JP2004106101A - 管の切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミーリングカッター、特に超硬チップソーをカッターとして採用した切断機における刃物の寿命を長くしてランニングコストを引下げ、生産速度の速い小径管の生産ラインに適用可能なほど切断速度が速く、切断面品質が極めて良好な切断を可能にした管の切断方法の提供。
【解決手段】外周刃の特定方向、すなわち切削方向に超音波振動を付与することで刃物の寿命を長くし、切断速度が速くかつ切断面品質が良好な切断を可能にし、また、超音波振動を加えたことで切り屑が排出し易く、構成刃先を生じ難くなるため、ステンレス鋼管の切断時のカッター寿命の大幅な改善が可能になり、さらには、切断面の仕上げ精度が著しく向上して、切断面のバリ取りなどの後処理を省くことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】外周刃の特定方向、すなわち切削方向に超音波振動を付与することで刃物の寿命を長くし、切断速度が速くかつ切断面品質が良好な切断を可能にし、また、超音波振動を加えたことで切り屑が排出し易く、構成刃先を生じ難くなるため、ステンレス鋼管の切断時のカッター寿命の大幅な改善が可能になり、さらには、切断面の仕上げ精度が著しく向上して、切断面のバリ取りなどの後処理を省くことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、丸管や角管を管外周に沿って外周刃で切断するミーリングカッターを利用する切断機を用いた管の切断方法の改良に関し、前記外周刃に特定方向の超音波振動を付与することで刃物の寿命を長くし、切断速度が速くかつ切断面品質が良好な切断を可能にした管の切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
丸管や角管などの管の切断装置としては、従来からプレス切断機、ディスクカッター式切断機、フリクションソー切断機などが広く使われている。最近、切断効率及び切断面の品質を改善するために、いわゆるミーリングカッターを利用した切断機が使われるようになった。
【0003】
この種の切断機では、図1に丸管の切断プロセスを示すごとく通常、被切断管1の中心軸の周りに配置される1枚または複数枚の外周刃からなるミーリングカッター2,3を自転させながら、管1中心軸の周りを公転するように制御する切断方式を採用している。管形状に沿った最短の軌跡でかつ軽切削で切断を行えるため、切断効率が良くまた切断面が良好になるという利点がある。
【0004】
さらに、前記切断機は、ろう付技術と超硬チップの製造技術の進歩により、超硬チップソーをカッターとして採用できるようになったため、カッターの寿命も大きく改善された。よってこの種の切断機は、前記した従来方式の切断機を換えつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
超硬チップソーを使用することによって前記カッターの寿命が改善されたが、超硬チップソーに要する高いコストの割には寿命がまだ十分とは言えない。特に、ステンレス鋼管などを切断する際に、構成刃先を形成しやすいため、炭素鋼の場合に比べてカッターの寿命が半分以下になる。その結果、かかる切断機のランニングコストは依然として高いことになる。
【0006】
ここで、パイプミルのオンライン切断に用いる場合は、カッター交換の頻度が高いと、生産性と歩留まりにも大きな影響を与えることになる。また、特徴とする軽切削とカッターの寿命を維持するため、比較的切断速度が遅い問題があり、特に、前記オンラインの走行切断機として用いる場合は、生産性に問題が生じる場合がある。従って、生産速度の速い小径管の生産ラインでは、この種の切断機がほとんど採用されていないのが現状である。
【0007】
さらに、超硬チップソーをカッターとして採用すると、バリが少なくて切断面の後処理にかかる手間と費用が少なくなるのが、この種の切断機の大きな特徴の一つではあるが、現状の切断面は、後処理が完全に省略できるほどの仕上げ面にはなっていない。
【0008】
この発明は、ミーリングカッター、特に超硬チップソーをカッターとして採用した切断機における上述の問題を解消し、さらに刃物の寿命を長くしてランニングコストを引下げ、生産速度の速い小径管の生産ラインに適用可能なほど切断速度が速く、切断面品質が極めて良好な切断を可能にした管の切断方法の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、超硬チップソーの寿命延長、切断速度及び切断面品質の向上を目的に種々検討し、多くの要因のうち切削抵抗を低減することに着目してさらに鋭意検討を加えた結果、外周刃の特定方向、すなわち切削方向に超音波振動を付与することで刃物の寿命を長くし、切断速度が速くかつ切断面品質が良好な切断を可能にできることを知見し、この発明を完成した。
【0010】
すなわち、この発明は、単数又は複数の外周刃を被切断管の軸心を中心にして管外周に沿って移動可能に軸支配置し、前記外周刃を自転させて管外周方向に被切断管を切断する際に、切削中の前記外周刃に切削方向に振幅を有する超音波振動を加えることを特徴とする管の切断方法である。
【0011】
また、この発明は、上記構成の切断方法において、外周刃の切削方向に振幅を付与して切断する方法として、
外周刃自体に超音波振動子を配置して、外周刃の切削方向に振幅を付与してする方法、
外周刃の回転軸に超音波振動を加えて、外周刃の切削方向に振幅を付与する方法、を併せて提案する。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明において、対象とする切断機は、単数又は複数の外周刃を被切断管の軸心を中心にして管外周に沿って移動可能に軸支配置し、前記外周刃を自転させて管外周方向に被切断管を切断することができれば、公知のいずれの構成や制御機構を具備するミーリングカッター等も採用できる。また、独立した切断機として配置される構成のほか、パイプミルに併設される走行切断機のシステムなどいずれの構成であっても、この発明の切断方法を採用できる。なお、外周刃も円盤の全外周部に刃物を有する構成の他、刃物を部分的に配置した構成等、いずれも構成も採用でき、また回転体として必ずしも円盤である必要もない。
【0013】
この発明において、超音波振動は、外周刃の切削方向に超音波振動を加えることで切削抵抗を大きく低下させるもので、管の切断中の切削抵抗を有効に減らし、高価な超鋼チップソーの寿命と切断速度を大幅に改善することが可能となり、ランニングコストの削減や生産性の向上などの効果が得られる。
【0014】
また、超音波振動を加えた場合は、切り屑が排出し易くて構成刃先を生じ難くなるため、ミーリングカッターが苦手とするステンレス鋼管の切断においても、カッター寿命の大幅な改善が期待できる。さらに、超音波振動を付与することで切断面の仕上げ精度が著しく向上し、ミーリングカッターの本来の特徴に加えて、切断面のバリ取りなどの後処理を完全に無くすことが可能となる。
【0015】
この発明において、切断機の外周刃に超音波振動を加える手段としては、特に限定されるものでなく、外周刃の切削方向に振幅を有するように加振できれば、いずれの構成の振動子を切断機や外周刃のいずれの箇所に装着することも可能である。また、超音波振動子としては、圧電型など公知のいずれの構成も採用できる。
【0016】
超音波振動子を配置する方法としては、例えば外周刃の円盤主面にリング状超音波振動子を配置して、外周刃を直接駆動して切削方向に振幅を付与して加振する方法がある。また、外周刃を軸支する軸受箱に超音波振動子を配置する方法、外周刃を軸支するアームに超音波振動子を配置する方法、あるいは外周刃を軸支する軸受箱と接続する加振用アームに超音波振動子を配置する方法を採用し、回転軸を介して外周刃の切削方向に振幅を付与して加振する方法が採用できる。
【0017】
詳述すると、外周刃の円盤主面の場合、その片面又は両面の外周側あるいは内周側にリング状超音波振動子を配置することができ、当該振動子と外周刃が共に回転して円周方向に均一に超音波振動を与えることができる。
【0018】
同様に外周刃を軸支する軸受箱の外周刃側の外レースにリング状超音波振動子を配置して回転軸に振幅を付与することができる。また、外周刃を軸支して被切断管の軸心を中心にして管外周に沿っていわゆる公転させるための保持アームを、振動伝達体に利用して該アームの任意位置に超音波振動子を配置して回転軸に振幅を付与することができる。また、前記保持アームでなくとも、別途軸受箱と接続する加振用アームを設けて同様の機構で回転軸に振幅を付与することができる。
【0019】
【実施例】
実施例1
図2に示すこの発明による実施例を説明すると、ミーリングカッター10の円盤主面の両面に、刃先の内周側に位置するリング状超音波振動子11,12を着設してある。このリング状超音波振動子11,12の円周が一様に伸縮するため、切削方向となる当該カッター10の円周方向に超音波振動を付与することができる。
【0020】
かかる構成例では、ミーリングカッター10が所要の切断機の回転装置に装着されることで、超音波振動子11,12とミーリングカッター10がー緒に自転し、かつその円周方向に均一に超音波振動を与えることができる。
【0021】
従って、実際の切削方向を検知して切削方向に振幅を与えるように制御する、いわゆる追随操作をする必要がなく、常に切削中の前記カッター10に切削方向に振幅を有する超音波振動を加えることができ、切削抵抗を有効に減らしてチップソーの長寿命化と切断速度の高速化が可能となり、1枚のミーリングカッター10による鋼管の切断回数を従来比で倍増することができた。
【0022】
実施例2
図3に示すこの発明による実施例を説明すると、超音波振動子は実施例1のミーリングカッター自体に設けるのではなく、その自転の回転軸に超音波振動を加える構成例である。すなわち、保持アーム30は、その先端部には軸受箱31を備えてミーリングカッター20の回転軸21を軸支してこれを保持するもので、後端側に超音波振動子を装着してあり、当該保持アーム30の軸方向に加振でき、これをミーリングカッター20の刃先の切削方向(図示の矢印方向)に平行となるように制御することで常に回転軸21に所要の振動を付与できる。
【0023】
ここで、切断中のミーリングカッター20が自転しながら公転するため、空間固定の観測者から見れば、実際の切削方向が変化しており、超音波振動を加える際に、それを判断し追跡する必要がある。ただし、カッター20と共に公転する観測者から見れば、切断中の切削方向はほぼ一定であり、予め予測することができる。従って、上述の方向において、カッターと同じ公転角速度を持つ超音波振動子を用いてカッターの自転の回転軸に超音波振動を加えることで、図2の実施例1と同様の効果が得られた。
【0024】
【発明の効果】
この発明による切断方法は、外周刃の切削方向に超音波振動を加えることで切削抵抗を大きく低下させることができ、超硬チップソーの寿命と切断速度を大幅に改善可能となり、ランニングコストの削減や生産性の向上効果が得られる。
【0025】
また、この発明による切断方法は、超音波振動を加えたことで切り屑が排出し易く、構成刃先を生じ難くなるため、例えばステンレス鋼管の切断時のカッター寿命の大幅な改善が可能になり、さらには、切断面の仕上げ精度が著しく向上して、切断面のバリ取りなどの後処理を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミーリングカッターによる丸管の切断方法を示す動作説明図である。
【図2】この発明によるミーリングカッターの構成を示す説明図であり、Aは正面、Bは側面説明図である。
【図3】この発明による切断装置の構成例を示し、ミーリングカッターの保持アームに超音波振動子を装着した構成を示す説明図である
【符号の説明】
1 被切断管
2,3,10,20 ミーリングカッター
11,12 超音波振動子
21 回転軸
30 保持アーム
31 軸受箱
【発明の属する技術分野】
この発明は、丸管や角管を管外周に沿って外周刃で切断するミーリングカッターを利用する切断機を用いた管の切断方法の改良に関し、前記外周刃に特定方向の超音波振動を付与することで刃物の寿命を長くし、切断速度が速くかつ切断面品質が良好な切断を可能にした管の切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
丸管や角管などの管の切断装置としては、従来からプレス切断機、ディスクカッター式切断機、フリクションソー切断機などが広く使われている。最近、切断効率及び切断面の品質を改善するために、いわゆるミーリングカッターを利用した切断機が使われるようになった。
【0003】
この種の切断機では、図1に丸管の切断プロセスを示すごとく通常、被切断管1の中心軸の周りに配置される1枚または複数枚の外周刃からなるミーリングカッター2,3を自転させながら、管1中心軸の周りを公転するように制御する切断方式を採用している。管形状に沿った最短の軌跡でかつ軽切削で切断を行えるため、切断効率が良くまた切断面が良好になるという利点がある。
【0004】
さらに、前記切断機は、ろう付技術と超硬チップの製造技術の進歩により、超硬チップソーをカッターとして採用できるようになったため、カッターの寿命も大きく改善された。よってこの種の切断機は、前記した従来方式の切断機を換えつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
超硬チップソーを使用することによって前記カッターの寿命が改善されたが、超硬チップソーに要する高いコストの割には寿命がまだ十分とは言えない。特に、ステンレス鋼管などを切断する際に、構成刃先を形成しやすいため、炭素鋼の場合に比べてカッターの寿命が半分以下になる。その結果、かかる切断機のランニングコストは依然として高いことになる。
【0006】
ここで、パイプミルのオンライン切断に用いる場合は、カッター交換の頻度が高いと、生産性と歩留まりにも大きな影響を与えることになる。また、特徴とする軽切削とカッターの寿命を維持するため、比較的切断速度が遅い問題があり、特に、前記オンラインの走行切断機として用いる場合は、生産性に問題が生じる場合がある。従って、生産速度の速い小径管の生産ラインでは、この種の切断機がほとんど採用されていないのが現状である。
【0007】
さらに、超硬チップソーをカッターとして採用すると、バリが少なくて切断面の後処理にかかる手間と費用が少なくなるのが、この種の切断機の大きな特徴の一つではあるが、現状の切断面は、後処理が完全に省略できるほどの仕上げ面にはなっていない。
【0008】
この発明は、ミーリングカッター、特に超硬チップソーをカッターとして採用した切断機における上述の問題を解消し、さらに刃物の寿命を長くしてランニングコストを引下げ、生産速度の速い小径管の生産ラインに適用可能なほど切断速度が速く、切断面品質が極めて良好な切断を可能にした管の切断方法の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、超硬チップソーの寿命延長、切断速度及び切断面品質の向上を目的に種々検討し、多くの要因のうち切削抵抗を低減することに着目してさらに鋭意検討を加えた結果、外周刃の特定方向、すなわち切削方向に超音波振動を付与することで刃物の寿命を長くし、切断速度が速くかつ切断面品質が良好な切断を可能にできることを知見し、この発明を完成した。
【0010】
すなわち、この発明は、単数又は複数の外周刃を被切断管の軸心を中心にして管外周に沿って移動可能に軸支配置し、前記外周刃を自転させて管外周方向に被切断管を切断する際に、切削中の前記外周刃に切削方向に振幅を有する超音波振動を加えることを特徴とする管の切断方法である。
【0011】
また、この発明は、上記構成の切断方法において、外周刃の切削方向に振幅を付与して切断する方法として、
外周刃自体に超音波振動子を配置して、外周刃の切削方向に振幅を付与してする方法、
外周刃の回転軸に超音波振動を加えて、外周刃の切削方向に振幅を付与する方法、を併せて提案する。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明において、対象とする切断機は、単数又は複数の外周刃を被切断管の軸心を中心にして管外周に沿って移動可能に軸支配置し、前記外周刃を自転させて管外周方向に被切断管を切断することができれば、公知のいずれの構成や制御機構を具備するミーリングカッター等も採用できる。また、独立した切断機として配置される構成のほか、パイプミルに併設される走行切断機のシステムなどいずれの構成であっても、この発明の切断方法を採用できる。なお、外周刃も円盤の全外周部に刃物を有する構成の他、刃物を部分的に配置した構成等、いずれも構成も採用でき、また回転体として必ずしも円盤である必要もない。
【0013】
この発明において、超音波振動は、外周刃の切削方向に超音波振動を加えることで切削抵抗を大きく低下させるもので、管の切断中の切削抵抗を有効に減らし、高価な超鋼チップソーの寿命と切断速度を大幅に改善することが可能となり、ランニングコストの削減や生産性の向上などの効果が得られる。
【0014】
また、超音波振動を加えた場合は、切り屑が排出し易くて構成刃先を生じ難くなるため、ミーリングカッターが苦手とするステンレス鋼管の切断においても、カッター寿命の大幅な改善が期待できる。さらに、超音波振動を付与することで切断面の仕上げ精度が著しく向上し、ミーリングカッターの本来の特徴に加えて、切断面のバリ取りなどの後処理を完全に無くすことが可能となる。
【0015】
この発明において、切断機の外周刃に超音波振動を加える手段としては、特に限定されるものでなく、外周刃の切削方向に振幅を有するように加振できれば、いずれの構成の振動子を切断機や外周刃のいずれの箇所に装着することも可能である。また、超音波振動子としては、圧電型など公知のいずれの構成も採用できる。
【0016】
超音波振動子を配置する方法としては、例えば外周刃の円盤主面にリング状超音波振動子を配置して、外周刃を直接駆動して切削方向に振幅を付与して加振する方法がある。また、外周刃を軸支する軸受箱に超音波振動子を配置する方法、外周刃を軸支するアームに超音波振動子を配置する方法、あるいは外周刃を軸支する軸受箱と接続する加振用アームに超音波振動子を配置する方法を採用し、回転軸を介して外周刃の切削方向に振幅を付与して加振する方法が採用できる。
【0017】
詳述すると、外周刃の円盤主面の場合、その片面又は両面の外周側あるいは内周側にリング状超音波振動子を配置することができ、当該振動子と外周刃が共に回転して円周方向に均一に超音波振動を与えることができる。
【0018】
同様に外周刃を軸支する軸受箱の外周刃側の外レースにリング状超音波振動子を配置して回転軸に振幅を付与することができる。また、外周刃を軸支して被切断管の軸心を中心にして管外周に沿っていわゆる公転させるための保持アームを、振動伝達体に利用して該アームの任意位置に超音波振動子を配置して回転軸に振幅を付与することができる。また、前記保持アームでなくとも、別途軸受箱と接続する加振用アームを設けて同様の機構で回転軸に振幅を付与することができる。
【0019】
【実施例】
実施例1
図2に示すこの発明による実施例を説明すると、ミーリングカッター10の円盤主面の両面に、刃先の内周側に位置するリング状超音波振動子11,12を着設してある。このリング状超音波振動子11,12の円周が一様に伸縮するため、切削方向となる当該カッター10の円周方向に超音波振動を付与することができる。
【0020】
かかる構成例では、ミーリングカッター10が所要の切断機の回転装置に装着されることで、超音波振動子11,12とミーリングカッター10がー緒に自転し、かつその円周方向に均一に超音波振動を与えることができる。
【0021】
従って、実際の切削方向を検知して切削方向に振幅を与えるように制御する、いわゆる追随操作をする必要がなく、常に切削中の前記カッター10に切削方向に振幅を有する超音波振動を加えることができ、切削抵抗を有効に減らしてチップソーの長寿命化と切断速度の高速化が可能となり、1枚のミーリングカッター10による鋼管の切断回数を従来比で倍増することができた。
【0022】
実施例2
図3に示すこの発明による実施例を説明すると、超音波振動子は実施例1のミーリングカッター自体に設けるのではなく、その自転の回転軸に超音波振動を加える構成例である。すなわち、保持アーム30は、その先端部には軸受箱31を備えてミーリングカッター20の回転軸21を軸支してこれを保持するもので、後端側に超音波振動子を装着してあり、当該保持アーム30の軸方向に加振でき、これをミーリングカッター20の刃先の切削方向(図示の矢印方向)に平行となるように制御することで常に回転軸21に所要の振動を付与できる。
【0023】
ここで、切断中のミーリングカッター20が自転しながら公転するため、空間固定の観測者から見れば、実際の切削方向が変化しており、超音波振動を加える際に、それを判断し追跡する必要がある。ただし、カッター20と共に公転する観測者から見れば、切断中の切削方向はほぼ一定であり、予め予測することができる。従って、上述の方向において、カッターと同じ公転角速度を持つ超音波振動子を用いてカッターの自転の回転軸に超音波振動を加えることで、図2の実施例1と同様の効果が得られた。
【0024】
【発明の効果】
この発明による切断方法は、外周刃の切削方向に超音波振動を加えることで切削抵抗を大きく低下させることができ、超硬チップソーの寿命と切断速度を大幅に改善可能となり、ランニングコストの削減や生産性の向上効果が得られる。
【0025】
また、この発明による切断方法は、超音波振動を加えたことで切り屑が排出し易く、構成刃先を生じ難くなるため、例えばステンレス鋼管の切断時のカッター寿命の大幅な改善が可能になり、さらには、切断面の仕上げ精度が著しく向上して、切断面のバリ取りなどの後処理を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミーリングカッターによる丸管の切断方法を示す動作説明図である。
【図2】この発明によるミーリングカッターの構成を示す説明図であり、Aは正面、Bは側面説明図である。
【図3】この発明による切断装置の構成例を示し、ミーリングカッターの保持アームに超音波振動子を装着した構成を示す説明図である
【符号の説明】
1 被切断管
2,3,10,20 ミーリングカッター
11,12 超音波振動子
21 回転軸
30 保持アーム
31 軸受箱
Claims (3)
- 単数又は複数の外周刃を被切断管の軸心を中心にして管外周に沿って移動可能に軸支配置し、前記外周刃を自転させて管外周方向に被切断管を切断する際に、切削中の前記外周刃に切削方向に振幅を有する超音波振動を加える管の切断方法。
- 外周刃自体に超音波振動子を配置して、外周刃の切削方向に振幅を付与して切断する請求項1に記載の管の切断方法。
- 外周刃の回転軸に超音波振動を加振して、外周刃の切削方向に振幅を付与して切断する請求項1に記載の管の切断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270912A JP2004106101A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 管の切断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270912A JP2004106101A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 管の切断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004106101A true JP2004106101A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32268374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002270912A Pending JP2004106101A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 管の切断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004106101A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102350541A (zh) * | 2011-07-29 | 2012-02-15 | 上海先德机械工程有限公司 | 三轴随动在线切割数控铣床及其三轴随动控制方法 |
CN108038083A (zh) * | 2017-11-15 | 2018-05-15 | 中国航发沈阳黎明航空发动机有限责任公司 | 一种使用数据软件进行刀具耐用度预测的方法 |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002270912A patent/JP2004106101A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102350541A (zh) * | 2011-07-29 | 2012-02-15 | 上海先德机械工程有限公司 | 三轴随动在线切割数控铣床及其三轴随动控制方法 |
CN108038083A (zh) * | 2017-11-15 | 2018-05-15 | 中国航发沈阳黎明航空发动机有限责任公司 | 一种使用数据软件进行刀具耐用度预测的方法 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070831 |
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A02 | Decision of refusal |
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