JP2004104387A - 帯域管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】リアルタイム通信の通信品質を高める。
【解決手段】通信端末間で送受される所定の単位信号の中継処理を各個に実行する複数の中継ノード装置を備えた通信ネットワークの帯域管理システムにおいて、当該通信ネットワーク中の各中継ノード装置に関する帯域の使用状態を管理する帯域管理装置を備え、当該帯域管理装置は、呼の設定後、所定のリアルタイム通信のために前記単位信号をやり取りする通信端末のあいだの経路上に存在する各中継ノード装置に関する帯域の使用状態に応じて、当該呼の設定を許可または不許可とする呼設定統括部を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は帯域管理システムに関し、例えば、ITU−T勧告H.323に準拠した環境でVoIP(Voice ovre IP)を行う場合などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ITU−T勧告H.323に準拠したVoIP装置を使用してIPネットワーク上で通信サービスを提供する場合、その帯域管理は、ゲートキーパ(Gatekeeper)を用いたものである。
【0003】
このゲートキーパによる帯域管理では、IPネットワークヘのH.323端末の同時アクセス数を制限することが可能である。
【0004】
【非特許文献】
ITU−T勧告H.323
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、任意の1つのH.323端末のアクセスによってIPネットワーク上の各ルータなどで使用される帯域は、H.323端末ごとに、あるいは、具体的な通信の内容ごとに相違し得る。
【0006】
また、個々のルータの使用帯域は、IPネットワーク上に設定される経路に依存して動的に変動し得るため、上述したゲートキーパで同時アクセス数を制限したとしても、過不足なく効率的な帯域管理を行うことは困難である。
【0007】
同時アクセス数の上限値を比較的高く設定すると、例えば、あるルータでは帯域に十分な余裕があり、別なルータでは帯域に余裕がなく輻輳状態に陥っている等という現象が発生し得る。輻輳状態にまでいたらなくても、帯域に余裕がなくなれば、そのルータを経由する経路で行われるリアルタイム通信に遅延や途切れなどが発生し、通信品質が劣化する可能性がある。
【0008】
ここで、リアルタイム通信とは、例えば、音声通信(IP電話による会話音声のように双方向的なもののほか、放送などの一方向的なものも含む)や動画像の通信など、その通信の品質に、連続的に到着する単位データ(例えば、IPデータグラム)の到着間隔が重要な影響を与える通信を指す。
【0009】
前記同時アクセス数の上限値を十分に低く設定すれば、遅延、途切れ、輻輳状態の発生を確実に防止することも可能であるが、それでは、IPネットワーク上の帯域資源の利用効率が著しく低下し、非効率なネットワークとなってしまう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明では、通信端末間で送受される所定の単位信号の中継処理を各個に実行する複数の中継ノード装置を備えた通信ネットワークの帯域管理システムにおいて、 当該通信ネットワーク中の各中継ノード装置に関する帯域の使用状態を管理する帯域管理装置を備え、当該帯域管理装置は、呼の設定後、所定のリアルタイム通信のために前記単位信号をやり取りする通信端末のあいだの経路上に存在する各中継ノード装置に関する帯域の使用状態に応じて、当該呼の設定を許可または不許可とする呼設定統括部を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、第2の発明では、通信端末間で送受される所定の単位信号の中継処理を各個に実行する複数の中継ノード装置を備えた通信ネットワークの帯域管理システムにおいて、(1)前記通信端末のうち呼設定を要求する側の通信端末は、前記単位信号を利用して呼設定を要求する呼設定制御信号を送信する呼設定要求部を備え、(2)前記中継ノード装置は、当該通信端末または他の中継ノード装置から当該単位信号を受信すると、所定の中継処理を実行し、当該中継処理の結果として決定された物理リンクに対して当該単位信号を送出する中継処理部と、(3)前記通信ネットワーク上における自身の識別子であるプロトコル対応アドレス番号を管理し、前記物理リンクに送出する前に当該プロトコル対応アドレス番号を前記単位信号に追加するアドレス番号管理部とを備え、(4)前記通信端末のうち呼設定の要求を受ける側の通信端末は、当該単位信号に収容されている複数のプロトコル対応アドレス番号から成るアドレス番号系列をもとに、所定の帯域管理装置に問い合わせを行い、この問い合わせに対する返答に応じて、呼設定の受付処理を制御する呼設定受付制御部と、(5)前記単位信号により、前記呼設定制御信号を受信すると、当該呼設定受付制御部からの制御に応じて、呼設定の受付けまたは受付け拒否の制御信号を返送する処理を行う制御信号返送部とを備え、(6)前記帯域管理装置は、前記通信ネットワーク内の各中継ノード装置につき、その帯域の使用状態を管理する帯域管理部と、(7)前記アドレス番号系列中の各プロトコル対応アドレス番号で指定される各中継ノード装置の帯域の使用状態が新たな帯域使用を許容する場合には、前記返答として肯定的な信号を返し、許可しない場合には否定的な信号を返す返答実行部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる帯域管理システムを、ITU−T勧告H.323に準拠した環境でVoIPを行うVoIPネットワークに適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0013】
本実施形態は、H.323に準拠したVoIPネットワークで、回線(物理リンク)単位の帯域管理を行うものである。
【0014】
(A−1)実施形態の構成
本実施形態にかかるVoIPネットワーク10の全体構成例を図1に示す。
【0015】
図1において、当該VoIPネットワーク10は、4つのルータ11〜14と、4つのスイッチ(SW)15〜18と、4つのH.323端末(IP電話機とする)19〜22と、帯域管理センタ23とを備えている。
【0016】
このうちルータ11のポート11Bとルータ12のポート12Aは回線(物理リンク)C2で接続され、ルータ12のポート12Cとルータ13のポート13Aは回線C3で接続され、ルータ11のポート11Cとルータ14のポート14Aとは回線C1で接続され、ルータ14のポート14Bとルータ13のポート13Cとは回線C4で接続されている。
【0017】
各ルータ11〜14の各ポートには、それぞれ異なるIPアドレスが割り当てられている。例えば、ルータ11のポート11Aと、ポート11Bと、ポート11Cには、それぞれ異なるIPアドレスが割り当てられている。
【0018】
ここでは、各ポートに付与した符号の末尾に「P」を付加したものを当該ポートに割り当てられたIPアドレスとする。
【0019】
したがって、ポート11Aに割り当てられたIPアドレスは11AP、ポート11Bに割り当てられたIPアドレスは11BP、ポート11Cに割り当てられたIPアドレスは11CPである。同様に、ポート12Aに割り当てられたIPアドレスは12AP、ポート12Bに割り当てられたIPアドレスは12BP、ポート12Cに割り当てられたIPアドレスは12CPであり、ポート13Aに割り当てられたIPアドレスは13AP、ポート13Bに割り当てられたIPアドレスは13BP、ポート13Cに割り当てられたIPアドレスは13CPであり、ポート14Aに割り当てられたIPアドレスは14AP、ポート14Bに割り当てられたIPアドレスは14BP、ポート14Cに割り当てられたIPアドレスは14CPである。
【0020】
ルータ11はスイッチ(レイヤ2スイッチなど)15を介してIP電話機19と20を収容している。
【0021】
同様に、ルータ12はスイッチ16を介して帯域管理センタ23を収容しており、ルータ13はスイッチ17を介してIP電話機21を収容しており、ルータ14はスイッチ18を介してIP電話機22を収容している。
【0022】
ルータとIP電話機のあいだにスイッチを配置することにより、コリジョン
によって妨げられることなく、ルータの配下の複数のIP電話機(例えば、ルータ15の配下の19と20)が他のIP電話機と通信することが可能になる等、通信の効率がアップするが、スイッチは必ずしも必須の構成要素ではない。
【0023】
スイッチを省略することも可能であるし、他のネットワーク機器(例えば、ハブやルータ(図1に示したルータとは別))と置換したり、他のネットワーク機器と併用したりすること等も可能である。
【0024】
例えば、ルータ14の配下に配置されるのが図示したIP電話機22だけであり、その他のIP電話機や、データ通信端末が配置されないのであれば、スイッチ18を設ける必要性は低い。
【0025】
いわゆるコールエージェント(CA)を備えたVoIPネットワークの場合には、呼設定メッセージ(呼設定のための制御信号)はCAが中継し、音声データのほうはIPデータグラム(IPパケット)にカプセル化した上でルータが中継するが、本実施形態の場合、呼設定メッセージもIPデータグラムにカプセル化してルータ11〜14が中継する。
【0026】
このような構成の場合、音声データの通信のために帯域が消費されて呼設定メッセージの通信が妨げられる可能性もあるから、各ルータ11〜14が、音声データの通信用とは別に、呼制御メッセージ(呼設定メッセージも含む)の通信用の帯域を確保しておくようにしてもよい。
【0027】
図1に示した構成要素11〜25のすべてが、ある企業などが自社の社員に使用させるために設置するものであってもかまわないが、構成要素11〜25のうちIP電話機19〜22を除いたものは、VoIPサービスを提供する通信事業者が設置するものであってもよい。その場合、ルータ11〜14などは、当該VoIPサービスを利用する複数の企業などが、各企業の内線電話網などのために共用することになる。
【0028】
図1中に示した各IP電話機19〜22は、それぞれ、ユーザU1〜U4によって使用される。
【0029】
本実施形態のIP電話機19〜22は基本的に、H.323に準拠しVoIP技術を利用して音声通話を実行するための通常のIP電話機(VoIP対応電話機)であるが、通常のIP電話機が持たない機能も備えている。
【0030】
当該IP電話機19〜22の内部構成例を図5に示す。IP電話機19〜22の内部構成は実質的に同じであるが、以下では、図5には主として、IP電話機19を示したものとして説明を進める。
【0031】
(A−1−1)IP電話機の内部構成例
図5において、当該IP電話機19は、質問処理部30と、アドレス番号抽出部31と、呼制御部32と、VoIP対応部33と、音声処理部34と、ユーザインタフェース35とを備えている。
【0032】
このうちVoIP対応部33は、呼の設定後に行われる音声通話において、ユーザU1が発声した音声に対応した符号化を行って符号化音声データをIPデータグラムに収容して前記スイッチ15に送出したり、これと反対に通信相手(ここでは、一例として、IP電話機21を使用するユーザU3を想定する)が発声した音声に対応する符号化音声データを収容して到来するIPデータグラムから当該符号化音声データを抽出して復号したりする機能を有する部分である。
【0033】
ユーザインタフェース部35は、ユーザU1が発声した音声を集音するマイクロフォンや、ユーザU3が発声した音声を出力するスピーカなどを有する部分である。発呼するときに、ユーザU1が通信相手の電話番号(IP電話機21の場合は、NB3)を指定するための操作ボタンなども、このユーザインタフェース部35に含まれる。
【0034】
なお、IP電話機19は、通常の電話機としてのインタフェースをユーザU1に提供するため、ユーザU1が発呼時に指定するのは、相手の電話番号であるが、IPプロトコルを使用するVoIPネットワーク10上で有効な唯一の識別子はIPアドレスであるため、VoIPネットワーク10上で通信相手を特定するには、電話番号(ここでは、NB3)をIPアドレス(ここでは、AD3)に変換することが必要になる。この変換を行うのも、上述したゲートキーパである。したがって、図1中では省略しているが、本実施形態のVoIPネットワーク10においてもゲートキーパは存在していてよい。
【0035】
前記音声処理部34は、ユーザインタフェース部35とVoIP対応部33のあいだに介在し、IP電話機19内部において両者の中継を実行する部分である。
【0036】
これらの構成要素33〜35の機能は、従来のIP電話機と同じであってよい。
【0037】
呼制御部32は、呼制御メッセージの送受を行う部分である。当該呼制御部32は例えば、当該IP電話機19から発呼するときには呼設定メッセージを送信し、反対に、当該IP電話機19が着信先となるときには、通信相手からの呼設定メッセージを受信する。当該呼制御部32からの呼設定メッセージの送信は、前記ユーザインタフェース部35の操作ボタンを操作してユーザU1が指定した電話番号の(すなわち、当該電話番号に対応するIPアドレスの)IP電話機に宛てて行われる。
【0038】
本実施形態では、前記CAではなく、ルータ11〜14を利用して呼設定メッセージを送信するため、当該呼設定メッセージも、前記符号化音声データと同様に、IPデータグラムにカプセル化して伝送されることは当然である。
【0039】
当該呼制御部32はまた、呼設定メッセージを送信するとき、当該呼設定メッセージをカプセル化するIPデータグラムのヘッダに、IPプロトコルのオプション機能であるルート・レコード・オプションの設定を施す機能を備えている。
【0040】
IPデータグラムのヘッダにルート・レコード・オプションを設定すると、当該IPデータグラムを受信した各ルータは自身の該当ポートのIPアドレスを当該IPデータグラム内に記録する処理を行う。したがって、当該IPデータグラムが着信先のIP電話機(例えば、21)に受信されたときには、IPデータグラムが、その受信前に通過してきた経路上のルータのIPアドレスの系列(通過ルータIPアドレス情報)が記録されている。この記録は、当該IPデータグラムが転送された経路の記録である。
【0041】
前記質問処理部30とアドレス番号抽出部31は、当該呼制御部32が呼設定メッセージを受信したときに機能する部分で、本実施形態の特徴的な構成要素である。
【0042】
各ルータにおける経路記録には様々な方法が考えられるが、ここでは、IPデータグラムを出力したポートではなく、入力したポートのIPアドレスを記録するものとする。
【0043】
この場合、例えば、IP電話機21の呼制御部(32)が送信した当該呼設定メッセージを含んだIPデータグラムが、ルータ13,14,11の経路を転送されてIP電話機19に受信されたと仮定すると、当該IPデータグラムには、各ルータの各ポートのIPアドレス13BP、14BP、11CPから構成される通過ルータIPアドレス情報が記録されていることになる。
【0044】
前記アドレス番号抽出部31は、記録されているこの通過ルータIPアドレス情報を前記IPデータグラムから抽出して質問処理部30に渡す機能を有する。
【0045】
質問処理部30は、この通過ルータIPアドレス情報をもとに、前記帯域管理センタ23に対して当該呼設定メッセージで要求されている呼設定を受け付けてよいか否かの質問を行う部分で、この質問に対する帯域管理センタ23の応答の内容に応じて呼制御部32が返送する呼制御メッセージを変更する。図1の場合、IP電話機19と帯域管理センタ23のあいだには、ルータ11〜14を経由する以外の伝送路は存在しないので、この質問の内容も、IPデータグラムにカプセル化されて送信されることになる。
【0046】
なお、この質問には、前記通過ルータIPアドレス情報のほかに、この呼設定メッセージを受け付けて呼設定を行った後のリアルタイム通信(ここでは、IP電話機による音声通話)が必要とする帯域幅に関する情報(確保帯域幅情報)も含まれている。
【0047】
当該確保帯域幅情報をどのようにして決定するかについては、様々な方法が考えられる。例えば、予め通信端末(ここでは、IP電話機19)に固定的に確保帯域幅情報を設定しておき、当該通信端末が通信を行う場合には常に、当該確保帯域幅情報で指定される一定の帯域幅を確保するようにしてもよいし、呼設定メッセージの送信元である通信端末(ここでは、IP電話機21)が、これからリアルタイム通信に使用しようとしている通信アプリケーションの種類などに応じて確定帯域幅情報を決定し、決定した確定帯域幅情報を呼設定メッセージに付随させて送信するようにしてもよい。
【0048】
いずれにしても質問処理部30は、前記質問を発するときまでに、確保帯域幅情報の内容(値)を特定しておく必要がある。
【0049】
後述するように、帯域管理センタ23は、VoIPネットワーク10中の全ルータ11〜14に関して、帯域の使用状況を、ほぼリアルタイムで管理しているため、前記通過ルータIPアドレス情報に記録された経路上に1つでも、前記確定帯域幅情報で指定される帯域幅を確保することで使用可能な最大帯域幅を越えるルータが存在する場合には、呼設定の受け付け拒否を指示する否定的な応答を、前記質問を発した質問処理部20に返送する。
【0050】
すなわち、当該経路上の全ルータについて次の式(1)の不等式が成立するとき、帯域管理センタ23は、受付許可を指示する肯定的な応答を返し、成立しないルータが経路上に1つでも存在するときには、受付拒否を指示する否定的な応答を返す。
【0051】
回線帯域幅 ≧ 使用中帯域幅 + 確保帯域幅  …(1)
ここで、回線帯域幅とは、各ルータが所定の回線について使用することの可能な最大の帯域幅のことで、一例としては、前記ルータ12が回線C2について使用可能な最大の帯域幅が、これに該当する。一般的には、ルータごとに、あるいは同じルータであってもポートごとに(すなわち、回線ごとに)使用可能な回線帯域幅は相違する。当該回線帯域幅はルータ製品の仕様に応じて決まる値である。
【0052】
使用中帯域幅とは、その時点で、各ルータが所定の回線について現に使用中の帯域幅のことで、VoIPネットワーク10の運用中には、時々刻々と変動する。一般的なVoIPネットワークでは、輻輳状態などにおいて、使用中帯域幅の値が回線帯域幅を越えることが起こり得るが、本実施形態の場合には、使用中帯域幅の値が回線帯域幅の値を越えることはあり得ない。すなわち、当該使用中帯域幅は、前記回線帯域幅の値を上限とする。
【0053】
厳密には、呼制御メッセージの通信用の帯域を音声データの通信用とは別個に確保しておかない場合、呼制御メッセージの転送によっても、当該使用中帯域幅の値は増加する。ただし、VoIPネットワーク10内における呼制御メッセージの発生頻度や、1つの呼制御メッセージによる帯域の消費量が音声データの通信による帯域の消費量に比べて十分に小さければ、呼制御メッセージの転送による当該使用中帯域幅の増加は無視できる可能性がある。
【0054】
呼制御メッセージの通信のトラフィック特性は、音声データの通信のように長時間、連続的な通信トラフィックを発生するものではなく、短時間で完結する(例えば、1または数個程度のIPデータグラムの通信で完結する)瞬間的なものであるため、その発生頻度が極端に高くない限り、音声データの通信による帯域消費量に比べて、十分に小さな帯域しか消費しない可能性が高い。
【0055】
次に、図6をもとに、前記帯域管理センタ23の内部構成例について説明する。
【0056】
(A−1−2)帯域管理センタの内部構成例
図6において、当該帯域管理センタ23は、帯域管理サーバ24と、帯域管理データベース25を備えている。
【0057】
このうち帯域管理サーバ24は、応答処理部40と、ルータ番号検索部41と、帯域演算判定部42とを備えている。
【0058】
応答処理部40は、前記質問処理部30に対向する部分で、質問を発したIP電話機の質問処理部30に対して、前記応答をIPデータグラムにカプセル化して返送する。ただし、応答処理部40が質問を受け取ってから、応答を返送するまでには、ルータ番号検索部41と、帯域演算判定部42の処理が実行される必要がある。
【0059】
ルータ番号検索部41は、前記質問の通過ルータIPアドレス情報に含まれている各ルータの各ポートのIPアドレスをもとに、各ルータのルータ番号を特定する部分である。
【0060】
ルータ番号とは、帯域管理センタ23内で各ルータ11〜14を一意に特性する識別子であり、一対のルータ番号によって、1つの回線を特定する。
【0061】
ルータ番号としてはどのような値を用いてもかまわないが、ここでは、各ルータに付与した符号の末尾に「N」を付加したものをもって、ルータ番号とする。したがって、ルータ11のルータ番号は11N、ルータ12のルータ番号は12N、ルータ13のルータ番号は13N、ルータ14のルータ番号は14Nとなる。
【0062】
これにより、例えば、ルータ11とルータ12のあいだの回線C2は、ルータ番号11Nと12Nの対(11N,12N)によって指定される。
【0063】
識別子としては、各ルータ11〜14の各ポートに割り当てられたIPアドレスをそのまま、各回線C1〜C4を特定するために帯域管理センタ23内で利用することも可能であるが、前記ルータ番号を利用したほうが、VoIPネットワーク10の構成との対応関係を理解しやすく、運用管理や、障害発生時の障害切り分けなどに便利である。
【0064】
また、各ルータ11〜14の各ポートのIPアドレスは、VoIPネットワーク10の構成変更(例えば、新たなルータの追加や、既設のルータと新規のルータとの置き換えなど)によって、変動する可能性があるが、ルータ番号を利用することにより、このような変動が起きても、ルータ番号とIPアドレスの対応関係だけを変更すればよく、ルータ番号は基本的に変動以前のものをそのまま利用できる。
【0065】
具体的には、当該ルータ番号を用いることによって、VoIPネットワーク10の構成変更時でも、後述する識別子対応テーブルTB1(図3参照)さえ変更すれば、回線帯域管理テーブルTB2(図4参照)はほとんど変更しなくてもよくなる。
【0066】
ルータ番号検索部41は、データベース25中に格納されている識別子対応テーブルTB1を検索することによって、ルータ番号を特定する。
【0067】
当該識別子対応テーブルTB1の構成は、例えば、図3に示すものであってよい。識別子対応テーブルTB1には、ルータの各ポートのIPアドレスと、そのルータのルータ番号の対応関係が格納されている。
【0068】
1つのルータは複数のポートを持っているため、1つのルータ番号には複数のIPアドレスが対応づけられる。
【0069】
例えば、3つのポート14A〜14Cを持つルータ14の場合、そのルータ番号14Nには、上述した3つのIPアドレス14AP〜14CPが対応付けられている。
【0070】
図3の識別子対応テーブルTB1は、IPアドレスの昇順に対応関係を整列したテーブルであるため、二分探索法などを利用して、少ない計算量で、高速な検索を行うことができる。ここでは、14BP<14AP<14CPと仮定している。
【0071】
二分探索法は、あるIPアドレス(例えば、14BP)を検索しようとするとき、まず全探索空間の中央付近のあるIPアドレス値と当該14BPの大小を比較し、14BPのほうが小さければ、全探索空間のうち値の小さいほうの半分の空間で、中央付近のあるIPアドレス値と当該14BPの大小を比較し、…という操作を繰り返す探索法である。
【0072】
図1に示したように、ルータの数がわずか4つ程度の小規模なVoIPネットワーク10なら、中央付近のIPアドレス値を抽出したり、大小を比較したりする処理の全計算量に占める比率が大きくなるため、現実の実装では、かえって単純な線形探索法(整列を行わず、値を1つずつ照合する操作を繰り返す探索法)のほうが高速となる可能性があるが、ルータの数やポートの数が図1に示したものよりも多くなればなるほど、線形探索法よりも二分探索法のほうが、計算量が少なく高速であることが計算量の理論によって証明されている。
【0073】
各ルータにおける経路記録が、上述したように、IPデータグラムを入力したポートのIPアドレスを用いて行われるものとすると、例えば、ルータ13,14,11の経路を記録しているIPデータグラムを受信したIP電話機19からの質問では、ルータ14に関してルータ番号検索部41が行う検索では、IPアドレス14BPが検索キーとなり、検索結果として、ルータ番号14Nが得られる。
【0074】
前記帯域演算判定部42は、回線帯域管理テーブルTB2を検索することにより、呼設定メッセージを受信したIP電話機(例えば、19)が、その呼設定メッセージを受け付けてよいか否かを判定する部分である。
【0075】
当該回線帯域管理テーブルTB2の構成例を図4に示す。
【0076】
任意の2つのルータ間の回線(物理リンク)を双方向のデータ伝送に使用するか、一方向のデータ伝送に使用するかは、OSI参照モデルのネットワーク層より下位の層(例えば、データリンク層)のプロトコルに依存するものと考えられるが、ここでは、双方向のデータ伝送に使用するものとする。したがって、例えば、ルータ11と14間の回線C1は、ルータ11から14へ向かう方向のIPデータグラムの伝送に使用されるとともに、ルータ14から11へ向かう方向のIPデータグラムの伝送にも使用される。
【0077】
図4において、前記回線帯域管理テーブルTB2は、列名(データ項目)として、2つの「ルータ番号」と、「回線帯域幅」と、「使用中帯域幅」とを備えている。
【0078】
ここでは、各回線C1〜C4を双方向のデータ伝送に使用するものとしたので2つの「ルータ番号」を区別していないが、回線が一方向のデータ伝送にしか使用しないものである場合には、例えば、出力側のルータを示す「出力ルータ番号」と入力側のルータを示す「入力ルータ番号」などのデータ項目を設ける必要があり、行の数は図4の倍になる。
【0079】
図4に示した状態で、例えば、最上部の行L1の各データ項目の値は、11N、14N、W1,WA1である。このことから、一対のルータ番号11N、14Nによって指定される回線C1の回線帯域幅の値は、W1であり、現時点の使用中帯域幅の値はWA1であることがわかる。
【0080】
同様に、上から3つ目の行L3の各データ項目の値は、14N、13N、W3,WA3であるから、一対のルータ番号14N、13Nによって指定される回線C4の回線帯域幅の値は、W3であり、現時点の使用中帯域幅の値はWA3であることがわかる。
【0081】
ここで、前記質問のもとになった呼設定メッセージを含むIPデータグラムの転送経路が、ルータ13,14,11を通過する経路であるものとし、前記質問に含まれる確保帯域幅の値をWQ1とすると、前記帯域演算判定部42は、前記式(1)から、W1≧ WA1+WQ1およびW3≧ WA3+WQ1の双方が成立するか否かを判定することになる。
【0082】
双方がともに成立すれば、帯域演算判定部42は、応答処理部40を制御して、前記呼設定メッセージを受け付けてよい旨の応答を送信させ、双方のうちいずれか一方でも成立しない場合には、呼設定メッセージの受付拒否を指示する応答を送信させる。
【0083】
なお、IP電話機19から呼設定メッセージを送信する場合には、宛先のIP電話機の内部でこれと同様な処理が行われるのは当然である。例えば、IP電話機19からIP電話機21に宛てて呼設定メッセージを送信した場合には、IP電話機21内の質問処理部30が帯域管理センタ23に対して、前記質問を収容したIPデータグラムを送信し、それに対する応答に応じた処理(呼制御)を実行することになる。
【0084】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作を、図2のシーケンス図を参照しながら説明する。
【0085】
図2のシーケンス図は、前記IP電話機19からIP電話機21へ発呼するケースに対応し、S10〜S34の各ステップから構成されている。
【0086】
発呼時に送信される前記呼設定メッセージを含んだIPデータグラムがどのような経路で着信先のIP電話機21に届くかは、各ルータ11〜14が持っているルーティングテーブル(経路表)の内容や、障害発生箇所などに依存して変動し得るが、図2の例では、ルータ11,14,13の経路が使用されている。
【0087】
(A−2)実施形態の動作
IP電話機19のユーザU1がオフフックしてIP電話機19の電話番号NB1を入力すると、前記ゲートキーパなどの機能により、当該電話番号NB1に対応するIP電話機21のIPアドレスAD3が得られる。そしてこのIPアドレスAD3を送信先IPアドレスとし、IPヘッダに、前記ルート・レコード・オプションを設定した上で、呼設定メッセージを収容したIPデータグラムがIP電話機19の呼制御部32から送信される(S10)。
【0088】
当該IPデータグラムをポート11Aで受信したルータ11は、ポート11AのIPアドレスである11APを記録した上で、当該IPデータグラムを経路表にしたがってルーティングし、ポート11Cから送出する。
【0089】
ポート11Cから送出された当該IPデータグラムは、回線C1を伝送されてルータ14のポート14Aで受信される(S11)。当該ルータ14でも、前記ルータ11と同様に、当該IPデータグラムにポート14AのIPアドレス14APを記録してルーティングし、ポート14Bから送出する。
【0090】
ポート14Bから送出されたIPデータグラムは回線C4を伝送されてルータ13のポート13Cで受信される(S12)。当該ルータ13でも、前記ルータ11、14と同様に、当該IPデータグラムにポート13CのIPアドレス13CPを記録するから、このとき、IPデータグラムは、前記11AP、14APと、当該13CPの3つのIPアドレスからなる通過ルータIPアドレス情報が記録された状態となる。
【0091】
ルーティングにより、ルータ13が当該IPデータグラムをポート13Bから送出すると、当該IPデータグラムは、スイッチ17を介してIP電話機21の呼制御部32が受信する(S13)。このあと、当該IP電話機21の内部において、前記アドレス番号抽出部31と質問処理部30が動作し、当該IPデータグラムから抽出した通過ルータIPアドレス情報と、当該IPデータグラムから抽出または、予めIP電話機21に固定的に設定された情報に基づいてIP電話機21の呼制御部32自身が生成した前記確保帯域幅情報を含む質問を、前記帯域管理サーバ24に送信する(S14)。
【0092】
この質問の送信は、当該確保帯域幅情報で指定される帯域幅の確保を帯域管理サーバ24に要求する処理であるとみることができる。ただし、帯域管理サーバ24は、前記回線帯域管理テーブルTB2を使用してルータ11〜14の帯域幅の管理を行い、前記応答によって、リアルタイム通信を許すか否かを決定するだけであり、実際のリアルタイム通信に対する帯域幅の割り当てを直接おこなうのは、各ルータ11〜14自身であることは当然である。
【0093】
帯域管理センタ23の内部において、上述したように、帯域管理サーバ24と帯域管理データベース25が連携して動作した結果として、この質問に対し、帯域管理サーバ40の応答処理部40が返送する応答の内容が決まる。
【0094】
すなわち、経路上の全ルータ11,14,13について、前記式(1)の不等式が成立する場合には、肯定的な応答が返送され、それ以外の場合には、否定的な応答が返送される。肯定的な応答は、IP電話機21の呼制御部32が、呼設定メッセージの受け付けを行い呼設定受付メッセージをIP電話機19へ返送することを許容するものであり、否定的な応答は、これを許容しない。
【0095】
図2中のステップS15〜S29は、応答が肯定的である場合に実行される処理であり、ステップS30〜S34は、応答が否定的である場合に実行される処理である。
【0096】
肯定的な応答を返送する場合、帯域管理サーバ24は帯域管理テーブルTB1の該当する行の使用中帯域幅の値を、確保帯域幅の値だけ増加させる。例えば、確保帯域幅の値がWQ2であるとすると、図4中のWA1とWA3がWQ2ずつ増加され、WA1+WQ2と、WA3+WQ2に更新される。
【0097】
帯域管理センタ23から、例えば、ルータ12,13を経由して肯定的な応答を受信すると(S15)、IP電話機21の呼制御部32は、呼設定受付メッセージを収容したIPデータグラムを送出する。このIPデータグラムは、前記呼設定メッセージが転送された経路と同じ経路を反対方向に転送される。
【0098】
したがって、この場合、当該IPデータグラムは、ルータ13,14,11の順番でルータ間を転送され(S16〜S18)、前記呼設定メッセージの送信元であるIP電話機19の呼制御部32に受信される(S19)。その他、呼制御処理の詳細や、やり取りされる呼制御メッセージの詳細は、H.323プロトコルにしたがう。
【0099】
このステップS19の実行等により、呼の設定が完了し、IP電話機19を使用するユーザU1とIP電話機21を使用するユーザU3のあいだでリアルタイム通信(音声通話)が行われる(S20)。
【0100】
この音声通話のためのIPデータグラムが送受されているとき、経路上の各ルータ11,14,13の使用中帯域幅は、上述した回線帯域幅以下の値に維持されるため、輻輳状態が発生することがなく、途切れや遅延が生じることもない。したがって、高い通信品質が実現できる。
【0101】
この音声通話が終了すると、例えば、IP電話機21内においてユーザU3のオンフック(切断)を検出したユーザインタフェース部35が呼制御部32にオンフックの事実を通知し、当該呼制御部32は解放完了メッセージを収容したIPデータグラムをIP電話機19に送信する。このIPデータグラムは、前記呼設定受付メッセージと同じ経路を同じ方向へ転送されて、IP電話機19の呼制御部32に受信される(S21〜S24)。
【0102】
これを受けて、IP電話機19の呼制御部32が解放完了メッセージを送信すると、当該解放完了メッセージは、前記呼設定メッセージと同じ経路を同じ方向に転送されてIP電話機21の呼制御部32に受信される(S25〜S28)。この解放完了メッセージが受信された時点で、呼制御も含むIP電話機19と21のあいだの通信が完了する。
【0103】
当該ステップS28につづき、IP電話機21は、前記帯域管理センタ21に対し、帯域解放要求を送信する(S29)。この帯域解放要求は、前記質問において指定し確保された確保帯域幅の解放を要求するものである。この解放により、当該確保帯域幅の値だけ、前記ルータ11,14,13の使用中帯域幅が減少するから、他のIP電話機(例えば、22)から質問を受信した場合に、肯定的な応答が帯域管理センタ23から返送される確率が高まる。
【0104】
図4に示した帯域管理テーブルTB2の構成からも明らかなように、この帯域の解放は、回線ごと(すなわち、ルータ番号の対ごと)に実行する必要がある。そのため、前記ステップS14でIP電話機21から送信した質問に含まれていた前記通過ルータIPアドレス情報が再度、必要になる。
【0105】
このとき、通過ルータIPアドレス情報を得る方法については、様々なものが考えられる。
【0106】
例えば、ステップS25でIP電話機19の呼制御部32が送信する解放完了メッセージを含むIPデータグラムのルート・レコード・オプションを設定しておき、IP電話機21が当該IPデータグラムを受信したときに当該IPデータグラムから通過ルータIPアドレス情報を抽出して帯域解放要求とともに送信する方法も使用可能である。
【0107】
あるいは、帯域管理センタ23が前記質問に対して肯定的な応答を返送する場合、その質問に含まれていた通貨ルータIPアドレス情報を、帯域管理センタ23側にIP電話機21の識別子(例えば、IPアドレスAD3)と対応づけた形式で記憶しておき、IP電話機21が帯域解放要求を送信してきたときには、そのIPデータグラムの送信元IPアドレスAD3と同じIPアドレスに対応付けられて記憶されている通過ルータIPアドレス情報を検索する方法なども利用可能であるが、ここでは、質問の送信時に使用した通過ルータIPアドレス情報をIP電話機21内に記憶しておいて、帯域解放要求とともに送信する方法を用いるものとする。
【0108】
なお、帯域の解放によって解放される帯域幅(解放帯域幅)の値は、確保帯域幅の値と同じ値である必要があるが、その値を特定する方法についても、帯域管理センタ23側にIP電話機21の識別子(例えば、IPアドレスAD3)と対応づけた形式で前記通過ルータIPアドレス情報とともに記憶しておく方法が使用可能であるが、ここでは、IP電話機21側に記憶しておくものとする。このIP電話機21における確保帯域幅の値の記憶は、固定的なものであってもよく、IP電話機19から通信アプリケーションの種類などに応じて(呼設定メッセージとともに)送信されてくる確定帯域幅情報に応じて動的に記憶内容が変動するものであってもよい。
【0109】
帯域解放要求が受信されると、帯域管理センタ23では当該通過ルータIPアドレス情報をもとに該当するルータ番号を特定し、帯域管理テーブルTB1の該当する行の使用中帯域幅の値を、前記確保帯域幅WQ2の値と等しい値だけ減少させる。もしもこの時点の各回線の使用中帯域幅が、WA1+WQ2と、WA3+WQ2のままであるとすると、この減少により、WA1+WQ2はWA1に戻り、WA3+WQ2はWA3に戻ることになる。
【0110】
一方、前記帯域管理センタ23から送信される応答が否定的であり、帯域確保拒否が返送された場合(S30)、この応答を受信したIP電話機21の呼制御部32は、解放完了メッセージを収容したIPデータグラムをIP電話機19に送信する(S31)。このIPデータグラムは、前記呼設定メッセージと同じ経路を反対方向に転送されてIP電話機19の呼制御部32に到達する(S32〜S34)。
【0111】
これにより、この時点で、データ通信やリアルタイム通信を実行中のVoIPネットワーク10のユーザ(例えば、U2,U4)の通信品質が高く維持される。
【0112】
なお、前記ステップS29の帯域解放要求は、ステップS28のあとではなく、ステップS21の前後で実行してもかまわない。
【0113】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、H.323に準拠したVoIPネットワーク(10)で、回線(C1〜C4)単位の帯域管理を行うことができ、リアルタイム通信の通信品質を高めることができる。
【0114】
すなわち、本実施形態において、音声通話などのリアルタイム通信を行う場合、輻輳状態、途切れ、遅延などの発生を防止することができる。
【0115】
もちろん、本実施形態はリアルタイム通信だけでなく通常のデータ通信(例えば、FTPプロトコルを用いたファイル転送など)に適用しても、通信品質の向上や、実効的なスループットの向上に有効である。実効的なスループットが向上するのは、輻輳状態が発生しないためにパケット損失などが起きず、再送制御の頻度が低減できるからである。
【0116】
(B)他の実施形態
上記実施形態では、各IP電話機が発呼し得る機能を持つものとしたが、原理的には、発呼機能だけを持つIP電話機や、着呼機能だけを持つIP電話機があってもかまわない。
【0117】
また、上記実施形態では、すべての端末がVoIP対応機能を備えたIP電話機であったが、VoIP対応機能を持たない一般電話機(H.323非対応端末)が含まれていてもかまわない。その場合、当該H.323非対応端末は、PBX(構内交換機)などを介してVoIPゲートウエイに接続され、VoIPゲートウエイが提供するVoIP対応機能を利用することになる。
【0118】
さらに、上記実施形態ではIP電話機を例に説明したが、H.323端末は必ずしもIP電話機に限定する必要はない。例えば、動画像などをやり取りするビデオ会議システムなどにも適用可能である。
【0119】
なお、上記実施形態では、二分探索法を行うため、識別子対応テーブルTB1で、IPアドレスを昇順に整列したが、降順に整列してもよいことは当然である。また、探索法としては、二分探索法以外の効率的な方法を用いてもかまわない。例えば、ハッシュ法を利用することも可能である。ハッシュ法では、シノニム(衝突)の発生率を抑制できれば、基本的にわずか一回のアクセスで、所望のルータ番号を検索することが可能である。
【0120】
上記実施形態では、IP網上で音声通信を行うVoIPを例に説明したが、このIP網は、その他のネットワークに置換可能である。例えば、フレームリレー網上で音声通信を行うVoFRなどにも適用可能である。
【0121】
なお、上記実施形態では、図1に示したように、ルータ11〜14間のトポロジはリング型であったが、リング型以外のトポロジを用いることも可能である。例えば、ツリー型や、メッシュ型のトポロジも利用可能である。
【0122】
また、ルータ11〜14の数は上述した4つより少なくてもよく、多くてもよいことは当然である。
【0123】
なお、上記実施形態の構成においてゲートキーパを設ける場合、当該ゲートキーパによる帯域管理は行わないようにしてもよい。
【0124】
また、ゲートキーパによる帯域管理と帯域管理センタ23による帯域管理を併用する場合、呼設定の要求に対する帯域管理の結論が、ゲートキーパと帯域管理センタ23で矛盾するものとなることが起こり得るが、そのようなケースでは、帯域管理センタ23の結論を優先するようにするとよい。さらに、このような優先は、結論が否定的(前記応答が否定的)な場合にのみ行うようにしてもよい。この場合、例えば、帯域管理センタ23が肯定的な結論を出し、ゲートキーパが否定的な結論を出した場合には、呼設定の受付は拒否されることになる。
【0125】
以上の説明では主としてハードウエア的に本発明を実現したが、本発明はソフトウエア的に実現することも可能である。
【0126】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、帯域資源の利用効率が高い適切な帯域管理を行うことによって、リアルタイム通信の通信品質を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るVoIPネットワークの全体構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態の動作例を示すシーケンス図である。
【図3】実施形態で使用するテーブルの構成例を示す概略図である。
【図4】実施形態で使用するテーブルの構成例を示す概略図である。
【図5】実施形態で使用するIP電話機の内部構成例を示す概略図である。
【図6】実施形態で使用する帯域管理センタの内部構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
10…VoIPネットワーク、11〜14…ルータ、15〜18…スイッチ、19〜22…IP電話機(IP電話機)、23…帯域管理センタ、24…帯域管理サーバ、25…データベース、30…質問処理部、31…アドレス番号抽出部、32…呼制御部、33…VoIP対応部、34…音声処理部、35…ユーザインタフェース部、40…応答処理部、41…ルータ番号検索部、42…帯域演算判定部、C1〜C4…回線、TB1,TB2…テーブル。

Claims (4)

  1. 通信端末間で送受される所定の単位信号の中継処理を各個に実行する複数の中継ノード装置を備えた通信ネットワークの帯域管理システムにおいて、
    当該通信ネットワーク中の各中継ノード装置に関する帯域の使用状態を管理する帯域管理装置を備え、
    当該帯域管理装置は、
    呼の設定後、所定のリアルタイム通信のために前記単位信号をやり取りする通信端末のあいだの経路上に存在する各中継ノード装置に関する帯域の使用状態に応じて、当該呼の設定を許可または不許可とする呼設定統括部を備えたことを特徴とする帯域管理システム。
  2. 請求項1の帯域管理システムにおいて、
    前記中継ノード装置は、
    前記通信端末または他の中継ノード装置から単位信号を受信すると、所定の中継処理を実行し、当該中継処理の結果として決定された物理リンクに対して単位信号を送出する中継処理部と、
    前記通信ネットワーク上における自身の識別子であるプロトコル対応アドレス番号を管理し、前記物理リンクに送出する前に当該プロトコル対応アドレス番号を前記単位信号に追加するアドレス番号管理部とを備えたことを特徴とする帯域管理システム。
  3. 通信端末間で送受される所定の単位信号の中継処理を各個に実行する複数の中継ノード装置を備えた通信ネットワークの帯域管理システムにおいて、
    前記通信端末のうち呼設定を要求する側の通信端末は、
    前記単位信号を利用して呼設定を要求する呼設定制御信号を送信する呼設定要求部を備え、
    前記中継ノード装置は、
    当該通信端末または他の中継ノード装置から当該単位信号を受信すると、所定の中継処理を実行し、当該中継処理の結果として決定された物理リンクに対して当該単位信号を送出する中継処理部と、
    前記通信ネットワーク上における自身の識別子であるプロトコル対応アドレス番号を管理し、前記物理リンクに送出する前に当該プロトコル対応アドレス番号を前記単位信号に追加するアドレス番号管理部とを備え、
    前記通信端末のうち呼設定の要求を受ける側の通信端末は、
    当該単位信号に収容されている複数のプロトコル対応アドレス番号から成るアドレス番号系列をもとに、所定の帯域管理装置に問い合わせを行い、この問い合わせに対する返答に応じて、呼設定の受付処理を制御する呼設定受付制御部と、前記単位信号により、前記呼設定制御信号を受信すると、当該呼設定受付制御部からの制御に応じて、呼設定の受付けまたは受付け拒否の制御信号を返送する処理を行う制御信号返送部とを備え、
    前記帯域管理装置は、
    前記通信ネットワーク内の各中継ノード装置につき、その帯域の使用状態を管理する帯域管理部と、
    前記アドレス番号系列中の各プロトコル対応アドレス番号で指定される各中継ノード装置の帯域の使用状態が新たな帯域使用を許容する場合には、前記返答として肯定的な信号を返し、許可しない場合には否定的な信号を返す返答実行部とを備えたことを特徴とする帯域管理システム。
  4. 請求項3の帯域管理システムにおいて、
    前記呼設定制御信号には、その呼設定後に、前記通信端末間で行うリアルタイム通信で使用する帯域を示す要求帯域情報を付随させることを特徴とする帯域管理システム。
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