JP2004105248A - バンド及びこれを備えた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体ケース111に接続されたバンド120は軟質合成樹脂材121を主体として構成されている。バンド120には、本体ケース111に隣接する隣接領域120Aの内部に芯部分122が配置されている。隣接領域120Aは、本体ケース111の端部111aに隣接する端隣接部120A−1と、本体ケース111の裏蓋部111Bに相当する背面部分上に重なる背面重畳部120A−2とを含むバンド120の部分である。芯部分122は、金属製のコア板122Aと、このコア板122Aの少なくとも一部を覆うように形成された硬質合成樹脂材122Bとを有する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバンド及びこれを備えた電子機器に係り、特に、腕時計などの機器本体に対して接続される可撓性を有するバンドの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、機器本体に対して可撓性を有するバンド(ベルト)を連結した各種の機器が知られている。これらの機器としては、腕時計、ダイビングウォッチ、ダイバーズコンピュータ、ストップウォッチなどがある。従来から、例えば腕時計として、時計本体の端部にウレタン樹脂や合成ゴムなどによって構成された可撓性を有するバンドを連結したものが市販されている。この種の腕時計では、時計本体を構成する時計ケースとバンドとの外観上の一体性を重視した外装デザインが採用される場合があり、このような外装デザインに対応した時計ケースとバンドとの接続構造が種々提案されている。
【0003】
例えば、図12(a)に示す腕時計10においては、金属や硬質プラスチック等で構成される時計ケース11の連結端部11aに凹部11bが設けられ、合成ゴム等で構成される可撓性を有するバンド12の連結端部12aに凸部12bが設けられる。そして、凹部11b内に凸部12bが嵌合した状態で、連結端部11aの側面に開口する連結孔11cに連結棒13を挿入して凸部12bに挿通させることにより、時計ケース11とバンド12とを相互に連結するようにしている。このような構造は、例えば、以下の特許文献1の従来技術の欄(図8及び図9)に記載されている。
【0004】
また、図12(b)に示す腕時計20においては、金属や硬質プラスチック等で構成される時計ケース21の連結端部21aに凸部21bが設けられ、合成ゴム等で構成される可撓性を有するバンド22の連結端部22aに凹部22bが設けられる。そして、凹部22b内に凸部21bが嵌合した状態で、連結端部22aの側面に開口する連結孔22cに連結棒23を挿入して凸部21bに挿通させることにより、時計ケース21とバンド22とを相互に連結するようにしている。このような時計ケースとバンドとの接続構造は、例えば、以下の特許文献1の実施形態の欄(図1乃至図7)に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−000321号公報
【0006】
さらに、図13(a)に示す腕時計30においては、金属や硬質プラスチック等で構成される時計ケース31を、合成ゴム等で構成される可撓性を有するバンド32が一体に包み込むように構成されている。このような構造は、例えば、以下の特許文献2乃至4に開示されている。
【0007】
【特許文献2】
特開平06−294876号公報
【0008】
【特許文献3】
実開昭62−165588号公報
【0009】
【特許文献4】
実開昭60−154886号公報
【0010】
また、図13(b)に示す腕時計40においては、金属や硬質プラスチック等で構成される時計ケース41が、合成ゴム等で構成される可撓性を有するバンド42の内部に、隣接領域42aの裏面側に形成された開口部42bを通して導入されている。時計ケース41には連結端部41aが設けられ、バンド42の隣接領域42aに設けられた連結孔42cに連結棒43を挿入し、その連結端部41aに挿通させることにより、時計ケース41とバンド42とを相互に連結するようにしている。このような時計ケースとバンドとの接続構造に類似した構造としては、例えば、以下の特許文献5に記載されたものがある。
【0011】
【特許文献5】
特開昭60−202377号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1等に記載された時計ケースとバンドとの接続構造においては、時計ケース11,21とバンド12,22の一体性を有する外装デザインを採用することができるが、時計ケース11又はバンド22の側面に連結棒13,23を挿入するための連結孔11c,22cの開口が見えるため、外装デザインの高級感が損なわれるという問題点がある。また、時計ケース11,21に対して可撓性を有するバンド12,22を強く引っ張ると、バンド12,22は大きく変形し、時計ケース11,21の連結端部11a,21aとバンド12,22の連結端部12a,22aとの間に隙間が発生するので、外観がさらに悪化するという問題点もある。
【0013】
一方、上記特許文献2乃至4に記載された時計ケースとバンドとの接続構造においては、時計ケース31がバンド32の内部に一体に包み込まれているために、時計ケース31とバンド32の一体性を容易に得ることができるが、時計ケース31が金属製である場合には、バンド32が時計ケース31から剥離し易いという問題点がある。この場合、可撓性を有するバンド32には通常の使用態様でも繰り返し応力が加わるので、時計ケース31とバンド32の剥離を避けることはほとんどできないと考えられるため、時計ケース31を硬質プラスチックなどのバンド32との密着性の良好な素材で構成しなければならない。これによって、時計ケース31の素材の選択に制約が課せられることとなり、特に、金属素材を用いることができず、外装に合成樹脂を用いることから外観上高級感を得ることが難しい。
【0014】
また、上記図13(b)に示された時計ケースとバンドとの接続構造においては、時計ケース41に突設された連結端部41aを形成する必要があるとともに、バンド42の側面に連結孔42cの開口を形成せざるを得ないので、外装デザインに大きな制約が課せられるという問題点がある。
【0015】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、機器本体と可撓性を有するバンドとの間に外観上の一体性を持たせることが可能であるとともに、外装デザインに大きな制約を課すことのないバンド及びこれを備えた電子機器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のバンドは、機器本体に接続される可撓性を有するバンドであって、前記機器本体に装着された状態で前記機器本体に隣接する隣接領域において、硬質の芯部分と、該芯部分を覆う可撓性の軟質合成樹脂材とを有し、前記芯部分は、金属製のコア材と、該コア材の少なくとも一部を覆うように構成された硬質合成樹脂材とを有することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、バンドの機器本体に対する隣接領域に芯部分が配置されていることにより、当該隣接領域の変形を抑制することができるため、可撓性を有するバンドに応力が加わった場合に、機器本体とバンドとの間に形成される隙間を低減し、或いは、無くすことができる。
【0018】
また、芯部分が金属製のコア材と、このコア材の少なくとも一部を覆うように硬質合成樹脂材を有するため、コア材の金属素材と軟質合成樹脂材の素材との間の密着力が低くても、硬質合成樹脂材を介してコア材と軟質合成樹脂材との一体性を確保することが可能になるので、バンドの隣接領域に設けられた複数の素材が相互に剥離しにくいように構成することができる。特に、コア材を構成するステンレス鋼などの金属素材は一般に硬質合成樹脂よりも破壊強度が高いため、衝撃等の過大な応力を受けた場合にもバンドの損傷の恐れを低減することができる。
【0019】
さらに、硬質合成樹脂材をコア材の少なくとも一部に覆うように設けることにより、軟質合成樹脂の内側に配置されたコア材と硬質合成樹脂材とで構成される硬質の芯部分の形状をより自由に且つより簡単に成形できるという利点もある。例えば、金属製のコア材を所望の形状に加工するには通常切削加工や塑性加工を必要とし、複雑な形状を実現しようとすると製造コストが上昇するが、コア材に対してインサート成形等により硬質合成樹脂材を覆うように設けることにより、簡単に且つ低コストで芯部分を所望の形状に成形することができるとともに、芯部分が外装デザインに対応した複雑な形状であっても容易に実現できる。
【0020】
なお、硬質合成樹脂材は、可撓性を有するバンドを構成する際の主体となる軟質合成樹脂よりも可撓性が低いものであればよい。ただし、硬質合成樹脂材としては、機器本体のケースなどにも用いることの可能な程度の剛性を有するものであることが望ましい。
【0021】
本発明において、前記芯部分(例えばコア材)は、前記機器本体の表面に当接する前記隣接領域の当接面に沿って配置されていることが好ましい。これにより、機器本体に沿った隣接領域の剛性を高めることができるとともに、肉厚を低減できることにより隣接領域をコンパクトに構成できる。
【0022】
本発明において、前記芯部分は前記当接面上に露出する露出部を有することが好ましい。これによって、前記機器本体に対して装着された状態で露出部が機器本体の表面に当接することとなるので、機器本体とバンドとをしっかりと固定できる。ここで、機器本体とバンドとの接続構造としては、前記機器本体に対して前記露出部を直接に締め付ける締結手段を有することが好ましい。これにより、可撓性の高い軟質合成樹脂材を介することなく直接に機器本体と硬質の芯部分とが締結されるので、機器本体とバンドとを確実に且つ高い連結強度で締結することができる。例えば、軟質合成樹脂材を介してネジなどの締結手段により機器本体とバンドとを締結しようとすると、軟質合成樹脂材が変形する(例えば撓む)ことによって、連結強度を高めることが難しくなるとともに、機器本体とバンドの相対的な位置決めも困難になる。さらに、連結強度を高くしようとして締結強度を高めると、軟質合成樹脂材が破れる恐れもある。
【0023】
本発明において、前記露出部は、前記コア材に設けられた開口と、前記硬質合成樹脂材に設けられ、前記開口に連通する筒状部とを有することが好ましい。このように、コア材の開口に連通する筒状部を硬質合成樹脂材に設けることにより、締結手段を前記開口及び前記筒状部を挿通させて、前記機器本体と前記コア材及び前記硬質合成樹脂材の少なくとも一方とを締結手段で締結することにより、硬質合成樹脂材の筒状部を機器本体に当接させた状態で機器本体とバンドとを確実に固定することができる。ここで、締結手段としては、ネジや係合フックなどが挙げられる。
【0024】
本発明において、前記硬質合成樹脂材は、前記隣接領域の厚肉部分において厚肉に構成されていることが好ましい。一般に、機器本体とバンドとの接続構造においては、上記隣接領域のうち機器本体の端部に隣接するバンド端部分を厚肉に構成することにより、機器本体とバンドとの一体感を有する外装デザインを構成することができるが、このようにバンドの隣接領域の厚肉部分において硬質合成樹脂材を厚肉に構成することにより、軟質合成樹脂材の厚さを低減できるため、バンドの軟質合成樹脂材の成形時におけるヒケ(皺や凹み)が発生することを防止することができ、バンドの外観をより良好に構成することが可能になる。
【0025】
本発明において、前記芯部分には、その内部に前記軟質合成樹脂材が充填された開口部が設けられていることが好ましい。この場合には、コア材と軟質合成樹脂材とが芯部分(例えばコア材)の開口部において相互に係合した状態となるため、芯部分と軟質合成樹脂材との密着性を高めることが可能になる。
【0026】
本発明において、前記隣接領域には、前記機器本体の背面上に重なるように構成された背面重畳部が設けられていることが好ましい。機器本体の背面上に重なる背面重畳部が上記隣接領域に設けられていることにより、物理的に機器本体とバンドとの一体性を高めることができるので、一体感のある外装デザインを構成し易くなる。
【0027】
この場合において、前記芯部分(例えばコア材)は、前記機器本体の背面に沿った姿勢となるように前記背面重畳部内に配置されていることが望ましい。背面重畳部内に芯部分が配置されていることにより、機器本体と背面重畳部との接続固定或いは位置決めをより容易に行うことができる。このとき、隣接領域の背面重畳部をコンパクト(薄肉)に構成するためには、コア材を前記機器本体の背面に沿った板状に構成することが望ましい。
【0028】
本発明において、前記隣接領域には、前記機器本体の側面上に重なるように構成された側面重畳部が設けられていることが好ましい。機器本体の側面上に重なる側面重畳部がバンドの隣接領域に設けられていることにより、外観上の機器本体とバンドとの一体性(特に平面形状における一体性)を高めることができる。
【0029】
この場合において、前記芯部分(例えばコア材)は、前記機器本体の側面に沿った姿勢となるように前記側面重畳部内に配置されていることが望ましい。側面重畳部内に芯部分が配置されていることにより、機器本体と側面重畳部との接続固定或いは位置決めをより容易に行うことができる。このとき、隣接領域の側面重畳部をコンパクト(薄肉)に構成するためには、コア材を前記機器本体の側面に沿った板状に構成することが望ましい。
【0030】
これらの場合にはさらに、前記隣接領域には、前記機器本体の背面上に重なるように構成された背面重畳部が設けられ、前記芯部分(例えばコア材)は、前記背面重畳部内から前記側面重畳部内に立ち上がる形状に構成されていることが望ましい。背面重畳部内から側面重畳部内に芯部分が立ち上がる形状に構成されていることにより、背面重畳部及び側面重畳部を有するバンドを機器本体に対してより確実且つ正確に接続固定することが可能になる。この場合、コア材を、背面重畳部内において機器本体の背面に沿った板状部と、この板状部から立ち上がるように折り曲げられた板状の立設部とを有するものとすることが望ましい。
【0031】
次に、本発明の電子機器は、上記のいずれかに記載のバンドと、これに接続された機器本体とを有することを特徴とする。このような構造の電子機器においては、外装デザイン上における機器本体とバンドとの一体性の向上が容易になるとともに、バンドの隣接領域の変形をコア材及び硬質合成樹脂によって抑制できるために、機器本体とバンドとの間に隙間が形成されることを防止することができる。さらに、コア材の少なくとも一部を硬質合成樹脂が覆っていることによって芯部分の剛性を高めつつ形状を任意に成形し易くなるとともに、芯部分と軟質合成樹脂との剥離を防止することができる。
【0032】
本発明の電子機器としては、腕時計、ダイバーズウォッチ、ダイビングコンピュータ、ストップウォッチなどの携帯型電子機器(或いは、バンドによって手首に装着されるリスト機器)であることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係るバンド及びこれを用いた電子機器の実施形態について詳細に説明する。
【0034】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る第1実施形態における機器本体とバンドとの接続構造を、機器本体の長手方向(時計本体の3時−9時方向)に沿った断面で示す断面図、図2は、同接続構造を、機器本体の長手方向と直交する方向(時計本体の12時−6時方向)に沿った断面で示す断面図である。
【0035】
本実施形態は、機器本体(時計本体)110と、この機器本体110に接続されたバンド120とを有する電子機器(腕時計)100に係るものである。機器本体110においては、本体ケース111の内部にムーブメント112が収容され、このムーブメント112の前面側に表示部113(例えば、文字板と指針)が構成されている。表示部113の前面にはガラス等で構成された表示窓114が設けられている。本体ケース111は、金属や硬質プラスチック等で構成されている。また、この図示例では、本体ケース111は、ケース部111Aと、このケース部111Aの背面側開口部に取り付けられた裏蓋部111Bとによって構成されている。なお、図示例の本体ケース111は、全体として平面視と側面視(バンドの連結方向から見た場合)の双方においてほぼ楕円形状を有するものとなっている。
【0036】
本体ケース111に接続されたバンド120は、合成ゴムやウレタン樹脂などの軟質合成樹脂材121を主体として構成されている。バンド120には、本体ケース111に隣接する隣接領域120Aの内部に芯部分122が配置されている。ここで、隣接領域120Aは、本体ケース111の端部111aに隣接する端隣接部120A−1と、本体ケース111の裏蓋部111Bに相当する背面部分上に重なる背面重畳部120A−2とを含むバンド120の部分である。
【0037】
また、上記の芯部分122は、金属製のコア板122Aと、このコア板122Aの少なくとも一部を覆うように形成された硬質合成樹脂材122Bとを有する。コア板122Aは、通常の使用態様においてバンド120に加わる応力に対してほとんど変形しない程度の十分な剛性を備えていることが好ましい。また、通常の使用態様において受ける可能性のある衝撃にも耐え得る耐衝撃性(破壊強度)を備えていることが好ましい。より具体的には、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属材料で構成されることが望ましい。例えば、コア板122Aをステンレス鋼板で構成する場合、厚さは0.6〜1.0mm程度で充分な剛性を備えたものとなる。
【0038】
一方、硬質合成樹脂材122Bは、アクリル樹脂、ポリカーボネート、スチレン樹脂、ABS樹脂などによって構成される。硬質合成樹脂材122Bは、上記コア板122Aに対してインサート成形によって一体に成形されることが望ましい。
【0039】
芯部分122は、基本的に上記隣接領域120Aの全体に亘ってその内部に配置されていることが好ましい。本実施形態では、コア板122Aが上記背面重畳部120A−2の内部において本体ケース111の背面に沿った姿勢で配置されているとともに、コア板122Aの外周部分が上記の背面重畳部120A−2の内部から端隣接部120A−1の内部に突き出すように構成されている。
【0040】
図2に示すように、芯部分122には、本体ケース111に対して直接当接するバンドの当接面上に露出した露出部122aが設けられている。この露出部122aには、コア板122Aに開口122Aaが設けられ、硬質合成樹脂材122Bに、上記開口122Aaに連通する筒状部122Baが設けられている。筒状部122Baの端面は露出し本体ケース111に当接している。コア板122Aの開口122Aaと、硬質合成樹脂材122Bの筒状部122Baには、それらの背面側から締結手段(固定ネジ)130が挿通され、この締結手段130の先端は本体ケース111に螺合している。したがって、この締結手段130は、芯部分122と本体ケース111とを直接締結している。これによって、機器本体110とバンド120とは強固に、且つ、正確な位置関係にて相互に連結された状態となっている。
【0041】
コア板122Aには、背面重畳部120A−2内において1又は複数の開口部122Abが形成されていて、これらの開口部122Ab内には軟質合成樹脂材121が充填された状態となっている。これによって、バンド120において軟質合成樹脂材121と芯部分122との密着性が高められた状態となっている。すなわち、コア板122Aの開口部122Abに軟質合成樹脂材121が巻き付いた状態となることによって、コア板122A(芯部分122)と軟質合成樹脂材121との密着性が向上し、剥離などが発生することを防止することができる。
【0042】
硬質合成樹脂材122Bは、上記露出部122aにおいてコア板122Aを覆うように構成されているとともに、コア板122Aの外周部を覆うように構成されている。コア板122Aの外周部は上述のように端隣接部120A−1の内部に突出し、この端隣接部120A−1の内部において厚肉に構成されている。端隣接部120A−1は、機器本体110とバンド120とが一体感を有する外装デザインを実現するために厚肉に構成されており、この厚肉に構成された端隣接部120A−1の内部において厚肉に構成された芯部分122、すなわち硬質合成樹脂材122Bが配置されている。このため、厚肉に構成された端隣接部120A−1において芯部分122を覆う軟質合成樹脂材121の肉厚は相対的に薄くなり、背面重畳部120A−2や隣接領域120A以外の部分の肉厚とそれほど変わらない厚さとなる。したがって、軟質合成樹脂材121の成形時にヒケ(皺や凹み)が発生しにくくなり、均一且つ良好なバンド外観を得ることができる。
【0043】
本実施形態によれば、外装デザイン上において機器本体110とバンド120との一体性を実現しようとする場合に、可撓性を有するバンド120における機器本体110に隣接する隣接領域120Aの内部に硬質の芯部分122が配置されているため、隣接領域120Aにおける変形を抑制することができ、機器本体110とバンド120とを強固に連結することが可能になるとともに、バンド120に応力が加わり変形しても、機器本体110とバンド120との間に隙間が発生することを低減し若しくは無くすことができる。
【0044】
また、芯部分122は、金属製のコア板122Aと、このコア板122Aの少なくとも一部を覆う硬質合成樹脂材122Bとを有するので、外装デザインに対応した芯部分122の形状を低コストで容易に形成することが可能になるとともに、バンド120に応力が繰り返し加わっても芯部分122と軟質合成樹脂材121とが剥離することを抑制できる。
【0045】
なお、本実施形態では、機器本体110の両側に伸びるバンド120の部分が機器本体110の背面側に重なる背面重畳部120A−2によって一体に構成されたものとなっているため、機器本体110に隣接する隣接領域120Aが広い面積に亘って構成されることから、機器本体110とバンド120との物理的な一体性をも容易に高めることができるという利点を有する。また、機器本体110とバンド120とは、機器本体110の本体ケース111とバンド120の背面重畳部120A−2とが締結手段130によって締結されることによって物理的に連結されている。ここで、締結手段130は機器本体110及びバンド120の背面側にのみ露出しているため、外装デザイン上の制約にはなりにくい。
【0046】
[第2実施形態]
次に、図3乃至図11を参照して、本発明に係るバンド及びこれを用いた電子機器の第2実施形態について説明する。なお、図3の上半分は電子機器の機器本体(時計本体)を底面から見た平面図、図3の下半分は表示面側から見た平面図である。また、図3、図7乃至図11は、機器本体の本体ケース以外の部品(ムーブメント、文字板、表示窓、裏蓋)を省略した様子を示してある。
【0047】
この実施形態は、機器本体(時計本体)210と、これに接続されたバンド220とを有する電子機器(腕時計)200に係るものである。機器本体には第1実施形態と同様の本体ケース211が設けられ、この本体ケース211に対してバンド220の隣接領域220Aが接続されている。
【0048】
隣接領域220Aにおいては、本体ケース211の両端部にそれぞれ接続された端隣接部220A−1と、この端隣接部220A−1の背面側から延在し、本体ケース211の背面に沿って伸びる背面重畳部220A−2と、端隣接部220A−1から延在し、本体ケース211の側面に沿って伸びる側面重畳部220A−3とが設けられている。端隣接部220A−1は、隣接領域220A以外のバンド部分よりもやや厚肉に構成され、背面重畳部220A−2は本体ケース221の背面に沿った板状に構成され、側面重畳部220A−3は本体ケース221の湾曲した側面に沿った弧状に構成されている。背面重畳部220A−2は端隣接部220A−1に対して背面側に隣接配置されている。
【0049】
バンド220は、第1実施形態と同様の軟質合成樹脂材221を主体として構成されている。また、隣接領域220Aの内部には、第1実施形態と同様の芯部分222が配置されている。この芯部分222は、金属製のコア板222Aと、このコア板222Aの少なくとも一部を覆うように形成された硬質合成樹脂材222Bとを有する。コア板222A及び硬質合成樹脂材222Bを有する芯部分222は、インサート成形等によって容易に形成することができる。
【0050】
本実施形態において、コア板222Aは、上記背面重畳部220A−2の内部に配置される板状部222A−2と、上記側面重畳部220A−3の内部に配置される立設部222A−3とが一体に構成されたものとなっている。板状部222A−2と立設部222A−3とは、金属製の板材で構成されるコア板222Aを相互に略直角に折り曲げられることによって構成されている。コア板222Aは、その板状部222A−2において複数箇所の開口部222Aaを備えている。
【0051】
硬質合成樹脂材222Bは、コア板222Aの板状部222A−2に設けられた上記開口部222Aaと連通する筒状部222Baと、コア板222Aの立設部222A−3から内側(すなわち本体ケース211側)に突出する突出部222Bbとを備えている。図5に示すように、コア板222Aの開口部222Aa及び硬質合成樹脂材222Bの筒状部222Baには締結手段230が挿通され、この締結手段230が本体ケース211に螺合等の態様で係合することによって本体ケース211とバンド220とが連結されるように構成されている。一方、図6に示すように、突出部222Bbは図示例では側面重畳部220A−3の湾曲形状に沿って伸びるリブ状に構成されている。この突出部222Bbは、本体ケース211の側面に形成された凹溝211bに嵌合するように構成されている。
【0052】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を有するとともに、バンド220における隣接領域220Aに、機器本体210の側面に重なる側面重畳部220A−3を設けたことによって、機器本体210とバンド220との一体性をさらに高めることが可能になっている。機器本体210とバンド220とは、機器本体210の本体ケース211とバンド220の背面重畳部220A−2とが締結手段230によって締結されることによって物理的に連結されている。ここで、締結手段230は機器本体210及びバンド220の背面側にのみ露出しているため、外装デザイン上の制約にはなりにくい。
【0053】
この場合、側面重畳部220A−3に固定ネジなどの機器本体210に対する締結手段を設けることは外装デザイン上の観点から難しいが、背面重畳部220A−2の内部に設けられたコア板222Aの板状部222A−2と一体に構成された立設部222A−3が側面重畳部220A−3の内部に配置されているため、側面重畳部220A−3が立設部222A−3により支持されることによって、その変形が抑制され、本体ケース211からの離反が妨げられる。また、側面重畳部220A−3には、硬質合成樹脂材222Bの突出部222Bbが設けられ、この突出部222Bbは機器本体210の本体ケース211に嵌合しているため、さらにその変形が抑制される。
【0054】
尚、本発明に係るバンド及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、機器本体と可撓性を有するバンドとの間に外観上の一体性を持たせることが可能であるとともに、外装デザインに大きな制約を課すことのない接続構造及びこれを備えた電子機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機器本体とバンドとの接続構造及び電子機器の第1実施形態の断面構造を示す概略縦断面図である。
【図2】第1実施形態の断面構造を図1とは異なる断面で示す概略縦断面図である。
【図3】本発明に係る機器本体とバンドとの接続構造及び電子機器の第2実施形態の平面構造(上半分は底面側から見た平面図、下半分は前面側から見た平面図)を示す概略平面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面を示す第2実施形態の部分縦断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿った断面を示す第2実施形態の部分縦断面図である。
【図6】図3のVI−VI線に沿った断面を示す第2実施形態の部分縦断面図である。
【図7】第2実施形態の本体ケースとバンドの接続構造を斜め前方から見た状態を示す斜視図である。
【図8】第2実施形態の本体ケースとバンドの接続構造を斜め後方から見た状態を示す斜視図である。
【図9】第2実施形態の本体ケースを斜め前方から見た状態を示す斜視図である。
【図10】第2実施形態の本体ケースを斜め後方から見た状態を示す斜視図である。
【図11】第2実施形態のバンドの隣接部分を示す斜視図である。
【図12】従来の腕時計における時計本体とバンドとの接続構造を示す部分斜視図(a)及び(b)である。
【図13】従来の異なる腕時計における時計本体とバンドとの接続構造を示す部分斜視図(a)及び(b)である。
【符号の説明】
100…電子機器、110,210…機器本体、111,211…本体ケース、120,220…バンド、120A,220A…隣接領域、121,221…軟質合成樹脂材、122,222…芯部分、122a…露出部、122A,222A…コア板、122B,222B…硬質合成樹脂材、120A−1,220A−1…端隣接部、120A−2,220A−2…背面重畳部、220A−3…側面重畳部
Claims (12)
- 機器本体に接続される可撓性を有するバンドであって、
前記機器本体に装着された状態で前記機器本体に隣接する隣接領域において、硬質の芯部分と、該芯部分を覆う可撓性の軟質合成樹脂材とを有し、
前記芯部分は、金属製のコア材と、該コア材の少なくとも一部を覆うように構成された硬質合成樹脂材とを有することを特徴とするバンド。 - 前記芯部分は、前記機器本体の表面に当接する前記隣接領域の当接面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバンド。
- 前記芯部分は前記当接面上に露出する露出部を有することを特徴とする請求項2に記載のバンド。
- 前記露出部は、前記コア材に設けられた開口と、前記硬質合成樹脂材に設けられ、前記開口に連通する筒状部とを有することを特徴とする請求項3に記載のバンド。
- 前記硬質合成樹脂材は、前記隣接領域の厚肉部分において厚肉に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のバンド。
- 前記芯部分には、その内部に前記軟質合成樹脂材が充填された開口部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のバンド。
- 前記隣接領域には、前記機器本体の背面上に重なるように構成された背面重畳部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバンド。
- 前記芯部分は、前記機器本体の背面に沿った姿勢となるように前記背面重畳部内に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のバンド。
- 前記隣接領域には、前記機器本体の側面上に重なるように構成された側面重畳部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバンド。
- 前記芯部分は、前記機器本体の側面に沿った姿勢となるように前記側面重畳部内に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のバンド。
- 前記隣接領域には、前記機器本体の背面上に重なるように構成された背面重畳部が設けられ、前記芯部分は、前記背面重畳部内から前記側面重畳部内に立ち上がる形状に構成されていることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のバンド。
- 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のバンドと、これに接続された機器本体とを有することを特徴とする電子機器。
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