JP2004105836A - 高周波プラズマ装置 - Google Patents

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Mina Sakano
坂野 美菜
Motofumi Tanaka
田中 元史
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Abstract

【課題】高周波プラズマの安定性を保持し、また凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体の放電管や各種部品の腐食等の弊害を低減すること。
【解決手段】放電管の外周に巻回された高周波コイルに励磁電流を流して、放電管の内部に高周波プラズマである誘導プラズマを発生させ、放電管内に供給された処理対象に対して所定の処理を実行する高周波プラズマ装置本体1に冷却用の熱媒体を供給し、当該高周波プラズマ装置本体1で加熱された冷却用の熱媒体を、熱交換手段4で冷却して再度高周波プラズマ装置本体1に供給し、閉ループ循環させて高周波プラズマ装置本体1を冷却する冷却媒体系統2,3,4,5と、高周波プラズマ装置本体1に供給する冷却用の熱媒体の温度を、一定温度範囲となるように制御する冷却媒体温度制御手段6,7,8,9,10,11とを備える。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電管の外周に巻回された高周波コイルに励磁電流を流して、放電管の内部に高周波プラズマである誘導プラズマを発生させ、放電管内に供給された処理対象に対して所定の処理を実行する高周波プラズマ装置に係り、特に高周波プラズマの安定性を保持でき、また凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体の放電管や各種部品の腐食等の弊害を低減できるようにした高周波プラズマ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波プラズマ装置は、放電管の外周に巻回された高周波コイルに励磁電流を流して、放電管の内部に高周波プラズマである誘導プラズマを発生させ、当該誘導プラズマ中に処理対象となるガスや微粉末等を投入して所定の処理を実行するものである。
【0003】
すなわち、この高周波プラズマ装置は、例えば、プラズマ中に注入された固体粉末を溶融粒子として基板上に付着・堆積させるプラズマ溶射、ダイヤモンド等の非平衡材料の成膜、微粒子の製造、あるいはフロン等の有機ハロゲン化合物の分解等に、多く利用されてきている。
【0004】
この種の高周波プラズマ装置としては、従来から、例えば“特開2001−217097”に開示されたものが知られている。
【0005】
この高周波プラズマ装置の基本的な構成としては、石英やセラミックス等の絶縁性物質で形成された放電管と、当該外周に巻回されて放電管内に誘導プラズマを発生させる高周波コイルとを備えている。
【0006】
また、高周波プラズマ装置の放電管は、互いに直径の異なる内管と外管とからなる2重管構造となっており、高周波プラズマの熱エネルギーから放電管を保護するために、通常、内管と外管との間には、冷却用の熱媒体である冷却水が流れる水路が形成されている。
【0007】
この場合、冷却水としては、例えば体積抵抗が0.5メガオームセンチメートル以上の水が用いられることが多い。
【0008】
図4は、この種の放電管の冷却を行なう冷却水系統を備えた高周波プラズマ装置の全体構成例を示すブロック図である(例えば、下記文献参照)。
【0009】
図4において、高周波プラズマ装置本体1は、放電管の外周に巻回された高周波コイルに励磁電流を流して、放電管の内部に高周波プラズマである誘導プラズマを発生させ、放電管内に供給された処理対象物を分解処理する。
【0010】
また、冷却水系統は、高周波プラズマ装置本体1に冷却用の熱媒体としての冷却水を供給し、当該高周波プラズマ装置本体1の放電管等で加熱された冷却水を、水タンク2、ポンプ3を経由して熱交換器4に導入し、クーリングタワー5で冷却された水により当該熱交換器4で熱交換して冷却し、再度高周波プラズマ装置本体1に供給し、閉ループ循環させて高周波プラズマ装置本体1を冷却するようになっている。
【0011】
【特許文献】
特開2001−217097
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の冷却水系統を備えた高周波プラズマ装置においては、次のような解決すべき問題点がある。
【0013】
すなわち、冷却水系統に用いられる熱交換器4としては、クーリングタワー5で冷却された水により熱交換するタイプのものが多い。このため、周辺温度(気温)の影響を受け易く、年間を通じて夏と冬とでは、30℃近くもの水温の差が生じる。
【0014】
このような季節による冷却水の温度変動は、放電管内部に供給されるプラズマガス等の性状に影響することから、高周波プラズマの安定性にも影響を及ぼす恐れがある。
【0015】
例えば、放電管内に、プラズマガスとして水蒸気を導入して、水蒸気プラズマを発生・維持させる場合、放電管の内壁付近を通過する一部の水蒸気は、水冷された放電管壁により冷却されて凝縮し易くなる。
【0016】
そして、この凝縮した水は、高周波プラズマの安定性を阻害すると共に、放電管内で腐食性のガスが発生する場合には、当該腐食性ガスを溶かし込んで、放電管や、高周波プラズマ装置を構成するその他の各種の部品の腐食を著しく促進してしまうという弊害がある。
【0017】
なお、以上のような弊害は、プラズマガスとして水蒸気を供給する場合のみに限らず、低温で凝縮し易い物質を放電管内に供給する場合には、全て放電管の内壁での気体の凝縮という事象が発生して、高周波プラズマの安定性を阻害し易くなる。
【0018】
そこで、上述したような冷却水系統における冷却用の熱媒体としての冷却水の温度を制御するための方法として、例えば次のような方法が考えられる。
【0019】
すなわち、その一つの方法としては、冷却水系統の途中(例えば、水タンク2)にヒータ等の加熱手段を取り付けて、当該ヒータによる温度制御を行なう方法が考えられる。
【0020】
しかしながら、このような方法では、ヒータの容量が充分大きければ、冷却水の温度を80〜90℃程度の温度範囲にて制御することが可能であるが、そのために非常に大きな容量のヒータを必要とし、経済的に好ましくないという問題点がある。
【0021】
さらに、冷却水系統全体を、高い冷却水温度に耐え得る材料で構成する必要があり、やはり経済的に好ましくないという問題点がある。
【0022】
一方、その他の方法として、冷却水系統に温度センサーを設置して、当該温度センサーにより熱交換器4の熱交換能力を制御する方法も考えられる。
【0023】
しかしながら、この場合には、クーリングタワー5からの冷却水量を増減することによる制御が考えられるが、かかる制御方法では、木目細かい温度制御を行なうことは困難であるという問題点がある。
【0024】
本発明の目的は、高周波プラズマの安定性を保持することができ、また凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体の放電管や各種部品の腐食等の弊害を低減することが可能な高周波プラズマ装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明では、放電管の外周に巻回された高周波コイルに励磁電流を流して、放電管の内部に高周波プラズマである誘導プラズマを発生させ、放電管内に供給された処理対象に対して所定の処理を実行する高周波プラズマ装置において、高周波プラズマ装置本体に冷却用の熱媒体を供給し、当該高周波プラズマ装置本体で加熱された冷却用の熱媒体を、熱交換手段で冷却して再度高周波プラズマ装置本体に供給し、閉ループ循環させて高周波プラズマ装置本体を冷却する冷却媒体系統と、高周波プラズマ装置本体に供給する冷却用の熱媒体の温度を、一定温度範囲となるように制御する冷却媒体温度制御手段とを備えている。
【0026】
従って、請求項1に対応する発明の高周波プラズマ装置においては、高周波プラズマ装置本体を冷却する冷却用の熱媒体の温度を、一定温度範囲となるように制御することにより、高周波プラズマ装置の外気温に左右されない冷却用の熱媒体を高周波プラズマ装置本体に供給することが可能となるため、年間を通じて高周波プラズマ装置本体の放電管内壁での気体の凝縮を防止することができる。 これにより、高周波プラズマの安定性を保持することができ、また凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体の放電管や各種部品の腐食等の弊害を低減することができる。
【0027】
また、請求項2に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の高周波プラズマ装置において、冷却媒体温度制御手段としては、冷却媒体系統の閉ループを、高周波プラズマ装置本体を含む第1の閉ループと、熱交換手段を含む第2の閉ループとに分離し、第1の閉ループと第2の閉ループとを結合可能なように設けられた弁と、高周波プラズマ装置本体に供給し加熱された冷却用の熱媒体の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段により検出された温度がある一定温度以上になると、弁を一定時間だけ開いて、第2の閉ループ内の冷却用の熱媒体を第1の閉ループに供給するように制御する制御手段とから構成している。
【0028】
従って、請求項2に対応する発明の高周波プラズマ装置においては、第1の閉ループと第2の閉ループとを結合する弁と、高周波プラズマ装置本体で加熱された冷却用の熱媒体の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段による検出温度がある一定温度以上になると、弁を一定時間だけ開いて、第2の閉ループ内の冷却用の熱媒体を第1の閉ループに供給する制御手段とから、冷却媒体温度制御手段を構成することにより、極めて簡便でしかも安価なシステム構成で、前述した高周波プラズマの安定性の保持、ならびに凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体の放電管や各種部品の腐食等の弊害の低減を実現することができる。 また、冷却用の熱媒体の温度を制御するためにヒータ等の加熱手段を設置する必要がないため、消費電力は極僅かで済み、ランニングコストをほとんど無視することができる。
【0029】
一方、請求項3に対応する発明では、上記請求項1または請求項2に対応する発明の高周波プラズマ装置において、冷却用の熱媒体として、冷却水を用いるようにしている。
【0030】
従って、請求項3に対応する発明の高周波プラズマ装置においては、冷却用の熱媒体として、通常使用されている冷却水を用いることにより、システムの構築を容易としつつ、前述した高周波プラズマの安定性の保持、ならびに凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体の放電管や各種部品の腐食等の弊害の低減を実現することができる。
【0031】
また、請求項4に対応する発明では、上記請求項1または請求項2に対応する発明の高周波プラズマ装置において、冷却用の熱媒体として、飽和蒸気、もしくは過熱蒸気を用いるようにしている。
【0032】
従って、請求項4に対応する発明の高周波プラズマ装置においては、冷却用の熱媒体として、飽和蒸気もしくは過熱蒸気等の蒸気を用いることにより、高周波プラズマ装置本体の放電管の管壁温度をより高温に制御することが可能となるため、前述した高周波プラズマの安定性の保持効果、ならびに凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体の放電管や各種部品の腐食等の弊害の低減効果を、より一層顕著に実現することができる。
【0033】
さらに、請求項5に対応する発明では、上記請求項4に対応する発明の高周波プラズマ装置において、高周波プラズマ装置本体に、プラズマガスとして水蒸気を供給する場合、冷却用の熱媒体としての飽和蒸気もしくは過熱蒸気は、プラズマガスとしての水蒸気の少なくとも一部であるようにしている。
【0034】
従って、請求項5に対応する発明の高周波プラズマ装置においては、冷却用の熱媒体として用いる飽和蒸気もしくは過熱蒸気を、プラズマガスとしての水蒸気の少なくとも一部とすることにより、冷却用の熱媒体としての飽和蒸気もしくは過熱蒸気を無駄なく効率的に供給することが可能となるため、プラズマガス用の蒸気生成に関わる負荷を低減することができると共に、システム全体の簡素化を図ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による高周波プラズマ装置の全体構成例を示すブロック図であり、図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0037】
すなわち、本実施の形態による高周波プラズマ装置は、図1に示すように、前記図4における冷却水系統の閉ループを、高周波プラズマ装置本体1を含む第1の閉ループL1と、水タンク2、ポンプ3、熱交換器4を含む第2の閉ループL2とに分離している。
【0038】
一方、第1の閉ループL1と第2の閉ループL2とを結合可能なように、電磁弁6を設けている。
【0039】
また、第1の閉ループL1には、図示部所に電磁弁7を設けると共に、高周波プラズマ装置本体1の下流側(冷却水の出口側)に、小型のポンプ8、および高周波プラズマ装置本体1に供給し加熱された冷却水の温度を検出する温度センサー9を設けている。
【0040】
さらに、第2の閉ループL2には、図示部所に電磁弁10を設けている。
【0041】
さらにまた、コントローラ11を設けている。
【0042】
コントローラ11は、通常は電磁弁6を“閉”、電磁弁7および電磁弁10を“開”して、第1の閉ループL1と第2の閉ループL2とを分離するように制御し、また温度センサー9により検出された温度がある一定温度以上になると、一定時間だけ電磁弁6を“開”、電磁弁7および電磁弁10を“閉”して、第2の閉ループL2内の冷却水を第1の閉ループL1に供給するように制御する。
【0043】
以上により、高周波プラズマ装置本体1に供給する冷却水の温度を、一定温度範囲となるように制御するための冷却媒体温度制御手段全体を構成している。
【0044】
次に、以上のように構成した本実施の形態による高周波プラズマ装置の作用について説明する。
【0045】
図1において、高周波プラズマ装置本体1の冷却水の温度が一定温度範囲にある通常時には、電磁弁6が“閉”、電磁弁7および電磁弁10が“開”しており、第1の閉ループL1と第2の閉ループL2とが分離されている。
【0046】
これにより、冷却水は、第1の閉ループL1内、および第2の閉ループL2内を、それぞれ個別に循環している。
【0047】
一方、高周波プラズマ装置本体1の下流側(冷却水の出口側)に設置された温度センサー9により検出される、高周波プラズマ装置本体1の冷却水の温度がある一定温度以上になると、コントローラ11により、一定時間だけ、電磁弁6が“開”、電磁弁7および電磁弁10が“閉”となるように制御される。
【0048】
これにより、第2の閉ループL2内を循環していた冷却水(熱交換器4により冷却されている)が、一定時間(例えば、2〜3秒程度)だけ第1の閉ループL1に供給されて、第1の閉ループL1内の冷却水の温度が低下する。
【0049】
そして、この温度が低下した冷却水が高周波プラズマ装置本体1により加熱されて、冷却水の温度がある一定温度以上に上昇すると、コントローラ11により、再度一定時間だけ、電磁弁6が“開”、電磁弁7および電磁弁10が“閉”となるように制御される。
【0050】
以上のような作用の繰り返しにより、高周波プラズマ装置本体1の冷却水の温度は、例えば10℃以内の一定温度範囲に容易に保持される。
【0051】
ここで、設定温度の上限値は、第1の閉ループL1内を構成する部材の耐用温度によって決まるが、安価に入手可能な部材でも、例えば60℃程度までは使用可能である。この場合には、50〜60℃程度の温度範囲で乗じ温度制御することができる。
【0052】
この点に関して、より具体的に説明すると、前述した図4に示す従来の高周波プラズマ装置では、高周波プラズマ装置本体1への冷却水の温度が、10〜17℃程度であったのに対して、本実施の形態の高周波プラズマ装置では、図1に示すように第1の閉ループL1を設けることにより、高周波プラズマ装置本体1への冷却水の温度を、33〜40℃程度(温度センサー9の設定温度が、例えば38℃の場合)に制御することができる。そして、この温度は、外気温度が10℃変化しても、変わらなかった。
【0053】
一般的に、冷却水は、高周波プラズマ装置本体1だけでなく、高周波電源内部やその他周辺装置にも同時に並列系統で供給されており、冷却水供給系の全冷却水量は、高周波プラズマ装置本体1のみの冷却水量の数倍程度である。
【0054】
本実施の形態の高周波プラズマ装置では、高周波プラズマ装置本体1へ供給される冷却水系統のみを閉ループにすることにより、他の冷却が必要な機器への影響なく、高周波プラズマ装置本体1の冷却水の温度を任意に制御することができる。
【0055】
また、極めて簡便な方法であり、必要な部材も、電磁弁6,7,10、小型のポンプ8、温度センサー9、配管具程度であり、安価な手段を用いることができる。
【0056】
さらに、ヒータ等の加熱手段を設置する必要がないため、消費電力は極く僅かであり、ランニングコストは無視できる程度である。
【0057】
上述したように、本実施の形態による高周波プラズマ装置では、高周波プラズマ装置本体1を冷却水の温度を、一定温度範囲となるように制御するようにしているので、高周波プラズマ装置の外気温に左右されない冷却水を高周波プラズマ装置本体1に供給することができるため、年間を通じて高周波プラズマ装置本体1の放電管内壁での気体の凝縮を防止することが可能となる。
【0058】
これにより、高周波プラズマの安定性を保持することができ、また凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体1の放電管や各種部品の腐食等の弊害を低減することができる。
【0059】
また、第1の閉ループL1と第2の閉ループL2とを結合する電磁弁6と、高周波プラズマ装置本体1で加熱された冷却水の温度を検出する温度センサー9と、温度センサー9による検出温度がある一定温度以上になると、電磁弁6を一定時間だけ開いて、第2の閉ループL2内の冷却水を第1の閉ループL1に供給するコントローラ11とから、冷却媒体温度制御手段を構成するようにしているので、極めて簡便でしかも安価なシステム構成で、前述した高周波プラズマの安定性の保持、ならびに凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体1の放電管や各種部品の腐食等の弊害の低減を実現することが可能となる。
【0060】
さらに、冷却用の熱媒体として、通常使用されている冷却水を用いるようにしているので、システムの構築を容易としつつ、前述した高周波プラズマの安定性の保持、ならびに凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体1の放電管や各種部品の腐食等の弊害の低減を実現することが可能となる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図2は、本実施の形態による高周波プラズマ装置の全体構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0062】
すなわち、本実施の形態による高周波プラズマ装置は、図2に示すように、前記図1に示す実施の形態による高周波プラズマ装置において、冷却用の熱媒体として、冷却水に代えて、飽和蒸気もしくは過熱蒸気等の蒸気を用いる構成としている。
【0063】
すなわち、ボイラ12により発生した蒸気(飽和蒸気もしくは過熱蒸気)を、高周波プラズマ装置本体1へ冷却用の熱媒体として供給し、高周波プラズマ装置本体1により加熱された蒸気を、凝縮器13へ供給して凝縮により水に戻し、再度ボイラ12に供給し、循環させて高周波プラズマ装置本体1を冷却するようにしている。
【0064】
なお、高周波プラズマ装置本体1を通過した蒸気は、凝縮器13を通してボイラ12に戻さずに、系外へ放出するようにしてもよい。
【0065】
次に、以上のように構成した本実施の形態による高周波プラズマ装置においては、高周波プラズマ装置本体1の冷却用の熱媒体として、水ではなく、飽和蒸気もしくは過熱蒸気等の蒸気を用いることにより、高周波プラズマ装置本体1の放電管の管壁温度を100℃以上に保持することができる。
【0066】
すなわち、これは、高周波プラズマ装置本体1の放電管の管壁温度をより高温に制御することができるため、特に、高周波プラズマ装置本体1の放電管内に水蒸気を導入して、水蒸気プラズマを発生・維持させる場合の凝縮防止に有効である。
【0067】
なお、冷却用の熱媒体として、過熱蒸気を用いる場合には、高周波プラズマ装置本体1のシール部材を耐高温の材料とすれば、より好ましい。
【0068】
上述したように、本実施の形態による高周波プラズマ装置では、冷却用の熱媒体として、飽和蒸気もしくは過熱蒸気等の蒸気を用いるようにしているので、高周波プラズマ装置本体1の放電管の管壁温度をより高温に制御することができるため、前述した高周波プラズマの安定性の保持効果、ならびに凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体1の放電管や各種部品の腐食等の弊害の低減効果を、より一層顕著に実現することが可能となる。
【0069】
(第3の実施の形態)
図3は、本実施の形態による高周波プラズマ装置の全体構成例を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0070】
すなわち、本実施の形態による高周波プラズマ装置は、図3に示すように、前記図2に示す実施の形態による高周波プラズマ装置において、高周波プラズマ装置本体1に、プラズマガスとして水蒸気を供給する場合、冷却用の熱媒体としての飽和蒸気もしくは過熱蒸気等の蒸気を、プラズマガスとしての水蒸気の少なくとも一部とする構成としている。
【0071】
すなわち、ボイラ12により発生した蒸気(飽和蒸気もしくは過熱蒸気)を、高周波プラズマ装置本体1へ冷却用の熱媒体として供給し、高周波プラズマ装置本体1により加熱された蒸気を、蒸気流量調整機構14へ供給して蒸気流量を調整し、加熱された蒸気の少なくとも一部を、高周波プラズマ装置本体1へプラズマガス用蒸気として供給するようにしている。
【0072】
次に、以上のように構成した本実施の形態による高周波プラズマ装置においては、プラズマガスとして水蒸気を用いる場合に、高周波プラズマ装置本体1の放電管を通過して加熱された後の蒸気を、蒸気流量調整機構14を通して高周波プラズマ装置本体1へプラズマガス用蒸気として供給することにより、冷却用の熱媒体としての飽和蒸気もしくは過熱蒸気を、無駄なく効率的に供給することができる。
【0073】
すなわち、この場合には、プラズマガスとして必要な蒸気流量に対して、冷却用の蒸気量が不足ならば、プラズマガス用のボイラ系統に冷却用蒸気系統を合流すればよく、またプラズマガスとして必要な蒸気流量に対して、冷却用の蒸気量が過剰ならば、冷却用蒸気の一部のみをプラズマガスとして使用すればよい。
【0074】
いずれにしても、冷却用蒸気を無駄なく活用することができ、プラズマガス用の蒸気生成に関わる負荷を低減することができる。
【0075】
上述したように、本実施の形態による高周波プラズマ装置では、冷却用の熱媒体として用いる飽和蒸気もしくは過熱蒸気を、プラズマガスとしての水蒸気の少なくとも一部とするようにしているので、冷却用の熱媒体としての飽和蒸気もしくは過熱蒸気を無駄なく効率的に供給することができるため、プラズマガス用の蒸気生成に関わる負荷を低減することができると共に、システム全体の簡素化を図ることが可能となる。
【0076】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
例えば、上記各実施の形態では、冷却用の熱媒体として、冷却水、あるいは蒸気(飽和蒸気もしくは過熱蒸気)を用いる場合について説明したが、これに限らず、冷却用の熱媒体として、その他の媒体を用いることも可能である。
【0077】
上記各実施の形態では、弁として、電磁弁を用いる場合について説明したが、これに限らず、弁として、その他の方式の弁を用いることも可能である。
【0078】
また、上記各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果を得ることができる。
さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、上記各実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高周波プラズマ装置によれば、高周波プラズマの安定性を保持することができ、また凝縮した液体による高周波プラズマ装置本体の放電管や各種部品の腐食等の弊害を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷却水系統を備えた高周波プラズマ装置の第1の実施の形態を示す全体ブロック図。
【図2】本発明による冷却水系統を備えた高周波プラズマ装置の第2の実施の形態を示す要部ブロック図。
【図3】本発明による冷却水系統を備えた高周波プラズマ装置の第3の実施の形態を示す要部ブロック図。
【図4】従来の冷却水系統を備えた高周波プラズマ装置の全体構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…高周波プラズマ装置本体
2…水タンク
3…ポンプ
4…熱交換器
5…クーリングタワー
6…電磁弁
7…電磁弁
8…ポンプ
9…温度センサー
10…電磁弁
11…コントローラ
12…ボイラ
13…凝縮器
14…蒸気流量調整機構
L1…第1の閉ループ
L2…第2の閉ループ。

Claims (5)

  1. 放電管の外周に巻回された高周波コイルに励磁電流を流して、前記放電管の内部に高周波プラズマである誘導プラズマを発生させ、前記放電管内に供給された処理対象に対して所定の処理を実行する高周波プラズマ装置において、
    前記高周波プラズマ装置本体に冷却用の熱媒体を供給し、当該高周波プラズマ装置本体で加熱された冷却用の熱媒体を、熱交換手段で冷却して再度前記高周波プラズマ装置本体に供給し、閉ループ循環させて前記高周波プラズマ装置本体を冷却する冷却媒体系統と、
    前記高周波プラズマ装置本体に供給する冷却用の熱媒体の温度を、一定温度範囲となるように制御する冷却媒体温度制御手段と、
    を備えて成ることを特徴とする高周波プラズマ装置。
  2. 前記請求項1に記載の高周波プラズマ装置において、
    前記冷却媒体温度制御手段としては、
    前記冷却媒体系統の閉ループを、前記高周波プラズマ装置本体を含む第1の閉ループと、前記熱交換手段を含む第2の閉ループとに分離し、
    前記第1の閉ループと前記第2の閉ループとを結合可能なように設けられた弁と、
    前記高周波プラズマ装置本体に供給し加熱された冷却用の熱媒体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された温度がある一定温度以上になると、前記弁を一定時間だけ開いて、前記第2の閉ループ内の冷却用の熱媒体を前記第1の閉ループに供給するように制御する制御手段と、
    から構成したことを特徴とする高周波プラズマ装置。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の高周波プラズマ装置において、
    前記冷却用の熱媒体として、冷却水を用いるようにしたことを特徴とする高周波プラズマ装置。
  4. 前記請求項1または請求項2に記載の高周波プラズマ装置において、
    前記冷却用の熱媒体として、飽和蒸気、もしくは過熱蒸気を用いるようにしたことを特徴とする高周波プラズマ装置。
  5. 前記請求項4に記載の高周波プラズマ装置において、
    前記高周波プラズマ装置本体に、プラズマガスとして水蒸気を供給する場合、前記冷却用の熱媒体としての飽和蒸気もしくは過熱蒸気は、前記プラズマガスとしての水蒸気の少なくとも一部であるようにしたことを特徴とする高周波プラズマ装置。
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JP2022164197A (ja) * 2021-04-16 2022-10-27 抗酸化食品株式会社 水蒸気プラズマ生成装置

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