JP2004105367A - ウォータージェットメス - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡治療で使用できるウォータージェットメスを提供すること。
【解決手段】ウォータージェットメスは、シリンジから流体を高圧で圧送するウォータージェット発生装置と、シリンジに接続されて先端のノズルから流体を噴射するカテーテル12とを有し、カテーテル12は、可撓性を有する内管34と、この内管34を覆う編組線層35と、この編組線層35を覆い可撓性を有する外管36とを備えている。これにより、コンプライアンスを低くできるので、ノズル噴射圧力の立ち上がり時間を短縮でき、所定のノズル噴射圧力に到達するまでの間に噴射される流体の量を低減できるから、流体が粘膜表面にほとんど溜まることがなく、内視鏡治療においてウォータージェットメスを使用できる。また、カテーテル12を体腔や血管に挿入した際に、体腔や血管内部の形状に容易に追従できる。
【選択図】      図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)等の内視鏡治療において、生体組織への穿孔、注入、剥離、粉砕、洗浄、散布に用いられるウォータージェットメスに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)や食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)等の内視鏡治療では、生理食塩水や硬化剤等の流体を注入する際には局注針が用いられている。
例えば、内視鏡的粘膜切除術(EMR)の手順を説明する。
図8に示すように、胃壁140は、内側から順に、固有筋層141、粘膜下層142、粘膜筋板143、粘膜144が積層されて構成され、粘膜144上には、病変145が形成されている。
局注針149を、粘膜144、粘膜筋板143および粘膜下層142を貫通させて、病変145の下の粘膜下層142にまで到達させ、生理食塩水を注入して、病変145を表面側に押し上げる。続いて、図9に示すように、病変145をガイドチューブ147で吸引して持ち上げた状態で、病変145にスネア鉗子148をかけて高周波電流をかけて切除する。
【0003】
次に、食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)の手順を説明する。
図10に示すように、食道壁150は、胃壁140と同様の構成を有しており、上述した内視鏡的粘膜切除術(EMR)と同様の方法で、粘膜下層142に硬化剤を注入する。
【0004】
しかしながら、上述した局注針149を用いる方法では、注入深度の制御が困難であるため、固有筋層141を貫通し穿孔してしまう可能性や、流体が壁外に漏出してしまうことによる縦隔炎の可能性があった。さらに、針穴からの出血に対する止血処理に時間がかかってしまい治療時間がかかるという問題があった。
【0005】
一方、胆石の除去等の開腹手術および腹腔内手術では、1990年代より、ウォータージェットメスが用いられている。
例えば、ウォータージェットメス110は、図11に示すように、流体を高圧で圧送するウォータージェット発生装置111と、このウォータージェット発生装置111に接続され先端のノズル130から流体を噴射するカテーテル112とを含んで構成されている。カテーテル112は、ステンレスで形成されている。
胆石の除去手術では、ウォータージェットメス110でウォータージェットを噴射させることにより、胆嚢とその周囲の脂肪組織等とを剥離させる。
【0006】
ところで、以上のウォータージェットメス110を、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)等の内視鏡治療に応用することが提案されている。
この場合、カテーテル112は、内視鏡のワーキングチャンネルに対する挿入深度や、その先端のノズル130からの噴射角度を自在に調整する必要があるため、可撓性を有しかつ表面の滑り特性の高い材料、例えばポリエステルで形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウォータージェット発生装置111から流体が所定圧力で圧送されると、この圧力によりカテーテル112の管径が弾性変形して拡がってしまうため(コンプライアンス)、圧送された流体は拡がったカテーテル内部を通ってノズルから噴射される。したがって、カテーテル112の管径が通常の大きさから拡がった大きさになるまでの間に、ノズル噴射圧力は注入圧力に対して大幅に低下し、所定のノズル噴射圧力が流体の噴射開始から所定時間だけ得られなかった。
よって、所定のノズル噴射圧力に到達しても、所定のノズル噴射圧力に到達するまでの間に既に噴射された流体が粘膜144表面に溜まるため、粘膜144表面に所定の噴射圧力を加えることができず、内視鏡的粘膜切除術(EMR)において、粘膜144、粘膜筋板143および粘膜下層142を切開できなかった。また、内視鏡的硬化療法(EIS)においても、同様の原因で粘膜下層142に硬化剤を注入できなかった。
【0008】
本発明の目的は、内視鏡治療で使用できるウォータージェットメスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のウォータージェットメスは、次の構成を採用する。
請求項1に記載のウォータージェットメスは、シリンジから流体を高圧で圧送するウォータージェット発生装置と、前記シリンジに接続されて先端のノズルから前記流体を噴射するカテーテルとを備えたウォータージェットメスであって、前記カテーテルは、可撓性を有する内管と、この内管を覆う編組線層と、この編組線層を覆い可撓性を有する外管とを備えていることを特徴とする。
【0010】
編組線層は、複数の金属線を編んで管状に形成したものであって、各金属線は螺旋状になっているものであり、材質は特に限定されないが、ステンレスが挙げられる。
内管は、材質は特に限定されないが、例えば、ポリウレタンのように表面が滑らかな材料で形成すれば、流体がカテーテル内部を通る際に摩擦損失を小さくできるから、シリンジ注入圧力からの圧力低下を極力抑えることができる。よって、所定のノズル噴射圧力を得るためのシリンジ注入圧力を低く設定でき、ウォータージェットメスの運転コストを低減できる。
外管は、材質は特に限定されないが、例えば、ポリエチレンのように表面が滑らかな材料で形成すれば、カテーテルを内視鏡のワーキングチャンネルに円滑に挿入できる。
【0011】
この発明によれば、編組線層を設けたので、金属線が内管を覆うことになるから、流体の圧力により内管の管径が拡がろうとしても、管径の拡がりを抑制して、コンプライアンスを低くできる。よって、ノズル噴射圧力の立ち上がり時間を短縮できる。したがって、所定のノズル噴射圧力に到達するまでの間に噴射される流体の量を低減できるから、流体が粘膜表面にほとんど溜まることがなく、粘膜表面に所定の噴射圧力を加えて、切開溝の形成および流体の注入を確実に行うことができ、内視鏡治療においてウォータージェットメスを使用できる。
また、編組線層は柔軟性を有しているから、カテーテルを体腔や血管に挿入した際に、体腔や血管内部の形状に容易に追従できる。
【0012】
請求項2に記載のウォータージェットメスは、請求項1に記載のウォータージェットメスにおいて、前記シリンジは、透明性を有しかつ剛性が高い材料で形成されていることを特徴とする。
シリンジを形成する材料としては、高剛性、高硬度で、耐熱性、耐溶液性、透明性に優れており、ディスポーザルであることが好ましく、例えば、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリシチレン、アクリル、およびアクリルシチレン等が挙げられる。
この発明によれば、シリンジを透明性を有しかつ剛性が高い材料で形成したので、従来のポリプロピレン製シリンジに比べ、特に、引張り強さや曲げ強さ等が大きく、コンプライアンスを低くできる。また、内部の流体を目視で確認できるため、ウォータージェットメスを円滑に操作できる。
【0013】
請求項3に記載のウォータージェットメスは、請求項1または2に記載のウォータージェットメスにおいて、前記カテーテルは、その基端外周面に鍔部を備えるとともに、前記シリンジは、その先端側外周面の一部に設けられ前記カテーテルの鍔部が前記シリンジの圧送方向に交差する方向から挿入可能な切欠部と、前記シリンジ内周面の前記切欠部より先端側に設けられ前記鍔部が前記シリンジの圧送方向に係止可能な被係止部を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、カテーテルの鍔部をシリンジの切欠部にシリンジの圧送方向に交差する方向から挿入する。すると、カテーテルの鍔部は、シリンジの被係止部にシリンジの圧送方向に係止される。よって、この状態でシリンジ内の流体が圧送されても、カテーテルは、シリンジの圧送方向に付勢されるにもかかわらず、シリンジから脱落しない。したがって、カテーテルをシリンジに対して脱着自在にできるから、カテーテルを洗浄が不要なディスポーザブルとすることができ、衛生的である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るウォータージェットメス10の断面図が示されている。
ウォータージェットメス10は、シリンジ20から流体を高圧で圧送するウォータージェット発生装置11と、シリンジ20に接続されて先端のノズル30から流体を噴射するカテーテル12とを備えている。
カテーテル12は、内視鏡のワーキングチャンネル40に挿通されるものであって、筒状のカテーテル本体31と、カテーテル本体31の基端に設けられ後述するシリンジ20の被接続部23に接続される接続部32と、カテーテル本体31の先端に設けられたノズル30とを備えている。
【0015】
図2(A)および(B)には、カテーテル12の接続部32の正面図および側面図が示されている。
接続部32は、カテーテル本体31の基端外周面に設けられカテーテル本体31より大きな外径を有する鍔部33を備えている。
【0016】
図1に戻って、ウォータージェット発生装置11は、シリンジ筒21、このシリンジ筒21内部に設けられたピストン22、およびシリンジ筒21先端に設けられた被接続部23を有するシリンジ20と、ピストン22を往復運動させる往復運動機構(図示省略)を備え、ピストン22の外周には、シリンジ筒21に密着するOリング24が2重に設けられている。シリンジ20は、透明性を有しかつ剛性が高い材料で形成されている。
以上のウォータージェット発生装置11は、往復運動機構によってピストン22が前進することによって、シリンジ筒21内の流体をシリンジ20先端から高圧で圧送するものである。
【0017】
図3(A)および(B)には、シリンジ20の被接続部23の正面図および断面図が示されている。
被接続部23は、シリンジ筒21先端側外周面の一部を切り欠いて形成されカテーテル12の鍔部33がシリンジ20の圧送方向に交差する方向から挿入可能な切欠部27と、シリンジ筒21内周面の切欠部27より先端側に設けられ鍔部33がシリンジ20の圧送方向に係止可能な被係止部28とを備えている。
【0018】
したがって、シリンジ20とカテーテル12との接続方法は、以下のようになる。カテーテル12の接続部32の鍔部33を、シリンジ20の被接続部23の切欠部27に対して、シリンジ20の圧送方向に交差する方向から挿入する。すると、カテーテル12の鍔部33は、被係止部28にシリンジ20の圧送方向に係止される。
【0019】
図4(A)および(B)には、カテーテル12のカテーテル本体31の正面図および側面図が示されている。
カテーテル本体31は、可撓性を有するポリウレタン製の内管34と、この内管34を覆うステンレス製の編組線層35と、この編組線層35を覆い可撓性を有するポリエチレン製の外管36とを備えている。
編組線層35は、複数の金属線を編んで管状に形成したものであって、各金属線は螺旋状になっている。
【0020】
図5には、カテーテル12のノズル30の断面図が示されている。
ノズル30は、先端に向かうに従って内径が小さくなる筒状のノズル本体37と、このノズル本体37の先端側外周に設けられノズル本体37に沿って延びるノズル鍔部38とを備えている。
ノズル本体37とノズル鍔部38との間にカテーテル12のカテーテル本体31先端が差し込まれてエポキシ樹脂等で接着されることにより、ノズル30はカテーテル12先端に接続される。
【0021】
内視鏡的粘膜切除術(EMR)におけるウォータージェットメス10の使用方法を説明する。
図6に示すように、カテーテル12先端のノズル30を粘膜144表面に接近させて、ウォータージェット発生装置11から生理食塩水をカテーテル12を通して圧送し、ノズル30から噴射させる。ノズル30から噴射圧力は、粘膜筋板143の切開閾値以上かつ固有筋層141の切開閾値以下とする。これにより、図7に示すように、粘膜144、粘膜筋板143および粘膜下層142を切開して、病変145の周囲に切開溝146を形成するとともに、粘膜下層142に噴射液を貯留させて病変145を表面側に押し上げる。続いて、病変145をガイドチューブ147で吸引して持ち上げた状態で、切開溝146にスネア鉗子148をかけて高周波電流をかけて切除する。
【0022】
以上のウォータージェットメス10によれば、病変145周囲に生理食塩水を噴射することにより、粘膜下層142に噴射液を貯留させるとともに、切開溝146を形成できるから、従来のように局注針で粘膜下層142に注入する場合に比べ、スネア鉗子148を病変145にかけやすく、病変145を迅速に切除できる。
このとき、ウォータージェットの噴流の流体力学的特性(コアンダ効果)により、粘膜筋板143および粘膜下層142内の血管を損傷せずに切開溝146を確実に形成できるから、無血操作が可能となり、切開時間の短縮を図ることができる。また、縦隔気腫や皮下気腫の発生を防止できる。
【0023】
また、食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)についても、上述した内視鏡的粘膜切除術(EMR)で述べた効果と同様の効果が得られるほか、ノズル噴射圧力を調整することによって、従来のように硬化剤の注入に局注針を用いる場合に比べ、硬化剤の注入深度を容易に調整できる。
【0024】
したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)編組線層35を設けたので、金属線が内管34を覆うことになるから、流体の圧力により内管34の管径が拡がろうとしても、管径の拡がりを抑制して、コンプライアンスを低くできる。よって、ノズル30の噴射圧力の立ち上がり時間を短縮できる。したがって、所定のノズル噴射圧力に到達するまでの間に噴射される流体の量を低減できるから、流体が粘膜144表面にほとんど溜まることがなく、粘膜144表面に所定の噴射圧力を加えて、切開溝146の形成および流体の注入を確実に行うことができ、内視鏡治療においてウォータージェットメス10を使用できる。また、編組線層35は柔軟性を有しているから、カテーテル12を体腔や血管に挿入した際に、体腔や血管内部の形状に容易に追従できる。
【0025】
(2)内管34を表面が滑らかなポリウレタンで形成したので、流体がカテーテル12内部を通る際に摩擦損失を小さくできるから、シリンジ注入圧力からの圧力低下を極力抑えることができる。よって、所定のノズル噴射圧力を得るためのシリンジ注入圧力を低く設定でき、ウォータージェットメス10の運転コストを低減できる。
【0026】
(3)外管36を表面が滑らかなポリエチレンで形成したので、カテーテル12を内視鏡のワーキングチャンネル40に円滑に挿入できる。
【0027】
(4)シリンジ20を透明性を有しかつ剛性が高い材料で形成したので、従来のポリプロピレン製シリンジに比べ、特に、引張り強さや曲げ強さ等が大きく、コンプライアンスを低くできる。また、内部の流体を目視で確認できるため、ウォータージェットメス10を円滑に操作できる。
【0028】
(5)カテーテル12の鍔部33をシリンジ20の切欠部27にシリンジ20の圧送方向に交差する方向から挿入する。すると、カテーテル12の鍔部33は、シリンジ20の被係止部28にシリンジ20の圧送方向に係止される。よって、この状態でシリンジ筒21内の流体が圧送されても、カテーテル12は、シリンジ20の圧送方向に付勢されるにもかかわらず、シリンジ20から脱落しない。したがって、カテーテル12をシリンジ20に対して脱着自在にできるから、カテーテル12を洗浄が不要なディスポーザブルとすることができ、衛生的である。
【0029】
[実施例]
・シリンジ:ポリエーテルスルホン製
・カテーテル
内管  :ポリウレタン製
編組線 :ステンレス製
外管  :ポリエチレン製
長さ  :2m
内径  :1.05×10−3
外径  :2.50×10−3
・ノズル
長さ  :5.00×10−4
先端内径:0.20×10−3
【0030】
シリンジの材質についての物性値を以下に示す。
【0031】
【表1】
Figure 2004105367
【0032】
ポリエーテルスルホンは、ポリプロピレンに比べ、高硬度で、耐熱性、透明性に優れており、引張り強さおよび曲げ強さも大きいことがわかる。そのため、コンプライアンスを低くなるから、ノズル噴射圧力の立ち上がり時間を短縮して、所定のノズル噴射圧力を速やかに得ることができる、といえる。
【0033】
また、エピネフリン加生理食塩水をノズルから噴射させ、10mm離れた点で噴射圧を測定した結果を以下に示す。
【0034】
【表2】
Figure 2004105367
【0035】
[内視鏡的粘膜切除術]
以上の条件で、新鮮豚の摘出胃壁を用いて、ノズルから胃粘膜までの距離を10mmとし、胃粘膜の切開を試みたところ、シリンジ注入速度5mL/sでは、粘膜および粘膜筋板の切開が確認され、粘膜下層には噴射液が3mmの厚みで貯留し、固有筋層には穿孔、損傷は見られなかった。
また、シリンジ注入速度6mL/sおよび7mL/sでは、粘膜下層には噴射液が8mmの厚みで貯留していた。
【0036】
次に、上述したシリンジ注入速度でノズルを20mm移動させて、胃粘膜の連続切開を試みたところ、シリンジ注入速度5mL/s、移動速度0.5mm/sでは、粘膜および粘膜筋板の切開が確認され、粘膜下層には噴射液が2mmの厚みで貯留し、固有筋層には穿孔、損傷は見られなかった。
また、シリンジ注入速度6mL/s以上、移動速度1.5mm/sでは、粘膜および粘膜筋板の切開が確認され、粘膜下層には噴射液が8mmの厚みで貯留していた。
【0037】
次に、上述したシリンジ注入速度でノズルを20mm移動させて、胃粘膜の円周状連続切開を試みたところ、シリンジ注入速度6mL/s以上では、粘膜および粘膜筋板の切開が確認され、固有筋層には穿孔、損傷は見られなかった。
【0038】
[食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法]
新鮮イヌの摘出食道壁を用いて、ノズルから食道粘膜までの距離を10mm、シリンジ注入圧力45kgf/cm(441N/cm)、注入量1回2mL程度の条件で、ノズルの食道粘膜表面に対する角度を30度〜90度で変化させながら生理食塩液の注入を試みた。その結果、45度以下では、粘膜下層に注入できなかったが、45度以上では、粘膜下層に注入でき、いずれの場合も固有筋層には穿孔、損傷は見られなかった。
以上より、ヒトの粘膜および粘膜筋板は、ブタより薄くイヌより厚いため、ヒトに対して応用可能であると考えられる。
【0039】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明のウォータージェットメスによれば、次のような効果が得られる。
編組線層を設けたので、流体の圧力により内管の管径が拡がろうとしても、管径の拡がりを抑制して、コンプライアンスを低くできる。よって、ノズル噴射圧力の立ち上がり時間を短縮できる。したがって、所定のノズル噴射圧力に到達するまでの間に噴射される流体の量を低減できるから、流体が粘膜表面にほとんど溜まることがなく、粘膜表面に所定の噴射圧力を加えて、切開溝の形成および流体の注入を確実に行うことができ、内視鏡治療においてウォータージェットメスを使用できる。また、編組線層は柔軟性を有しているから、カテーテルを体腔や血管に挿入した際に、体腔や血管内部の形状に容易に追従できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るウォータージェットメスを示す断面図である。
【図2】(A)前記実施形態に係るカテーテル基端部の正面図である。
(B)前記実施形態に係るカテーテル基端部の側面図である。
【図3】(A)前記実施形態に係るシリンジ先端部の正面図である。
(B)前記実施形態に係るシリンジ先端部の断面図である。
【図4】(A)前記実施形態に係るカテーテル中間部の正面図である。
(B)前記実施形態に係るカテーテル中間部の側面図である。
【図5】前記実施形態に係るノズルの断面図である。
【図6】前記実施形態に係るウォータージェットメスを用いた内視鏡的粘膜切除術における生理食塩水の注入手順を説明するための図である。
【図7】前記実施形態に係るウォータージェットメスを用いた内視鏡的粘膜切除術における病変の切除手順を説明するための図である。
【図8】従来例に係る内視鏡的粘膜切除術における生理食塩水の注入手順を説明するための図である。
【図9】従来例に係る内視鏡的粘膜切除術における病変の切除手順を説明するための図である。
【図10】従来例に係る内視鏡的硬化療法の硬化剤の注入手順を説明するための図である。
【図11】従来例に係るウォータージェットメスを示す図である。
【符号の説明】
10   ウォータージェットメス
11   ウォータージェット発生装置
12   カテーテル
20   シリンジ
27   切欠部
28   被係止部
30   ノズル
33   鍔部
34   内管
35   編組線層
36   外管

Claims (3)

  1. シリンジから流体を高圧で圧送するウォータージェット発生装置と、前記シリンジに接続されて先端のノズルから前記流体を噴射するカテーテルとを備えたウォータージェットメスであって、
    前記カテーテルは、可撓性を有する内管と、この内管を覆う編組線層と、この編組線層を覆い可撓性を有する外管とを備えていることを特徴とするウォータージェットメス。
  2. 請求項1に記載のウォータージェットメスにおいて、
    前記シリンジは、透明性を有しかつ剛性が高い材料で形成されていることを特徴とするウォータージェットメス。
  3. 請求項1または2に記載のウォータージェットメスにおいて、
    前記カテーテルは、その基端外周面に鍔部を備えるとともに、
    前記シリンジは、その先端側外周面の一部に設けられ前記カテーテルの鍔部が前記シリンジの圧送方向に交差する方向から挿入可能な切欠部と、前記シリンジ内周面の前記切欠部より先端側に設けられ前記鍔部が前記シリンジの圧送方向に係止可能な被係止部を備えていることを特徴とするウォータージェットメス。
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