JP2004105234A - プレフィルドシリンジキット - Google Patents

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Abstract

【課題】2種類以上の薬剤を別々に滅菌でき、薬剤調製の際における操作者の怪我や異物混入のおそれがなく、簡便かつ短時間に薬剤調製操作の可能なプレフィルドシリンジキットを提供すること。
【解決手段】本発明のプレフィルドシリンジキット10は、先端にオス型ルアーテーパーの注射針接続部22を有する、内部に第1薬剤D1が収容された第1シリンジ20と、前記注射針接続部22と液密に接続可能なメス型ルアーテーパーの吐出口32を有する、内部に第2薬剤D2が収容された第2シリンジ30とからなり、前記注射針接続部22と前記吐出口32とが、第1シリンジ20と第2シリンジ30との相対的な回転により剥離可能な脆弱部80を介して液密に接続された構成よりなるとともに、前記吐出口32の基端周縁部は縮径して平坦面33を形成しており、該平坦面33にシール部材70を剥離可能に弱溶着することにより、前記吐出口32は液密に封止されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレフィルドシリンジキットに関する。さらに詳しくは、粉末製剤または溶解液が収容されたシリンジと、溶解液が収容されたシリンジとからなるプレフィルドシリンジキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
液状の薬剤、すなわち薬液は、アンプルや、ゴム栓で密封されたバイアルなどの薬液容器に収容されている。そして、これらアンプルやバイアルに収容された薬液を注射する際には、アンプルの場合はアンプルをカットした後に、バイアルの場合はシリンジに取り付けた注射針でゴム栓を刺通した後に、薬液をシリンジ内に吸引し、ゴム栓の刺通に用いた注射針とは別の注射針を新たにシリンジに取り付け、患者に注射を行っている。
【0003】
また、複数の薬剤を同一のシリンジ内に互いに分離して保存しておき、用時混合して用いる、所謂、複数成分混合型プレフィルドシリンジも実用化されている。現在市販されている複数成分混合型プレフィルドシリンジは、概ね図7に示すような2成分混合型である。すなわち、バレル190内を第1ガスケット270と第2ガスケット200で、2つの空間に隔て、バレル190の中央部内壁にバイパス溝210を凹設し、プランジャー220を押し込んだとき、後方空間230の溶解液240(例えば生理食塩水やブドウ糖)がバイパス溝210を通って前方空間250に進入し、凍結乾燥製剤260(例えば凍結乾燥された抗生物質)と混合されるようになっている。
【0004】
また、2成分混合型プレフィルドシリンジの従来例として、薬剤を予め収容したカートリッジよりなる容器兼用注射器2本を、それぞれの筒先が対向するように同一軸線上に連結したものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。このものによれば、各々の容器兼用注射器のカートリッジの両端は、第1ラバーストッパーと、プランジャーロッドを接続可能な第2ラバーストッパーで密封されており、第1ラバーストッパーで密封された開口部には、第1ラバーストッパーを収納可能なバイパスチャンバーが設けられている。そして、このバイパスチャンバーの内壁面には、バイパス溝が設けられており、使用時には、プランジャーロッドを押し込むことによりカートリッジ内部の圧力を高め、この圧力によって第1ラバーストッパーをバイパスチャンバーに押し込んで、バイパス溝とカートリッジ内部を開通させる構造となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−70366号公報(第7頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アンプルやバイアルを用いる方法では、薬液容器とシリンジとの接続に金属針を必要としているため、操作者が注射針で怪我をするおそれがあり、また、アンプルカットの際に生じるガラス片や、バイアルのゴム栓を穿刺した際に生じるゴム片などの異物が薬液中に混入するおそれがある。さらに、その操作が煩雑であるため、注射に少なからず時間を要し、正確な量を吸引できない。また、ヒアルロン酸ナトリウムなどの粘度の高い薬液の場合、薬液容器からシリンジへの薬液の吸引には多大な時間と吸引力を要している。また、バイアル内の薬液を吸引する場合、吸引するにつれてバイアル内は減圧されるため、次第に吸引操作に力を要し、スムーズな吸引を行うことができない。
【0007】
一方、図7に示した2成分混合型プレフィルドシリンジでは、第1ガスケット270をバイパス溝210まで移動し、後方空間230の溶解液240の全量を前方空間250に進入させた後に、凍結乾燥製剤260と溶解液240とを十分に混合するには大きな空間が必要となる。しかし、第1ガスケット270がバイパス溝210まで移動した後に、プランジャー220を後方へ引いても、バイパス溝210を通って液が後方空間230へ逆流したり、第1ガスケット270と第2ガスケット200が別々に摺動したりするため、第1ガスケット270は、バイパス溝210より、バレル190の基端190aの方向には移動できず、両薬剤の混合に必要な空間をバレル190内につくりだすことはできない。したがって、前方空間250の容積は、予め大きくとる必要があり、薬剤の容量の割にシリンジのサイズが大きくなるといった問題がある。
また、2成分を混合した後、さらに別の薬液を配合する必要が生じたとしても、プランジャー220を引いても第1ガスケット270はそれに連動して動かないため、新たな薬液をバレル190内に定量的に吸引することは困難である。さらに、ガスケットに含まれている添加剤、例えば硫黄や加硫促進剤などが保存中に溶解液中に溶出するおそれがある。さらに、同一バレル内に2種類の薬剤が収容されているため、製造時に別々に滅菌することができない。
【0008】
一方、特許文献1に示した従来例では、一方の容器兼用注射器のバイパス溝を開通させた後、さらに一方の容器兼用注射器のバイパス溝を開通させねばならず、調製に手間取るおそれがある。また、2本の容器兼用注射器の両端をラバーストッパーで密封した後、一方にはバイパスチャンバーを設けねばならないため、部品点数が多く製造コストがかさむおそれもある。
【0009】
本発明は、如上の事情に鑑みてなされたもので、2種類以上の薬剤を別々に滅菌でき、薬剤調製の際における操作者の怪我や異物混入のおそれがなく、簡便かつ短時間に薬剤調製操作の可能なプレフィルドシリンジキットを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討の結果、本発明に想到した。すなわち、本発明のプレフィルドシリンジキットは、先端にオス型ルアーテーパーの注射針接続部を有する第1バレルおよび、該第1バレル内に液密かつ摺動可能に挿入された、プランジャーを結合可能な第1ガスケットからなる、内部に第1薬剤が収容された第1シリンジと、前記注射針接続部と液密に接続可能なメス型ルアーテーパーの吐出口を有する第2バレルおよび、該第2バレル内に液密かつ摺動可能に挿入された、プランジャーを結合可能な第2ガスケットからなる、内部に第2薬剤が収容された第2シリンジとからなり、前記注射針接続部と前記吐出口とが、液密に接続されるとともに、前記吐出口の基端周縁部は縮径して平坦面を形成しており、該平坦面にシール部材を剥離可能に弱溶着することにより液密に封止された構成よりなる。
また、前記シール部材の一部分は、弱溶着部分と比べて剥離し難く強溶着されていてもよく、前記吐出口の先端は、前記第1シリンジと前記第2シリンジの相対的な回転操作により剥離可能な脆弱部を介して、前記第1シリンジの肩部に弱溶着されていてもよい。
また、前記注射針接続部の基端にはオスネジが設けられ、前記吐出口の先端には、前記オスネジと螺合するメスネジが設けられていてもよく、前記第1シリンジ先端の肩部には、前記注射針接続部を同心円状に取り囲む、内壁にメスネジを有するスカート部が設けられており、前記吐出口の先端には前記メスネジと螺合するフランジが設けられていてもよい。
また、前記プランジャーを、前記第1ガスケットに予め結合していてもよく、前記第1薬剤は固形製剤であり、前記第2薬剤は液剤であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例を示す図である。(a)は縦断面図であり、(b)は(a)中のA′−A′線断面図である。図1に示すように、本発明のプレフィルドシリンジキット10は、先端にオス型ルアーテーパーの注射針接続部22を有する第1バレル21および、該第1バレル21内に液密かつ摺動可能に挿入された、プランジャー60を結合可能な第1ガスケット40からなる、内部に第1薬剤D1が収容された第1シリンジ20と、前記注射針接続部22と液密に接続可能なメス型ルアーテーパーの吐出口32を有する第2バレル31および、該第2バレル31内に液密かつ摺動可能に挿入された、プランジャーを結合可能な第2ガスケット50からなる、内部に第2薬剤D2が収容された第2シリンジ30とからなり、前記注射針接続部22と前記吐出口32とが、第1シリンジ20と第2シリンジ30との相対的な回転により剥離可能な脆弱部80を介して液密に接続されるとともに、前記吐出口32の基端周縁部は縮径して平坦面33を形成しており、該平坦面33にシール部材70を剥離可能に弱溶着することにより、前記吐出口32は液密に封止されている。
このように、第1シリンジ20と第2シリンジ30が予め接続された構成を採用することにより、第1シリンジ20の注射針接続部22と第2シリンジ30の吐出口32をそれぞれ封止する封止手段が不要となるので、製造コストも下げられ、使用に際しての廃棄物の点数も少なくなる。さらに、第1シリンジと第2シリンジが別々の封止手段で封止されている場合に、両者を接続する際の空中浮遊細菌による汚染のおそれもなくなる。
【0012】
ここで、注射針接続部22はオス型ルアーテーパーに、前記吐出口32は、前記オス型ルアーテーパーと嵌合するメス型ルアーテーパーになっている。ここでいうオス型ルアーテーパー、メス型ルアーテーパーとは、ISO規格のものであり、一般に市販されている医療器具に採用されている6%オス型ルアーテーパー、6%メス型ルアーテーパーを指す。このような汎用型のルアーテーパーを接続部に採用することにより、必要に応じて、第1シリンジ20と第2シリンジ30をそれぞれ別々に三方活栓、輸液チューブなどの一般の医療器具に接続することができる。
【0013】
ここで、第1シリンジ20としては、先端に注射針接続部22を有する基端21aの開放された第1バレル21と、この第1バレル21の基端21aから第1バレル21内に液密かつ摺動可能に挿入された第1ガスケット40からなるシリンジが好適に採用され、第1バレル21内の第1ガスケット40の前方空間には、第1薬剤D1が収容される。第1薬剤D1は、固形製剤、液剤のいずれでもよいが、好ましくは固形製剤、より好ましくは凍結乾燥製剤である。第1バレル21の基端21aには、指掛け用フランジ23が設けられている。なお、第1バレル21は、通常ガラスまたは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの混合物などのプラスチック材料で形成されるが、プラスチック材料は、医療用材料として認められている透明性を有するものであれば、その素材は特に限定されない。
【0014】
第1ガスケット40は、ブチルゴムや熱可塑性エラストマーなどで形成され、基端にはメスネジ41などの結合手段が設けられており、先端にオスネジ61を設けたプランジャー60を結合することができるようになっている。
なお、第1シリンジ20に凍結乾燥製剤を収容する場合は、第1バレル21内に凍結乾燥すべき薬剤を充填した後、第1バレル21の基端21aに第1ガスケット40を半打栓した状態で、第1バレル21に凹設したバイパス溝24から水分を蒸散させることにより凍結乾燥した後、第1ガスケット40を第1バレル21内の所定の位置まで真空打栓する。このとき、第1バレル21内の第1ガスケット40の前方空間は、凍結乾燥した製剤で満たされ、空隙は殆どなくなる。したがって、第1ガスケット40は第1バレル21の先端方向に位置することができるので、第1ガスケット40にプランジャー60を結合した状態で保管しても、プレフィルドシリンジキットの全長が長くなり過ぎることはない。
【0015】
ここで、第2シリンジ30としては、先端に吐出口32を有する基端31aの開放された第2バレル31と、この第2バレル31の基端31aから第2バレル31内に液密かつ摺動可能に挿入された第2ガスケット50からなるシリンジが好適に採用され、第2バレル31内の第2ガスケット50の前方空間には、第2薬剤D2が収容される。ここで、第2薬剤D2は、液剤であることが好ましい。基端31aには指掛け用フランジ34を設けることもできるが、第1シリンジ20と異なり必須ではない。なぜなら、第2ガスケット50は、第1シリンジ20からの吸引により摺動可能であるので、第2ガスケット50にプランジャーを接続して押圧する必要は必ずしもなく、使用に際しては、第1バレル21の注射針接続部22に図6の(d)に示すような注射針300を接続して注射用シリンジとして使用するため、第2シリンジ30を注射用シリンジとして使用する場合は稀だからである。このように、第2ガスケット50には、プランジャーを接続しない場合もあるため、第2ガスケット50の基端には、プランジャーを接続するためのメスネジ51を設ける必要は必ずしもない。しかし、第2薬剤D2が粘度の高い液剤のときは、第1シリンジ20からの吸引力のみでは、第2バレル31から第1バレル21への液剤の移動が困難な場合もある。このようなときには、第2ガスケット50にプランジャーを接続し、押圧により液剤を第1バレル21に移動させることができる。第2ガスケット50に接続するプランジャーとしては、第1ガスケット40に結合するプランジャー60を用いることが好ましく、これにより第2ガスケット50用の新たなプランジャーを添付する必要がなくなり、製造コストも下げられ、廃棄物の点数も少なくなり、プレフィルドシリンジキットのサイズもコンパクトになる。
なお、第2バレル31は、通常ガラスまたは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの混合物などのプラスチック材料で形成されるが、プラスチック材料は、医療用材料として認められている透明性を有するものであれば、その素材は特に限定されない。
【0016】
ここで、前記吐出口32は、その基端周縁部が縮径して平坦面33が形成されており、該平坦面33にシール部材70を剥離可能に弱溶着することにより液密に封止されている。シール部材70の素材としては、第2バレル31の形成材料と相溶性の悪い素材であれば特に限定されず、例えば、第2バレル31がポリプロピレンから形成されている場合、シール部材70の素材としては、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物が好適に採用される。そして、このシール部材70は、第2ガスケット50を先端方向に押すことによる第2バレル31内部の圧力上昇により、吐出口32の先端方向、すなわち外側方向に向かって剥離する。また、シール部材70が第2バレル31から剥離する際に、弱溶着部分が全て剥離しないように、溶着面の一部分を剥離し難く強溶着してもよい。
【0017】
ここで、吐出口32は、注射針接続部22と液密に嵌合するとともに、この吐出口32の先端部は、第1バレル21の肩部25に、第1シリンジ20と第2シリンジ30の相対的な回転操作によって剥離しうる脆弱部80を介して溶着されている。脆弱部80は、通常、第1バレル21の形成材料に対して相溶性が悪い材料で形成されており、例えば第1バレル21がポリプロピレンを主成分として形成されている場合には、この脆弱部80はポリプロピレンとポリエチレンの混合物、ポリエチレンの共重合体またはグラフト化物を主成分とする材料で形成され、第1シリンジ20と第2シリンジ30は、この脆弱部80を介して剥離可能に溶着される。
また、図示しないが、第1シリンジがポリプロピレンを主成分として形成されている場合、第2シリンジをポリエチレンとポリプロピレンとの混合物、ポリエチレンの共重合体または、グラフト化物を主成分として形成し、吐出口の先端部を第1バレルの肩部に、第1シリンジと第2シリンジの相対的な回転操作によって剥離可能なように直接弱溶着してもよい。
このように、第1シリンジ20と第2シリンジ30とは、嵌合だけでなく溶着によって接着されているので、輸送時あるいは保管時に、薬剤が漏洩したり、第1シリンジ20と第2シリンジ30とが不用意に分離したりするようなことはない。
また、第1シリンジ20と第2シリンジ30とは、第1バレル21の肩部25と吐出口32の先端部とが、脆弱部80を介して弱溶着されているが、脆弱部80の位置は、注射針接続部22の先端開口部から離れている。したがって、脆弱部80が剥離する際に異物片が生じたとしても、この異物片が注射針接続部22の先端開口部から第1バレル21の内部に侵入するおそれはない。
【0018】
次に、本発明の他の実施例を説明する。
図2は、本発明の他の実施例の要部断面図であり、吐出口の先端部側面に脆弱部と係合する係合部を設けている。
図2に示す本実施例のプレフィルドシリンジキットの各部の構成は、図1に示す実施例のプレフィルドシリンジキットと実質的に同一である。相違する点は、吐出口91の先端部側面に、係合部92を数カ所或いは全周に設け、脆弱部180と第2バレル93とが物理的に分離し難い構造とし、第2バレル93と脆弱部180との相溶性が悪い場合であっても、脆弱部180と第2バレル93とが必ず一体となって、第1シリンジ100から剥離するようになっている点にある。これにより、第2シリンジ90が第1シリンジ100から剥離した後、第1シリンジ100の肩部111に脆弱部180が残るおそれがなくなり、図6の(d)に示すような注射針300の注射針基の奥まで注射針接続部112を嵌合させることができる。
【0019】
さらに、本発明の他の実施例を説明する。
図3は、本発明の他の実施例の要部断面図であり、第1シリンジの注射針接続部の基端に設けられたオスネジと螺合するメスネジが、第2シリンジの吐出口の先端に設けられている。
図3に示す本実施例のプレフィルドシリンジキットの各部の構成は、図1に示す実施例のプレフィルドシリンジキットと実質的に同一である。相違する点は、第1シリンジ120の注射針接続部121の基端にオスネジ122が設けられており、第2シリンジ130の吐出口131の先端には、前記オスネジ122と螺合するメスネジ132が設けられている点にある。
このように、注射針接続部121と吐出口131とは、ルアーテーパーによる嵌合以外に、オスネジ122とメスネジ132との螺合によっても結合されるので、輸送中や保管中に薬剤が漏洩したり、第1シリンジ120と第2シリンジ130とが不用意に分離したりするおそれがなくなる。
【0020】
さらに、本発明の他の実施例を説明する。
図4は、本発明の他の実施例の要部断面図であり、第1バレルの肩部に形成されたスカート部内壁に設けられたメスネジと螺合するフランジ部が、第2シリンジの吐出口の先端に設けられている。
図4に示す本実施例のプレフィルドシリンジキットの各部の構成は、図4に示す実施例のプレフィルドシリンジキットと実質的に同一である。相違する点は、第1シリンジ140の第1バレル145の肩部141に形成された、注射針接続部142を取り囲むスカート部143の内壁に設けられたメスネジ144と螺合するフランジ部152が第2シリンジ150の吐出口151の先端に設けられている点にある。
このように、第1シリンジ140と第2シリンジ150とは、注射針接続部142と吐出口151どうしのルアーテーパーによる嵌合以外に、フランジ部152とメスネジ144との螺合によっても結合されるので、輸送中や保管中に薬剤が漏洩したり、第1シリンジ140と第2シリンジ150とが不用意に分離したりするおそれがなくなる。
【0021】
さらに、本発明の他の実施例を説明する。
図5は、本発明の他の実施例を示す縦断面図であり、第2バレルが太くて短いという特徴を有している。
図5に示す本実施例のプレフィルドシリンジキットの各部の構成は、図1に示す実施例のプレフィルドシリンジキットと実質的に同一である。相違する点は、図1〜図4に示した第2シリンジと比較して、本実施例の第2シリンジ160は、その直径が大きくかつ、全長が短いという点にある。
このように、第2シリンジ160の長さを短くすることにより、プレフィルドシリンジキット170の全長を短くすることができる。なお、第2シリンジの全長を短くするに伴い当然直径は大きくなるが、全長が短くなる割合に比べ直径の大きくなる割合は小さいため、全長が短くなることによるメリットの方が高い。参考までに記すと、例えば約15mLの薬液を収納している第2シリンジの全長が約80mmで直径が約20mmのとき、長さを約30mm短くした場合であっても、直径は約10mmの拡大に留まる。
【0022】
次に本発明のプレフィルドシリンジキットの使用について、図6を用いて説明する。
先ず、図6の(a)に示すように、凍結乾燥製剤Dを収容した第1シリンジ20と、溶解液Lを収容した第2シリンジ30とが、第1シリンジ20と第2シリンジ30との相対的な回転操作により剥離可能な脆弱部80を介して液密に接続されてなる、本発明の好適な実施形態であるプレフィルドシリンジキット10を用意し、図6の(b)に示すように、第1ガスケット40に結合されていたプランジャー60を第2ガスケット50に結合し、プランジャー60を矢印A方向に押すと、図6の(c)に示すように、その圧力で吐出口32の基端部に弱溶着されていたシール部材70が、強溶着部を残して、吐出口32の先端方向すなわち外側方向に向かって剥離し、第2バレル31内の溶解液Lが第1バレル21内へ流入する。しかる後に、プレフィルドシリンジ10全体を振盪し、凍結乾燥製剤Dを溶解液Lに完全に溶解させ、注射薬LDを調製する。
最後に、図6の(d)に示すように、第2シリンジ30を取り外し、第1シリンジ20の注射針接続部22に注射針300を接続し、第1ガスケット40に再びプランジャー60を結合すれば、患者の静脈などに注射薬LDを注射することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明によれば、2種類以上の薬剤を別々に滅菌でき、薬剤調製の際における操作者の怪我や異物混入のおそれがなく、簡便かつ短時間に薬剤調製操作の可能なプレフィルドシリンジキットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図である。(a)は縦断面図であり、(b)は(a)中のA′−A′線断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す要部縦断面図である。
【図3】本発明の実施例を示す要部縦断面図である。
【図4】本発明の実施例を示す要部縦断面図である。
【図5】本発明の実施例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の使用状況を説明する図である。
【図7】従来技術を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 プレフィルドシリンジキット
20、100、120、140 第1シリンジ
21、145 第1バレル
22、112、121、142 注射針接続部
25、111、141 肩部
30、90、130、150、160 第2シリンジ
31、93 第2バレル
32、91、131、151 吐出口
33 平坦面
40 第1ガスケット
50 第2ガスケット
60 プランジャー
70 シール部材
80、180 脆弱部
122 オスネジ
132、144 メスネジ
143 スカート部
152 フランジ
D1 第1薬剤
D2 第2薬剤

Claims (7)

  1. 先端にオス型ルアーテーパーの注射針接続部を有する第1バレルおよび、該第1バレル内に液密かつ摺動可能に挿入された、プランジャーを結合可能な第1ガスケットからなる、内部に第1薬剤が収容された第1シリンジと、前記注射針接続部と液密に接続可能なメス型ルアーテーパーの吐出口を有する第2バレルおよび、該第2バレル内に液密かつ摺動可能に挿入された、プランジャーを結合可能な第2ガスケットからなる、内部に第2薬剤が収容された第2シリンジとからなり、前記注射針接続部と前記吐出口とが、液密に接続されるとともに、前記吐出口の基端周縁部は縮径して平坦面を形成しており、該平坦面にシール部材を剥離可能に弱溶着することにより、前記吐出口が液密に封止されてなるプレフィルドシリンジキット。
  2. 前記シール部材の一部分が、弱溶着部分と比べて剥離し難く強溶着されている請求項1記載のプレフィルドシリンジキット。
  3. 前記吐出口の先端は、前記第1シリンジと前記第2シリンジの相対的な回転操作により剥離可能な脆弱部を介して、前記第1シリンジの肩部に弱溶着されてなる請求項1〜2のいずれかに記載のプレフィルドシリンジキット。
  4. 前記注射針接続部の基端にはオスネジが設けられ、前記吐出口の先端には、前記オスネジと螺合するメスネジが設けられてなる請求項1〜2のいずれかに記載のプレフィルドシリンジキット。
  5. 前記第1シリンジ先端の肩部には、前記注射針接続部を同心円状に取り囲む、内壁にメスネジを有するスカート部が設けられており、前記吐出口の先端には前記メスネジと螺合するフランジが設けられなる請求項1〜2のいずれかに記載のプレフィルドシリンジキット。
  6. 前記プランジャーを、前記第1ガスケットに予め結合してなる請求項1〜5のいずれかに記載のプレフィルドシリンジキット。
  7. 前記第1薬剤が固形製剤であり、前記第2薬剤が液剤である請求項1〜6のいずれかに記載のプレフィルドシリンジキット。
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