JP2005047070A - Manufacturing method for substrate for planographic printing plate - Google Patents
Manufacturing method for substrate for planographic printing plate Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005047070A JP2005047070A JP2003204389A JP2003204389A JP2005047070A JP 2005047070 A JP2005047070 A JP 2005047070A JP 2003204389 A JP2003204389 A JP 2003204389A JP 2003204389 A JP2003204389 A JP 2003204389A JP 2005047070 A JP2005047070 A JP 2005047070A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- treatment
- hydrochloric acid
- aqueous solution
- alternating current
- aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版用支持体の製造方法に関する。詳しくは、耐汚れ性および耐刷性のいずれにも優れる平版印刷版原版に用いられる平版印刷版用支持体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷版に用いられる平版印刷版用アルミニウム支持体(以下、単に「平版印刷版用支持体」という。)は、アルミニウム板に粗面化処理その他の表面処理を施すことにより製造されている。粗面化処理の方法としては、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(以下「電解粗面化処理」ともいう。)、化学的粗面化処理(化学的エッチング)、これらを組み合わせた方法が知られている。これらの粗面化処理は、目的に応じて、適宜選択して用いられる。
例えば、特許文献1には、原材料コストを大幅に低減でき、優れた画質の印刷が可能で、過酷インキ汚れおよびブランケット汚れに対する印刷性能の優れた平版印刷版用支持体を得ることを目的として、塩酸と塩化アルミニウムとを主体とする酸性水溶液中で、所定のduty比および所定の周波数の交流を用い、所定の電気量比(アルミニウム板の陰極時電気量/陽極時電気量)で、電気化学的粗面化処理を2回以上行う方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−103841号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者が特許文献1に記載されている方法、特に実施例の方法について検討したところ、均一な表面形状が得られ、耐汚れ性および耐刷性のいずれにも優れる平版印刷版が得られる条件もあるものの、その条件の範囲は十分に広いとはいえず、耐汚れ性および耐刷性のいずれかが十分でない平版印刷版が得られることも多かった。
したがって、本発明は、耐汚れ性および耐刷性のいずれにも優れる平版印刷版を得ることができる平版印刷版用支持体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理(以下「第一塩酸電解」ともいう。)、アルカリ水溶液中でのエッチング処理および2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理(以下「第二塩酸電解」ともいう。)をこの順に施し、かつ、前記第一塩酸電解および前記第二塩酸電解で用いられる交流の電源波形をいずれも正弦波とし、更に、前記第二塩酸電解で用いられる交流の周波数を、前記前記第一塩酸電解で用いられる交流の周波数よりも高くすることにより、得られる平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版原版が、耐汚れ性および耐刷性のいずれにも優れたものになることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)を提供する。
【0007】
(1)アルミニウム板に、少なくとも、
1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理、
アルカリ水溶液中でのエッチング処理および
2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理
をこの順に施して平版印刷版用支持体を得る、平版印刷版用支持体の製造方法であって、
前記1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理および前記2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の電源波形が、いずれも正弦波であり、
前記2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の周波数が、前記1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の周波数よりも高い、平版印刷版用支持体の製造方法。
【0008】
(2)アルミニウム板に、少なくとも、
アルカリ水溶液中でのエッチング処理
酸性水溶液中でのデスマット処理、
1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理、
アルカリ水溶液中でのエッチング処理、
酸性水溶液中でのデスマット処理、
2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理、
アルカリ水溶液中でのエッチング処理、
酸性水溶液中でのデスマット処理および
陽極酸化処理
をこの順に施して平版印刷版用支持体を得る、平版印刷版用支持体の製造方法であって、
前記1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理および前記2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の電源波形が、いずれも正弦波であり、
前記2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の周波数が、前記1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の周波数よりも高い、平版印刷版用支持体の製造方法。
【0009】
(3)前記陽極酸化処理の後に、更に親水化処理を施す上記(1)または(2)に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【0010】
(4)前記アルミニウム板が表面に凹凸パターンを有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
[平版印刷版用支持体の製造方法]
<アルミニウム板(圧延アルミ)>
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法には公知のアルミニウム板を用いることができる。本発明に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。純アルミニウム板のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板を用いることもできる。
【0012】
本明細書においては、上述したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる各種の基板をアルミニウム板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれてもよい異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等があり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。
【0013】
このように本発明に用いられるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、例えば、アルミニウムハンドブック第4版(1990年、軽金属協会発行)に記載されている従来公知の素材、例えば、JIS A1050、JISA1100、JIS A1070、Mnを含むJIS A3004、国際登録合金 3103A等のAl−Mn系アルミニウム板を適宜利用することができる。また、引張強度を増す目的で、これらのアルミニウム合金に0.1質量%以上のマグネシウムを添加したAl−Mg系合金、Al−Mn−Mg系合金(JISA3005)を用いることもできる。更に、ZrやSiを含むAl−Zr系合金やAl−Si系合金を用いることもできる。更に、Al−Mg−Si系合金を用いることもできる。
また、使用済みアルミニウム飲料缶を溶解させたUBC(Used Beverage Can)地金を圧延して得られるアルミニウム板を用いることもできる。
特に好ましいのは、Si:0.07〜0.09質量%、Fe:0.20〜0.29質量%、Cu:0.15質量%以下、Mn:0.01質量%以下、Mg:0.01質量%以下、Cr:0.01質量%以下、Zn:0.01質量%以下、Ti:0.02質量%以下、Al:99.5質量%以上であるアルミニウム板である。このアルミニウム板において、Cu含有量は、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.02質量%以上であるのがより好ましく、また、0.12質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以下であるのがより好ましい。
【0014】
JIS1050材に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開昭59−153861号、特開昭61−51395号、特開昭62−146694号、特開昭60−215725号、特開昭60−215726号、特開昭60−215727号、特開昭60−216728号、特開昭61−272367号、特開昭58−11759号、特開昭58−42493号、特開昭58−221254号、特開昭62−148295号、特開平4−254545号、特開平4−165041号、特公平3−68939号、特開平3−234594号、特公平1−47545号および特開昭62−140894号の各公報に記載されている。また、特公平1−35910号公報、特公昭55−28874号公報等に記載された技術も知られている。
【0015】
JIS1070材に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開平7−81264号、特開平7−305133号、特開平8−49034号、特開平8−73974号、特開平8−108659号および特開平8−92679号の各公報に記載されている。
【0016】
Al−Mg系合金に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特公昭62−5080号、特公昭63−60823号、特公平3−61753号、特開昭60−203496号、特開昭60−203497号、特公平3−11635号、特開昭61−274993号、特開昭62−23794号、特開昭63−47347号、特開昭63−47348号、特開昭63−47349号、特開昭64−1293号、特開昭63−135294号、特開昭63−87288号、特公平4−73392号、特公平7−100844号、特開昭62−149856号、特公平4−73394号、特開昭62−181191号、特公平5−76530号、特開昭63−30294号および特公平6−37116号の各公報に記載されている。また、特開平2−215599号公報、特開昭61−201747号公報等にも記載されている。
【0017】
Al−Mn系合金に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開昭60−230951号、特開平1−306288号および特開平2−293189号の各公報に記載されている。また、特公昭54−42284号、特公平4−19290号、特公平4−19291号、特公平4−19292号、特開昭61−35995号、特開昭64−51992号、特開平4−226394号の各公報、米国特許第5,009,722号明細書、同第5,028,276号明細書等にも記載されている。
【0018】
Al−Mn−Mg系合金に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開昭62−86143号公報および特開平3−222796号公報に記載されている。また、特公昭63−60824号、特開昭60−63346号、特開昭60−63347号、特開平1−293350号の各公報、欧州特許第223,737号、米国特許第4,818,300号、英国特許第1,222,777号の各明細書等にも記載されている。
【0019】
Al−Zr系合金に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特公昭63−15978号公報および特開昭61−51395号公報に記載されている。また、特開昭63−143234号、特開昭63−143235号の各公報等にも記載されている。
【0020】
Al−Mg−Si系合金に関しては、英国特許第1,421,710号明細書等に記載されている。
【0021】
アルミニウム合金を板材とするには、例えば、下記の方法を採用することができる。まず、所定の合金成分含有量に調整したアルミニウム合金溶湯に、常法に従い、清浄化処理を行い、鋳造する。清浄化処理には、溶湯中の水素等の不要ガスを除去するために、フラックス処理、アルゴンガス、塩素ガス等を用いる脱ガス処理、セラミックチューブフィルタ、セラミックフォームフィルタ等のいわゆるリジッドメディアフィルタや、アルミナフレーク、アルミナボール等をろ材とするフィルタや、グラスクロスフィルタ等を用いるフィルタリング処理、あるいは、脱ガス処理とフィルタリング処理を組み合わせた処理が行われる。
【0022】
これらの清浄化処理は、溶湯中の非金属介在物、酸化物等の異物による欠陥や、溶湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐために実施されることが好ましい。溶湯のフィルタリングに関しては、特開平6−57432号、特開平3−162530号、特開平5−140659号、特開平4−231425号、特開平4−276031号、特開平5−311261号、特開平6−136466号の各公報等に記載されている。また、溶湯の脱ガスに関しては、特開平5−51659号公報、実開平5−49148号公報等に記載されている。本願出願人も、特開平7−40017号公報において、溶湯の脱ガスに関する技術を提案している。
【0023】
ついで、上述したように清浄化処理を施された溶湯を用いて鋳造を行う。鋳造方法に関しては、DC鋳造法に代表される固体鋳型を用いる方法と、連続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる方法がある。
DC鋳造においては、冷却速度が0.5〜30℃/秒の範囲で凝固する。1℃未満であると粗大な金属間化合物が多数形成されることがある。DC鋳造を行った場合、板厚300〜800mmの鋳塊を製造することができる。その鋳塊を、常法に従い、必要に応じて面削を行い、通常、表層の1〜30mm、好ましくは1〜10mmを切削する。その前後において、必要に応じて、均熱化処理を行う。均熱化処理を行う場合、金属間化合物が粗大化しないように、450〜620℃で1〜48時間の熱処理を行う。熱処理が1時間より短い場合には、均熱化処理の効果が不十分となることがある。なお、均熱処理を行わない場合には、コストを低減させることができるという利点がある。
【0024】
その後、熱間圧延、冷間圧延を行ってアルミニウム板の圧延板とする。熱間圧延の開始温度は350〜500℃が適当である。熱間圧延の前もしくは後、またはその途中において、中間焼鈍処理を行ってもよい。中間焼鈍処理の条件は、バッチ式焼鈍炉を用いて280〜600℃で2〜20時間、好ましくは350〜500℃で2〜10時間加熱するか、連続焼鈍炉を用いて400〜600℃で6分以下、好ましくは450〜550℃で2分以下加熱するかである。連続焼鈍炉を用いて10〜200℃/秒の昇温速度で加熱して、結晶組織を細かくすることもできる。
【0025】
以上の工程によって、所定の厚さ、例えば、0.1〜0.5mmに仕上げられたアルミニウム板は、更にローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装置によって平面性を改善してもよい。平面性の改善は、アルミニウム板をシート状にカットした後に行ってもよいが、生産性を向上させるためには、連続したコイルの状態で行うことが好ましい。また、所定の板幅に加工するため、スリッタラインを通してもよい。また、アルミニウム板同士の摩擦による傷の発生を防止するために、アルミニウム板の表面に薄い油膜を設けてもよい。油膜には、必要に応じて、揮発性のものや、不揮発性のものが適宜用いられる。
【0026】
一方、連続鋳造法としては、双ロール法(ハンター法)、3C法に代表される冷却ロールを用いる方法、双ベルト法(ハズレー法)、アルスイスキャスターII型に代表される冷却ベルトや冷却ブロックを用いる方法が、工業的に行われている。連続鋳造法を用いる場合には、冷却速度が100〜1000℃/秒の範囲で凝固する。連続鋳造法は、一般的には、DC鋳造法に比べて冷却速度が速いため、アルミマトリックスに対する合金成分固溶度を高くすることができるという特徴を有する。連続鋳造法に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開平3−79798号、特開平5−201166号、特開平5−156414号、特開平6−262203号、特開平6−122949号、特開平6−210406号、特開平6−26308号の各公報等に記載されている。
【0027】
連続鋳造を行った場合において、例えば、ハンター法等の冷却ロールを用いる方法を用いると、板厚1〜10mmの鋳造板を直接、連続鋳造することができ、熱間圧延の工程を省略することができるというメリットが得られる。また、ハズレー法等の冷却ベルトを用いる方法を用いると、板厚10〜50mmの鋳造板を鋳造することができ、一般的に、鋳造直後に熱間圧延ロールを配置し連続的に圧延することで、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板が得られる。
【0028】
これらの連続鋳造圧延板は、DC鋳造について説明したのと同様に、冷間圧延、中間焼鈍、平面性の改善、スリット等の工程を経て、所定の厚さ、例えば、0.1〜0.5mmの板厚に仕上げられる。連続鋳造法を用いた場合の中間焼鈍条件および冷間圧延条件については、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−220593号、特開平6−210308号、特開平7−54111号、特開平8−92709号の各公報等に記載されている。
【0029】
本発明に用いられるアルミニウム板は、JISに規定されるH18の調質が行われているのが好ましい。
【0030】
このようにして製造されるアルミニウム板には、以下に述べる種々の特性が望まれる。
アルミニウム板の強度は、平版印刷版用支持体として必要な腰の強さを得るため、0.2%耐力が120MPa以上であるのが好ましい。また、バーニング処理を行った場合にもある程度の腰の強さを得るためには、270℃で3〜10分間加熱処理した後の0.2%耐力が80MPa以上であるのが好ましく、100MPa以上であるのがより好ましい。特に、アルミニウム板に腰の強さを求める場合は、MgやMnを添加したアルミニウム材料を採用することができるが、腰を強くすると印刷機の版胴へのフィットしやすさが劣ってくるため、用途に応じて、材質および微量成分の添加量が適宜選択される。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平7−126820号公報、特開昭62−140894号公報等に記載されている。
また、アルミニウム板は、引張強度が160±15N/mm2 、0.2%耐力が140±15MPa、JIS Z2241およびZ2201に規定される伸びが1〜10%であるのがより好ましい。
【0031】
アルミニウム板の結晶組織は、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理を行った場合、アルミニウム板の表面の結晶組織が面質不良の発生の原因となることがあるので、表面においてあまり粗大でないことが好ましい。アルミニウム板の表面の結晶組織は、幅が200μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましく、50μm以下であるのが更に好ましく、また、結晶組織の長さが5000μm以下であるのが好ましく、1000μm以下であるのがより好ましく、500μm以下であるのが更に好ましい。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−218495号、特開平7−39906号、特開平7−124609号の各公報等に記載されている。
【0032】
アルミニウム板の合金成分分布は、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理を行った場合、アルミニウム板の表面の合金成分の不均一な分布に起因して面質不良が発生することがあるので、表面においてあまり不均一でないことが好ましい。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−48058号、特開平5−301478号、特開平7−132689号の各公報等に記載されている。
【0033】
アルミニウム板の金属間化合物は、その金属間化合物のサイズや密度が、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理に影響を与える場合がある。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平7−138687号、特開平4−254545号の各公報等に記載されている。
【0034】
本発明においては、上記に示されるようなアルミニウム板をその最終圧延工程等において、積層圧延、転写等により凹凸を形成させて用いることもできる。
中でも、最終板厚に調整する冷間圧延、または、最終板厚調整後の表面形状を仕上げる仕上げ冷間圧延とともに、凹凸面をアルミニウム板に圧接させて凹凸形状を転写し、アルミニウム板の表面に凹凸パターンを形成させる方法が好ましい。具体的には、特開平6−262203号公報に記載されている方法を好適に用いることができる。
表面に凹凸パターンを有するアルミニウム板を用いることにより、後のアルカリエッチング処理および粗面化処理で消費されるエネルギーを少なくしつつ、印刷機上における湿し水の量の調整を容易にすることができる。例えば、後述する第一アルカリエッチング処理において、エッチング量を3g/m2 程度以下と少なくすることができる。
更に、表面に凹凸パターンを有するアルミニウム板を用いることにより、感度を低下させないで湿し水の量の調整を容易にすることができる(即ち、シャイニーを向上させることができる。)。
【0035】
転写は、通常のアルミニウム板の最終冷間圧延工程で行うのが特に好ましい。転写のための圧延は1〜3パスで行うのが好ましく、それぞれの圧下率は3〜8%であるのが好ましい。
【0036】
凹凸の転写に用いられる、表面に凹凸を有する圧延ロールを得る方法としては、例えば、鋼製ロールの表面をショットブラストまたはサンドブラストによる粗面化処理を施す方法、砥粒を含む砥石またはペーパーで研磨する方法、レーザーを照射してくぼみを生成させる方法、化学的粗面化処理または電気化学的粗面化処理を施す方法が挙げられる。ショットブラストまたはサンドブラストによる粗面化処理は、湿式であってもよく、乾式であってもよい。化学的粗面化処理または電気化学的粗面化処理を施す場合は、レジストを塗布した後、露光し、現像してパターンを生成し、そのパターンになるようにエッチング処理することもできる。
上述した方法により、表面に凹凸を有する圧延ロールを得た後においては、表面の摩耗を防ぐために、焼入れ、ハードクロムメッキ等により硬質化させるのが好ましい。
【0037】
表面に凹凸を有する圧延ロールを得る方法は、例えば、特開昭60−36195号、特開2002−251005号、特開昭60−203495号、特開昭55−74898号および特開昭62−111792号の各公報に記載されている方法を用いることができる。
【0038】
表面に凹凸を有する圧延ロールを用いて、凹凸パターンを形成されたアルミニウム板は、表面に5〜100μmピッチの凹凸を有する構造であるのが好ましい。
この場合、算術平均粗さ(Ra )は、0.4〜1.5μmであるのが好ましく、0.4〜0.8μmであるのがより好ましい。また、Rmax は、1〜10μmであるのが好ましく、2〜8μmであるのがより好ましい。また、RSmは、5〜150μmであるのが好ましく、70〜100μmであるのがより好ましい。
また、表面の凹部の数は、200〜40000個/mm2 であるのが好ましく、6000〜12000個/mm2 であるのがより好ましい。
また、両面に凹凸パターンを形成させるのが更に好ましい。両面に凹凸パターンを形成させることで、表面と裏面のアルミニウムの延び率が同じになり、平面性に特に優れるアルミニウム板を得やすくなる。
【0039】
本発明に用いられるアルミニウム板は、連続した帯状のシート材または板材である。即ち、アルミニウムウェブであってもよく、製品として出荷される平版印刷版原版に対応する大きさ等に裁断された枚葉状シートであってもよい。
アルミニウム板の表面のキズは平版印刷版用支持体に加工した場合に欠陥となる可能性があるため、平版印刷版用支持体とする表面処理工程の前の段階でのキズの発生は可能な限り抑制する必要がある。そのためには安定した形態で運搬時に傷付きにくい荷姿であることが好ましい。
アルミニウムウェブの場合、アルミニウムの荷姿としては、例えば、鉄製パレットにハードボードとフェルトとを敷き、製品両端に段ボールドーナツ板を当て、ポリチュ−ブで全体を包み、コイル内径部に木製ドーナツを挿入し、コイル外周部にフェルトを当て、帯鉄で絞め、その外周部に表示を行う。また、包装材としては、ポリエチレンフィルム、緩衝材としては、ニードルフェルト、ハードボードを用いることができる。この他にもいろいろな形態があるが、安定して、キズも付かず運送等が可能であればこの方法に限るものではない。
【0040】
本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは、0.1mm〜0.6mm程度であり、0.15mm〜0.4mmであるのが好ましく、0.2mm〜0.3mmであるのがより好ましい。この厚みは、印刷機の大きさ、印刷版の大きさ、ユーザーの希望等により適宜変更することができる。
【0041】
<表面処理>
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法は、上述したアルミニウム板に、少なくとも、第一塩酸電解、アルカリエッチング処理および第二塩酸電解をこの順に施して、平版印刷版用支持体を得る。
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法においては、上記以外の各種の工程を含んでいてもよい。
【0042】
中でも、アルミニウム板に、少なくとも、第一アルカリエッチング処理、第一デスマット処理、第一塩酸電解、第二アルカリエッチング処理、第二デスマット処理、第二塩酸電解、第三アルカリエッチング処理、第三デスマット処理および陽極酸化処理をこの順に施す方法、および、前記陽極酸化処理の後に、更に親水化処理を施す方法が好ましい。
以下、表面処理の各工程について、詳細に説明する。
【0043】
<第一アルカリエッチング処理>
アルカリエッチング処理は、上述したアルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解する処理である。
【0044】
塩酸電解の前に行われる第一アルカリエッチング処理は、塩酸電解で均一な凹部を形成させること、および、アルミニウム板(圧延アルミ)の表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等を除去することを目的として行われる。
第一アルカリエッチング処理においては、エッチング量は、0.1g/m2 以上であるのが好ましく、0.5g/m2 以上であるのがより好ましく、1g/m2 以上であるのが更に好ましく、また、10g/m2 以下であるのが好ましく、8g/m2 以下であるのがより好ましく、5g/m2 以下であるのが更に好ましく、3g/m2 以下であるのが更に好ましい。エッチング量が少なすぎると、塩酸電解において均一なピット生成ができずムラが発生してしまう場合がある。一方、エッチング量が多すぎると、アルカリ水溶液の使用量が多くなり、経済的に不利となる。
【0045】
アルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、カセイアルカリ、アルカリ金属塩が挙げられる。具体的には、カセイアルカリとしては、例えば、カセイソーダ、カセイカリが挙げられる。また、アルカリ金属塩としては、例えば、タケイ酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩;炭酸ソーダ、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸塩;アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、グルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二リン酸カリ、第一リン酸ソーダ、第一リン酸カリ等のアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。中でも、エッチング速度が速い点および安価である点から、カセイアルカリの溶液、および、カセイアルカリとアルカリ金属アルミン酸塩との両者を含有する溶液が好ましい。特に、カセイソーダの水溶液が好ましい。
【0046】
第一アルカリエッチング処理においては、アルカリ溶液の濃度は、30g/L以上であるのが好ましく、300g/L以上であるのがより好ましく、また、500g/L以下であるのが好ましく、450g/L以下であるのがより好ましい。
また、アルカリ溶液は、アルミニウムイオンを含有しているのが好ましい。アルミニウムイオン濃度は、1g/L以上であるのが好ましく、50g/L以上であるのがより好ましく、また、200g/L以下であるのが好ましく、150g/L以下であるのがより好ましい。このようなアルカリ溶液は、例えば、水と48質量%カセイソーダ水溶液とアルミン酸ソーダとを用いて調製することができる。
【0047】
第一アルカリエッチング処理においては、アルカリ溶液の温度は、30℃以上であるのが好ましく、50℃以上であるのがより好ましく、また、80℃以下であるのが好ましく、75℃以下であるのがより好ましい。
【0048】
第一アルカリエッチング処理においては、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、2秒以上であるのがより好ましく、また、30秒以下であるのが好ましく、15秒以下であるのがより好ましい。
【0049】
アルミニウム板を連続的にエッチング処理していくと、アルカリ溶液中のアルミニウムイオン濃度が上昇していき、アルミニウム板のエッチング量が変動する。そこで、エッチング液の組成管理を、以下のようにして行うのが好ましい。
即ち、カセイソーダ濃度とアルミニウムイオン濃度とのマトリクスに対応する、電導度と比重と温度とのマトリクス、または、電導度と超音波伝搬速度と温度とのマトリクスをあらかじめ作成しておき、電導度と比重と温度、または、電導度と超音波伝搬速度と温度によって液組成を測定し、液組成の制御目標値になるようにカセイソーダと水とを添加する。そして、カセイソーダと水とを添加することによって増加したエッチング液を、循環タンクからオーバーフローさせることにより、その液量を一定に保つ。添加するカセイソーダとしては、工業用の40〜60質量%のものを用いることができる。
電導度計および比重計としては、それぞれ温度補償されているものを用いるのが好ましい。比重計としては、差圧式のものを用いるのが好ましい。
【0050】
アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、アルカリ溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。
【0051】
中でも、アルカリ溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が好ましい。具体的には、φ2〜5mmの孔を10〜50mmピッチで有するスプレー管から、スプレー管1本あたり、10〜100L/minの量でエッチング液を吹き付ける方法が好ましい。スプレー管は複数本設けるのが好ましい。
【0052】
アルカリエッチング処理が終了した後は、ニップローラで液切りし、更に、1〜10秒間水洗処理を行った後、ニップローラで液切りするのが好ましい。
水洗処理は、自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置を用いて水洗し、更に、スプレー管を用いて水洗するのが好ましい。
【0053】
図1は、自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置の模式的な断面図である。図1に示されているように、自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置100は、水102を貯留する貯水タンク104と、貯水タンク104に水を供給する給水筒106と、貯水タンク104から自由落下カーテン状の液膜をアルミニウム板1に供給する整流部108とを有する。
装置100においては、給水タンク104に給水筒106から水102が供給され、水102が給水タンク104からオーバーフローする際に、整流部108により整流され、自由落下カーテン状の液膜がアルミニウム板1に供給される。装置100を用いる場合、液量は10〜100L/minであるのが好ましい。また、装置100とアルミニウム1との間の水102が自由落下カーテン状の液膜として存在する距離Lは、20〜50mmであるのが好ましい。また、アルミニウム板の角度αは、水平方向に対して30〜80°であるのが好ましい。
【0054】
図1に示されるような自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置を用いると、アルミニウム板に均一に水洗処理を施すことができるので、水洗処理の前に行われた処理の均一性を向上させることができる。
自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する具体的な装置としては、例えば、特開2003−96584号公報に記載されている装置が好適に挙げられる。
【0055】
また、水洗処理に用いられるスプレー管としては、例えば、扇状に噴射水が広がるスプレーチップをアルミニウム板の幅方向に複数個有するスプレー管を用いることができる。スプレーチップの間隔は20〜100mmであるのが好ましく、また、スプレーチップ1本あたりの液量は0.5〜20L/minであるのが好ましい。スプレー管は複数本用いるのが好ましい。
【0056】
<第一デスマット処理>
第一アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(第一デスマット処理)を行うのが好ましい。デスマット処理は、アルミニウム板を酸性溶液に接触させることにより行う。
【0057】
用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。
第一アルカリエッチング処理の後に行われる第一デスマット処理においては、引き続き行われる塩酸電解に用いられる電解液のオーバーフロー廃液を用いるのが好ましい。また、後述する陽極酸化処理に電解液として用いられる硫酸溶液のオーバーフロー廃液を用いるのも好ましい。
【0058】
デスマット処理液の組成管理においては、酸性溶液濃度とアルミニウムイオン濃度とのマトリクスに対応する、電導度と温度で管理する方法、電導度と比重と温度とで管理する方法、および、電導度と超音波の伝搬速度と温度とで管理する方法のいずれかを選択して用いることができる。
粗面化処理または陽極酸化処理のオーバーフロー廃液を用いた場合は、電導度と温度で管理する方法が好ましい。
【0059】
第一デスマット処理においては、1〜400g/Lの酸および0.1〜5g/Lのアルミニウムイオンを含有する酸性溶液を用いるのが好ましい。
【0060】
酸性溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、30℃以上であるのがより好ましく、また、70℃以下であるのが好ましく、60℃以下であるのがより好ましい。
【0061】
第一デスマット処理においては、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、4秒以上であるのがより好ましく、また、60秒以下であるのが好ましく、40秒以下であるのがより好ましい。
【0062】
アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、酸性溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。
中でも、酸性溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が好ましい。具体的には、φ2〜5mmの孔を10〜50mmピッチで有するスプレー管から、スプレー管1本あたり、10〜100L/minの量でエッチング液を吹き付ける方法が好ましい。スプレー管は複数本設けるのが好ましい。
【0063】
デスマット処理が終了した後は、ニップローラで液切りし、更に、1〜10秒間水洗処理を行った後、ニップローラで液切りするのが好ましい。
水洗処理は、アルカリエッチング処理の後の水洗処理と同様である。ただし、スプレーチップ1本あたりの液量は1〜20L/minであるのが好ましい。
【0064】
なお、第一デスマット処理において、デスマット処理液として、引き続き行われる塩酸電解に用いられる電解液のオーバーフロー廃液を用いる場合には、デスマット処理後にニップローラによる液切りおよび水洗処理をおこなわず、アルミニウム板の表面が乾かないように、必要に応じて適宜デスマット処理液をスプレーしながら、塩酸電解工程までアルミニウム板をハンドリングするのが好ましい。
【0065】
<第一塩酸電解>
第一塩酸電解は、塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理である。本発明においては、この第一塩酸電解と、後述する第二塩酸電解とを組み合わせることにより、複雑な凹凸構造をアルミニウム板の表面に形成させることができ、ひいては、耐刷性を優れたものにすることができる。
【0066】
第一塩酸電解は、例えば、特公昭48−28123号公報および英国特許第896,563号明細書に記載されている電気化学的グレイン法(電解グレイン法)に従うことができる。この電解グレイン法は、正弦波形の交流電流を用いるものであるが、特開昭52−58602号公報に記載されているような特殊な波形を用いて行ってもよい。また、特開平3−79799号公報に記載されている波形を用いることもできる。また、特開昭55−158298号、特開昭56−28898号、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭54−85802号、特開昭60−190392号、特開昭58−120531号、特開昭63−176187号、特開平1−5889号、特開平1−280590号、特開平1−118489号、特開平1−148592号、特開平1−178496号、特開平1−188315号、特開平1−154797号、特開平2−235794号、特開平3−260100号、特開平3−253600号、特開平4−72079号、特開平4−72098号、特開平3−267400号、特開平1−141094号の各公報に記載されている方法も適用できる。また、前述のほかに、電解コンデンサーの製造方法として提案されている特殊な周波数の交番電流を用いて電解することも可能である。例えば、米国特許第4,276,129号明細書および同第4,676,879号明細書に記載されている。
【0067】
電解槽および電源については、種々提案されているが、米国特許第4,203,637号明細書、特開昭56−123400号、特開昭57−59770号、特開昭53−12738号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32823号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特開昭62−127500号、特開平1−52100号、特開平1−52098号、特開昭60−67700号、特開平1−230800号、特開平3−257199号の各公報等に記載されているものを用いることができる。
また、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭53−12738号、特開昭53−12739号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32833号、特開昭53−32824号、特開昭53−32825号、特開昭54−85802号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特公昭48−28123号、特公昭51−7081号、特開昭52−133838号、特開昭52−133840号号、特開昭52−133844号、特開昭52−133845号、特開昭53−149135号、特開昭54−146234号の各公報等に記載されているもの等も用いることができる。
【0068】
塩酸を含有する水溶液は、濃度1〜100g/Lの塩酸の水溶液に、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸化合物の少なくとも一つを1g/Lから飽和するまでの範囲で添加して使用することができる。また、塩酸を含有する水溶液には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。
具体的には、塩酸濃度2〜10g/L、好ましくは4〜6g/Lの塩酸水溶液に、塩化アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を3〜7g/Lとなるように調整した液が好ましい。
【0069】
塩酸を含有する水溶液の温度は、25℃以上であるのが好ましく、30℃以上であるのがより好ましく、また、55℃以下であるのが好ましく、40℃以下であるのがより好ましい。
【0070】
アルミニウム板を連続的に電解粗面化処理していくと、アルカリ溶液中のアルミニウムイオン濃度が上昇していき、塩酸電解により形成されるアルミニウム板の凹凸の形状が変動する。そこで、塩酸電解液の組成管理を、以下のようにして行うのが好ましい。
即ち、塩酸濃度とアルミニウムイオン濃度とのマトリクスに対応する、電導度と比重と温度とのマトリクス、または、電導度と超音波伝搬速度と温度とのマトリクスをあらかじめ作成しておき、電導度と比重と温度、または、電導度と超音波伝搬速度と温度によって液組成を測定し、液組成の制御目標値になるように塩酸と水とを添加する。そして、塩酸と水とを添加することによって増加した電解液を、循環タンクからオーバーフローさせることにより、その液量を一定に保つ。添加する塩酸としては、工業用の10〜40質量%のものを用いることができる。
電導度計および比重計としては、それぞれ温度補償されているものを用いるのが好ましい。比重計としては、差圧式のものを用いるのが好ましい。
液組成の測定に用いるために電解液から採取されたサンプルは、電解液とは別の熱交換機を用いて、一定温度(例えば、35±0.5℃)に制御した後に、測定に用いるのが、測定の精度が高くなる点で好ましい。
【0071】
更に、Cuと錯体を形成しうる化合物を添加して使用することによりCuを多く含有するアルミニウム板に対しても均一な砂目立てが可能になる。Cuと錯体を形成しうる化合物としては、例えば、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)等のアンモニアの水素原子を炭化水素基(脂肪族、芳香族等)等で置換して得られるアミン類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩類が挙げられる。また、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩も挙げられる。
【0072】
本発明においては、電気化学的粗面化処理に用いられる交流の波形は、正弦波(サイン波)である。正弦波としては、例えば、商用交流を用いることができる。また、本発明においては、実質的に正弦波であればよく、例えば、PWM(パルス幅変調)制御方式の電源で発生させた疑似正弦波、変形正弦波を用いることもできる。
この第一塩酸電解および後述する第二塩酸電解において、正弦波の交流を用いると、台形波を用いる場合に比べて、平版印刷版の耐汚れ性が優れたものになる。これは、均一なクレーター状の凹部が生成して、深いピットの生成が少なくなるため、印刷時にインキが引っかかりにくくなるからであると考えられる。
【0073】
正弦波交流のduty比は0.33〜0.66のものが使用可能であるが、特開平5−195300号公報に記載されているように、アルミニウムにコンダクタロールを用いない間接給電方式においてはduty比が0.45〜0.55のものが好ましい。なお、duty比は、アルミニウム板が陽極(アノード)時の時間と周期との比であり、図2に示される正弦波において、ta/Tで表される。
正弦波交流の周波数は、第一塩酸電解における周波数よりも第二塩酸電解における周波数が高くなるようにする。これにより、第一塩酸電解における周波数よりも第二塩酸電解における周波数が低い場合に比べて、平版印刷版の耐汚れ性および耐刷性が優れたものになる。これは、第一塩酸電解における周波数よりも第二塩酸電解における周波数が高くなるようにすることにより、第一塩酸電解よりも第二塩酸電解において、開口径が小さいクレーター状のピットが生成しやすくなるため、第一塩酸電解で生成したピットと第二塩酸電解で生成したピットとが重畳しやすくなって、表面積が大きくなるからであると考えられる。
【0074】
具体的には、0.1〜120Hzのものを用いることが可能であるが、40〜120Hzが設備上好ましい。40Hzよりも低いと、主極のカーボン電極が溶解しやすくなり、また、120Hzよりも高いと、電源回路上のインダクタンス成分の影響を受けやすくなり、電源コストが高くなる。
【0075】
電解槽には1個以上の交流電源を接続することができる。主極に対向するアルミニウム板に加わる交流の陽極と陰極との電流比をコントロールし、均一な砂目立てを行うことと、主極のカーボンを溶解することとを目的として、図3に示したように、補助陽極を設置し、交流電流の一部を分流させることが好ましい。図3において、11はアルミニウム板であり、12はラジアルドラムローラであり、13aおよび13bは主極であり、14は電解処理液であり、15は電解液供給口であり、16はスリットであり、17は電解液通路であり、18は補助陽極であり、19aおよび19bはサイリスタであり、20は交流電源であり、40は主電解槽であり、50は補助陽極槽である。整流素子またはスイッチング素子を介して電流値の一部を二つの主電極とは別の槽に設けた補助陽極に直流電流として分流させることにより、主極に対向するアルミニウム板上で作用するアノード反応にあずかる電流値と、カソード反応にあずかる電流値との比を制御することができる。主極に対向するアルミニウム板上で、陽極反応と陰極反応とにあずかる電気量の比(陰極時電気量/陽極時電気量)は、0.3〜1.0であるのが好ましく、0.9〜0.95であるのがより好ましい。
【0076】
電解槽は、縦型、フラット型、ラジアル型等の公知の表面処理に用いる電解槽が使用可能であるが、特開平5−195300号公報に記載されているようなラジアル型電解槽が特に好ましい。電解槽内を通過する電解液は、アルミニウムウェブの進行方向に対してパラレルであってもカウンターであってもよい。
【0077】
図4に、本発明に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例の断面図を示す。図4において、62は交流電解槽、64は主極、66A、66B、74Aおよび74Bはそれぞれ搬送ローラ、68Aおよび76Aはそれぞれ導入ローラ、68Bおよび76Bはそれぞれ導出ローラ、70は補助電解槽、72は補助電極、60は電解粗面化処理装置である。電解粗面化処理装置60は、アルミニウムウェブ1を略水平方向に搬送しつつ交流を印加して電解粗面化処理を施す電解粗面化処理装置である。
【0078】
電解粗面化処理装置60は、アルミニウムウェブ1の搬送方向aに沿って延在し上面が開放された浅い箱状の交流電解槽62と、交流電解槽62の底面近傍に搬送方向aに沿って、アルミニウムウェブ1の搬送経路である搬送面Tに対して平行に配設された板状の主極64と、交流電解槽62の内部における搬送方向aに対して上流側(以下、単に「上流側」という。)および搬送方向aに対して下流側(以下、単に「下流側」という。)の端部近傍に配設され、交流電解槽62内部においてアルミニウムウェブ1を搬送する搬送ローラ66Aおよび66Bと、交流電解槽62の上方における上流側に位置し、アルミニウムウェブ1を交流電解槽62の内部に導入する導入ローラ68Aと、交流電解槽62の上方における下流側に位置し、交流電解槽62内部を通過したアルミニウムウェブ1を交流電解槽62の外部に導出する導出ローラ68Bとを備える。交流電解槽62内部には、上述した酸性水溶液が貯留されている。主極64は、交流電源Tacに接続されている。
【0079】
交流電解槽62の後段には、補助電解槽70が配設されている。補助電解槽70は、上面が開放された箱型であり、底面近傍に、アルミニウムウェブ1の搬送面Tに対して平行に板状の補助電極72が設けられている。補助電解槽70の上流側壁面の近傍と下流側壁面の近傍とには、アルミニウムウェブ1を補助電極72の上方において搬送する搬送ローラ74Aおよび74Bが配設されている。また、補助電解槽70の上方における上流側には、アルミニウムウェブ1を補助電解槽70の内部に導入する導入ローラ76Aが設けられ、補助電解槽70の上方における下流側には、補助電解槽70内部を通過したアルミニウムウェブ1を外部に導出する導出ローラ76Bが設けられている。補助電解槽70内部には、上述した酸性水溶液が貯留されている。補助電極72は、交流電源Tacに接続されている。
【0080】
電解粗面化処理装置60の作用について以下に説明する。
アルミニウムウェブ1は、導入ローラ68Aによって交流電解槽2の内部に導入され、搬送ローラ66Aおよび66Bによって搬送方向aに沿って一定速度で搬送される。
交流電解槽62の内部において、アルミニウムウェブ1は、主極64に対して平行に移動するとともに、主極64から交流を印加される。これにより、アルミニウムウェブ1において、アノード反応とカソード反応とが交互に起き、アノード反応が起きているときには主にハニカムピットが生じ、カソード反応が起きているときには主に水酸化アルミニウムの皮膜が生じて、表面が粗面化される。
【0081】
第一塩酸電解においては、電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、200C/dm2 以上であるのが好ましく、300C/dm2 以上であるのがより好ましく、また、1000C/dm2 以下であるのが好ましく、600C/dm2 以下であるのがより好ましい。この際の電流密度は、電流のピーク値(ゼロからピークまでの値)で10〜100A/dm2 であるのが好ましい。
このような条件で行われる第一塩酸電解により、開口径3〜15μmのクレーター状のピットを形成させることができる。
【0082】
塩酸電解が終了した後は、ニップローラで液切りし、更に、1〜10秒間水洗処理を行った後、ニップローラで液切りするのが好ましい。
水洗処理は、スプレー管を用いて水洗するのが好ましい。水洗処理に用いられるスプレー管としては、例えば、扇状に噴射水が広がるスプレーチップをアルミニウム板の幅方向に複数個有するスプレー管を用いることができる。スプレーチップの間隔は20〜100mmであるのが好ましく、また、スプレーチップ1本あたりの液量は1〜20L/minであるのが好ましい。スプレー管は複数本用いるのが好ましい。
【0083】
<第二アルカリエッチング処理>
第一塩酸電解と第二塩酸電解との間に行われる第二アルカリエッチング処理は、第一塩酸電解で生成したスマットを溶解させること、および、第一塩酸電解により形成されたピットのエッジ部分を溶解させることを目的として行われる。第二アルカリエッチング処理は、基本的に第一アルカリエッチング処理と同様であるので、異なる点のみ以下に説明する。
【0084】
第二アルカリエッチング処理においては、エッチング量は、0.05g/m2 以上であるのが好ましく、0.1g/m2 以上であるのがより好ましく、また、4g/m2 以下であるのが好ましく、3.5g/m2 以下であるのがより好ましい。エッチング量が少なすぎると、平版印刷版の非画像部において、塩酸電解で生成したピットのエッジ部分が滑らかとならず、インキがひっかかりやすくなるため、耐汚れ性が悪くなる場合がある。一方、エッチング量が多すぎると、塩酸電解で生成した凹凸が小さくなるため、耐刷性が悪くなる場合がある。
【0085】
第二アルカリエッチング処理においては、アルカリ溶液の濃度は、30g/L以上であるのが好ましく、300g/L以上であるのがより好ましく、また、500g/L以下であるのが好ましく、450g/L以下であるのがより好ましい。
また、アルカリ溶液は、アルミニウムイオンを含有しているのが好ましい。アルミニウムイオン濃度は、1g/L以上であるのが好ましく、50g/L以上であるのがより好ましく、また、200g/L以下であるのが好ましく、150g/L以下であるのがより好ましい。このようなアルカリ溶液は、例えば、水と48質量%カセイソーダ水溶液とアルミン酸ソーダとを用いて調製することができる。
【0086】
第二アルカリエッチング処理においては、アルカリ溶液の温度は、30℃以上であるのが好ましく、35℃以上であるのがより好ましく、また、60℃以下であるのが好ましく、50℃以下であるのがより好ましい。
【0087】
第二アルカリエッチング処理においては、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、2秒以上であるのがより好ましく、また、30秒以下であるのが好ましく、10秒以下であるのがより好ましい。
【0088】
<第二デスマット処理>
第二アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(第二デスマット処理)を行うのが好ましい。第二デスマット処理は、第一デスマット処理と同様の方法で行うことができる。特に、後述する陽極酸化処理のオーバーフロー廃液を用いて、液温30〜70℃で行うのが好ましい。
【0089】
<第二塩酸電解>
第二塩酸電解は、塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理である。本発明においては、上述した第一塩酸電解と、この第二塩酸電解とを組み合わせることにより、複雑な凹凸構造をアルミニウム板の表面に形成させることができ、ひいては、耐刷性を優れたものにすることができる。
【0090】
第二塩酸電解は、第一塩酸電解に用いられる交流よりも周波数の高い交流を用いる以外は、基本的に上述した第一塩酸電解と同じであるが、その処理により生成する凹部の開口径が、上述した第一塩酸電解で生成する凹部の開口径よりも小さくなる条件で行われるのが好ましい。例えば、第二塩酸電解により生成するピットを、開口径0.01〜3μmとする。
生成する凹部の開口径を第一塩酸電解で大きく、第二塩酸電解で小さくすることにより、2回の塩酸電解で異なる大きさの凹部が重畳されることにより、複雑な凹凸構造を有する平版印刷版用支持体が得られるのである。具体的には、例えば、開口径0.01〜3μmの第二塩酸電解によるピットが、開口径3〜15μmの第一塩酸電解によるピットに重畳して生成した構造である。
【0091】
また、第二塩酸電解においては、電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、10C/dm2 以上であるのが好ましく、30C/dm2 以上であるのがより好ましく、50C/dm2 以上であるのが更に好ましく、また、400C/dm2 以下であるのが好ましく、300C/dm2 以下であるのがより好ましく、250C/dm2 以下であるのが更に好ましい。
【0092】
<第三アルカリエッチング処理>
塩酸電解の後に行われる第三アルカリエッチング処理は、塩酸電解で生成したスマットを溶解させること、および、塩酸電解により形成されたピットのエッジ部分を溶解させることを目的として行われる。第三アルカリエッチング処理は、基本的に第一アルカリエッチング処理と同様であるので、異なる点のみ以下に説明する。
【0093】
第三アルカリエッチング処理においては、エッチング量は、0.05g/m2 以上であるのが好ましく、0.1g/m2 以上であるのがより好ましく、また、0.3g/m2 以下であるのが好ましく、0.25g/m2 以下であるのがより好ましい。エッチング量が少なすぎると、平版印刷版の非画像部において、塩酸電解で生成したピットのエッジ部分が滑らかとならず、インキがひっかかりやすくなるため、耐汚れ性が悪くなる場合がある。一方、エッチング量が多すぎると、第一塩酸電解および第二塩酸電解で生成した凹凸が小さくなるため、耐刷性が悪くなる場合がある。
【0094】
第三アルカリエッチング処理においては、アルカリ溶液の濃度は、30g/L以上であるのが好ましく、また、前段の塩酸電解によって生じた凹凸を小さくしすぎないようにするため、100g/L以下であるのが好ましく、70g/L以下であるのがより好ましい。
また、アルカリ溶液は、アルミニウムイオンを含有しているのが好ましい。アルミニウムイオン濃度は、1g/L以上であるのが好ましく、3g/L以上であるのがより好ましく、また、50g/L以下であるのが好ましく、8g/L以下であるのがより好ましい。このようなアルカリ溶液は、例えば、水と48質量%カセイソーダ水溶液とアルミン酸ソーダとを用いて調製することができる。
【0095】
第三アルカリエッチング処理においては、アルカリ溶液の温度は、25℃以上であるのが好ましく、30℃以上であるのがより好ましく、また、60℃以下であるのが好ましく、50℃以下であるのがより好ましい。
【0096】
第三アルカリエッチング処理においては、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、2秒以上であるのがより好ましく、また、30秒以下であるのが好ましく、10秒以下であるのがより好ましい。
【0097】
<第三デスマット処理>
第三アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(第三デスマット処理)を行うのが好ましい。第三デスマット処理は、基本的に第一デスマット処理と同様であるので、異なる点のみ以下に説明する。
第三デスマット処理においては、引き続き行われる陽極酸化処理に用いられる電解液(例えば、硫酸)と同じ種類の液を用いるのが、第三デスマット処理と陽極酸化処理との間の水洗工程を省略することができる点で好ましい。
第三デスマット処理においては、5〜400g/Lの酸および0.5〜8g/Lのアルミニウムイオンを含有する酸性溶液を用いるのが好ましい。
第三デスマット処理においては、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、4秒以上であるのがより好ましく、また、60秒以下であるのが好ましく、15秒以下であるのがより好ましい。
第三デスマット処理において、デスマット処理液として、引き続き行われる陽極酸化処理に用いられる電解液と同じ種類の液を用いる場合には、デスマット処理後にニップローラによる液切りおよび水洗処理を省略することができる。
【0098】
<陽極酸化処理>
以上のように処理されたアルミニウム板には、更に、陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。この場合、例えば、硫酸濃度50〜300g/Lで、アルミニウム濃度5質量%以下の溶液中で、アルミニウム板を陽極として通電して陽極酸化皮膜を形成させることができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0099】
この際、少なくともアルミニウム板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分が電解液中に含まれていても構わない。更には、第2、第3の成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3の成分としては、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオン;アンモニウムイオン等の陽イオン;硝酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、リン酸イオン、フッ化物イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の陰イオンが挙げられ、0〜10000ppm程度の濃度で含まれていてもよい。
【0100】
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間15秒〜50分であるのが適当であり、所望の陽極酸化皮膜量となるように調整される。
【0101】
また、特開昭54−81133号、特開昭57−47894号、特開昭57−51289号、特開昭57−51290号、特開昭57−54300号、特開昭57−136596号、特開昭58−107498号、特開昭60−200256号、特開昭62−136596号、特開昭63−176494号、特開平4−176897号、特開平4−280997号、特開平6−207299号、特開平5−24377号、特開平5−32083号、特開平5−125597号、特開平5−195291号の各公報等に記載されている方法を使用することもできる。
【0102】
中でも、特開昭54−12853号公報および特開昭48−45303号公報に記載されているように、電解液として硫酸溶液を用いるのが好ましい。電解液中の硫酸濃度は、10〜300g/L(1〜30質量%)であるのが好ましく、50〜200g/L(5〜20質量%)であるのがより好ましく、また、アルミニウムイオン濃度は、1〜25g/L(0.1〜2.5質量%)であるのが好ましく、2〜10g/L(0.2〜1質量%)であるのがより好ましい。このような電解液は、例えば、硫酸濃度が50〜200g/Lである希硫酸に硫酸アルミニウム等を添加することにより調製することができる。
【0103】
電解液の組成管理は、上述した塩酸電解等の場合と同様の方法を用いて、硫酸濃度とアルミニウムイオン濃度とのマトリクスに対応する、電導度と比重と温度、または、電導度と超音波伝搬速度と温度により管理するのが好ましい。
【0104】
電解液の液温は、25〜55℃であるのが好ましく、30〜50であるのがより好ましい。
【0105】
硫酸を含有する電解液中で陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板と対極との間に直流を印加してもよく、交流を印加してもよい。
アルミニウム板に直流を印加する場合においては、電流密度は、1〜60A/dm2 であるのが好ましく、5〜40A/dm2 であるのがより好ましい。
連続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板の一部に電流が集中していわゆる「焼け」(皮膜が周囲より厚くなる部分)が生じないように、陽極酸化処理の開始当初は、5〜10A/m2 の低電流密度で電流を流し、陽極酸化処理が進行するにつれ、30〜50A/dm2 またはそれ以上に電流密度を増加させるのが好ましい。
具体的には、直流電源の電流配分を、下流側の直流電源の電流が上流側の直流電源の電流以上にするのが好ましい。このような電流配分とすることにより、いわゆる焼けが生じにくくなり、その結果、高速での陽極酸化処理が可能となる。
【0106】
連続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板に、電解液を介して給電する液給電方式により行うのが好ましい。
このような条件で陽極酸化処理を行うことによりポア(マイクロポア)と呼ばれる孔を多数有する多孔質皮膜が得られるが、通常、その平均ポア径は5〜50nm程度であり、平均ポア密度は300〜800個/μm2 程度である。
【0107】
陽極酸化皮膜の量は1〜5g/m2 であるのが好ましい。1g/m2 未満であると版に傷が入りやすくなり、一方、5g/m2 を超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利となる。陽極酸化皮膜の量は、1.5〜4g/m2 であるのがより好ましい。また、アルミニウム板の中央部と縁部近傍との間の陽極酸化皮膜量の差が1g/m2 以下になるように行うのが好ましい。
【0108】
陽極酸化処理に用いられる電解装置としては、特開昭48−26638号、特開昭47−18739号、特公昭58−24517号、特開2001−11698号の各公報等に記載されているものを用いることができる。
中でも、図5に示す装置が好適に用いられる。図5は、アルミニウム板の表面を陽極酸化処理する装置の一例を示す概略図である。
【0109】
図5に示される陽極酸化処理装置410では、アルミニウム板416に電解液を経由して通電するために、アルミニウム板416の進行方向の上流側に給電槽412、下流側に陽極酸化処理槽414を設置してある。アルミニウム板416は、パスローラ422および428により、図5中矢印で示すように搬送される。アルミニウム板416が最初に導入される給電槽412においては、直流電源434の正極に接続された陽極420が設置されており、アルミニウム板416は陰極となる。したがって、アルミニウム板416においてはカソード反応が起こる。
【0110】
アルミニウム板416が引き続き導入される陽極酸化処理槽414においては、直流電源434の負極に接続された陰極430が設置されており、アルミニウム板416は陽極となる。したがって、アルミニウム板416においてはアノード反応が起こり、アルミニウム板416の表面に陽極酸化皮膜が形成される。
アルミニウム板416と陰極430の間隔は50〜200mmであるのが好ましい。陰極430としてはアルミニウムが用いられる。陰極430としては、アノード反応により発生する水素ガスが系から抜けやすくなるようにするために、広い面積を有する電極でなく、アルミニウム板416の進行方向に複数個に分割した電極であるのが好ましい。
【0111】
給電槽412と陽極酸化処理槽414との間には、図5に示されるように、中間槽413と呼ばれる電解液が溜まらない槽を設けるのが好ましい。中間槽413を設けることにより、電流がアルミニウム板416を経由せず陽極420から陰極430にバイパスすることを抑止することができる。中間槽413にはニップローラ424を設置して液切りを行うことにより、バイパス電流を極力少なくするようにするのが好ましい。液切りにより出た電解液は、排液口442から陽極酸化処理装置410の外に排出される。
【0112】
給電槽412に貯留される電解液418は、電圧ロスを少なくするために、陽極酸化処理槽414に貯留される電解液426よりも高温および/または高濃度とする。また、電解液418および426は、陽極酸化皮膜の形成効率、陽極酸化皮膜のマイクロポアの形状、陽極酸化皮膜の硬さ、電圧、電解液のコスト等から、組成、温度等が決定される。
【0113】
給電槽412および陽極酸化処理槽414には、給液ノズル436および438から電解液を噴出させて給液する。電解液の分布を一定にし、陽極酸化処理槽414でのアルミニウム板416の局所的な電流集中を防ぐ目的で、給液ノズル436および438にはスリットが設けられ、噴出する液流を幅方向で一定にする構造となっている。
【0114】
陽極酸化処理槽414においては、陽極430からみてアルミニウム板416を挟んだ反対側にはしゃへい板440が設けられ、電流がアルミニウム板416の陽極酸化皮膜を形成させたい面の反対側に流れるのを抑止する。アルミニウム板416としゃへい板440の間隔は5〜30mmであるのが好ましい。直流電源434は複数個用いて、正極側を共通に接続して用いるのが好ましい。これによって、陽極酸化処理槽414中の電流分布を制御することができる。
【0115】
<封孔処理>
本発明においては、必要に応じて陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアを封じる封孔処理を行ってもよい。封孔処理は、沸騰水処理、熱水処理、蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等の公知の方法に従って行うことができる。例えば、特公昭56−12518号公報、特開平4−4194号公報、特開平5−202496号公報、特開平5−179482号公報等に記載されている装置および方法で封孔処理を行ってもよい。
【0116】
<親水化処理>
陽極酸化処理後または封孔処理後、親水化処理を行ってもよい。親水化処理としては、例えば、米国特許第2,946,638号明細書に記載されているフッ化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,247号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,559号に記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,091,433号明細書に記載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号明細書および英国特許第1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16893号公報および特開昭58−18291号公報に記載されている親油性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、米国特許第3,860,426号明細書に記載されているように、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛)を含む親水性セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)の下塗層を設ける処理、特開昭59−101651号公報に記載されているスルホ基を有する水溶性重合体を下塗りする処理が挙げられる。
【0117】
また、特開昭62−019494号公報に記載されているリン酸塩、特開昭62−033692号公報に記載されている水溶性エポキシ化合物、特開昭62−097892号公報に記載されているリン酸変性デンプン、特開昭63−056498号公報に記載されているジアミン化合物、特開昭63−130391号公報に記載されているアミノ酸の無機または有機酸、特開昭63−145092号公報に記載されているカルボキシ基またはヒドロキシ基を含む有機ホスホン酸、特開昭63−165183号公報に記載されているアミノ基とホスホン酸基を有する化合物、特開平2−316290号公報に記載されている特定のカルボン酸誘導体、特開平3−215095号公報に記載されているリン酸エステル、特開平3−261592号公報に記載されている1個のアミノ基とリンの酸素酸基1個を持つ化合物、特開平3−215095号公報に記載されているリン酸エステル、特開平5−246171号公報に記載されているフェニルホスホン酸等の脂肪族または芳香族ホスホン酸、特開平1−307745号公報に記載されているチオサリチル酸のようなS原子を含む化合物、特開平4−282637号公報に記載されているリンの酸素酸のグループを持つ化合物等を用いた下塗りによる処理も挙げられる。
更に、特開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料による着色を行うこともできる。
【0118】
また、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸せきさせる方法、親水性ビニルポリマーまたは親水性化合物を塗布して親水性の下塗層を形成させる方法等により、親水化処理を行うのが好ましい。
【0119】
ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液による親水化処理は、米国特許第2,714,066号明細書および米国特許第3,181,461号明細書に記載されている方法および手順に従って行うことができる。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムが挙げられる。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を適当量含有してもよい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、アルカリ土類金属塩または4族(第IVA族)金属塩を含有してもよい。アルカリ土類金属塩としては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム等の硝酸塩;硫酸塩;塩酸塩;リン酸塩;酢酸塩;シュウ酸塩;ホウ酸塩が挙げられる。4族(第IVA族)金属塩としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムが挙げられる。これらのアルカリ土類金属塩および4族(第IVA族)金属塩は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0120】
アルカリ金属ケイ酸塩処理によって吸着するSi量は蛍光X線分析装置により測定することができ、その吸着量は約1.0〜15.0mg/m2 であるのが好ましい。
このアルカリ金属ケイ酸塩処理により、平版印刷版用支持体の表面のアルカリ現像液に対する耐溶解性向上の効果が得られ、アルミニウム成分の現像液中への溶出が抑制されて、現像液の疲労に起因する現像カスの発生を低減することができる。
【0121】
また、親水性の下塗層の形成による親水化処理は、特開昭59−101651号公報および特開昭60−149491号公報に記載されている条件および手順に従って行うこともできる。
この方法に用いられる親水性ビニルポリマーとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、スルホ基を有するp−スチレンスルホン酸等のスルホ基含有ビニル重合性化合物と(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の通常のビニル重合性化合物との共重合体が挙げられる。また、この方法に用いられる親水性化合物としては、例えば、−NH2 基、−COOH基およびスルホ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有する化合物が挙げられる。
【0122】
<乾燥>
上述したようにして平版印刷版用支持体を得た後、画像記録層を設ける前に、平版印刷版用支持体の表面を乾燥させるのが好ましい。乾燥は、表面処理の最後の処理の後、水洗処理およびニップローラで液切りしてから行うのが好ましい。乾燥温度は、70℃以上であるのが好ましく、80℃以上であるのがより好ましく、また、110℃以下であるのが好ましく、100℃以下であるのがより好ましい。
乾燥時間は、2〜15秒であるのが好ましい。
【0123】
<液組成の管理>
本発明においては、上述した表面処理に用いられる各種の処理液の組成を、特開2001−121837号公報に記載されている方法で管理するのが好ましい。あらかじめ、種々の濃度の多数の処理液サンプルを調製し、それぞれ二つの液温における超音波の伝搬速度を測定し、マトリクス状のデータテーブルを作成しておき、処理中に、液温および超音波の伝搬速度をリアルタイム測定し、それに基づいて濃度の制御を行うのが好ましい。特に、デスマット処理において、硫酸濃度250g/L以上の電解液を用いる場合においては、上述する方法により、濃度の制御を行うのが好ましい。
なお、電解粗面化処理および陽極酸化処理に用いられる各電解液は、Cu濃度が100ppm以下であるのが好ましい。Cu濃度が高すぎると、ラインを停止するとアルミニウム板上にCuが析出し、ラインを再度稼動した際に析出したCuがパスロールに転写されて、処理ムラの原因となる場合がある。
【0124】
[平版印刷版原版]
本発明により得られる平版印刷版用支持体には、画像記録層を設けて本発明の平版印刷版原版とすることができる。画像記録層には、感光性組成物が用いられる。
本発明に好適に用いられる感光性組成物としては、例えば、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有するサーマルポジ型感光性組成物(以下、この組成物およびこれを用いた画像記録層について、「サーマルポジタイプ」という。)、硬化性化合物と光熱変換物質とを含有するサーマルネガ型感光性組成物(以下、同様に「サーマルネガタイプ」という。)、光重合型感光性組成物(以下、同様に「フォトポリマータイプ」という。)、ジアゾ樹脂または光架橋樹脂を含有するネガ型感光性組成物(以下、同様に「コンベンショナルネガタイプ」という。)、キノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性組成物(以下、同様に「コンベンショナルポジタイプ」という。)、特別な現像工程を必要としない感光性組成物(以下、同様に「無処理タイプ」という。)が挙げられる。以下、これらの好適な感光性組成物について説明する。
【0125】
<サーマルポジタイプ>
<感光層>
サーマルポジタイプの感光性組成物は、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する。サーマルポジタイプの画像記録層においては、光熱変換物質が赤外線レーザ等の光のエネルギーを熱に変換し、その熱がアルカリ可溶性高分子化合物のアルカリ溶解性を低下させている相互作用を効率よく解除する。
【0126】
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、分子中に酸性基を含有する樹脂およびその2種以上の混合物が挙げられる。特に、フェノール性ヒドロキシ基、スルホンアミド基(−SO2 NH−R(式中、Rは炭化水素基を表す。))、活性イミノ基(−SO2 NHCOR、−SO2 NHSO2 R、−CONHSO2 R(各式中、Rは上記と同様の意味である。))等の酸性基を有する樹脂がアルカリ現像液に対する溶解性の点で好ましい。
とりわけ、赤外線レーザ等の光による露光での画像形成性に優れる点で、フェノール性ヒドロキシ基を有する樹脂が好ましく、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−およびm−/p−混合のいずれでもよい)混合−ホルムアルデヒド樹脂(フェノール−クレゾール−ホルムアルデヒド共縮合樹脂)等のノボラック樹脂が好適に挙げられる。
更に、特開2001−305722号公報(特に[0023]〜[0042])に記載されている高分子化合物、特開2001−215693号公報に記載されている一般式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物、特開2002−311570号公報(特に[0107])に記載されている高分子化合物も好適に挙げられる。
【0127】
光熱変換物質としては、記録感度の点で、波長700〜1200nmの赤外域に光吸収域がある顔料または染料が好適に挙げられる。染料としては、例えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体(例えば、ニッケルチオレート錯体)が挙げられる。中でも、シアニン染料が好ましく、とりわけ特開2001−305722号公報に記載されている一般式(I)で表されるシアニン染料が好ましい。
【0128】
サーマルポジタイプの感光性組成物中には、溶解阻止剤を含有させることができる。溶解阻止剤としては、例えば、特開2001−305722号公報の[0053]〜[0055]に記載されているような溶解阻止剤が好適に挙げられる。
また、サーマルポジタイプの感光性組成物中には、添加剤として、感度調節剤、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤としての染料等の化合物、塗布性および処理安定性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。これらについては、特開2001−305722号公報の[0056]〜[0060]に記載されているような化合物が好ましい。
上記以外の点でも、特開2001−305722号公報に詳細に記載されている感光性組成物が好ましく用いられる。
【0129】
また、サーマルポジタイプの画像記録層は、単層に限らず、2層構造であってもよい。
2層構造の画像記録層(重層系の画像記録層)としては、支持体に近い側に耐刷性および耐溶剤性に優れる下層(以下「A層」という。)を設け、その上にポジ画像形成性に優れる層(以下「B層」という。)を設けたタイプが好適に挙げられる。このタイプは感度が高く、広い現像ラチチュードを実現することができる。B層は、一般に、光熱変換物質を含有する。光熱変換物質としては、上述した染料が好適に挙げられる。
A層に用いられる樹脂としては、スルホンアミド基、活性イミノ基、フェノール性ヒドロキシ基等を有するモノマーを共重合成分として有するポリマーが耐刷性および耐溶剤性に優れている点で好適に挙げられる。B層に用いられる樹脂としては、フェノール性ヒドロキシ基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂が好適に挙げられる。
A層およびB層に用いられる組成物には、上記樹脂のほかに、必要に応じて、種々の添加剤を含有させることができる。具体的には、特開2002−3233769号公報の[0062]〜[0085]に記載されているような種々の添加剤が好適に用いられる。また、上述した特開2001−305722号公報の[0053]〜[0060]に記載されている添加剤も好適に用いられる。
A層およびB層を構成する各成分およびその含有量については、特開平11−218914号公報に記載されているようにするのが好ましい。
【0130】
<中間層>
サーマルポジタイプの画像記録層と支持体との間には、中間層を設けるのが好ましい。中間層に含有される成分としては、特開2001−305722号公報の[0068]に記載されている種々の有機化合物が好適に挙げられる。
【0131】
<その他>
サーマルポジタイプの画像記録層の製造方法および製版方法については、特開2001−305722号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0132】
<サーマルネガタイプ>
サーマルネガタイプの感光性組成物は、硬化性化合物と光熱変換物質とを含有する。サーマルネガタイプの画像記録層は、赤外線レーザ等の光で照射された部分が硬化して画像部を形成するネガ型の感光層である。
<重合層>
サーマルネガタイプの画像記録層の一つとして、重合型の画像記録層(重合層)が好適に挙げられる。重合層は、光熱変換物質と、ラジカル発生剤と、硬化性化合物であるラジカル重合性化合物と、バインダーポリマーとを含有する。重合層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱によりラジカル発生剤が分解してラジカルが発生し、発生したラジカルによりラジカル重合性化合物が連鎖的に重合し、硬化する。
【0133】
光熱変換物質としては、例えば、上述したサーマルポジタイプに用いられる光熱変換物質が挙げられる。特に好ましいシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の[0017]〜[0019]に記載されているものが挙げられる。
ラジカル発生剤としては、オニウム塩が好適に挙げられる。特に、特開2001−133969号公報の[0030]〜[0033]に記載されているオニウム塩が好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が挙げられる。
バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーが好適に挙げられる。水または弱アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが好適に挙げられる。中でも、アリル基、アクリロイル基等の不飽和基またはベンジル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れている点で好適である。
ラジカル重合性化合物およびバインダーポリマーについては、特開2001−133969号公報の[0036]〜[0060]に詳細に記載されているものを用いることができる。
【0134】
サーマルネガタイプの感光性組成物中には、特開2001−133969号公報の[0061]〜[0068]に記載されている添加剤(例えば、塗布性を向上させるための界面活性剤)を含有させるのが好ましい。
【0135】
重合層の製造方法および製版方法については、特開2001−133969号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0136】
<酸架橋層>
また、サーマルネガタイプの画像記録層の一つとして、酸架橋型の画像記録層(酸架橋層)も好適に挙げられる。酸架橋層は、光熱変換物質と、熱酸発生剤と、硬化性化合物である酸により架橋する化合物(架橋剤)と、酸の存在下で架橋剤と反応しうるアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する。酸架橋層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱により熱酸発生剤が分解して酸が発生し、発生した酸により架橋剤とアルカリ可溶性高分子化合物とが反応し、硬化する。
【0137】
光熱変換物質としては、重合層に用いられるのと同様のものが挙げられる。
熱酸発生剤としては、例えば、光重合の光開始剤、色素類の光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている酸発生剤等の熱分解化合物が挙げられる。
架橋剤としては、例えば、ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物;N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基またはN−アシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、ノボラック樹脂、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーが挙げられる。
【0138】
<フォトポリマータイプ>
光重合型感光性組成物は、付加重合性化合物と、光重合開始剤と、高分子結合剤とを含有する。
付加重合性化合物としては、付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物が好適に挙げられる。エチレン性不飽和結合含有化合物は、末端エチレン性不飽和結合を有する化合物である。具体的には、例えば、モノマー、プレポリマー、これらの混合物等の化学的形態を有する。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが挙げられる。
また、付加重合性化合物としては、ウレタン系付加重合性化合物も好適に挙げられる。
【0139】
光重合開始剤としては、種々の光重合開始剤または2種以上の光重合開始剤の併用系(光開始系)を、使用する光源の波長により適宜選択して用いることができる。例えば、特開2001−22079号公報の[0021]〜[0023]に記載されている開始系が好適に挙げられる。
高分子結合剤は、光重合型感光性組成物の皮膜形成剤として機能するだけでなく、画像記録層をアルカリ現像液に溶解させる必要があるため、アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が用いられる。そのような有機高分子重合体としては、特開2001−22079号公報の[0036]〜[0063]に記載されているものが好適に挙げられる。
【0140】
フォトポリマータイプの光重合型感光性組成物中には、特開2001−22079号公報の[0079]〜[0088]に記載されている添加剤(例えば、塗布性を向上させるための界面活性剤、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤)を含有させるのが好ましい。
【0141】
また、フォトポリマータイプの画像記録層の上に、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性保護層を設けることが好ましい。酸素遮断性保護層に含有される重合体としては、例えば、ポリビニルアルコール、その共重合体が挙げられる。
更に、特開2001−228608号公報の[0124]〜[0165]に記載されているような中間層または接着層を設けるのも好ましい。
【0142】
<コンベンショナルネガタイプ>
コンベンショナルネガタイプの感光性組成物は、ジアゾ樹脂または光架橋樹脂を含有する。中でも、ジアゾ樹脂とアルカリ可溶性または膨潤性の高分子化合物(結合剤)とを含有する感光性組成物が好適に挙げられる。
ジアゾ樹脂としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等の活性カルボニル基含有化合物との縮合物;p−ジアゾフェニルアミン類とホルムアルデヒドとの縮合物とヘキサフルオロリン酸塩またはテトラフルオロホウ酸塩との反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩が挙げられる。特に、特開昭59−78340号公報に記載されている6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子量ジアゾ化合物が好ましい。
結合剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分として含む共重合体が挙げられる。具体的には、特開昭50−118802号公報に記載されているような2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等のモノマーの多元共重合体、特開昭56−4144号公報に記載されているようなアルキルアクリレート、(メタ)アクリロニトリルおよび不飽和カルボン酸からなる多元共重合体が挙げられる。
【0143】
コンベンショナルネガタイプの感光性組成物には、添加剤として、特開平7−281425号公報の[0014]〜[0015]に記載されている焼出し剤、染料、塗膜の柔軟性および耐摩耗性を付与するための可塑剤、現像促進剤等の化合物、塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。
【0144】
コンベンショナルネガタイプの感光層の下には、特開2000−105462号公報に記載されている、酸基を有する構成成分とオニウム基を有する構成成分とを有する高分子化合物を含有する中間層を設けるのが好ましい。
【0145】
<コンベンショナルポジタイプ>
コンベンショナルポジタイプの感光性組成物は、キノンジアジド化合物を含有する。中でも、o−キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する感光性組成物が好適に挙げられる。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂またはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、米国特許第3,635,709号明細書に記載されている1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルが挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−クレゾール−ホルムアルデヒド共縮合樹脂、ポリヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、特開平7−36184号公報に記載されているカルボキシ基含有ポリマー、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性ヒドロキシ基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866号公報に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂、ウレタン系の樹脂が挙げられる。
【0146】
コンベンショナルポジタイプの感光性組成物には、添加剤として、特開平7−92660号公報の[0024]〜[0027]に記載されている感度調節剤、焼出剤、染料等の化合物や、特開平7−92660号公報の[0031]に記載されているような塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。
【0147】
コンベンショナルポジタイプの感光層の下には、上述したコンベンショナルネガタイプに好適に用いられる中間層と同様の中間層を設けるのが好ましい。
【0148】
<無処理タイプ>
無処理タイプの感光性組成物には、熱可塑性微粒子ポリマー型、マイクロカプセル型、スルホン酸発生ポリマー含有型等が挙げられる。これらはいずれも光熱変換物質を含有する感熱型である。光熱変換物質は、上述したサーマルポジタイプに用いられるのと同様の染料が好ましい。
【0149】
熱可塑性微粒子ポリマー型の感光性組成物は、疎水性かつ熱溶融性の微粒子ポリマーが親水性高分子マトリックス中に分散されたものである。熱可塑性微粒子ポリマー型の画像記録層においては、露光により発生する熱により疎水性の微粒子ポリマーが溶融し、互いに融着して疎水性領域、即ち、画像部を形成する。
微粒子ポリマーとしては、微粒子同士が熱により溶融合体するものが好ましく、表面が親水性で、湿し水等の親水性成分に分散しうるものがより好ましい。具体的には、Reseach Disclosure No.33303(1992年1月)、特開平9−123387号、同9−131850号、同9−171249号および同9−171250号の各公報、欧州特許出願公開第931,647号明細書等に記載されている熱可塑性微粒子ポリマーが好適に挙げられる。中でも、ポリスチレンおよびポリメタクリル酸メチルが好ましい。親水性表面を有する微粒子ポリマーとしては、例えば、ポリマー自体が親水性であるもの;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の親水性化合物を微粒子ポリマー表面に吸着させて表面を親水性化したものが挙げられる。
微粒子ポリマーは、反応性官能基を有するのが好ましい。
【0150】
マイクロカプセル型の感光性組成物としては、特開2000−118160号公報に記載されているもの、特開2001−277740号公報に記載されているような熱反応性官能基を有する化合物を内包するマイクロカプセル型が好適に挙げられる。
【0151】
スルホン酸発生ポリマー含有型の感光性組成物に用いられるスルホン酸発生ポリマーとしては、例えば、特開平10−282672号公報に記載されているスルホン酸エステル基、ジスルホン基またはsec−もしくはtert−スルホンアミド基を側鎖に有するポリマーが挙げられる。
【0152】
無処理タイプの感光性組成物に、親水性樹脂を含有させることにより、機上現像性が良好となるばかりか、感光層自体の皮膜強度も向上する。親水性樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基等の親水基を有するもの、親水性のゾルゲル変換系結着樹脂が好ましい。
【0153】
無処理タイプの画像記録層は、特別な現像工程を必要とせず、印刷機上で現像することができる。無処理タイプの画像記録層の製造方法および製版印刷方法については、特開2002−178655号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0154】
<バックコート>
このようにして、本発明により得られる平版印刷版用支持体上に各種の画像記録層を設けて得られる本発明の平版印刷版原版の裏面には、必要に応じて、重ねた場合における画像記録層の傷付きを防止するために、有機高分子化合物からなる被覆層を設けることができる。
【0155】
[製版方法(平版印刷版の製造方法)]
本発明により得られる平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版原版は、画像記録層に応じた種々の処理方法により、平版印刷版とされる。
像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプが挙げられる。レーザビームとしては、例えば、ヘリウム−ネオンレーザ(He−Neレーザ)、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム−カドミウムレーザ、KrFエキシマーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、YAG−SHGレーザが挙げられる。
【0156】
上記露光の後、画像記録層がサーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ、コンベンショナルネガタイプ、コンベンショナルポジタイプおよびフォトポリマータイプのいずれかである場合は、露光した後、現像液を用いて現像して平版印刷版を得るのが好ましい。
現像液は、アルカリ現像液であるのが好ましく、有機溶剤を実質的に含有しないアルカリ性の水溶液であるのがより好ましい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液も好ましい。アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液を用いて現像する方法としては、特開平11−109637号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
また、アルカリ金属ケイ酸塩を含有する現像液を用いることもできる。
【0157】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
1.平版印刷版用支持体の作成
(実施例1)
Si:0.073質量%、Fe:0.270質量%、Cu:0.001質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.000質量%、Cr:0.001質量%、Zn:0.003質量%、Ti:0.020質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物とからなるアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.3mm、幅1060mmに仕上げ、アルミニウム板を得た。このアルミニウム板を以下に示す表面処理に供し、平版印刷版用支持体を得た。
【0158】
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(j)の各種処理を連続的に行うことにより行った。
【0159】
(a)アルカリ水溶液中でのエッチング処理
アルミニウム板に、カセイソーダ濃度370g/L、アルミニウムイオン濃度100g/L、温度60℃の水溶液をスプレー管から吹き付けて、エッチング処理を行った。アルミニウム板の後に電気化学的粗面化処理を施す面のエッチング量は、3g/m2 であった。
その後、ニップローラで液切りし、更に、後述する水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。水洗処理は、自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置を用いて水洗し、更に、スプレー管を用いて5秒間水洗することにより行った。
【0160】
(b)デスマット処理
10g/L硝酸水溶液に硝酸アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を4.5g/Lとした水溶液(液温35℃)をスプレー管から5秒間吹き付けて、デスマット処理を行った。
その後、ニップローラで液切りし、更に、水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。
【0161】
(c)1回目の塩酸水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理(第一塩酸電解)
電気化学的粗面化処理を行う直前に、アルミニウム板に、後述する塩酸電解に用いた電解液と同じ組成および温度を有する電解液を吹き付けた。
その後、7.5g/L塩酸水溶液に塩化アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を4.5g/Lとした電解液(液温35℃)を用い、40Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。交流電源波形は商用交流波形の正弦波を用いた。duty比(ta/T)は0.5であった。カーボン電極を対極として用いた。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図3に示すものを2槽使用した。
電気化学的粗面化処理において、交流のピーク時におけるアルミニウム板のアノード反応時の電流密度は、60A/dm2 であった。アルミニウム板のアノード反応時の電気量の総和とカソード反応時の電気量の総和との比は0.95であった。電気量はアルミニウム板のアノード時の電気量の総和で400C/dm2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。アルミニウム板と電解液の相対速度は、電解槽内の平均で1.5m/secであった。
その後、ニップローラで液切りし、更に、スプレー管を用いて水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。
【0162】
(d)アルカリ水溶液中でのエッチング処理
アルミニウム板に、カセイソーダ濃度370g/L、アルミニウムイオン濃度100g/L、温度64℃の水溶液をスプレー管から7秒間吹き付けて、エッチング処理を行った。アルミニウム板の電気化学的粗面化処理を施した面のエッチング量は、3g/m2 であった。
その後、ニップローラで液切りし、更に、後述する水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。水洗処理は、自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置を用いて水洗し、更に、スプレー管を用いて5秒間水洗することにより行った。
【0163】
(e)デスマット処理
硫酸濃度300g/L、アルミニウムイオン濃度2g/Lの水溶液(液温35℃)をスプレー管から10秒間吹き付けて、デスマット処理を行った。
その後、ニップローラで液切りし、更に、水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。
【0164】
(f)2回目の塩酸水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理(第二塩酸電解)
5g/L塩酸水溶液に塩化アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を5g/Lとした電解液(液温35℃)を用い、70Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。交流電源波形は商用交流波形の正弦波を用いた。duty比(ta/T)は0.5であった。カーボン電極を対極として用いた。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図3に示すものを2槽使用した。
電気化学的粗面化処理において、交流のピーク時におけるアルミニウム板のアノード反応時の電流密度は、50A/dm2 であった。アルミニウム板のアノード反応時の電気量の総和とカソード反応時の電気量の総和との比は0.95であった。電気量はアルミニウム板のアノード時の電気量の総和で200C/dm2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。アルミニウム板と電解液の相対速度は、電解槽内の平均で1.5m/secであった。
その後、ニップローラで液切りし、更に、スプレー管を用いて水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。
【0165】
(g)アルカリ水溶液中でのエッチング処理
アルミニウム板に、カセイソーダ濃度50g/L、アルミニウムイオン濃度5g/L、温度35℃の水溶液をスプレー管から2秒間吹き付けて、エッチング処理を行った。アルミニウム板の電気化学的粗面化処理を施した面のエッチング量は、0.1g/m2 であった。
その後、ニップローラで液切りし、更に、後述する水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。水洗処理は、自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置を用いて水洗し、更に、スプレー管を用いて5秒間水洗することにより行った。
【0166】
(h)デスマット処理
硫酸濃度170g/L、アルミニウムイオン濃度5g/Lの水溶液(液温35℃)をスプレー管から5秒間吹き付けて、デスマット処理を行った。水溶液としては、後述する(i)陽極酸化処理工程の廃液を用いた。
その後、ニップローラで液切りしたが、水洗処理は行わなかった。
【0167】
(i)陽極酸化処理
図5に示される陽極酸化処理装置を用いて陽極酸化処理を行った。
電解液としては、170g/L硫酸水溶液に硫酸アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を5g/Lとした電解液(温度33℃)を用いた。陽極酸化処理は、アルミニウム板がアノード反応する間の平均電流密度が15A/dm2 となるように行い、最終的な酸化皮膜量は2.4g/m2 であった。アルミニウム板がアノード反応にあずかる時間は16秒間であった。
その後、ニップローラで液切りし、更に、スプレー管を用いて水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。
【0168】
(j)親水化処理
アルミニウム板をケイ酸ソーダ2.5質量%水溶液(液温20℃)に10秒間浸せきさせた。蛍光X線分析装置で測定した親水化処理後のアルミニウム板表面のSi量は、3.5mg/m2 であった。
その後、ニップローラで液切りし、更に、スプレー管を用いて水洗処理を行った後、ニップローラで液切りした。
更に、90℃の風を10秒間吹き付けて乾燥させて、平版印刷版用支持体を得た。
【0169】
(実施例2〜5および比較例1)
上記(c)および(f)における交流の周波数を第1表に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により、平版印刷版用支持体を得た。
【0170】
(実施例6)
冷間圧延において、ショットブラストにより凹凸面を形成させ、その後、ハードクロムメッキを施して耐摩耗性を向上させた圧延ロールを用いた以外は、実施例3の場合と同様の方法により、両側の表面に凹凸パターンを有する、厚さ0.3mm、幅1060mmのアルミニウム板を得た。このアルミニウム板の表面形状を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率750倍で観察したところ、平均表面粗さが0.4μmであり、表面に存在する凹部の長軸平均径が5〜25μm、短軸平均径が2〜15μmであり、縦横比の平均が2.5であった。このアルミニウム板を用い、かつ、上記(c)において、電気量を300C/dm2 とした以外は、実施例3と同様の方法により、平版印刷版用支持体を得た。
【0171】
(実施例7)
上記(f)において、電気量を65C/dm2 とした以外は、実施例2と同様の方法により、平版印刷版用支持体を得た。
【0172】
(比較例2および3)
上記(c)および(f)における交流の電源波形を図6に示した台形波(電流値がゼロからピークに達するまでの時間Tpが0.8msec、duty比(ta/T)が0.5)とした以外は、実施例5および6と同様の方法により、平版印刷版用支持体を得た。
【0173】
2.平版印刷版用支持体の表面形状
実施例1〜7で得られた各平版印刷版用支持体の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率50000倍で観察したところ、直径0.1μm程度の微細な凹凸が均一にかつ緻密に生成していた。
また、実施例1〜7で得られた各平版印刷版用支持体の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率2000倍で観察したところ、直径1〜5μm程度の凹凸が生成していた。また、直径0.1μm程度の微細な凹凸は、直径1〜5μm程度の凹凸に重畳して生成していた。
【0174】
3.平版印刷版原版の作成
上記で得られた各平版印刷版用支持体に、以下のようにしてサーマルポジタイプの画像記録層を設けて平版印刷版原版を得た。なお、画像記録層を設ける前には、後述するように下塗層を設けた。
【0175】
平版印刷版用支持体上に、下記組成の下塗液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、下塗層の塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2 であった。
【0176】
<下塗液組成>
・下記高分子化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
【0177】
【化1】
【0178】
更に、下記組成の感熱層塗布液を調製し、下塗層を設けた平版印刷版用支持体に、この感熱層塗布液を乾燥後の塗布量(感熱層塗布量)が1.8g/m2 になるよう塗布し、乾燥させて感熱層(サーマルポジタイプの画像記録層)を形成させ、平版印刷版原版を得た。
【0179】
<感熱層塗布液組成>
・ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40、重量平均分子量7,000、未反応クレゾール0.5質量%含有) 0.90g
・メタクリル酸エチル/メタクリル酸イソブチル/メタクリル酸共重合体(モル比35/35/30) 0.10g
・下記構造式で表されるシアニン染料A 0.1g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g
・p−トルエンスルホン酸 0.002g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.02g
・フッ素系界面活性剤(ディフェンサF−780F、大日本インキ化学工業社製、固形分30質量%) 0.0045g(固形分換算)
・フッ素系界面活性剤(ディフェンサF−781F、大日本インキ化学工業社製、固形分100質量%) 0.035g
・メチルエチルケトン 12g
【0180】
【化2】
【0181】
3.平版印刷版原版の評価
平版印刷版用支持体の表面の処理ムラ、平版印刷版原版の感度ならびに平版印刷版の耐刷性、耐汚れ性および水量の調節のしやすさ(シャイニー)を下記の方法で評価した。
(1)処理ムラ
下塗層および画像記録層を設ける前の平版印刷版用支持体の表面を目視により観察し、表面処理のムラを評価した。
結果を第1表に示す。第1表中の記号の意味は以下のとおりである。
A:処理ムラがほとんど発生していない
【0182】
(2)感度
後述する耐刷性の評価の場合と同様にして得られた平版印刷版の非画像部を20倍のルーペを用いて観察し、画像記録層の残り具合を評価した。
結果を第1表に示す。第1表中の記号の意味は以下のとおりである。
A:画像記録層がほとんど残っておらず、実用上全く問題がない
【0183】
(3)耐刷性
得られた平版印刷版原版をCreo社製TrendSetterを用いてドラム回転速度150rpm、ビーム強度10Wで画像状に描き込みを行った。
その後、下記組成のアルカリ現像液を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー940Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間20秒で現像し、平版印刷版を得た。なお、いずれの平版印刷版原版も感度は良好であった。
【0184】
<アルカリ現像液組成>
・D−ソルビット 2.5質量%
・水酸化ナトリウム 0.85質量%
・ポリエチレングリコールラウリルエーテル(重量平均分子量1,000)
0.5 質量%
・水 96.15質量%
【0185】
得られた平版印刷版を、小森コーポレーション社製のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷し、ベタ画像の濃度が薄くなり始めたと目視で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を評価した。
結果を第1表に示す。第1表中の記号の意味は以下のとおりである。
A:30000枚以上
B:20000枚以上30000枚未満
C:20000枚未満
【0186】
(4)耐汚れ性
耐刷性の評価の場合と同様にして得られた平版印刷版を用い、三菱ダイヤ型F2印刷機(三菱重工業社製)で、DIC−GEOS(s)紅のインキを用いて印刷し、1万枚印刷した後におけるブランケット胴の汚れを目視で評価した。
結果を第1表に示す。第1表中の記号の意味は以下のとおりである。
A:優良(ほとんど汚れていない)
C:ブランケット胴にインキが大量に付着している(汚れている)
【0187】
(5)水量の調節のしやすさ(シャイニー)
耐刷性の評価の場合と同様にして得られた平版印刷版について、水量の調節のしやすさを、印刷機上における印刷時の版面の非画像部の光沢感を目視で観察し、官能評価した。
結果を第1表に示す。第1表中の記号の意味は以下のとおりである。
A:光沢感が少なく、版面の湿し水の量が大変見やすいレベル
A−B:版面の湿し水の量が見やすいレベル
【0188】
第1表から明らかなように、本発明の平版印刷版用支持体の製造方法(実施例1〜7)により得られた平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版は、いずれも耐刷性および耐汚れ性に優れている。中でも、表面に凹凸パターンを有するアルミニウム板を用いた場合(実施例6)は、更に、水量の調節のしやすさに優れている。
これに対して、正弦波交流を用いた塩酸電解を2回施した場合であっても、1回目の塩酸電解に用いた交流の周波数よりも2回目の塩酸電解に用いた交流の周波数が低いとき(比較例1)は、耐刷性および耐汚れ性に劣る。また、台形波を用いた場合(比較例2および3)は、耐汚れ性に劣り、耐刷性にもやや劣る。
【0189】
【表1】
【0190】
【発明の効果】
本発明によれば、平版印刷版としたときの耐汚れ性および耐刷性のいずれにも優れる平版印刷版原版に用いられる平版印刷版用支持体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法における水洗処理に用いられる自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置の模式的な断面図である。
【図2】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法における電気化学的粗面化処理に用いられる正弦波の波形図を示すグラフである。
【図3】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法における交流を用いた電気化学的粗面化処理におけるラジアル型セルの一例を示す側面図である。
【図4】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法における交流を用いた電気化学的粗面化処理におけるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法における陽極酸化処理に用いられる陽極酸化処理装置の概略図である。
【図6】比較例に用いた交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11 アルミニウム板
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b、64 主極
14 電解処理液
15 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18、72 補助陽極(補助電極)
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
40、62 主電解槽(交流電解槽)
50、70 補助陽極槽(補助電解槽)
60 電解粗面化処理装置
66A、66B、74A、74B 搬送ローラ
68A、76A 導入ローラ
68B、76B 導出ローラ
100 自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置
102 水
104 貯水タンク
106 給水筒
108 整流部
410 陽極酸化処理装置
412 給電槽
413 中間槽
414 陽極酸化処理槽
416 アルミニウム板
418、426 電解液
420 陽極
422、428 パスローラ
424 ニップローラ
430 陰極
434 直流電源
436、438 給液ノズル
440 しゃへい板
442 排液口
a 搬送方向
T 搬送面
Tac 電源[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a lithographic printing plate support. More specifically, the present invention relates to a method for producing a lithographic printing plate support used for a lithographic printing plate precursor that is excellent in both stain resistance and printing durability.
[0002]
[Prior art]
An aluminum support for a lithographic printing plate (hereinafter simply referred to as “support for a lithographic printing plate”) used in a lithographic printing plate is produced by subjecting an aluminum plate to a surface roughening treatment or other surface treatment. Examples of the roughening treatment include mechanical roughening treatment, electrochemical roughening treatment (hereinafter also referred to as “electrolytic roughening treatment”), and chemical roughening treatment (chemical etching). A method combining these is known. These roughening treatments are appropriately selected and used according to the purpose.
For example, in
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2002-103841 A
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the present inventor examined the method described in
Accordingly, an object of the present invention is to provide a method for producing a lithographic printing plate support capable of obtaining a lithographic printing plate excellent in both stain resistance and printing durability.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventor has carried out a first electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid (hereinafter also referred to as “first hydrochloric acid electrolysis”). Etching treatment in an alkaline aqueous solution and electrochemical roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time (hereinafter also referred to as “second hydrochloric acid electrolysis”) in this order; and The AC power waveform used in the first hydrochloric acid electrolysis and the second hydrochloric acid electrolysis are both sine waves, and the AC frequency used in the second hydrochloric acid electrolysis is the AC frequency used in the first hydrochloric acid electrolysis. The lithographic printing plate precursor using the obtained lithographic printing plate support is found to be excellent in both stain resistance and printing durability, and the present invention is completed. I let you.
[0006]
That is, the present invention provides the following (1) to (4).
[0007]
(1) At least on the aluminum plate
Electrochemical roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid for the first time;
Etching in alkaline aqueous solution and
Electrochemical roughening treatment using alternating current in aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time
Is a method for producing a lithographic printing plate support, wherein a lithographic printing plate support is obtained in this order,
Used in the first electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid and in the second electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid. AC power supply waveforms are all sine waves,
The frequency of the alternating current used in the electrochemical roughening treatment using alternating current in the aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time is electrochemical using the alternating current in the aqueous solution containing hydrochloric acid for the first time. A method for producing a support for a lithographic printing plate, which is higher than the AC frequency used in the surface roughening treatment.
[0008]
(2) At least on the aluminum plate
Etching treatment in alkaline aqueous solution
Desmut treatment in acidic aqueous solution,
Electrochemical roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid for the first time;
Etching treatment in alkaline solution,
Desmut treatment in acidic aqueous solution,
Electrochemical roughening treatment using alternating current in aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time,
Etching treatment in alkaline solution,
Desmutting in acidic aqueous solution and
Anodizing treatment
Is a method for producing a lithographic printing plate support, wherein a lithographic printing plate support is obtained in this order,
Used in the first electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid and in the second electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid. AC power supply waveforms are all sine waves,
The frequency of the alternating current used in the electrochemical roughening treatment using alternating current in the aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time is electrochemical using the alternating current in the aqueous solution containing hydrochloric acid for the first time. A method for producing a support for a lithographic printing plate, which is higher than the AC frequency used in the surface roughening treatment.
[0009]
(3) The method for producing a lithographic printing plate support according to the above (1) or (2), wherein a hydrophilization treatment is further performed after the anodizing treatment.
[0010]
(4) The method for producing a lithographic printing plate support according to any one of (1) to (3), wherein the aluminum plate has a concavo-convex pattern on a surface thereof.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[Method for producing support for lithographic printing plate]
<Aluminum plate (rolled aluminum)>
A known aluminum plate can be used in the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention. The aluminum plate used in the present invention is a metal whose main component is dimensionally stable aluminum, and is made of aluminum or an aluminum alloy. In addition to a pure aluminum plate, an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of foreign elements can also be used.
[0012]
In the present specification, various substrates made of the above-described aluminum or aluminum alloy are generically used as an aluminum plate. Examples of foreign elements that may be contained in the aluminum alloy include silicon, iron, manganese, magnesium, chromium, zinc, bismuth, nickel, and titanium, and the content of foreign elements in the alloy is 10% by mass or less. .
[0013]
Thus, the composition of the aluminum plate used in the present invention is not specified. For example, a conventionally known material described in the fourth edition of the Aluminum Handbook (1990, published by the Light Metal Association), for example, JIS Al-Mn based aluminum plates such as A1050, JISA1100, JIS A1070, JIS A3004 containing Mn, and internationally registered alloy 3103A can be appropriately used. For the purpose of increasing the tensile strength, an Al—Mg alloy or an Al—Mn—Mg alloy (JIS A3005) in which 0.1 mass% or more of magnesium is added to these aluminum alloys can also be used. Furthermore, an Al—Zr alloy or an Al—Si alloy containing Zr or Si can also be used. Furthermore, an Al—Mg—Si based alloy can also be used.
Moreover, the aluminum plate obtained by rolling UBC (Used Beverage Can) ingot which melt | dissolved the used aluminum beverage can can also be used.
Particularly preferred are Si: 0.07 to 0.09 mass%, Fe: 0.20 to 0.29 mass%, Cu: 0.15 mass% or less, Mn: 0.01 mass% or less, Mg: 0 0.01% by mass or less, Cr: 0.01% by mass or less, Zn: 0.01% by mass or less, Ti: 0.02% by mass or less, and Al: 99.5% by mass or more. In this aluminum plate, the Cu content is preferably 0.01% by mass or more, more preferably 0.02% by mass or more, and preferably 0.12% by mass or less. More preferably, it is 1% by mass or less.
[0014]
Regarding the JIS 1050 material, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 59-153861, 61-51395, 62-146694, 60-215725, and 60-215725. JP 60-215726, JP 60-215727, JP 60-216728, JP 61-272367, JP 58-11759, JP 58-42493, JP 58- 221254, JP-A-62-148295, JP-A-4-254545, JP-A-4-165541, JP-B-3-68939, JP-A-3-234594, JP-B-1-47545, and JP-A-62. It is described in each publication of -140894. In addition, techniques described in Japanese Patent Publication No. 1-35910 and Japanese Patent Publication No. 55-28874 are also known.
[0015]
Regarding the JIS 1070 material, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in JP-A-7-81264, JP-A-7-305133, JP-A-8-49034, JP-A-8-73974, JP-A-8-108659 and It is described in JP-A-8-92679.
[0016]
Regarding Al-Mg alloys, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in Japanese Patent Publication Nos. Sho 62-5080, Sho 63-60823, Shoko 3-61753, JP Sho 60-20396, JP-A-60-203497, JP-B-3-11635, JP-A-61-274993, JP-A-62-23794, JP-A-63-47347, JP-A-63-47348, JP-A-63-47349. JP-A 64-1293, JP-A 63-135294, JP-A 63-87288, JP-B 4-73392, JP-B 7-100844, JP-A 62-149856, JP-B JP-A-4-73394, JP-A-62-181191, JP-B-5-76530, JP-A-63-30294, and JP-B-6-37116. Also described in JP-A-2-215599, JP-A-61-201747, and the like.
[0017]
Regarding the Al—Mn alloy, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 60-230951, 1-306288, and 2-293189. In addition, JP-B-54-42284, JP-B-4-19290, JP-B-4-19291, JP-B-4-19292, JP-A-61-35995, JP-A-64-51992, JP-A-4-19592, No. 226394, US Pat. No. 5,009,722, US Pat. No. 5,028,276 and the like.
[0018]
With regard to the Al—Mn—Mg alloy, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 62-86143 and 3-2222796. JP-B 63-60824, JP-A 60-63346, JP-A 60-63347, JP-A-1-293350, European Patent No. 223,737, US Pat. No. 4,818, No. 300, British Patent No. 1,222,777, etc.
[0019]
Regarding the Al—Zr alloy, the technique proposed by the applicant of the present application is described in Japanese Patent Publication No. 63-15978 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-51395. Also described in JP-A-63-143234 and JP-A-63-143235.
[0020]
The Al—Mg—Si alloy is described in British Patent 1,421,710.
[0021]
In order to use an aluminum alloy as a plate material, for example, the following method can be employed. First, a molten aluminum alloy adjusted to a predetermined alloy component content is subjected to a cleaning process and cast according to a conventional method. In the cleaning process, in order to remove unnecessary gas such as hydrogen in the molten metal, flux treatment, degassing process using argon gas, chlorine gas, etc., so-called rigid media filter such as ceramic tube filter, ceramic foam filter, A filtering process using a filter that uses alumina flakes, alumina balls or the like as a filter medium, a glass cloth filter, or a combination of a degassing process and a filtering process is performed.
[0022]
These cleaning treatments are preferably performed in order to prevent defects caused by foreign matters such as non-metallic inclusions and oxides in the molten metal and defects caused by gas dissolved in the molten metal. Regarding filtering of the molten metal, JP-A-6-57432, JP-A-3-162530, JP-A-5-140659, JP-A-4-231425, JP-A-4-276031, JP-A-5-311261, JP-A-5-311261 6-136466 and the like. Further, the degassing of the molten metal is described in JP-A-5-51659, Japanese Utility Model Laid-Open No. 5-49148, and the like. The applicant of the present application has also proposed a technique relating to degassing of molten metal in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-40017.
[0023]
Next, casting is performed using the molten metal that has been subjected to the cleaning treatment as described above. As for the casting method, there are a method using a solid mold typified by a DC casting method and a method using a driving mold typified by a continuous casting method.
In DC casting, solidification occurs at a cooling rate of 0.5 to 30 ° C./second. When the temperature is less than 1 ° C., many coarse intermetallic compounds may be formed. When DC casting is performed, an ingot having a thickness of 300 to 800 mm can be manufactured. The ingot is chamfered as necessary according to a conventional method, and usually 1 to 30 mm, preferably 1 to 10 mm, of the surface layer is cut. Before and after that, soaking treatment is performed as necessary. When performing the soaking process, heat treatment is performed at 450 to 620 ° C. for 1 to 48 hours so that the intermetallic compound does not become coarse. If the heat treatment is shorter than 1 hour, the effect of soaking may be insufficient. In addition, when soaking is not performed, there is an advantage that the cost can be reduced.
[0024]
Then, hot rolling and cold rolling are performed to obtain a rolled aluminum plate. An appropriate starting temperature for hot rolling is 350 to 500 ° C. An intermediate annealing treatment may be performed before or after hot rolling or in the middle thereof. The conditions for the intermediate annealing treatment are heating at 280 to 600 ° C. for 2 to 20 hours, preferably 350 to 500 ° C. for 2 to 10 hours using a batch annealing furnace, or 400 to 600 ° C. using a continuous annealing furnace. Heating is performed for 6 minutes or less, preferably 450 to 550 ° C. for 2 minutes or less. The crystal structure can be made finer by heating at a heating rate of 10 to 200 ° C./second using a continuous annealing furnace.
[0025]
The flatness of the aluminum plate finished to a predetermined thickness, for example, 0.1 to 0.5 mm by the above steps may be further improved by a correction device such as a roller leveler or a tension leveler. The flatness may be improved after the aluminum plate is cut into a sheet shape, but in order to improve productivity, it is preferably performed in a continuous coil state. Further, a slitter line may be used for processing into a predetermined plate width. Moreover, in order to prevent generation | occurrence | production of the damage | wound by friction between aluminum plates, you may provide a thin oil film on the surface of an aluminum plate. As the oil film, a volatile or non-volatile film is appropriately used as necessary.
[0026]
On the other hand, as the continuous casting method, a twin roll method (hunter method), a method using a cooling roll represented by the 3C method, a twin belt method (Hasley method), a cooling belt or a cooling block represented by the Al Swiss Caster II type The method using is industrially performed. When the continuous casting method is used, it solidifies at a cooling rate of 100 to 1000 ° C./second. Since the continuous casting method generally has a higher cooling rate than the DC casting method, it has a feature that the solid solubility of the alloy component in the aluminum matrix can be increased. Regarding the continuous casting method, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in JP-A-3-79798, JP-A-5-201166, JP-A-5-156414, JP-A-6-262203, and JP-A-6-122949. JP-A-6-210406 and JP-A-6-26308.
[0027]
When continuous casting is performed, for example, if a method using a cooling roll such as a Hunter method is used, a cast plate having a thickness of 1 to 10 mm can be directly cast continuously, and the hot rolling step is omitted. The advantage of being able to In addition, when a method using a cooling belt such as the Husley method is used, a cast plate having a thickness of 10 to 50 mm can be cast. Generally, a hot rolling roll is arranged immediately after casting and continuously rolled. Thus, a continuous cast and rolled plate having a thickness of 1 to 10 mm is obtained.
[0028]
These continuous cast and rolled plates are subjected to processes such as cold rolling, intermediate annealing, improvement of flatness, slits, and the like in the same manner as described for DC casting. Finished to a thickness of 5 mm. Regarding the intermediate annealing condition and the cold rolling condition when using the continuous casting method, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in JP-A-6-220593, JP-A-6-210308, JP-A-7-54111, It is described in JP-A-8-92709.
[0029]
The aluminum plate used in the present invention is preferably subjected to H18 tempering as defined in JIS.
[0030]
Various characteristics described below are desired for the aluminum plate thus manufactured.
As for the strength of the aluminum plate, it is preferable that the 0.2% proof stress is 120 MPa or more in order to obtain the stiffness required for a lithographic printing plate support. Moreover, in order to obtain a certain level of waist strength even when performing a burning treatment, the 0.2% yield strength after heat treatment at 270 ° C. for 3 to 10 minutes is preferably 80 MPa or more, and 100 MPa or more. It is more preferable that In particular, when the waist strength is required for an aluminum plate, an aluminum material added with Mg or Mn can be used, but if the waist is strengthened, the ease of fitting to the plate cylinder of a printing press becomes inferior. Depending on the application, the material and the amount of trace components added are appropriately selected. With regard to these, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 7-126820 and 62-140894.
The aluminum plate has a tensile strength of 160 ± 15 N / mm. 2 More preferably, the 0.2% proof stress is 140 ± 15 MPa, and the elongation specified in JIS Z2241 and Z2201 is 1 to 10%.
[0031]
The crystal structure of the aluminum plate may cause poor surface quality when the surface of the aluminum plate is subjected to chemical or electrochemical surface roughening. It is preferably not too coarse. The crystal structure on the surface of the aluminum plate preferably has a width of 200 μm or less, more preferably 100 μm or less, still more preferably 50 μm or less, and the length of the crystal structure is 5000 μm or less. Is preferably 1000 μm or less, and more preferably 500 μm or less. With regard to these, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Laid-Open Nos. 6-218495, 7-39906, and 7-124609.
[0032]
The alloy component distribution of the aluminum plate, when chemical surface roughening treatment or electrochemical surface roughening treatment is performed, poor surface quality occurs due to non-uniform distribution of the alloy component on the surface of the aluminum plate. Therefore, it is preferable that the surface is not very uneven. With regard to these, the techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Laid-Open Nos. 6-48058, 5-301478, and 7-132689.
[0033]
In the intermetallic compound of the aluminum plate, the size and density of the intermetallic compound may affect the chemical roughening treatment or the electrochemical roughening treatment. With regard to these, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Laid-Open Nos. 7-138687 and 4-254545.
[0034]
In the present invention, the aluminum plate as shown above can be used by forming irregularities by lamination rolling, transfer or the like in the final rolling step or the like.
Above all, along with cold rolling to adjust the final plate thickness or finish cold rolling to finish the surface shape after final plate thickness adjustment, the uneven surface is transferred to the aluminum plate by pressing the uneven surface to the aluminum plate. A method of forming an uneven pattern is preferred. Specifically, the method described in JP-A-6-262203 can be suitably used.
By using an aluminum plate having a concavo-convex pattern on the surface, it is possible to easily adjust the amount of dampening water on the printing press while reducing energy consumed in subsequent alkali etching treatment and roughening treatment. it can. For example, in the first alkali etching process described later, the etching amount is 3 g / m. 2 It can be reduced to less than about.
Furthermore, by using an aluminum plate having a concavo-convex pattern on the surface, adjustment of the amount of dampening water can be facilitated without deteriorating sensitivity (that is, shinyness can be improved).
[0035]
The transfer is particularly preferably performed in the final cold rolling step of a normal aluminum plate. Rolling for transfer is preferably performed in 1 to 3 passes, and the rolling reduction is preferably 3 to 8%.
[0036]
As a method for obtaining a rolling roll having unevenness on its surface, which is used for unevenness transfer, for example, a method of subjecting the surface of a steel roll to a surface roughening treatment by shot blasting or sandblasting, and polishing with a grindstone or paper containing abrasive grains And a method of generating a dent by irradiating a laser, and a method of performing a chemical roughening treatment or an electrochemical roughening treatment. The roughening treatment by shot blasting or sand blasting may be wet or dry. When a chemical surface roughening treatment or an electrochemical surface roughening treatment is performed, a resist is applied, and then exposure and development are performed to generate a pattern, and etching can be performed so as to form the pattern.
After obtaining the rolling roll having irregularities on the surface by the above-described method, it is preferable to harden by quenching, hard chrome plating or the like in order to prevent surface abrasion.
[0037]
For example, JP-A-60-36195, JP-A-2002-251005, JP-A-60-203495, JP-A-55-74898, and JP-A-62-2 The method described in each publication of No. 111792 can be used.
[0038]
It is preferable that the aluminum plate on which the concavo-convex pattern is formed using a rolling roll having concavo-convex on the surface has a structure having concavo-convex of 5 to 100 μm pitch on the surface.
In this case, arithmetic mean roughness (R a ) Is preferably 0.4 to 1.5 μm, more preferably 0.4 to 0.8 μm. R max Is preferably 1 to 10 μm, more preferably 2 to 8 μm. R Sm Is preferably 5 to 150 μm, more preferably 70 to 100 μm.
The number of concave portions on the surface is 200 to 40,000 pieces / mm. 2 It is preferable that it is 6000-12000 pieces / mm. 2 It is more preferable that
Moreover, it is more preferable to form an uneven pattern on both sides. By forming the concavo-convex pattern on both surfaces, the elongation ratio of aluminum on the front surface and the back surface becomes the same, and it becomes easy to obtain an aluminum plate particularly excellent in flatness.
[0039]
The aluminum plate used in the present invention is a continuous belt-like sheet material or plate material. That is, it may be an aluminum web or a sheet-like sheet cut to a size corresponding to a planographic printing plate precursor shipped as a product.
Since scratches on the surface of the aluminum plate may become defects when processed into a lithographic printing plate support, it is possible to generate scratches at the stage prior to the surface treatment process for making a lithographic printing plate support It is necessary to suppress as much as possible. For that purpose, it is preferable that the package has a stable form and is not easily damaged during transportation.
In the case of an aluminum web, for example, the packing form of aluminum is, for example, laying a hardboard and felt on an iron pallet, applying cardboard donut plates to both ends of the product, wrapping the whole with a polytube, and inserting a wooden donut into the inner diameter of the coil Then, a felt is applied to the outer periphery of the coil, the band is squeezed with a band, and the display is performed on the outer periphery. Moreover, a polyethylene film can be used as the packaging material, and a needle felt or a hard board can be used as the cushioning material. There are various other forms, but the present invention is not limited to this method as long as it is stable and can be transported without being damaged.
[0040]
The thickness of the aluminum plate used in the present invention is about 0.1 mm to 0.6 mm, preferably 0.15 mm to 0.4 mm, and more preferably 0.2 mm to 0.3 mm. This thickness can be appropriately changed according to the size of the printing press, the size of the printing plate, the user's desires, and the like.
[0041]
<Surface treatment>
In the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention, at least a first hydrochloric acid electrolysis, an alkali etching treatment and a second hydrochloric acid electrolysis are performed in this order on the aluminum plate described above to obtain a lithographic printing plate support.
In the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention, various steps other than those described above may be included.
[0042]
Among them, at least a first alkali etching treatment, a first desmutting treatment, a first hydrochloric acid electrolysis, a second alkali etching treatment, a second desmutting treatment, a second hydrochloric acid electrolysis, a third alkali etching treatment, and a third desmutting treatment. And a method of performing anodizing treatment in this order, and a method of further performing a hydrophilic treatment after the anodizing treatment.
Hereinafter, each step of the surface treatment will be described in detail.
[0043]
<First alkali etching treatment>
The alkali etching treatment is a treatment for dissolving the surface layer by bringing the above-described aluminum plate into contact with an alkali solution.
[0044]
The first alkaline etching process performed before hydrochloric acid electrolysis is to form uniform recesses by hydrochloric acid electrolysis and to remove rolling oil, dirt, natural oxide film, etc. on the surface of the aluminum plate (rolled aluminum). Done as a purpose.
In the first alkaline etching treatment, the etching amount is 0.1 g / m. 2 Preferably, it is 0.5 g / m 2 More preferably, it is 1 g / m. 2 More preferably, it is 10 g / m. 2 The following is preferable, 8 g / m 2 More preferably, it is 5 g / m or less. 2 More preferably, it is 3 g / m or less. 2 More preferably, it is as follows. If the etching amount is too small, uniform pits cannot be generated in hydrochloric acid electrolysis and unevenness may occur. On the other hand, when there is too much etching amount, the usage-amount of alkaline aqueous solution will increase and it will become economically disadvantageous.
[0045]
Examples of the alkali used in the alkaline solution include caustic alkali and alkali metal salts. Specifically, examples of caustic alkali include caustic soda and caustic potash. Examples of alkali metal salts include alkali metal silicates such as sodium silicate, sodium silicate, potassium metasilicate, and potassium silicate; alkali metal carbonates such as sodium carbonate and potassium carbonate; sodium aluminate and alumina. Alkali metal aluminates such as potassium acid; alkali metal aldones such as sodium gluconate and potassium gluconate; dibasic sodium phosphate, dibasic potassium phosphate, primary sodium phosphate, primary potassium phosphate, etc. An alkali metal hydrogen phosphate is mentioned. Among these, a caustic alkali solution and a solution containing both a caustic alkali and an alkali metal aluminate are preferable from the viewpoint of high etching rate and low cost. In particular, an aqueous solution of caustic soda is preferable.
[0046]
In the first alkali etching treatment, the concentration of the alkaline solution is preferably 30 g / L or more, more preferably 300 g / L or more, and preferably 500 g / L or less, 450 g / L. The following is more preferable.
The alkaline solution preferably contains aluminum ions. The aluminum ion concentration is preferably 1 g / L or more, more preferably 50 g / L or more, and preferably 200 g / L or less, more preferably 150 g / L or less. Such an alkaline solution can be prepared using, for example, water, a 48 mass% sodium hydroxide aqueous solution, and sodium aluminate.
[0047]
In the first alkali etching treatment, the temperature of the alkaline solution is preferably 30 ° C. or higher, more preferably 50 ° C. or higher, and preferably 80 ° C. or lower, and 75 ° C. or lower. Is more preferable.
[0048]
In the first alkali etching treatment, the treatment time is preferably 1 second or longer, more preferably 2 seconds or longer, more preferably 30 seconds or shorter, and more preferably 15 seconds or shorter. preferable.
[0049]
When the aluminum plate is continuously etched, the aluminum ion concentration in the alkaline solution increases, and the etching amount of the aluminum plate varies. Therefore, the composition management of the etching solution is preferably performed as follows.
That is, a matrix of conductivity, specific gravity, and temperature, or a matrix of conductivity, ultrasonic velocity, and temperature, corresponding to the matrix of caustic soda concentration and aluminum ion concentration, is prepared in advance, and the conductivity and specific gravity. The liquid composition is measured according to the temperature and temperature, or the electrical conductivity, the ultrasonic wave propagation speed, and the temperature, and caustic soda and water are added so that the control target value of the liquid composition is reached. Then, the amount of the etching liquid increased by adding caustic soda and water is overflowed from the circulation tank, thereby keeping the liquid amount constant. As caustic soda to be added, 40 to 60% by mass for industrial use can be used.
As the conductivity meter and the specific gravity meter, it is preferable to use those that are temperature-compensated. As the specific gravity meter, a differential pressure type is preferably used.
[0050]
Examples of the method of bringing the aluminum plate into contact with the alkaline solution include, for example, a method in which the aluminum plate is passed through a tank containing the alkaline solution, a method in which the aluminum plate is immersed in a tank containing the alkaline solution, The method of spraying on the surface of a board is mentioned.
[0051]
Among these, a method in which an alkali solution is sprayed on the surface of an aluminum plate is preferable. Specifically, a method of spraying an etching solution in an amount of 10 to 100 L / min per spray tube from a spray tube having φ2 to 5 mm holes at a pitch of 10 to 50 mm is preferable. It is preferable to provide a plurality of spray tubes.
[0052]
After the alkali etching process is completed, it is preferable to drain the liquid with a nip roller, and further perform the water washing process for 1 to 10 seconds and then drain the liquid with a nip roller.
The water washing treatment is preferably carried out using an apparatus for washing with a free-falling curtain-like liquid film, and further using a spray tube.
[0053]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of an apparatus for washing with a free-falling curtain-like liquid film. As shown in FIG. 1, an
In the
[0054]
If an apparatus for washing with a free-fall curtain-like liquid film as shown in FIG. 1 is used, the aluminum plate can be uniformly washed with water, so that the uniformity of the treatment performed before the washing process is improved. Can be improved.
As a specific apparatus for washing with a free-fall curtain-like liquid film, for example, an apparatus described in JP-A-2003-96584 is preferably exemplified.
[0055]
Moreover, as a spray tube used for the water-washing process, for example, a spray tube having a plurality of spray tips in the width direction of the aluminum plate in which spray water spreads in a fan shape can be used. The distance between spray tips is preferably 20 to 100 mm, and the amount of liquid per spray tip is preferably 0.5 to 20 L / min. It is preferable to use a plurality of spray tubes.
[0056]
<First desmut treatment>
After the first alkali etching treatment, pickling (first desmutting treatment) is preferably performed in order to remove dirt (smut) remaining on the surface. The desmut treatment is performed by bringing an aluminum plate into contact with an acidic solution.
[0057]
Examples of the acid used include nitric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, chromic acid, hydrofluoric acid, and borohydrofluoric acid.
In the first desmut process performed after the first alkali etching process, it is preferable to use an overflow waste liquid of the electrolyte used for the hydrochloric acid electrolysis performed subsequently. Moreover, it is also preferable to use the overflow waste liquid of the sulfuric acid solution used as electrolyte solution for the anodic oxidation process mentioned later.
[0058]
In the composition management of the desmut treatment liquid, a method of managing by conductivity and temperature, a method of managing by conductivity, specific gravity and temperature, and a conductivity and superconductivity corresponding to a matrix of acidic solution concentration and aluminum ion concentration. Either of the methods managed by the propagation speed of sound waves and temperature can be selected and used.
When the overflow waste liquid of the roughening treatment or the anodizing treatment is used, a method of managing by the electric conductivity and temperature is preferable.
[0059]
In the first desmutting treatment, it is preferable to use an acidic solution containing 1 to 400 g / L of acid and 0.1 to 5 g / L of aluminum ions.
[0060]
The temperature of the acidic solution is preferably 20 ° C. or more, more preferably 30 ° C. or more, and preferably 70 ° C. or less, more preferably 60 ° C. or less.
[0061]
In the first desmutting treatment, the treatment time is preferably 1 second or longer, more preferably 4 seconds or longer, and preferably 60 seconds or shorter, more preferably 40 seconds or shorter. .
[0062]
Examples of the method of bringing the aluminum plate into contact with the acidic solution include, for example, a method of passing the aluminum plate through a bath containing the acidic solution, a method of immersing the aluminum plate in a bath containing the acidic solution, and an acidic solution containing aluminum. The method of spraying on the surface of a board is mentioned.
Among these, a method in which an acidic solution is sprayed on the surface of an aluminum plate is preferable. Specifically, a method of spraying an etching solution in an amount of 10 to 100 L / min per spray tube from a spray tube having φ2 to 5 mm holes at a pitch of 10 to 50 mm is preferable. It is preferable to provide a plurality of spray tubes.
[0063]
After the desmutting process is completed, it is preferable to drain the liquid with a nip roller, and further perform the water washing process for 1 to 10 seconds, and then drain the liquid with a nip roller.
The water washing treatment is the same as the water washing treatment after the alkali etching treatment. However, the amount of liquid per spray tip is preferably 1 to 20 L / min.
[0064]
In the first desmutting treatment, when using the overflow waste solution of the electrolytic solution used for the subsequent hydrochloric acid electrolysis as the desmutting treatment solution, the surface of the aluminum plate is not subjected to the draining with a nip roller and the water washing treatment after the desmutting treatment. It is preferable to handle the aluminum plate up to the hydrochloric acid electrolysis step while spraying a desmut treatment solution as necessary so that it does not dry.
[0065]
<First hydrochloric acid electrolysis>
The first hydrochloric acid electrolysis is an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid. In the present invention, by combining the first hydrochloric acid electrolysis and the second hydrochloric acid electrolysis described later, a complicated uneven structure can be formed on the surface of the aluminum plate, and thus the printing durability is excellent. can do.
[0066]
The first hydrochloric acid electrolysis can follow the electrochemical grain method (electrolytic grain method) described in, for example, Japanese Patent Publication No. 48-28123 and British Patent No. 896,563. This electrolytic grain method uses a sinusoidal alternating current, but it may be performed using a special waveform as described in JP-A-52-58602. Further, the waveform described in JP-A-3-79799 can also be used. JP-A-55-158298, JP-A-56-28898, JP-A-52-58602, JP-A-52-152302, JP-A-54-85802, JP-A-60-190392, JP-A-58-120531, JP-A-63-176187, JP-A-1-5889, JP-A-1-280590, JP-A-1-118489, JP-A-1-148592, and JP-A-1-17896. JP-A-1-188315, JP-A-1-1549797, JP-A-2-235794, JP-A-3-260100, JP-A-3-253600, JP-A-4-72079, JP-A-4-72098, The methods described in JP-A-3-267400 and JP-A-1-141094 can also be applied. In addition to the above, it is also possible to perform electrolysis using an alternating current having a special frequency that has been proposed as a method of manufacturing an electrolytic capacitor. For example, it is described in US Pat. Nos. 4,276,129 and 4,676,879.
[0067]
Various electrolyzers and power sources have been proposed, including US Pat. No. 4,203,637, JP-A-56-123400, JP-A-57-59770, JP-A-53-12738, JP 53-32821, JP 53-32222, JP 53-32823, JP 55-122896, JP 55-13284, JP 62-127500, JP Those described in JP-A-1-52100, JP-A-1-52098, JP-A-60-67700, JP-A-1-230800, JP-A-3-257199 and the like can be used.
Also, JP-A-52-58602, JP-A-52-152302, JP-A-53-12738, JP-A-53-12739, JP-A-53-32821, JP-A-53-32822, JP 53-32833, JP 53-32824, JP 53-32825, JP 54-85802, JP 55-122896, JP 55-13284, JP 48-28123, JP-B-51-7081, JP-A-52-13338, JP-A-52-133840, JP-A-52-133844, JP-A-52-133845, JP-A-53- Nos. 149135 and 54-146234 can be used.
[0068]
The aqueous solution containing hydrochloric acid is an aqueous solution of hydrochloric acid having a concentration of 1 to 100 g / L, in a range from 1 g / L to saturation of at least one hydrochloric acid compound having hydrochloric acid ions such as aluminum chloride, sodium chloride, and ammonium chloride. It can be used by adding. Moreover, the metal contained in aluminum alloys, such as iron, copper, manganese, nickel, titanium, magnesium, and a silica, may melt | dissolve in the aqueous solution containing hydrochloric acid.
Specifically, a solution prepared by dissolving aluminum chloride in an aqueous hydrochloric acid solution having a hydrochloric acid concentration of 2 to 10 g / L, preferably 4 to 6 g / L, and adjusting the aluminum ion concentration to 3 to 7 g / L is preferable.
[0069]
The temperature of the aqueous solution containing hydrochloric acid is preferably 25 ° C. or higher, more preferably 30 ° C. or higher, more preferably 55 ° C. or lower, and even more preferably 40 ° C. or lower.
[0070]
When the aluminum plate is continuously subjected to electrolytic surface roughening, the concentration of aluminum ions in the alkaline solution increases, and the uneven shape of the aluminum plate formed by hydrochloric acid electrolysis varies. Therefore, it is preferable to manage the composition of the hydrochloric acid electrolyte as follows.
That is, a matrix of conductivity, specific gravity, and temperature, or a matrix of conductivity, ultrasonic propagation velocity, and temperature, corresponding to the matrix of hydrochloric acid concentration and aluminum ion concentration, is prepared in advance, and the conductivity and specific gravity. The liquid composition is measured according to the temperature and temperature, or the electrical conductivity, the ultrasonic wave propagation speed, and the temperature, and hydrochloric acid and water are added so that the control target value of the liquid composition is reached. Then, the electrolytic solution increased by adding hydrochloric acid and water is allowed to overflow from the circulation tank, thereby keeping the amount of the solution constant. As hydrochloric acid to add, the industrial thing of 10-40 mass% can be used.
As the conductivity meter and the specific gravity meter, it is preferable to use those that are temperature-compensated. As the specific gravity meter, a differential pressure type is preferably used.
Samples taken from the electrolyte for use in measurement of the liquid composition are used for measurement after being controlled at a constant temperature (for example, 35 ± 0.5 ° C.) using a heat exchanger different from the electrolyte. However, it is preferable in that the accuracy of measurement is increased.
[0071]
Further, by adding and using a compound capable of forming a complex with Cu, uniform graining is possible even for an aluminum plate containing a large amount of Cu. Examples of the compound capable of forming a complex with Cu include ammonia; hydrogen atom of ammonia such as methylamine, ethylamine, dimethylamine, diethylamine, trimethylamine, cyclohexylamine, triethanolamine, triisopropanolamine, EDTA (ethylenediaminetetraacetic acid), etc. And amines obtained by substituting with a hydrocarbon group (aliphatic, aromatic, etc.); metal carbonates such as sodium carbonate, potassium carbonate, potassium hydrogen carbonate and the like. In addition, ammonium salts such as ammonium nitrate, ammonium chloride, ammonium sulfate, ammonium phosphate, and ammonium carbonate are also included.
[0072]
In the present invention, the AC waveform used for the electrochemical roughening treatment is a sine wave. As the sine wave, for example, commercial alternating current can be used. In the present invention, any sine wave may be used. For example, a pseudo sine wave or a modified sine wave generated by a PWM (pulse width modulation) control power source may be used.
In the first hydrochloric acid electrolysis and the second hydrochloric acid electrolysis described later, when a sine wave alternating current is used, the lithographic printing plate has excellent stain resistance compared to the case where a trapezoidal wave is used. This is presumably because the formation of uniform crater-shaped recesses reduces the generation of deep pits, making it difficult for ink to get caught during printing.
[0073]
A sine wave AC duty ratio of 0.33 to 0.66 can be used. However, as described in Japanese Patent Laid-Open No. 5-195300, in an indirect power feeding method using no conductor roll in aluminum, A duty ratio of 0.45 to 0.55 is preferable. The duty ratio is a ratio of time to period when the aluminum plate is an anode (anode), and is represented by ta / T in the sine wave shown in FIG.
The frequency of the sinusoidal alternating current is set to be higher in the second hydrochloric acid electrolysis than in the first hydrochloric acid electrolysis. Thereby, compared with the case where the frequency in the second hydrochloric acid electrolysis is lower than the frequency in the first hydrochloric acid electrolysis, the lithographic printing plate has excellent stain resistance and printing durability. This is because, by making the frequency in the second hydrochloric acid electrolysis higher than the frequency in the first hydrochloric acid electrolysis, crater-like pits having a smaller opening diameter are more easily generated in the second hydrochloric acid electrolysis than in the first hydrochloric acid electrolysis. Therefore, it is considered that the pits generated by the first hydrochloric acid electrolysis and the pits generated by the second hydrochloric acid electrolysis are easily overlapped to increase the surface area.
[0074]
Specifically, 0.1 to 120 Hz can be used, but 40 to 120 Hz is preferable in terms of equipment. If it is lower than 40 Hz, the carbon electrode of the main electrode is likely to be dissolved, and if it is higher than 120 Hz, it is likely to be affected by the inductance component on the power supply circuit, and the power supply cost is increased.
[0075]
One or more AC power supplies can be connected to the electrolytic cell. As shown in FIG. 3, the current ratio between the AC anode and cathode applied to the aluminum plate facing the main electrode is controlled to achieve uniform graining and to dissolve the carbon of the main electrode. In addition, it is preferable to install an auxiliary anode and divert part of the alternating current. In FIG. 3, 11 is an aluminum plate, 12 is a radial drum roller, 13a and 13b are main poles, 14 is an electrolytic treatment liquid, 15 is an electrolytic solution supply port, and 16 is a slit. , 17 is an electrolyte passage, 18 is an auxiliary anode, 19a and 19b are thyristors, 20 is an AC power source, 40 is a main electrolytic cell, and 50 is an auxiliary anode cell. An anodic reaction that acts on the aluminum plate facing the main electrode by diverting a part of the current value as a direct current to an auxiliary anode provided in a tank separate from the two main electrodes via a rectifier or switching element It is possible to control the ratio between the current value for the current and the current value for the cathode reaction. On the aluminum plate facing the main electrode, the ratio of the amount of electricity involved in the anodic reaction and the cathodic reaction (the amount of electricity during cathode / the amount of electricity during anode) is preferably 0.3 to 1.0. It is more preferably 9 to 0.95.
[0076]
As the electrolytic cell, electrolytic cells used for known surface treatments such as a vertical type, a flat type, and a radial type can be used, but a radial type electrolytic cell as described in JP-A-5-195300 is particularly preferable. . The electrolytic solution passing through the electrolytic cell may be parallel to the traveling direction of the aluminum web or may be a counter.
[0077]
In FIG. 4, sectional drawing of an example of the electrolytic surface-roughening processing apparatus provided with the flat type | mold alternating current electrolytic cell used for this invention is shown. In FIG. 4, 62 is an AC electrolytic cell, 64 is a main electrode, 66A, 66B, 74A and 74B are conveying rollers, 68A and 76A are introduction rollers, 68B and 76B are lead-out rollers, 70 is an auxiliary electrolytic cell, 72 Is an auxiliary electrode, and 60 is an electrolytic surface roughening apparatus. The electrolytic surface
[0078]
The electrolytic surface-
[0079]
An auxiliary
[0080]
The operation of the electrolytic
The
Inside the AC
[0081]
In the first hydrochloric acid electrolysis, the total amount of electricity involved in the anode reaction of the aluminum plate at the time when the electrolytic reaction is completed is 200 C / dm. 2 Or more, preferably 300 C / dm 2 More preferably, it is 1000 C / dm. 2 Or less, preferably 600 C / dm 2 The following is more preferable. The current density at this time is 10 to 100 A / dm in terms of the current peak value (value from zero to peak). 2 Is preferred.
By the first hydrochloric acid electrolysis performed under such conditions, crater-like pits having an opening diameter of 3 to 15 μm can be formed.
[0082]
After the hydrochloric acid electrolysis is completed, it is preferable to drain the liquid with a nip roller, and after washing with water for 1 to 10 seconds, the liquid is drained with a nip roller.
The washing treatment is preferably carried out using a spray tube. As the spray tube used for the water washing treatment, for example, a spray tube having a plurality of spray tips in the width direction of the aluminum plate in which fan water spreads in a fan shape can be used. The distance between spray tips is preferably 20 to 100 mm, and the amount of liquid per spray tip is preferably 1 to 20 L / min. It is preferable to use a plurality of spray tubes.
[0083]
<Second alkali etching treatment>
The second alkaline etching process performed between the first hydrochloric acid electrolysis and the second hydrochloric acid electrolysis involves dissolving the smut generated by the first hydrochloric acid electrolysis and removing the edge portion of the pit formed by the first hydrochloric acid electrolysis. It is performed for the purpose of dissolving. Since the second alkali etching process is basically the same as the first alkali etching process, only different points will be described below.
[0084]
In the second alkali etching treatment, the etching amount is 0.05 g / m. 2 Preferably, it is 0.1 g / m 2 More preferably, it is 4 g / m. 2 The following is preferable, 3.5 g / m 2 The following is more preferable. If the etching amount is too small, the edge portion of the pit generated by hydrochloric acid electrolysis is not smooth in the non-image portion of the lithographic printing plate, and the ink is likely to get caught, so that the stain resistance may be deteriorated. On the other hand, when the etching amount is too large, the unevenness generated by hydrochloric acid electrolysis is reduced, and the printing durability may be deteriorated.
[0085]
In the second alkali etching treatment, the concentration of the alkaline solution is preferably 30 g / L or more, more preferably 300 g / L or more, and preferably 500 g / L or less, 450 g / L. The following is more preferable.
The alkaline solution preferably contains aluminum ions. The aluminum ion concentration is preferably 1 g / L or more, more preferably 50 g / L or more, and preferably 200 g / L or less, more preferably 150 g / L or less. Such an alkaline solution can be prepared using, for example, water, a 48 mass% sodium hydroxide aqueous solution, and sodium aluminate.
[0086]
In the second alkali etching treatment, the temperature of the alkaline solution is preferably 30 ° C or higher, more preferably 35 ° C or higher, and preferably 60 ° C or lower, and 50 ° C or lower. Is more preferable.
[0087]
In the second alkali etching treatment, the treatment time is preferably 1 second or longer, more preferably 2 seconds or longer, more preferably 30 seconds or shorter, and more preferably 10 seconds or shorter. preferable.
[0088]
<Second desmut treatment>
After the second alkali etching treatment, pickling (second desmut treatment) is preferably performed to remove dirt (smut) remaining on the surface. The second desmut process can be performed in the same manner as the first desmut process. In particular, it is preferable to carry out at a liquid temperature of 30 to 70 ° C. by using an overflow waste liquid of anodizing treatment described later.
[0089]
<Second hydrochloric acid electrolysis>
The second hydrochloric acid electrolysis is an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid. In the present invention, by combining the above-described first hydrochloric acid electrolysis and the second hydrochloric acid electrolysis, a complicated uneven structure can be formed on the surface of the aluminum plate, and thus the printing durability is excellent. can do.
[0090]
The second hydrochloric acid electrolysis is basically the same as the above-described first hydrochloric acid electrolysis except that an alternating current having a higher frequency than the alternating current used for the first hydrochloric acid electrolysis is used. It is preferable to carry out under the condition that the opening diameter of the concave portion generated by the first hydrochloric acid electrolysis described above is smaller. For example, the pit generated by the second hydrochloric acid electrolysis is set to have an opening diameter of 0.01 to 3 μm.
Lithographic printing with a complex concavo-convex structure by forming the opening diameter of the recesses larger with the first hydrochloric acid electrolysis and smaller with the second hydrochloric acid electrolysis, so that the recesses of different sizes are superimposed in the two hydrochloric acid electrolysis A plate support is obtained. Specifically, for example, a pit formed by second hydrochloric acid electrolysis having an opening diameter of 0.01 to 3 μm is superimposed on a pit formed by first hydrochloric acid electrolysis having an opening diameter of 3 to 15 μm.
[0091]
In addition, in the second hydrochloric acid electrolysis, the total amount of electricity involved in the anode reaction of the aluminum plate at the time when the electrolytic reaction is completed is 10 C / dm. 2 Or more, preferably 30 C / dm 2 More preferably, it is 50 C / dm 2 More preferably, it is 400 C / dm. 2 Or less, preferably 300 C / dm 2 More preferably, it is 250 C / dm 2 More preferably, it is as follows.
[0092]
<Third alkali etching treatment>
The third alkali etching process performed after the hydrochloric acid electrolysis is performed for the purpose of dissolving the smut generated by the hydrochloric acid electrolysis and dissolving the edge portion of the pit formed by the hydrochloric acid electrolysis. Since the third alkali etching process is basically the same as the first alkali etching process, only different points will be described below.
[0093]
In the third alkali etching treatment, the etching amount is 0.05 g / m. 2 Preferably, it is 0.1 g / m 2 More preferably, it is 0.3 g / m. 2 Or less, preferably 0.25 g / m 2 The following is more preferable. If the etching amount is too small, the edge portion of the pit generated by hydrochloric acid electrolysis is not smooth in the non-image portion of the lithographic printing plate, and the ink is likely to get caught, so that the stain resistance may be deteriorated. On the other hand, when the etching amount is too large, the unevenness generated by the first hydrochloric acid electrolysis and the second hydrochloric acid electrolysis becomes small, so that the printing durability may be deteriorated.
[0094]
In the third alkali etching treatment, the concentration of the alkaline solution is preferably 30 g / L or more, and is 100 g / L or less in order not to make the unevenness generated by the hydrochloric acid electrolysis in the previous stage too small. And is more preferably 70 g / L or less.
The alkaline solution preferably contains aluminum ions. The aluminum ion concentration is preferably 1 g / L or more, more preferably 3 g / L or more, and preferably 50 g / L or less, more preferably 8 g / L or less. Such an alkaline solution can be prepared using, for example, water, a 48 mass% sodium hydroxide aqueous solution, and sodium aluminate.
[0095]
In the third alkali etching treatment, the temperature of the alkaline solution is preferably 25 ° C or higher, more preferably 30 ° C or higher, and preferably 60 ° C or lower, and 50 ° C or lower. Is more preferable.
[0096]
In the third alkali etching treatment, the treatment time is preferably 1 second or longer, more preferably 2 seconds or longer, more preferably 30 seconds or shorter, and more preferably 10 seconds or shorter. preferable.
[0097]
<Third desmut treatment>
After the third alkali etching treatment, it is preferable to perform pickling (third desmutting treatment) in order to remove dirt (smut) remaining on the surface. Since the third desmut process is basically the same as the first desmut process, only the differences will be described below.
In the third desmutting process, the same type of liquid as that used in the subsequent anodizing process (for example, sulfuric acid) is used, thereby omitting the water washing step between the third desmutting process and the anodizing process. It is preferable in that it can be performed.
In the third desmutting treatment, it is preferable to use an acidic solution containing 5-400 g / L acid and 0.5-8 g / L aluminum ions.
In the third desmut treatment, the treatment time is preferably 1 second or longer, more preferably 4 seconds or longer, more preferably 60 seconds or shorter, and more preferably 15 seconds or shorter. .
In the third desmut process, when the same type of liquid as the electrolyte used in the subsequent anodizing process is used as the desmut process liquid, the draining with a nip roller and the water washing process can be omitted after the desmut process.
[0098]
<Anodizing treatment>
The aluminum plate treated as described above is further subjected to anodizing treatment. The anodizing treatment can be performed by a method conventionally used in this field. In this case, for example, in a solution having a sulfuric acid concentration of 50 to 300 g / L and an aluminum concentration of 5% by mass or less, an anodized film can be formed by energizing an aluminum plate as an anode. As a solution used for the anodizing treatment, sulfuric acid, phosphoric acid, chromic acid, oxalic acid, sulfamic acid, benzenesulfonic acid, amidosulfonic acid and the like can be used alone or in combination of two or more.
[0099]
Under the present circumstances, the component normally contained at least in an aluminum plate, an electrode, tap water, groundwater, etc. may be contained in electrolyte solution. Furthermore, the 2nd, 3rd component may be added. Examples of the second and third components herein include metal ions such as Na, K, Mg, Li, Ca, Ti, Al, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, and Zn; Cation such as ammonium ion; anion such as nitrate ion, carbonate ion, chloride ion, phosphate ion, fluoride ion, sulfite ion, titanate ion, silicate ion, borate ion, etc., 0 to 10,000 ppm It may be contained at a concentration of about.
[0100]
The conditions for anodizing treatment vary depending on the electrolyte used, and thus cannot be determined unconditionally. In general, however, the electrolyte concentration is 1 to 80% by mass, the solution temperature is 5 to 70 ° C., and the current density is 0.5. ~ 60A / dm 2 It is appropriate that the voltage is 1 to 100 V and the electrolysis time is 15 seconds to 50 minutes, and the anodic oxide film amount is adjusted to a desired amount.
[0101]
Further, JP-A-54-81133, JP-A-57-47894, JP-A-57-51289, JP-A-57-51290, JP-A-57-54300, JP-A-57-136596, JP-A-58-107498, JP-A-60-2000025, JP-A-62-1365596, JP-A-63-176494, JP-A-4-17697, JP-A-4-280997, JP-A-6-280997 The methods described in JP-A-207299, JP-A-5-24377, JP-A-5-32083, JP-A-5-125597, JP-A-5-195291 and the like can also be used.
[0102]
Of these, as described in JP-A-54-12853 and JP-A-48-45303, it is preferable to use a sulfuric acid solution as the electrolytic solution. The sulfuric acid concentration in the electrolytic solution is preferably 10 to 300 g / L (1 to 30% by mass), more preferably 50 to 200 g / L (5 to 20% by mass), and the aluminum ion concentration. Is preferably 1 to 25 g / L (0.1 to 2.5% by mass), more preferably 2 to 10 g / L (0.2 to 1% by mass). Such an electrolytic solution can be prepared, for example, by adding aluminum sulfate or the like to dilute sulfuric acid having a sulfuric acid concentration of 50 to 200 g / L.
[0103]
The composition management of the electrolyte is conducted using the same method as in the case of hydrochloric acid electrolysis described above, and the conductivity, specific gravity and temperature, or conductivity and ultrasonic wave propagation corresponding to the matrix of sulfuric acid concentration and aluminum ion concentration. It is preferable to control by speed and temperature.
[0104]
The liquid temperature of the electrolytic solution is preferably 25 to 55 ° C, more preferably 30 to 50.
[0105]
When anodizing is performed in an electrolytic solution containing sulfuric acid, direct current may be applied between the aluminum plate and the counter electrode, or alternating current may be applied.
When direct current is applied to the aluminum plate, the current density is 1 to 60 A / dm. 2 Is preferably 5 to 40 A / dm. 2 It is more preferable that
In the case of continuous anodizing treatment, at the beginning of anodizing treatment, so as not to cause so-called “burn” (part where the film becomes thicker than the surrounding area) due to current concentration on a part of the aluminum plate, 5-10A / m 2 30 to 50 A / dm as the anodizing process proceeds with a current flowing at a low current density of 2 Alternatively, it is preferable to increase the current density further.
Specifically, it is preferable that the current distribution of the DC power supply is set so that the current of the downstream DC power supply is equal to or greater than the current of the upstream DC power supply. By using such current distribution, so-called burning is less likely to occur, and as a result, high-speed anodization can be performed.
[0106]
When the anodizing treatment is continuously performed, it is preferable that the anodizing process is performed by a liquid power feeding method in which power is supplied to the aluminum plate through an electrolytic solution.
By performing anodizing treatment under such conditions, a porous film having many pores called micropores can be obtained. Usually, the average pore diameter is about 5 to 50 nm, and the average pore density is 300. ~ 800 / μm 2 Degree.
[0107]
The amount of anodized film is 1-5g / m 2 Is preferred. 1g / m 2 If it is less than 5%, the plate is likely to be scratched. 2 Exceeding this requires a large amount of power for production, which is economically disadvantageous. The amount of anodized film is 1.5-4 g / m 2 It is more preferable that Further, the difference in the amount of the anodized film between the center portion of the aluminum plate and the vicinity of the edge portion is 1 g / m. 2 It is preferable to carry out as follows.
[0108]
As electrolysis apparatuses used for anodizing treatment, those described in JP-A-48-26638, JP-A-47-18739, JP-B-58-24517, JP-A-2001-11698, etc. Can be used.
Among these, the apparatus shown in FIG. 5 is preferably used. FIG. 5 is a schematic view showing an example of an apparatus for anodizing the surface of an aluminum plate.
[0109]
In the
[0110]
In the
The distance between the
[0111]
Between the
[0112]
The
[0113]
Electrolyte is ejected from the
[0114]
In the
[0115]
<Sealing treatment>
In this invention, you may perform the sealing process which seals the micropore which exists in an anodic oxide film as needed. The sealing treatment can be performed according to a known method such as boiling water treatment, hot water treatment, steam treatment, sodium silicate treatment, nitrite treatment, ammonium acetate treatment and the like. For example, even if the sealing treatment is carried out by the apparatus and method described in JP-B-56-12518, JP-A-4-4194, JP-A-5-20296, JP-A-5-179482, etc. Good.
[0116]
<Hydrophilic treatment>
A hydrophilization treatment may be performed after the anodizing treatment or the sealing treatment. Examples of the hydrophilization treatment include treatment with potassium fluorinated zirconate described in US Pat. No. 2,946,638 and phosphomolybdate described in US Pat. No. 3,201,247. Treatment, alkyl titanate treatment described in British Patent 1,108,559, polyacrylic acid treatment described in German Patent 1,091,433, German Patent 1,134, No. 093 and British Patent No. 1,230,447, polyvinyl phosphonic acid treatment, Japanese Patent Publication No. 44-6409, phosphonic acid treatment, US Pat. No. 3,307,951 Phytic acid treatment described in the specification of JP, No. 58-16893 and JP-A No. 58-18291 Treatment with a salt of a molecular compound and a divalent metal, as described in US Pat. No. 3,860,426, hydrophilic cellulose (eg, zinc acetate) containing a water-soluble metal salt (eg, zinc acetate) Carboxymethyl cellulose) is provided with a subbing layer, and a water-soluble polymer having a sulfo group described in JP-A-59-101651.
[0117]
Further, phosphates described in JP-A No. 62-019494, water-soluble epoxy compounds described in JP-A No. 62-033692, and JP-A No. 62-097892 Phosphate-modified starch, diamine compounds described in JP-A-63-056498, amino acid inorganic or organic acids described in JP-A-63-130391, JP-A-63-145092 Organic phosphonic acids containing carboxy group or hydroxy group, compounds having amino group and phosphonic acid group described in JP-A-63-165183, and JP-A-2-316290 Specific carboxylic acid derivatives, phosphate esters described in JP-A-3-215095, JP-A-3-261592 Compounds having one amino group and one oxygen acid group of phosphorus described in the publication, phosphoric esters described in JP-A-3-215095, and JP-A-5-246171 Aliphatic or aromatic phosphonic acids such as phenylphosphonic acid, compounds containing S atoms such as thiosalicylic acid described in JP-A-1-307745, and phosphorus described in JP-A-4-282737 Examples of the treatment include undercoating using a compound having a group of oxygen acids.
Further, coloring with an acid dye described in JP-A-60-64352 can also be performed.
[0118]
Hydrophilicity can also be achieved by soaking in an aqueous solution of an alkali metal silicate such as sodium silicate or potassium silicate, or by applying a hydrophilic vinyl polymer or hydrophilic compound to form a hydrophilic primer layer. It is preferable to carry out the treatment.
[0119]
Hydrophilization treatment with an aqueous solution of an alkali metal silicate such as sodium silicate and potassium silicate is described in US Pat. No. 2,714,066 and US Pat. No. 3,181,461. It can be performed according to methods and procedures.
Examples of the alkali metal silicate include sodium silicate, potassium silicate, and lithium silicate. The aqueous solution of alkali metal silicate may contain an appropriate amount of sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide or the like.
The aqueous solution of alkali metal silicate may contain an alkaline earth metal salt or a Group 4 (Group IVA) metal salt. Examples of the alkaline earth metal salt include nitrates such as calcium nitrate, strontium nitrate, magnesium nitrate, and barium nitrate; sulfates; hydrochlorides; phosphates; acetates; oxalates; Examples of the Group 4 (Group IVA) metal salt include titanium tetrachloride, titanium trichloride, potassium fluoride titanium, potassium oxalate, titanium sulfate, titanium tetraiodide, zirconium chloride, zirconium dioxide, zirconium oxychloride. And zirconium tetrachloride. These alkaline earth metal salts and Group 4 (Group IVA) metal salts are used alone or in combination of two or more.
[0120]
The amount of Si adsorbed by the alkali metal silicate treatment can be measured by a fluorescent X-ray analyzer, and the amount of adsorption is about 1.0 to 15.0 mg / m. 2 Is preferred.
By this alkali metal silicate treatment, the effect of improving the dissolution resistance to the alkaline developer on the surface of the lithographic printing plate support is obtained, the dissolution of the aluminum component into the developer is suppressed, and the developer fatigue It is possible to reduce the occurrence of development residue due to the above.
[0121]
The hydrophilization treatment by forming a hydrophilic undercoat layer can also be performed according to the conditions and procedures described in JP-A Nos. 59-101651 and 60-149491.
Examples of the hydrophilic vinyl polymer used in this method include polyvinyl sulfonic acid, sulfo group-containing vinyl polymerizable compounds such as p-styrene sulfonic acid having a sulfo group, and ordinary vinyl polymerization such as (meth) acrylic acid alkyl ester. And a copolymer with a functional compound. Moreover, as a hydrophilic compound used for this method, for example, —NH 2 And a compound having at least one selected from the group consisting of a group, a —COOH group and a sulfo group.
[0122]
<Drying>
After obtaining the lithographic printing plate support as described above, it is preferable to dry the surface of the lithographic printing plate support before providing the image recording layer. Drying is preferably performed after the final treatment of the surface treatment, after washing with water and draining with a nip roller. The drying temperature is preferably 70 ° C or higher, more preferably 80 ° C or higher, preferably 110 ° C or lower, more preferably 100 ° C or lower.
The drying time is preferably 2 to 15 seconds.
[0123]
<Management of liquid composition>
In the present invention, it is preferable to manage the composition of various processing solutions used for the surface treatment described above by the method described in JP-A-2001-121837. Prepare a large number of treatment liquid samples of various concentrations in advance, measure the ultrasonic wave propagation speed at each of the two liquid temperatures, create a matrix-like data table, It is preferable to measure the propagation speed of the light in real time and control the concentration based on the measurement. In particular, in the desmutting treatment, when an electrolytic solution having a sulfuric acid concentration of 250 g / L or more is used, it is preferable to control the concentration by the method described above.
In addition, it is preferable that each electrolyte solution used for an electrolytic roughening process and an anodic oxidation process is 100 ppm or less of Cu concentration. If the Cu concentration is too high, Cu is deposited on the aluminum plate when the line is stopped, and Cu deposited when the line is operated again may be transferred to a pass roll, which may cause processing unevenness.
[0124]
[Lithographic printing plate precursor]
The lithographic printing plate support obtained by the present invention can be provided with an image recording layer to form the lithographic printing plate precursor of the present invention. A photosensitive composition is used for the image recording layer.
Examples of the photosensitive composition suitably used in the present invention include a thermal positive photosensitive composition containing an alkali-soluble polymer compound and a photothermal conversion substance (hereinafter, this composition and an image recording layer using the same). ), A thermal negative photosensitive composition containing a curable compound and a photothermal conversion substance (hereinafter also referred to as “thermal negative type”), a photopolymerizable photosensitive composition (hereinafter referred to as “thermal positive type”). , Also referred to as “photopolymer type”), negative photosensitive composition containing diazo resin or photocrosslinking resin (hereinafter also referred to as “conventional negative type”), and positive photosensitive composition containing quinonediazide compound. Product (hereinafter also referred to as "conventional positive type"), photosensitive composition that does not require a special development step (hereinafter referred to as As the referred to as "non-treatment type".), And the like. Hereinafter, these suitable photosensitive compositions will be described.
[0125]
<Thermal positive type>
<Photosensitive layer>
The thermal positive type photosensitive composition contains an alkali-soluble polymer compound and a photothermal conversion substance. In the thermal positive type image recording layer, the photothermal conversion substance converts the energy of light such as infrared lasers into heat, which effectively eliminates the interaction that reduces the alkali solubility of alkali-soluble polymer compounds. To do.
[0126]
Examples of the alkali-soluble polymer compound include a resin containing an acidic group in the molecule and a mixture of two or more thereof. In particular, phenolic hydroxy groups, sulfonamide groups (-SO 2 NH-R (wherein R represents a hydrocarbon group)), an active imino group (-SO 2 NHCOR, -SO 2 NHSO 2 R, -CONHSO 2 A resin having an acidic group such as R (wherein R has the same meaning as described above)) is preferable in terms of solubility in an alkali developer.
In particular, a resin having a phenolic hydroxy group is preferable in that it has excellent image-forming properties when exposed to light such as an infrared laser, and examples thereof include phenol-formaldehyde resins, m-cresol-formaldehyde resins, p-cresol-formaldehyde resins, m- / p-mixed cresol-formaldehyde resin, phenol / cresol (any of m-, p- and m- / p-mixed) mixed-formaldehyde resin (phenol-cresol-formaldehyde co-condensation resin) and other novolak resins Are preferable.
Furthermore, the polymer compound described in JP-A No. 2001-305722 (particularly [0023] to [0042]), and the repetition represented by the general formula (1) described in JP-A No. 2001-215893 Preferred examples also include polymer compounds containing units, and polymer compounds described in JP-A No. 2002-311570 (particularly [0107]).
[0127]
Preferable examples of the photothermal conversion substance include pigments or dyes having a light absorption region in the infrared region having a wavelength of 700 to 1200 nm from the viewpoint of recording sensitivity. Examples of the dye include azo dyes, metal complex azo dyes, pyrazolone azo dyes, naphthoquinone dyes, anthraquinone dyes, phthalocyanine dyes, carbonium dyes, quinoneimine dyes, methine dyes, cyanine dyes, squarylium dyes, pyrylium salts, metal thiolate complexes (for example, , Nickel thiolate complex). Among these, cyanine dyes are preferable, and cyanine dyes represented by the general formula (I) described in JP 2001-305722 A are particularly preferable.
[0128]
The thermal positive type photosensitive composition may contain a dissolution inhibitor. As the dissolution inhibitor, for example, dissolution inhibitors described in JP-A-2001-305722, [0053] to [0055] are preferably exemplified.
In addition, in the thermal positive type photosensitive composition, as a additive, a sensitivity modifier, a printing agent for obtaining a visible image immediately after heating by exposure, a compound such as a dye as an image colorant, a coating property In addition, it is preferable to include a surfactant for improving the processing stability. For these, compounds described in JP-A-2001-305722, [0056] to [0060] are preferable.
The photosensitive composition described in detail in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-305722 is also preferably used in other respects.
[0129]
Further, the thermal positive type image recording layer is not limited to a single layer but may have a two-layer structure.
As an image recording layer having a two-layer structure (multilayer image recording layer), a lower layer (hereinafter referred to as “A layer”) having excellent printing durability and solvent resistance is provided on the side close to the support, and a positive layer is provided thereon. A type provided with a layer having excellent image formability (hereinafter referred to as “B layer”) is preferable. This type has high sensitivity and can realize a wide development latitude. The B layer generally contains a photothermal conversion substance. Preferred examples of the photothermal conversion substance include the dyes described above.
As the resin used in the A layer, a polymer having a monomer having a sulfonamide group, an active imino group, a phenolic hydroxy group or the like as a copolymerization component is preferably used because it has excellent printing durability and solvent resistance. . As the resin used for the B layer, an alkaline aqueous solution-soluble resin having a phenolic hydroxy group is preferably exemplified.
In addition to the resin, the composition used for the A layer and the B layer can contain various additives as necessary. Specifically, various additives as described in JP-A-2002-3233769, [0062] to [0085] are preferably used. Further, the additives described in [0053] to [0060] of JP-A-2001-305722 described above are also preferably used.
About each component which comprises A layer and B layer, and its content, it is preferable to make it describe in Unexamined-Japanese-Patent No. 11-218914.
[0130]
<Intermediate layer>
An intermediate layer is preferably provided between the thermal positive type image recording layer and the support. As the component contained in the intermediate layer, various organic compounds described in [0068] of JP-A No. 2001-305722 are preferably exemplified.
[0131]
<Others>
As a method for producing a thermal positive type image recording layer and a plate making method, methods described in detail in JP-A No. 2001-305722 can be used.
[0132]
<Thermal negative type>
The thermal negative photosensitive composition contains a curable compound and a photothermal conversion substance. The thermal negative type image recording layer is a negative photosensitive layer in which a portion irradiated with light such as an infrared laser is cured to form an image portion.
<Polymerized layer>
As one of the thermal negative type image recording layers, a polymerization type image recording layer (polymerization layer) is preferably exemplified. The polymerization layer contains a photothermal conversion substance, a radical generator, a radical polymerizable compound that is a curable compound, and a binder polymer. In the polymerization layer, infrared light absorbed by the light-to-heat conversion substance is converted into heat, the radical generator is decomposed by this heat to generate radicals, and the radical polymerizable compound is polymerized in a chain by the generated radicals and cured. .
[0133]
As a photothermal conversion substance, the photothermal conversion substance used for the thermal positive type mentioned above is mentioned, for example. Specific examples of particularly preferred cyanine dyes include those described in JP-A-2001-133969, [0017] to [0019].
Preferred examples of the radical generator include onium salts. In particular, onium salts described in JP-A-2001-133969, [0030] to [0033] are preferable.
Examples of the radical polymerizable compound include compounds having at least one terminal ethylenically unsaturated bond, preferably two or more.
As the binder polymer, a linear organic polymer is preferably exemplified. Preferred examples include linear organic polymers that are soluble or swellable in water or weak alkaline water. Among them, a (meth) acrylic resin having an unsaturated group such as an allyl group or an acryloyl group or a benzyl group and a carboxy group in the side chain is preferable in that it has an excellent balance of film strength, sensitivity, and developability. .
As the radical polymerizable compound and the binder polymer, those described in detail in [0036] to [0060] of JP-A No. 2001-133969 can be used.
[0134]
The additive described in [0061] to [0068] of JP-A No. 2001-133969 is contained in the thermal negative photosensitive composition (for example, a surfactant for improving coatability). Is preferred.
[0135]
As a method for producing the polymerization layer and a plate making method, methods described in detail in JP-A No. 2001-133969 can be used.
[0136]
<Acid cross-linked layer>
Further, as one of the thermal negative type image recording layers, an acid cross-linked image recording layer (acid cross-linked layer) is also preferably exemplified. The acid crosslinking layer comprises a photothermal conversion substance, a thermal acid generator, a compound that crosslinks with an acid that is a curable compound (crosslinking agent), and an alkali-soluble polymer compound that can react with the crosslinking agent in the presence of an acid. contains. In the acid cross-linking layer, infrared light absorbed by the light-to-heat conversion substance is converted into heat, and the thermal acid generator is decomposed by this heat to generate an acid, and the generated acid reacts with the cross-linking agent and the alkali-soluble polymer compound. And harden.
[0137]
Examples of the photothermal conversion substance include the same substances as those used for the polymerization layer.
Examples of the thermal acid generator include thermal decomposition compounds such as photoinitiators for photopolymerization, photochromic agents for dyes, and acid generators used in microresists.
Examples of the crosslinking agent include an aromatic compound substituted with a hydroxymethyl group or an alkoxymethyl group; a compound having an N-hydroxymethyl group, an N-alkoxymethyl group or an N-acyloxymethyl group; and an epoxy compound.
Examples of the alkali-soluble polymer compound include a novolak resin and a polymer having a hydroxyaryl group in the side chain.
[0138]
<Photopolymer type>
The photopolymerization type photosensitive composition contains an addition polymerizable compound, a photopolymerization initiator, and a polymer binder.
As the addition polymerizable compound, an ethylenically unsaturated bond-containing compound capable of addition polymerization is preferably exemplified. The ethylenically unsaturated bond-containing compound is a compound having a terminal ethylenically unsaturated bond. Specifically, for example, it has a chemical form such as a monomer, a prepolymer, and a mixture thereof. Examples of monomers include esters of unsaturated carboxylic acids (eg, acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, maleic acid) and aliphatic polyhydric alcohol compounds, amides of unsaturated carboxylic acids and aliphatic polyvalent amine compounds. Is mentioned.
Moreover, as an addition polymerizable compound, a urethane type addition polymerizable compound is also preferably exemplified.
[0139]
As the photopolymerization initiator, various photopolymerization initiators or a combination system (photoinitiation system) of two or more kinds of photopolymerization initiators can be appropriately selected depending on the wavelength of the light source to be used. For example, an initiation system described in JP-A-2001-22079, [0021] to [0023] is preferably exemplified.
The polymer binder not only functions as a film forming agent for the photopolymerization type photosensitive composition, but is soluble or swellable in alkaline water because the image recording layer needs to be dissolved in an alkaline developer. An organic high molecular polymer is used. As such an organic polymer, those described in JP-A-2001-22079, [0036] to [0063] are preferably exemplified.
[0140]
In the photopolymer type photopolymerization type photosensitive composition, additives described in JP-A-2001-22079, [0079] to [0088] (for example, a surfactant for improving coatability) , Colorants, plasticizers, thermal polymerization inhibitors).
[0141]
Further, it is preferable to provide an oxygen-blocking protective layer on the photopolymer type image recording layer in order to prevent the oxygen polymerization inhibiting action. Examples of the polymer contained in the oxygen barrier protective layer include polyvinyl alcohol and copolymers thereof.
Furthermore, it is also preferable to provide an intermediate layer or an adhesive layer as described in [0124] to [0165] of JP-A-2001-228608.
[0142]
<Conventional negative type>
The conventional negative-type photosensitive composition contains a diazo resin or a photocrosslinking resin. Among these, a photosensitive composition containing a diazo resin and an alkali-soluble or swellable polymer compound (binder) is preferable.
Examples of the diazo resin include condensates of aromatic diazonium salts and active carbonyl group-containing compounds such as formaldehyde; condensates of p-diazophenylamines and formaldehyde with hexafluorophosphate or tetrafluoroborate. Organic solvent-soluble diazo resin inorganic salts which are reaction products of In particular, a high molecular weight diazo compound containing 20 mol% or more of a hexamer described in JP-A-59-78340 is preferable.
Examples of the binder include a copolymer containing acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, or maleic acid as an essential component. Specifically, multi-component copolymers of monomers such as 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, (meth) acrylonitrile, and (meth) acrylic acid as described in JP-A-50-118802, Examples thereof include multi-component copolymers composed of alkyl acrylate, (meth) acrylonitrile and unsaturated carboxylic acid as described in JP-A-56-4144.
[0143]
The conventional negative type photosensitive composition has, as an additive, a printing agent, dye, and flexibility and abrasion resistance described in JP-A-7-281425, [0014] to [0015]. It is preferable to contain a plasticizer for imparting, a compound such as a development accelerator, and a surfactant for improving coating properties.
[0144]
Under the conventional negative type photosensitive layer, an intermediate layer containing a polymer compound having a component having an acid group and a component having an onium group as described in JP-A-2000-105462 is provided. Is preferred.
[0145]
<Conventional positive type>
The conventional positive-type photosensitive composition contains a quinonediazide compound. Among these, a photosensitive composition containing an o-quinonediazide compound and an alkali-soluble polymer compound is preferable.
Examples of the o-quinonediazide compound include esters of 1,2-naphthoquinone-2-diazide-5-sulfonyl chloride and phenol-formaldehyde resin or cresol-formaldehyde resin, described in US Pat. No. 3,635,709. And esters of 1,2-naphthoquinone-2-diazide-5-sulfonyl chloride and pyrogallol-acetone resin.
Examples of the alkali-soluble polymer compound include phenol-formaldehyde resin, cresol-formaldehyde resin, phenol-cresol-formaldehyde co-condensation resin, polyhydroxystyrene, N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide copolymer, A carboxy group-containing polymer described in JP-A-7-36184, an acrylic resin containing a phenolic hydroxy group as described in JP-A-51-34711, and described in JP-A-2-866 Examples thereof include acrylic resins having a sulfonamide group and urethane resins.
[0146]
Conventional positive type photosensitive compositions include compounds such as sensitivity modifiers, printing agents, dyes and the like described in JP-A-7-92660, [0024] to [0027] as additives. It is preferable to contain a surfactant for improving the coating property as described in [0031] of Kaihei 7-92660.
[0147]
Under the conventional positive type photosensitive layer, it is preferable to provide an intermediate layer similar to the intermediate layer suitably used for the above-described conventional negative type.
[0148]
<Non-treatment type>
Examples of the non-processing type photosensitive composition include a thermoplastic fine particle polymer type, a microcapsule type, and a sulfonic acid-generating polymer-containing type. These are all heat-sensitive types containing a photothermal conversion substance. The photothermal conversion substance is preferably the same dye as that used in the above-described thermal positive type.
[0149]
The thermoplastic fine particle polymer type photosensitive composition is obtained by dispersing a hydrophobic and heat-meltable fine particle polymer in a hydrophilic polymer matrix. In the image recording layer of the thermoplastic fine particle polymer type, the hydrophobic fine particle polymer is melted by heat generated by exposure and is fused to form a hydrophobic region, that is, an image portion.
As the fine particle polymer, those in which fine particles melt and coalesce with heat are preferable, and those having a hydrophilic surface and capable of being dispersed in a hydrophilic component such as dampening water are more preferable. Specifically, Research Disclosure No. 33303 (January 1992), JP-A-9-123387, JP-A-9-131850, JP-A-9-171249, and JP-A-9-171250, and European Patent Application Publication No. 931,647. Preferred examples thereof include thermoplastic fine particle polymers. Of these, polystyrene and polymethyl methacrylate are preferred. Examples of the fine particle polymer having a hydrophilic surface include those in which the polymer itself is hydrophilic; those in which a hydrophilic compound such as polyvinyl alcohol and polyethylene glycol is adsorbed on the surface of the fine particle polymer to make the surface hydrophilic.
The fine particle polymer preferably has a reactive functional group.
[0150]
As a microcapsule type photosensitive composition, a compound having a heat-reactive functional group as described in JP-A No. 2000-118160 or JP-A No. 2001-277740 is included. A microcapsule type is preferable.
[0151]
Examples of the sulfonic acid generating polymer used in the sulfonic acid generating polymer-containing photosensitive composition include sulfonic acid ester groups, disulfone groups, and sec- or tert-sulfonamides described in JP-A No. 10-282672. Examples thereof include polymers having a group in the side chain.
[0152]
By incorporating a hydrophilic resin into the unprocessed photosensitive composition, not only on-press developability is improved, but also the film strength of the photosensitive layer itself is improved. Examples of the hydrophilic resin include those having a hydrophilic group such as hydroxy group, carboxy group, hydroxyethyl group, hydroxypropyl group, amino group, aminoethyl group, aminopropyl group, carboxymethyl group, and hydrophilic sol-gel conversion system. A binder resin is preferred.
[0153]
The unprocessed type image recording layer does not require a special development step and can be developed on a printing press. As a method for producing an unprocessed image recording layer and a plate-making printing method, methods described in detail in JP-A No. 2002-178655 can be used.
[0154]
<Back coat>
In this way, the backside of the lithographic printing plate precursor of the present invention obtained by providing various image recording layers on the lithographic printing plate support obtained by the present invention, if necessary, is an image in the case of overlapping. In order to prevent the recording layer from being damaged, a coating layer made of an organic polymer compound can be provided.
[0155]
[Plate making method (lithographic printing plate production method)]
The lithographic printing plate precursor using the lithographic printing plate support obtained by the present invention is converted into a lithographic printing plate by various treatment methods according to the image recording layer.
Examples of the actinic ray light source used for image exposure include a mercury lamp, a metal halide lamp, a xenon lamp, and a chemical lamp. Examples of the laser beam include a helium-neon laser (He-Ne laser), an argon laser, a krypton laser, a helium-cadmium laser, a KrF excimer laser, a semiconductor laser, a YAG laser, and a YAG-SHG laser.
[0156]
After the above exposure, if the image recording layer is any of thermal positive type, thermal negative type, conventional negative type, conventional positive type, and photopolymer type, after exposure, it is developed using a developer to obtain a lithographic printing plate. It is preferable to obtain.
The developer is preferably an alkaline developer, and more preferably an alkaline aqueous solution substantially free of an organic solvent.
Moreover, the developing solution which does not contain alkali metal silicate substantially is also preferable. As a method of developing using a developer substantially not containing an alkali metal silicate, a method described in detail in JP-A No. 11-109637 can be used.
A developer containing an alkali metal silicate can also be used.
[0157]
【Example】
The present invention will be specifically described below with reference to examples. However, the present invention is not limited to these.
1. Making a support for planographic printing plates
(Example 1)
Si: 0.073 mass%, Fe: 0.270 mass%, Cu: 0.001 mass%, Mn: 0.001 mass%, Mg: 0.000 mass%, Cr: 0.001 mass%, Zn: 0.003% by mass, Ti: 0.020% by mass, and the balance is prepared by using an aluminum alloy composed of Al and inevitable impurities, and after the molten metal treatment and filtration, the thickness is 500 mm, An ingot having a width of 1200 mm was formed by a DC casting method. After the surface was shaved with a chamfering machine with an average thickness of 10 mm, it was kept soaked at 550 ° C. for about 5 hours, and when the temperature dropped to 400 ° C., rolling with a thickness of 2.7 mm using a hot rolling mill A board was used. Furthermore, after performing heat processing using a continuous annealing machine at 500 degreeC, it finished by cold rolling to 0.3 mm in thickness and 1060 mm in width, and obtained the aluminum plate. The aluminum plate was subjected to the following surface treatment to obtain a lithographic printing plate support.
[0158]
<Surface treatment>
The surface treatment was performed by continuously performing the following various treatments (a) to (j).
[0159]
(A) Etching treatment in aqueous alkali solution
An etching process was performed by spraying an aqueous solution of caustic soda concentration of 370 g / L, aluminum ion concentration of 100 g / L, and a temperature of 60 ° C. onto the aluminum plate from a spray tube. The etching amount of the surface subjected to electrochemical roughening after the aluminum plate is 3 g / m. 2 Met.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further, a water washing treatment described later was performed, and then the liquid was drained with a nip roller. The water washing treatment was carried out by washing with water using an apparatus for washing with a free-falling curtain-like liquid film, and further with water using a spray tube for 5 seconds.
[0160]
(B) Desmut treatment
An aqueous solution (solution temperature 35 ° C.) in which aluminum nitrate was dissolved in 10 g / L nitric acid aqueous solution to have an aluminum ion concentration of 4.5 g / L was sprayed from the spray tube for 5 seconds to perform desmut treatment.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further after washing with water, the liquid was drained with a nip roller.
[0161]
(C) First electrochemical surface roughening treatment using alternating current in aqueous hydrochloric acid (first hydrochloric acid electrolysis)
Immediately before the electrochemical surface roughening treatment, an electrolytic solution having the same composition and temperature as the electrolytic solution used for hydrochloric acid electrolysis described later was sprayed onto the aluminum plate.
Thereafter, an electrolytic solution (solution temperature 35 ° C.) in which aluminum chloride is dissolved in a 7.5 g / L hydrochloric acid aqueous solution to have an aluminum ion concentration of 4.5 g / L is used, and electrochemical continuously using an alternating voltage of 40 Hz Roughening treatment was performed. A commercial AC waveform sine wave was used as the AC power supply waveform. The duty ratio (ta / T) was 0.5. A carbon electrode was used as the counter electrode. Ferrite was used for the auxiliary anode. Two electrolytic cells shown in FIG. 3 were used.
In the electrochemical surface roughening treatment, the current density during the anode reaction of the aluminum plate at the peak of alternating current is 60 A / dm. 2 Met. The ratio of the total amount of electricity during the anode reaction of the aluminum plate to the total amount of electricity during the cathode reaction was 0.95. The amount of electricity is 400 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is anode. 2 Met. 5% of the current flowing from the power source was shunted to the auxiliary anode. The relative speed of the aluminum plate and the electrolytic solution was 1.5 m / sec on average in the electrolytic cell.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further, after washing with water using a spray tube, the liquid was drained with a nip roller.
[0162]
(D) Etching treatment in aqueous alkali solution
Etching was performed by spraying an aqueous solution of caustic soda concentration of 370 g / L, aluminum ion concentration of 100 g / L, and temperature of 64 ° C. on the aluminum plate for 7 seconds from the spray tube. The etching amount of the surface subjected to the electrochemical roughening treatment of the aluminum plate is 3 g / m. 2 Met.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further, a water washing treatment described later was performed, and then the liquid was drained with a nip roller. The water washing treatment was carried out by washing with water using an apparatus for washing with a free-falling curtain-like liquid film, and further with water using a spray tube for 5 seconds.
[0163]
(E) Desmut treatment
An aqueous solution having a sulfuric acid concentration of 300 g / L and an aluminum ion concentration of 2 g / L (liquid temperature of 35 ° C.) was sprayed from a spray tube for 10 seconds to perform a desmut treatment.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further after washing with water, the liquid was drained with a nip roller.
[0164]
(F) Second electrochemical surface roughening treatment using alternating current in aqueous hydrochloric acid (second hydrochloric acid electrolysis)
Using an electrolytic solution (liquid temperature 35 ° C.) in which aluminum chloride is dissolved in 5 g / L hydrochloric acid aqueous solution to have an aluminum ion concentration of 5 g / L, electrochemical surface roughening treatment is performed continuously using an alternating voltage of 70 Hz. went. A commercial AC waveform sine wave was used as the AC power supply waveform. The duty ratio (ta / T) was 0.5. A carbon electrode was used as the counter electrode. Ferrite was used for the auxiliary anode. Two electrolytic cells shown in FIG. 3 were used.
In the electrochemical surface roughening treatment, the current density during the anode reaction of the aluminum plate at the peak of alternating current is 50 A / dm. 2 Met. The ratio of the total amount of electricity during the anode reaction of the aluminum plate to the total amount of electricity during the cathode reaction was 0.95. The amount of electricity is the total amount of electricity when the anode of the aluminum plate is 200 C / dm 2 Met. 5% of the current flowing from the power source was shunted to the auxiliary anode. The relative speed of the aluminum plate and the electrolytic solution was 1.5 m / sec on average in the electrolytic cell.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further, after washing with water using a spray tube, the liquid was drained with a nip roller.
[0165]
(G) Etching treatment in alkaline aqueous solution
Etching was performed by spraying an aqueous solution of caustic soda concentration of 50 g / L, aluminum ion concentration of 5 g / L, and temperature of 35 ° C. on the aluminum plate for 2 seconds from the spray tube. The etching amount of the surface subjected to the electrochemical roughening treatment of the aluminum plate is 0.1 g / m. 2 Met.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further, a water washing treatment described later was performed, and then the liquid was drained with a nip roller. The water washing treatment was carried out by washing with water using an apparatus for washing with a free-falling curtain-like liquid film, and further with water using a spray tube for 5 seconds.
[0166]
(H) Desmut treatment
An aqueous solution having a sulfuric acid concentration of 170 g / L and an aluminum ion concentration of 5 g / L (liquid temperature of 35 ° C.) was sprayed from a spray tube for 5 seconds to perform a desmut treatment. As an aqueous solution, the waste liquid of the (i) anodizing process mentioned later was used.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, but no water washing treatment was performed.
[0167]
(I) Anodizing treatment
Anodizing was performed using the anodizing apparatus shown in FIG.
As the electrolytic solution, an electrolytic solution (temperature 33 ° C.) in which aluminum sulfate was dissolved in a 170 g / L sulfuric acid aqueous solution to make the aluminum ion concentration 5 g / L was used. In the anodizing treatment, the average current density during the anodic reaction of the aluminum plate is 15 A / dm. 2 The final oxide film amount is 2.4 g / m. 2 Met. The time for the aluminum plate to participate in the anodic reaction was 16 seconds.
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further, after washing with water using a spray tube, the liquid was drained with a nip roller.
[0168]
(J) Hydrophilization treatment
The aluminum plate was immersed in a 2.5% by mass aqueous solution of sodium silicate (
Thereafter, the liquid was drained with a nip roller, and further, after washing with water using a spray tube, the liquid was drained with a nip roller.
Furthermore, 90 degreeC wind was sprayed for 10 seconds, it was made to dry, and the support body for lithographic printing plates was obtained.
[0169]
(Examples 2 to 5 and Comparative Example 1)
A lithographic printing plate support was obtained in the same manner as in Example 1 except that the alternating frequency in (c) and (f) was changed as shown in Table 1.
[0170]
(Example 6)
In cold rolling, both sides of the both sides were formed by the same method as in Example 3 except that a rolling roll having an uneven surface formed by shot blasting and then subjected to hard chrome plating to improve wear resistance was used. An aluminum plate having a concavo-convex pattern on the surface and having a thickness of 0.3 mm and a width of 1060 mm was obtained. When the surface shape of the aluminum plate was observed at a magnification of 750 times using a scanning electron microscope, the average surface roughness was 0.4 μm, and the major axis average diameter of the recesses existing on the surface was 5 to 25 μm, short. The average axis diameter was 2 to 15 μm, and the average aspect ratio was 2.5. Using this aluminum plate and in the above (c), the amount of electricity is 300 C / dm 2 A lithographic printing plate support was obtained in the same manner as in Example 3 except that.
[0171]
(Example 7)
In (f) above, the amount of electricity is 65 C / dm. 2 A lithographic printing plate support was obtained in the same manner as in Example 2 except that.
[0172]
(Comparative Examples 2 and 3)
The AC power supply waveforms in the above (c) and (f) are trapezoidal waves shown in FIG. 6 (the time Tp until the current value reaches the peak from zero is 0.8 msec, and the duty ratio (ta / T) is 0.5. Except for the above, a lithographic printing plate support was obtained in the same manner as in Examples 5 and 6.
[0173]
2. Surface shape of lithographic printing plate support
When the surface of each lithographic printing plate support obtained in Examples 1 to 7 was observed at a magnification of 50000 using a scanning electron microscope, fine irregularities having a diameter of about 0.1 μm were uniformly and densely formed. Was generated.
Moreover, when the surface of each lithographic printing plate support obtained in Examples 1 to 7 was observed at a magnification of 2000 using a scanning electron microscope, irregularities having a diameter of about 1 to 5 μm were generated. . In addition, fine irregularities having a diameter of about 0.1 μm were generated by being superimposed on irregularities having a diameter of about 1 to 5 μm.
[0174]
3. Creating a lithographic printing plate precursor
Each lithographic printing plate support obtained above was provided with a thermal positive type image recording layer as follows to obtain a lithographic printing plate precursor. Before providing the image recording layer, an undercoat layer was provided as described later.
[0175]
An undercoat solution having the following composition was applied onto a lithographic printing plate support and dried at 80 ° C. for 15 seconds to form a coating film of an undercoat layer. The coating amount after drying is 15 mg / m 2 Met.
[0176]
<Undercoat liquid composition>
・ The following polymer compound 0.3g
・ Methanol 100g
・ Water 1g
[0177]
[Chemical 1]
[0178]
Furthermore, a heat-sensitive layer coating solution having the following composition was prepared, and the coating amount after drying the heat-sensitive layer coating solution (heat-sensitive layer coating amount) on a lithographic printing plate support provided with an undercoat layer was 1.8 g / m. 2 And dried to form a heat sensitive layer (thermal positive type image recording layer) to obtain a lithographic printing plate precursor.
[0179]
<Thermosensitive layer coating solution composition>
Novolak resin (m-cresol / p-cresol = 60/40, weight average molecular weight 7,000, containing 0.5% by mass of unreacted cresol) 0.90 g
・ Ethyl methacrylate / isobutyl methacrylate / methacrylic acid copolymer (molar ratio 35/35/30) 0.10 g
-Cyanine dye A 0.1 g represented by the following structural formula
・ Tetrahydrophthalic anhydride 0.05g
・ 0.002 g of p-toluenesulfonic acid
-Ethyl violet counter ion with 6-hydroxy-β-naphthalenesulfonic acid 0.02 g
・ Fluorosurfactant (Defenser F-780F, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc., solid content: 30% by mass) 0.0045 g (solid content conversion)
・ Fluorine-based surfactant (Defenser F-781F, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc., solid content: 100% by mass) 0.035 g
・ Methyl ethyl ketone 12g
[0180]
[Chemical 2]
[0181]
3. Evaluation of planographic printing plate precursors
The surface unevenness of the lithographic printing plate support, the sensitivity of the lithographic printing plate precursor, and the printing durability, stain resistance, and ease of adjustment of the water amount (shiny) of the lithographic printing plate were evaluated by the following methods.
(1) Processing unevenness
The surface of the lithographic printing plate support before providing the undercoat layer and the image recording layer was visually observed to evaluate surface treatment unevenness.
The results are shown in Table 1. The meanings of the symbols in Table 1 are as follows.
A: Almost no processing unevenness occurs
[0182]
(2) Sensitivity
A non-image portion of a lithographic printing plate obtained in the same manner as in the evaluation of printing durability described later was observed using a 20 × magnifier to evaluate the remaining state of the image recording layer.
The results are shown in Table 1. The meanings of the symbols in Table 1 are as follows.
A: Almost no image recording layer remains, and there is no practical problem at all.
[0183]
(3) Printing durability
The resulting lithographic printing plate precursor was imaged using a TrendSetter manufactured by Creo at a drum rotation speed of 150 rpm and a beam intensity of 10 W.
Thereafter, using a PS processor 940H manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., charged with an alkali developer having the following composition, the solution temperature was maintained at 30 ° C. and development was performed for 20 seconds to obtain a lithographic printing plate. All the lithographic printing plate precursors had good sensitivity.
[0184]
<Alkali developer composition>
・ D-Sorbit 2.5% by mass
-Sodium hydroxide 0.85 mass%
・ Polyethylene glycol lauryl ether (weight average molecular weight 1,000)
0.5% by mass
・ Water 96.15% by mass
[0185]
The resulting lithographic printing plate was printed on a Lithrone printing machine manufactured by Komori Corporation using DIC-GEOS (N) ink made by Dainippon Ink & Chemicals, Inc. The printing durability was evaluated based on the number of printed sheets when visually recognized.
The results are shown in Table 1. The meanings of the symbols in Table 1 are as follows.
A: 30000 sheets or more
B: 20000 or more and less than 30000
C: Less than 20000 sheets
[0186]
(4) Dirt resistance
Using a lithographic printing plate obtained in the same manner as in the evaluation of printing durability, printing was performed with DIC-GEOS (s) red ink on a Mitsubishi diamond F2 printer (manufactured by Mitsubishi Heavy Industries). The blanket cylinder stains were visually evaluated after printing 10,000 sheets.
The results are shown in Table 1. The meanings of the symbols in Table 1 are as follows.
A: Excellent (nearly dirty)
C: A large amount of ink is adhered to the blanket cylinder (dirty)
[0187]
(5) Ease of adjustment of water volume (shiny)
For lithographic printing plates obtained in the same manner as in the evaluation of printing durability, the ease of adjusting the water amount was visually observed for the glossiness of the non-image area of the plate surface during printing on a printing press. evaluated.
The results are shown in Table 1. The meanings of the symbols in Table 1 are as follows.
A: The level of dampening water on the plate surface is very easy to see, with little gloss.
AB: Level at which the amount of dampening water on the printing plate is easy to see
[0188]
As is apparent from Table 1, all of the lithographic printing plates using the lithographic printing plate support obtained by the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention (Examples 1 to 7) were subjected to printing durability. Excellent in soil resistance and stain resistance. Especially, when the aluminum plate which has an uneven | corrugated pattern on the surface is used (Example 6), it is further excellent in the ease of adjustment of water quantity.
On the other hand, even when hydrochloric acid electrolysis using sinusoidal alternating current is performed twice, the frequency of alternating current used for the second hydrochloric acid electrolysis is lower than the frequency of alternating current used for the first hydrochloric acid electrolysis. (Comparative Example 1) is inferior in printing durability and stain resistance. When trapezoidal waves are used (Comparative Examples 2 and 3), the stain resistance is inferior and the printing durability is slightly inferior.
[0189]
[Table 1]
[0190]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to obtain a lithographic printing plate support for use in a lithographic printing plate precursor which is excellent in both stain resistance and printing durability when used as a lithographic printing plate.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of an apparatus for washing with a free-falling curtain-like liquid film used for washing with water in the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing a waveform diagram of a sine wave used for electrochemical surface roughening in the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention.
FIG. 3 is a side view showing an example of a radial cell in an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing an example of an electrolytic surface roughening treatment apparatus equipped with a flat AC electrolytic cell in an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention. .
FIG. 5 is a schematic view of an anodizing apparatus used for anodizing in the method for producing a lithographic printing plate support of the present invention.
FIG. 6 is a graph showing an example of an alternating waveform current waveform diagram used in a comparative example.
[Explanation of symbols]
1,11 Aluminum plate
12 Radial drum roller
13a, 13b, 64 Main pole
14 Electrolytic treatment liquid
15 Electrolyte supply port
16 slits
17 Electrolyte passage
18, 72 Auxiliary anode (auxiliary electrode)
19a, 19b Thyristor
20 AC power supply
40, 62 Main electrolytic cell (AC electrolytic cell)
50, 70 Auxiliary anode tank (auxiliary electrolytic cell)
60 Electrolytic roughening treatment equipment
66A, 66B, 74A, 74B Conveying roller
68A, 76A Introduction roller
68B, 76B Derived roller
100 Equipment for washing with a free-fall curtain-like liquid film
102 water
104 water storage tank
106 Water bottle
108 Rectifier
410 Anodizing equipment
412 Feeding tank
413 Intermediate tank
414 Anodizing tank
416 Aluminum plate
418, 426 electrolyte
420 anode
422, 428 pass rollers
424 Nip roller
430 cathode
434 DC power supply
436, 438 Liquid supply nozzle
440 Screening board
442 Drain outlet
a Transport direction
T Transport surface
T ac Power supply
Claims (4)
1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理、
アルカリ水溶液中でのエッチング処理および
2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理
をこの順に施して平版印刷版用支持体を得る、平版印刷版用支持体の製造方法であって、
前記1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理および前記2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の電源波形が、いずれも正弦波であり、
前記2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の周波数が、前記1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の周波数よりも高い、平版印刷版用支持体の製造方法。Aluminum plate, at least
Electrochemical roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid for the first time;
Lithographic printing plate support obtained by performing etching treatment in an alkaline aqueous solution and electrochemical roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time in this order. A manufacturing method of
Used in the first electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid and in the second electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid. AC power supply waveforms are all sine waves,
The frequency of the alternating current used in the electrochemical roughening treatment using alternating current in the aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time is electrochemical using the alternating current in the aqueous solution containing hydrochloric acid for the first time. A method for producing a support for a lithographic printing plate, which is higher than the AC frequency used in the surface roughening treatment.
アルカリ水溶液中でのエッチング処理
酸性水溶液中でのデスマット処理、
1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理、
アルカリ水溶液中でのエッチング処理、
酸性水溶液中でのデスマット処理、
2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理、
アルカリ水溶液中でのエッチング処理、
酸性水溶液中でのデスマット処理および
陽極酸化処理
をこの順に施して平版印刷版用支持体を得る、平版印刷版用支持体の製造方法であって、
前記1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理および前記2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の電源波形が、いずれも正弦波であり、
前記2回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の周波数が、前記1回目の塩酸を含有する水溶液中での交流を用いた電気化学的粗面化処理で用いられる交流の周波数よりも高い、平版印刷版用支持体の製造方法。Aluminum plate, at least
Etching treatment in alkaline aqueous solution Desmut treatment in acidic aqueous solution,
Electrochemical roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid for the first time;
Etching treatment in alkaline solution,
Desmut treatment in acidic aqueous solution,
Electrochemical roughening treatment using alternating current in aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time,
Etching treatment in alkaline solution,
A method for producing a support for a lithographic printing plate, wherein a desmut treatment and an anodizing treatment in an acidic aqueous solution are performed in this order to obtain a support for a lithographic printing plate,
Used in the first electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid and in the second electrochemical surface roughening treatment using alternating current in an aqueous solution containing hydrochloric acid. AC power supply waveforms are all sine waves,
The frequency of the alternating current used in the electrochemical roughening treatment using alternating current in the aqueous solution containing hydrochloric acid for the second time is electrochemical using the alternating current in the aqueous solution containing hydrochloric acid for the first time. A method for producing a support for a lithographic printing plate, which is higher than the AC frequency used in the surface roughening treatment.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204389A JP2005047070A (en) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | Manufacturing method for substrate for planographic printing plate |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204389A JP2005047070A (en) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | Manufacturing method for substrate for planographic printing plate |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005047070A true JP2005047070A (en) | 2005-02-24 |
Family
ID=34263410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003204389A Withdrawn JP2005047070A (en) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | Manufacturing method for substrate for planographic printing plate |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005047070A (en) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009041659A1 (en) | 2007-09-28 | 2009-04-02 | Fujifilm Corporation | Solar cell |
JP2010058315A (en) * | 2008-09-02 | 2010-03-18 | Fujifilm Corp | Method of manufacturing lithographic printing plate support, lithographic printing plate support, and original plate for lithographic printing plate |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204389A patent/JP2005047070A/en not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009041659A1 (en) | 2007-09-28 | 2009-04-02 | Fujifilm Corporation | Solar cell |
JP2010058315A (en) * | 2008-09-02 | 2010-03-18 | Fujifilm Corp | Method of manufacturing lithographic printing plate support, lithographic printing plate support, and original plate for lithographic printing plate |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4410714B2 (en) | Method for producing support for lithographic printing plate | |
JP2008111142A (en) | Aluminum alloy sheet for planographic printing plate and support for planographic printing plate | |
JP2005254638A (en) | Method of manufacturing support for lithographic printing plate | |
JPWO2009122882A1 (en) | Method for producing support for lithographic printing plate | |
JP4250490B2 (en) | Aluminum alloy base plate for planographic printing plate and support for planographic printing plate | |
JP4445762B2 (en) | Method for producing support for lithographic printing plate | |
JP2006076104A (en) | Method for manufacturing support for lithographic printing plate | |
JP4520791B2 (en) | Lithographic printing plate support and lithographic printing plate precursor | |
JP2005001356A (en) | Manufacturing method of support for lithographic printing plate | |
JP2005035034A (en) | Method for manufacturing support for lithographic printing plate | |
JP4268542B2 (en) | Method for producing support for lithographic printing plate | |
JP2005047070A (en) | Manufacturing method for substrate for planographic printing plate | |
JP2005047084A (en) | Manufacturing method for substrate for planographic printing plate | |
JP2006240116A (en) | Support for lithographic printing plate and its manufacturing method | |
JP2006082387A (en) | Manufacturing method of support for lithographic printing form | |
JP4648057B2 (en) | Method for producing support for lithographic printing plate | |
JP4510570B2 (en) | Method for producing support for lithographic printing plate | |
JP4643380B2 (en) | Method for producing support for lithographic printing plate | |
JP2004243633A (en) | Manufacturing method of support for lithographic printing plate | |
JP2005088224A (en) | Aluminum plate for lithographic printing plate and support for lithographic printing plate | |
JP2006289854A (en) | Method for manufacturing lithographic printing plate support, and support | |
JP2005007751A (en) | Method for manufacturing support for lithographic printing plate | |
JP2005035098A (en) | Method for manufacturing support for lithographic printing plate | |
JP2005035073A (en) | Method for manufacturing support for lithographic printing plate | |
JP2006076105A (en) | Method for manufacturing support for lithographic printing plate |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061003 |