two-layer structure as described in JP-A-11-218914.
An undercoat layer is preferably provided between the thermal positive type heat-sensitive layer and the support. Examples of components contained in the undercoat layer include various organic compounds described in JP-A-2001-305722, [0068].
[0137]
<Thermal negative type>
The thermal negative-type heat-sensitive layer is a negative-type heat-sensitive layer in which the infrared laser irradiation part is cured to form an image part.
A preferred example of such a thermal negative type heat-sensitive layer is a polymerization type layer (polymerization layer). The polymerization layer comprises (A) an infrared absorber, (B) a radical generator (radical polymerization initiator), a curing reaction caused by the generated radical (C) a radical polymerizable compound, and (D) a binder. Containing polymer.
In the polymerization layer, the infrared rays absorbed by the infrared absorber are converted into heat, and the generated heat decomposes radical polymerization initiators such as onium salts to generate radicals. The radically polymerizable compound is selected from compounds having a terminal ethylenically unsaturated bond, and a polymerization reaction is caused in a chain by the generated radicals and is cured.
Examples of (A) infrared absorbers include the above-described photothermal conversion substances contained in the above-described thermal positive type heat-sensitive layer. In particular, specific examples of cyanine dyes are disclosed in JP-A No. 2001-133969. To [0019], and (B) radical generators include onium salts. Specific examples of onium salts that can be suitably used include those described in JP-A-2001-133969. The compounds described in [0030] to [0033] are mentioned, and the (C) radical polymerizable compound is selected from compounds having at least one terminal ethylenically unsaturated bond, preferably two or more. (D) It is preferable to use a linear organic polymer as the binder polymer, and a linear organic polymer that is soluble or swellable in water or weak alkaline water is selected. Of these, a (meth) acrylic resin having a benzyl group or an allyl group and a carboxy group in the side chain is particularly preferable because of its excellent balance of film strength, sensitivity, and developability. Regarding (C) the radical polymerizable compound and (D) the binder polymer, those described in detail in [0036] to [0060] of the same publication can be used. As other additives, it is also preferable to add the additives described in [0061] to [0068] of the same publication (for example, a surfactant for improving coatability).
[0138]
In addition to the polymerization type, an acid cross-linked layer (acid cross-linked layer) is preferably used as one of the thermal negative type heat-sensitive layers. The acid cross-linking layer includes (E) a compound that generates an acid by light or heat (hereinafter referred to as “acid generator”) and (F) a compound that cross-links by the generated acid (hereinafter referred to as “cross-linking agent”). And (G) an alkali-soluble polymer compound that can react with a crosslinking agent in the presence of an acid. In order to efficiently use the energy of the infrared laser, (A) an infrared absorber is blended in the acid crosslinking layer. Examples of the acid generator (E) include compounds capable of generating an acid upon thermal decomposition, such as a photoinitiator for photopolymerization, a photochromic agent for dyes, and an acid generator used for a microresist. . (F) As the crosslinking agent, (i) an aromatic compound substituted with a hydroxymethyl group or an alkoxymethyl group, (ii) a compound having an N-hydroxymethyl group, an N-alkoxymethyl group or an N-acyloxymethyl group, (Iii) An epoxy compound is mentioned. (G) Examples of the alkali-soluble polymer compound include novolak resins and polymers having a hydroxyaryl group in the side chain.
[0139]
<Non-treatment type>
The untreated type heat-sensitive layer includes types such as a thermoplastic fine particle polymer type, a microcapsule type, and a sulfonic acid-generating polymer-containing type.
In the thermoplastic fine particle polymer type, (H) hydrophobic hot-melt resin fine particles are dispersed in (J) a hydrophilic polymer matrix, and the hydrophobic polymer is melted by the heat of the exposed area and fused to each other. To form a hydrophobic region, that is, an image portion.
(H) Hydrophobic heat-meltable resin fine particles (hereinafter referred to as “fine-particle polymer”) are preferably those in which fine-particle polymers are melted and coalesced by heat, have a hydrophilic surface, and are used as hydrophilic components such as dampening water. Dispersed particulate polymers having a hydrophilic surface are preferred. As the fine particle polymer, Research Disclosure No. 33303 (January 1992), JP-A-9-123387, JP-A-9-131850, JP-A-9-171249, JP-A-9-171250, and European Patent Application Publication No. 931,647. Preferred examples thereof include thermoplastic fine particle polymers. Specific examples include homopolymers or copolymers of monomers such as ethylene, styrene, vinyl chloride, methyl acrylate, ethyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, vinylidene chloride, acrylonitrile, vinyl carbazole, or mixtures thereof. . Of these, polystyrene and polymethyl methacrylate are preferably used. The fine particle polymer having a hydrophilic surface is such that the polymer itself constituting the fine particle is hydrophilic, or the polymer itself is hydrophilic, such as those obtained by introducing a hydrophilic group into the main chain or side chain of the polymer. A hydrophilic polymer such as polyvinyl alcohol or polyethylene glycol, a hydrophilic oligomer or a hydrophilic low molecular weight compound is adsorbed on the surface of the fine particle polymer to make the surface hydrophilic. As the fine particle polymer, a fine particle polymer having a thermally reactive functional group is more preferable. When the fine particle polymer as described above is dispersed in the (J) hydrophilic polymer matrix, the on-press development property is improved when the on-press development is performed, and the film strength of the heat-sensitive layer itself is further improved.
[0140]
Examples of the microcapsule type include a type described in JP-A No. 2000-118160 and a microcapsule type containing a compound having a thermally reactive functional group as described in JP-A No. 2001-277740. Preferably mentioned.
Examples of the sulfonic acid generating polymer used in the sulfonic acid generating polymer-containing type include, for example, a sulfonic acid ester group, a disulfone group, or a sec- or tert-sulfonamide group described in JP-A-10-282672 as a side chain. The polymer etc. which have are mentioned.
By including a hydrophilic resin in the untreated type heat-sensitive layer, not only the on-press developability is improved, but also the film strength of the heat-sensitive layer itself is improved. In addition, a lithographic printing plate precursor that does not require development processing can be obtained by crosslinking and curing the hydrophilic resin. Examples of the hydrophilic resin include those having a hydrophilic group such as hydroxy group, carboxy group, hydroxyethyl group, hydroxypropyl group, amino group, aminoethyl group, aminopropyl group, carboxymethyl group, and hydrophilic sol-gel conversion. A system binder resin is preferred. Specific examples of the hydrophilic resin include those listed as the hydrophilic resin used as the above-mentioned (J) hydrophilic polymer matrix.
Among these, a sol-gel conversion binder resin is preferable.
It is necessary to add a photothermal conversion substance to the untreated type heat-sensitive layer. The photothermal conversion substance may be any substance that absorbs light having a wavelength of 700 nm or more, and a dye similar to the dye used for the above-described thermal positive type is particularly preferable.
[0141]
<Back coat layer>
Thus, the image recording layer in the case where the lithographic printing plate is overlaid on the back surface of the lithographic printing plate precursor obtained by providing various image recording layers on the lithographic printing plate support, if necessary. In order to prevent scratching, a backcoat layer made of an organic polymer compound can be provided.
[0142]
<Application method>
As a method of applying the conventional type, photopolymer type, thermal type, and non-processing type image recording layer forming liquid to the roughened surface of the lithographic printing plate support, a method using a coating rod, an extrusion type Conventionally known methods such as a method using a coater and a method using a slide bead coater can be used, and can be performed according to known conditions.
[0143]
<Coating amount>
In the present invention, the image recording layer applied on the lithographic printing plate support obtained as described above cannot be generally described depending on the type of the image recording layer described above. 0.8-2.5 g / m in quantity2Is preferred.
[0144]
As an apparatus for drying the aluminum plate after applying the conventional type, photopolymer type, thermal type, and non-processing type image recording layer forming liquid, a pass roll is provided in the drying apparatus described in JP-A-6-63487. An arch dryer that is dried while being conveyed by the pass roll, an air dryer that supplies air from above and below by a nozzle, and dries while floating the web, a radiant heat dryer that is dried by radiant heat from a medium heated to a high temperature, In addition, there is a roller dryer that heats the roller and dries by conduction heat transfer by contact with the roller.
[0145]
[Lithographic printing plate]
The lithographic printing plate precursor according to the invention is made into a lithographic printing plate by various processing methods according to the image recording layer.
In general, image exposure is performed. Examples of the actinic ray light source used for image exposure include a mercury lamp, a metal halide lamp, a xenon lamp, and a chemical lamp. Examples of the laser beam include a helium-neon laser (He-Ne laser), an argon laser, a krypton laser, a helium-cadmium laser, a KrF excimer laser, a semiconductor laser, a YAG laser, and a YAG-SHG laser.
After the exposure, when the image recording layer is any one of a thermal type, a conventional type, and a photopolymer type, it is preferable to develop with a developer and obtain a lithographic printing plate after the exposure. The preferred developer used for the lithographic printing plate precursor is not particularly limited as long as it is an alkaline developer, but an alkaline aqueous solution substantially not containing an organic solvent is preferred. Moreover, it can also develop using the developing solution which does not contain alkali metal silicate substantially. About the method of developing using the developing solution which does not contain alkali metal silicate substantially, it describes in Unexamined-Japanese-Patent No. 11-109637 in detail, The content described in this gazette can be used. . Moreover, the lithographic printing plate precursor can be developed using a developer containing an alkali metal silicate.
[0146]
The lithographic printing plate thus obtained is excellent in printing durability and stain resistance.
[0147]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0148]
[Example I]
1. Making a support for planographic printing plates
(Example 1-7 and Comparative Example 1-4)
<Aluminum plate>
Si: 0.06 mass%, Fe: 0.30 mass%, Cu: 0.005 mass%, Mn: 0.001 mass%, Mg: 0.001 mass%, Zn: 0.001 mass%, Ti: It contains 0.03% by mass, and the balance is prepared using Al and an inevitable impurity aluminum alloy. After the molten metal treatment and filtration, an ingot having a thickness of 500 mm and a width of 1200 mm is obtained by a DC casting method. Created. After the surface was shaved with a chamfering machine with an average thickness of 10 mm, it was kept soaked at 550 ° C. for about 5 hours, and when the temperature dropped to 400 ° C., rolling with a thickness of 2.7 mm using a hot rolling mill A board was used. Further, heat treatment was performed at 500 ° C. using a continuous annealing machine, and then finished by cold rolling to a thickness of 0.24 mm to obtain a JIS 1050 aluminum plate. After making this aluminum plate width 1030mm, it used for the surface treatment shown below.
[0149]
<Roughening treatment>
The roughening process was performed by continuously performing the following various processes (a) to (f). In addition, after each process and water washing, the liquid was drained with the nip roller.
[0150]
(A) Mechanical roughening treatment
Using an apparatus as shown in FIG. 5, while rotating a suspension of an abrasive (pumice) and water as an abrasive slurry liquid (concentration 300 g / L, specific gravity 1.12) to the surface of the aluminum plate, rotation The surface was mechanically roughened with a roller nylon brush. In FIG. 5, 51 is an aluminum plate, 52 and 54 are roller brushes, 53 is a polishing slurry, and 55, 56, 57 and 58 are support rollers. The average particle size of the abrasive was 40 μm, and the maximum particle size was 100 μm. The material of the nylon brush was 6 · 10 nylon, the hair length was 50 mm, and the hair diameter was 0.3 mm. The nylon brush was planted so as to be dense by making a hole in a stainless steel tube having a diameter of 300 mm. Three rotating brushes were used. The distance between the two support rollers (φ200 mm) at the bottom of the brush was 300 mm. The brush roller was pressed until the load of the drive motor for rotating the brush became 7 kW plus with respect to the load before the brush roller was pressed against the aluminum plate. The rotating direction of the brush was the same as the moving direction of the aluminum plate. The rotation speed of the brush was 200 rpm.
[0151]
(B) Alkali etching treatment
The aluminum plate obtained above was subjected to an etching process by spraying using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 20% by mass, an aluminum ion concentration of 6.5% by mass and a temperature of 50 ° C., and the aluminum plate was subjected to 5 g / m.2Dissolved. Then, water washing by spraying was performed.
[0152]
(C) Desmut treatment
A desmut treatment was performed by spraying for 5 seconds with a 1% by mass aqueous solution of nitric acid having a nitric acid concentration of 30 ° C. (containing 0.5% by mass of aluminum ions), and then washed with water by spraying. The nitric acid aqueous solution used for the desmut treatment was a waste liquid from a process of performing an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in a nitric acid aqueous solution.
[0153]
(D) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a 1% by mass aqueous solution of nitric acid (containing 4.5 g / L of aluminum ions) at a liquid temperature of 50 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 1. The time tp until the current value reaches a peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, and a trapezoidal rectangular wave AC is used with the carbon electrode as the counter electrode. An electrochemical roughening treatment was performed. Ferrite was used for the auxiliary anode.
The current density is 20 A / dm at the peak current value.2The amount of electricity is 200 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode.2Met. 5% of the current flowing from the power source was shunted to the auxiliary anode.
The electrolytic cell used was the one of the one shown in FIG. 6, and the main electrode was set so that the electrolytic suspension part had the conditions shown in Table 1. Then, water washing by spraying was performed.
[0154]
[Table 1]
[0155]
In Table 1, “combination” is a combination of a short pause portion and a long pause portion, and shows the arrangement of the electrolytic portion group formed by dividing the short pause portion by the long pause portion. The number of short rest parts included in the first electrolysis part group, the second electrolysis part group, the third electrolysis part group, and the fourth electrolysis part group is shown in order from the upstream side in the transport direction of the aluminum plate. For example, in Example 1, the short rest part is provided 20 times in total and the long rest part is provided once, and the dividing method is the first electrolytic part group provided 10 times of the short rest part, the long rest part once, A method of forming the second electrolysis part group provided 10 times of the short rest part is expressed as “10 + 10”.
In Table 1, "-" indicates that there is no corresponding division method or short pause part.
[0156]
(E) Alkali etching treatment
The aluminum plate was etched by spraying at 30 ° C. using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 20 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%.2Dissolve and remove the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when the electrochemical roughening treatment was performed using the alternating current of the previous stage, and the edge portion of the generated pit was dissolved Made smooth. Then, water washing by spraying was performed.
[0157]
(F) Desmut treatment
The desmutting treatment was performed by spraying for 3 seconds with a 20% by weight aqueous solution of sulfuric acid at a temperature of 30 ° C. (containing 3% by weight of aluminum ions), and then washed with water. The nitric acid aqueous solution used for the desmut treatment was a waste solution from a process of performing an electrochemical surface roughening treatment using an alternating current in a nitric acid electrolyte.
[0158]
The aluminum plate obtained by the roughening treatment was anodized under the following conditions.
[0159]
(J) Anodizing treatment
A sulfuric acid concentration of 10% by mass (containing 3% by mass of aluminum ions) was used as an aqueous solution and an electrolyte solution having a temperature of 40 ° C., and a current density of 20 A / dm.2An anodized film was provided. Then, water washing by spraying was performed. The final oxide film amount is 1.5 g / m2Met.
[0160]
2. Evaluation of surface shape of lithographic printing plate support
About each obtained lithographic printing plate support, the average pit diameter and standard deviation of pits formed by the above (d) electrolytic surface roughening treatment were determined by the following methods. The results are shown in Table 2.
[0161]
The surface of the support was photographed at a magnification of 2000 times from directly above using an electron microscope, and at least 50 pits with a ring around the pit were extracted from the obtained electron micrograph, and the diameter was read and opened. The average aperture size and standard deviation were calculated as the aperture.
[0162]
3. Production of lithographic printing plate precursor
Each lithographic printing plate support obtained above was provided with a thermal positive type image recording layer to obtain a lithographic printing plate precursor. Before providing the image recording layer, a hydrophilic treatment by an alkali metal silicate treatment was performed as described later.
[0163]
The lithographic printing plate support obtained above is immersed in a treatment tank of a 1% by weight aqueous solution of sodium silicate No. 3 at a temperature of 30 ° C. for 10 seconds, whereby an alkali metal silicate treatment (silicate treatment). Went. Then, the water washing by the spray using well water was performed.
On the lithographic printing plate support after the alkali metal silicate treatment obtained as described above, an undercoat solution having the following composition is applied and dried at 80 ° C. for 15 seconds to form a coating film (intermediate layer). I let you. The coating amount of the coating after drying is 10 mg / m2Met.
[0164]
<Undercoat liquid composition>
・ The following polymer compound 0.2g
・ Methanol 100g
・ Water 1g
[0165]
[Chemical 1]
[0166]
Further, a heat-sensitive layer coating solution having the following composition was prepared, and the coating amount after drying the heat-sensitive layer coating solution (heat-sensitive layer coating amount) on a lithographic printing plate support which was undercoated was 1.7 g / m.2And dried to form a heat sensitive layer (thermal positive type image recording layer) to obtain a lithographic printing plate precursor.
[0167]
<Thermosensitive layer coating solution composition>
・ Novolak resin (m-cresol / p-cresol = 60/40, weight average molecular weight 7,000, containing 0.5% by mass of unreacted cresol) 1.0 g
・ Cyanine dye A represented by the following structural formula 0.1 g
・ Tetrahydrophthalic anhydride 0.05g
・ P-Toluenesulfonic acid 0.002g
-Ethyl violet counter ion with 6-hydroxy-β-naphthalenesulfonic acid 0.02g
-Fluorosurfactant (Megafac F-177, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.) 0.05g
・ Methyl ethyl ketone 12g
[0168]
[Chemical 2]
[0169]
4). Exposure and development processing
Each lithographic printing plate precursor obtained above was subjected to image exposure and development treatment by the following methods to obtain a lithographic printing plate.
A lithographic printing plate precursor has an output of 500 mW, a wavelength of 830 nm, a beam diameter of 17 μm (1 / e2) Using a TrendSetter 3244 manufactured by CREO equipped with a semiconductor laser, a main scanning speed of 5 m / sec, and a plate surface energy amount of 140 mJ / cm.2And imagewise exposure.
Thereafter, D-sorbite / potassium oxide K, which is a combination of a non-reducing sugar and a base2Development processing was performed using an alkaline developer in which the following compound a was added to 1 L of an aqueous solution containing 5.0% by mass of a potassium salt of O and 0.015% by mass of Olphine AK-02 (manufactured by Nissin Chemical). . The development process was carried out using an automatic processor PS900NP (Fuji Photo Film Co., Ltd.) filled with the above alkaline developer under the conditions of a development temperature of 25 ° C. and 12 seconds. After completion of the development treatment, a lithographic printing plate in which plate making was completed was obtained through a water washing step and treatment with a gum (GU-7 (1: 1)). In addition, even if it was a case where the alkaline developing solution which added the following compound b or c by the same addition amount instead of the compound a was used, it was able to develop similarly.
<Compounds a to c>
Compound a: C12H25N (CH2CH2COONa)2
Compound b: C12H25O (CH2CH2O)7H
Compound c: (C6H13)2CHO (CH2CH2O)20H
[0170]
5). Evaluation of planographic printing plates
The stain resistance and printing durability of the lithographic printing plate obtained above were evaluated by the following methods. The results are shown in Table 2.
(1) Printing durability
Printing using Komori Corporation's Lithrone printing machine using DIC-GEOS (N) ink made by Dainippon Ink & Chemicals, Inc., when it is visually recognized that the density of the solid image has started to fade The printing durability was evaluated based on the number of printed sheets.
[0171]
(2) Dirt resistance
The stain resistance was evaluated with respect to the resistance to dirt (dirtness) of the blanket cylinder. The higher the evaluation, the better the stain resistance.
Using a Mitsubishi diamond type F2 printing machine (manufactured by Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.), printing was performed using DIC-GEOS (s) red ink, and the blanket stain after printing 10,000 sheets was visually evaluated.
The results are shown in Table 2. In order from the one with the least amount of dirt on the blanket, it was expressed in five stages of ○, ○ △, Δ, Δ ×, and ×.
[0172]
[Table 2]
[0173]
As is apparent from Table 2, the lithographic printing plate supports of Examples 1 to 7 obtained by performing the roughening treatment including the electrolytic roughening treatment method of the present invention have uniform pits. Excellent printing durability and stain resistance when used as a lithographic printing plate.
Further, two or more kinds of treatments selected from the group consisting of mechanical roughening treatment, chemical etching treatment and desmutting treatment in an acidic solution, and electrochemical roughening by the electrolytic roughening treatment method of the present invention. The lithographic printing plate support obtained by the method for producing a lithographic printing plate support in which the aluminum plate is subjected to a roughening treatment, which in turn includes a surface treatment, has a uniform pit formed on the surface thereof, Excellent printing durability and stain resistance.
[0174]
Example II
1. Making a support for planographic printing plates
(Example 8-24)
Example 2 of the above [Example I] (the combinations of the long pause portion and the short pause portion are as shown in Table 3, and the pause time is 0.3 seconds for the short pause portion and 6 seconds for the long and short pause portions. In step (d), the surface roughening treatment and the anodizing treatment were carried out under the same conditions except that the electrolytic surface roughening treatment conditions in (d) were changed to the conditions shown in Table 3. Got.
The notation of “combination” in Table 3 is the same as that in Table 1.
[0175]
[Table 3]
[0176]
The ratio of the average amount of electricity in Table 3 is calculated by calculating the amount of electricity at the time of anode for one electrolytic portion for each electrolytic portion, and the ratio of the amount of electricity to the amount of average electricity at the time of anode for one portion of electrolytic portion. Asked. The absolute value of the difference between the ratio and 1.0 was the largest.
[0177]
2. Evaluation of lithographic printing plate support and lithographic printing plate
Thereafter, the surface shape (pit diameter and standard deviation) of each lithographic printing plate support obtained in the same manner as in [Example I] was determined and shown in Table 4.
Further, a lithographic printing plate precursor was produced and exposed and developed in the same manner as in [Example I] above, and the stain resistance and printing durability of the obtained lithographic printing plate were evaluated in the same manner.
[0178]
[Table 4]
[0179]
As apparent from Table 4, by adjusting the average amount of electricity at the time of anode for one electrolytic portion and the ratio of the average amount of electricity to a specific range, and in each electrolytic portion group divided by the long rest portion By adjusting the total amount of electricity at the time of anode within a specific range, and further adjusting the current density for one electrolytic portion within a specific range, the surface of the lithographic printing plate support has less uniform pits. It is formed by the amount, and is excellent in printing durability and stain resistance when used as a lithographic printing plate.
[0180]
Example III
1. Making a support for planographic printing plates
(Examples 25-35)
<Roughening treatment>
Using the aluminum plate produced in [Example I], various treatments (a) to (i) below were carried out continuously. In addition, after each process and water washing, the liquid was drained with the nip roller.
[0181]
(A) The mechanical surface roughening treatment was performed in the same manner as in [Example I] above.
(B) The alkali etching treatment has an aluminum plate dissolution amount of 8 g / m.2The procedure was the same as in [Example I] except for the above.
(C) The desmut treatment was performed in the same manner as in [Example I] above.
[0182]
(D) The electrolytic surface roughening treatment has a current density of 28 A / dm at the peak current value.2The total amount of electricity when the aluminum plate is the anode is 180 C / dm2Except for the above, the same as Example 1 of the above [Example I] (20 short pause portions, 1 long pause portion, electrolysis pause time is 0.1 seconds for the short pause portion and 6 seconds for the long and short pause portion) The method was performed.
[0183]
(E) Alkaline etching treatment was performed by the same method as in the above [Example I] except that the dissolution amount of the aluminum plate was changed as shown in Table 5.
(F) The desmut treatment was performed in the same manner as in [Example I] above.
[0184]
(G) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a 0.5 mass% hydrochloric acid aqueous solution (containing 5 g / L of aluminum ions) at a temperature of 35 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 1. The time tp until the current value reaches a peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, and a trapezoidal rectangular wave AC is used with the carbon electrode as the counter electrode. An electrochemical roughening treatment was performed. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell shown in FIG. 4 was used.
The current density is 25 A / dm at the peak current value.2The amount of electricity is 50 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode.2Met.
Then, water washing by spraying was performed.
In addition, in this electrolytic surface roughening process, it performed by the normal method, without providing an electrolysis stop part.
[0185]
(H) Alkali etching treatment
The aluminum plate was etched by spraying at 30 ° C. using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 20% by mass and an aluminum ion concentration of 6.5% by mass. The smut component mainly composed of aluminum hydroxide generated during the electrochemical surface roughening treatment was removed, and the edge portion of the generated pit was melted to smooth the edge portion. Then, water washing by spraying was performed.
[0186]
(I) Desmut treatment
A desmut treatment was performed by spraying for 3 seconds with a 20% by weight aqueous solution of sulfuric acid having a temperature of 30 ° C. (containing 3% by weight of aluminum ions), and then washing with water by spraying.
[0187]
Thereafter, anodization was performed under the same conditions as in [Example I] to obtain a lithographic printing plate support.
[0188]
2. Evaluation of planographic printing plates
Using the obtained lithographic printing plate support, a lithographic printing plate precursor is produced and exposed and developed in the same manner as in [Example I] above. The stain resistance and printing durability of the obtained lithographic printing plate are obtained. Sex was evaluated in a similar manner.
[0189]
[Table 5]
[0190]
As is apparent from Table 5, AC electrolytic surface roughening treatment in nitric acid electrolyte, chemical etching treatment, AC electrolytic surface roughening treatment in hydrochloric acid electrolytic solution, and chemical etching treatment are included in order, The support for a lithographic printing plate obtained by performing at least one of the AC electrolytic surface roughening treatments by the electrolytic surface roughening treatment method of the present invention includes pits formed by the electrolytic surface roughening method of the present invention. In addition, since the uneven structure formed on the surface is more uniformly formed, the surface is excellent in hydrophilicity and water retention, and the surface area is also increased. Therefore, the printing durability and stain resistance when a planographic printing plate is used can be achieved at a high level.
[0191]
【The invention's effect】
The present invention can provide an electrolytic surface-roughening treatment method and a production method for a lithographic printing plate support capable of efficiently forming pits with a small amount of electricity and achieving both printing durability and stain resistance at a high level.
Also, by these methods, a lithographic printing plate support that can achieve both printing durability and stain resistance at a high level can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a waveform diagram showing an example of a trapezoidal wave AC power supply waveform preferably used for electrochemical roughening according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing an example of an electrolytic surface roughening apparatus equipped with a flat AC electrolytic cell used in the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing another example of an electrolytic surface roughening treatment apparatus including a flat type AC electrolytic cell used in the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing an example of an electrolytic surface roughening treatment apparatus including a radial AC electrolytic cell used in the present invention.
FIG. 5 is a side view showing the concept of a brush graining process used for mechanical roughening treatment in the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing an example of an electrolytic surface roughening treatment apparatus equipped with a flat AC electrolytic cell suitably used in the electrolytic surface roughening treatment method of the present invention.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing another example of an electrolytic surface roughening treatment apparatus equipped with a flat AC electrolytic cell suitably used in the electrolytic surface roughening treatment method of the present invention.
[Explanation of symbols]
2, 20 AC electrolytic cell
4A, 4B, 4C, 26A, 26B main pole
6A, 6B, 14A, 14B Conveying roller
8A, 16A introduction roller
8B, 16B derivation roller
10, 34 Auxiliary electrolytic cell
12, 36 Auxiliary electrode
22 AC electrolytic cell body
22A opening
24 Feed roller
28A, 28B Liquid supply nozzle
30A upstream guide roller
30B Downstream guide roller
32 overflow tank
34A Bottom of auxiliary electrolytic cell
35 Upstream guide roller
51 Aluminum alloy plate
52, 54 Roller brush
53 Polishing slurry
55, 56, 57, 58 Support rollers
60A first main pole
60B 2nd main pole
60C 3rd main pole
61 Small electrode
62 Spacer (Insulator)
70 main pole
100, 102, 104 Electrolytic roughening apparatus
a Transport direction
T Transport surface
Tac power supply
Th1, Th2, Th3, Th4, Th5 thyristors
W Aluminum web
ta anode reaction time
tb cathode reaction time
tc Time until current reaches peak from 0
Ia Peak current on the anode cycle side
Ic Peak current on the cathode cycle side
Claims (7)
1回当たりの時間が0.5秒以下である、前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分を2回以上設け、
1回当たりの時間が5秒以上である、前記電解処理の進行が停止または遅くなる部分を1回以上設け、かつ、
アルミニウムまたはアルミニウム合金板表面にかかる、陽極時の総電気量が15〜400C/dm2 であることを特徴とする平版印刷版用支持体の電気化学的粗面化処理方法。A lithographic printing plate in which an aluminum or aluminum alloy plate is subjected to an electrochemical surface roughening treatment in an acidic electrolytic solution having alternating portions where the progress of electrolytic treatment proceeds and portions where the progress of electrolytic treatment stops or slows A method for electrochemical surface roughening of a support for a substrate,
The time per one time is 0.5 seconds or less, the portion where the progress of the electrolytic treatment is stopped or slowed is provided twice or more,
Providing at least once a portion where the progress of the electrolytic treatment is stopped or slowed for 5 seconds or more per time, and
Such an aluminum or aluminum alloy plate surface, electrochemical roughening treatment method of a lithographic printing plate support, wherein the total electric quantity during the anode is 15~400C / dm 2.
前記粗面化処理が、順に、
1)機械的粗面化処理、化学的エッチング処理および酸性液中でのデスマット処理からなる群より選択される2種以上の処理、および、
2)請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学的粗面化処理方法による電気化学的粗面化処理、
を含むことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。A method for producing a lithographic printing plate support, which is obtained by subjecting an aluminum or aluminum alloy plate to a roughening treatment and an anodizing treatment to obtain a lithographic printing plate support,
The roughening treatment is performed in order,
1) two or more treatments selected from the group consisting of mechanical surface roughening treatment, chemical etching treatment and desmutting treatment in an acidic solution; and
2) Electrochemical surface roughening treatment by the electrochemical surface roughening method according to any one of claims 1 to 4;
A process for producing a support for a lithographic printing plate, comprising:
前記粗面化処理が、順に、
1)硝酸を含む電解液中での交流電気化学的粗面化処理、
2)化学的エッチング処理、
3)塩酸を含む電解液中での交流電気化学的粗面化処理、および、
4)化学的エッチング処理、
を含み、
前記硝酸を含む電解液中での交流電気化学的粗面化処理および/または前記塩酸を含む電解液中での交流電気化学的粗面化処理が、請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学的粗面化処理方法による電気化学的粗面化処理であることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。A method for producing a lithographic printing plate support, which is obtained by subjecting an aluminum or aluminum alloy plate to a roughening treatment and an anodizing treatment to obtain a lithographic printing plate support,
The roughening treatment is performed in order,
1) AC electrochemical surface roughening treatment in an electrolyte containing nitric acid,
2) Chemical etching process,
3) AC electrochemical roughening treatment in an electrolyte containing hydrochloric acid, and
4) Chemical etching treatment,
Including
The AC electrochemical surface roughening treatment in the electrolytic solution containing nitric acid and / or the AC electrochemical surface roughening treatment in the electrolytic solution containing hydrochloric acid are according to any one of claims 1 to 4. A method for producing a support for a lithographic printing plate, which is an electrochemical roughening treatment by an electrochemical roughening treatment method.
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