JP2004103951A - 熱電材料の製造方法 - Google Patents

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Yasuhiro Hasegawa
長谷川 靖洋
Hiroshi Komine
小峰 啓史
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Abstract

【課題】従来のものと比べて高い発電効率を有する化合物半導体系の熱電材料及び熱電素子の製造方法を提供する。
【解決手段】化合物半導体FeSiの組成に対応する原料にCoをドーピング材として加えて溶融する。この溶融物を、外部から磁場を加えた状態で冷却して凝固させる。これにより、結晶及びドーピング材の磁気モーメントが一方向に揃った熱電半導体が得られる。これを上記磁気モーメントの方向に対して平行な面及び垂直な面で切り分ける。このようにして得られたブロックの、上記磁気モーメントの方向に対して平行な2面に電極を取り付けことにより、熱電素子が得られる。なお、溶融物を凝固させる際には外部から磁化を加えず、一旦凝固させた後、キュリー点以上の温度に加熱し、次いで、外部から磁場を加えた状態で冷却することによって、内部の磁気モーメントを一方向に揃えることもできる。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃熱発電や熱電冷却に使用される熱電材料の製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
熱電材料を使用すると、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換したり、あるいは電気エネルギーによって直接冷却をしたりすることができる。このような性質(熱電効果)を利用して、廃熱発電や熱電冷却などに熱電材料が使用されている。
【0003】
従来から使用されている熱電材料には、代表的なものとして、BiSb系、BiTe系、PbTe系、FeSi系などがある。しかし、いずれも発電効率が低く、その適用範囲が限られている。
【0004】
これらの熱電材料の発電効率を改善するため、これらの熱電材料に外部から磁場を加え、それに伴うネルンスト効果を利用して熱起電力を増大させることが従来から行われている。しかし、そのような方法は、電磁石などの付帯設備が必要になるので、装置のコンパクト化が困難であるいう問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の半導体系の熱電材料の問題点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、従来のものと比べて高い発電効率を有する熱電材料及び熱電素子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱電材料の製造方法は、熱電効果を有し且つ構成元素の一方が強磁性または常磁性を示す元素である化合物半導体からなる熱電材料の製造方法であって、前記化合物半導体の組成に対応する原料にドーピング材を加えて溶融し、次いで、外部から磁場を加えた状態で冷却して凝固させ、これによって、結晶の磁気モーメントの方向が揃った化合物半導体を得ることを特徴とする。
【0007】
本発明の方法に基づいて製造された熱電材料は、結晶の磁気モーメントの方向が揃っているので、この磁気モーメントによって内部に局所的な磁場が発生している。従って、この熱電材料を発電素子として使用した場合、内部の磁場の影響によって熱起電力が増大し、外部から磁場を加えなくても、高い発電効率を実現することができる。
【0008】
また、凝固の際に外部から磁場を加えることによって、磁場の方向に対して特定の結晶方向が揃い易くなることも、熱起電力の増大に寄与する。
【0009】
なお、上記の方法のように溶融物を凝固させる際に外部磁場をかける代わりに、溶融物を外部磁場を加えずに冷却し、一旦凝固させた後、再度その材料のキュリー点以上の温度に加熱し、その後、外部磁場を加えた状態で冷却することによっても、結晶の磁気モーメントの方向が揃った化合物半導体を得ることができる。
【0010】
好ましくは、前記化合物半導体はFeSiである。その場合、前記ドーピング材として、Co、MnまたはCrのいずれかを使用することができる。
【0011】
好ましくは、上記の方法によって、結晶の磁気モーメントの方向が揃った化合物半導体を作成した後、この化合物半導体を前記磁気モーメントの方向に対して平行な面及び垂直な面で切断して、六面体の小ブロックを作製し、この小ブロックの切断面の内、前記磁気モーメントの方向に対して平行で且つ互いに対向する2面に電極を取り付けて、熱電素子に仕上げる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の方法に基づいて、FeSi系の化合物半導体からなる熱電素子を製造するプロセスについて説明する。
【0013】
化合物半導体系の熱電材料は、他の多くの半導体と同様に、フローティングゾーン法(Floating Zone Method)、チョクラルスキー法(Czochralski Method)法またはブリッジマン法(Bridgeman Method)などによって製造される。いずれの製造方法も、原理的には、製精された高純度の原料を溶融した後、混晶するものである。
【0014】
先ず、図1に示すように、化合物半導体を構成する原料であるFe及びSi、並びにドーピング材であるCo(または、Mn、Crのいずれか)を、クリーンな状態に維持された反応炉1の中に入れる。反応炉1の全体を昇温して、各原料を溶融し、FeとSiを反応させるとともにその中にドーピング材を拡散させる。なお、各原料の融点はキュリー温度以上なので、溶融状態ではFe及びドーピング材の磁化は消滅している。
【0015】
各原料を溶融した後、仮に、そのままの状態で凝固させ、キュリー点以下の温度まで冷却したとすると、再び磁化が現れるが、内部の磁気モーメントの向きは、図6に示すように、ランダムに分布する。
【0016】
そこで、本発明の方法では、溶融状態から冷却する際、図2に示すように、反応炉1の中に外部から磁場を加える。これによって、FeSi結晶及びその中に含まれるドーピング材の磁気モーメントの向きを、外部磁場の方向に揃えることができる。その結果、材料内部で局所的に磁場を維持することが可能になる。また、FeSiの場合には、凝固の際に外部から磁場を加えると、結晶の磁気異方性も誘起されるので、特に有効である。なお、原料中にFe、Coなどの強磁性体が含まれている場合には、Siと反応できずに残されたこれらの原料の磁気モーメントの方向も同時に揃う。
【0017】
その後、材料を冷却し、図3に示すように、使用する大きさに切り分ける。なお、切断は、上記の磁気モーメントの方向に対して平行な面及び垂直な面で行う。切り分けられた材料は、結晶及びドーピング材の磁気モーメントの方向が揃っているので、内部に一方向の磁場が生じている。この磁場によって、材料の熱起電力が増大する。
【0018】
次いで、図4に示すように、この切り分けられた材料に電極を取り付けて、熱電素子に仕上げる。なお、電極は、磁気モーメントの方向に対して平行で且つ互いに対向する2面に取り付ける。
【0019】
ここで、図5に示すように、磁場の向きに対する熱電素子の形状、特に電極間距離(L)及び電極長さ(W)が、熱電素子の内部に形成される温度分布(温度及び温度差)に大きく影響するので、最適な温度条件、電極間距離及び電極長さを選択することによって、熱電素子としての性能を最大限に引き出すことができる。
【0020】
熱電素子の電極には、Niが広く使用されている。上記の方法を用いて熱電素子を製造する際、電極の材料としてNiなどの強磁性体を使用する場合には、電極に熱電材料と同じ方向の磁化を予め持たせておけば、熱電材料の内部に発生する磁場の強さが増大するので、熱起電力が増大し、その性能を更に高めることができる。
【0021】
上記の方法に従って熱電材料を製造する際、反応炉1の内部に加える磁場の強度は、0.1〜0.5T程度である。使用される反応炉の大きさは、反応炉の内部に発生させることができる磁場の強さに依存する。従って、反応炉が余り大きくなると、その内部での磁場の強さを確保するため、外部の磁場発生源として巨大な電磁石が必要となり、現実的ではなくなる。比較的容易に入手できる電磁石を前提にし、反応炉の内部での磁場の強さを0.5Tとした場合、反応炉の大きさとしては、おおよそ、直径50mm、高さ約50mm程度が限度となる。
【0022】
なお、超伝導磁石を用いれば、より大きな磁場を発生させることができる。また、超伝導磁石を用いれば、反応炉の大きさを増やすこともできる。
【0023】
但し、化合物半導体の場合、原料の溶融後に凝固させる際、混晶領域の発生を避けるため急速に冷却する必要がある。その際、反応炉が大きいと、急冷が困難になる。従って、所定の冷却速度を確保するためにも、反応炉の大きさには限度がある。
【0024】
【発明の効果】
本発明の方法に基づいて製造された熱電材料は、結晶及びドーピング材の磁気モーメントが一方向に揃っているので、この磁気モーメントよる磁場が内部に発生する。従って、この熱電材料を発電素子として使用した場合、外部から磁場を加えることなく高い発電効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく熱電材料の製造工程について説明する図。
【図2】本発明に基づく熱電材料の製造工程について説明する図。
【図3】本発明に基づく熱電材料の製造工程について説明する図、(a)及び(b)は熱電材料の切り分け方の例を示す図。
【図4】本発明に基づく熱電材料の製造工程において、切り分けられた熱電材料に電極を接合して熱電素子に仕上げた状態について説明する図。
【図5】本発明に基づく方法で製造された熱電素子の使用時の状態について説明する図。
【図6】熱電材料の製造工程について説明する参考図。
【符号の説明】
1・・・反応炉、
2・・・磁石、
3・・・熱電材料、
4・・・電極、
5・・・熱電素子。

Claims (6)

  1. 熱電効果を有し且つ構成元素の一方が強磁性または常磁性を示す元素である化合物半導体からなる熱電材料の製造方法であって、
    前記化合物半導体の組成に対応する原料にドーピング材を加えて溶融し、次いで、外部から磁場を加えた状態で冷却して凝固させ、これによって、結晶の磁気モーメントの方向が揃った化合物半導体を得ることを特徴とする熱電材料の製造方法。
  2. 熱電効果を有し且つ構成元素の一方が強磁性または常磁性を示す元素である化合物半導体からなる熱電材料の製造方法であって、
    前記化合物半導体の組成に対応する原料にドーピング材を加えて溶融し、
    この溶融物を冷却して凝固させ、
    このようにして得られた多結晶体を、そのキュリー点以上の温度に加熱した後、外部から磁場を加えた状態で冷却し、
    これによって、結晶の磁気モーメントの方向が揃った化合物半導体を得ることを特徴とする熱電材料の製造方法。
  3. 前記化合物半導体は、FeSiであり、
    前記ドーピング材は、Co、MnまたはCrのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電材料の製造方法。
  4. 熱電効果を有し且つ構成元素の一方が強磁性または常磁性を示す元素である化合物半導体からなる熱電素子の製造方法であって、
    前記化合物半導体の組成に対応する原料にドーピング材を加えて溶融し、
    この溶融物を、外部から磁場を加えた状態で冷却して凝固させ、これによって、結晶の磁気モーメントの方向が揃った化合物半導体を作製し、
    この化合物半導体を前記磁気モーメントの方向に対して平行な面及び垂直な面で切断して、六面体の小ブロックを作製し、
    この小ブロックの切断面の内、前記磁気モーメントの方向に対して平行で且つ互いに対向する2面に電極を取り付けて熱電素子に仕上げること、
    を特徴とする熱電素子の製造方法。
  5. 熱電効果を有し且つ構成元素の一方が強磁性または常磁性を示す元素である化合物半導体からなる熱電素子の製造方法であって、
    前記化合物半導体の組成に対応する原料にドーピング材を加えて溶融し、
    この溶融物を冷却して凝固させ、
    このようにして得られた多結晶体を、そのキュリー点以上の温度に加熱した後、外部から磁場を加えた状態で冷却し、これによって、結晶の磁気モーメントの方向が揃った化合物半導体を作製し、
    この化合物半導体を前記磁気モーメントの方向に対して平行な面及び垂直な面で切断して、六面体の小ブロックを作製し、
    この小ブロックの切断面の内、前記磁気モーメントの方向に対して平行で且つ互いに対向する2面に電極を取り付けて熱電素子に仕上げること、
    を特徴とする熱電素子の製造方法。
  6. 前記化合物半導体は、FeSiであり、
    前記ドーピング材は、Co、MnまたはCrのいずれかであることを特徴とする請求項4または5に記載の熱電素子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006294715A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Ricoh Co Ltd 配向熱電材料およびその製造方法
CN101436640B (zh) * 2008-12-26 2011-08-10 哈尔滨工业大学 ZnO/β-FeSi2复合材料及制备方法
JP2016103535A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 トヨタ自動車株式会社 熱電体

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