JP2004104380A - 画像伸長装置 - Google Patents

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Shogo Oneda
大根田 章吾
Keiichi Suzuki
鈴木 啓一
Yukio Kadowaki
門脇 幸男
Yutaka Sano
佐野 豊
Toru Suino
水納 亨
Takanori Yano
矢野 隆則
Minoru Fukuda
福田 実
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Abstract

【課題】画像を圧縮符号化した符号データを伸長する処理を行なう際の消費電力を効果的に削減する。
【解決手段】電池7の電池残量を電源状態検知部11で検出する。制御部10は、電池残量が少ないときは、フレームレートを下げ、解像度を下げ、あるいは、画像の表示領域を小さくするように、コードストリームの符号を選択的に符号破棄部3で破棄する。また、クロック発生部9でクロック信号の周波数を低減し、可変電圧源8が出力する電圧を下げる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データを圧縮符号化した符号データを伸長する画像伸長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池残量の応じて画像データの間引き率、フレームレートを変更し、それに応じた処理回路のクロックと電源電圧を変更することにより、消費電力を抑える技術が存在する(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−238189公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来技術では、画像データを圧縮符号化する際に消費電力を抑えるための技術であって、既に圧縮符号化された符号データを伸長する際には消費電力を抑える効果がないという不具合がある。
【0005】
また、従来の構成では、符号データを伸長するためには符号データの全てを伸長しなければならないため、この際の処理量を減らすことにより消費電力を減らすことは困難であった。
【0006】
本発明の目的は、画像を圧縮符号化した符号データを伸長する処理を行なう際の消費電力を効果的に削減することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像データを圧縮符号化した符号データを伸長する符号伸長手段と、本装置に電源を供給する電池の電池残量を検出する検出手段と、この電池残量の検出値に応じて前記符号伸長手段が前記伸長を行なう際の消費電力を削減するように、前記符号伸長手段を制御する制御手段と、を備えている画像伸長装置である。
【0008】
したがって、画像を圧縮符号化した符号データを伸長する処理を行なう際の消費電力を効果的に削減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像伸長装置において、前記符号伸長手段は、前記伸長前の符号データを選択的に破棄する符号破棄手段を備え、前記制御手段は、前記符号破棄手段により前記符号データの一部を選択的に破棄することで前記消費電力の削減を行なう。
【0010】
したがって、符号データの一部を選択的に破棄してから符号データを伸長することで消費電力を効果的に削減することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像伸長装置において、前記符号伸長手段は、前記画像データを複数の小領域に分割し、小領域ごとに階層的に圧縮符号化された符号データについて前記伸長を行なう。
【0012】
したがって、必要な小領域ごとに符号を容易に破棄することができるので、消費電力の削減が容易に行なえる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像伸長装置において、前記符号伸長手段は、JPEG2000アルゴリズムで圧縮符号化された符号データについて前記伸長を行なう。
【0014】
したがって、必要なタイルごとに符号を容易に破棄することができるので、消費電力の削減が容易に行なえる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れかの一に記載の画像伸長装置において、前記制御手段は、前記符号破棄手段により前記符号データの一部を選択的に破棄することで画像のフレームレートを下げて前記消費電力の削減を行なう。
【0016】
したがって、フレームレートを下げるように符号データを削減して、消費電力を効果的に削減することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の何れかの一に記載の画像伸長装置において、前記制御手段は、前記符号破棄手段により前記符号データの一部を選択的に破棄することで画像の解像度を下げて前記消費電力の削減を行なう。
【0018】
したがって、解像度を下げるように符号データを削減して、消費電力を効果的に削減することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6の何れかの一に記載の画像伸長装置において、前記制御手段は、前記符号破棄手段により前記符号データの一部を選択的に破棄することで画像の表示領域を小さくして前記消費電力の削減を行なう。
【0020】
したがって、画像の表示領域を小さくするように符号データを削減して、消費電力を効果的に削減することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7の何れかの一に記載の画像伸長装置において、前記制御手段は、前記符号伸長手段で使用するクロック信号の周波数を低減することにより前記消費電力の削減を行なう。
【0022】
したがって、クロック信号の周波数を低減することにより、消費電力を効果的に削減することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れかの一に記載の画像伸長装置において、前記電池が供給する電力から可変電圧を生成して前記符号伸長手段に供給する可変電圧源を備え、前記制御手段は、前記可変電圧源を制御して前記消費電力の削減に応じて前記可変電圧の値を下げる。
【0024】
したがって、符号データの伸長に使用する電圧を低減して、消費電力を効果的に削減することができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項2〜8の何れかの一に記載の画像伸長装置において、前記符号破棄手段に代えて、前記符号データの送信元に指示を行なう通信手段を備え、前記制御手段は、前記通信手段により前記符号データの一部の選択的破棄を前記送信元に指示する。
【0026】
したがって、符号データの送信元で送信しようとする符号データの一部の選択的破棄を行なうことが可能となり、符号データの一部破棄の処理を実行する際の消費電力を効果的に削減することができる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、請求項2〜8の何れかの一に記載の画像伸長装置において、前記伸長前の符号データから画像属性である画像サイズを読み取るサイズ読取手段を備え、前記制御手段は、この読み取った画像サイズの大きさに応じて前記符号データの一部の選択的破棄の度合いを変える。
【0028】
したがって、画像サイズの大小にかかわらず消費電力を効果的に削減することができる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項2〜8の何れかの一に記載の画像伸長装置において、前記符号データの一部の選択的破棄の度合いを設定する複数のモードからユーザの選択を受付ける受付手段を備え、前記制御手段は、前記電池残量の検出値にかかわらず、この受付けたモードで前記符号データの一部の選択的破棄の度合いを変える。
【0030】
したがって、消費電力の節減を優先することも、画質を優先することも、ユーザの所望により選択することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について説明する。
【0032】
図1は、本実施の形態である画像伸長装置1の概略構成を示すブロック図である。この画像伸長装置1は、画像データを、例えば本例ではJPEG2000アルゴリズムで圧縮符号化したコードストリームを所定のホスト装置12から受信し、このコードストリームを伸長する装置である。したがって、このコードストリームは、ウェーブレット変換(DWT)を用い、画像を複数の小領域(タイル)に分割して、タイルごとに階層的に圧縮符号化されてなるものである。
【0033】
画像伸長装置1は、入力部2〜逆ウェーブレット変換部6、クロック発生部9により、符号伸長手段を実現している。画像伸長装置1は、ホスト装置12からのコードストリームの入力を受付ける入力部2と、符号破棄手段を実現するため、この入力されたコードストリーム中の符号の一部を、ヘッダデータ等を参照して選択的に破棄する符号破棄部3と、この破棄後のデータをエントロピーデコードするエントロピーデコーダー4と、このエントロピーデコード後のデータを逆量子化する逆量子化部5と、この逆量子化のデータを逆周波数変換、この例では、逆ウェーブレット変換(逆DWT)して、伸長した画像データとして出力する逆ウェーブレット変換部6とを備えている。
【0034】
電池7は、この画像伸長装置1に電力を供給する電源となる。可変電圧源8は、この電池7から所定の可変電圧を生成し、この可変電圧を、入力部2、符号破棄部3、エントロピーデコーダー4、逆量子化部5、逆ウェーブレット変換部6などに供給する。なお、画像伸長装置1は、電池7でなく、AC電源を電源として駆動することもできる。クロック発生部9は、符号破棄部3、エントロピーデコーダー4、逆量子化部5、逆ウェーブレット変換部6などにクロック信号を供給する。制御部10はマイクロコンピュータなどを中心に構成され、画像伸長装置1の全体を制御する。電源状態検知部11は、周知の手段により電池7の電池残量を検出する。
【0035】
このような画像伸長装置1は、監視カメラシステムなど、画像表示などを行なう装置に設けられて使用される。例えば監視カメラシステムの場合なら、画像伸長装置1で伸長後の画像データはハードディスクなどの記憶媒体にバッファされ、ディスプレイに画像の表示がなされる。
【0036】
図2は、制御部10が行なう処理のフローチャートである。まず、制御部10は、検出手段を実現するために、電源状態検知部11の電池残量を検出し(ステップS1)、この電池残量を所定の1又は複数の閾値と比較する(ステップS2)。ここで複数の閾値を用いる場合は、その各閾値が、例えば、電池残量がフルである状態の3/4、2/4、1/4のように多段階に設定されているものとする。そして、制御手段を実現するため、ステップS2の比較結果に応じて、画像伸長装置1における消費電力を削減するように、入力部2、符号破棄部3、エントロピーデコーダー4、逆量子化部5、逆ウェーブレット変換部6、クロック発生部9などの各部を制御する(ステップS3)。
【0037】
すなわち、ステップS3では、エントロピーデコーダー4のモードを変更し、エントロピーデコードする符号量を削減する。そして、これにあわせて、入力部2に入力されたコードストリーム中から符号破棄部3が不要な符号を選択的に破棄する。このモード変更の内容は、画像のフレームレート、フレーム当たりのデコ−ドデータ量(解像度、画質、表示領域など)などである。このモード変更によるエントロピーデコーダー4の処理データ量の低減に合わせて、エントロピーデコーダー4、逆量子化部5及び逆ウェーブレット変換部6の電源電圧、クロック発生部9が発生するクロック信号の周波数を制御して、これらの各部の消費電力を削減し、これに合わせて可変電圧源8が出力する電圧値も低減する。
【0038】
以下では、具体的なモード変更の例について説明する。
【0039】
図3は、フレームレートを制御することでエントロピーデコードする符号量を削減する場合の処理を説明する説明図である。この場合はフレームレートを半分に落として、連続2フレーム中の1フレームのみを再生するので、エントロピーデコーダー4、逆量子化部5、逆ウェーブレット変換部6の処理負荷は1/2になり、クロック発生部9が出力するクロック信号の周波数を半分に落とすことができるので、これにより、可変電圧源8が出力する可変電圧も低減することができるため、消費電力を大幅に低減することができる。
【0040】
図4は、各フレームを構成する複数のサブバンドの一部を破棄することでエントロピーデコードする符号量を削減し、解像度を低減する場合の処理を説明する説明図である。図4に示すように、符号破棄部3には、各サブバンド順に符号データが入力される(4〜0が各サブバンド符号列である)。各サブバンドの切れ目には区切り記号が入っており、符号破棄部3は区切り記号により境界を容易に判別して選択的にサブバンドを破棄することが可能である。まず、サブバンド4(この4の数には特に意味が無い)から順にエントロピーデコードしていき、電池残量が十分ある場合には、最終サブバンド(0)まで処理するが、電池残量が充分でないときは、サブバンド1、あるいは、サブバンド2,3まで処理して、それ以降のサブバンドを破棄するようにすることができる。これにより、可変電圧源8が出力する可変電圧も低減することができるため、消費電力を大幅に低減することができる。
【0041】
図5は、図4中における一つのサブバンドのデータ構成を示している。サブバンド内にはビットプレーンのMSBから順に符号化されたデータが納められている。そこで、単一のサブバンド全体を破棄するのではなく、MSBから順にエントロピーデコードしていき、LSBから2ビットプレーンのデータを破棄するようにして、符号量を削減してもよい。この場合も、エントロピーデコーダー4の処理量を低減することができる。しかし、逆量子化部5、逆ウェーブレット変換部6における処理量は変わらない。
【0042】
なお、ここまでの動作はタイル分割していない符号データに対しても有効である。
【0043】
図6は、画面の中心領域のみをエントロピーデコードすることで、画像の表示領域を小さくして符号量を削減し、画像の表示領域を小さくする例の説明図である。この例では、R,G,B各色成分のコンポーネントについて、画面の中心領域の所定範囲(図6の例では画面中央の4つのタイル)だけをエントロピーデコードし、他の部分のタイルについては破棄するものである。
【0044】
以上の他に、前述のモード変更の内容として画質を変える例としては、カラー画像の輝度信号と色差信号のうち輝度信号だけエントロピーデコードして、モノクロ表示することなどが考えられる。
【0045】
また、図1の例では符号破棄部3が選択的に符号の破棄を行なっているが、図7に示すように、制御部10により、通信手段を実現するため、所定の通信インターフェイスなどを備えた通信部13が、破棄すべき符号の内容をホスト装置12に通知して、符号の破棄を指示するようにして、制御手段を実現してもよい。これにより、ホスト装置12自身が所定の符号を破棄したコードストリームを作成して、画像伸長装置1に送信することが可能となる。この場合は、画像伸長装置1は符号破棄部3を備える必要はない。よって、この場合は、符号破棄部3が不要になり、入力部2での符号の処理量も削減できるので、より大きな消費電力削減が期待できる。
【0046】
表1には、電源状態と、フレームレート、解像度及び表示領域の制御と、クロック周波数設定と、可変電圧源8の電源電圧との対応関係を示している。電源状態でACとあるのは、AC電源を用いた場合である。また、電池フル〜電池1/4以下とあるのは、電池7の電池残量を示している。電池フルとは電池残量が100%の状態の3/4を超えていることをいい、電池3/4以下とは電池残量がフル状態の3/4以下であることをいい、電池2/4以下、電池1/4以下もこれに準じる。ここでは、この電池残量を前述のような閾値(ステップS2)を用いて多段階に判断した場合の、電源状態ごとにフレームレート、解像度、表示領域、クロック周波数設定、可変電圧源8の電源電圧の例を示している。
【0047】
よって、制御部10は、表1に例示されるような電源状態に応じたフレームレート、解像度、表示領域、クロック周波数設定、電源電圧の各設定値をテーブルデータとして記憶しておき、ステップS2により現在の電源状態を判断して、このテーブルデータに登録されている電源状態に対応した解像度、表示領域、クロック周波数設定、電源電圧の各設定値を設定することにより、可変電圧源8の出力を表1に示す電源電圧とすることができ、節電することができる。
【0048】
【表1】
Figure 2004104380
【0049】
すなわち、表1に示すように、フレームレートをフルフレームから1/2フレームに落とせば、符号の処理量が半分になり、クロック信号周波数を1/2にすることができ、電源電圧も下げることができることがわかる。さらに、解像度を1/2にすること、すなわち、図4のサブバンド“0”を破棄して処理しないことにより、フレーム当たりの符号量並びに逆量子化部5及び逆ウェーブレット変換部6における処理量が約1/2になり、クロック周波数をさらに1/2(トータル1/4)にできることがわかる。
【0050】
この場合の処理量は回路構成に依存し、正確には1/2にはならないかもしれないので、実際のクロック周波数は回路構成によって落とせる範囲まで落とす。また、符号量は画像データの内容にも依存するので、やはり1/2になるとは限らない。したがって、エントロピーデコーダー4以下の各部の処理量に応じたクロック周波数設定を正確に行ったとしても、画像によっては復号化が間に合わないことも考えられる。その場合には、復号化の結果を全て“0”又は“1”として処理する。なお、図4、図5を参照して前述した例から明らかなように、復号化の順番は重要度の高いデータから行われているので、まだ復号化が行われていないデータが欠落したとしても、ビットプレーンの下位データの欠落、あるいは、下位サブバンドのデータが欠落するだけであり、多少階調性や解像度の劣化があるだけで、大きな画質劣化にはつながらない。
【0051】
また、図2の処理に代えて図8の処理を行ってもよい。図8の処理において、ステップS1〜S3は図2の場合と共通であるが、ステップS4では、サイズ読取手段を実現するため、コードストリームのMain Header、Flame Header(図3参照)に記録された画像属性である画像サイズを符号破棄部3で読み取る。
【0052】
その場合に画像サイズが小さいときのフレームレート、解像度及び表示領域の制御、クロック周波数設定並びに可変電圧源8の電源電圧の例を表1とすれば、画像サイズが大きい場合の同様の例が表2である。画像サイズが大きい場合には、元画像データの高周波成分が多いので、処理で解像度を落としても画質劣化が少なく、表1から表2に示すような設定への変更が可能となる。
【0053】
【表2】
Figure 2004104380
【0054】
すなわち、制御手段を実現するため、表1に例示されるような電源状態に応じたフレームレート、解像度、表示領域、クロック周波数設定、電源電圧の各設定値を第1のテーブルデータとし、表2に例示されるような同様のデータを第2のテーブルデータとして、制御部10がステップS4の判断に応じて、この何れかのテーブルデータを選択し(ステップS5)、それをステップS3の処理で用いればよい。これにより、符号データの一部の選択的な破棄の度合いを、画像サイズに応じて変えることが可能となり、画像サイズにかかわらず、電源電圧を効果的に節約することができる。
【0055】
また、図9に示すように、画像伸長装置1に動作モード設定部14を設けてもよい。動作モード設定部14は、所定の操作パネルの操作等によりユーザから動作モードの入力を受付ける。ここで、動作モードとは、例えば、表3に示す省エネモード1〜4のことで、この省エネモード1〜4には、表1,2の場合と同様、解像度、表示領域、クロック周波数設定、電源電圧の各設定値を設定しており、この表3のようなテーブルデータを制御部10が備えている。そして、省エネモード1〜4の順に可変電圧源8の電源電圧の設定を小さくしていて、より大きな節電を図れるモードとなっている。
【0056】
【表3】
Figure 2004104380
【0057】
この場合は、図10に示すような処理を行なう。すなわち、制御部10は、受付手段を実現するため、動作モード設定部14によりユーザから動作モードの入力を受付けると(ステップS6のY)、制御手段を実現するため、図2又は図8の処理の実行を禁止し(ステップS7)、制御手段を実現するため、表3のようなテーブルデータを参照して、ステップS6で入力された省エネモード1〜4のいずれかの解像度、表示領域、クロック周波数設定、電源電圧の各設定値に設定する(ステップS8)。ステップS7により、かかる設定は、前述のステップS1〜5の処理による設定にかかわらず、強制的に行なわれることになる。したがって、電池7の電池残量にかかわらず、省エネモード1〜4の選択により符号データの一部の選択的破棄の度合いをユーザの所望の設定を行なえるので、ユーザは消費電力が大きくても高画質を望むか、画質が悪くても消費電力を低減したいかにより、省エネモード1〜4のいずれかを選択することができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、画像を圧縮符号化した符号データを伸長する処理を行なう際の消費電力を効果的に削減することができる。
【0059】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、符号データの一部を選択的に破棄してから符号データを伸長することで消費電力を効果的に削減することができる。
【0060】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、必要な小領域ごとに符号を容易に破棄することができるので、消費電力の削減が容易に行なえる。
【0061】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、必要なタイルごとに符号を容易に破棄することができるので、消費電力の削減が容易に行なえる。
【0062】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れかの一に記載の発明において、フレームレートを下げるように符号データを削減して、消費電力を効果的に削減することができる。
【0063】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の何れかの一に記載の発明において、解像度を下げるように符号データを削減して、消費電力を効果的に削減することができる。
【0064】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6の何れかの一に記載の発明において、画像の表示領域を小さくするように符号データを削減して、消費電力を効果的に削減することができる。
【0065】
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7の何れかの一に記載の発明において、クロック信号の周波数を低減することにより、消費電力を効果的に削減することができる。
【0066】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れかの一に記載の発明において、符号データの伸長に使用する電圧を低減して、消費電力を効果的に削減することができる。
【0067】
請求項10に記載の発明は、請求項2〜8の何れかの一に記載の発明において、符号データの送信元で送信しようとする符号データの一部の選択的破棄を行なうことが可能となり、符号データの一部破棄の処理を実行する際の消費電力を効果的に削減することができる。
【0068】
請求項11に記載の発明は、請求項2〜8の何れかの一に記載の発明において、画像サイズの大小にかかわらず消費電力を効果的に削減することができる。
【0069】
請求項12に記載の発明は、請求項2〜8の何れかの一に記載の発明において、消費電力の節減を優先することも、画質を優先することも、ユーザの所望により選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である画像伸長装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】画像伸長装置が行なう処理のフローチャートである。
【図3】フレームレートを変える処理について説明する説明図である。
【図4】解像度を変える処理について説明する説明図である。
【図5】解像度を変える処理について説明する説明図である。
【図6】画像の表示領域を変える処理について説明する説明図である。
【図7】画像伸長装置の別の構成を説明するブロック図である。
【図8】画像伸長装置が行なう他の処理例のフローチャートである。
【図9】画像伸長装置の別の構成を説明するブロック図である。
【図10】画像伸長装置が行なう他の処理例のフローチャートである。
【符号の説明】
1  画像伸長装置
2〜6,9 画像伸長手段
7  電池
8  可変電圧源
12 送信先
13 通信手段

Claims (12)

  1. 画像データを圧縮符号化した符号データを伸長する符号伸長手段と、
    本装置に電源を供給する電池の電池残量を検出する検出手段と、
    この電池残量の検出値に応じて前記符号伸長手段が前記伸長を行なう際の消費電力を削減するように、前記符号伸長手段を制御する制御手段と、
    を備えている画像伸長装置。
  2. 前記符号伸長手段は、前記伸長前の符号データを選択的に破棄する符号破棄手段を備え、
    前記制御手段は、前記符号破棄手段により前記符号データの一部を選択的に破棄することで前記消費電力の削減を行なう、
    請求項1に記載の画像伸長装置。
  3. 前記符号伸長手段は、前記画像データを複数の小領域に分割し、小領域ごとに階層的に圧縮符号化された符号データについて前記伸長を行なう、請求項2に記載の画像伸長装置。
  4. 前記符号伸長手段は、JPEG2000アルゴリズムで圧縮符号化された符号データについて前記伸長を行なう、請求項3に記載の画像伸長装置。
  5. 前記制御手段は、前記符号破棄手段により前記符号データの一部を選択的に破棄することで画像のフレームレートを下げて前記消費電力の削減を行なう、請求項2〜4の何れかの一に記載の画像伸長装置。
  6. 前記制御手段は、前記符号破棄手段により前記符号データの一部を選択的に破棄することで画像の解像度を下げて前記消費電力の削減を行なう、請求項2〜5の何れかの一に記載の画像伸長装置。
  7. 前記制御手段は、前記符号破棄手段により前記符号データの一部を選択的に破棄することで画像の表示領域を小さくして前記消費電力の削減を行なう、請求項2〜6の何れかの一に記載の画像伸長装置。
  8. 前記制御手段は、前記符号伸長手段で使用するクロック信号の周波数を低減することにより前記消費電力の削減を行なう、請求項2〜7の何れかの一に記載の画像伸長装置。
  9. 前記電池が供給する電力から可変電圧を生成して前記符号伸長手段に供給する可変電圧源を備え、
    前記制御手段は、前記可変電圧源を制御して前記消費電力の削減に応じて前記可変電圧の値を下げる、
    請求項1〜8の何れかの一に記載の画像伸長装置。
  10. 前記符号破棄手段に代えて、前記符号データの送信元に指示を行なう通信手段を備え、
    前記制御手段は、前記通信手段により前記符号データの一部の選択的破棄を前記送信元に指示する、
    請求項2〜8の何れかの一に記載の画像伸長装置。
  11. 前記伸長前の符号データから画像属性である画像サイズを読み取るサイズ読取手段を備え、
    前記制御手段は、この読み取った画像サイズの大きさに応じて前記符号データの一部の選択的破棄の度合いを変える、
    請求項2〜8の何れかの一に記載の画像伸長装置。
  12. 前記符号データの一部の選択的破棄の度合いを設定する複数のモードからユーザの選択を受付ける受付手段を備え、
    前記制御手段は、前記電池残量の検出値にかかわらず、この受付けたモードで前記符号データの一部の選択的破棄の度合いを変える、
    請求項2〜8の何れかの一に記載の画像伸長装置。
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