JP2004106015A - ローラ表面の加工方法及び装置並びにエンボスローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ローラ14を回転装置16で一定速度で回転させると共に、レーザー照射装置12を往復移動装置18でローラ14の軸方向に一定速度で移動させる。そして、レーザー照射装置12から一定周波数のパルスレーザーをローラ表面に照射させると共に、レーザー照射装置12から照射されるパルスレーザーの照射点80を不規則動作装置20で不規則に動かすようにした。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローラ表面の加工方法及び装置並びにエンボスローラに係り、特に光の散乱性が良く防眩性に優れたフィルムを製造するためのエンボスローラ及びそのローラ表面の加工方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
防眩性が要求されるフィルム、例えば反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けられている。また、反射防止フィルムに防眩性を付与する方法として、ローラ表面に凹凸を有するエンボスローラとバックアップローラとで反射防止フィルムをニップすることにより、反射防止フィルムの表面にエンボスローラの凹凸形状を転写する方法がある。この転写において、光の散乱性が良く防眩性に優れた反射防止フィルムを得るには、エンボスローラのローラ表面に凸凹形状がランダムに形成されていることが好ましい。
【0003】
従来、ローラ表面に凸凹形状をランダムに形成する方法としては、ブラストショット法、放電加工法、メッキ処理法、表面化学処理法(エッチング処理)がある。また、レーザーを使用して被処理物に彫刻を施す方法として、例えば特許文献1がある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−191185号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザーを使用してローラ表面に凸凹形状をランダムに形成する加工方法及び装置が確立されていないのが実情であり、特許文献1の方法でエンボスローラを製作してもローラ表面の凸凹が規則的になってしまい良好な防眩性を有するフィルムを得ることができない。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたもので、レーザーを使用してローラ表面に凸凹形状をランダムに形成するローラ表面の加工方法及び装置並びにその加工方法で製作されたエンボスローラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明の請求項1は、前記目的を達成する為に、レーザー照射装置からレーザービームをローラの表面に照射することにより、ローラ表面に凸凹形状を形成するローラ表面の加工方法において、前記レーザーを使用してローラ表面に凸凹形状をランダムに形成するローラ表面の加工方法及び装置並びにその加工方法で製作されたエンボスローラを提供するローラを一定速度で回転させると共に、前記レーザー照射装置を前記ローラの軸方向に一定速度で往復移動させながら、前記レーザー照射装置から前記ローラ表面に照射させる一定周波数のパルスレーザーの照射点を不規則に動かすことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ローラを一定速度で回転させると共に、レーザー照射装置をローラの軸方向に一定速度で移動させる。そして、レーザー照射装置から一定周波数のパルスレーザーをローラ表面に照射させると共に、レーザー照射装置から照射されるパルスレーザーの照射点を不規則に動かすようにしたので、ローラ表面に凸凹形状をランダムに形成することができる。
【0009】
ここで、「凸凹形状をランダムに形成する」とは、凸凹形状の隣接する凸部同士又は凹部同士のピッチが一定せず、特異的な周期が存在しないことをいう。また、ランダム性が確保されたか否かの検査は、本発明によって製作されたエンボスローラでエンボス加工されたフィルムが、透過光の回折現象、反射光の色づきがない場合にはランダム性が確保されたと見なす。
【0010】
本発明の請求項2は、請求項1において、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすための好ましい態様であり、レーザー照射装置のレンズを振動させてレーザー光路を振動させるものである。即ち、パルスレーザーの周波数(又は波長)とレーザー光路の振動周波数(又は波長)とが異なるようにレンズを振動させる。
【0011】
本発明の請求項3は、請求項1において、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすための別の好ましい態様であり、レーザー照射装置のレンズに回転偏芯レンズを用いてレーザー光路を振動させるものである。即ち、パルスレーザーの周波数(又は波長)とレーザー光路の振動周波数(又は波長)とが異なるように回転偏芯レンズを回転偏芯させる。
【0012】
本発明の請求項4は、請求項1において、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすための他の好ましい態様であり、チョッパ装置によりパルスレーザーのパルスを不規則に間引くようにしたものである。
【0013】
本発明の請求項5は、請求項1において、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすための更に他の好ましい態様であり、音響光学素子を用いてレーザー光路を振動させるようにしたものである。即ち、ランダム信号を付与した音響光学素子でレーザー光路を不規則に偏向することにより照射点を不規則に振動させるようにしたものである。
【0014】
本発明の請求項6は、前記目的を達成するために、レーザー照射装置からレーザービームをローラの表面に照射することにより、ローラ表面に凸凹形状を形成するローラ表面の加工装置において、前記ローラを回転させる回転手段と、前記レーザー照射装置を前記ローラの軸方向に往復移動させる往復移動手段と、前記レーザー照射装置から前記ローラ表面に照射される一定周波数のパルスレーザーの照射点を不規則に動かす不規則動作手段と、前記回転手段の回転速度、前記往復移動手段の移動速度、及び前記不規則動作手段の不規則発生因子を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、ローラを回転させると共に、レーザー照射装置をローラの軸方向に移動させながら、レーザー照射装置からローラ表面に照射される一定周波数のパルスレーザーの照射点を不規則に動かして、ローラ表面に凸凹形状をランダムに形成する際に、制御手段で回転手段の回転速度、往復移動手段の移動速度、及び不規則動作手段の不規則発生因子を制御するようにしたので、請求項1のように、ローラの回転速度やレーザー照射装置の移動速度を一定にしてパルスレーザーの照射点のみを不規則に動かすこともでき、あるいはローラの回転速度やレーザー照射装置の移動速度を経時的に可変しながらパルスレーザーの照射点を不規則に動かすこともできる。このように、ローラの回転速度、レーザー照射装置をローラの軸方向の移動速度、及び不規則動作手段の不規則発生因子を複合的に可変することで、ローラ表面に形成する凸凹形状のランダム性を一層向上させることができる。
【0016】
本発明の請求項7は、前記目的を達成するために、請求項1〜5の何れか1の加工方法でローラ表面に凸凹形状が形成されたことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、ローラ表面に凸凹形状をランダムに形成したエンボスローラを製作することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るローラ表面の加工方法及び装置並びにエンボスローラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0019】
図1は、本発明のローラ表面の加工方法を適用する加工装置10の全体構成図であり、主として、一定周波数のパルスレーザーを照射するレーザー照射装置12と、ローラ14を回転させる回転装置16と、レーザー照射装置12をローラ14の軸方向に往復移動させる往復移動装置18と、レーザー照射装置12から照射されるパルスレーザーの照射点を不規則に動かす不規則動作装置20(図2〜図4参照)とから構成される。
【0020】
ローラ表面に凸凹形状が形成されるローラ14の径は、特に限定するものではないが、5〜500φmmの範囲が好ましく、ローラ材質はセラミックを好適に使用することができる。
【0021】
レーザー照射装置12は、パルスレーザーが使用されると共に、パルスレーザーのパルス周波数が100〜10000HzのCO2 レーザーが好適に用いられる。またレーザー出力はローラ表面に形成する凹の大きさによるが、パルスレーザーの1パルス(1ショット)ごとにローラ面に1つの凹が形成されるように300〜600Wの範囲が好ましい。
【0022】
回転装置16は、ローラ14両端の回転軸14A、14Aを支持する一対の軸受22、22と、減速機24と、モータ26とで構成され、ローラ14は0.5〜10rpmの低速度で回転されることが好ましい。
【0023】
往復移動装置18は、レーザー照射装置12を2つの送りネジ機構で移動させるように構成される。即ち、基台28の上にローラ14の軸方向に沿っての第1レール30、30が敷設され、第1レール30上を第1ナット部材32がスライド自在に支持され、第1ナット部材32に正逆回転モータ34に連結された第1送りネジ36が螺合される。更に、第1ナット部材32の上にローラ14の軸方向に沿っての第2レール38、38が敷設され、第2レール38上を第2ナット部材40がスライドに支持され、第2ナット部材40に正逆回転モータ42に連結された第2送りネジ44が螺合される。そして、第2ナット部材40の上にレーザー照射装置12が搭載される。これにより、レーザー照射装置12を第2送りネジ44によりローラ全長の一定幅Wの領域で往復移動させる。次に、ローラ14が一回転したら、第1送りネジ36でレーザー照射装置12を次の一定幅Wの領域に移動する。これを繰り返しながら、レーザー照射装置12から照射したパルスレーザーにより、ローラ表面に凹(穴)を次々に穿設することにより、ローラ表面に凸凹形状を形成する。尚、図1では、ローラ全長の一定幅Wの領域でレーザー照射装置12を往復移動させるようにしたが、ローラ全長に渡って一回の往復移動で済ませるようにしてもよい。また、往復移動装置18は、これに限定されるものではなく、精度良く往復移動できる機構であればよい。
【0024】
図2〜図4は、不規則動作装置20の4種類の態様を模式的に示したものである。
【0025】
図2の不規則動作装置20は、レーザー照射装置12の集光レンズ46を振動させてレーザー光路を振動させることにより、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすようにしたもので、集光レンズ46を保持する筒形のレンズホルダ48と、レンズホルダ48の端部と装置本体50の筒形端部とを繋ぐ複数のバネ部材52、52…、例えばスプリングと、集光レンズ46の光軸54に対して直交する方向からレンズホルダ48に周期的に外力を加える加振装置(図示せず)とで構成される。加振装置としては、例えば高圧エアを周期的にレンズホルダ48に衝突させて外力を付与してもよく、あるいはモータで回転するカムの長軸部がレンズホルダ48に当接して短軸部が当接しないようにしておき、カムが回転して長軸部がレンズホルダ48に当たったときに外力を付与するようにしてもよい。これにより、加振装置でレンズホルダ48に外力が付与され集光レンズ46が振動し、レーザー光路が振動するので、ローラ表面の照射点が不規則に動く。従って、ローラ14の表面に凹形状Aがランダムに形成される。尚、バネ部材52はスプリングに限定されず、レンズホルダ48に外力が付与されたときにレンズホルダ48が振動し易いように支持できるものであればよい。また、レンズホルダ48に周期的な外力が付与できる機構であれば、上記した加振装置の外力発生機構とはとは別の機構でもよい。
【0026】
図3の不規則動作装置20は、レーザー照射装置12に回転偏芯レンズ56(56A、56B)を用いてレーザー光路を振動させることにより、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすようにしたもので、パルスレーザーの照射方向から見て集光レンズ46の後段に、集光レンズ46の光軸54に対して傾きの異なる第1及び第2の2枚の回転する偏芯レンズ56A、56Bを設けて構成される。これにより、レーザー光路は、回転する第1の偏芯レンズ56Aで振動され、更に回転する第2の偏芯レンズ56Bで振動される。これにより、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすことができる。この場合、回転する1枚の偏芯レンズ56でも可能であるが、1枚の偏芯レンズ56の場合にはパルスレーザーの何回かのパルスごとに照射点の同じ動きが繰り返される。従って、複数枚の偏芯レンズ56を使用してレーザー光路の振動を複合化することで照射点の同じ動きの繰り返しを抑制することができる。しかし、偏芯レンズ56の枚数が多くなりすぎるとレーザー照射装置12自体が大型化するので、2枚程度の偏芯レンズ56A、56Bが好適である。また、第1の偏芯レンズ56Aと第2の偏芯レンズ56Bの回転速度を変えることで更に照射点の動きが不規則になるので好ましい。これにより、回転する偏芯レンズ56A、56Bでレーザー光路が振動するので、ローラ表面の照射点が不規則に動く。従って、ローラ14の表面に凹Aがランダムに形成される。
【0027】
図4の不規則動作装置20は、チョッパ円板58(58A、58B)によりパルスレーザーのパルスを不規則に間引くことにより、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすようにしたもので、パルスレーザーの照射方向から見て集光レンズ46の後段に、第1及び第2の2枚の回転するチョッパ円板58A、58Bを設けて構成される。チョッパ円板58には、レーザーを透過する偏光フィルタ60(図4の白色部分)とレーザーを透過しない偏光フィルタ62(図4の黒色部分)とが、チョッパ円板58の周方向に交互に配列されており、パルスレーザーのパルスと黒色の偏光フィルタ62とが一致したときにパルスが間引かれる。これにより、集光レンズ46からのパルスレーザーは、回転する第1のチョッパ円板58Aで間引かれるか否かの選択が行われ、更に回転する第2のチョッパ円板58Bで間引かれるか否かの選択が行われる。従って、パルスレーザーのパルスは2枚のチョッパ円板58A、58Bで不規則に間引かれるので、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすことができる。この場合、回転する1枚のチョッパ円板58でも可能であるが、1枚のチョッパ円板58の場合にはパルスレーザーの何回かのパルスごとに照射点の同じ動きが繰り返される。従って、複数枚のチョッパ円板58を使用してパルスの間引きを複雑化することで照射点の同じ動きの繰り返しを抑制することができる。しかし、チョッパ円板58の枚数が多くなりすぎるとレーザー照射装置12自体が大型化するので、2枚程度のチョッパ円板58A、58Bが好適である。また、第1のチョッパ円板58Aと第2のチョッパ円板58Bの回転速度を変えることで更に照射点の動きが不規則になるので好ましい。これにより、チョッパ円板58A、58Bでパルスレーザーのパルスが不規則に間引かれるので、ローラ表面の照射点が不規則に動く。従って、ローラ14の表面に凹Aがランダムに形成される。
【0028】
図5の不規則動作装置20は、音響光学素子64(AOD)を用いてレーザー光路を振動させることにより、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすようにしたもので、パルスレーザーの照射方向から見て集光レンズ46の後段に設けた音響光学素子64と、音響光学素子64にホワイトノイズ等のランダム信号を付与するランダム信号発生装置66とで構成される。音響光学素子64は、音波と光波の相互作用により光の変調や偏向を行うもので、本発明では音響光学素子64とランダム信号発生装置66とを組み合わせることで、パルスレーザーのレーザー光路の不規則な偏向を行わせる。これにより、音響光学素子64でレーザー光路が振動するので、ローラ表面の照射点が不規則に動く。従って、ローラ14の表面に凹Aがランダムに形成される。
【0029】
図1に示すように、上記した回転装置16、往復移動装置18、及び不規則動作装置20は、コンピュータ68に信号ケーブル71を介して接続され、回転装置16のローラ回転速度、往復移動装置18によるレーザー照射装置12の往復移動速度、及び不規則動作装置20の不規則発生因子を制御する。これにより、図6の(a)上面図や(b)縦断面図に示すように、ローラ14のローラ表面に形成される凹Aにおける隣接する凹A同士のピッチ(P1 〜P5 )、凹Aの径(L1 〜L4 )、凹Aの深さ(D1 〜D4 )の不規則程度(分布程度)が調整される。ローラ14のローラ面に形成される凹Aのピッチ(P)と径(L)と深さ(D)は、製品である防眩性フィルムによって異なるが、ローラ面の凹Aから隣接する凹Aまでの平均ピッチ(P)は10〜30μmの範囲であることが好ましく、10〜15μmの範囲が更に好ましい。凹Aの平均深さ(D)は0.3〜1.5μmの範囲であることが好ましく、0.5〜1μmの範囲が更に好ましい。そして、ローラ表面に形成された凸凹形状の好ましいランダム性としては、ピッチ分布が平均ピッチに対して±50%以上、300%以下の分布幅を有することが好ましい。また、凹Aの径分布は、平均径に対して±5%以上、50%以下の分布幅を有することが好ましい。更に、凹Aの深さ分布は、平均深さに対して±5%以上、50%以下の分布幅を有することが好ましい。
【0030】
次に上記の如く構成された加工装置10を用いて、ローラ表面に凸凹形状をランダムに形成する加工方法を説明する。
【0031】
ローラ表面に凸凹形状を形成するローラ14を一定速度で回転させると共に、レーザー照射装置12をローラの軸方向に一定速度で往復移動させながら、レーザー照射装置12からローラ表面に一定周波数のパルスレーザーを照射させる。これにより、図7に示すように、ローラ表面を時間とともに移動するパルスレーザーのレーザー光路は、ローラ14の軸方向の一定幅Wの間をローラ14の周方向に一定の周期で蛇行する光路軌跡70を描く。しかし、この光路軌跡70だけでは、ローラ表面に照射されるパルスレーザーの照射点が規則的になってしまうので、ローラ表面に規則的な凸凹形状が形成されてしまう。そこで、本発明のローラ表面の加工方法では、ローラ14の回転速度とレーザー照射装置12の往復移動速度は一定にしておいて、不規則動作装置20によりレーザー光路を振動させたり、又はパルスを不規則に間引いたりすることで、パルスレーザーの照射点を不規則に動かすようにした。この場合、蛇行する光路軌跡70の周期幅Rは、回転装置16の回転速度と往復移動装置18の往復速度をコンピュータ68で制御することにより変化させることができる。
【0032】
図8は、図2で説明した集光レンズ46を振動させる不規則動作装置20を用いてパルスレーザーのレーザー光路を振動させることにより照射点80(図8の●)を不規則に動かす一例であり、図8の直線は集光レンズ46を振動させない場合の光路軌跡70(図7参照)であり、サインカーブ線は集光レンズ46の振動軌跡72である。そして、不規則動作装置20における不規則発生因子である集光レンズ46の振動周波数(又は波長)とパルスレーザーの周波数(又は波長)とをコンピュータ68で制御して両者の周波数(又は波長)が一致しないようにする。これにより、パルスレーザーの照射点80を、図8のように、光路軌跡70からズレた位置に動かすことができ、しかもズレ距離が不規則になるように動かすことができる。尚、集光レンズ46の振動軌跡72と光路軌跡70が一致したときにパルスレーザーがショットされたときには、照射点80が光路軌跡70上に乗る。こん結果、ローラ面に凹Aがランダムに穿設されるので、ローラ表面にランダムな凸凹形状を有するエンボスローラを製作することができる。
【0033】
尚、本実施の形態における加工方法では、ローラ14の回転速度とレーザー照射装置12の往復移動速度を一定にしたが、経時的に可変してもよい。
【0034】
【実施例】
直径がφ200mmのセラミック製ローラの表面に、本発明の加工装置を用いて凸凹形状を形成した。ランダム発生装置は、集光レンズを振動させてレーザー光路を振動させるタイプのものを使用した。
【0035】
加工条件は、ローラ回転数を1rpm、パルスレーザーのパルス周波数を300HzのCO2 レーザー、レーザー光路の振動周波数を168Hzと149Hzとで行った。
【0036】
その結果、照射するパルスレーザーのパルス周波数とレーザー光路の振動周波数との関係を制御することで、ローラ面に規則的な周期の存在しないランダムな凸凹形状を形成することができた。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のローラ表面の加工方法及び装置並びにエンボスローラによれば、レーザーを使用してローラ表面に凸凹形状をランダムに形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローラ表面の加工装置の全体構成図
【図2】ランダム発生装置のうちレンズを振動するタイプの概念図
【図3】ランダム発生装置のうち回転偏向レンズを用いたタイプの概念図
【図4】ランダム発生装置のうちを用いたタイプの概念図
【図5】ランダム発生装置のうち音響光学素子を用いたタイプの概念図
【図6】ローラ表面に形成される凸凹について説明する説明図
【図7】本発明のローラ表面の加工方法において照射点軌跡を説明する説明図
【図8】本発明のローラ表面の加工方法において照射点が不規則に動く理由を説明する説明図
【符号の説明】
10…ローラ表面の加工装置、12…レーザー照射装置、14…ローラ、16…回転装置、18…往復移動装置、20…不規則動作装置、26…モータ、28…基台、30…第1レール、32…第1ナット部材、34…モータ、36…第1送りネジ、38…第2レール、40…第2ナット部材、42…モータ、44…第2送りネジ、46…集光レンズ、48…レンズホルダ、50…装置本体、52…バネ部材、54…光軸、56…偏芯レンズ、58…チョッパ円板、64…音響光学素子、66…ランダム信号発生装置、70…光路軌跡、72…集光レンズの振動軌跡、A…ローラ面に形成される凹(穴)
Claims (7)
- レーザー照射装置からレーザービームをローラの表面に照射することにより、ローラ表面に凸凹形状を形成するローラ表面の加工方法において、
前記ローラを一定速度で回転させると共に、前記レーザー照射装置を前記ローラの軸方向に一定速度で往復移動させながら、前記レーザー照射装置から前記ローラ表面に照射させる一定周波数のパルスレーザーの照射点を不規則に動かすことを特徴とするローラ表面の加工方法。 - 前記レーザー照射装置のレンズを振動させてレーザー光路を振動させることにより、前記照射点を不規則に動かすことを特徴とする請求項1のローラ表面の加工方法。
- 前記レーザー照射装置のレンズに回転偏芯レンズを用いてレーザー光路を振動させることにより、前記照射点を不規則に動かすことを特徴とする請求項1のローラ表面の加工方法。
- チョッパ装置により前記パルスレーザーのパルスを不規則に間引くことにより、前記照射点を不規則に動かすことを特徴とする請求項1のローラ表面の加工方法。
- 音響光学素子を用いてレーザー光路を振動させることにより、前記照射点を不規則に動かすことを特徴とする請求項1のローラ表面の加工方法。
- レーザー照射装置からレーザービームをローラの表面に照射することにより、ローラ表面に凸凹形状を形成するローラ表面の加工装置において、
前記ローラを回転させる回転手段と、
前記レーザー照射装置を前記ローラの軸方向に往復移動させる往復移動手段と、
前記レーザー照射装置から前記ローラ表面に照射される一定周波数のパルスレーザーの照射点を不規則に動かす不規則動作手段と、
前記回転手段の回転速度、前記往復移動手段の移動速度、及び前記不規則動作手段の不規則発生因子を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするローラ表面の加工装置。 - 請求項1〜5の何れか1の加工方法でローラ表面に凸凹形状が形成されたことを特徴とするエンボスローラ。
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