JP2004104872A - バスバーの接続構造 - Google Patents

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Tetsuhiro Ishikawa
石川 哲浩
Hitoshi Sato
佐藤 仁
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Abstract

【課題】バスバーで接続する端子間に位置ずれ等が生じている場合でも、そのずれを容易に吸収可能であり、かつシンプルな構造で接触抵抗の増加を抑制することのできるバスバーの接続構造を得る。
【解決手段】バスバー12を固定部材14で固定する。固定部材14は軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を許容することにより、接続するIPM端子18の位置ずれやバスバー12自身の精度に誤差が生じている場合でも、そのずれ量(誤差量)を吸収することが可能で、バスバー12とIPM端子18との接続固定時の相互の位置関係の調整を容易に行い、最適な接続状態を実現することができる。また、固定部材14は、バスバー12の一部を包み込んで保持するので、バスバー12の端部の加工を必要とせず、構造のシンプル化を図ることができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バスバーの接続構造、特に、略丸棒形状のバスバーと端子部との接続固定時に、バスバーと端子部との相互の位置関係の調整を容易に行うことのできるシンプルな構成のバスバーの接続構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から大電流が流れる電源供給系やパワートランジスタと、他の端子とを電気的に接続する場合に、バスバーを使用している。通常、図5に示すようにバスバー100は細長い平板棒状の金属板で構成され、その端部を例えば、電源端子やIPM端子102等にボルト104で締結固定している。このような平板バスバー104は、用途に応じた所望の形状にプレス成形で形成される。
【0003】
また、他のタイプのバスバーとしては、図6に示すように管型のバスバー106がある。この管型バスバー106の場合、その形状はパイプをベンダーで曲げる容易な加工で得ることができるので、平板バスバー100のように形状毎にプレス型を準備する必要がなく安価に、用途に応じた形状のバスバーを得ることができる。なお、管型バスバー106の場合も平面形状のIPM端子102にボルト104等で締結する必要があるため、図6に示すように、端部106aを平板状に潰し加工する必要がある。
【0004】
しかし、上述した平板バスバー100、管型バスバー106のいずれも予め所定の形状に成形されているので、実際に平板バスバー100や管型バスバー106が接続する2端子間に僅かな位置ずれが生じていただけでも良好な接続を行うことができない。ボルト104で締結するときに平板バスバー100や管型バスバー106を現実の端子102の位置に従って強制的に変形させることも可能であるが、端子102との接触部分の面圧が低下したり、隙間が生じて接触抵抗が増加してしまうので好ましくない。特に、管型バスバー106の形状決定はベンダーによる曲げ加工なので、端子間の位置ずれのみならず、バスバー自身の形状精度誤差も加わり上述の不具合が顕著に現れる。
【0005】
これに対して、丸棒と中空パイプを組み合わせて軸方向に伸縮自在な丸棒状電気導体としたバスバーが提案されている。この場合、バスバーが接続する2端子間の距離精度が低い場合でも軸方向の伸縮動作によりその誤差を吸収することができる。また、バスバーの長さを任意に変化させることができるので、端子間ピッチが異なる場合でも適用可能となり、汎用性を持たせることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、バスバーを2端子間で接続する場合に、バスバーのパイプ状導体の両端にチューリップコネクタを配置することにより、当該チューリップコネクタで端子の位置ずれを吸収するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−272611号公報(図1,図3)
【特許文献2】
特開平10−70817号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、2端子間の位置ずれを吸収できる上述したようなバスバーは、構造が複雑であり、製造コストが増加してしまうという問題を有する。特に、管状バスバーは平板バスバーに比べて製造コストの低減が可能であることが長所の一つであるが、複雑な構造は、その長所に反するものである。また、複数の部品から構成される場合、相互の部品接続部分で接触抵抗が発生するので、バスバーの性能低下を招いてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、バスバーで接続する端子間に位置ずれ等が生じたり、バスバー自身の形状精度に誤差を有する場合でも、そのずれや誤差を容易に吸収可能であり、かつシンプルな構造で接触抵抗の増加を抑制することのできるバスバーの接続構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明は、外観が略丸棒形状のバスバーと端子部とを電気接続するバスバーの接続構造であって、前記バスバーの一部を包み込んで保持すると共に、前記端子部に固定する固定部材であって、前記バスバーの軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を許容した後、本固定を行う固定部材を含むことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、バスバーを固定部材で固定する時に、軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を行うことができるので、接続する端子部の位置ずれやバスバー自身の形状精度に誤差が生じている場合でも、そのずれ量や誤差量を吸収することが可能で、バスバーと端子部との接続固定時の相互の位置関係の調整を容易に行い、バスバーの最適な接続状態を実現することができる。また、固定部材は、バスバーの一部を包み込んで保持するので、バスバーの端部の加工を必要とせず、構造のシンプル化を図ることができる。
【0012】
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記固定部材は、前記端子部に一体形成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、部品点数の削減及び組立工数の削減を行うことができると共に、固定部材と端子部との間の接触抵抗の発生を排除することができるので、バスバーの発熱や効率ロス等を抑制することができる。
【0014】
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記バスバーは、少なくとも前記固定部材によって包み込まれる部分に中空部を有し、当該中空部は、内径側からバスバーを拡径する拡径部材を受け入れ可能であり、当該拡径部材によりバスバーを拡径することにより当該バスバーの表面と固定部材の内面との密着を行うことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、バスバーの拡径を行うことができるので、固定部材による固定を安定的かつ強固に行うことが可能になり、バスバーと固定部材との間の接触抵抗を小さくすることができる。つまり、バスバーと端子部との接続固定時の相互の位置関係の調整を容易に行いつつ、バスバーの性能低下を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0017】
図1には、本実施形態のバスバーの接続構造10を説明する斜視図が示されている。本実施形態において、バスバー12は、導電性の高い例えば銅材等で構成され外観が略丸棒形状の中空管形状を呈している。前述したように、管状のバスバー12は、ベンダーで曲げ加工を行うのみで、所望の形状を得ることができるので、平板バスバーのように種類毎のプレス型を準備する必要が無く製造コストの低減に大きく寄与することができる。また、バスバー12の取り付け時でも必要に応じて、追加の曲げ加工を容易に行うことができるという利点も有する。
【0018】
本実施形態において、特徴的な事項は、所望の形状に曲げ加工したバスバー12(もちろん直線形状のままの場合もある)の一部、例えば、端部を包み込んで保持すると共に、その状態でバスバー12の軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方の調整を許容する固定部材14を有し、当該固定部材14を介して、機器16の端子部、例えばIPM端子18にバスバー12と接続しているところである。
【0019】
図1に示すように、固定部材14は、バスバー12の外周面と同じ曲率、同じ直径の内周面を有するバンド形状を呈している。なお、図1の例の場合、IPM端子18と固定部材14とが一体形成されている例を示している。この場合、IPM端子18と固定部材14は一体物なので、2者の間の接触抵抗を排除することができる。その結果、固定部材14を設けることによる接触抵抗の増加を抑制することができる。
【0020】
ところで、バスバー12を固定部材14で締結固定する場合、図1に示すように、リング状の固定部材14の一部をボルト20によって締め込むことになるが、バスバー12が中空の管状の場合、固定部材14の締め込みによりバスバー12が変形し、バスバー12と固定部材14との間の面圧が低下したり、部分的な隙間が生じ、そこでの接触抵抗の増加や締結ゆるみの原因になる虞がある。
【0021】
本実施形態においては、中空部を含むバスバー12の場合、固定部材14の締め込みによるつぶれを防止すると共に、積極的にバスバー12と固定部材14との間の接触抵抗を排除するための拡径部材22を固定部材14の装着位置に使用している。
【0022】
拡径部材22は、図2に示すように、例えば、内径部にネジ部22aを有し、外径部22bが適用するバスバー12の内径部12aと略同一か僅かに細いブッシング形状を呈している。内径部に形成されたネジ部22aは、先端(図2の右方向)に向かうに従って細くなるテーパー形状を呈している。従って、拡径部材22の尾端からロックボルト22cをねじ込むことにより、拡径部材22の外径部22bが押し拡げられるようになる。その結果、拡径部材22がバスバー12の端部から中空部分に挿入されている場合、拡径部材22の拡径に伴いバスバー12を内部から拡径することがで可能で、固定部材14の締め込みによりバスバー12がつぶれ変形してしまうことを防止することができる。また、バスバー12の外径部分と固定部材14の内径部分とを強く密着させることができる。その結果、両者間の接触抵抗の増加を抑制することができる。また、両者間の締結も強固に行うことができるので、緩み防止を良好に行うことができる。なお、拡径部材22の外径部22b及びバスバー12の拡径部材22の受け入れ部には、それぞれ、拡径を良好に行うためのスリット22d、12bが形成されている。
【0023】
このように構成されるバスバーの接続構造10は、まず、バスバー12の固着に先立って、未固定の固定部材14にバスバー12を挿通させ、バスバー12の軸方向の移動調整及び軸中心回転方向の移動調整を行い、バスバー12の固定姿勢を決める。なお、バスバー12の他端側にも同様な固定部材14を挿通し、両方でバランスを取りながら調整することが好ましい。もちろん、他端側をボルト等による完全な固定構造として、片方のみに調整でバスバー12の固定姿勢の調整を行うようにしてもよい。
【0024】
バスバー12と固定部材14との相対的な位置決め(バスバー12の姿勢決め)が完了したら、バスバー12の端部より拡径部材22を挿入し、ロックボルト22cを締め込み、バスバー12の拡径を行う。所定量の拡径(例えば、ロックボルト22cの締め込み量で判断)が完了したら、最後に固定部材14をボルト20で締め込み、バスバー12をIPM端子18に固定する。
【0025】
このように、本実施形態のバスバーの接続構造10によれば、固定部材14がバスバー12の軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を許容した後に、本固定を行うので、バスバー12を接続する端子間の位置ばらつきが存在したり、バスバー12自体の形状精度にばらつきが存在する場合等でも、バスバー12の構造を複雑化することなく、容易にそのばらつき量の吸収を行う微調整を行いバスバー12の姿勢を決め固定を行うことができる。
【0026】
また、拡径部材22を使用することにより、バスバー12の固定強度の増強と安定化を行うと共に、バスバー12と固定部材14との間の接触抵抗を十分に抑制することが可能になり、バスバーの接続構造10の信頼性の向上を行うことができる。
【0027】
図3には、バスバーの接続構造の他の構造例が示されている。バスバー12の構造や拡径部材22の構造等基本的な部分は、図1に示すバスバーの接続構造10と同じであるが、図3の例の場合、固定部材24が機器16の端子(例えばIPM端子102)と別体で構成されている。前述したように、IPM端子102と固定部材24とを別部材にして、両者を接続するとその部分で接触抵抗が発生する。しかし、固定部材24は、バスバー12の軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を許容しながらバスバー12を保持する。その結果、固定部材24をバスバー12の位置、つまり、バスバー12が接続する2端子間の位置関係やピッチ、バスバー12の形状精度誤差等の影響を受けることなく、独立してIPM端子102に固定することができる。従って、IPM端子102と固定部材24との接触面の係合性(例えば、平面度)のみを確保しておけば、例えば図3のような構成にしても、接触抵抗の増加を抑制することができる。また、IPM端子102は、図5,6に示すようにバスバーを直付けする場合と同じ形態のままでよいので、機器16側の端子の改造を必要とすることが無く、また、適用汎用性を広げることができる。なお、この場合も拡径部材22を使用するので、図1に示す場合と同様な効果を得ることができる。
【0028】
図4には、バスバーの接続構造のさらに他の構造例が示されている。この場合もバスバー12はベンダーにより曲げ加工しただけの管状のものを使用する。図4の場合、固定部材26は上部材26aと下部材26bに分割され、両者をボルト26cで組み合わせ固定している。この場合、固定部材26の内径形状をバスバー12の外径形状と容易に一致させることが可能であると共に、上部材26aと下部材26bを強固に組み合わせても、内径部分の変形を招かないので、バスバー12の変形を招くことが無い。その結果、接触抵抗の増加や固定後の緩み等も最小限に抑えることができる。図4の例の場合、バスバー12の潰し変形がほとんどないので、接触抵抗の軽減や強固な固定の確保のための拡径部材22は特に必要ないが、図1、図3の例のように拡径部材22を使用すれば、接触抵抗の軽減や強固な固定の確保を積極的に行うことができる。
【0029】
各例で示したように、バスバー12の軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を許容しながらバスバー12を保持する固定部材を用いることにより、バスバーで接続する端子間に位置ずれが生じている場合でも、また、バスバー自身の形状精度に誤差を含む場合でも、そのずれや誤差を容易に吸収することが可能となる。また、構造がシンプルなので接触抵抗の増加を抑制することができる。
【0030】
なお、固定部材の形状は、一例であり、バスバー12の軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を許容できる形状であれば、その形状は適宜選択可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。同様に、拡径部材22の形状も一例であり、中空部を有するバスバーの外径を拡径できる形状であば、適宜変更可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0031】
また、本実施形態では、バスバーが全長にわたって中空部を有している例を示したが、中実の略丸棒形状のバスバーでもよい。この場合、固定部材によるバスバーの潰し変形は発生しないので、拡径部材を用いなくてもよい。もちろん、接触抵抗の軽減や強固な固定の確保のために、固定部材が係合する部分(現実的には、バスバーの端部から係合部分まで)に中空部を設け、拡径部材を適用してもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、バスバーを固定部材で固定する時に、当該固定部材が、軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を許容することにより、接続する端子部の位置ずれやバスバー自身の形状精度に誤差が生じている場合でも、そのずれ量(誤差量)を吸収することが可能で、バスバーと端子部との接続固定時の相互の位置関係の調整を容易に行うことができる。その結果、バスバーを最適な姿勢で接続することができる。また、固定部材は、バスバーの一部を包み込んで保持するので、バスバーの端部の加工を必要とせず、構造のシンプル化を図ることができる。また、拡径部材を使用することにより、バスバーの固定強度の増強と安定化を行うと共に、バスバーと固定部材との間の接触抵抗を十分に抑制することが可能になり、バスバーの接続構造の信頼性の向上を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るバスバーの接続構造を説明する斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るバスバーの接続構造に用いる拡径部材を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る他のバスバーの接続構造を説明する斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る他のバスバーの接続構造を説明する斜視図である。
【図5】従来のバスバーの接続構造を説明する斜視図である。
【図6】他の従来のバスバーの接続構造を説明する斜視図である。
【符号の説明】
10 バスバーの接続構造、12 バスバー、12a 内径部、14 固定部材、16 機器、18 端子部(IPM端子)、20 ボルト、22 拡径部材。

Claims (3)

  1. 外観が略丸棒形状のバスバーと端子部とを電気接続するバスバーの接続構造であって、
    前記バスバーの一部を包み込んで保持すると共に、前記端子部に固定する固定部材であって、前記バスバーの軸方向移動及び軸中心回転方向の移動の少なくとも一方を許容した後、本固定を行う固定部材を含むことを特徴とするバスバーの接続構造。
  2. 請求項1記載の接続構造において、
    前記固定部材は、前記端子部に一体形成されていることを特徴とするバスバーの接続構造。
  3. 請求項1または請求項2記載の接続構造において、
    前記バスバーは、少なくとも前記固定部材によって包み込まれる部分に中空部を有し、当該中空部は、内径側からバスバーを拡径する拡径部材を受け入れ可能であり、当該拡径部材によりバスバーを拡径することにより当該バスバーの表面と固定部材の内面との密着を行うことを特徴とするバスバーの接続構造。
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JP2012222313A (ja) * 2011-04-14 2012-11-12 Panasonic Corp ケースモールド型コンデンサ

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