JP2004105967A - カートリッジ型中空糸膜モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 中空糸膜エレメントの脱着が容易であり、かつ信頼性の高いシール機構を有するカートリッジ型中空糸膜モジュールを提供する。
【解決手段】 多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシングおよび液体の流入部を有するキャップを備え、前記隔壁の周辺側部にO−リングを配し、ケーシングの内壁と接触してシールするカートリッジ型中空糸膜モジュールにおいて、キャップフランジ部の内径が前記隔壁の外径より小さいことを特徴とするカートリッジ型中空糸膜モジュール。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、カートリッジ型中空糸膜モジュールに関し、中空糸膜エレメントの脱着が容易であり、かつ信頼性の高いシール機構を有するカートリッジ型中空糸膜モジュールに関する。
 近年、分離膜モジュールは色々な分野で使用され、例えば、従来の凝集−沈殿−砂濾過−塩素滅菌工程を経る方法に代わる新たな技術として水浄化システムへの応用が、また食品分野においては、コーヒー、紅茶、果汁の濃縮あるいは果汁の清澄化に、バイオ・酵素・製薬分野においては、無菌パイロジェンフリー精製水の製造等、さらに電子工業分野においては、ウエハー研磨排水の再利用にと各種の分野で利用されている。
 これら分離膜モジュールには、用途に応じ種々のタイプがある。例えば、中空糸型膜モジュール、スパイラルモジュール、プリーツモジュール、チューブラーモジュール、プレートアンドフレームモジュールなどが存在する。これらの内、中空糸型膜モジュールはコンパクト性が高く、大きな膜面積をケースに収納できるメリットがある。また、処理量が大量となる場合には大型の中空糸膜モジュールを使用するとモジュール重量が重くなり、取扱いが不便であるため、比較的取扱いやすい中型ないし小型の中空糸膜エレメントを複数本収納したカートリッジ型式の大型モジュールが多用されている。
特開平2−56223号公報
 カートリッジ型の大型モジュールは、一般に、多数の中空糸膜で構成され、かつ、中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント(以下、単に「中空糸膜エレメント」と称す。)、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシングおよび流体の出入口部を有するキャップから構成されているものが多い。このようなカートリッジ型のモジュールにおいて、ケーシングとキャップおよび隔壁を固定し信頼性の高い液密性を付与するのは困難な技術の一つである。特にカートリッジ型中空糸膜モジュールは、通常、水圧をかけて濾過するため、ケーシングやキャップには圧力がかかり、同様に隔壁部分にも圧力がかかる。大型のモジュールにおいては受ける圧力が小さくても圧力を受ける面積が大きいため、全体として多大な力がかかることになる。この様な使用条件の下で、液密にシールを行うと共に信頼ある強度を維持し、さらに中空糸膜エレメントの着脱が簡便であるモジュールの開発は、特に熱望されているところである。加えて、モジュールの大型化に伴い中空糸膜エレメント長が長くなっているが、モジュールが縦置き設置の場合には中空糸膜エレメントの交換時をモジュール上部から行うためエレメントが抜きにくくハンドリングが困難となる。また、エレメントを抜くスペースをモジュール上部に作る必要があり、設置場所によってはモジュールの使用に困難をきたす場合も生ずる。従ってモジュールの横置き設置の必要性が生じているがかかる横置き設置型のモジュールにおいても、縦置き設置型と同様に簡便なエレメント交換ができる必要がある。
 このような状況に鑑み、カートリッジ型中空糸膜モジュールについて鋭意検討したところ、隔壁、ケーシングおよびキャップを特定の形状等にして接続固定を工夫することで、前記諸問題を解決しうることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
 すなわち本発明は、多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシングおよび液体の流入部を有するキャップを備え、前記隔壁の周辺部分がケーシングとキャップの間に挟まれ固定シールされているカートリッジ型中空糸膜モジュールにおいて、隔壁の周辺側部がケーシングおよびキャップのフランジ内面に覆われていることを特徴するカートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。また、ケーシングとキャップの接続固定が、フランジ部分の一部がテーパーを有し、ケーシングフランジとキャップフランジのテーパー部分を押さえて接続固定することを特徴とする前記カートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。また、ケーシングとキャップの接続固定が、ケーシングおよびキャップのフランジ部分および隔壁に2個以上の貫通穴を有し、前記貫通穴にボルトを配置しナットで締め付けて接続固定することを特徴とする前記のカートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。また、多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシングおよび液体の流入部を有するキャップを備え、前記隔壁の周辺側部にO−リングを配し、ケーシングの内壁と接触してシールするカートリッジ型中空糸膜モジュールにおいて、キャップフランジ部の内径が前記隔壁の外径より小さいことを特徴とするカートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。さらに、キャップのフランジ面の少なくとも一部がケーシングの内壁より内側にケーシングの長手方向に突起していることを特徴とする前記カートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。また、隔壁に対しケーシングの長手方向中央側に位置し、ケーシングの内壁の少なくとも一部が突起して隔壁を支持していることを特徴する前記カートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。加えて、ケーシングとキャップの接続固定において、フランジ部分の一部がテーパーを有し、ケーシングフランジとキャップフランジのテーパー部分を、押さえ接続固定することを特徴とする前記カートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。
 本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュールによれば、信頼性の高いシール構造を有し、かつ、中空糸膜エレメントの着脱を容易にすることができる。さらに、モジュールが横置き設置型の場合にも、縦置き設置型と同様に簡便なエレメント交換が可能である。本発明によるモジュールは、特に大量処理を必要とする大型のモジュールに対し大きな効果を発揮することができる。
 以下、本発明を詳細に説明する。図1から図5に本発明によるカートリッジ型中空糸膜モジュールを例示し、図を用いて本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
 図1−Aは、本発明のモジュールの内部を示す。隔壁(3)はケーシング上下部に取り付けられているが、いずれか片方だけでもよい。この隔壁(3)はケーシング(2)とキャップ(1)とに挟まれて固定されている。隔壁の周辺側部はフランジ内面に覆われていることが特徴であり、隔壁(3)はケーシング(2)とキャップ(1)の両フランジと共に、ガスケット(5)を介して液密にシールされる。さらにキャップ(1)とケーシング(2)のフランジはボルトナット(7)で強固に接続固定される。なお、中空糸膜エレメント(4)は、隔壁との間に設けたO−リング(10)によって液密にシールされる。このような構造にすることにより、中空糸膜エレメントの交換時にはボルトナット(7)を外せば、キャップ(1)とケーシング(2)の接続が容易に解放されるとともに隔壁も解放されて、簡易に中空糸膜エレメントを交換することができる。なお、図1−Bに、ボルトナット(7)で固定したモジュールを上部より見た図を示す。
 図2−Aに、ケーシングフランジ、およびキャップフランジが共にテーパーであり、Vバンドカップリング(12)によって押さえ接続固定されているモジュールの図を示す。両テーパー部分を押し付けることでキャップ(1)とケーシング(2)は接続固定される。また隔壁(3)は、ケーシングのフランジおよびキャップのフランジに挟まれ、隔壁の周辺側部はケーシングフランジおよびキャップフランジの内面に覆われ、O−リング(11)によって液密にシールされる。なお、中空糸膜エレメント(13)は、隔壁との間に設けられたO−リングによってシールされる。この態様における中空糸膜エレメントの交換は、Vバンドカップリング(12)を外せば、キャップ(1)とケーシング(2)の接続が解放されると共に隔壁も解放され、簡易に中空糸膜エレメントを交換することが可能である。また組み立てる時には、隔壁周辺側部をケーシングのフランジに組み合わせれば隔壁の位置合わせが簡単にでき、キャップのフランジを隔壁周辺側部に合わせればキャップの位置合わせも簡単にできる。特に、横置き設置型のモジュールにおける中空糸膜エレメントの交換では、隔壁およびキャップが簡易に仮固定できることからその効果は大きい。なお、図2−Bに当該態様のモジュールを上から見た図を示す。
 図3−Aは、キャップのフランジ部の内径が、隔壁の外径より小さいことを特徴とするモジュールを示す。キャップ(1)の内径部分によって、隔壁(3)がケーシング外への飛びだすのを押さえることができる。なお、隔壁(3)はその周辺側部にO−リング(15)を配し、ケーシング(2)の内面と接触して液密にシールされる。キャップ(1)およびケーシング(2)のフランジ部分はテーパーを有し、このテーパーをVバンドカップリング(12)で押さえ接続固定する。また、中空糸膜エレメント(4)と隔壁(3)とは、O−リング(10)によって液密にシールされる。なお、図3−Bにモジュールを上から見た図を示す。
 図4には、隔壁(3)に対しケーシングの長手方向中央側に設けられたケーシング内壁のリング状突起部(16)を有し、またキャップ(1)のフランジ面の一部がケーシング(2)の内壁より内側にケーシング(2)の長手方向に突起部(17)を有しているモジュールを示す。ケーシングの内壁に設けられた突起部(16)により、隔壁(3)のケーシング中心方向へのずれを防止することができる。加えて、キャップ(1)の突起部(17)によって、隔壁(3)がケーシング外への飛びだすのを押さえることができる。この突起部(17)は、中空糸膜エレメント着脱時のキャップの位置決めを容易にすることも可能である。横置き設置型のモジュールの場合には、キャップの突起部(17)をケーシング(2)に合わせることでキャップの仮固定をも可能にする。このモジュールでの中空糸膜エレメントの交換は、Vバンドカップリング(12)を外し、キャップとケーシングの接続を解放するとともに隔壁も解放し、中空糸膜エレメントを交換する。
 本発明に使用する中空糸膜エレメントは、一般的にカートリッジ型中空糸膜モジュールで使用しうるものを使用することができる。一般的には保護ネットに中空糸膜束を挿入した中空糸膜エレメントを使用するが、図1に示したごとく保護ネットの代わりに、簡易ケースを用いた中空糸膜エレメント(4)を用いてもかまわない。図1から図4には、多数の中空糸膜で構成され、これが保護ネット等に挿入され、かつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されているエレメントを示した。中空糸膜エレメントの形状は、円筒状でもよいし扇形あるいは多角柱状でもよい。またモジュールに挿入するエレメント本数も特に制限はない。操作性の点で、好ましくは1〜20本、さらには3〜7本の範囲であることが好ましい。なお、図5−Aに、円柱状の中空糸膜エレメントを7本使用した場合、図5−Bに扇形の中空糸膜エレメントを4本使用した場合を示す。中空糸膜エレメントの大きさも特に制限はない。長さは10〜500cmの範囲、好ましくは30〜250cmの範囲であれば操作性がよく好ましい。太さは形状によって、例えば、エレメントが円筒状であれば外径が1〜300cmの範囲、特には5〜20cmの範囲が好ましい。中空糸膜エレメントに使用する中空糸膜や部材や接着剤の種類や材質についても一般に使用される素材を使用することができる。
 本発明のケーシング(2)およびキャップ(1)の形状において、上記以外の他の条件は特に制限はない。円筒状であれば使用しやすく、また円筒各部に内圧が均一に係るため特に好ましい。また、キャップは皿状や半球状であることが耐圧性が高く好ましい。さらに隔壁は、円形平板状や円形平板に補強をほどこした円盤がシンプルで好ましい。隔壁の材質は特に制限はなく、例えば、ステンレス、セラミック、FRP、ポリサルホン、PVC、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル、フッ素基含有樹脂、ポリイミド、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。またケーシング(2)やキャップ(1)の大きさについても特に制限はない。これらの取扱いを良好にするための、フックや引っ掛けを取り付けてもよい。これらの材質も特に制限はない。例えば、ステンレス、セラミック、FRP、ポリサルホン、PVC、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル、フッ素基含有樹脂、ポリイミド、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等を例示することができる。これらの中でステンレス、FRPは、耐久性が高く繰り返し使用が可能で特に好ましい。
 本発明のモジュールは、どの様な用途のモジュールにでも適応できる。例えば、従来の凝集−沈殿−砂濾過−塩素滅菌工程を経る方法に代わる新たな技術として水浄化システムへの応用が、また、食品分野においては、コーヒー、紅茶、果汁の濃縮あるいは果汁の清澄化に、バイオ・酵素・製薬分野においては、無菌パイロジェンフリー精製水の製造等、さらに電子工業分野においては、ウエハー研磨排水の再利用などがあげられる。
図1−Aは、本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュールの内部を示す図である。図1−Bは、図1−Aのモジュールを上部より見た一例である。 図2−Aは、本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュールの他の態様の1例である。図2−Bは、図2−Aのモジュールを上部より見た一例である。 図3−Aは、本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュールの他の態様の1例である。図3−Bは、図3−Aのモジュールを上部より見た一例である。 図4は、本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュールの他の態様の1例である。 図5−Aは、円筒状の中空糸エレメントを7本含有するカートリッジ型中空糸膜モジュールの横断面を示す。また、図5−Bは、扇型状の中空糸エレメントを4本含有しているカートリッジ型中空糸膜モジュールの横断面を示す。
符号の説明
1 キャップ
2 ケーシング
3 隔壁
4 中空糸膜エレメント(簡易保護ケース使用)
5 ガスケット
6 フランジ
7 ボルトナット
8 中空糸膜
9 接着剤
10 O−リング(中空糸膜エレメントと隔壁の間のシール)
11 O−リング(ケーシングおよびキャップと隔壁の間のシール)
12 Vバンドカップリング
13 中空糸膜エレメント(保護ネット使用)
14 テーパー部を有するフランジ
15 O−リング(隔壁周辺側部とケーシングの間のシール)
16、17突起部
 
 
 

Claims (4)

  1.  多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシングおよび液体の流入部を有するキャップを備え、前記隔壁の周辺側部にO−リングを配し、ケーシングの内壁と接触してシールするカートリッジ型中空糸膜モジュールにおいて、キャップフランジ部の内径が前記隔壁の外径より小さいことを特徴とするカートリッジ型中空糸膜モジュール。
  2.  キャップのフランジ面の少なくとも一部がケーシングの内壁より内側にケーシングの長手方向に突起していることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ型中空糸膜モジュール。
  3.  隔壁に対しケーシングの長手方向中央側に位置し、ケーシングの内壁の少なくとも一部が突起して隔壁を支持していることを特徴する請求項1または2に記載のカートリッジ型中空糸膜モジュール。
  4.  ケーシングとキャップの接続固定において、フランジ部分の一部がテーパーを有し、ケーシングフランジとキャップフランジのテーパー部分を、押さえ接続固定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカートリッジ型中空糸膜モジュール。

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JP2012506304A (ja) * 2009-09-21 2012-03-15 江▲蘇▼金山▲環▼保工程集▲団▼有限公司 中空糸型限外ろ過膜ろ過装置

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